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薮仲委員
国鉄問題はこれぐらいにして、また次に譲りたいと思いますが、今おっしゃられたように、
国鉄はまだまだ重大な問題をたくさん抱えておりますので、総裁以下、
運輸省当局のいろいろな面での指導や協力や力をかりながら、さらに好ましい
国鉄になるように努力をお願いいたしておきます、
次に、大臣がお戻りになりましたので、さっきつくばのことをずっとやっておって、私は運輸大臣としてこの成功にお力添えをいただきたいと願う一人でございます。大臣も恐らくその気持ちだろうと思いますので、つくば万博の成功については心をとどめておいていただいて、大臣のできる範囲内でまたいろいろと御配慮いただきたい、このことをお願いいたしておきます。
それに関することで
一つお伺いしたいのは、日本の法律に通訳案内業法、通訳をなさるガイドさんに対してきちっと法律があるという国は珍しいわけでございます。きのう私は万博へ行きましたときに、ちょっとイタリア館へ行きました。そうしたらイタリア館の方が懇切丁寧な
説明をしてくださいましたし、優秀な通訳の方がついていろいろと適切な御
説明をいただいて、私もある意味ではイタリアを見直して帰ったわけでございますが、その中に、私が感ずることが
一つあったのでございます。イタリアが持っている科学的な分野でイタリア館の方が一生懸命
説明するわけでございます。原子物理学の最先端の加速装置のことをやるわけでございますが、これは私は日本語で聞いたってわかりませんね。大学教授に日本語で原子物理学の話を聞いたって私は居眠りが出るほどでございますからだめでございますが、通訳なさる方は汗をかきながら懸命にやっていらっしゃった。ああいう専門的な知識というのは、我々が日本語で聞いてもわからないのを懸命にやっていただいて、私は感謝しておったわけでございます。
何を私が言いたいかというと、先般の国際
観光振興会法の質疑のときにいろいろと
お話をさせていただいたわけでございますが、大臣はもうほとんど世界の国々を図られて国際情勢はお詳しいわけでございます。我々が言葉の違う、言葉の通じない国に行ったときに、やはりそこで通訳してくださる方、ガイドの方の
説明というものは、我々がその国を理解する上に深いくさびを打たれるといいますか、ガイドさんの能力によっていろいろなことを理解する部分が相当あるのじゃないかなと私は思うわけでございます。
この通訳案内業というのは、大臣も御承知のように、語学は当然のこととして、地理や歴史や政治や経済、文化、あらゆるものについて国家試験に合格しなければならない。それによって都道府県知事の免許を受けて、訪日した外人に対して接遇する。
民間の外交官として日本の国を正しく
紹介して理解させる。国と国との間の相互理解、国際親善に非常に重要な役割を果たしてくださっていると思うわけでございます。先般も指摘しましたように、日本の国に来る外国の方々は、いろいろなものを通じて日本の国をそれなりに理解しているものの、必ずしも正確ではない。その方々が日本の国に来て、自分の目で見、肌で感じ、そしてガイドしてくれる方から適切な
説明を聞いて、日本を好ましい国として帰っていかれる、こうなってまいりますと、通訳案内業、いわゆるガイドの方々の身分といいますか立場というものは、これからの国際社会において、経済摩擦の解消の上でも日本を知ってもらう上でも非常に大事な立場だなと私は思うわけでございますが、まず
運輸省の通訳案内業者に対する位置づけといいますか、評価についてどうお考えであるかお聞かせいただきたい。