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国務大臣(
渡部恒三君) これも誤解を受けると困るので、はっきり申し上げさせていただかなければならないと思いますが、ただ、金があるからないからと、こういうことでなくて、やはり将来の
医療保険のあり方という中で、これはいつも私が申し上げておるように、
社会保障というものは本来やはりすべての人が平等にその恩恵、給付を受けるべきものである、こういうふうに考えますと、現在の
財政力、そういう中で、これはやっぱり
国民健康保険加入者の七割の方を八割に将来引き上げていくというためには、被用者保険の皆さん方にも八割
程度に御辛抱をいただくしかないというのが、これは現在の状態でございますが、しかし、かといって十割給付だったものが急にきょうからこれは八割というようなことでは生活に激変が起こるので、やはりこれになれていただくために、二年間はその間をとってこれは九割とするとか、また低所得者や御病気にかかっておる方が困らないような高額療養制度の検討とかいうことをやっておるわけでありますけれども、これはいずれにしても私は
和田先生なら御理解いただけると思うんですが、今の厳しい状態で、先ほども六十年度以後の
予算、大変御心配をいただいておりましたけれども、現在の
財政力、また高度成長であればいいわけですけれども、そういうことにならない今の経済状態の中で、これ以上保険制度に国庫から金を入れていくことは大変至難な状態にあるということは御理解いただけると思うんです。
そのためには、そうすると国庫から入ってこない、これ以上増額できないということになれば、これは保険料率を上げるか、医療費の一部を直接受益者の皆さん方に御負担をいただけるか、これ以外にないわけで、私どもはその中でいろいろ考えた結果、やはり自分の健康保全に一生懸命努力をして、全然お医者さんにかからない人とかかる人と、そういう間の
考え方とか、あるいはいろんなことを工夫した結果、やはりこの
程度の御負担をということで、基本的な
考え方としては二割、しかし激変緩和のために一割ということで今お願いしておるわけで、将来の
財政状態が変わってくれば今先生のおっしゃるような理想の方向も求められると思いますが、現在の状態ではこのようなことしか申し上げられないことを御勘弁いただきたいと思います。