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中西珠子君 これは日本政府の国際的な公約でもあるわけでございます。と申しますのは、一九五八年、
昭和三十三年ですかに、公企体の職員とそれから公務員、地方と国家公務員と両方の結社の自由問題また労働基本権問題の提訴が行われまして、以来ILOの結社の自由
委員会に八年間この問題がひっかかっていたわけでございます。そして解決を見なかったために、ILOの結社の自由
委員会というのは御承知のとおり国連とILOの合同の
委員会の予備
審査をするところでございますが、八年間も決着を見なかったために、ILOと国連の合同の
委員会の発動ということになりまして、そして日本政府は、ILOと国連の合同の実情調査調停
委員会というものにこの問題を付託することに対して承諾を与えられ、そしてこの
委員会が日本に来日したわけでございます。承諾を与えられたわけですから内政干渉ではないわけでございますね。これがいわゆるドライヤー
委員会でございまして、そしてドライヤー
委員会が勧告をしたわけでございますね。そしてその結果、ILO八十七号条約が批准されました。
そして、ドライヤー
委員会のしてきたものの中に、国家公務員、地方公務員の労働基本権を制約するならばその代償措置が必要であると。労働基本権の制約は必ずしもその国によって、立法によって制約することは、エッセンシャルな重要な仕事についてはできるんだけれ
ども、その場合は代償措置が必要であるというのが一応国際的な建前でございますね。これに対して日本政府は二十年間、人事院が国家公務員の労働組合権の、労働組合権ばかりでなく団交権、また団体行動権、すなわちスト権制約の代償措置なんだから、その代償措置を人事院勧告がやっているのだから、これを日本政府は尊重しておりますということを、ILOに対しても世界に対しても二十年間おっしゃってきたわけでございます。
ですから、この国際公約というものをやはり守っていただきたいということと、難しい
財政状況ではあっても、やはり人事院勧告を守って給与改定をやっていただきませんと、公務員の士気というものにも影響するし、また労使関係にも悪い影響を与えるかもしれないということを恐れますし、また公務員ばかりでなく、恩給生活者それから
年金生活者の
年金の給付にも影響を与えるし……