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梶原清君 心強い御所信をちょうだいいたしまして本当にありがとうございました。ぜひ大いに頑張っていただきますように心からお願いを申し上げ、お祈りを申し上げる次第でございます。
それでは次に、行財政改革の問題に移るわけでございますが、私は交通
関係の若干の事例を挙げまして、
予算編成なり、
予算執行、行政運営に総合的な立場で取り組んでいかなければならないという提案をいたしたいと存ずるわけであります。
その
一つといたしまして、過疎
地域におけるバス輸送の問題がございます。過疎
地域におけるバス
事業は過疎過密現象の進展に伴いまして非常に
経営が苦しくなっておるわけでございます。そして、これに対応いたしまして運輸省におきましては、過疎バスの補助制度をずっと以前から拡充してまいりまして、これに取り組んでいただいておるわけでございます。また、文部省におかれましても、これまたずっと以前からスクールバスの補助制度を設けて、過疎
地域における通学輸送を確保する努力を続けられておるわけであります。聞くところによりますと、十年ほど前からこのスクールバスを住民利用にも道を開くようになさっておるようでございますが、またそして、
数字的には把握できておりませんけれども、各地方自治体におきまして医療施設への輸送を確保するための目的で自家用バスを運行しておられるケースが多々あるようでございます。つまり、いろいろの取り組みがなされてきておる。こういうふうに言えるわけでございますが、私が考えますのは、このように個々に取り組まれておりますものを何とかまとめて、
専門のバス
事業者できめ細かな輸送サービスが提供できるような
方向に持っていくことができないだろうかということでございます。
これまでの観念では、バス
事業といいますと、すべて大型バス、がらがらの大型バスを一日数回走らせているというのが実態のようでございますけれども、発想を転換いたしまして、もし従来のバス会社が直接できなければ小型バス
専門の小会社をつくる、その小会社が路線バスの運行なり、スクールバスの肩がわりなり、貸し切りバスもやる、つまり何でも屋の
地域の実情に合ったきめ細かな輸送サービスを慣用的に運営していく、こういうふうな状態に持っていくのがいいのではないだろうか、私はそう思うわけであります。世の中のことはすべて手のひらを返すように一度にできるわけのものではございませんので、どこかでやってみて、そしてこれを全国的に一般化していくということがいいのではなかろうか。要するに、各省ごとに進めておられる施策を総合した形で取り組むようにしてはどうかというのが私の提案でございます。その際、財政当局におきまして
予算の編成に当たって温かい御
指導を配慮していただきたい、このことをお願いするわけであります。
第二の事例といたしまして、空港の騒音
対策でございますが、とりわけ問題になりました大阪国際空港の騒音問題、年に五百億、六百億もの騒音
対策事業費を投じていろいろの施策を進めております。飛行場の
周辺の
地域につきましては、任意申し出によりまして土地の買い入れ、そして氏家の移転補償というのを進めておりますけれども、仮に住居が百戸ありますと、一軒抜け二軒抜けして、歯が抜けるようにして抜けていくわけであります。そうしましたら、残る住民の方々は、二次公害といいましょうか、非常に迷惑になってくるわけであります。
そこで私が思いますのは、飛行場の
周辺、直近の
地域を都市公園にしてはどうか、都市公園
事業として取り組んではどうだろうか。そうすれば
建設省からの補助金もいただける、公共
事業としての
事業遂行もできる、また税金の面においても特例
措置が講じられる。都市公園機能とそれから飛行場の環境
対策、この二つの機能をあわせ持ったような施策ができるわけでございます。付近の住民の方々と
相談をして適切な都市公園づくりをしていく、そういう取り組みが必要ではないか。と申しますのは、今、運輸省航空局の線で飛行場づくりをやっておる、それの環境
対策を航空局の手でやっておりますけれども、しかし発想を転換して、そこへ
建設省が所管されておりますところの都市公園を持ってくる。こういうことによって、いろいろ各省でやっておられますものをこれをうまく
調整して取り組むことが、これが実情に沿うことにもなり、また国費をそう使わなくても済むようになるのではないだろうかというのが私の提案であります。
第三の事例といたしまして、同様のケースが新幹線の場合にもあるわけであります。グリーンベルトをつくらなければいけないところもございましょう。そのときは同じような考え方で取り組んでいただきたい。また、最近テレビで放映されましたわけでございますけれども、上越新幹線をつくりますときに、当然のことながら、その側道といいましょうか、工事用道路、数メートル幅のものを
建設する。そして、新幹線ができ上がりますと、それを市町村道として市町村に引き取っていただく。こういうことが行われておるわけでございますが、市町村側といたしますと、財政事情その他からスムーズには引き取っていただけない、トラブっておる。したがいまして、その側道用地が管理者も十分でないままに放置されておりますために、テレビに放映されたり新聞に出たりするわけであります。
そこで、この新幹線といいますのは、広い
地域にわたりまして必要な基幹交通施設であります。ぜひつくらなければいけない。新幹線をつくるときには当然工事用道路も要り、側道も要る。それができ上がった段階では市町村道として有効に使っていただかなければいけない。そうするならば、最初の段階からうまく各省ごとの
事業計画を
調整して、そしてこれが円滑に進むように取り組んでいく、こういうことでなければならないのではないだろうか、私はそう思うわけであります。現在、テレビにも出ておりましたケースから考えますと、側道として取得した土地はその資金が寝ておるわけでございます。
金利負担もかさんでおる。こういう状態でございますので、政府全体としての取り組みをすることによってその円滑化を図れば国鉄の資金負担、
金利負担も軽くなるわけであります。現在、国鉄は二十兆円に及ぶ
長期債務を抱えて大変になっております。その
金利負担だけでも大変でございます。それのよってもって生ずる利子負担といいますのは、それは今申し上げましたような
一つ一つをうまく解決をしていく、取り組んでいくということによって、国鉄の利子負担も少なくなってくるのではないだろうか、私はこう思うわけでございます。
この三つの事例を通じまして各省にまたがる
事業を国全体の立場で
調整していく、また国土庁の
事業調整費の活用も図っていただく、国土庁さんのお立場でできるだけ
事業を
調整してやっていただくというようなことが今後大切ではなかろうかということを御提案し、また御要望申し上げるわけでございます。
時間をはしょりまして十分お聞き取りいただけなかったかと存じますが、要は
予算編成の段階における、またこうした
事業に取り組む際の総合
調整機能というものが非常に大切だ、それを今後努力してやっていただかなければいけないということを提案申し上げるわけであります。このことにつきまして、
関係大臣または
政府委員、事務当局から御
所見を賜りたいと存ずるわけでございます。