○
政府委員(矢崎新二君) この空中給油の問題でございますが、まず基本的な
考え方を申し上げますと、最近におきます航空技術の進歩というものは大変著しいものがございます。それによりましていわゆる超低空侵入とかあるいは高高度高速侵入といったような侵入能力が非常に今増大をしてきております。したがって、そういう
状況の中で
考えてみますと、やはりこれらに対処するためには、あらかじめ上空におきまして空中警戒態勢というものを強化していく必要性が増大をしてくるであろうということが我々としては
考えられているわけでございます。したがいまして、そういう
事態に備えるためには、やはり空中給油の機能というものを活用するという必要性はこれは否定し得ないところだと思います。
ところで、御質問のF4ファントムについてでございますが、これは御指摘のように、四十八年にいろいろな空中給油装置の必要性の
議論を踏まえて、これを地上給油に改修をしたという経緯がございます。しかしながら、それはその当時においては空中給油装置をつける必要性がまだないだろうという判断に立っていたものでございまして、これを将来とも一切もう排除するというふうな
考え方をとっていたわけではないわけでございます。そのことは五十三年三月四日の
政府見解におきまして
国会でも御
説明申し上げておりますが、その中でるる
説明をしている経緯がございます。これはF15に空中給油装置をつけておくことについての問題もありましたので、あわせて
見解を申し上げたわけでございますが、この際にも、やはり将来の問題としてはそういうことの可能性はあり得るということを
政府の
見解として申し上げておりますし、その決定をいたしますプロセスにおきまして、
政府部内において憲法上その他の問題点を十分調査をいたしまして、これは問題がないという結論に達したわけでございます。
そういった経過についても、
国会におきます御質問に応じまして、当時の福田
総理大臣初め何人かの
政府側からの
答弁をいたしている経緯がございまして、私
どもといたしましては、この空中給油の機能そのものはやはり専守防衛の
立場からいって問題のないものであると、こういう判断に立っております。しかしながら、現在の時点において空中給油の機能を実戦的にそれをやろうという計画が現在あるわけではございません。