○関
嘉彦君 私は、民社党・国民連合の
立場に立って
質問申し上げます。
総理並びに
外務大臣、友好親善のために中国に行ってこられまして御苦労さまでございました。帰国早々連日の
予算委員会で、コーヒーブレークをとる暇もなく私の
質問に答えていただくということで大変御同情申し上げておりますけれども、これは私の責任じゃございませんから御了承願います。
私は、
質問の重点を教育と
国際政策に限りたいと思いますけれども、これは我が党の同僚
委員がほかの問題については既に
質問しておりますので、この重複を避ける
意味でありまして、決してほかの問題を軽視しているという
意味ではございません。教育及び
国際政策の問題について重点的にお尋ねしたいと思っております。
その問題に入ります
質問のイントロダクションとしまして中曽根内閣の政治姿勢、以下の問題についてお答えいただく伏線としまして、政治姿勢の問題をお尋ねしたいと思います。
私、学生時代、
日本がおかしなコースをとってあの無謀な戦争に突っ込んでいつた経過を目撃してきた一人でございますけれども、
日本があのような無謀な戦争に突入しました原因はいろいろあると思いますけれども、
一つはその当時の議会が腐敗しておりました。また、空洞化して、それを批判するような論調が国民の支持を受けていた。第二に、いわゆる議会制のもとになっている自由主義の
考え方はイギリス、
アメリカの
考え方であるというので、自由主義に反対する
立場から反英、反米の風潮がだんだん強くなっていたということ。第三は、経済的な不況の影響もあったんですけれども、いわゆるブロック経済と申しますか、経済的な保護主義、この風潮が強くなっていた。その三つが一緒になってああいう悲惨なコースをたどっていったというふうに私は思っております。
ところで、最近の雑誌論文なんかを読んでおりますと、決して多くの論文ではございませんけれども、その一部に戦前の
日本を肯定するような論文があらわれ始めている。特にこれは一昨年「東京裁判」という映画があって、その反動だと思うんですけれども、東京裁判の
国際法的な違法性を批判する余り、満州事変以後の
日本がたどった道というのはこれは正しかったんだというふうな、それを肯定するような論文なんかもあらわれております。つまり、外開に通用しないような国家主義といいますか、エターティズムといいますか、そういったふうな
考え方を、正面からではありませんけれども間接的に肯定するような論文も時々あらわれてきております。また、
日本には戦後潜在的な反米主義の
考え方が依然として強い。さらに最近の経済摩擦なんかに関連しまして、総論では門戸開放、自由貿易主義を主張しながら、各論になりますと既得権益を擁護するために保護貿易主義を正当化するような議論があらわれてきておると思います。こういった三つの傾向が一緒になりますと、私はその危険が非常に大きいとは思いませんけれども、非常に危険なコースを走らないとも限らないと思うのであります。
総理は、最近のそういったふうな傾向をどういうふうにごらんになっておられますか、まず
総理にお伺いしたいと思います。