○亀井
久興君 秋田班につきまして御
報告いたします。
秋田班は、海江田
委員、
佐々木委員、
出口委員、瀬谷
委員、鈴木
委員、近藤
委員、秦
委員そして私亀井の八名で構成し、三月一日秋田県立脳血管研究センター、秋田県工業技術センター、秋田酒類製造株式会社を視察し、翌二日秋田市において公聴会を開催してまいりました。
私田班の公述項目は、地方財政、農業問題、地域経済の三項目であり、六名の公述人からそれぞれ
意見を聴取した後、
派遣委員から熱心な質疑が行われました。
以下、公述の要旨につきまして簡単に御
報告いたします。
まず、地方財政につきましては、秋田県知事
佐々木喜久治君、秋田県町村会長工藤清
一郎君から
意見を聴取いたしました。
佐々木公述人は、五十九年度の地方財政対策は、健全化を第一目標とした点で評価したいが、地方交付税特別会計の累積借入金十一兆五千億円を折半して国及び地方の借金としたことは、地方交付税の趣旨に合致するのか疑問がある。厳しい地方財政の状況に対処していくには、地方税源の充実強化を図ることが肝要である。児童扶養手当制度の改正については、地方への
負担転嫁を行うもので残念に思う。東北一の新空港開港を県経済発展のためのばねとして
時代を先取りした秋田テクノポリス構想を早急に進めるなど、各地域の活力を積極的に引き出したいとの
意見が述べられました。
工藤公述人は、地方財政の現況は、地方交付税率
現行三二%の引き上げが、地方財政制度の抜本的改正を迫るほどの非常事態となっている。地方債増発等の常態化は好ましくなく、住民税、所得税減税に伴う補てん措置、地方交付税所要額安定確保の施策を講ぜられたい。過疎バス問題は、不採算路線を抱える町村財政にとって相当の重圧となっていることを理解してほしい。地方交通線については、地域住民の生活に支障ないよう慎重な対応を願いたい。今冬の異常豪雪に対する特別助成措置を要望したいとの
意見が述べられました。
次に、農業問題については、秋田県農業協同組合中央会会長土肥大
四郎君、秋田県畜産農業協同組合連合会会長成田広造君から
意見を聴取いたしました。
土肥公述人は、農産物の自由化では日米経済摩擦の解消にはつながらない。事態解決の道は、行き過ぎた工業製品の輸出を抑制し、内需拡大を図る経済運営への
方向転換や、地域経済活性化で対処すべきである。第三期水田利用再編対策の中で、一定の在庫水準を確保するため計画的な在庫積み増しを行うことは一歩前進の
政策であるが、少なくとも五年程度を期間としたゆとりある需給計画への
方向転換が必要である。全国的に最も高い生産力水準にある秋田県稲作の現状等を考慮した転作面積の配分を要望したいとの
意見が述べられました。
成田公述人は、農業全体に占める畜産物のウエートは約三割と大変なものがあり、牛肉を初めとする農産物の市場開放は阻止願いたい。農業の基本は土づくりであり、畜産を盛んにし、有機質の堆肥を使用する必要がある。諸外国を見ても、米国の食肉輸入法等、農業問題については相当の保護
政策をとっている。消費者に安い牛肉を提供するため経営合理化努力を行っているが、我が国の穀類自給率は先進国の中でも最低となっており、自給率向上
政策が必要であるとの
意見が述べられました。
地域経済につきましては、秋田県経営者協会会長辻兵吉君、秋田経済法科大学経済学部教授横山幸一君から
意見を聴取いたしました。
辻公述人は、低迷する県内経済に活力を与えるためには、雇用機会を増大し新規若年労働力を地元に定着させるため、先端技術産業を中心とする秋田テクノポリスの指定を要望する。地元中小企業の向上や質の高い労働環境づくりに努めると同時に、一連のハイテク指向の指導によってハード面のみならずソフト面にも力を入れる必要がある。中小企業の倒産は最近増加の一途をたどっているが、個人債務保証者または担保提供者に限り、その経営する企業が債務超過となった場合、個人資産提供による所得税の免除を要望したいとの
意見が述べられました。
横山公述人は、秋田県は地元にすぐれた商店街がないため新規
大型唐の定着を容易にしており、地元商業による商店街の強化が必要である。代表的な地場産業は木材、木製品工業であるが、五十六年には製造業の首位の座を電気機械工業に譲っている。五十八年以降の製造業の動向は、震災復旧事業を中心に建設業が伸びを示したものの、木材、木製品工業は民間住宅の不振から低迷し、また全国第三位の出荷額を誇る酒造業も停滞を続けている。こうした中で特に弱電部品業界は好調である。秋田空港を中心とした空輸型工業基地として先端技術産業が操業を開始したが、今後本県製造業の拠点となり地場産業との関連づけを行うことが重要であるとの
意見が述べられました。
以上で
報告を終わります。