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1984-04-27 第101回国会 参議院 本会議 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年四月二十七日(金曜日)    午前十時二分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第十三号   昭和五十九年四月二十七日    午前十時開議  第一 千九百八十三年の国際熱帯木材協定の締   結について承認を求めるの件(衆議院送付)  第二 出版物国際交換に関する条約締結に   ついて承認を求めるの件(衆議院送付)  第三 国家間における公の出版物及び政府の文   書の交換に関する条約締結について承認を   求めるの件(衆議院送付)  第四 中小企業等協同組合法及び中小企業団体   の組織に関する法律の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  第五 身体障害者福祉法の一部を改正する法律   案(内閣提出)  第六 水俣病認定業務促進に関する臨時措   置法の一部を改正する法律案衆議院提出)  第七 運輸省設置法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  第八 保安林整備臨時措置法の一部を改正する   法律案内閣提出衆議院送付)  第九 国有林野法の一部を改正する法律案(内   閣提出衆議院送付)  第一〇 国有林野事業改善特別措置法の一部を   改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一一 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補   助の暫定措置に関する法律の一部を改正する   法律案内閣提出衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、請暇の件  一、中央選挙管理会委員及び同予備委員指名  以下 議事日程のとおり      ——————————
  2. 木村睦男

    議長木村睦男君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  大鷹淑子君から海外旅行のため十日間、小西博行君から海外旅行のため十二日間、それぞれ請暇の申し出がございました。  いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 木村睦男

    議長木村睦男君) 御異議ないと認めます。  よって、いずれも許可することに決しました。      ——————————
  4. 木村睦男

    議長木村睦男君) この際、欠員中の中央選挙管理会委員及び同予備委員各一名の指名を行います。
  5. 名尾良孝

    名尾良孝君 中央選挙管理会委員及び同予備委員指名は、いずれも議長に一任することの動議提出いたします。
  6. 鶴岡洋

    鶴岡洋君 私は、ただいまの名尾君の動議賛成いたします。
  7. 木村睦男

    議長木村睦男君) 名尾君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 木村睦男

    議長木村睦男君) 御異議ないと認めます。  よって、議長は、中央選挙管理会委員中尾辰義君を、  同予備委員大谷操君を、それぞれ指名いたします。      ——————————
  9. 木村睦男

    議長木村睦男君) 日程第一 千九百八十三年の国際熱帯木材協定締結について承認を求めるの件  日程第二 出版物国際交換に関する条約締結について承認を求めるの件  日程第三 国家間における公の出版物及び政府文書交換に関する条約締結について承認を求めるの件   (いずれも衆議院送付)  以上三件を一括して議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。外務委員長後藤正夫君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔後藤正夫登壇拍手
  10. 後藤正夫

    後藤正夫君 ただいま議題となりました条約三件につきまして、外務委員会における審議経過と結果を御報告いたします。  まず、千九百八十三年の国際熱帯木材協定は、研究開発等事業の実施を通じて熱帯木材生産国輸出収入の安定を図ることを目的とするものでありまして、国際熱帯木材機関の設立、事業活動を実施するための手続等について定めております。  次に、出版物国際交換に関する条約並びに国家間における公の出版物及び政府文書交換に関する条約は、いずれも昭和三十三年の第十回ユネスコ総会で採択されたものでありまして、前者は、政府機関及び非営利的な非政府団体の間の出版物国際交換を奨励し、かつ容易にすることを目的とし、後者は、国家間における公の出版物及び政府文書交換促進することを目的として、それぞれ対象とする出版物範囲、国の交換当局の任務、運送費負担、関税上の便益等について定めております。  委員会におきましては、森林保護とこれに対する我が国の協力の問題、出版物国際交換の今後の進め方等につき熱心な質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。  昨二十六日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、三件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  以上、御報告いたします。(拍手)     —————————————
  11. 木村睦男

    議長木村睦男君) これより三件を一括して採決いたします。  三件を承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  12. 木村睦男

    議長木村睦男君) 総員起立と認めます。  よって、三件は全会一致をもって承認することに決しました。      ——————————
  13. 木村睦男

    議長木村睦男君) 日程第四 中小企業等協同組合法及び中小企業団体組織に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。商工委員長斎藤栄三郎君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔斎藤栄三郎登壇拍手
  14. 斎藤栄三郎

    斎藤栄三郎君 ただいま議題となりました中小企業等協同組合法及び中小企業団体組織に関する法律の一部を改正する法律案、これについて商工委員会審査をいたしましたその経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、事業協同組合商工組合等債務保証事業範囲を拡大し、組合員出資口数限度に特例を設けるなど、組合機能強化を図ろうとするものでございます。  委員会においては、保証拡大の前提となる組合担保能力充実出資口数限度の緩和による弊害防止などについて質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  15. 木村睦男

    議長木村睦男君) これより採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  16. 木村睦男

    議長木村睦男君) 総員起立と認めます。  よって、本案全会一致をもって可決されました。      ——————————
  17. 木村睦男

    議長木村睦男君) 日程第五 身体障害者福祉法の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。社会労働委員長石本茂君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔石本茂登壇拍手
  18. 石本茂

    石本茂君 ただいま議題となりました身体障害者福祉法の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法律案の主なる内容は、「完全参加と平等」という国際障害者年理念法律上明確にすること、身体障害者範囲を、従来法で定めているもののほか、新たに政令で定めることができるようにすること、身体障害者福祉ホーム創設等身体障害者更生援護施設に関する規定整備するとともに、身体障害者更生援護施設への入所者についての費用徴収に関する規定を設けること等であります。  委員会におきましては、法の理念目的身体障害者範囲更生援護施設費用徴収あり方、今後の身体障害者対策取り組み姿勢等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終了し、討論はなく、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。  なお、本法律案に対し、身体障害者の「完全参加と平等」の実現に努めること等を内容とする附帯決議全会一致をもって付されております。  以上、御報告いたします。(拍手)     —————————————
  19. 木村睦男

    議長木村睦男君) これより採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  20. 木村睦男

    議長木村睦男君) 総員起立と認めます。  よって、本案全会一致をもって可決されました。      ——————————
  21. 木村睦男

    議長木村睦男君) 日程第六 水俣病認定業務促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案衆議院提出)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。環境特別委員長穐山篤君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔穐山篤登壇拍手
  22. 穐山篤

    穐山篤君 ただいま議題となりました水俣病認定業務促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、環境特別委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本法律案衆議院提出によるもので、その内容は、旧公害に係る健康被害救済に関する特別措置法による水俣病に係る認定申請者認定に関する処分を受けていない者が環境庁長官に対して認定を申請することができる期限を、昭和六十二年九月三十日まで延長しようとするものであります。  委員会においては、臨時措置法存在意義認定業務あり方及び患者との信頼回復策、チッソの経営問題、水俣病問題に対する国の責任、水俣湾ヘドロ及び汚染魚対策等について質疑がありましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党近藤委員より反対討論が行われました。  次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、認定業務に関し、不作為違法状態を速やかに解消するとともに、法の救済の精神を尊重して、患者との信頼回復に努めることを内容とする附帯決議全会一致で付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  23. 木村睦男

    議長木村睦男君) これより採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  24. 木村睦男

    議長木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      ——————————
  25. 木村睦男

    議長木村睦男君) 日程第七 運輸省設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。内閣委員長高平公友君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔高平公友登壇拍手
  26. 高平公友

    高平公友君 ただいま議題となりました運輸省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  今回、臨時行政調査会答申の趣旨にのっとり、かつ国際関係に配慮した運輸政策推進利用者のニーズに対応した地域交通の確保、総合的な貨物流通体系形成等の諸要請に対応するため、運輸省本省組織を従来の輸送機関別縦割りから国際運輸地域交通貨物流通等分野ごと横割りに改め、運輸政策を総合的かつ効率的に推進し得るよう内部組織を再編することといたしております。  本法律案は、これに伴い、地方出先機関においても地域交通貨物流通等運輸行政を総合的に推進するため、海運局陸運局を統合し、地方運輸行政中核となる地方運輸局を新設し、その所掌事務規定するとともに、所要の規定整備を図ろうとするものであります。  委員会におきましては、運輸交通政策あり方と今回の機構改革との関連海運局陸運局の統合によるメリット、許認可の整理に対する今後の方針、総合交通体系あり方のほか、国鉄再建、地方交通線問題、青函トンネル、関西国際空港の建設、貨物輸送秩序の確立、交通弱者対策等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  27. 木村睦男

    議長木村睦男君) これより採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  28. 木村睦男

    議長木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      ——————————
  29. 木村睦男

    議長木村睦男君) 日程第八 保安林整備臨時措置法の一部を改正する法律案  日程第九 国有林野法の一部を改正する法律案  日程第一〇 国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案  日程第一一 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上四案を一括して議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。農林水産委員長谷川寛三君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔谷川寛三君登壇拍手
  30. 谷川寛三

    谷川寛三君 ただいま議題となりました四法律案について、委員会における審査経過と結果を御報告いたします。  まず、林野関係三案の主な内容について申し上げます。  保安林整備臨時措置法改正案は、最近における山地災害発生状況等保安林に係る諸情勢変化にかんがみ、保安林整備臨時措置法有効期間を十年間延長するとともに、機能が低下している保安林について所期の機能回復を図るための措置を講じようとするものであります。  国有林野法改正案は、最近における森林をめぐる諸情勢変化及び国有林野事業状況にかんがみ、国民参加による国有林野整備促進を図るため、国有林野に分収育林制度を導入しようとするものであります。  国有林野事業改善特別措置法改正案は、国有林野事業経営状況にかんがみ、その改善推進するため、昭和五十九年度以降十年間を新たな改善期間とし、改めて改善計画を策定するとともに、職員の退職手当の財源の借り入れ等措置を定めようとするものであります。  委員会におきましては、三案を一括して議題とし、参考人の出席を求めて審査を行いました。  質疑の主な内容は、改善計画変更理由改善目標達成の見通し、国有林野事業に対する財政措置あり方組織機構簡素化地域サービスとの関係森林資源の現況と整備目標、要整備森林の性格、特定保安林指定基準内容、分収育林制度導入理由森林施業計画認定状況費用負担者保護等についてでありますが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終わりましたところ、日本社会党村沢理事より、国有林野事業改善特別措置法改正案に対して修正案提案されました。  続いて、討論に入り、日本社会党上野委員から、修正案賛成原案反対保安林整備臨時措置法改正案及び国有林野法改正案賛成、自由民主党・自由国民会議川原理事から、修正案反対、三法律案賛成日本共産党下田委員から、国有林野法改正案及び国有林野事業改善特別措置法改正案反対討論がなされました。  討論を終わり、順次採決の結果、修正案賛成少数をもって否決され、保安林整備臨時措置法改正案全会一致をもって、国有林野法改正案及び国有林野事業改善特別措置法改正案は多数をもって、それぞれ原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、三法律案に対し、各会派共同提案による附帯決議全会一致をもって行いました。  次に、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置法改正案の主な内容について申し上げます。  本法律案は、最近における農林水産業の動向、本法制定以来の物価の上昇等にかんがみ、国が災害復旧事業費の一部を補助する農林水産業施設として沿岸漁場整備開発施設を追加するとともに、災害復旧事業費補助対象とする一カ所の工事の費用最低額を引き上げる等の措置を講じようとするものであります。  委員会における質疑の主な内容は、採択限度額の引き上げに伴う非補助災害復旧事業対策沿岸漁場整備開発施設補助対象としたことの理由その今後の取り扱い、農林水産業における防災事業推進方策災害関連事業拡充策等についてでありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終わりましたところ、日本共産党下田委員から修正案提出されました。  続いて、討論に入り、下田委員から原案反対討論がなされました。  討論を終わり、順次採決の結果、修正案賛成少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、各会派共同提案による附帯決議全会一致をもって行いました。  以上、御報告いたします。(拍手)     —————————————
  31. 木村睦男

    議長木村睦男君) 国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。上野雄文君。    〔上野雄文登壇拍手
  32. 上野雄文

    上野雄文君 私は、日本社会党を代表して、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案について反対討論をいたしたいと存じます。  さて、我が国林業を含む農林水産業は、輸入政策によって手痛い打撃を受けております。最近全農が出しましたこの「あぐりフォーカス」でありますが、毎日日本人が食べている食品の国籍、ごらんのとおり日本の国の日の丸はお米だけ、こう報じております。これは、輸入の問題は食品だけではありません。養蚕も、そして木材も、それにつながる森林経営も同じように深刻な影響を受けております。  我が国林業は、戦後、とりわけ高度成長時代に大増伐が行われ、その結果として、昭和四十年代には自給力七一%でありましたのが、昭和五十七年にはそれが逆転して、輸入が六五%、自給力三五%という状態になりました。最近では七〇%が外材によって占められるに至っているのであります。加えて、長い不景気、したがって住宅建築の落ち込みなどによりまして木材需要の減退が重なり、材価の低迷を招いています。その結果として我が国林業はかつてない不況に追い込まれておりますし、林業が産業としての価値が失われようとしているのであります。そのことは、かつて五十万人を数えた林業労働者が今や十八万人と激減したことを示す政府統計でも明らかであります。  これは山を守る農山村の過疎化に一層の拍車をかける結果となってあらわれているのであります。昨日公表された過疎白書は、その地域では六十五歳以上が一五%弱を占め、一世帯の収入は三 百七十二万円、全国平均で二二%も下回っております。医療施設全国平均の六分の一、大学、短大への進学率は一〇%も減っているというのであります。林業人口は実に五分の一になっていると報告していることが報ぜられているのでありまして、このような状況が私どもが愛する日本に出てきてしまったことは、政府経済合理主義一辺倒の農業過保護論に基づく大手の企業、とりわけ総合商社の言いなりになった政策の結果にほかならないと思うのであります。  ところで、森林が果たしております公益的な機能について考えたことがおありだと思います。毎日、いや今でも何の抵抗もなく吸っている空気、けさも飲んだおいしいお茶、そのもとになっている水、これは山が、森林が我々に贈り続けているものであることは申すまでもありません。森林が持っている公益的な機能をお金に換算すると、年間二十五兆四千三百億円に達するという計算も林野庁自身が公表しているのであります。つまり水源涵養で三兆六千八百億、土砂流出防止で五兆四千五百億、保健休養で三兆八千四百億、そして酸素供給大気浄化では十一兆四千四百億というように大きな数字を示しているのであります。そしてこれらが、大きな声も出さずに、政府・自民党の林業に冷たい政策が行われているそのことをなじりもしないで黙々と一億一千万人の国民大衆に奉仕を続けている、こういうことなのであります。こんなにありがたいことはないではありませんか。  そこで、ただいま提起されている国有林事業再建について申し上げたいと存じます。  国有林国土の二〇%、そして全林野面積の三〇%を占めているのでありまして、我が国森林林業中核をなしております。したがって、国有林が果たしている公益的な機能は、先ほど申し上げました二十五兆四千三百億円のうち、単年度で七兆六千二百九十億円に達するのだと言うことができると思います。しかも、民有林に比較して山の奥の奥、脊梁地帯を含む三百八十八万ヘクタールに及ぶ保安林という全国有林面積の半分に近いものを受け持っているのであります。いかに国有林が、都市の過密化に伴う生活様式変化、それによる生活用水水需要の増加、国土高密度利用によってもたらされた山地被害危険性の増大などに多大の貢献をしているかがおわかりになると思うのであります。したがって、緑資源に対する国民の関心がようやく高まってまいりました。中曽根総理が音頭を取ったからそうなったのではありません。  しかるに、国有林野事業は今日重大な危機に立たされているのでありまして、その原因は、戦前からの国有林独占度の高い木材供給農山村の安い余剰労働力によって高収益がもたらされ、国家財政に多大の貢献をしてきた当時のその認識が変えられずに、林業をめぐる構造的な原因への適切な対応を怠った政策の結果と言わざるを得ません。そのことは、昭和五十三年特別措置法が制定され、わずかに六年を経過しただけで再び延長し、七十二年収支均衡を図るという今回の提案を見ても明らかであります。それは国有林野特別会計において累積一兆円を超える赤字が生じることによって証明されております。  本年一月、このような状況の中で林政審答申が出されました。林政審国有林の持つ使命の重大なことに言及しながらも、国有林特別会計累積赤字理由に新たな改善期間中の前半期自己収入均衡達成を求め、その目標は、自助努力改革という要員と施策の徹底合理化を求めてきているのであります。政府はこの答申を受けて今次法案の提出をしたのでありますが、別に林政審が指摘をしている公益的機能の重視、森林林業をめぐる構造的な不況要因の排除には目をつぶって、ごく一部の退職金に対する利子補給、そして改善期間の延長のみに絞った改善対策提案してきたのであります。  私は、委員会審議の中で、十年はおろか、五年後のことについてまで数字的にその妥当性を明らかにすることができなかった政府林野当局に、残念なことではありますけれども、限りない憤りを覚えているものでありまして、我が党は、森林林業の持つ公益的な機能充実強化、その一点が国民的な世論にまで高まり、森林林業国民生活に及ぼす極めて重要な役割を根幹にし、その中核的な役割を担っている国有林野事業について、国民的な視野から国家百年の大計に立ったものといたしたいと念願してやまないものであります。  委員会においては、残念なことでありますが、我が党の修正案は否決されました。しかし、その多くは附帯決議の中で生かされることになりましたが、我が党は、あくまでも生きた山を、森を、そして美しい林が人間とともに生き続けることができるよう、政府原案に対して反対であることを明らかにしたいと思うのであります。  最後に、材木輸入することができても森林輸入することができません。材木輸入は遠からず地球上の人類の破滅につながるのだ、そういう言葉をしっかりかみしめてみようではありませんか。私の反対討論を結びたいと思います。(拍手
  33. 木村睦男

    議長木村睦男君) これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  34. 木村睦男

    議長木村睦男君) これより採決をいたします。  まず、保安林整備臨時措置法の一部を改正する法律案採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  35. 木村睦男

    議長木村睦男君) 総員起立と認めます。  よって、本案全会一致をもって可決されました。  次に、国有林野法の一部を改正する法律案採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  36. 木村睦男

    議長木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。  次に、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  37. 木村睦男

    議長木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。  次に、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案採決をいたします。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  38. 木村睦男

    議長木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時三十八分散会      ——————————