○柳澤錬造君 これは法務
大臣、本当に私は大事なことだったと思うんです。それで、
先ほども
山口さんは橋本先生の御質問のときに、これは
簡易裁判所の問題だけれ
ども簡易裁判所の理念は変えないんですと、こうお答えになっておったんですけれ
ども、私がお願いしたいのは、今も鬼頭さんの場合もそういう一例で出したんだけれ
ども、むしろ変えていただきたいんです、
考え方、理念を。
法務省なり
裁判所というところはこれは法の番人であって、法に照らして物事をやるところですから、どうしても
法律に縛られるところだと思うんですよ。しかし、それだけで果たしていいのかどうか。どちらかというならば私
ども余り詳しくわからない、こう見ておって、その法のお城をつくって、お城の中に閉じこもって、それで法がこうなっているからといって、それだけでもって物事を
処理するというふうな
傾向が多過ぎないだろうか。それで、
法務省のあるセクションなんかが、私のところに来て、それこそ血も涙もないような
人たちだといって、非常にあそこは冷たいといってどれだけ聞かされたかわからないですよ。ですから、そういう点から立ちますならば、どうかお願いしたいことは、
法律のそういうお城をつくって法にさえ照らして間違っていなければいいんだという扱いをするのではなくて、もう少し人間味のある、もっと端的に言うならば、人間が人間を裁くのですから、その辺のところを忘れないでもって、どうしなければいかぬか。だから法で裁くというよりかも、私に言わしていただくならば人間の心でもって裁くということをやっていただいて、そして何らかの
事件を起こしたんだから、そういうことでもって被告というか、扱いを受けるわけだけれ
ども、その
人たちが最終的にどういう判決を受けようとも、ああ、本当にこの
人たちはよくやってくれたといって、感謝と言ったらおかしいですけれ
ども、自分はこういうことを犯したがゆえにたくさんの
人たちに御迷惑をかけたと、にもかかわらずこういう扱いをしてくれたということをありがたく思って出ていくというか、従うというか、そういうことにならなければ私はいかぬと思うんです。
ですから、そういう点でもって
法務省は冷たいなんて
大臣言われないようにしてほしい。やっぱり
日本の
法務省はいいなあと言って、そしてだれも好き好んで、喜んであんなところへ行きゃせぬことだと、行っても、ほかの官庁よりかも
法務省へ行った方が人間味があって、温かいといって、そういうふうに感謝されて、それでいろいろと皆さん方が問題を持ち込んでいって扱ってもらえるような、そういう
法務省なり
裁判所になってほしいと思うんです。そういうことについて私はむしろ希望を申し上げたんですけれ
ども、
大臣の方とそれから
最高裁の方と両方からそれについて御見解を賜って私は終わりたいと思うんです。