○藤原房雄君
大臣、今、去年よりことしは
予算が倍になったということのようでありますから、これは都市住民にとりましては非常に重要なことでありますが、財政の弱い町村が相当な
投資をしなきゃならないということであり、それなりの財政的な裏づけがなければ
計画は進まないということで非常に重要な
意味を持っておりますので、ぜひ今度の六十年度
予算の中でもこれをさらに推進するということで御
努力をいただきたいと思うのであります。
それから、
土地改良の問題については過日いろいろ議論提起をいたしましたから、
一つだけ申し上げておきたいのは、
土地改良事業も第三次が始まった。第二次は財政の非常に大きなあおりを受けまして、
計画も半分そこそこで進まなかったということであります。私は
農地、農用地の造成とか
土地改良事業とかという問題については、
農家の一番の
生産手段である
農地の
確保ということでありますから、これはやはり
計画は
計画として進めていただきませんと
農家の方々の生活が成り立たない。
さらにまた、四十年から御存じのとおり減反政策が進んでまいりましたために、当時の改善
事業でどんどん進んでおりました
事業が、今度は途中から水田でなくて畑にということに変わったり、四十年代前半で
計画されたものが工期はおくれる、それから水田ができるはずのものが途中から半分は畑地になる、こういうことで
農家の方々が当初
計画していたものが、なかなか自分の思うように
事業が進展しないために大変に苦悩しておる。全国各地の
国営、
県営、いろいろなパイロット
事業等についても私
ども四十年から五十年にわたりまして全国を
調査して、また、この
委員会でいろいろ提起をしたことがございます。
私の生まれ故郷の近くの秋田の能代のパイロット
事業なんかはまさしくその典型的なもので、何度か当地へ行ったことがございますけれ
ども、これは四十三年に着工をしたものが今日まだまだ四三%の
進捗である。土地によって畑地にできるところとできないところとある。ですからこの
事業を進めてもらいたいという人も全体の二千七百五十世帯の
農家の方々の中に三百四十そこそこの方はいらっしゃるかもしれませんが、しかしそれと同じぐらいの方々は、もうこれ以上工期が長くなるのではとても
負担にたえられない。
受益者負担にたえられない。とてもこの
事業を行っても経済効果が出るとは思えない。やはり工期が長くなってそしてまた途中で
計画が変更になるということになりますと、どうしてもこういうことに
農家の方々、その当事者というのは大変な苦悩の中に打ちひしがれてしまうというのが現状だろうと思います。
しかし、四十年の後半から五十年にかけましての
オイルショックという大きな経済変動がありましたから、立てた
計画がスムーズにそのまま進むということは難しいことかもしれませんが、事農業につきましては、途中での大きな変更というのは大きな犠牲者を出すのだということです。何の作業でも同じかもしれませんけれ
ども、特に農業につきましては、
事業計画というものがおくれればおくれるほど大変な
負担を強いられるということの
一つの典型みたいなものだと思います。これは各市
計画の延びたところについてはそれなりに大変ないろいろ対策を講じ、協議をし、進めておるようでありますが、非常に能代のパイロット
事業は極端な
一つの例じゃないかというふうに私は思うのです。
土地改良事業につきましても、三十二兆ということで
計画を立てて進めることになって、過日も
大臣から、こういう
計画については着実に進めていきたいというお話がございましたが、何せ
計画を立てましてもその裏づけになる財源がなければ事が進まないのは当然のことであります。農業の近代化、合理化、
生産性を上げるということを叫ばれましても、その基盤をつくるところが進まないということでは、これは言葉のみあって現実が前進しないのは当然であります。こういうことから
事業計画、これは一年、二年の狂いのあるのはやむを得ないとしましても、五年も六年も七年もこの
計画がとんざをして
事業が進まない。途中でそして大きな、大幅な変更がある、こういう農業の問題についてはそれは
余りにも
農民に大きな
負担をかけることになるのではないか、こういうことで、今後の
計画等につきましても是が非でもこの
計画推進のためには慎重な
計画であっていただきたいし、また、それを着実に実現していくための特別な手だてといいますか、政治的な
配慮がなければならないのではないか。
今日のように農業、それはもう他産業に比すべくもない現状の中で、農業が他産業から見ますと大きなおくれをとる、こういう中でこの農業振興策をどんなに叫んでもそれがなかなか聞き入れられないというようなことでは将来日本の大きな発展のためには重大問題だと思います。
大臣も当初、農業の今後のビジョンにつきましてもいろいろ述べておりましたが、これらのものを推進するためにも農林省でいろいろ
事業計画がございますが、一〇〇%狂いのないようにとは申しませんけれ
ども、これらの
計画の着実な推進、前進を全力を尽くして進めていただきたいことを私は強く要望いたしておきたいと思うのであります。それぞれの答弁をいただきまして、終わりたいと思います。