○藤原房雄君 まさしく今おっしゃったようにプロセスが大事なことだろうと思います。他産業と違いましてすぐそういう結果が出るということじゃございませんから、非常にひとつ御
努力いただいて、実効が上がるような施策を強力に進めていただきたいと思います。
確かに、農村の
状況が変わりつつあります。これはいろいろな面で言えることだと思うのですが、さっき局長から
お話ございましたが、昔のようなリーダーのイメージというのは確かに変わってきたのは事実だろうと思います。ならば、
地域のリーダーというのはどういう形で
育成されるのかということも実は大事なことだろうと思うのです。今は高校進学率が九〇%を超すような
状況ですから、どの
地域でも若い人であれば、三十代、四十前の方ですと、ほとんど高校を出た方でしょう。しかし、土壌のことから気象のことから、また作物の生理のことから、非常に広範な知識を必要とする
農業に携わるということは、
地域のリーダーというのはそういう知識が必要であるということとともに、やはり人の和を図っていくそれだけの人格を備えた方でなければならないだろうと思います。
そういう点で、過去にはそういう
一つの歴史的な経過もあったわけでありますが、最近も各
地域に行きまして
中心になってやっておる
方々は、必ずしも
農業専門に大学で専攻したという人でもない一面もあります。しかし、確かに
農業を専攻して、酪農ですとヨーロッパの方やまた
アメリカに行ってきたとか、そういう
方々で非常にたくましい若手のリーダーが育ちつつあるという現実も私
どもいろいろ見たり開いたりしておるわけであります。
これは現在、教育ということになりますと文部省ということになるのかもしれませんけれ
ども、今教育臨調についていろいろ言われております。この前の
予算委員会でも私は文部大臣に、時間もあまりありませんでしたから一二つかつしか聞きませんでしたが、やはり自分は後継者として
農業をやるのだという
方々に対しましては、共通一次の過酷な試験でふるいにかけるということじゃなくて、推薦入学制という制度が
農業の場合には必要ではないか。それは現在各大学で七割、八割は実施しているようですけれ
ども、こういう面のやはりリーダーを
育成するための施策として
農業サイド、農林省として、それは他省にわたることもあるかもしれませんけれ
ども、いろいろお
考えになっていただかなければならないし、また、今日までもそれはやってきたことなのかもしれません。
また、
農業高校ということにつきましても、最近はいろいろなことを言われております。きのうも何か実業学校についてのいろいろなことが発表になったようでありますけれ
ども、普通高校から落ちた人が
農業高校に、普通高校に行けない人がということで普、工、農ですか、こんなことが言われているようなことではこれはならぬだろうと思います。だから本当に
農業学校の
方々と
お話ししますと、やはり先生に
農業に対する情熱といいますか、本当に
農業というものをよく知った、経験のある方がそういう教師の
立場にいないということも、いろいろなことがあるのでしょうけれ
ども、話の中にちらちら出てくるようであります。
また、今各県ごとには
農業大学校とかいろいろなことが施策としてはなされているわけであります。やはり後継者
育成ということについては、未来の
農業を担う方としまして農林省サイドでできることというのは限られたことなのかもしれませんけれ
ども、総括的に
農業の重要性ということについての教育現場または教育の今後のあり方について、これは是が非でも教育臨調、教育の議論の華やかなりし今日、
中核農家の
育成ということで、そういう面からもぜひひとつこれは大臣に部内でのいろいろな御検討、そしてそれを閣議で反映さしていく。今後の教育臨調につきましても、実施の段階には
農業のサイドから言うべきことはしっかり言っていただき、
中核農家、リーダーの
育成ということについても十分な対策を
考えていただかなきゃならぬと私は思うのです。
これは今日までも何度が
お話ししてきたことでもありますし、いろいろなことについても部内でも御検討なさっていることだと思います。また、大臣という
立場からいいますと、文部省についても当然これは閣議等で御発言になる場もあるわけでありますから、閣僚の一員として、ぜひこれはこのことだけでもいろいろなことを申し上げたいことがあるのですが、きょうはそんな時間もございませんから端的に申し上げますけれ
ども、大臣のお
考えと今後の取り組みについての御所見を伺っておきたいと思います。