○藤原房雄君 先ほど
大臣それから
局長のお話をお聞きしますと、
大臣も今閣議で
総理や大蔵
大臣にくぎを刺したということのようですが、現在景気の跛行性といいますか、業種や地域別によって景気が非常に波があるということが言われております。そういう中にありまして、ことしの豪雪や何かでどうしても東北、北海道、北陸、こちらの方はそういう被害といいますか現状にあるわけですが、
政府の基本的な方針として財政再建のうちは特別な処置をとらない。いろいろな法律があるのですけれ
ども、財政再建ということでまた農林省
予算も、この前委嘱審査で私もいろいろ申し上げましたけれ
ども、マイナスシーリングの線を大きく割り込んでいるということで、これは大蔵省の役人にもがっちり言ったのです。そういう
農水省に対する物の見方というのは、これから
山村大臣に大いに頑張っていただけるのだと思います。
何でも金で
解決するということじゃないと思いますけれ
ども、基盤の弱い
農業に対してはそれがちゃんと立ち上がれるまではやはり面倒を見なきゃならぬ。どこの国だって保護
政策をとっているのはもう
御存じのとおりです。そういうことからいって、財政再建の最中とか、また限られた
予算の中でとかそういうことで、それは当然野方図に何でもしなきゃならぬということじゃないかもしれませんが、基本的に
畜産農家の再建のために必要なことであるならば大胆に
政策を推進する、こういうことで、
大臣、ひとつしっかり取り組んでいただきたい。
時間がありませんから、言うことだけ言っておきますが、さらにまた、去年酪振法が改正になりまして、長期見通しを基といたしまして、「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」、去年法律をつくって法律に基づいて基本方針をつくっておるのです。今酪農は別といたしましても、肉用牛については、
農水省としても最大の
努力をしようという現時点にあることをぜひひとつお忘れなく。
そうしてまた、有畜
農業ということが今言われております。土地がどうもやせておる、肥料ばかり入れて。これはやはり堆肥を入れなきゃならぬ。有機肥料を入れなければならぬ。有畜
農業ということで肉牛というものが奨励され、そうしてまた、その方向に今進みつつある。今回のこの大幅な
輸入牛肉によって市場価格がどう動くかということは、あすあさってすぐということじゃないかもしれませんが、長期的に見てこれは規模の小さいところ、規模の大きいところそれぞれに影響を受ける。さっき
局長のどなたかがおっしゃっていましたが、その時代の時流に合わない方々は離れた方もいらっしゃるということですが、そんなことでこのたびのことは済まされません。本当に今、後継者がなかなかいないというのも
農業に将来性が、見通しがないからです。くるくる変わる。長い目で見てこうなのだという長期ビジョンに立った希望の持てる産業であるということならば、後継者もいらっしゃるでしょう。
過日の
予算委員会で、
大臣がいなかったからあれですけれ
ども、五十七年の統計を見ますと、基幹
農業従事者、十六歳から二十歳の一年間百五十日働く青年のいないところがあるんです、データに出てこない県が。女子が三十幾つかの県でその統計上に出てこない。こういう若い人たちというのは非常に世の中に敏感ですから、長い目で見てその農作業というものが自分たちに希望が持てるものでないということだとつく人がいない。
大臣は何年なさるかわかりませんが、十年も
大臣をしていらっしゃらないでしょう。そういうことから考えますと、農家の方々はそれで自分の一生をということですから、ぜひひとつこのたびはいろいろな事情のあることもわかりますが、農家を犠牲にしない、こういうことで大見えを切って出発なさった、そうしてお帰りになってもその
決意である
大臣、ぜひひとつ、何とかしようとして必死になって頑張っていらっしゃる悲痛な農家の方々の声をお聞きいただきまして、この
日本農業の自給率の低下傾向にある、それにまたさらに拍車をかけるようなそんなことを
山村大臣のときに絶対にしてはならない、しない、こういうことについての強い
決意のほどを聞き、これからの最大の
努力をしていただきたいものだと私は最後に申し上げたいと思うのです。