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国務大臣(
細田吉藏君) 多少ゆっくり
説明さしていただきたいと思います。
AB線というものについて今
お話が出たようでございますが、
鉄道の田舎の方の線を延ばすということ、これに対する投資というものは、もちろん政治的にこれは決まったものでございますけれ
ども、なぜこれができたか。これは背後にそれぞれの
地域の
住民の皆さん、
国民の皆さんの強い要望があったということが政治に反映してできておると私は思います。なぜこれはそういうものが強く出るかというと、
鉄道が国有国営であった時代、明治三十九年に
鉄道国有法ができて国有国営の
鉄道になったのですが、結局そのしっぽが公共
企業体になってから後までも依然として続いており、
地方の
住民の皆さんは何とかして
鉄道の地図に自分の町を載せたい、何とか
鉄道を載せたいということが時間的にずれちゃったという感じなんでございますけれ
ども、非常に強い。それが結局、
鉄道新線がごく最近まで、今はほとんどAB線というものはやめておりますが、これが続いた原因であろうと思います。今はつくったものを外そうとまで言っておるわけでございます。
それから
貨物につきましては、今
国鉄から
説明があったようですが、
貨物の投資がかなりむだなものが特に今日になると目立ちますが、これは私は当時からの実情をよく知っておりまするけれ
ども、エネルギーの問題についての見通しがどうであったかということなんです。
鉄道で
貨物を運ぶ方が
自動車で運ぶよりもエネルギー的には有利なんだ、こういうことで、ある
程度石油ショックとかいろいろなこともございましたが、エネルギー問題から
鉄道の
貨物というものは相当な
分野を受け持たせるべきである、こういう考えがあったためにかなりな投資がなされた。ところが、これが実際はどんどん
貨物数量が減っていって、ことしの二月にはああいった思い切った削減措置を講ぜざるを得なくなった、したがって投資がむだになった、こういうことではないかと思います。
それから、もう
一つ大きな投資で残っておるのは新幹線です。これはみんな借金でやっているわけでございます。
鉄道建設公団でつくっておるものも借り料を出すわけでございます。ですから、東北、上越を開業しただけで帳簿上二千五百億の赤字が出る。新幹線を通さないでおけるかといえば、工事費をかけたものをおくわけにはまいりません。ただ、これを開業するがために
国有鉄道が一年間に二千五百億赤字が出るという格好になっているわけです。ですから、東海道新幹線
程度のところまでは、これはあるいは客も多いし、ああいったような
地域でございますから借金でやってもかなりな
程度になったのでございましょうが、これを福岡まで延ばし、東北、上越新幹線を引いたということは、
国民の皆さんからは喜ばれ、国の利益としては相当大きなものが上がっておるが、しわは全部
国鉄に寄っておる、私はこういうふうに考えておるのでございます。
何とかならなかったかということについては、いろいろ私
どもも反省もしなきゃならぬ点も多々あると思いますけれ
ども、今はその後始末をどうするか、
国鉄だけにしわ寄せをしておいてはいけない、こう思っているわけであります。