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前島英三郎君 なかなか厳しいものがあるようですが、時間も余りありませんので、次に、
国家公務員等の
旅費に関する
法律の改正案について
質問をしたいと思います。
公務員の
旅費について、私は行政の実際の運営にとってかなり重要なものであると常々考えてまいりました。きょう、この部分はいろいろやりとりがありまして、重複するかもしれませんが、お答えいただきます。
行政というものは、机の上で書類をつくったり
会議を開いたりというようなことばかりじゃないのは当然でございますし、現場を見たり、あるいはまた実態に触れる、こうしたことによって真に血の通った行政が可能になるのでございまして、そのことを具体的な形にするのが出張であり、かつまた
旅費であるのではないか、私はこのように、
理解するんです。ところが、大蔵省の
旅費についての対応を見ておりますと、またきょうのいろいろやりとりを伺っていますと、
旅費というものが行政にとってどのような位置を占めているのか、どのような
意味を持っているのか、十分な認識をいささか欠いているのじゃなかろうかという、そんな気がしてならないんですけれ
ども、例えば一昨年は一〇%、昨年は七%ですか、
旅費を節約するよう各省庁に指示をされたと聞いております。こういった事実を見ておりますと、役所の出張というものは、何か物見遊山的なものが含まれていて、削っても大丈夫なものらしい、あるいは実費弁償という建前よりも多目の基準になっているのじゃないかとか、とかくささやかれる風評が真実味を帯びてきてしまう、こういう感がするわけなんです。
国家公務員の海外出張について、私は対照的な二つの体験をしたことがございます。
一つは、私が議員になりまして間もないころのことでありましたが、オーストラリアでFESPICという障害者のスポーツ大会がありまして、
民間団体の海外派遣に対して
政府から実は補助金が出たんです。かなりの額が出ました。ところが、その補助金のかなりの額が、その補助金を使って出かけた実は半数以上が
公務員であったというケースなんです。当時、決算
委員会で私これを問題にしまして、その後少しは改善されたと期待はしているんですが、これでは何のための補助かわからないし、また
公務員の海外出張の
旅費というものはこんな形でなければ出てこないものなのかと首をかしげたのも事実でございます。
もう
一つの体験は、国際障害者年の前年でしたが、アジア・太平洋
地域で国際障害者年にどう取り組むかという国際
会議がタイのバンコクでございました。私としては当然日本から代表が行くものと思っておりましたし、国連の方でもそういう考えでいたようでございます。ところが、
政府に照会してみましたところ、
会議が開かれる現地の在外公館から参加させるつもりだ、こういうことなんです。私は、在外公館の
方々の御苦労はよく承知しているつもりなんですが、国際障害者年にどう取り組むかという課題の性格から考えて、どうしても厚生省か、あるいは当時その担当室ができた
総理府から一線の窓口の担当者が参加する必要があるということを強く実はお願いをしたんです。結論から言いますと、この両方から実は出張していただいたわけです。私は、もちろん自費で参りました。実りある海外出張をしてもらったわけでありますが、しかし相当これは難航したんです。予算がないとか、
会議の重要性について関係省庁の幹部の
理解が得られないとか、非常に壁が厚かったように思い出して言うんですが、現在、東京でESCAPの総会が開催されておりますけれ
ども、議題の中の幾つかはあのときからの
一つの継続の話でありまして、私もきのう、けさと出席をしてきたんですけれ
ども、あのとき海外出張してもらっておいてよかったなと、実は胸をなでおろしているところなんです。
こうしたことを通じまして、私は
国家公務員の出張のあり方につきまして一体どうなっているのだろうか、こういういわば問題意識が芽生えたわけですけれ
ども、私の印象では、各行政部門が真に必要とする出張が必ずしも自由にはいかない、かなり予算的にも苦しい、しかし一方では修学旅
行的に温情的な出張もあるらしい、ともかくこういう感覚を持った次第なんですけれ
ども、後に
指摘いたしますが、一面ではそういう問題点もないではないと思います。しかし、全体として見れば、出張というものは行政にとって欠かすことのできない
意味がありますし、ますます日本は国際関係、相互関係というものを重要視していく
一つの外交政策ということを考えていきますと、この辺はやはり重要な私は問題だろうというふうに思うんです。
その辺、ちょっと多弁になりましたが、
大蔵大臣に
旅費というものの行政における
意味合い、その重要性につきまして基本認識を承れますれば幸いでございますが、いかがですか。