○峯山
昭範君
防衛庁長官、今議論したように
防衛白書
自体がわかりにくいわけだ。文部省の課長でもこれは二通りあると言うんです。こんなややこしいのを何で出すの。もうちょっとわかりやすく。総
務課長でもこれは両方あるなんて。そうしたら、結局こんなもの何のためにやっているのかわからないじゃないですか、こんな誤解を生みやすいような。これはもともと
防衛庁はごまかしているわけですよ。
防衛大綱の中にいわゆる千海里とかそういうことがきちっと埋まっていないのを、後で埋めようと思って一生懸命やっているからこういうふうになるんです。
僕は、実はきょうのお昼休みに法制
局長さんのもとの課長さんとか下の方の人たちに全部聞いてきた。全部聞いてきましたよ、どういうことやといろんな人に。全部私の言うたとおりや、大体これ。みんな大体これは、「わが国
周辺海域の監視哨戒及び護衛」といった場合は
我が国周辺海域の監視哨戒と護衛を指すのであって、
我が国周辺海域の監視哨戒と、護衛というのはどこにもひっかからないで
世界じゅうの護衛と、そんなとり方をする解釈というのはない。
それはもちろん文脈とかいろんなものを考えて、あれこれ考えて、勘ぐって、
防衛庁の
立場もあるからということになれば、それは今おっしゃるようになるのかもしれませんが、これはやっぱりそういうところはもう少し、我々でもわかりにくいわけですから。これは現実にそういう二通りの解釈があるわけや。そんなわかりにくい
防衛大綱とか
防衛白書なんというのは何のために結局出しているのかわからないじゃないですか。いや、これはこっちですよ、こっちですよと何ぼ言っても、少なくとも私
ども読んで、これはそういうふうに素直にやっぱり文脈というか、文字面を読みますがな。これはまことに法制局
長官には申しわけないけ
ども、我々は一たんこの文字面を読みますよ、何やかんや言っても。そういうことをはっきりしないで、要するにわかりにくくわかりにくくやるなんというのは非常によくない。私はそういうことはやっぱりきちっとすべきだと思うし、そういうことをきちっとしておかないといつまでもこういう問題がひっかかってくる、いつまでもこういう問題は解決しないと私は思うんです、実際問題として。
ですから、そういうふうな
意味で、きょうはそのほかのことをいろいろやろうと思っていましたけれ
ども、もう時間なくなりましたからやめますけれ
ども、いずれにしても、きょう
防衛局長と議論をいたしました問題を多少整理いたしますと私の主張だけ言っておきたいと思いますが、
防衛大綱の中にはこれは少なくとも千海里の
防衛あるいは航路帯を設けてのいわゆるこの千海里先までの
防衛なんということはもともと考えていなかったのじゃないか、そういうふうに私は感じられます。仮に今航路帯を設ければ千海里云々なんというのは、これは後からひっつけた理屈であって、だから
防衛大綱の中には――この大綱なんというものも、これは大臣、もう少しわかりやすいものにしておかぬと、いろんな解釈ができるなんという大綱はよくない。我々が
内閣委員会で議論するにしたって、根本がおかしいわけだからこれから先全然進まないわけなんです。それでは困る。これが
一つです。
それから、
防衛局長が先ほどからさんざん言いましたいわゆる艦船の能力の問題です。
防衛力装備の問題です。
防衛力の装備、いわゆる艦船の能力、その範囲が即自衛権の範囲というふうな
考え方、頭ひねってますけれ
ども、我々に対する
説明は全くそのとおりです。こういう
考え方は発想が逆転しておる。そういうことを言うのなら、我々は艦船や航空機の能力というものについてもうちょっと一からチェックをやり直さないといけないと思うんです。
それから、シーレーン千海里については
予算委員会で明らかにしてくれるでしょうけれ
ども、これも私は、仮に航路帯を設ける場合は千海里という、その千海里の
説明を国会で
説明したことがいわゆる了解しているということであるならばそのこと
自体がまた問題になる。また、文字面に出さないで
国防会議で理解をしてもらっている、そのことがこう問題になっているわけですから、そういうふうに
説明するのなら、今度は
国防会議で了解してもらっていることを全部出していただきたい。そうでないと議論ができない。問題に詰まってくると、ああ、そのことは内々であのときに
国防会議で
説明さしていただきましたと言って逃げるのでは困るわけです。今まで
国防会議でどういうことを了解していただいて、どういうことを我々国会で
説明して、どれだけどういう内々の了解事項というのがどのくらいあるのか、それも全部出していただかないと困るということになります。したがって、そういうふうな
意味で非常に問題点をこれははらんでおります。したがって、そういう点を私はきちっと指摘をいたしておきますから、そういう点についてきちっとこの次のときにお答えできるようにお考えいただきたいと思います。
それから、
長官には、今のいろんな議論を聞いて、
長官のお考えを最後に聞かしていただきたいと思います。