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1984-05-17 第101回国会 参議院 逓信委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年五月十七日(木曜日)    午後一時二十一分開会     —————————————    委員異動  四月二十六日     辞任         補欠選任      大森  昭君     菅野 久光君  四月二十七日     辞任         補欠選任      菅野 久光君     大森  昭君  五月十六日     辞任         補欠選任      山内 一郎君     関口 恵造君      長田 裕二君     村上 正邦君  五月十七日     辞任         補欠選任      関口 恵造君     水谷  力君      大木  浩君     最上  進君      新谷寅三郎君     出口 廣光君      西村 尚治君     矢野俊比古君      岡野  裕君     倉田 寛之君      三木 忠雄君     鶴岡  洋君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         大木 正吾君     理 事                 成相 善十君                 宮田  輝君                 片山 甚市君     委 員                 沖  外夫君                 倉田 寛之君                 志村 愛子君                 出口 廣光君                 水谷  力君                 村上 正邦君                 最上  進君                 矢野俊比古君                 大森  昭君                 鶴岡  洋君                 服部 信吾君                 佐藤 昭夫君                 中村 鋭一君                 青島 幸男君                 田  英夫君    国務大臣        郵 政 大 臣  奥田 敬和君    政府委員        郵政大臣官房長  奥山 雄材君        郵政大臣官房経          理部長      高橋 幸男君        郵政省電波監理        局長       鴨 光一郎君        郵政省人事局長  三浦 一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        酒井 繁次君    説明員        科学技術庁研究        調整局宇宙開発        課長       北村 俊男君    参考人        宇宙開発事業団        理事長      山内 正男君        宇宙開発事業団        理事       宮原  翠君        通信放送衛星        機構理事長    斎藤 義郎君        日本放送協会技        師長       矢橋 幸一君        日本放送協会専        務理事      坂倉 孝一君        日本放送協会専        務理事      渡辺 伸一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○電波法の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     —————————————
  2. 大木正吾

    委員長大木正吾君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨十六日、山内一郎君及び長田裕二君が委員辞任され、その補欠として関口恵造君及び村上正邦君が選任されました。  また、本日、関口恵造君が委員辞任され、その補欠として水谷力君が選任されました。     —————————————
  3. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  電波法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会宇宙開発事業団理事長山内正男君、同事業団理事宮原翠君及び通信放送衛星機構理事長斎藤義郎君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  5. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 次に、電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。奥田郵政大臣
  6. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 電波法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  航海の安全を確保するため、船舶の構造、設備等について定める条約として千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約があり、我が国もその締約国となっております。この条約附属書人命及び航海の安全をなお一層確保する観点から一九八一年十一月に改正され、本年九月一日に発効することとなりますので、その内容に沿って、船舶無線局に関する規定整備する必要があります。  また、我が国における外国人外国法人外資系企業等社会活動経済活動の円滑な遂行に資するため、無線局開設に関する外国性排除を緩和することにより、外国人等一定範囲無線局開設を認める必要があります。  さらに、国の各種手数料等に関する規定合理化に合わせて、電波法関係手数料についても、規定合理化を図る必要があります。  この法律案を提出した理由は以上のとおりでありますが、次にその概要を御説明申し上げます。  まず第一に、船舶無線局に関する規定整備でありますが、国際航海に従事する旅客船及び総トン数三百トン以上の貨物船無線局について、二千百八十二キロヘルツの無線電話遭難周波数送信装置有効通達距離を定めるとともに、百五十六・八メガヘルツの無線電話遭難周波数の聴守を義務づけることとしております。  第二に、外国人外国法人外資系企業等開設する無線局についてでありますが、国際化の進展に対応して、車載あるいは携帯して使用する無線局等について、相互主義前提として免許を与えることができることとしております。  第三に、手数料に関する規定合理化についてでありますが、電波法関係手数料について、その上限額が法定されていることを改め、具体的金額は政令に委任することとしております。  その他、所要の規定整備を行うこととしております。  なお、この法律は、昭和五十九年九月一日から施行することとしております。ただし、電波法関 係手数料についての改正規定は、公布の日から施行することとしております。  以上が、この法律案提案理由及び概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  7. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
  8. 片山甚市

    片山甚市君 電波法の一部を改正する審議に当たりまして、冒頭に放送衛星ゆり二号の故障の問題についてお聞きをしたいと存じます。  今、猫もしゃくしもニューメディアニューメディアと大騒ぎしておりますが、そしてバラ色高度情報化社会商業マスコミははやし立てておるところでありますが、放送衛星期待がそのために大きくかき立てられておるところです。世論誘導のためにも無理な計画が推し進められる。その結果、ゆり二号の故障という取り返しのつかない状態で破綻が起こってきたと思います。国民に一層の負担をかけることになり、それだけに真剣にこれからの質問について答えてもらいたいと思います。  去る三月の三十一日及び四月の十七日の本委員会における審議に際し、私は放送衛星にウエートを置いたNHKの今後三カ年の事業計画及びニューメディアヘの対応策に多くの疑問と警告をくどいほど述べてきましたが、そのとおりとなってまいりました。このことは、最近の審議のみでなく、数年前から機会あるごとに指摘されてきたものであります。  四月十七日の本委員会において、私の質問に対して大臣は、「大丈夫だと信じております。」と答弁されたのですが、この言質はすでにこの段階においても危惧を持っていたというように思いますが、いかがでしょう。危惧を持っていたと言うなら、その段階であらゆる手を打つ必要があっただろうし、大丈夫だと断言できたのなら責任の所在を明らかにすべきだと思いますが、それを前提にして具体的に数点について確かめたいんです。  一つは、放送衛星の打ち上げは時期尚早であったのではないか。昭和五十三年に実験衛星を打ち上げ、昭和五十五年に起きた故障が十分に究明されないまま今回の実用衛星打ち上げとなっている点に、その必然性が十分に理解できません。まず、それについてお答えを願いたいと思います。
  9. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 放送衛星のことにつきましては、放送衛星実験用衛星等体験等を踏まえまして宇宙開発委員会におきましてBS2開発、打ち上げについての決定をしていただいているわけでございますが、私どもといたしましては、かねてから申し上げておりますように、NHKの難視聴解消の有効な手段ということで、これをNHKの難視聴解消のため及び新しい衛星放送技術開発のためということで二号の打ち上げを決めたわけでございますが、今御指摘の点につきましては、あらゆる角度から十分な検討を経た上で宇宙開発計画に盛り込まれたものというふうに考えております。
  10. 片山甚市

    片山甚市君 それならば、実験衛星ゆり一号は三年の寿命に対し、中継器機能は一年二カ月ないし二年二カ月で失ってしまいました。改善を加えたはずの実用衛星ゆり二号が打ち上げ後わずか三カ月で二つの系統故障し、さらに新たに導入した姿勢制御電波センサー故障したとのことでありますが、開発体制に問題はないのかどうか。今のお話によると、ゆり一号の故障について十分に改善を加えたとおっしゃっていますが、それならこういうことは起こらないはずであります。先ほど説明を求めたのは、いわゆる昭和五十三年からの実験衛星故障の実態を確かめて今度第二号がつくられたのだと聞いておるんですが、それに答えておりません。  国産化率でいえば、ゆり一号が一五%、ゆり二号が三〇%前後、しかも重要な部分は密閉されたブラックボックスでありますが、こんな状態で世界に先駆けて実用衛星を打ち上げるという点が理解できません。技術水準に確信を持っていたのか、拙速でも打ち上げなければならなかったのか、それについてさらにお答えを願いたいと思います。
  11. 山内正男

    参考人山内正男君) 宇宙開発事業団理事長山内でございます。  ただいまの御質問お答えいたします前に、このBS2a事故につきまして、このBS2aには三系統中継器が搭載してございまして、そのうち二系統ふぐあいを生じました結果、一チャンネル放送しかできないような事態になった次第でございます。この衛星開発を担当いたしました宇宙開発事業団といたしましてはまことに申しわけないと思っておりまして、ここに深くおわびを申し上げる次第でございます。  ただいまの御質問実験用放送衛星ゆり事故につきまして、これの原因究明、それの対策BS2aにどのように反映させたのかという御質問に対しましては、実験用BSにつきまして、それのふぐあい原因というのは究明されております。  それの第一は中継器に関する部分でございます。これは高圧電源絶縁材料亀裂が生じましたために、その亀裂に沿いまして放電による高圧電源部故障したというのが一つでございます。それから第二は、姿勢制御系ホイールの回転が停止したということでございます。第三は太陽電池絶縁材の破損によりまして電力の急激な低下があったということでございます。  第四は、姿勢制御用スラスターが触媒の機能が低下いたしましたために推力が異常に低下したと。この四つ原因究明されております。  この四つ原因に対しましてそれぞれ対策を講じてありまして、初めの第一の高圧電源故障に対しましては絶縁材改良を施しました。そして、この改良を施しました絶縁材料を用いまして五年間の寿命試験を行っております。そして五年後においても正常であるということを確認しております。BS2aにもそれが利用されておるわけでございます。それから、第二のホイール駆動装置につきましては、電線にかかるストレスの少ない材料というように改良をいたしました。それから三番目の太陽電池につきましては絶縁材改良を実施いたしました。四番日スラスターにつきましては燃料の純度を向上させるという対策を講じております。これら四つ事故原因解明の結果、それぞれの対策をすべてこのBS2aに反映させております。  したがいまして、今回直接BS2a事故原因と考えられます中継器につきましては、BS2a高圧電源自体には異常は生じておりません。  以上でございます。
  12. 片山甚市

    片山甚市君 それでは、故障した中継器はどこの製品で、原因究明については十分対策を講じておられると思いますが、どのような状態ですか。
  13. 山内正男

    参考人山内正男君) この原因究明状況をまず御説明申し上げたいと思います。  異常が発生いたしました後、直ちに担当技術者による検討態勢を設けまして、通信放送衛星機構、それからNHK協力を得まして現象解明原因究明、そして機能回復、それからBS2bへの対策検討に全力を挙げておる次第でございます。  この検討を行いますまず内容といたしまして、第一は、BS2aから電波で送られてまいりました中継器データを解析することと、それからこれまで開発途上におきまして地上中継器についてのいろいろの試験を行っておりますので、その地上試験データの解析を行うこと、まずそれが第一でございます。  次に、地上にあります同じ系統中継器を用いまして異常現象模擬試験を行うということを考えております。  それから三番目は、これらを通じまして何通りか考えられます原因をだんだん絞り込んでまいりまして、そして原因究明とか機能回復BS2b への対策検討してまいるというように現在鋭意努力しておるところでございます。
  14. 片山甚市

    片山甚市君 どこの製品ですか。
  15. 山内正男

    参考人山内正男君) この中継器アメリカGE社製品でございまして、その中に使われております進行波管という部分がございますけれども、この進行波管というのは一種の真空管で、電波の増幅を行う部分でございますけれども、これはフランストムソン社製品でございます。
  16. 片山甚市

    片山甚市君 どちらにいたしましても、内部をのぞくことができないブラックボックスでありますから、これからの問題としては大変原因究明について難しい問題があろうと思いますが、原因究明がされるとしても、修理はどうしますか。  鴨局長は、四月十七日の本委員会における私の質問に対し、その原因がわかればそれに対応した処置を講ずると答えておりますが、どういうふうにするのか、具体的な対応をお聞かせ願いたい。
  17. 山内正男

    参考人山内正男君) ただいまこの中継器についてブラックボックスではないかという御質問がございました。このBS2a計画検討しておりました、今から数年前でございますけれども、そのころには我が国人工衛星技術がまだ十分に育っておりませんでした。そこで、やむを得ず、既に多くの経験を持っておりますアメリカあるいはヨーロッパの技術に依存するところが多くなったわけでございます。  今回問題を起こしました中継器は、先ほど申し上げましたようにアメリカGE製品でございますし、それから進行波管フランストムソン社製でございます。それで、これらにつきまして、これを運用いたしますためのいろいろの技術資料というものは我が国に開示されておりまして、そしてこれを日本の中におきましていろいろ各種試験を実施いたしてまいりました。したがいまして、いわゆるブラックボックスというものとは違います。ただ、外国製品でございますので、これの設計、製作のノーハウ全体が開示されているというわけではございません。  したがいまして、この異状を呈しております部分原因究明するに当たりまして、やはり当該の外国企業に依存せざるを得ないという部分がございますけれども、今回の問題につきましてはアメリカGE社協力を得ておりまして、それの解明に必要ないろいろの技術資料につきましても開示を受けておるわけでございます。そのような状況でございますので、原因究明それから今後の対策をどう立てるかということについては支障はないと考えております。
  18. 片山甚市

    片山甚市君 局長、答えることはないですか。
  19. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 先生指摘のような御答弁をさせていただいておるわけでございますが、具体的な対応という点につきましては、先ほど理事長の方からお答えございましたように、現在原因究明中でございます。その原因がわかりました場合に立てられる対策というのは、その原因に応じましていろいろあろうかと思いますが、宇宙空間という状況の中ということで申し上げますと、下から電波によるいろいろなコマンド、指令を行うというふうなことの中でその原因対応した措置ができるであろう、こういうことを考慮してお答えをさせていただいた次第でございます。
  20. 片山甚市

    片山甚市君 納得しませんが、先ほど宇宙開発事業団の方でブラックボックスでないというお話ですが、国産化率は今日のゆり二号では三〇%と聞いています。その本体の一番大切なところが外国技術に依存をしておる。我々聞いておるところでは密閉されたものであるということでノーハウがわからない、こういうことでありますから、そのことについては後日究明することにします。  さて、NHKにお聞きします。  先ほども高らかに難視聴解消の最も有効な対策だということで放送衛星が打ち上げられたということで評価されていますが、今度のいわゆる実用になりましたゆり二号について、所期の事業計画は全く影響はないのかどうか、NHKからお答えを願いたいと思います。
  21. 矢橋幸一

    参考人矢橋幸一君) お答えいたします。  NHKが今お話に出ました衛星送信系統のまだ残りましたB系統チャンネルを使いまして五月十二日から総合テレビ番組を中心に放送を開始いたしました。当面、これによりまして、実質的な意味におきまして難視解消に寄与していきたいというふうに考えております。  もちろん今いろいろお話出ましたように、我々といたしましては宇宙開発事業団に対しまして早急な原因究明回復措置というものを要請いたしまして、その成果といいますか、結果を期待しながら、NHKといたしましてはなるべく早急に本来の二チャンネルによる難視解消ができるように努力いたしたいというふうに思っております。
  22. 片山甚市

    片山甚市君 納得しませんが、衛星機能回復確率はどう見ておるか。耐用年数はどのぐらいになるとNHKは見ておるか。また小笠原における、また南北の大東島の千六百五十世帯は完全に受信可能となって、そのうち千二百世帯契約を結んでおるといいますけれども、これは収入は入りませんが、どういうことになりますか。また、二万セット程度パラボラが売れておるそうですが、それらについてその期待にこたえておると思いますか、まずNHKからお答え願います。
  23. 坂倉孝一

    参考人坂倉孝一君) 今技術長からお答え申し上げましたように、当初二チャンネル放送いたそうという計画でございましたのが、まことに残念なことで一チャンネルしか放送ができなくなったということで、私どもといたしましては試験放送ということで免許を得まして、そして十二日から一チャンネルによって放送試験局としての放送を実施いたしたわけでございますので、ここでは御契約をいただいて受信料をいただくという形はとっていないわけでございます。  それから、私どもといたしましては、できるだけ早く事業団がこの原因究明されまして回復措置をとられることを願っているというわけでございまして、そういったことで二チャンネル放送が可能になった時期には速やかに二チャンネルによる放送を開始いたしたいというふうに考えているわけでございます。
  24. 矢橋幸一

    参考人矢橋幸一君) 今回打ち上げましたBS2につきまして耐用年数につきましては五年の寿命を予定しておるわけでございます。
  25. 山内正男

    参考人山内正男君) このBS2a回復の見込みはどのくらいあるかという御質問に対しまして、これは現在鋭意この原因究明中でございますので、まだ明確なお答えを申し上げる段階ではないんでございますけれども、ただA系統R系統とも進行波管が完全にだめになったというわけではございません。また、原因と思われます要素の中には、地上から電波指令によりまして運用方法を変更することが可能であるという要素もありますし、また温度などの宇宙環境変化に基づきましてこの衛星状態変化を及ぼす、したがって回復可能性も出るというような要素も考えられるわけでございます。したがいまして回復可能性が残っておるものと考えておりますけれども、その回復可能性が一体どの程度であるかということを申し上げますためには、もう少し時間をかしていただきたいと存じます。
  26. 片山甚市

    片山甚市君 せっかくの御努力機能回復することを心から期待するものでありますが、大変困難な作業と思いますが努力を賜りたい。  さて、難視聴解消の建前として技術優先国際電波権益の確保などのための国民ニーズ衛星放送ソフトに対する明確な政策がないまま開発先行の冒険を冒したと思いますが、電波監理局長、いかがでしょうか。
  27. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 私どもといたしましては、先ほど申しましたように、難視聴解消ということに関しましては地上での対応ということに、これまで行われてきました努力にも限界と申しましょうか、これから先の難視聴解消には大変な努力が必要であると。経費的な問題も含めまして問題が多いわけでございます。その中で放送衛星による難視聴解消というのが非常に大きな有力な手段であるということで、先ほども申し上げましたように、BSによる実験成果を踏まえてBS2による難視聴解消を図ろうという計画を固めたと いうことでございまして、その計画につきましては関係機関とも十分なお打ち合わせをし、最高度宇宙関係信頼性のもとに開発、打ち上げが行われたというふうに考えているところでございます。
  28. 片山甚市

    片山甚市君 私が質問したのは、国民ニーズ放送衛星に対するソフト技術がまだ未熟な中でやられたと思う。これについてはあなたはどう思いますか。
  29. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 私どもといたしましては、先生指摘の点につきまして新しい技術という問題ではございますけれども、現在の能力の中で最大限の信頼度を持って開発が行われたというふうに考えております。
  30. 片山甚市

    片山甚市君 新しい技術の先行的な開始でありますから事故が起こるということも当然でありましょうが、実験衛星の場合もその経験を生かして事業団BS2aをつくったとおっしゃっています。にもかかわらず、わずかに三カ月もたなかったということであります。  そこで、中継器が三本とも故障する確率はこの段階ではないのかどうか、これについてお答え願いたい。そして、もし三本ともだめになったときはどういうようにするのか、NHK宇宙開発事業団郵政省通信放送衛星機構からそれぞれお答えを願いたいと思います。
  31. 矢橋幸一

    参考人矢橋幸一君) NHKといたしましては、宇宙開発事業団から、最後に残されましたB系統につきまして、大丈夫である、絶対壊れないという報告を受けておりますので、現在どおり放送を続けてまいりたいと思っております。
  32. 山内正男

    参考人山内正男君) 現在B系統は順調に作動しておるわけでございます。したがいまして、このB系統にまで故障が生ずることはないであろうと考えております。もちろん、A系統に続きましてR系統故障が生じましたのでB系統にも同じような故障が発生するのではないかという御疑念が生まれるのは当然であると思いますけれども、そのA系統及びR系統に対しましてはそれぞれ違った現象を示しておりますので、これらがB系統に波及するというようなことは考えておりません。
  33. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) ただいまNHKあるいは宇宙開発事業団からお答えがあったことを私ども受けとめまして、B系統につきましては目下正常に作動をしているという認識につきましては全く同じでございます。  なお、故障を起こしておりますAあるいはR系統につきましても、関係機関におきまして最大限の努力を傾け、原因究明そして回復に全力を尽くしてまいりたいと考えているわけでございます。
  34. 斎藤義郎

    参考人斎藤義郎君) 今宇宙開発事業団から見解が披瀝されたわけでありますけれども、私たちもそれを全面的に信頼をいたしております。
  35. 片山甚市

    片山甚市君 本日は時間が限られておりまして事実について御答弁を願いましたが、この問題はやはり国の政策の重要な問題でありますから、十分に慎重に対策を加えてもらわなきゃならぬ。特に宇宙開発委員会では放送衛星対策特別委員会を設けられておりますが、その結論も間もなく出される予定だとおっしゃっています。  そこで、それを出される前後に集中的にゆり二号に関する問題、通信衛星の問題、あわせて気象衛星等全体の問題について集中審議をしていただき、解明をするように取り計らっていただきたいことを委員長に申し上げて、質問を終わりたいと思います。委員長、いかがでしょうか。
  36. 大木正吾

    委員長大木正吾君) ただいまの片山君の発言につきましては、理事会におきましても慎重に検討し、意に沿いたいと考えております。
  37. 大森昭

    大森昭君 片山理事が「ゆり」の関係の質問をしたから私やめようと思ったんですが、実は一番最後に理事長から発言がありましたのですが、何か自信に満ちているようでありますが、これはちょっとそういうお言葉をいただきますと私どもちょっと心配があるんです。  実はこのBS2b、これは来年八月ですね。それから聞くところによりますとBS3を基本設計に入るという問題があるんですね。そうすると、今のような理事長の答弁でいきますと、そのまま基本設計に入ったり、それからBS2bですね、これも何かこのままずっと作業を進めていって打ち上げるような感じがするんですが、これはどうなんですか。
  38. 山内正男

    参考人山内正男君) 目下BS2aの方の原因究明を急いでおりまして、これの原因はまだ全部これであると確定し得る段階にはなっておりませんけれども、絞り込みが大分進んでまいりまして、A系統につきましては四項目、それからR系統につきましては三項目のところまで絞り込んでまいりました。これをさらに絞り込んで、これが確定的な原因であるというようなことも考えられますし、それからまた究明をしまして、これがまさに原因であると必ずしも確定はできませんにしても、非常に疑わしいというようなものが残るかもしれません。その両方に対しまして十分の対策を講ずる、これはBS2bに対して対策を講ずるつもりをいたしております。で、このBS3に対しては当然でございますけれどもBS2開発経験を踏まえまして、それらをすべてBS3の方に反映させ、開発を進めるというように考えております。
  39. 大森昭

    大森昭君 いや、今二つあるうち二つ故障して、あとの一つは大丈夫かと質問したら、普通の人だったら、いや三本のうち二本壊れたわけだから、ひょっとするとあと一本も危ないかなというのが私は普通だと思うんですが、絶対大丈夫みたいなことを今理事長が言われたですからね。  そこで私が心配するのは、これは結果的なものですから、余り僕は責任追及だとか何とかというんじゃなくて、今後の問題としていわゆる2bと3の問題ですね、これはもうちょっと慎重に取り扱っていただきませんと、これからb打ち上げました、また事故が起きました、3上げました、また——これは逓信委員会というのは何やってるんだということになりますからね。お答え要りませんが、そういうことでひとつこれから先の計画は少し慎重に対処していただきたいと思います。  そこで、電波法の関係でありますが、まず手数料の問題ですね。これ法定制を廃止をいたしまして政令で定めるということになっているんでありますが、どうも私どもはこの点に最大の問題点を実は持っているわけでありますが、政令で決めるということになりますと、どんどん値上げということもないんでしょうけれども、国会審議を抜きにして手数料の改定をするということになりますと、私どもの責任上、従来からの経過からして大変危惧するんでありますが、一体今後の手数料の改定の見通しなどはあるんですか。
  40. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 手数料についてのお尋ねでございますけれども、現在御提案申し上げております百三条の改正でございますが、これは国のほかの各種手数料等に関する規定合理化等を図る目的で今国会に提出されまして、四月の二十日に成立いたしております各種手数料等の額の改定及び規定合理化に関する法律、これと同じ趣旨、目的を持って行おうと考えているものでございまして、実は一括法と称されておりますこの法律の中に電波法関係の手数料につきましても盛り込むことが考えられたわけでございますけれども、今回は先ほど大臣から御説明ございましたような他の問題に関連いたします改正もお願いいたしますので、この手数料につきましてもただいま申しました一括法と同じ趣旨、目的のもとに電波法の中に盛り込んで改正の御審議をお願いしている次第でございます。  政令上の具体的な手数料額につきましては、実費を勘案して「実費の範囲内で」ということにいたしているわけでございますが、現在の段階でこの単価の検討をいたしてみますと、これは当然のことに、この手数料額というのは行政上必要とするコストとの見合い、実費を考えながら計算をするわけでございます。それとほぼ見合っているということでございますので、今お願いをしております法改正が成立をいたしました場合に、直ちにそれを受けて手数料を値上げをする、改定をする ということは現在の段階では考えておりません。
  41. 大森昭

    大森昭君 今直ちに改定がないようでありますが、しかしいずれ、これ「実費の範囲内」という枠はありますが、改定をする時期も来るんじゃないかと思うんですが、実費の枠といってもこれは勝手に皆さんの方で計算して改定するんではちょっと困るんでありまして、何か上げる場合にはかくかくしかじかだという算定基準みたいなのがあるんですか。
  42. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 電波法の関係手数料につきましては、行政上の手数料ということで、国が行います公の役務ということでのその費用、コストを償うために徴収する料金であるというふうに考えておりまして、その行政コストに見合った額とすることを基本として設定しようと考えているわけでございますが、ただいまお尋ねの点につきましては、コストの算出に当たりまして、大きく申し上げまして人件費、旅費、物件費といったものがこの算定の基準になりますが、人件費につきましては予算成立額をベースにいたしまして無線局の審査あるいは検査等に直接要する人件費、あるいはその検査に参りますための旅費、あるいはそれに使用いたします測定機等の物件費を、いろいろ割り掛け等をいたしまして、これを算定の基準にし、そしてこれらを積算しているということでございます。
  43. 大森昭

    大森昭君 一般論としてはわかるんですがね、しかしちょっと抽象的ですからね。ちょっとお伺いしますが、政令で決めるときには何か私どもには連絡か何かしてくれるわけですかな。
  44. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 政令ということでございますので、私どもといたしましては、形の上では閣議でお決めいただくということでございますが、具体的な改定につきましては、適宜お話をさせていただくこともあろうというふうに考えております。
  45. 大森昭

    大森昭君 電波需要の増大あるいは割り当て周波数の逼迫化という状況の中で、今回、特定の小規模無線局とはいえ、相互主義前提として外国法人や外資系の企業などに無線局開設を認めることとしているんでありますが、この点について郵政当局として何か基本的な考え方というのはあるんですか。
  46. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 電波は、先生御案内のように、貴重かつ有限なものでございます。そしてまた、御案内のように、国際電気通信条約によりまして、地域別あるいは業務別に分配をされておりまして、我が国でも、当然のことに、そうした枠内で無線局開設を認めることにしているところでございます。  したがいまして、一定の例外を除きましては、原則的に日本国民の需要を満たすべきであるという考え方で、現行の電波法第五条におきましても外国性の排除を原則としているところでございます。そして、現在我が国では無線局数がかなり多くなってきておりまして、この限られた電波を使用するということから、周波数が非常にきつい状態であることも事実でございますけれども、一方で我が国国際化というふうなことがございます。国際化の進展というふうなことで、我が国の国内でも、外国人あるいは外国法人等の、特に経済活動社会活動といったことの活発化ということから、その諸活動の円滑な遂行に資するためということでの要望が寄せられている、またその必要性も認められるということがございますので、先ほど申し上げました外国性の排除の原則ということは踏まえながらも、今申しましたような外国人等の諸活動に必要な陸上移動局等の一定範囲無線局に限る、同時に相互主義前提にするという考え方で今回の改正を御提案申し上げているところでございます。
  47. 大森昭

    大森昭君 そうしますと、具体的に外国人などが無線局開設を申請してきた場合に、割り当てる周波数だとか、あるいは空中線電力などに関して制限を加えるということもあるんですね。
  48. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 外国人の申請に関するものでございましても、この外国性を緩和いたしました場合に行います取り扱いは、我が国国民に対するのと同様の取り扱いにするというふうに考えております。  したがいまして、無線局に対する周波数の割り当ては、国際電気通信条約の附属無線通信規則の周波数分配表に基づいて作成されました割り当て原則によって、それからまた、電波の公平かつ能率的な見地から、定められた一定の行政方針に従って行うということに相なるわけでございますが、空中線電力につきましても、同様に、電波の公平かつ能率的な使用という見地から、こうした業務別の、あるいは周波数帯別の制限の中で指定をするということになります。
  49. 大森昭

    大森昭君 局長が言われますように、社会も経済活動国際化で進展をしておるわけですから、ある意味でわからないわけじゃないんですが、私の質問の趣旨というのは、先ほど局長が言われましたように電波は有限ですから、そうなってきますと、この措置をとりまして今度国内の法人などの電波利用が逆に支障を来すということになりますと大変ですから、その辺はどうでしょうかな。
  50. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 我が国国民あるいは組織体の利用に支障がないようにという点は、先生のおっしゃるとおりでございます。私どももそういう考え方に立って今回の改正の検討をしたわけでございます。  具体的な形について申し上げますと、先ほど申し上げましたような基本的な条件がございますほかに、一体どれくらいの利用があるのだろうかということ、これがまた具体的な問題として浮かんでくるわけでございますが、現在我が国に居住をしております外国人の数を見てみますと、我が国全人口の〇・六%というふうな数字が一つございます。  それから、企業にも使用させることを認めようと考えておりますが、この場合、上場企業の中に占めます、現行法では欠格事由として該当しております企業の数がこの全上場企業の中で一・四%というふうな数字になっております。この人口あるいは企業の数といったものを考えました場合に、およそ一%ぐらいのものがこの電波利用の欠格性排除が緩和されるということになるわけでございます。もちろんそのすべての方々が利用されるということでもございません。我が国の陸上移動局と、今回開放の対象にしようとしております陸上移動局等の総数は現在百七十八万局ございます。これは現在の外国性排除のもとでの数でございます。今申し上げましたような外国人あるいは外国系企業といったものの数から見まして、この中のわずかな部分を占めることになろうという考え方で、こういう条件のもとでの開設を認めようと考えておるわけでございます。
  51. 大森昭

    大森昭君 またもう一つ外国の公館が開設する無線局については、大使館の中に恐らくこれは設置されるんじゃないかと思うんですが、外交関係に関するウィーン条約上、大使館は不可侵を保障しているわけでありますから、そういうところに開設して我が国電波監理に支障を来すというようなことはありませんか。
  52. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 外国公館が開設する無線局につきましては、昭和五十七年六月の電波法改正でこれもまた相互主義に基づいて免許を与えることができるようになっているわけでございますが、免許に当たりましては当然一般の無線局と同様に電波の型式、周波数、空中線電力といったものを指定いたしまして、他の無線局に混信等の妨害を与えないように措置をすることにしております。  それからウィーン条約の御指摘がございましたけれども、仮に公館に立ち入ることができない場合でございましても、外部からその発射いたします電波の、先ほど申し上げました質あるいは空中線電力といったものを測定することが可能でございまして、検査の実行を最低限確保することが可能だと考えておりますので、無線局の管理監督が不十分になるというふうなことはないと私ども考えておるところでございます。
  53. 大森昭

    大森昭君 今回、一定の範囲で船舶無線電信局に対して中短波帯の無線電話装置、さらにはVH F帯の無線電話装置の設置を強制することにしているわけでありますが、その理由は何ですか。
  54. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) お話のございました点は、海上人命安全条約、SOLAS条約と言っております条約の第一次改正、これは一九八一年の改正でございますが、その中で無線電信局と無線電話局との間の通信連絡手段を確保し、遭難における救助活動を容易にするためということで国際航海に従事する旅客船及び総トン数三百トン以上の貨物船のうち、無線電信局を設けたものに対しまして無線電話遭難周波数送受信機、いわゆるMF電話の備えつけが義務づけられたものでございます。  それからまた、近距離の船舶間、それから陸上と船舶間の効果的な通信手段を確保し、船舶の航行の安全を確保するということのために、これもまた国際航海に従事する旅客船、それから総トン数三百トン以上の貨物船に対しましてVHF無線電話の備えつけが義務づけられたということによりまして今回の電波法の改正を考えたところでございます。
  55. 大森昭

    大森昭君 今回の改正によりましてVHF無線電話の設置が義務づけられるわけでありますが、既に今まで任意で設置済みのものもあると思いますが、今回新たに設置しなければならなくなる船舶の数などは把握をしておるのか。また新しく設置する場合、そのための経費などはどのくらいかかるんですか、これ。
  56. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 今回の改正で必要となりますのは二つございますが、一つ無線電話遭難周波数送受信機の設置にかかわるものでございます。これにつきましては、設置を必要とする隻数が約千四百八十隻ございます。ただ、このうち既に任意につけておりますものが千二百八十隻ございますので、差し引きをいたしますと新たに設置をすることとなる船舶は約二百隻ということになります。この場合の、これは二千百八十二キロヘルツのものでございますが、この送受信機に要する費用は一隻当たりで約八十万円ということになっております。  それから、VHFの方の無線電話の設置につきましては、先ほど申しましたような旅客船、貨物船が対象になりますが、こちらの隻数は約千五百三十隻でございます。これにつきましても既に任意に設置しているものがかなりございます。その数が約千四百八十隻、パーセンテージで申しまして九七%でございますが、したがって新しく設置を必要とするのは、差し引きをいたしますと五十隻ほどでございます。こちらの方は費用といたしまして一隻当たり約百万円というふうに考えております。
  57. 大森昭

    大森昭君 今数字で挙げられておりますが、大体航海の安全を確保するということになると、できるところは——できるところというよりはできる人はと言った方がいいかな——やっているんじゃないかと思うのですね。そうすると、今残っているところというのはいろいろな事情で設置していないんじゃないかと思うのですがね。これは実施期日が九月一日ですからね。そうなってきますとこの短い期間に無線設備の設置だとか、あるいはこれまた郵政省は検査なんかもするんだろうと思うんですが、これは大丈夫ですか。ちょっと期間が短いんじゃないかと思うんだけれどもね。
  58. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 海上人命安全条約改正規定内容につきましては一九八一年、つまり昭和五十六年十一月の時期でございますが、その改正条約の採択の直後から私ども周知を図り、また事前の準備に関しまして、その推進に関する関係者の理解を求め、また理解を得られているという状況にございます。そしてまた新たに設置が義務づけられることになりますものも、数の上で申しまして先ほど申しました二一八二キロヘルツの無線電話で約二百隻、VHFの関係では五十隻ということでございますので、準備状況と申しましょうか、関係者の理解の状況等から見ましても、当局の検査を含めてお願いいたしております九月一日からの施行に十分対応できるというふうに考えております。
  59. 大森昭

    大森昭君 さっきも放送衛星の話がありましたけれども、これから海上関係などについても衛星を活用したシステムの導入が検討されているように聞いておりますが、それはどのような構想で、またいつごろ何か実現をすることになるんですか。
  60. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 現在、船舶通信に利用されております実用衛星システムといたしましては、インマルサットのシステムがございます。これによりまして航行の安全の確保その他に有効に利用が図られているところでございます。一方、国際海事機関、IMOと略称いたしておりますが、ここでは一九九〇年、六年後でございますが、一九九〇年の導入をめどといたしまして、将来の全世界的な遭難・安全制度、私どもFGMDSSと略称いたしておりますが、その検討を進めておりまして、このFGMDSSにおきましては、先生指摘衛星通信の利用ということが大きな一つの柱になっているわけでございます。これは静止衛星あるいは極軌道衛星を通じまして、船舶—陸上間の遭難警報、航行警報あるいは気象警報等の通信が確実に行われることになりますので、これによって世界の全海域での航海の安全の確保が格段に向上するものというふうに私ども考えておるところでございます。
  61. 大森昭

    大森昭君 無線設備の設置を今度は強制されておらない    〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕 小型船舶についての無線施設の設置状況、おわかりかどうかわかりませんが、小型船舶についてはどういうふうになっているのか、また船舶航海の安全対策についてはどのような措置がとられておるわけですか。
  62. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 無線設備の設置を強制されていない船舶といたしましては、国際航海に従事しない百トン未満の旅客船、それから三百トン未満の貨物船、百トン未満の漁船などがございます。これらの船の総数は約八十二万隻でございまして、この中で無線設備を設置しております船舶は約七万一千隻、設置率にいたしますと約八・六%というふうなことに相なっております。  そこで、無線設備の設置を強制されていない船舶の航行の安全対策はどうかということになるわけでございますが、海上におきましては、御案内のように無線通信が唯一の連絡手段であるということでございますので、郵政省といたしましても、これらの小型船舶につきましても、設置の義務づけはないにいたしましても、やはり安全対策ということでございますので、無線設備の設置が促進されるように関係方面に対して指導を行ってきたところでございます。  もう少し具体的に申し上げますと、私どもといたしましても、小型船舶に適した簡易で小型な、そしてまた安価な無線通信システムが開発され、提供されるように関係業界等を指導いたしておりますし、また無線設備の操作に関しましても、これは特殊無線技士の無線電話丁というふうな簡易な資格で行えるような措置を現在講じているところでございまして、こういうふうな措置の中でできるだけ海上の安全が確保されるということを期待しているわけでございます。
  63. 大森昭

    大森昭君 現行の電波法というのは、これは昭和二十五年に制定されたものでありまして、今回のこの改正も、    〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕 これは条約の改正に伴って提案されているわけであります。同時に、部分手直しを電波法やってきているわけですが、四十一年に御案内のように改正案が提案されまして、審議未了ということになってそのままになっているんですけれども、古いから悪いという意味じゃないんですが、大分先ほどから議論しておりますように、世の中変わってきているわけであります。そうなってきますと、技術的にも電波の利用の態様もすっかり変化しているわけですからね。ですから、そういう意味からいきますと、電波利用の基本法であります電波法を抜本的に見直す必要があるんじゃないかというふうに考えるんですが、省は今どのような作業 を行っているわけですか。
  64. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 先生指摘のように、電波法は制定いたしましてから三十年以上経過をいたしております。その後の状況変化、特に技術の進展といったことから、御指摘のような検討が必要ではないかということにつきましては、私どももそういった御意見を十分承知をいたしているわけでございます。これまでのところは、電波法の中身が技術的な面が多いというふうなこと、あるいはまた、今回お願いをしておりますように、その都度その都度国際条約等との関連で手直しが必要であるというふうなことなどがございまして、当然必要なものにつきましては必要な都度適宜改正をお願いし、改正を行っていただいているところでございます。お話しのように、新しいメディアが登場してきている、電気通信の世界では特にそういう点が多いわけでございます。そういった意味では、私どもこれが大変重要な課題であるというふうに認識をいたしております。一面また、こうした環境の変化というものにつきまして流動的な面もございます。それから技術の発展動向についても、まだいろいろ見きわめなければならぬというふうな面もございます。  ただ、そうは申しましても、やはり法律と申しますものは、そのときどきの社会に最も適合したものでなければならぬということは当然でございますので、私ども、ただいま申し上げましたような環境等々を総合的に踏まえながら、その時代時代に適応した対策をとるべく今取り組んでいるところでございます。
  65. 大森昭

    大森昭君 例えば放送法の場合もそうですけれども放送大学ができましてもその附則で処理をしておったり、とにかくこれはまたさっきの話じゃありませんが、衛星が上がっても何が起きても、それはいろんな問題があることはわかりますが、別に答弁要らないですが、大臣は電電改革には大分御熱心ですけれども放送法だとか電波法も二十五年に制定されたやつですから、ひとつこちらの方も少し御熱心にやっていただくことを御要望しておきます。  それから、実はいろいろ議論しておりますように電波行政も大変複雑多様になってきているわけでありますが、大臣の所属いたします——所属するというのはおかしいな、出身地域と言った方がいいかな。北陸だとかそれから信越、これは臨調の答申でいきますと廃止のようなことが言われているのでありますが、何でもかんでも臨調だとか行革だとか言ってやったんでは、これはこれだけ複雑化していく電波行政、とりもなおさず今度は電気通信の行政もこの電波監理局がやるようになるんじゃないかな。ということになってきますと、臨調でいろんなことが言われておりますが、電波監理業務というのは従来に増してまた新しい業務をしていくということになるんですが、職場の方じゃ大分心配していますので、この辺は何か特段動きはありますかな。
  66. 奥山雄材

    政府委員(奥山雄材君) ただいま先生が御指摘になりましたとおり、昨年三月に出されました臨調の最終答申におきまして二つの地方電波監理局を隣接する地方電波監理局に統合する旨の最終的な指摘をいただいております。それを受けまして、ことしの一月二十五日に閣議におきまして、この問題の取り扱いにつきましては六十年度末までに具体的結論を得るということとされているところでございます。  先生のお尋ねは、その具体的結論を得る過程において、いかなる観点から検討するつもりなのかと、職場に無用の不安を与えるのではないかという御質問であろうかと存じます。  先生先ほどお触れになりましたように、電波監理行政はこれまでも地方において国民生活なり地方住民にとって電波行政として唯一の接点でございますし、地方電波監理局におきまして無線局免許はもちろんのこと、検査あるいは不法電波の監視、さらには特に最近比重を増しております電波障害防止等々、重要な仕事が山積しております。のみならず、まさしく先生がおっしゃいましたように、これから新しい高度情報社会に向けて地方の電波監理並びに電気通信行政の中核的な拠点になるものと私ども確信しているところでございますし、既にテレトピア構想等は地方電波監理局が中心になってこれからの作業を進めることになろうかと思います。そして、ただいま国会に御提案申し上げております電電改革三法をもし立法府の方でお認めいただきました暁には、さらに新しい事業体の事務とか新しい電気通信事業における許認可あるいは登録、届け出等の事務も地方で処理することになろうかと思いますので、これからますます電波監理並びに電気通信行政の地方における最重要の役割を果たす地方機関であるというふうに私どもは認識しておりますので、それを念頭に置きましてこれからも関係方面と折衝に当たっていくつもりでございますし、なおこの点につきましては大臣みずから、あらゆる機会にそのことを各方面にアピールしていただいていることもつけ加えさしていただきます。
  67. 大森昭

    大森昭君 まあ大臣が石川から出て、石川がなくなっちゃったんじゃやっぱりうまくないから頑張ってください。  それと、実はこの間の委嘱審査のときにもちょっと申し上げたんですけれども、いろいろニューメディアだとか、何とかかんとかいろんなことが言われていますが、電波の予算というのはこれはしょうがないんでしょうけれども、一般的なゼロ査定なんでしょうけれども、これもひとつよろしく。予算が——何かこれちょっとオーバーかもわかりませんが、聞くところによると電波の職員の人がちょっとこういう専門書を読んでみたいなんといっても、個人で買えばいいんでしょうけれども、しかし人勧凍結だとか、なかなか容易じゃないんで、やっぱりそういう必要な専門書ぐらいは買えるような予算にぜひひとつお願いをしておきたいと思います。  そこで最後に、大臣、仲裁裁定、人勧——大臣の談話も新聞で拝見しておりますし、関係閣僚会議でも大臣が大変御努力されているということは聞き及んでいるわけでありますが、とにかく事業は人なりでありまして、賃金がすぐ決まらないようなことであったり、これ、とりもなおさずこの電波は人勧適用ですから、凍結をしたり実施を延ばしたりなんというんじゃ、これは意欲に関係いたしますので、まだ人勧は出ておりませんが、郵政大臣が頑張っているということも新聞紙上で拝見しておりますが、この実施の実現方について、ぜひひとつ努力をしていただきたいと思いますが、最後に大臣の見解を伺いまして、質問を終わりたいと思います。
  68. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 結論から申しますけれども、仲裁、人勧に関しましては、もう最大限の努力と誠意をもって対処してまいりたいと思っております。  一言言わしていただきますけれども、特に、今郵政管内の労使関係を含めて、非常に良好な労使関係、話し合い路線と申しますか、定着をいたしておることは事実でございます。しかも、最近のいろいろな配置転換等、重要な事項についても、業務の効率化についても協力をお互いに願っておるところでございます。まあ、はっきり言って風向きはもうすっかり変わってしまってきておるということになります。私も、もう裁定でございますから、出すものはもうすっきり出すと、そしてお願いするものはお願いして今日の厳しい環境下に立ち向かっていくという基本姿勢を持って先般来の関係閣僚会議でも発言もいたしております。  なお、明日午前八時半だと記憶しておりますけれども、第二回の関係閣僚会議を開きまして最終的な線を決めるんじゃなかろうかと思っておりますので、その節にも誠意をもって早期実施に対処してまいりたいと思っております。
  69. 大森昭

    大森昭君 よろしくお願いしておきます。
  70. 服部信吾

    ○服部信吾君 初めに、まず、ゆり二号aの問題についてお伺いいたします。  特に世界初めての放送衛星、そういうことで大変国民期待しておったわけですけれども、特に先般行われた受信料の値上げなんかもこのサービスの一つと、こういうことでありますけれども、 今回の失敗と申しますか、二つの故障、これにつきましてNHK並びに郵政大臣の御感想をお伺いしたいと思います。
  71. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 大変遺憾というよりも、先般来参議院の本会議でも御指摘をいただいて、痛恨という言葉を使わしていただいたほど今回のBS2a故障については残念でございます。先般、実は片山先生の、四月の十七日だったと記憶しておりますけれども片山先生が何か予見されたような形が不幸に的中したような結果になりました。私も技術的に素人でございましたけれども、まあある程度のこういった新しい、今も服部先生も御指摘のように、世界で初めての実用放送衛星であるということで、技術的には難しい問題があればこそ今まで世界でどこでもやってこなかったということになるかと思います。しかし、本当にそういった面も技術的に克服した上で、残された二つの系統によっての二チャンネル放送が立派にできてくれるだろうという期待感を持っておっただけに非常にショックでございました。目下一チャンネルだけの放送ということでございますが、これらは非常に私も毎日放送衛星からの画面を見ております。ということは大臣室は特に放送衛星受信の設備をしてございまして、責任者の一人としても毎日どういう映像が流れておるんだろうということを関心を持って見ておるわけでございますが、非常に鮮明な画面で音質も確かに言われているとおりきれいな音を出しておると。まあ一チャンネルで申しわけないわけでございますが、今まで離島で全然テレビの恩恵に浴さなかった人たちにとってみれば、一チャンネルとはいえ、何とかこれが持続してこのままきれいな映像を流してほしいものだなあという期待感を持って見ておるわけでございます。本当に申しわけないと責任を痛感しておる、心からおわびを申し上げたいというのが結論の所感でございます。
  72. 坂倉孝一

    参考人坂倉孝一君) NHKといたしましては、先ほどからお話のございますように衛星状況がああいったことになりましてまことに残念で遺憾であるというふうに感じますし、私どもといたしましては二チャンネル放送開始をいたしたいということで計画を進めてまいりましたのに、一チャンネルでしか御期待に沿えなかったということに対して大変申しわけなく存じている次第でございます。  五月の十二日に放送試験局といった形で衛星放送を開始いたしたわけでございますけれども、一チャンネルではございましたけれども、特にこの離島の方々から大変これを喜んで放送を見ていただいている。大東島などはこれによって初めて日本に復帰した感じがするといったような感想なども出ておりましたけれども、こういった御期待が高ければ高いほど、私どもといたしましては、一日も早くこの原因が判明いたしまして、回復措置がとられまして、当初どおり御期待に沿える放送が出せることを心から念願している次第でございます。
  73. 服部信吾

    ○服部信吾君 余りにも期待が大き過ぎたのでちょっとがっくりしたということもあると思いますけれども、確かに三十万ぐらいのアンテナを買った人とか、あるいは放送衛星の打ち上げによって小笠原のCATVが解散しちゃったとか、いろいろとあるわけでありますけれども、特に二チャンネルが一チャンネルになった、こういうことで特に教育番組が見れなくなったというので、何かそれに対して総合テレビは見られますけれども教育テレビが見られないということでフォローか何か考えられていらっしゃるのか。それから、特にこれに対して、国民に対して何かNHKで十五分ぐらい申しわけなかったというような、そういうふうな放送でおわびをして終わりというようなことになっているのか、この辺についてお伺いしておきます。
  74. 坂倉孝一

    参考人坂倉孝一君) NHKといたしましては、ただいまも申し上げましたように鋭意回復努力をしていただいているということで一日も早い回復を念願しているわけでございまして、そのための努力をして私どももできるだけ御協力をしていくということでございます。この二チャンネルが一チャンネル放送試験局としてしか放送できなかったということに対しましては、私どもといたしましてはやはり回復をお願いするということでいろいろ現地の事情などもお聞きはいたしてまいりたいというふうに考えておりますけれども、特に現在の時点でどうするかというようなことは、現在の時点ではまだ考えていないわけでございます。
  75. 服部信吾

    ○服部信吾君 一月に打ち上げられて三月にA系統中継器故障した、その時点でやはり国民からすれば何かもう少し対策が打てなかったのかということが大変単純に考えられると思うのですね。そうして三月そして四月と、こうなったわけですけれども、この間について何かいろいろとやっぱり対策を講じたと思うのですけれども、その辺はどうでしょう。
  76. 坂倉孝一

    参考人坂倉孝一君) 私どもといたしましては事業団の方で進められておられまして、二チャンネルであれば二チャンネル放送は可能であるということで四月の二十二日になってこれを通信放送衛星機構を通じてNHKが受け取ったという形になっているわけでございまして、私どもといたしましては二チャンネル放送というものは可能であるというふうにずっと考えてきた次第でございます。
  77. 服部信吾

    ○服部信吾君 先ほど質問があったわけですけれども、五十三年に実験衛星を打ち上げた、こういうことでその原因究明がある程度なされたということで出ておりましたけれども、特に五十三年の四月の八日に打ち上げて、そして五十四年六月八日にB系統が、中継器がちょっと故障した、五十五年五月にR系統、五十五年六月十七日にA系統、こう三つのあれが全部だめになった。そういうことで普通実験衛星ですから当然実用化のための実験、そういうことである程度納得はできると思いますけれども、打ち上げたときの国産化率というのは一五%ですか、ありますけれども、そのとき例えばその他のブラックボックスといいますか、そういうものについてはどういう会社のあれをやったのか、その点についてお伺いしたい。
  78. 山内正男

    参考人山内正男君) ただいまの「ゆり」の方の原因究明いたします際には、これの「ゆり」は東芝と契約をいたしました。東芝が副契約としてアメリカGE社を選んでおります。それで、これの事故原因究明いたします際には、東芝はもちろんですけれども、この宇宙開発事業団担当技術者GEの方に参りまして……
  79. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 山内参考人に御注意申し上げます。言葉をもう少しはっきり大きな声でお願いします。速記ができません。
  80. 山内正男

    参考人山内正男君) それによりまして、GE協力を得つつ、これの原因究明を行って、それの原因究明できたと考えております。     —————————————
  81. 大木正吾

    委員長大木正吾君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、大木浩君が委員辞任され、その補欠として最上進君が選任されました。     —————————————
  82. 服部信吾

    ○服部信吾君 そうすると、そのときある程度原因究明できたと、こういうことでいいわけですか。
  83. 山内正男

    参考人山内正男君) この原因究明の結果をもう少し詳しく申し上げますと、第一は高圧電源絶縁材亀裂が生じましたために、その亀裂に沿って放電により高圧電源部故障したというのが一つでございます。第二は、姿勢制御系ホイールの回転が停止したことでございます。第三は、太陽電池絶縁材の破損によりまして電力の急激な低下があったことでございます。第四は、姿勢制御用スラスターが触媒の機能低下によりまして推力が異常に低下したというその四点でございます。  これに対しましては、まず第一の高圧電源につきましては、絶縁材改良を施しました。これに対しましては、五年間の寿命試験を行いまして、その後も正常であるということを確認しておりま       す。これをBS2aに適用いたしております。それから、第二のホイール駆動装置につきましては、電線にかかるストレスの少ない材料といたしました。第三の太陽電池につきましては、絶縁材改良を施しました。第四のスラスターにつきましては、燃料の純度を向上させました。これらの結果をすべてBS2aに適用いたしております。  したがいまして、今回のBS2a事故におきましても高圧電源自体に異常は生じておりません。
  84. 服部信吾

    ○服部信吾君 ただいまの研究結果ですが、これはやはりアメリカと申しますか、そちらの方の、特にブラックボックスとかそういう問題についてはGEさんあたり、そういうものも含めてのあれですか。
  85. 山内正男

    参考人山内正男君) ただいまのブラックボックスという問題でございますけれども、これは我が国でこの衛星計画を進めておりましたころには、まだ我が国衛星に対する技術が十分に育っておりませんでした。そこで、やむを得ずこれまで衛星技術に対して経験の多いアメリカあるいはヨーロッパの技術を大幅に使用せざるを得なかったわけでございます。  それで、このたびのBS2aに使いました中継器、これはアメリカGE社製品でございます。そして、この中継器の中の進行波管という部分がございますけれども、これは電波を増幅いたします一種の真空管でございますけれども、これはフランストムソン社製品でございます。これらを用いておりますが、今回事故を起こしました中継器につきまして、これは日本の中でこれの各種試験を行っておりますし、また運用を行っていくのに必要な技術資料の開示は受けております。したがいまして、いわゆるブラックボックスではないと考えております。そして、このたび事故原因究明をいたします際に、GEあるいはトムソン、そういうところの協力は十分得ておりますし、それに必要な技術資料の開示も得ておるわけでございます。
  86. 服部信吾

    ○服部信吾君 今回の事故原因究明に当たっては、政府としては宇宙開発委員会の中に放送衛星対策特別委員会、こういうものを設置してこの故障原因究明を図る、こういうことでありますけれども、そのメンバーの構成とか審議目的、これはどのようになっていますか。
  87. 北村俊男

    説明員(北村俊男君) お答え申し上げます。  このたび放送衛星二号aに生じました異常につきましては、開発に多額の資金を投入いたしながら、視聴者の皆様方、関係当事者の方々に多大の御迷惑をかけておりまして、宇宙開発委員会といたしましてもこの事態は非常に厳粛に受けとめていたしておるところでございます。去る五月十四日に臨時に開催されました宇宙開発委員会におきまして、放送衛星対策特別委員会の設置が決定されたところでございます。  この放送衛星対策特別委員会宇宙開発委員会及び幅広い学識経験者から構成されておりまして、放送衛星二号aの中継器に生じました異常の原因究明と今後の対策につきまして速やかに審議を進めることといたしております。  また、その原因究明の今後の対策に関します技術的な事項につきましては、その特別委員会の下に中継器の専門家より構成されます技術委員会を設置いたしまして、今回の異常に関する遠隔測定を行いましたデータ、それから関係機関からいただきました技術情報、それから原因究明に関する各種試験データに基づきまして詳細に検討を進めることといたしております。また、この特別委員会に基づく具体的な対策につきましては宇宙関発事業団におきまして実施するということを考えておるところでございます。
  88. 服部信吾

    ○服部信吾君 要するにこの中継器というのは、ブラックボックスかどうかということは私もちょっとよくわかりませんけれども、当然これはアメリカGE社のものであるし、またフランスのトムソンさんというんですか、そういうことになっているので、実際に調査特別委員会を設置してもきちっとした原因究明できないと思うんですが、この点はどうですか。
  89. 北村俊男

    説明員(北村俊男君) 先ほど事業団理事長から御説明がございましたように、よくブラックボックスと申されておられるわけでございますが、このBS2aにつきましては、それに先立つBS実験放送、こうしたシステム、メーカーも同じでございます。それで、この数年間をかけまして、中継器系統、それから全体のシステムそれから運用関係ということにつきましては、日本国内では、事業団におきましても、メーカーにおきましても相当技術者も育ってきております。それで、先ほどお話ございましたように、確かに製造ノーハウにかかわる部分につきましては問題とするところはございますが、一切の解析に必要な技術データについては開示されておるというところでございまして、原因究明ないしはそれに対する専門家からの評価ということは十分可能かと考えておるところでございます。
  90. 服部信吾

    ○服部信吾君 十分にひとつ調査委員会究明していただきたいと思います。  そこで、次に保険の問題についてちょっとお伺いします。  普通、通信衛星とか放送衛星、こういうものを打ち上げるときには大体どういう保険を掛けるわけですか。
  91. 宮原翠

    参考人宮原翠君) お答え申し上げます。  私ども事業団といたしましては、衛星を打ち上げます場合にはいわゆる打ち上げ保険と称する保険をつけてございます。例えば今回のBS2aに例をとってお話申し上げますと、衛星を打ち上げるために、ロケットに点火いたしましたときから九十日間またはその衛星通信放送衛星機構にお渡しする、引き渡しをする日までのいずれか早いところでありますが、そこまでの期間を保険の担保期間といたしまして、そしてその間、打ち上げの成功条件を満足しないというような事態が起きた場合に保険金が支払われるという形の保険を掛けておるわけでございます。
  92. 服部信吾

    ○服部信吾君 いや、要するに放送衛星通信衛星等を打ち上げる場合、今言った打ち上げ保険だけですか。そのほかにいろいろ種類があるし、また今回も掛けたんじゃないですか。
  93. 宮原翠

    参考人宮原翠君) 宇宙開発事業団として保険を掛けておりますのは、この打ち上げ保険が一番中心でありまして、その前に打ち上げ前保険というのがあります。  これは衛星が搬入されましてから打ち上げに至る日までの間地上に置いてあります。その間に何かあった場合に備えて打ち上げ前保険というのがありますけれども、保険の主体といたしましては、何と申しましても、今申し上げました打ち上げから九十日間を担保期間とする打ち上げ保険ということで、その二種類だけを今私ども掛けております。
  94. 服部信吾

    ○服部信吾君 この打ち上げ前危険保険というんですか、担保保険というんですか、これは今回掛けたわけですね。掛けたとすれば、期間はどのくらい掛けたのか、それから保険料率というのはどのくらいなんですか。
  95. 宮原翠

    参考人宮原翠君) 今回の衛星が射場に運ばれてまいりましたのが昨年の十二月十五日でございまして、その日から、打ち上げましたのが本年の一月二十三日でございます。その間の保険が打ち上げ前保険でございまして、これは料率が〇・一七五%でございます。今度、ロケットに点火いたしましてから後の打ち上げ保険と申しますのは、料率が一一・五%というふうになっております。
  96. 服部信吾

    ○服部信吾君 保険料率の〇・一七五%というのは大体幾らぐらいになるんですか、これは。
  97. 宮原翠

    参考人宮原翠君) お答え申し上げます。  今回の保険金額は、打ち上げ前の危険に対する保険金額は二千七百九十万円でございます。
  98. 服部信吾

    ○服部信吾君 二億じゃないですね。
  99. 宮原翠

    参考人宮原翠君) ありません。
  100. 服部信吾

    ○服部信吾君 普通、こういう衛星なり、放送衛星を打ち上げる場合、こういう打ち上げ前保険、これは一カ月ぐらいですね、一か月間。それから、打ち上げ危険保険、これは九十日というやつですね。当然その後の寿命保険というんですか、この 三つができて初めて一つの保険の役割をなすんじゃないですか。この寿命保険というのは入らなかったんですか。
  101. 宮原翠

    参考人宮原翠君) 事業団といたしましては、申し上げました打ち上げ前保険と打ち上げ保険を掛けまして、その九十日間何事もなければそれを成功といたしまして衛星機構の方にお渡しすると、そこまでのリスクを担保させていただく保険を掛けております。その寿命保険につきましては、私どもは掛けておりません。
  102. 渡辺伸一

    参考人(渡辺伸一君) お答えいたします。  今、先生のおっしゃいました寿命保険、これは保険の段階で申しますと、打ち上げ前、打ち上げ保険に相次いで、NHKに所有権が移りましたら、その後いわゆる寿命保険を掛けるわけでございます。  NHKとしましては、打ち上げから各段階から運用に至りますまで一日の空白もないように保険を掛けようという基本姿勢でまいりました。打ち上げの成功条件を満足いたしまして、四月の二十二日からNHKの所有になったわけでございます。この事態を予測いたしまして、国の持ち分については寿命保険を掛けられないということでございますから、私どものいわゆる六〇%相当分について寿命保険を掛けるべく——これはNHK単独でございますが、保険会社と折衝しておりました。四月二十二日に受け取りましたら直ちに効力を発するようにということで交渉をしておりまして、およそ条件が煮詰まったわけでございます。  ところが、こういう保険は、保険の効力を発する前段階状況を確認して初めて有効になるという保険でございます。打ち上げが予定どおりの条件を満足していたかということが条件として吟味されたわけでございます。そういたしますと、御存じのとおり、A号器が故障しておったわけでございます。そういたしますと、既に進めておりました条件では保険を掛けることはできませんと、こういうのが保険会社の立場でございました。それを究明いたしまして、そのA号器が故障でもなお保険を掛けるには、A号器がいかなる故障原因であったかを究明しないと、残りの二つの中継器に対する保険は受けかねるということでございました。我が国初めての寿命保険でございますし、この保険は非常に大きいものですから、国内の保険会社はさらに外国の保険会社に再保険をしているやに聞いております。そういうことでかなり条件の詰めに時間がかかっているようでございまして、ついに今の状態では掛け得ない、残念ながらそういう状況で今日を迎えたということでございます。
  103. 服部信吾

    ○服部信吾君 普通、最初のあれがそういう故障が起きた時点で、当然ある程度こういう問題に対しては交渉すべきだと、そのうち二つ目がだめになってしまったと、そして結局、全然この保険が取れなくなってしまったということになるんですけれども、普通、この空白をとるということは、これは保険のあれから言って最悪の状態といいますか、普通、一般保険に入っていて、これとは違いますけれども、生命保険だとかあるいは損害保険だとか、たまたまお金をそのとき払っていたけれども、一カ月間払わなかったとか、要するに空白というのは保険から言えば大変避けなくちゃならない事態だと思うんですね。ですから、四月二十三日ですか、この保険が切れた時点でやはりもう少し寿命保険に対して努力をしなくちゃならぬのじゃないか。これは保険会社から断られたわけですか、簡単に言えば。
  104. 渡辺伸一

    参考人(渡辺伸一君) 保険会社から断られたというよりも、前提といたしました条件では引き受けかねる、新しい事態に対応する料率でありますとか保険額でありますとか、あるいは条件であるとかを詰めさしてもらいたいということでございます。その詰めるにつきましては、Aの故障原因が最大のポイントになる。その原因がわからないことにはその条件の詰めようがないと、言ってみればそういうことでございまして、保険会社から条件の提示がいかにせっつきましても出てこないという状況でございます。
  105. 服部信吾

    ○服部信吾君 そうなった場合に、じゃ、あと最後に残っているやつですね、もう一つのこのまま生きている。これに対しては今後この寿命保険に掛けるつもりですか、また交渉するんですか。
  106. 渡辺伸一

    参考人(渡辺伸一君) 申し上げましたように大事な資産でございますから、ぜひ保険を掛けたいと思っておりますので、引き続き保険会社と折衝をしてまいりたいと思っております。
  107. 服部信吾

    ○服部信吾君 ひとつそういうことで努力をお願いしたいと思います。  ちょっと今回の保険の内容ですけれども、特に打ち上げ成功条件と、そういうことで(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、「所要の軌道及び姿勢を保持していること。」「四年間以上運用可能な二次推進薬量を有すること。」こうあります。特にこの中で問題になる四つ目の「中継器は有効系統数二以上であること。」これが要するに二つ以上有効に動いておれば保険はおりないと、こういうことなんですけれども、普通、保険というのは、大事な三つの中継器のうち一つ故障すれば、その二つに対してある程度保険がおりる。生命保険の場合だって、死んだ場合とけがをした場合、あるいは一般の場合でも、丸焼けになった場合と半焼けとか、普通そういうのが常識と、こういうことなんですけれども、この場合、例えば中継器、心臓部と言われる大事なところでありますし、特に前回の実験衛星の場合でも、ここが三つともだめになったと、そういうことで、そのくらいの配慮をした保険を掛けるべきじゃなかったのか、この点はどうですか。
  108. 宮原翠

    参考人宮原翠君) お答え申し上げます。  先生指摘のとおりのことで、御意見ありがたく拝聴いたしますんですが、私どもといたしましては、三系統ございまして、そのうち最低限二系統が正常に作動しておれば、最低の需要にはこたえ得るんではないだろうかということを一つ考えましたのと、仰せこの保険は非常に危険が高いものでございますから、保険会社との折衝におきましても、あるいは料率の折衝におきましても、あるいはどれどれを担保するかというようなことにつきましても、なかなか向こうの提示する条件も厳しゅうございまして、その間、監督官庁の御指導も得ながら十分に保険会社と詰めて、その結果、今回の保険は、三系統のうち二系統が生きておればそれは成功であるというような条件で、今回の保険は付保することになったような次第でございます。今後はまたいろいろとそういう面の御意見も拝聴いたしまして、検討すべき点は検討してまいりたいというふうに考えております。
  109. 服部信吾

    ○服部信吾君 じゃ、それはわかりました。  それで次に、一応来年八月に打ち上げられるという、このゆり2号bというやつですね、これにはやはりこういう保険を掛けるんですか。
  110. 宮原翠

    参考人宮原翠君) 来年の2bにつきましては、今回のことを十分に頭に入れながら、ユーザーの方々との御意見をもとに十分に相談をし、また監督官庁の御意見、御指導もいただきながら、鋭意詰めて検討してまいりたいというふうに考えております。
  111. 服部信吾

    ○服部信吾君 一応、そういう保険を掛けるというふうに考えてよろしいですか。
  112. 宮原翠

    参考人宮原翠君) そういう保険を検討するということで、特にユーザーの方の御意見を拝聴し、また保険会社との相談もございますが、鋭意詰めてまいりたいと思っております。
  113. 服部信吾

    ○服部信吾君 そこで、一応、これ先ほど来話しておりますけれども、世界で初めての放送衛星、そういうことですけれども、現在、世界の放送衛星状況、この放送衛星、各国どのような実験なり、またそういうことを進められておるのか、この点についてお伺いします。
  114. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 私どもが承知をしております限りでは、日本実用の直接放送衛星という形では初めてであるというふうに考えておりますが、外国状況といたしましては、アメリカあるいはヨーロッパにおきまして一九八五、六年ごろに実用衛星を打ち上げるべく現在開発中であるという情報を私ども承知をいたしております。
  115. 服部信吾

    ○服部信吾君 世界の放送衛星ということで、各国ともまだ全部実験段階ですね。アメリカにしても一九七四年の五月にこれの打ち上げの実験と、カナダにしても一九七六年、日本は一九七八年に打ち上げて実験をしておると。特に受信形態としては共同、個別、こういうこともあると思いますけれども、特に今回の我が国が打ち上げた放送衛星は個別ということで、世界的に言っても画期的な感じがあるわけであります。  例えば、我が国としても一九七八年、五十三年にこの実験をして今回五十九年、六年間かけて打ち上げをしておる。アメリカですらこれから、今御答弁のあったように一九八六年、あるいはフランス、西ドイツ、これは共同で、要するに個別的な受信形態ですけれども一九八五年ぐらいにやる。こういうことを考えますと、特に我が国の国産率が今回三〇%になったわけでありますけれども、何でこんなに早く急ぐのか、こういう面についてお伺いしたいんです。
  116. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) BS2a計画につきましては、先生御案内のように、NHKの難視聴解消を主たる目的としながら、同時に新しい宇宙の放送技術というものを身につけようという目的で打ち上げを計画いたしたわけでございますが、その前段におきまして、これもまた御案内のように実験用放送衛星を打ち上げまして、そうした技術をあるいは実験成果を踏まえながら、かつまた時代の進展の中で新しく得られた技術、知識といったものを最大限に計画の上に反映させて宇宙開発計画の中に盛り込まれたものというふうに考えております。私どもといたしまして、関係者間で可能な限りの信頼度というものを見きわめた上での打ち上げであったというふうに考えております。
  117. 服部信吾

    ○服部信吾君 特に宇宙戦争とか宇宙競争とか、これからの時代はそういう面で大変、いろいろな面で各国ともしのぎを削ってこういう開発を急いでいると、こういうわけですよね。  そういうときに、例えばアメリカフランス両方から買ったにしても、これは要するにブラックボックスと言うんじゃないといいますけれども、いわゆる心臓部、中継器、そういうことを考えまして、例えば日本の国が今度これで失敗——失敗とは言いませんけれども、こういう故障があったと。これはやはり当然、向こうのアメリカの会社としてもどういう状況かというのを調べているんじゃないかと思うんですよ。  そうなった場合に、アメリカが八六年なり、八五年の暮れぐらいか、打ち上げるというときにちょうど、日本が高い金をかけて打ち上げた。実験じゃありませんけれども、やったのが全部、考え方によれば日本実験しているというような、まあ感覚にとられてもこれはしょうがないと思うんですけれども、これはいろいろとあると思いますけれども、そんなことは全くないとは思いますけれども、この点はどうでしょうかね。
  118. 山内正男

    参考人山内正男君) ただいまの御質問につきまして、確かに我が国実用をねらった放送衛星を真っ先にやっておる、そのところで百ワットの中継器を使用するという計画を進めたということでございます。  それで、これの実験的なものはアメリカで既に実施をいたしておりまして、これは御承知のように、ATS6という放送衛星実験を進めておりまして、これはインドの教育放送などにも実験的に利用されていると聞いております。それからまた、カナダにおきましてはCTSというようなものを上げておるわけでございます。そういうような実験的な放送衛星を上げておりますからには、それに用います中継器についての研究開発というのはかなり進んでおるというように考えられるわけでございます。したがいまして、日本BS2aについての中継器を、それぞれの国の開発手段として用いたというようには考えておりません。  結果といたしまして、そういう部分もなきにしもあらずとは思いますけれども、それはむしろそれぞれの国における中継器の研究開発というのを中心にして進めていたに違いないと考えております。
  119. 服部信吾

    ○服部信吾君 まあ図らずも、なきにしもあらずということですから、やっぱりそういう可能性はあるんじゃないかなという、そういうふうに決めつけることはできませんけれども、例えば、ある雑誌ですけれども、「六百億円が宙に消えた ゆり2号aの突発故障はレーガンの陰謀だ」と、こんなようなことも書いてありますよ。ある面から言えばなぜ九十日間という寿命保険しか掛けなかったのか、こんなことは、故障するのはわかっていたんだということ。だから、保険会社はそれはもう非常に敏感ですから、例えば「第二は保険金の問題。つまり、最終引受先の世界最大の保険会社ロイズ社(英国)が、九十日間の打ち上げ保険にしか応じないで、衛星寿命保険契約は断ったことです。放送衛星の失敗を見抜いていた」と、こういうことをはっきりとここに言われている。これは雑誌ですけれども、このように考えております。  例えばの話が、こういう話もおたくの方の方に聞きましたけれども、要するに放送衛星が出たらそれを中止、要するにだめにしちゃうような衛星か何か電波を流すとか、そんなようなこともいろいろ出ていると、このように聞いておりますけれども、いずれにいたしましても、放送衛星の打ち上げの最大の目的というのが、我が国としては四十二万世帯の難視聴解消と、こういうところに最大眼目があるわけであります。そういう面から言えば、今、総合テレビの方が一チャンネル残っているわけですから、今まで見られなかったところがある程度見えている、電波が行っている、こういうことでありますけれども、そういうことで全く両方、教育テレビ——教育の方は見られないにしても、やはりある面から言えばその目的を達していると。そういうことで、ある程度総合の方が目的を達しているわけですから、来年の実験用のあれだとか、あるいは六十三年から六十五年のBS3とか、そういうのに対して、そんなに急いでやる必要はないんじゃないかと思うんですが、この点はどのようにお考えですか。
  120. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 放送衛生の計画につきましては、先ほど申し上げましたように、日本における特にNHKの難視聴解消ということを主な目的にいたしまして、同時に放送衛星技術というものを日本として身につけるということが目的でございます。このBS計画につきましては、宇宙開発委員会におきまして、その必要性、打ち上げの妥当性あるいは技術的な可能性と、あらゆる角度からの種々の検討を加えられて、妥当かつ適切なものとなるように十分に配慮された上での宇宙開発計画になったというふうに考えております。  こうした中で、先ほど申し上げましたBS実験成果といったものも、今回宇宙開発事業団の方でBS2につきましては十分検討の対象にされて打ち上げがなされたというふうに承知をいたしているわけでございまして、御指摘のようなことではないというふうに考えているところでございます。
  121. 服部信吾

    ○服部信吾君 一応そういうことのないように、ひとつよろしくお願いいたします。  次に、電波法改正についてお伺いしたいと思いますけれども、今回の電波法改正については、外国性排除の緩和関係、あるいは海上人命安全条約の改正関係部分電波法関係手数料の改正問題、このようにありますけれども、その中で、やはり先ほどお話がありましたけれども電波法関係手数料について上限の法定制を廃止し具体的金額を政令で定める、このようにした理由は何でしょうか。
  122. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) ただいまお願いをいたしております電波法の百三条の改正でございますが、これは国の各種手数料、これの中に電波関係の手数料も含められるわけでございますが、今回、今国会で四月二十日に成立をいたしております各種手数料等の額の改定及び規定合理化に関する法律、この中で国の各種手数料に関する合理化を図る目的での法改正が図られたわけでござい ますが、私どもの考えております電波法手数料関係改正規定も同じ趣旨、目的を持っているものでございます。これは過去、衆議院の大蔵委員会あるいは参議院の大蔵委員会等の附帯決議等もございまして、要するに経済情勢等の変化に弾力的に対応できるように規定合理化を図る、そのことで費用負担の適正化に資そう、こういうことでございます。  私どもといたしましては、「この四月二十日に成立いたしましたいわゆる一括法と言われておりますものと同じ趣旨でございまして、その中であわせて改正をするということも考えたわけでございますけれども先生お話しのございますように、今回は電波法自体を他の外国性の排除の緩和あるいはSOLAS条約の改正関連といったようなことでお願いいたしますので、電波係手数料につきましてはこのような形で電波法の改正の中でお願いをしているということでございます。
  123. 服部信吾

    ○服部信吾君 最近の手数料の収入額と改定経緯はどのようになっておりますか。それから、既に各種手数料等の額の改定に関する法律は改正されておりますけれども、それぞれ手数料の改定を前提にしておりますが、電波法関係手数料の改定についてはどうですか。
  124. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 電波法の関係の手数料はいろいろな項目に細かく分かれているわけでございますが、五十八年度の総額では約四十六億円——これは予算でございます。それから、五十九年度予算におきましては五十六億円という収入予定を立てているわけでございます。  それから、今回お願いをいたしております政令委任をお認めいただきました場合にこうした個々の手数料をどうするかという点でございますけれども、私ども、今回この法改正を御提案申し上げるに当たりまして、この手数料というものが行政のコストとの関連で当然算定されるべきものという考え方で試算をいたしてみたわけでございますが、現状におきましては行政のコストにほぼ見合う数値になっていると判断をいたしております。したがいまして、この手数料関係の規定改正が成立いたした場合におきまして、私どもといたしまして、直ちに政令による手数料の改定を行うという考えは持っておりません。
  125. 服部信吾

    ○服部信吾君 最後に郵政大臣にお伺いしますけれども、最初にゆり二号の問題について郵政大臣にひとつ見解をお願いします。それから、手数料を実費の範囲内で改定するというのは、こういう歯どめがあったにしても、上限額の法定制が廃止されれば大変安易な手数料改定を生むおそれがある、この辺について郵政大臣の見解をお伺いしまして質問を終わります。
  126. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 後段の、手数料値上げを安易に行うようなことになっちゃいかぬじゃないかということでございます。もちろんそのとおりでございます。特に、今回の法改正においても、実費コストの最小限の形でのそういった負担をお願いするということに今後とも徹してまいらなきゃならぬと思っております。また、政令等によってこういったコストを決めさしていただくことになりますけれども、やはりその都度、適正値であるか否かという形の報告材料も添えて委員会の諸先生方にお諮りしてやっていこうという基本姿勢は変わらないということでございます。  なお、BS2a故障に関連して、b以下の開発等々に関しましては、私としてはユーザーであるNHKを主とする立場にありますけれども、まず原因究明第一、拙速は避けるという基本方針を敢然と貫いてまいりたいということでございます。
  127. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 まず最初に、今次法案の最大のポイントであります手数料の法定制撤廃をめぐる問題でありますが、今も質問がありましたけれども、今日まで当局の説明によりますと、過去、手数料の改定をしたのは昭和五十三年の五月、五十六年の六月、そして今日に至っておる。この法案がもしも成立をしたら直ちに値上げをするということは考えていない、こういうことでありますが、しからばいつごろ値上げをしなくちゃならぬだろうというふうに想定しているんですか。
  128. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 先生指摘のように、私どもこれまで法律改正によりまして限度額の引き上げを昭和五十三年それから五十六年にやらせていただいているわけでございますが、先ほどお答え申し上げましたように、今回の法律改正をお認めいただきました場合に、私どもの試算からいたしまして直ちに手数料の改定をする必要はないというふうに判断をいたしておるわけでございます。  これは、先ほど申し上げましたように、実費の範囲内でということで、行政的にかかりますコスト、例えば検査のための人件費、旅費あるいはそれに使います物件の費用、こういったものを積算いたしまして考えるわけでございます。今申し上げましたような各項目につきましては、これはおよそでございますけれども、これまでおよそ三年ぐらいごとに見直しをしてきているというのが実態でございます。経済情勢の変化あるいはそのほかの条件等もございますけれども、およそで申し上げますとそれぐらいの期間の中で見直しをし、必要があれば改定をさせていただくというのがこれまでの例でございます。これからもおよそそのようなことに相なろうかと、先のことでございますので明確なお答えはいたしかねますが、およそはそんなふうな考えに立っております。
  129. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 どうも大変な言葉の詭弁が行われておると思うんですけれども、前回が昭和五十六年でしょう。大体三年ほどの間隔でこの改定やっていくんだと。ことし昭和五十九年に入っているじゃないですか。だからこういう形で法定制を撤廃をして大幅値上げが出てくるんじゃないかということの、そういう危惧を持たざるを得ないというのは当然だと思うんです。  そこで、大臣、お尋ねをしますけれども、今の局長の答弁でも三年間隔ぐらいの改定という経過であったし、今後も大筋そういうことになるんじゃないか。当面は値上げを考えていない。ただ、これは警戒心は私は大いに持っていますよ、今も言いましたように。しかし当面は考えていないということであれば、何を今さら、わざわざこの法定制を撤廃をして政令にゆだねるという、こういう法律案改正をやる必要があるのか。三年間隔だったら大体国会へその都度必要なときに提案して承認を得ていくというやり方でいいじゃないかというふうに私は思うんです。こういうことが出てくるというのは、一つは大幅値上げの意図を隠しているんじゃないかという、そういう警戒が一つあります。  それからもう一つは、結局臨調の方針ですね。法定制はできるだけ撤廃をしていけ、あの臨調方針というのを唯々諾々として政府が国会へ提案をしてきているという、これ以外に理由考えられない。こんなことであれば、ひとつこの法案はもう一遍撤回するというふうに考えられてしかるべきじゃないかというふうに思いますが、大臣、どうでしょうか。
  130. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 先生に別に反論するわけじゃありませんけれども手数料の一括処理法案、大蔵委員会でもうすでに可決されてこちらの方でも御審議願ったと思いますけれども、私はむしろこの今度の法案の中に逓信委員会先生方に御審議を願うということが一番妥当だと。この一括案件の中で処理してしまうという形の方法をとらないで、本法のいろいろ改正に関連して御審議をお願いするといった形は、行政当局としては、より良心的と申しますか、道理に合ったことだと思っております。そして、簡単にこういった法案を、法定撤廃の中ですぐ値上げに走るというような形は厳に慎まなきゃならぬということは先ほどお答え申し上げました。したがって、ここ一、二年はそういった形じゃなくて、現状においては実費コストで現在大体適正値の料金を保っておる。したがいまして、この法案が通ったからといってここ一、二年そういった直ちにコストアップにつながっていくような処置はとりませんということを担当政府委員からも話しておるわけでございます。御理解を承りたいと思います。  手数料全般の形の法定撤廃はこれはもう政府全体で決めた形で、この法案だけ、この面だけは今御審議をお願いするという形、経緯についてはこちらの気持ちも酌んでいただきたいと思うわけでございます。
  131. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 今の御説明ではどうしても納得ができません。  そこで、次に具体的な問題でお尋ねに移りますが、昨年の初めごろからいわゆるウッドペッカーノイズと言われる混信が短波に起きています。船舶通信士労働組合の話によりますと、北太平洋海域を中心にインド洋や豪州航路、さらにはアメリカやヨーロッパ付近でも船舶通信が大変な妨害を受けている。  私も先日船通労の方がとったテープを聞きましたが、ぽっぽっ、ぽっぽっというこういう機械的な音が連続をして記録をされておるわけでありますけれども、これが非常に広い地域で、しかも現にテープを聞いてみましても、かなり幅広い周波数帯、短波帯に四六時中出てくる。で、共同通信船舶向けに出していますファクシミリ新聞などもこの妨害を受けますと画面全体が点や線だけになってもう意味がなくなる。こういうひどい姿にも進んできているわけでありますけれども、こうした電波通信妨害の現況について郵政省としては一つはどういうふうに状況をつかんでいるかということと、この発信源をどう見ているか、したがってそのことに即してどういう対処をしているのか、まず郵政省、御説明ください。
  132. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 御指摘のウッドペッカーノイズと言われるものにつきまして当局の調査結果によりますと、この種の電波によりまして、先ほど先生の御指摘のありました中では、私どもの調査結果では主として北太平洋上におきまして短波帯の広い範囲にわたっての混信が発生しているということを把握いたしております。その結果、御指摘のように船舶通信そのもの、あるいは気象通報の受信に被害を受けているということが判明をいたしております。  その発生源ということでのお尋ねでございますが、私どもの調査結果で把握いたしております状況は、この電波のパルスの幅、これが三ミリ秒から四ミリ秒、それからパルスの繰り返し時間が百ミリ秒のパルス性のものである。それから一回の発射時間は、時によりますが、数秒程度の短時間のものから一時間以上の長時間に及ぶもの、そしてまた発射周波数が時々刻々変化している、こういうふうに把握をいたしているわけでございますが、発生源そのものが何であるかということについては確認できておりません。
  133. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 この怪電波の正体については、実は二月二十九日の朝日新聞を初め、新聞にも報道されているところでありますが、いわゆるICBM、大陸間弾道ミサイル、これをキャッチするためのOTHレーダー、超地平線レーダーとも日本語では呼んでおりますけれども、この電波ではないかという説が非常に有力であります。今の答弁ですと、主として北太平洋地域と、こう言われていますけれども、冒頭私が申し上げたように、インド洋から豪州航路、アメリカ、ヨーロッパ海域、非常に広い範囲にわたっているということで、これはこうしたOTHレーダーを設置をしておる。それはもちろんソ連もありましょうが、しかしもっと大規模にやっておるのはアメリカだということは、これは防衛上の問題として通説になっているわけですね。  ですから、こうした点で、これは写しを私は今持っているわけですけれども、例のジェーン年鑑、一九八二年から八三年版のこの年鑑によりますと、アメリカのOTH−Bレーダー、六・二五から二十一・八五メガヘルツ、これを使用しておって、現在ウッドペッカーノイズが出ている範囲とほぼ一致するというのがこうした実際に仕事に従事をしている船通労の皆さん方の意見でもあるわけです。また、同年鑑によりますと、アメリカはOTH−Bのカバーリングエリア、それの二倍化と六十度から八十度の角度を持てるようにするための研究開発を八一年から八二年に行うというふうにこの中に書いているわけですけれども、これとちょうどこうした妨害が多発をし始めた時期と一致をするということで、やはりそこに発信源があるんではないかという疑いがこうした面からもまずます濃厚になってくる。  こうした点で、ひとつウッドペッカーノイズについて実態を全面的に把握する、この、ためには我が国の、特に郵政省としての独自の努力、これも必要でありましょう。それと同時に、実際にこういうことで船が迷惑を受けているわけでありますから、外交ルートを通して、どういう状況になっておるのか、そういうことを米ソ両国からも率直な報告を求める。そのために郵政省として外交ルートを通すとなると外務省との協力も必要かと思うんですが、外務省とタイアップをして、ひとつこの事態の全貌把握と必要な対処を検討していく、そういう努力を一層強めてもらいたいというふうに思いますが、どうでしょうか。
  134. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 私どもといたしましても、先ほどお答え申しましたように、有害な混信があるというふうに把握をいたしております。そういうことで、今後とも継続してこの種の電波の監視を実施をいたしまして、電波の発射源の究明に努めてまいりたいと考えております。電波の発射源が特定できましたならば、これは国際電気通信条約というのがございますので、この条約にのっとった措置ということで、我が国の短波帯なら短波帯通信に有害な混信があるということで通信主管庁としての立場で国際電気通信条約にのっとった必要な措置をとるようにしてまいりたいと考えているところでございます。
  135. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 大臣、重ねてよくお聞きをいただきたいと思うのでありますが、今の答弁でももちろん国際電気通信条約に基づいてそういう電波妨害を極力混信を避けるために正常な通信を確保していく、そういう目的を持って一定の国に対して適切な措置を要望をしていく道が開けております。しかし同時に、この条約では三十八条は、「陸軍、海軍及び空軍の軍用無線設備について、完全な自由を保有する。」、軍関係のそういうものはらち外です、こういうふうに三十八条に書いているわけですね。ですから、そう事は簡単にいかぬわけです。どうしてもかなり強力な外交的折衝なんかも必要になってくるわけですね。そうしないと、単に国際条約でこう書いておるからということで事務的に進んでいくという簡単な問題でないということも予想できる。  そういった点で、一方、ここ最近政府はしきりにシーレーン防衛とか、こういうようなことを強調しているわけでありますけれども、しかし現にアメリカとソ連との間の核軍拡競争によって日本の船が航行の安全にかかわるそういう通信の妨害を受けている、こういうことなんかは目をつぶっているわけにはいかぬわけですね。どうしてもそういう船の安全を守るために有効な方策を積極的に進めていく責任が日本政府にはある。それでなければ何のための日本政府が、こういうことになるわけでありますから、こうした点で重ねて言うようでありますけれども、被害の状況の全面的な把握、そして米ソ両国に対してそういう外交ルート、外交折衝も含めて必要な対策を求めていく、そのために、ぜひひとつ国務大臣の一人として外務省なんかとも相談をしながら大いに努力をしていただきたいというふうに大臣に特に要望するものですが、どうでしょうか。
  136. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 大臣お答えなされます前にちょっと私から先ほどの点でもう一度御説明させていただきたいんですが、事は電波に関連をすることでございます。したがいまして、一義的にはやはり国際電気通信条約に基づく措置をとる通信主管庁という立場からいたしますと、それがまた当然のことであろうかと思うわけでございます。同時に、電気通信条約上の措置をとるといたします場合に、その前提といたしまして発射源がどこであるかということが判明いたしませんとその措置をとることができません。したがいまして、先ほどお答えいたしましたように、私ども通信主管庁という立場で監視をさらに強化いたしま して、電波の発射源の究明に努めてまいりたい、またその上で必要な措置をとりたい、このように考えております。
  137. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) ウッドペッカーノイズという言葉自体も、私としては今きょう初めて知らされたようなわけでございます。ただ、私の頭で今質疑の中で感じられることは、怪電波の正体が何だという実体把握がまだできていないということが事実のようでございます。したがって、今も言いましたようにこの怪電波の正体、実体を把握するのに通信主管庁として全力を挙げるということがまず第一。そして、これが先生の御指摘によると安全航行、海運国日本としてはやはりこの一番大切な航行の安全というものはこれによって妨害されているという事実、これがひいては人道主義と申しますか、そういったものにも大きな航行の安全を含めて影響を与えておるという、こういった事実ははっきり訴えてまいらなきゃいかぬことだと当然思います。特に、外交ルート云々、あるいは国際電気通信条約との関連等々もございますけれども、これらの正体を究明させることに全力を尽くして、その後必ず外交ルートを通じて強力にお話し合いを進める、これは海洋国、平和主義をもって海運立国としていく我が国政府としては当然の態度であろうと思いますし、そういうことに努力をいたします。
  138. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 ぜひお願いをしておきたいと思います。  それでは最後に、私も放送衛星の関係で一、二質問をいたしますが、今回のBS2a放送衛星事故の発表の経過に関する問題でありますが、A系統での最初の故障、これが三月二十三日に発生をして、しかしそれが発表されたのは十九日後の四月十一日だった。この間にはほかならぬNHK予算や、あるいはことしの五十九年度国の予算、本予算全体の審議宇宙開発事業団も含めての予算審議をやっている。ちょうどそれが済んでから四月の十一日発表される、こうなっている。一方R系統事故ですと、五月の三日に故障が起こって、発表されたのは五月の七日、四日後だと。片一方は十九日たってようやくこれが発表され、片一方は四日間でいろいろな調査をし発表されたというこの事実をもって、これは合点がいかぬなというふうに思わざるを得ないわけですね。ですから、ここには、ちょうど予算審議をやっておるさなかだったから事故隠しをやらしておったのじゃないかというふうに新聞の報道も出るほど、この点についての批判が向いてくるというのは当然のことだと思います。この議論を長いことやり出したらもうとてもあれですから、議論は、片山理事が御提案になりましたように他日早い機会にひとつ集中的なこの審議をする機会ができることだと思いますので、その中で議論をするとしまして、ただ宇宙開発事業団にこのことだけ聞きます。ですから余分なことを長く長く言ってもらわぬでもいいんですが、宇宙開発事業団は、A系統それからR系統のこの故障について、特にA系統ですね、A系統の最初の故障についてNHK及び関係大臣、科技庁長官、郵政大臣、ここへこういう事故が起きましたということをいつ報告しましたか。それだけ伺います。
  139. 山内正男

    参考人山内正男君) ただいまの御質問に対しましてお答えいたしますためには、少し衛星状況というものを……
  140. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 私もう一つ質問したいことありますので、持ち時間が……
  141. 山内正男

    参考人山内正男君) わかりました。  衛星が静止軌道を回っておりますときには、衛星が地球の陰になりまして太陽の光が当たらなくなります食という現象がございます。ちょうど日食とか月食と同じでございます。この食というのは一年間に二回、春分と秋分の日を中心といたしまして、最大四十五日ございます。このときには衛星の温度が非常に低下をいたします。そのために異状を呈することがございます。実際に、アメリカとかあるいはカナダ——アメリカにおきましてはインテルサットの三号で同じように食期間中に通信用の……
  142. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 私が尋ねていることだけぽっと答えてください、いつ報告をされたのかと。
  143. 山内正男

    参考人山内正男君) これは、そうしますと、原因、食の間の問題というのはよろしゅうございますか。——これは簡単に申しますと……
  144. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 いいです。もう一つ聞きたいことがあるので、その時間を残しておかなければ……
  145. 山内正男

    参考人山内正男君) こういう現象が発生しましたということは、これは三月二十三日でございますけれども、これはすぐに監督官庁の方に御報告は申し上げでございます。
  146. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 すぐに報告をしたと。
  147. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 監督官庁といたしましては科学技術庁もございますが、郵政省といたしまして報告を受けましたのは四月の五日と記憶いたしております。
  148. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 そのことを、事実を確認をしておきます。議論は次回やりましょう。  もう一つ質問です。  最初の実験放送衛星BS1ですね。これについては、当初寿命三年ということで、打ち上げ後一年二カ月でB系統故障、さらに十一カ月後にR系統故障、さらに一年一カ月後にA系統故障と、こう相次いで、二年余りで全部ダウンと、こういうことになったわけでありますが、これの原因分析をめぐって、きょうもあれですが、いただいておりますこの宇宙開発委員会第四部会報告というこれが出ておりますね。この報告の中で、そこの六ページから七ページにわたりまして「放電の原因について」ということで「BSのトランスポンダを製作した米国のメーカーで、BS用のものと同じ設計の高圧モジュールの真空環境寿命試験昭和五十二年四月から二年八か月にわたって行われて」おると。二年八カ月でありますから、したがって五十二年四月から五十四年十二月まで、この性能試験をやっているわけです。で、その試験をやっているさなかに打ち上げをやったわけでしょう。五十三年の四月に打ち上げたと。さらに報告は続けて書いています。「この試験結果により、室温程度の温度条件でも時間の経過に伴いクラックが発生し、成長する」と。普通の温度でもクラックが発生し、それがどんどん成長する、こういう試験結果が出ている。あんな衛星を打ち上げて、片一方は太陽パネル、そこは高温になる、裏側の方は非常に温度が極端に下がる、こういう異常な温度帯、そういうところで常温でもクラックが発生するんだったらどんなことが起こるだろうかというふうに考えられますね。  で、私が質問をしたいのは、この本体をつくったアメリカGEですね、そこで性能試験をやっているそのさなかに打ち上げたというのは一体どういうことなのか。それならば、当然このことは知らぬまま打ち上げたと。何で一体信頼性を確認して打ち上げをやったのか、このことだけ聞いておきます。
  149. 山内正男

    参考人山内正男君) ただいまの御質問は最初の実験用放送衛星BSのことと承知いたしますけれども、このBS状態につきましては、今すぐお答えいたしかねる点がございますので、よく調査いたしました上で御報告いたしたいと思います。
  150. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 文書でお書きになっておる報告書が出ておるんですよ。まあそれなら次回やりましょう。
  151. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 答弁ありませんね。——それでは次に移ります。
  152. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 たまたま今佐藤委員から質問がありましたので、私からもう一遍確認さしていただきます。  大臣のところに今回の放送衛星事故につきまして最初に報告があったのは何月何日でございましたか。
  153. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 今正確な日時、記憶を——政府委員からさせますけれども、四月六日か七日ごろじゃなかったかと記憶しております。
  154. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 鴨さんは四月五日とおっしゃいました。
  155. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 事務当局として受けましたのは四月五日と記憶をいたしておりますが、 大臣への御報告がたしか一日程度ずれたかというふうに考えております。
  156. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 その辺につきましては、次回にまた佐藤委員同様にしっかりと審議をさしていただきたいと思います。  移動無線局について、相互主義の原則で外国人にも免許を与える、こういうことになっているわけでございますが、具体的に特定の外国からこれについて強い要望はあったんでございますか。
  157. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 特定の外国からあったかという御指摘でございますが、私ども、今回の法改正を御提案させていただくにつきまして、日本国内に所在いたします外資系企業等からのこの種の無線局開設の要望はございましたが、特定の外国からの要望という形では特にございませんでした。
  158. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 なぜこのムーバブルなステーションにだけ外国人にも開放することになったんですか。
  159. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 御案内のように、電波法の五条においても従来から外国性を排除してきているわけでございますが、これは電波の有限そして希少性ということによるわけでございまして、国際電気通信条約によって、地域別あるいは業務別に電波が分配をされておりますが、その電波をその枠内で、まず私どもとしては、日本国民の需要を満たすという立場で考えているわけでございます。  今回の外国性の排除緩和につきましては、今申し上げました基本原則を維持しながら、一面で、我が国における外国人等経済活動社会活動、こういったものは日本国際化という状況の中で活発になってきております。そうしたことと、それからまた、無線の利用ということ自体が国際的にもまた活発になってきている。こういった事情からいたしまして、先ほど申しました無線局開設の要望、これの具体的なものといたしまして、本社あるいは営業所と移動中の車両といったものが相互に通信をできるという形の陸上移動局等を緩和の対象にしたわけでございます。それ以外の重要な局につきましては、従来どおり外国性を排除してまいるという考え方でございます。
  160. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 こういったギブ・アンド・テークの相互主義の原則が壊れて、相手国の態度に変化が生じて、日本国民がそういう形での正当な利益を供与されなくなった場合は、目には目を歯には歯をといいますか、我が国も相手国民に対するこういった規制措置を強化していく必要がある、こう思うんですけれども、その免許の取り消し等の処分も含む基本的な姿勢というのは省としては堅持していくおつもりですか。
  161. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 先ほど御説明で申し落としましたけれども先生指摘のように、今回の改正では相互主義というものを前提にいたしております。したがいまして、先生がお尋ねのように、相手国がこの相互主義ということを変えまして我が国国民に対する外国での免許を認めないという状況になりました場合には、当然相互主義が働かなくなるということでございますので、私ども目には目をというつもりではございませんが、当然その相互主義という原則の上で相手国の外国人等免許については取り消しをするという考え方でございます。
  162. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 ですから、そういう姿勢は維持をしていくおつもりであると、こう理解しておいていいわけでございますね。
  163. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) そのとおりでございます。
  164. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 外国人免許を仮に取り消すようになった場合、これは外国人としての立場がありますから、このことによって我々は重大な営業上の損害を受けた、ついては損害を補てんしてもらいたい、こういうような補償等の要求があった場合はどうなさるおつもりですか。
  165. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 先ほども申し上げましたように、相互主義が変更という形になりますということは、相手国が日本人との無線局免許を取り消す、認めないという場合でございます。私どもとしては、今改正案の中に盛り込んでございます相互主義という立場からいたしまして、相手国の外国人あるいは外国法人等の無線局を認めないということにいたすわけでございますので、御指摘のような損害賠償の対象にはなり得ないと考えております。
  166. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 そうしますと、損害賠償の要求があってもそれに応ずる気持ちもなければ、理由もない、こういうことでよろしゅうございますね。
  167. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) これもまた先生の御指摘のとおりでございます。
  168. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 条約の改正に基づいてシップステーションの無休聴守帯が設けられるわけなんですけれども、これどうなんでしょう、無線士の、オペレーターの労働条件等に変更はございませんでしょうかね。それについてどうお考えなのか。また、このことにつきまして運輸省とは相談をなさいましたでしょうか。
  169. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 今回無休聴守が義務づけられます百五十六・八メガヘルツの周波数でございますが、遭難及び安全のための周波数ということで、このVHFのものは特に近距離における遭難通信の疎通あるいは船舶の航行に必要な情報の収集といった目的に使われるわけでございまして、そのためには、この周波数による常時聴守ということが必要であると考えております。  ただ、この聴守につきましては、物理的な問題といたしまして拡声機によることが可能であるということ、それからもう一つ、無線従事者の管理のもとであれば無線従事者の資格を有しない者であっても行うことができる、こういうことでございますので、御指摘のような過重な負担になるということはなかろうと考えております。  それから、運輸省との関係でございますが、今回の条約改正に伴う法律改正につきましては、運輸省と協議済みでございます。
  170. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 この電波法関係の手数料について今回政令落としということなんですけれども、この政令の改正は電波監理審議会への必要な諮問事項とすべきではないか、こういう意見もございますが、これについてはどのようにお考えですか。
  171. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) ただいまお願いいたしております改正案の中では、手数料額を定める手数料令という形で政令として定めていこうということでございます。当然、したがいまして、内閣として制定をするということになるわけでございます。したがいまして、御指摘電波監理審議会、郵政大臣の諮問機関ということでございますが、今申しましたような形でのものでございますので、審議会に諮問をするということにはなじまないというふうに私ども考えておるところでございます。
  172. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 大臣、戻ってきてくださいましたので一つだけ番外で質問をさしていただきます。  先日の本会議で、社会党の梶原議員が質問をなさいました中に、今回の放送衛星について、この事故について大臣どのように考えるかという質問がございました。大臣は痛恨きわまりない、このようにおっしゃいましたけれども、その痛恨きわまりないという認識の中には、郵政省も広い意味での今回の被害者である、あるいは広い意味での加害者である、これは責任の所在とも関連をしてくると、こう思いますけれども、その辺についての大臣の認識をお伺いいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
  173. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 世界で初めての放送衛星という形の実用化に当たりまして、官民と申しますか、国民挙げて大変な期待を持っておった技術だけに、もう非常に大きなショックを受けたことはまさに痛恨の言葉に当てはまったんじゃないかと思います。しかも、この開発の結果が政府が全体として推し進めてきた結果でもあり、しかも期するところ国民の負担、聴視料にしろ税金にしろ、そういった形の行われるものであっただけに、しかも過去においてBS1においての実験段階も経て、科学的に、技術的に万全の体制を期しておっただけに、もう何とも言えないやりきれないつらさを感じたことは事実でございます。  もちろん、この衛星のそういった技術的なリスクが伴う開発であるということは前提に置きながらも、やはりこういった事態というものは厳粛に受けとめなきゃならぬし、ひっくり返して見れば、政府全体の大きな責任でございます。しかし、個別的には当然、科技庁であれ郵政省であれ、利用する側、何を問わず、これは大きな責任を感じておることは事実でございます。郵政大臣としてもその直接の責任大臣としてまさに無念であると、申しわけないという気持ちに尽きる言葉がそういう形になったんじゃなかろうかと、本当に心からおわびを申し上げなきゃいかぬと思っております。
  174. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 終わります。
  175. 青島幸男

    ○青島幸男君 電波法の一部を改正する法律案につきましては、先に質問に立たれた方々から大変詳しい質問あるいは答弁もありましたので重複を避けまして。ただ、今度の放送衛星のことにつきまして、同じように大変深いお話し合いもありましたが、聞いておりまして大変疑問に感じた点だけ二、三お尋ねしまして私の質問を終わるつもりです。  まず、今大臣言われましたように、国民全体の大きな期待のもとにこの計画が立てられ、実行されたというお話ですけれども、私は必ずしもそうではないと思うんですよね。むしろNHKは四十一万の難視聴解消のためにだけ手伝わされているわけですな。新たな一波あるいは二波を設けて放送しなきゃならないというような、無理やりさせられているんじゃないかというような感じさえ私はするんですよね。四十一万世帯だったら今INSを使うにしても、同軸ケーブルを使うにしても、個別的にやっても五百億も六百億も金かかることはないと思いますね。むしろ難視聴対策のためではなくて、これから生じるであろう高品位テレビだとか、あるいは何と申しますか、PCMとか、そういう新しいメディアの開発のためにそれを国策として政府が推し進めてきた。NHKは願ってもいないことのために金出さされてやらされたという感がしないでもないんですけれどもね、それは大臣と私の認識が全然違っておりますが、お話ではそのように受けとめましたが、どのようにお考えか、改めてお尋ねします。
  176. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 率直に、これは難視聴解消ということを主要な目的としてやったということは認めます。認めるというよりも、その形でやったということでございます。ですけれども、他方、今ニューメディア関係の先導的な形の技術面も含めて、そういった高品位と申しますか、あるいはきれいな音質のそういった形の先導的な役割もその衛星の打ち上げによって果たそうと思ったことも当然だろうと思っております。  ただ、これが押しつけてやったかということになりますと、決してそのようなことではなくて、NHKもユーザーとして全国くまなく公共放送としての使命を達成しようといった意図に基づいて参画したことは間違いないと思っております。
  177. 青島幸男

    ○青島幸男君 それは確かに、放送衛星ができますと、それに要する設備、個々にもですけれども、一個三十万相当のパラボラアンテナ並びにコンバーターですか、受信施設がどのくらい売れるかわかりませんけれども、想定で六千億を超えるんじゃないか。大変なこれは産業的には成長のもとになるような、景気浮揚のための手だてには違いありません。資本主義社会というのは常に何%かの成長を遂げてないと崩壊するようにできていますから、それを推進する意味ではあるいは意味があるのかもしれませんけれどもね。確かに、見えなかった離島の方とか、あるいは本当に画像が乱れてどうにもならないという方々にとっては福音だったかもしれませんけれども、それもたかだか四十一万世帯か四十万世帯、その辺ですね。新しい需要を喚起するにしても、余りといえば放送衛星は不安定だったんじゃなかろうか。先ほど服部さんもおっしゃっておりましたけれども、こっちで自前で金かけて実験させられているようなものじゃないか。世界に先駆けるのも結構でございますけれども、そんなに不安定なものだったら、何も取り急いでやることはなかったんじゃないかという声もありますね。  第一、世界に先駆けるのは結構ですけれども、ロケットにしたって、打ち上げている衛星自体にしたって、丸々自前の技術でできているわけじゃないでしょう。結局はしりの持っていきようがないわけですよ。それは企業秘密になっているからそれから先は教えられません、どこが壊れたかよく明快に皆さん方に公開するわけにはいきませんという部分が必ずあるわけでしょう。そうなりますと原因究明のしようがありませんね。そういう不安定な要素の多いものを先駆けて大々的にかねや大鼓で宣伝をしておいて、一般の方々にもそういうものを用意させるような、経済的な負担の上にそれをやらなければならなかったという理由は他にあるとしか私は考えられないんですよね。  もっとも、今までの宇宙開発技術の点からいえば、レベルからいえば、放送衛星なるものはそんなに高いレベルのものではないと、世界的に学者の間では当然究明し尽くされた論理とノーハウがある、だからこそ先駆けてやっても安心だったんだという趣旨のことをお答えでしたけれどもね。それにしちゃ不安定過ぎたんじゃないですか。実験衛星が打ち上げられて、三チャンネルあったものが逐次ダウンしていって、ついに何にもならなかったわけでしょう。それを踏まえて、なおかつ一般のユーザーの方々に大々的に宣伝してその星を上げなければならなかったというのは、何かほかに裏があるような気がしますね。それに、この技術ノーハウ技術はそんなに高いレベルではないんだ、だから信頼に足るものだと思って、万々の準備をして上げたんだと強弁なさるなら、それはシンプルミスじゃありませんか。それは絶縁部の亀裂だとかなんとかというのは地上実験で繰り返されている。わかりそうなものじゃありませんかね。そんなに難しいと、いや、そうでないんだと、まだ解明されてない部分もあるし、食に入ったりいろいろすれば、気温の変化とか、考えられない条件が宇宙では起こり得るから、そこまで知恵が届かなかったんですというんだったら、そんな不安定なものをなぜ上げたんですかというふうに逆に言われるでしょう。郵政省はこの辺をどういうふうにお考えになってこの計画自体を推し進めてこられたのか、真意を承りたいと思います。
  178. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 私どもといたしましては、先ほどからお話が出ておりますように、NHK難視解消手段ということではこれまでは地上によります難視解消を尽くしてきたわけでございますが、やはりあまねくという形でのNHKの使命達成の点からいたしますと、四十三万世帯と言われております難視聴世帯の方々にも電波をお届けしようというNHK努力につきまして、郵政省といたしましてもこれを是とするという考え方でございます。同時に、放送衛星——結果的には世界に先駆けるという形ではございますが、先進諸国におきましても、もちろん他の衛星も含めまして放送衛星もまたその一つとして各種実用化に向けての努力がなされているという中で、難視解消とあわせまして新しい衛星放送技術というものを日本として身につけていこうという目的もあるわけでございまして、あわせてBSという形での実験段階も経ました上での最終的な宇宙開発計画設定ということで、いわば宇宙開発委員会の中で打ち上げの妥当性、その他各種検討を尽くされた上で、可能な限りの判断をした上での決定であったというふうに私ども考えているわけでございます。
  179. 青島幸男

    ○青島幸男君 どうもそう考えられないんですね。実験衛星自体の実験が成功に終わったとは認識しがたいですよね。寿命を待たずに次々に壊れて、一年足らずですか、一年ちょっとですか、結局だめだったわけでしょう。今度やって、実験を越えて実際に放送しようと。取りかかる基礎になる実験データが満足にそろわぬうちに始めているわけじゃないですか。それは、実験放送衛星がこれこれのこういう事情で順調に進展してまいりまして実験段階を満了いたしましたと、で、さまざまのデータノーハウもわかりましたと、つきましては本放送に取りかかりたいというのが段階 なんじゃないんですかね。ろくすっぽ実験成果も問わないうちにそそくさとそれを始めてしまったという点に私は疑問があるんですけれども宇宙開発事業団にもこの点お尋ねしたいと思いますが、どうですか。
  180. 山内正男

    参考人山内正男君) お答えいたします。  実験段階の「ゆり」について、まさに御指摘のように計画した寿命より前に放送ができないような事故が起こりました。これにつきましてその原因究明いたしたわけでございます。  これの内容をもう少し詳しく申し上げますと、まず、中継器につきまして高圧電源絶縁材亀裂が生じたために、放電による高圧電源部故障したというのが一つでございます。第二は、姿勢制御系ホイールの回転が停止したということでございます。第三は、太陽電池絶縁材の破損によりまして電力の急激な低下が起こったということでございます。第四が、姿勢制御用スラスターが触媒の機能低下によりまして推力が異常に低下したということでございまして、この四つ原因究明されましたので、それぞれの対策を施しました。  その対策といいますのは、高圧電源につきましては絶縁材改良を行いまして、これを五年間にわたる寿命試験を行いまして、その後も正常であるということを確認いたしております。それから、二番目のホイール駆動装置につきましては、電線にかかるストレスの少ない材料といたしました。三番目は、太陽電池につきまして絶縁材改良を施しております。四番目のスラスターにつきましては燃料の純度を向上させております。このような対策をすべてBS2aには講じたわけでございます。  したがいまして、これと同じような事故BS2aには起こっておりません。
  181. 青島幸男

    ○青島幸男君 それは確認できているわけですか。
  182. 山内正男

    参考人山内正男君) これはすべて確認をいたしております。
  183. 青島幸男

    ○青島幸男君 星が上げられるようになってもう二十何年かたちますかね。有人のものまで飛んで、大変な技術の進み方だとも思いますね。土星に行って土星の近辺から絵を送るというような非常に高度なものまでありますね。今地球を取り巻く宇宙空間にどのくらい人工衛星が上がっているか。もちろん軍事的な用途のために秘密保持で明らかにならないものもたくさんあるでしょうから、今幾つぐらい上がっていて、それがどのくらいのものなんだということも認識しがたいと思いますけれどもね。しかし、そういう、例えば地上観測用の大型のレンズを仕込んだ大きな宇宙船まで上がっていて、レントゲンフィルムぐらいの幅で地上を撮影して、それをまた解析してコンピューターで送ってきて、こっちで解析してそれを映像にするという技術までありますね。そんな高度な技術から考えると、放送衛星というのはグレードからいうとそんな高いものじゃないんじゃないですか。その辺はどのような認識がありましょうか。
  184. 山内正男

    参考人山内正男君) 人工衛星はいろいろの種類がございます。その場合に、これまで放送衛星というものが実験用には上げられておりましたけれども、大体放送衛星以外の衛星が中心でございます。  それで、放送衛星一つの特徴と申しますのは、これは各家庭で直接受信ができるようにしますために、衛星自体の方に大電力の送信力を持たせるというのが特徴でございます。こういうことがありますので、これの実験的な衛星を上げ、それで大丈夫であろうかというのを確かめた上で実用に向かって進んできたというのが実情でございます。  したがいまして、なるほどおっしゃいますように人工衛星の数は非常にたくさん上がっておりますけれども放送衛星がまだ実験段階をようやく実用に向かって進もうというところに来ているのは、今申し上げたような理由でございます。
  185. 青島幸男

    ○青島幸男君 ですから、何も他国に先駆けて、まだ未解決あるいは故障の起きる可能性も一〇〇%追及されていない、どういう予測せぬ事故が起こるかもしれないという不確定要素を非常に多く含んだものを、かねや太鼓で宣伝して上げたのは少し早過ぎたんじゃなかろうかということを私は先ほどからるる申し上げているわけですけれどもね。  しかも、先ほどの御質問にもありましたけれども、どうも日本の金で外国のために実験させられているような趣もあるんじゃないか。NHKにしましては、三チャンネルあっても一波とるはずだったんですね。一波使えるわけだったんでしょう。それが一波しか使えませんね。で、NHKが出した金が三百億ですか、一波使えますと、NHKは莫大な損害をこうむっているわけですね。保険も、今までのお話で伺いますと、満足に掛けられてないようなさまざまな実情もうかがえましたけれども、保険金も取れない。一体この損害はだれが責任を持って、どう負うことになりましょうね。どうなんでしょう、大臣
  186. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) これはやはり、宇宙開発計画自体、政府全体の責任であり、したがってこの結果は失敗というか、三つのうちの一つが生き残っておるわけでございますけれども、はっきり言って所期の目的を達成することはできないわけですから、本当にかすかに首がつながっておるという形で、そういった点の責任は、これは担当省である郵政大臣も含めての責任であろうと思っております。
  187. 青島幸男

    ○青島幸男君 今のような状態ですと、かすかにつながっている首がいつ落ちるとも限らぬですな、これは。またいつ壊れてしまうかわからない。そうなったら丸損ですね。ですから、経済的な負担、NHKにかけた負担はだれが責任を持って弁済するんですかということをお尋ねしているんです。
  188. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 本当にこれは、また原因究明がなされた後に、今後の開発計画も含めまして、現時点における損害、そういった形をどうするかという問題ももちろん、そういった形の俎上にも上るでしょうけれども、結局はNHKも一波実験局としてやるわけでございますが、結局責任の所在ははっきりしても、結局帰ってくるところは国民にまた帰っていく形になるわけですから、本当にそういう点がやりきれない形で、おわびを申し上げておるということでございます。
  189. 青島幸男

    ○青島幸男君 受信料で一人一人が応分に負担したんだから御勘弁いただこう、そのうち今度新しいのをつくって皆さん方の便に供するようにするからひとつ御勘弁いただきたいということで決着がつくとすれば、それで納得する国民——視聴者の大多数は納得しないと思いますね。ですから、今後ともこれ続けていかなきゃならないんでしょうから、その点に対して大変慎重な御配慮がなきゃならないはずだと思いますね。  この問題、まだ続けてやっていきますと切りがありませんし、委員長のお計らいも理事お話もありまして、別途機会が設けられるようでございますから、そのときにまたいろいろ御質問させていただきますけれども、次に打ち上げる衛星をまた同じような格好で打ち上げて、また同じ轍を踏むというようなことがないように、十分の御配慮をまずいただきたいことだけ要望いたしまして、私の質問を終わります。
  190. 田英夫

    ○田英夫君 重複を避けまして簡単に御質問をしたいと思います。  今、同僚委員から放送衛星の問題が取り上げられておりましたが、一つ伺いたいことは、NHKがいわゆる通常放送の今までの放送の一チャンネル、三チャンネル衛星を使って放送をされ、もう一つ衛星独自の放送を流されるという計画を持っておられた。ところが一チャンネルだけになりましたから、通常のいわゆる一チャンネル放送を流すと。まあ難視聴地域の解消には有益でしょうけれども、今後の問題にはつながってこなくなると思います。つまりそういう一チャンネルしか使えないという状況であるならば、離島などの方を除く一般の皆さんがわざわざ三十万円の費用をかけて受信のためのパラボラなどを設置されるとい うことにならないでしょうから、いわゆる衛星放送受信施設が普及しないということになってくるわけで、現状では将来に向かってつながらないことになってしまうわけですけれどもNHKとしてはこういう事態で計画を練り直されるのかどうか、その点をまず伺いたいと思います。
  191. 坂倉孝一

    参考人坂倉孝一君) まことにこういうような事態で、当初二チャンネル放送をお送りいたしたいということで期待をされていた視聴者の方々に一チャンネルしかお聞かせすることができないことにつきましては、まことに申しわけないと存じているわけでございますけれども、ともあれ一チャンネルだけしか放送ができないという事態になりまして、私どもはこの二チャンネルのうち一チャンネルを、現在の地上で申しますと総合テレビジョンを中心といたしました放送、それから二チャンネルの方は教育テレビジョンを中心といたしました放送ということでこの衛星放送計画を立てていたわけでございます。先生指摘のとおり、総合テレビの方は大体この地上での放送が中心となりまして、大体九〇%が地上と同じ放送になるわけでございますが、この教育テレビを中心といたしました部分につきましては再放送の時間等がございますので、そういったところでは地上放送とは違う放送というものをいろいろ計画いたしてまいったわけでございますが、それがこういったような事情からやはり一波だけでございますと、一般性のより高い総合テレビの中心の放送画の方が難視聴地域の視聴者の方々のニーズに適合するんではないかと考えましてこういった措置をとったわけでございます。  御指摘のように、こういった形でございますと、ある程度、普及ということに対しては影響は出てくるかと思いますけれども、私どもはともあれ二チャンネルできますことを最大の念願とはいたしておりますけれども、この一チャンネルということでやっておりますっこの放送につきましても、できるだけいろいろ特集番組といったような形でもって衛星独自の番組等もこれからの編成上の工夫をいたしていきたいというふうには考えているわけでございます。
  192. 田英夫

    ○田英夫君 そうなりますと、これは郵政省からお答えいただいたらいいと思うんですが、来年BS2bが打ち上げられると、それから何年か先、五年先ですか、3が打ち上げられる。その3の段階で民放にも電波を割り当てるという計画のようでありますけれども、今度の事態でそういう今までの計画全体がどう変わるのか。NHKの今のような当初の御計画を進めるとすれば、2bの方でどうなるのか。それから3の方は民放は見送ってNHK計画を実行に移すのかというようなその関係はどうなりますか。
  193. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) BS2aにつきまして、これまでお話が出ておりますように、当面一チャンネルということになりました点につきまして、私どもとして大変残念に思っているところでございます。  現在の段階におきましては、このBS2aに起きました故障につきまして、宇宙開発事業団など関係機関によります原因究明、そしてできれば回復ということが当面の最大課題であるということで関係機関が全力を尽くしているところでございます。私どもといたしましては、この原因究明の結果が出ておりませんので、内容については申し上げかねるわけでございますが、この原因究明されました場合には、それをできるだけ2bに適用して反映させていくということは当然のことと考えております。そしてまた、BS3につきましても、この2aによります不調の原因というものは十分に反映をさせて万全を期していくべきであるというふうに考えているところでございます。
  194. 田英夫

    ○田英夫君 電波の民放なんかへの割り当てはどうなんですか。
  195. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 電波の使い方といたしましては、BS2bBS2aの軌道上の予備という考え方でございまして、NHKに二チャンネルを割り当てる予定でございます。それからBS3につきましては、NHKのほかに民放に一チャンネルを割り当てるという考え方で現在も一本化の調整を進めていただいている段階でいございますが、この計画自体を変える考えは持っておりません。ただ、技術的な面でのふぐあい原因というものを同じ事態を繰り返すことがないように2bあるいは3について万全を期していくという考え方でございます。
  196. 田英夫

    ○田英夫君 大臣、この問題はいずれ集中審議をやっていただけるそうでありますから、その場合にまた取り上げたいと思いますけれども放送衛星という問題も含めて、いわゆるニューメディアということについての政府の大きな構想、戦略というものが確立をしていないところに非常に問題があるんじゃないかという気がするんです。郵政大臣の諮問機関の「二一世紀に至る電気通信の長期構想」というのがことしの一月答申が出ておりますね。あるいは総理大臣の私的な諮問機関という形で、高度情報社会に関する懇談会というのがあると伺っておるわけですけれども、そういうものができている。  私も以前この委員会ニューメディア時代に対応するための総合的な長期戦略をつくる、話し合う、各界を網羅し各省庁を網羅した関係者の審議会のようなものをつくったらどうだという提言をした記憶がありますけれども、既に「二一世紀に至る電気通信の長期構想」という答申は出ているようですけれども、どうも大きな戦略が立っていないところに問題があるんじゃないだろうか、これをひとつおくればせながらぜひおやりいただきたいという気がするんですね。放送衛星にしてもあるいはそれを受けていく場合にCATVの普及というものがやっぱり非常に重要な役割を果たすんじゃないでしょうか。あるいは問題のVANだとか、いわゆるニューメディアといわれるものを総合的に見きわめて、しかもそれはその時代になるといわゆる報道と情報というものが非常にもう接近をしてくるわけですね。分けにくくなってくる、オーバーラップしてくる。そういうところの戦略がどうも立ってないんじゃないか。これはNHKの方、身にしみて感じていらっしゃると思いますが、いわゆるハードの方が先行してソフトの方がついていかないというような事態が起こってきている。そういうものを総合的に議論をし戦略をつくり上げる、そういうことに、政府だけ責めるつもりはないんで、みんなで知恵を出し合っていかなくちゃいけないと思うんですが、そういうことをぜひお考えをいただきたいということをこの際申し上げておきたいんです。  きょう問題になっている電波法の問題についても、以前ここで私申し上げたように、電波法を改正するなら第四条の郵政大臣免許権を持っているというところを改めるべきで、十三条も含めて、再免許も含めて改めるべきで、この電波法放送法——現在の放送法はNHK設置法と言ってもいいような性格ですよね。それでニューメディア時代に対応する総合的な法律体系というものを電波放送、情報というものについて、ちょうどここに情報通信六法というのがあるんで持ってきたんですけれども、ここに入っているような法律というものを全部新しい時代に即応できるように大改正をする、総合的に見直すというようなことをおやりになる必要があるんじゃないか。法律の面から、そういうお気持ちはありませんか。
  197. 鴨光一郎

    政府委員鴨光一郎君) 私どもニューメディアの時代と言われている中で、行政の担当者といたしましては、当然日本の国の現状といったものを踏まえて、あくまでも日本国民のためのニューメディアであるという考え方で取り組んでいかなければいけない。当然に技術的な問題あるいは制度的な問題といったものを総合的な立場で考えていかなければいけないという気持ちでございます。  放送衛星につきましても、これまで第二世代の放送衛星のあり方に関しての御論議をいただいたり、あるいは放送の多様化というふうな見地からの研究調査会を持って研究をしていただいたりというふうなことをやってまいっております。ま た、現在の段階でも、これは局長の私的諮問機関という形ではございますけれども、宇宙通信政策懇談会というふうな形で、今先生指摘のありましたようなことにつきましての部外の学識経験者の方々のお知恵もおかりをしながら、いろいろな角度からの検討をいたしている次第でございます。  電波法の改正、ただいま御審議をいただいているところでございますけれども、抜本的な改正という点、私どももそういう見地からの検討の必要性ということは承知をいたしているわけでございますが、一面ではニューメディアと言われるものがいろいろな形で登場してまいります。そしてまた、それが流動的であるという面もございますので、これまでのところは個別のもちろんそのときどきに必要な、また緊急な措置ということはお願いもしてきて手当てをしているつもりでございますけれども、これからのニューメディア時代に当たりましても、また流動的なような側面もございまして、先ほど申し上げましたような、その都度の必要最小限の手当てということでまいっているわけでございます。先ほど申し上げましたような部外の方々の御意見なども承りながら、これから先の先生指摘のような事態にどう対応していくかということには私どもなりに取り組んでいるつもりではございます。
  198. 田英夫

    ○田英夫君 大臣どうですか、最後に。
  199. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 先生のいつも御指摘されていることでございますけれども、貴重、有限な電波資源、こういった形をもっと権威のある形で、例えばいつも例に出されますけれどもアメリカのFCCのような一つの行政の機構から独立したくらいの権威のあるもので電波放送行政も含めてやるべきではなかろうかという御意見に対しては、私もその意を体しながら、今、今日の行政に当たっておるつもりです。しかし、御指摘のような方向でこういった電波放送行政に当たらなければならないという基本的な気持ちは全く一緒でございますし、またニューメディア、高度情報化という時代に即応する上においても、中期、長期の戦略を踏まえた姿勢というものがもっと広範に衆知を集めてやられるべきだという基本的には全く同感でございます。しかし、これを、放送法を基本的にいじる今、時期なのかどうかも含めまして、ひとつ先生方と衆知を集めた御審議の過程の中で、やはり時代に即応していく方向で、もう不断にやっぱり勉強さしていただかなきゃならぬなと、今日のものが必ずしも完全な体制ではないという認識の上に立ってやっていこうと思っております。
  200. 田英夫

    ○田英夫君 終わります。     —————————————
  201. 大木正吾

    委員長大木正吾君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、三木忠雄君、新谷寅三郎君、岡野裕君及び西村尚治君が委員辞任され、その補欠として鶴岡洋君、出口廣光君、倉田寛之君及び矢野俊比古君がそれぞれ選任されました。     —————————————
  202. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  203. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  204. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております電波法の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行います。  今回の一部改正案の海上人命安全条約に関する事項と無線局免許の欠格事由の緩和に関する事項については、我が党は賛成をするものであります。しかし、電波法関係手数料の改定に関する事項については反対であります。  その理由は、国民の権利義務に関する規定はできるだけ法律によって明記され、政令など政府の裁量にゆだねる部分はできる限り少なくすることが民主主義の基本であり、憲法の立場であります。その趣旨に沿って、財政法第三条では「租税を除く外、国が国権に基づいて収納する課徴金及び法律上又は事実上国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。」と定めているところであり、今回の改定はこの精神と規定に逆行するものであります。  そして料金改定の権限を政府にゆだねることは、国会の審議権の縮小であると同時に、国家財政難を口実に料金引き上げに拍車をかけることになりかねないものであります。  以上の立場から、我が党は、今回の改定案から電波法関係手数料金に関する事項の削除を主張し、衆議院において修正案を提出をしたところでありますが、残念ながら受け入れられませんでした。したがって、ここで重ねて反対の意思を表明して討論といたします。
  205. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  206. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  電波法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  207. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  208. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十三分散会      —————・—————