○青島
幸男君 それは確かに、
放送衛星ができますと、それに要する設備、個々にもですけれ
ども、一個三十万相当のパラボラアンテナ並びにコンバーターですか、受信施設がどのくらい売れるかわかりませんけれ
ども、想定で六千億を超えるんじゃないか。大変なこれは産業的には成長のもとになるような、景気浮揚のための手だてには違いありません。資本主義社会というのは常に何%かの成長を遂げてないと崩壊するようにできていますから、それを推進する意味ではあるいは意味があるのかもしれませんけれ
どもね。確かに、見えなかった離島の方とか、あるいは本当に画像が乱れてどうにもならないという方々にとっては福音だったかもしれませんけれ
ども、それもたかだか四十一万
世帯か四十万
世帯、その辺ですね。新しい需要を喚起するにしても、余りといえば
放送衛星は不安定だったんじゃなかろうか。
先ほど服部さんもおっしゃっておりましたけれ
ども、こっちで自前で金かけて
実験させられているようなものじゃないか。世界に先駆けるのも結構でございますけれ
ども、そんなに不安定なものだったら、何も取り急いでやることはなかったんじゃないかという声もありますね。
第一、世界に先駆けるのは結構ですけれ
ども、ロケットにしたって、打ち上げている
衛星自体にしたって、丸々自前の
技術でできているわけじゃないでしょう。結局はしりの持っていきようがないわけですよ。それは企業秘密になっているからそれから先は教えられません、どこが壊れたかよく明快に皆さん方に公開するわけにはいきませんという
部分が必ずあるわけでしょう。そうなりますと
原因の
究明のしようがありませんね。そういう不安定な
要素の多いものを先駆けて大々的にかねや大鼓で宣伝をしておいて、一般の方々にもそういうものを用意させるような、経済的な負担の上にそれをやらなければならなかったという
理由は他にあるとしか私は考えられないんですよね。
もっとも、今までの宇宙
開発技術の点からいえば、レベルからいえば、
放送衛星なるものはそんなに高いレベルのものではないと、世界的に学者の間では当然
究明し尽くされた論理と
ノーハウがある、だからこそ先駆けてやっても安心だったんだという趣旨のことを
お答えでしたけれ
どもね。それにしちゃ不安定過ぎたんじゃないですか。
実験衛星が打ち上げられて、三
チャンネルあったものが逐次ダウンしていって、ついに何にもならなかったわけでしょう。それを踏まえて、なおかつ一般のユーザーの方々に大々的に宣伝してその星を上げなければならなかったというのは、何かほかに裏があるような気がしますね。それに、この
技術の
ノーハウと
技術はそんなに高いレベルではないんだ、だから信頼に足るものだと思って、万々の準備をして上げたんだと強弁なさるなら、それはシンプルミスじゃありませんか。それは絶縁部の
亀裂だとかなんとかというのは
地上実験で繰り返されている。わかりそうなものじゃありませんかね。そんなに難しいと、いや、そうでないんだと、まだ
解明されてない
部分もあるし、食に入ったりいろいろすれば、気温の
変化とか、考えられない条件が宇宙では起こり得るから、そこまで知恵が届かなかったんですというんだったら、そんな不安定なものをなぜ上げたんですかというふうに逆に言われるでしょう。
郵政省はこの辺をどういうふうにお考えになってこの
計画自体を推し進めてこられたのか、真意を承りたいと思います。