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1984-04-17 第101回国会 参議院 逓信委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年四月十七日(火曜日)    午前十時開会     ―――――――――――――    委員の異動  四月七日     辞任         補欠選任      大森  昭君     中村  哲君  四月九日     辞任         補欠選任      中村  哲君     大森  昭君  四月十七日     辞任         補欠選任      佐藤 昭夫君     吉川 春子君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         大木 正吾君     理 事                 長田 裕二君                 成相 善十君                 宮田  輝君                 片山 甚市君     委 員                 大木  浩君                 岡野  裕君                 志村 愛子君                 新谷寅三郎君                 西村 尚治君                 山内 一郎君                 大森  昭君                 服部 信吾君                 佐藤 昭夫君                 吉川 春子君                 中村 鋭一君                 青島 幸男君                 田  英夫君    国務大臣        郵 政 大 臣  奥田 敬和君    政府委員        郵政大臣官房長  奥山 雄材君        郵政大臣官房経        理部長      高橋 幸男君        郵政省郵務局長  永岡 茂治君        郵政省貯金局長  澤田 茂生君        郵政省簡易保険        局長       奥田 量三君        郵政省電気通信        政策局長     小山 森也君        郵政省電波監理        局長       鴨 光一郎君        郵政省人事局長  三浦 一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        酒井 繁次君    説明員        防衛庁長官官房        法制調査官    古川 定昭君        防衛庁防衛局運        用第一課長    江間 清二君        防衛庁装備局官        理課長      沼倉 吉彦君        科学技術庁研究        調整局宇宙開発        課長       北村 俊男君        通商産業省機械        情報産業局電子        政策課長     関   収君        建設省道路局路        政課長      真嶋 一男君        日本電信電話公        社総裁      真藤  恒君        日本電信電話公        社総務理事    前田 光治君        日本電信電話公        社総務理事    岩下  健君        日本電信電話公        社技術局長    桑原 守二君        日本電信電話公        社営業局長    草加 英資君        日本電信電話公        社施設局長    岩崎 昇三君    参考人        日本放送協会放        送総局総局長  尾西 清重君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (電気通信政策基本理念とその確立に関する  件)  (テレトピア構想ニューメディア・コミュニ  ティー構想目的及び両構想協力体制に関す  る件)  (自衛隊の通信衛星利用問題に関する件)  (放送衛星故障原因とNHKの衛星放送への  影響に関する件)  (郵便輸送システム改革労働条件への影響  に関する件)  (有線音楽放送正常化対策に関する件)  (INS(高度情報通信システム)の形成の見  通しとその料金体系に関する件)  (キャプテンシステム実用化準備状況に関す  る件)  (郵政省有事法制研究に関する件)  (郵便事業財政状況料金値上げ見通しに  関する件)  (郵便貯金資金自主運用に関する件)  (郵便貯金特別会計累積赤字解消見通しに  関する件)  (景品付き暑中見舞葉書の発行に関する件)  (第三種郵便物認可要件に関する件)  (ニューメディア時代に即応した行政機構の整  備に関する件)  (日本電信電話公社改革後における電気通信分  野への新規参入の在り方に関する件)  (日本電信電話公社改革基本的視点に関する  件) ○公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣  提出、衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 大木正吾

    委員長大木正吾君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 片山甚市

    片山甚市君 大臣冒頭に、せんだっての予算委嘱審査の時期において確認いたしましたことについての再確認をしたいと思うんですが、大臣はそのときに、国民生活の豊かさにどう結びつくかということで政策をつくり、それは政策はそれが基本であり、国の中枢神経として、国民信頼、安全、生活産業、福祉の向上を図らねばならないことだと思っておる、各省での最近の動きはまことに遺憾として基本理念政策の欠如が問題であるということをお認めいただきましたが、それは変わりがないか。そして、今後最大の努力をする、そういうようにお答えがありました。小山局長からも、国会答弁法案の作成に当たって具体的には相談をしてまいった、しかし組織だって基本政策については説明をしなかったことについては今後十分に配慮したい、こう言っておるんですが、大臣政策確立についても一層の努力されることについて異議ございませんか。
  4. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 先般の委員会で今御指摘になった基本理念についてお話ししたわけでご ざいますが、繰り返すようでございますが、通信は国の中枢神経にも当たる重要分野でございますし、特に公共性と申しますか、利用する国民サイドに立っての十分なプライバシーの保護を含めての配慮がなされなければならないということを申し上げたとおりでございます。  他方、今日のような高度な情報社会を目指す意味におきまして、これから多種多様なメディアで花が咲いてくるということも時代の趨勢でございますけれども、目指すところは、人間性尊重され、豊かで文化的な高度な情報社会でなきゃならぬということは最初に申し述べたとおりでございます。  それに当たっては、通信保護安全性信頼性確保、また通信主権を含む国家的利益確保等、十分配慮していく必要があるということを先般述べたとおりでございます。
  5. 片山甚市

    片山甚市君 電電改革法案が今日国会に提出されておりますが、いわゆる政策議論が十分でありません。ところが、電気通信審議会で二十一世紀に至る長期構想答申ということでその場が設けられたぐらいで、さしあたり私から見れば十分な政策論議政府自体あるいは逓信委員会等でも行われなかったと思います。  そこで、せんだってから通産郵政との間に通称いわゆる醜い争いと言われるものがあらわれてくる。すなわち、政府としての基本政策確立し、その視点で合意があると見えないために起こっておると思います。ですから、電電三法ができましても、これは無理やりに政府部内の統一をしたものであって、ごり押しという印象は免れない。これについては十分にこれから克服するように努めていただきたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
  6. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 全くそのとおりだと思っております。  ただ、先般の電電法案に関しまして通産とのやりとりの中でいろいろな議論があったことはそのとおりでございます。しかし、これは決して世間で言われておるような縄張り争いというような形で、もしそういった目で見られているということになると、私たち自身国会審議過程を踏まえて努力の足りなかったことだと反省をいたしております。  特に、情報処理をめぐってのコンピューター技術革新、そしてまた通信情報を担当しておる光ファイバーを含めての大変な技術革新、こういった分野がもう接合いたして、これからの新しい産業分野を花を吹かしていくわけでございますから、ある程度これがぶつかり合った接点と言ってしまえばそうでございますが、特にVAN問題に関してのいろいろな論議過程は、こういった今後の通信技術がどうしてもそこでぶつかり合わなきゃならなかったという一つ分野である。そういう意味において、これが通信主管庁である郵政省、こういったVAN、二種業者の分野はやはり郵政省主管であるという形が明定されたという形は、私たちにとっては大変貴重な論争でもあったと思っておるわけでございます。
  7. 片山甚市

    片山甚市君 VANの問題が出るときに、御承知のように、通信政策としてコンピューター通信との融合する場所をどのように管轄をし処理をしていくのか、協力するかということについて、政府としての統一見解がないところに通産省郵政省との通称いわゆる縄張り争いと言われる形であらわれたと思うんです。今後も幾つかの問題でそういう政策についてのきちんとけじめがなければ起こることは言うまでもないと思いますから、私は頂門の一針として、これから法案審議をしていく過程が起こりましたならば、今後の情報通信政策電気通信政策はいかにあるべきかということを言われなければ、この法律はどういうような展望を持つのかと言われなければ、ニューメディアの花が咲く話をしていただいてもそれはあだ花でありまして、まだ目の前にあらわれてないそういうものについてのお話を聞いても実りがありません。願くは、これからお話しするところのニューメディアコミュニティー構想テレトピア構想について、郵政省通産省が一致して協力して、日本の通信技術あるいはコンピューター産業に対する、お互いの国民に対する生活向上、豊かさをつくる、文化を創造するということに役立つようにしてもらいたいと思いますが、特にこれからの問題について気をつけてもらいたい。  そこで、まず第一に、テレトピア構想について、その目的とねらいは何であるか、省の方からまず説明を願いたいと思います。
  8. 小山森也

    政府委員小山森也君) テレトピア構想といいますのは、いわゆる未来型コミュニケーションモデル都市構想というのを、通称テレトピア構想と言っております。これは現在実用化段階にございます双方向CATVキャプテンなどのいわゆる通信インフラストラクチャーモデル都市に集中的に導入、集積いたしまして、その地域時代に先駆けて高度情報社会実現することを目的としております。  また、これらの運用を通じまして、実際の体験としてニューメディア地域社会に及ぼす効果や影響問題点把握を行いまして、まず制度的な諸課題、例えばCATV網公衆網とアクセスしたらばどうなるかというような問題、それから技術的な課題、例えば端末機器標準化というのはどうあるべきかというような問題、さらには経済的な諸問題、例えば家計における可処分所得に占める通信費の問題というような問題の把握を行いまして、その対応策であるとか、税制上とか、財政上の制度的な優遇措置等普及方策、こういったものを明らかにすることによりまして、将来到来するであろう高度情報社会のもろもろの課題を克服すること、またニューメディアを活用した地域社会発展方策確立することなどを目的としたものでございます。
  9. 片山甚市

    片山甚市君 通産省ニューメディア構想を出していますが、それについての説明を願いたいと思う。
  10. 関収

    説明員関収君) 私どもが検討いたしておりますニューメディアコミュニティー構想について、ねらいなり計画を御説明申し上げたいと思います。  先生御案内のとおり、最近におきますコンピューター技術あるいは通信技術の飛躍的な発展を踏まえまして、今後通信コンピューターといわば融合した形で各種の問題に対応をしていくということが技術的には可能ではないかといったような時代を既に迎えつつあるわけでございます。一方、目を転じて我が国の内外の諸問題を見てまいりますと、産業におきましても、あるいは医療教育といった社会面の問題あるいは家庭生活等々におきまして、なお解決すべき問題が山積をいたしておるわけでございます。  そこで、こういったニューメディア技術的可能性というものを産業社会あるいは家庭が抱える問題の解決対応できないかというのが基本的な私ども問題意識でございます。しかしながら、技術的な可能性とそれを直ちに問題解決のために実用的に使うということとの間にはなお解決すべき問題が極めてたくさんあるわけでございます。そういう問題を、これからギャップを埋めてまいりませんと、ニューメディアがいかに立派な技術的な可能性を持ちましても、なかなか実用化できないという問題がございますので、私どもは具体的な地域に即しまして、特に通信インフラストラクチャーという目から見てまいりますと、ユーザーの立場に徹しましてそれぞれのコミュニティーあるいは産業あるいは社会問題の抱えるニーズを探りまして、それらのニーズとこの技術的な可能性をどう組み合わせることが可能であるか、そういうことを私ども計画では七つのモデル的な地域についてニーズ調査をし、そのニーズ対応し、またニューメディアを活用するという意味でどのようなシステムが可能であるかという概念設計までを五十九年度の予算として考えていきたいというのが私ども計画でございます。
  11. 片山甚市

    片山甚市君 そこで、基本人間技術をどのように融合さしていくか、調和をとっていくかということが基本でなかろうかと思いますが、今お 話を聞いていますと、実態は技術優先ということになり過ぎておると思うのです。なぜならば、先ほど申されたように、医療問題を取り上げられても、一つの問題としては郵政省ホームケア・サポート・システムというものをつくられる。そういうときに、それじゃ通産省はそのようなシステムをつくろうというので協力し合うようになっておるかといえば、それは機器開発ニューメディアの活用の仕方を検討されるということに重点を置かれる。また、郵政省の方ではそういうような行政上の問題について十分に掘り下げておられないと思います。  そこで、技術優先だということを言いますのは、今言った郵政省が検討中であるホームケア・サポート・システムというのは、それじゃどのような医療体制でつくられておるのか、医療体制を目指してやられておるのか。なければ、幾らニューメディアを使うといってテレトピア構想の中に入れられても、これが発展する見込みはないんですが、まず、それについてのお答えを願いたいと思います。
  12. 小山森也

    政府委員小山森也君) ホームケアシステム、いわゆるホームケア・サポート・システムでございますか、こういったことにつきましては、電気通信審議会答申におかれましてもいろいろ具体的に検討すべきであるということが盛られております。  それでは、今回どういうふうな形でこれを具体化していくかということでございますが、私どもといたしましては、確かにこれは重要な課題と考えているわけでございますけれども、まず最初に、私ども電電改革を通じた電気通信法体系をまず整えるべきであると、そういったことをまず着手をいたして、第一段階施策とすべきであると。その施策の後において、この実現によって初めでいろいろな施策を推進する基盤ができるのではないか、こう考えておるわけでございます。  したがいまして、具体的にはどうかということになりますと、我々に課された重要な課題と考えているので、今後の政策の展開に当たって、その具体化に向けて進めていきたいと、こう考えております。
  13. 片山甚市

    片山甚市君 そうすると、基本的な医療政策確立されておらないけれども、まず技術開発というものについての政策を優先さしていきたい、こういうふうなことであろうかと思いますが、それでよろしいか。
  14. 小山森也

    政府委員小山森也君) ちょっと私の説明が十分でなかったかと思いますが、私どもといたしましては、まずこういったホームケア・サポート・システムというようなことでありましても、まず法体系確立して、そういった意味でのいわゆる基盤整備、これができていなければなかなかうまくいかないと。したがって、今回はとりあえずこういった法体系整備を図って、技術発展であるとか、いわゆる市場原理に基づくいろいろな事業体努力とかというものをまず期待するということでございます。  なお、その後の問題といたしまして、当然技術というものの発展というものが伴わなければ、こういった問題できないんでございますけれども、それと同時に、やはり問題になるのは、こういった制度でもってできました問題といたしまして、まず、なぜそのような制度をつくるかということですが、いわゆる今現在言われておりますところの高度工業化社会、こういった陰の部分であるところの公害とかいわゆる精神的疎外感といった、こういったひずみ、こういったものが高度情報社会においては克服されるのではないか。そういった時間的なゆとりとか快適な居住環境教育等、文化的、質的な豊かさの尊重、換言すれば人間性を深く尊重した社会、こういったものが高度情報社会というのでは実現されるのではなかろうかと。したがって、そういった高度情報社会というものの基本になります高度インフラストラクチャーとしての電気通信のネットの構築、このためには今度の法体系整備が必要であると、こういうふうに考えてやっておる次第でございまして、技術尊重ということだけではなしに、あらゆる環境整備することによって人間性尊重というところにアプローチできるのではないかと、こういうふうに考えている次第でございます。
  15. 片山甚市

    片山甚市君 通産省郵政省お話を聞くと重複した投資を行うことになり、社会的損失インフラストラクチャーとしてはあると思います。  そこで、まず通産省郵政省いずれの構想も、これは都市型、産業型であって、人間がおらないで技術優先でしかない。すなわち、ホームケア・サポート・システムについても、医療関係からどのような受け入れ態勢があるのかについてもう一度郵政省から説明を願いたいんです。
  16. 小山森也

    政府委員小山森也君) ただいま具体的にそういった点についてはまだ進められておりません。
  17. 片山甚市

    片山甚市君 そうすると、ホームケア・サポート・システムについての案をつくっていく中で検討する課題として承ってよろしゅうございますか。
  18. 小山森也

    政府委員小山森也君) ただいま勉強中でございますが、これからの課題ということでございます。
  19. 片山甚市

    片山甚市君 通産省にお伺いするんですが、テクノポリス構想あるいはニューメディアコミュニティー構想というものが産業中心技術中心であるというように私が申し上げたんですが、そうでないという説明ができるんならしてもらいたい。私は人間技術が調和することが基本でやられなければならぬ、こういうふうに冒頭に言いましたから、お答え願いたいと思います。
  20. 関収

    説明員関収君) まことに先生指摘のとおりでございます。私どもニーズに根づかない技術というのは、それは空疎でございますし、それからまた、技術はしょせんあくまでも手段でございますから、いかにして私どもの抱えている問題を有効に使える形で技術を使えるかということが問題ではないかと思うわけでございます。  少し補足をさしていただきますと、私どもが考えておりますニューメディアコミュニティー構想は、それぞれのコミュニティーが持っております特色をベースに考えていきたいと思っておりまして、現在のところ私ども十三ほどの非常にティピカルなパターンというのを考えておるわけでございます。その中には、先生指摘産業型、例えば中小企業団地向けといったような産業型のものもございますが、同時に防災型あるいは僻地医療といったような問題に対応するパターンというのも考えております。それからさらに、ベッドタウンあるいはリゾートタウンといいますか、そういった居住区域としての都市パターンというのも考えておりまして、私ども産業向けだけをパターンとして考えているわけではございませんで、産業向けももちろんございますが、そういった社会問題解決型あるいは居住区域改善型といったパターンも交渉の中に入れておりますので、つけ加えさせていただく次第でございます。
  21. 片山甚市

    片山甚市君 説明の中にもありましたが、高度情報化社会あるいは情報通信を進めるに当たってのインフラストラクチャー、いわゆる社会的基盤ということで機能することになっておるんですが、郵政省通産省が協力することによってそれが推進されるが、インフラとしての役割は統一してできるのかどうか、ばらばらでよろしいのかどうか、これは小山さんの方から答えてください。
  22. 小山森也

    政府委員小山森也君) これは協力し合うべきものと考えておりまして、今年度の予算編成を契機といたしまして、両省でも調整を行ったところでございます。また、私どもとしては実用前提とし、また通産省は実験を前提としてはおりますけれども、そのような相違点はございますけれども、こういった本構想を進める中で、郵政省通産省が理解し合ってニューメディアコミュニティー構想を推進していくということは重要なことであろうと考えております。
  23. 片山甚市

    片山甚市君 郵政事業など重要な柱がありますが、簡易保険郵便貯金郵便などいずれも庶民の生活を守るという視点国民から合意されておるのであります。これからのニューメディアの 問題について、テレトピア構想については、それと同じように、郵便やあるいは貯金保険のように、国民生活を守るためにこういうものができるんだというようにならなきゃならぬと思いますが、そういう視点国民に対するサービスを提供するということで検討されていくのかどうか、もう一度聞きます。
  24. 小山森也

    政府委員小山森也君) お説のとおりだろうと存じまして、私どもよき教訓として今後施策に反映してまいりたいと存じます。
  25. 片山甚市

    片山甚市君 委嘱審査のときも申したんですが、この諮問機関をつくるときでも地域の人の代表が入らずに、産業界、学者ばかりではないかと申し上げましたが、これから運営に当たりましては、こういうものをつくる場合には、地域における開発、あるいは条件をつくるんでありますから代表を入れてもらいたいと考えている。  そして、今お話を聞いておるんですが、通産省にお伺いしますが、両省間に協力して新たなニューメディアコミュニティー構想郵政省のはテレトピア構想でありますが、補完し合って、一体として国としての政策を進めていく用意があるかどうか、通産省お答え願いたい。
  26. 関収

    説明員関収君) 私どもの理解では、先生指摘のとおり、私どもの真のねらいは、郵政省さんも御同様かと思いますが、高度情報化社会というものをいかに我々の産業なり社会なり家庭生活なりの問題の解決に貢献させていくか、そういうものにしていくかということで、ねらいは共通であるわけでございます。  五十九年度の予算という形で見てまいりますと、私ども予算地域におけるニーズを調べる角度から予算を計上していただいておるわけでございますが、郵政省さんの方はまた別な形で予算の計上をなされておるわけでございます。それぞれ高度情報化社会実現に向けての、やや角度は違いますものの一つのステップとして進められておるわけでございますので、当然目的が共通でございますから、今後郵政省さんを初め関係省庁さんとも十分御連絡をしながら進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
  27. 片山甚市

    片山甚市君 私は、郵政省さんを初めじゃなくて、まず郵政省とは一体的によく相談をして意見のそごがないようにしていってもらいたい。醜いですから、おれがおれがという鼻っ柱だけ強いような感じで、利権争いをしておるような、権力争いをする印象を与えますから、国民のために人間技術が調和していくように目的を持って頑張ってもらいたいと思うんです。  そこで、モデル都市を地方電波監理局ごとに一地域、計土地域を指定するということでありますが、選定の基準、選定をされる基本的な考え方とそのスケジュール、そしてそれ以外にもし申し入れがあった場合にはどのような手続をこれからとられるか、郵政省から考え方を述べてもらいたい。
  28. 小山森也

    政府委員小山森也君) テレトピアの選定基準につきましては、本年の十月ごろ基準を決めたいと思っております。その前に私どもといたしましては、まず本構想の具体的な手順でございますけれども、既にモデル都市の指定を希望する地方公共団体から地域実態調書を提出いただいております。基本計画策定指針を定めまして、これを地方公共団体に示しまして、地方公共団体においてこれをもとにして地域特性に応じた基本計画を策定してもらう、これが八月から九月にかけてでございます。これを郵政省に提出いただきまして、これをさらに本年秋を目途に最終的な指定基準を決めて、この指定基準の中で基本計画の内容を検討して、五十九年度中、恐らく来年の一月ごろになるのではないかと思いますが、全国で十カ所程度指定していくという考えでございます。
  29. 片山甚市

    片山甚市君 そういたしますと、指定都市以外からINS等の要望があった場合には郵政省はどういうような受け取り方をされるか、また公社もそれに対応されるか、まず郵政省から。
  30. 小山森也

    政府委員小山森也君) いわゆる統合ディジタル化の問題でございますが、これは電電公社が事業体として本来の計画で進めていくというものでございます。ただ、しかしながら、テレトピア構想による指定になりましたら、この計画の全国的な計画のほかに重点的にその都市に統合ディジタル網を設定していく、構築していくということでございますので、両方の計画というものはそれによって調和がとれるということになろうかと存じます。
  31. 前田光治

    説明員(前田光治君) ただいま郵政省から御答弁ございましたとおりでございまして、私どもといたしましては、全国になるべく早くこの高度情報化社会インフラストラクチャーとして必要なINS網を急速に展開をいたしておるところでありますが、ただいまのテレトピア構想等には格段に積極的に御協力をしてまいる所存でございます。
  32. 片山甚市

    片山甚市君 テレトピア構想にいたしましても地域住民の意思の反映という機会が十分に見られません。そして、都市型、産業型ということに中心が置かれていますが、テレトピア構想は私の希望といたしましては福祉型と言われるような国民生活に密着するようなことにしてもらいたい。技術中心都市中心、また産業中心、こういうことでなしにやってもらいたいということで、この案についてはこれから進められていく中で意見を述べることがありますが、希望としては、やはり郵政省いわゆる通産省が協力し合った中でそれぞれの特性を発揮しながら、国民生活向上のために、福祉向上のために尽くしていただきたいということですが、大臣、その考え方はどうでしょう。
  33. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 先ほども申し上げましたように、もちろん両省間で協力して、目指すところは、豊かで人間性あふれた文化的な高度な情報社会の建設というのが目標でございます。  そういった意味合いで、今郵政省が進めようとしておるテレトピア構想も、今先生指摘のように、ハードな面では電電にお願いをいたしまして高度ディジタルサービス網というものの構築を目指すわけでございます。それによってそれぞれの個性のある、例えば今言いましたように、福祉型――在宅医療、そういったもう福祉面を重点にした都市づくりの方向もあるでしょうし、また文化学習型と申しますか、そういった学園を結んでのいろいろな新しい町づくり、あるいは産業と消費者を結びつけたような、そういった消費産業志向型のサービス網もあるでしょうし、それぞれの形で個性のある先行的な一つのモデル型の形を目指しておるのがテレトピア構想一つの目標でございます。  そういったことで、今後ともハードな面、そしてソフトな面、それぞれ協力し合ってお互いに新しいメディアを実りあるものにしなきゃいかぬわけですから、今後とも決して先生の御指摘になるような醜い主管争いという面ではなくて、もちろんお互いに協力し合って、繰り返し述べるようですけれども、理想とするところは、創造的な文化あふれた、人間性あふれるそういった高度社会というものに協力し合っていきたいというのが基本的な姿勢でございます。
  34. 片山甚市

    片山甚市君 郵政省通信主管庁としてのニューメディアに対する政策を国全体としての立場から提起をしていく、それで関係の省庁と協力していくというようなことについての何としても日本政府としての政策確立が急がれる。若干のいわゆる現象についての争いならよろしいですけれども、根本的な通信のあり方を論議しなきゃならぬような状態というものは何としても納得できないということだけを申し上げたいわけです。大臣がこれからそうしていきたいということについてはわかりましたけれども、現実にまだ通信処理なのか通信なのかということになるとお互いに議論が残っておるような状態がありますから、これからの問題として、やはり情報通信、情報処理、こんな論議の中で不毛の争いが起こらぬように、我々としては通信主管庁に対して毅然たる態度をとってもらいたいし、そして国民的な合意をいただきたい。しかし、高度に発達する通信コンピューターが融合する時代でありますから、何もかもき れいにできるなどと言いませんが、しかし人間がやっていることですから、お互いにわかり合って協力し合ってやるような体制が日本の国の国益を守っていくことにもなろう。相手につけ込まれるようなばかげたことだけはお互いに慎みたいと私は思いますが、これ以上言いません。  さて次の問題としまして通信衛星のことですが、「さくら2号」の自衛隊利用について、せんだってのこの委員会議論がありました。防衛庁が硫黄島と本島との間に通信確保するために通信衛星を利用したい、公衆電気通信サービス提供の要求があるということを聞いていますが、昭和五十九年度の予算で幾ら計上されておるか、これが一つであります。  二つ目に、公社はどのような理由でどう対処しようとするのか、このための設置に要する費用は幾らくらい組んでおるのかということをまずお聞きします。  初めの方は郵政省、後の方は公社から御答弁を賜りたい。
  35. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) ただいまの御質問、防衛庁からお答えいただくのが適当かと思います。
  36. 沼倉吉彦

    説明員(沼倉吉彦君) お答えいたします。  五十九年度予算案におきましては総額二億一千八百万円でございます。
  37. 草加英資

    説明員(草加英資君) お答えいたします。  電電公社といたしましては、防衛庁からの御要望は伺っておりますが、現在まだ正式に申し込みは受けておらない段階でございます。申し込みが出た場合には、硫黄島で公衆電気通信役務を提供する場合には、他に適当な手段がないため、通信衛星を利用して回線を作製することになると思いますが、この場合、平和目的利用との関連がありますので、公社としては政府の御指導を得つつ対処していきたい、このように考えております。  公社がサービスを提供する場合の具体的な内容につきましては、防衛庁からの申し込みがあってから、通常の例に基づき措置するよう検討していきたい、このように考えておる次第でございます。
  38. 片山甚市

    片山甚市君 本土-硫黄島間の通信回線の利用について防衛庁は具体的にどのような内容で要求してるんですか、防衛庁。
  39. 沼倉吉彦

    説明員(沼倉吉彦君) 防衛庁といたしましては、硫黄島と本土の間におきまして、硫黄島に所在する部隊の任務の円滑な遂行と、それからもう一つ、隊員の福利厚生のために必要な通信を行いたいと考えております。
  40. 片山甚市

    片山甚市君 回線数。
  41. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 答弁ははっきり、もっとすっきり答えてください。質問の通告があったんだろうから、準備はちゃんとしておかなければだめだ。
  42. 沼倉吉彦

    説明員(沼倉吉彦君) 専用回線が十四、それから加入電話が四でございます。それから公衆回線が三でございます。
  43. 片山甚市

    片山甚市君 そこで、昭和四十四年に宇宙開発事業団法第一条によって衆議院における決議が小宮山さんからなされておるんですが、それは平和目的に限られることに決められていますが、その趣旨に反すると思うんですが、政府の一般利用についての見解についてどういうようにお考えですか。
  44. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 御質問の点につきましては、昨年の八月に関係省庁によります検討をいたしまして、その結果次のようなことになっております。  御質問の点は、宇宙開発事業団が開発し打ち上げた通信衛星二号、いわゆるCS2でございますが、これを日本電信電話公社に利用させること。それから、公社が公衆電気通信役務提供の一環として、防衛庁に対してCS2の利用による同役務を硫黄島について提供すること。及び防衛庁が公社から当該役務の提供を受けること。こういった点になると思いますが、これにつきまして、公社の公衆電気通信業務は他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の通信の用に供する役務を提供する業務であり、このような業務が平和の目的に反するものであるとは言えないということ。また、公社がCS2の利用による公衆電気通信役務を何人に提供したとしても、そのことにより公社の業務の性格が変わるわけではない。それから、硫黄島を電話加入区域に指定し、利用者の申し込みに応じて公衆電気通信役務を提供することは、公衆電気通信法に定める公衆電気通信業務に関する枠組みの中で行われるものであり、特段の問題はないということ。それからまた、公社の公衆電気通信業務は、公衆電気通信法により、公衆電気通信役務の提供についてあまねくかつ公平にこれを行い、差別的取り扱いをしてはならないこととされているということで、したがって、防衛庁が一般のものと同様の地位においてCS2の利用による公衆電気通信役務の提供を受けようというのであれば、これを別に扱ういわれはない。こういうふうな理由で、いずれも先ほどお話の宇宙開発事業団法第一条に反するものではないというふうに考えたところでございます。
  45. 片山甚市

    片山甚市君 通信衛星を打ち上げるときに軍事目的に使ってはならないということで議論があり、平和の目的に使うということになったということは御承知のとおりです。そこで、その後政府がこじつけてそういうふうなお話がありますけれども、十四回線のいわゆる専用回線を使うんでありますから、自衛隊の軍務に使うことは明らかであります。そうすると、これは自衛隊だけなのかどうなのかということもありますが、それについては先ほども示唆されたように、役務を提供する公衆電気通信法による公社の責任だということで当然としておりますけれども、この決議と、それではどういうような受け取り方になりますか。決議があり、昭和四十四年の平和目的ということで、特に法律を変えて決議をしたことについて、その間の調整はどういうふうになるかお答え願いたいと思います。
  46. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 国会決議の点に関しましては国会でお決めいただくということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、CS2につきましては電電公社が国内公衆通信業務用の通信回線という目的で使用しているものでございまして、このことが事業団法あるいは決議に反するものではないというふうに私ども考えているわけでございます。  防衛庁から一般利用者として加入申し込みがございます場合には、公衆電気通信法に照らしまして、電電公社が公衆電気通信サービスの提供をするということにつきましては、先ほど申し上げましたように、それを別段の扱いをすることはないというのが私どもの考え方でございます。
  47. 片山甚市

    片山甚市君 日本の憲法の趣旨からいっても、このことについては納得できませんが、有事の際の指揮、連絡などについて、軍事的利用というものは今後考えられると思いますが、いかがでしょう、防衛庁。
  48. 江間清二

    説明員(江間清二君) まず、硫黄島に対する防衛庁の考え方を先に御説明をさせていただきます。  硫黄島につきましては、本土におきます訓練環境等いろいろ制約がございますことからそれに対応するということで、現在防衛庁といたしましては硫黄島に対してこれを訓練基地として考えて整備をいたしてきておるところでございます。現在のところ、それ以上のことは考えておりませんで、また計画も持っておりません用
  49. 片山甚市

    片山甚市君 自衛隊は訓練基地として硫黄島を使っておる、こういうことでありますが、それ以上に今のところ予定がない。私が聞いたのは、有事の際にはその役割を果たしますね。今有事でありませんから仮定のことですからお答えはなかったと思いますが、私たちとしては、そういうような段階を経て実は昨年の八月の政府統一見解を見ると、在日米軍の衛星利用さえも認めるのではないかと思われますが、鴨局長、これについては見解を述べてください。
  50. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 在日米軍の問題に関しましては、昨年八月の見解を検討いたしましたときには、その検討の対象にいたしておりません。  仮定の問題でございますけれども、今後仮にそういった要望が出てくるとすれば、その段階で関係省庁で検討することになろうかというふうに考えております。
  51. 片山甚市

    片山甚市君 そうすると防衛庁に聞きますが、硫黄島にある米軍の施設と自衛隊との関係で、通信回線をやみで貸すというか、利用させるということはないですか。アメリカの航空の気象観測。
  52. 沼倉吉彦

    説明員(沼倉吉彦君) そういう予定があるとは聞いておりません。
  53. 片山甚市

    片山甚市君 予定がなくとも勝手にやるということがないようにしてもらいたい。予定はないけれどもやってしまったということは、やっておってもやらないということを言うのが好きだから、そういうことのないようにしてもらいたいということを申し上げておきます。  そこで、次の問題に移ります。  放送衛星についてですが、先日新聞を見ますと故障が起こったようでありますが、今後どのようにされるのか、事業団が正常な機能を回復するまでにどの程度の経費を必要とするのか、事業団から不完全な状態で引き継ぐことはないのか、放送衛星について、まずその三つをお聞きします。
  54. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) まず、BS2aの故障という点でございますけれども、これは放送用中継器、それから姿勢制御のための電波センサーというものについてふぐあいが発生をしているということで、先ごろ宇宙開発事業団の方から発表が行われたわけでございますが、この放送用中継器につきましては、御承知のように二チャンネルの放送をする予定になっております。その二チャンネルの放送をいたしますために三本の中継器を搭載いたしているわけでございますが、このうちの一つの系統が地上からの送信開始の指令に対しまして短時間作動した後、高圧電源の保護回路が作動して断となるという現象が発生をしている。したがって、三つのうちの一つの系統、中継器を使用しての送信が行い得ない状況にあるということでございます。それから電波センサ――モノパルスセンサーと言っておりますが、姿勢制御の方式として二つの方式を考えております中の一つでございますけれども、それにつきまして、この電波センサーを用いた場合には、アンテナの指向方向に若干のずれを生ずるというふうに私ども聞いているわけでございます。  今後どうするかという点でございますけれども、宇宙開発事業団の方で目下原因を究明中ということでございまして、私どもといたしましても速やかに原因を究明してもらって、その原因がわかりましたらそれに対応した処置をしてまいりたいと考えております。  なお、経費という点でございますけれども、三万六千キロの静止軌道上でのふぐあいということでございますので、いわゆる修理費というふうな形のものは具体的に出てまいらないわけでございますが、地上でいろいろ宇宙におきますと同じような模擬テストをして、どういうことでふぐあいが発生をしたかというふうなことを今テストし、あるいはまた再起動できないであろうかというふうなことでの起動の発信などをいたしているわけでございますが、具体的な経費につきましては、これは申しわけございませんけれども、宇宙開発事業団の方で処理をいたしておりまして、しかもただいま申し上げたような状況でございますので、正確な数字は把握をいたしておりません。  なお、引き継ぎにつきましては、今月、間もなく、いわゆる通信放送衛星機構に引き渡され、そしてNHKの利用に供されるということでございますが、先ほど申しましたように、宇宙ということで三つの系統、予備を含めます三つの中継器を搭載をいたしております。したがいまして、残りの二チャンネルにつきましては正常に作動いたしておりますし、また姿勢制御につきましても、太陽センサーという太陽を軸にいたします姿勢制御の方式の方は完全に働いておりますので、この引き継ぎには問題はないというふうに考えております。
  55. 片山甚市

    片山甚市君 不完全な状態でも引き継ぐことになっておるということについて聞きました。このような不安定要素がつきまとう限り、NHK予算に占める衛星放送の費用は大きいものでありますから、もしこの星がうまく使えないということになれば、NHKの受信料の値上げ等がまた考えられるということで非常に心配するんですが、大臣、そのような心配は今のところ技術的に起こらない、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
  56. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 大変技術的な問題でもございますけれども、この衛星には万全を期しておっても、やはり補助衛星といいますか、BS2aのほかに今度2bを飛ばすとか、そういった形で常に万全を全うするためにはいろいろな措置がとられておるところでございますけれども、今度の場合も、やはりあらかじめこういうこともあろうということでやったんじゃないと思いますけれども、まあちょっと素人に近い意見ですけれども、やはり一つくらいが故障になった場合でも、すぐその機能を発揮できるというところで、同じ機能のものが三つ、今一つがちょっと調子が悪い、あとの二つで十分代行できるというふうに説明を――私も心配で聞いたんですけれども、そういう形で五月からの放送に含めてもこの二チャンネルは十分確保できるということでございましたから、今御指摘のような質問は、質問の趣旨に照らして大丈夫だろう、大丈夫だと信じております。
  57. 片山甚市

    片山甚市君 私は大丈夫でありたいと思うから質問したんですが、もしそういうことになったときの責任が発注した側のNHKにある、お金をうんと出させた者に責任をとらせるということになれば大変残念だと思います。といいますのは、NHKの場合は受信料でありますから、大変厳しい問題を含んでおりますから、その点については国民の皆さんにもよくわかるようにしてもらわないと残念だと思うんで、配慮してもらいたい。  そこで、もう一つの残念な話をしますが、大阪における有線放送のトラブルの問題、ゲリラの問題についてどういうような措置を今とられておるか、どういうような状態が起こっておるのか、お答えを願いたいと思います。
  58. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) ただいまの御質問でございますけれども、昨年議員立法でお骨折りをいただきました有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律の一部改正法が施行されたわけでございますが、昨年の六月一日に公布をされまして、十二月一日から施行されたものでございますけれども、半年間の期間、周知、指導に努めてまいりました。こういうふうに改正になったということで周知、指導に努めてきたわけでございますけれども、大きく申しましてこの有線音楽放送には四つの系統がございますが、そのうちの一つの系統につきましては、一括して関係機関の正常化条件を受諾をして正常化のステップを踏むことになっております。それから、他の二つもほぼ同様な状況にございますが、業界の最大手を含みます系統の会社、事業者におきましては、正常化条件を受諾しないという状況がございましたので、全国で十の施設に対しまして三月二十八日に、四月二日から三十日ないし四十五日間の業務停止処分を行うということで通知をいたしたところでございます。しかしながら、この事業者側では、この業務停止命令に従う姿勢を示していないという状況にございますので、現在命令違反の事実確認を急いでいる状況でございます。
  59. 片山甚市

    片山甚市君 非常に残念でありますが、いわゆる大手の七割のシェアを占めるといわれる大阪有線放送会社が中心となってこれに従わないようでありますが、こういうような状態を放置するということになれば、ニューメディア政策が宣伝のみで先行しておって、これから実施をするときにはだれも従ってこない。違法行為をやっても当然処分も受けないし、規制も受けないことになりますが、断固たる措置をとられるのかどうか、簡単に答えてください。
  60. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 今回の法改正を背景に した指導の中で、今申しましたような状況でございますので、目下停止命令をかけたわけでございますけれども、その停止命令に対する違反事実の確認を急いでおりまして、その事実が確認をされました場合には厳正な措置を講ずることにいたしたい、このように考えております。
  61. 片山甚市

    片山甚市君 違反をしておることは事実なんです。確認しなくたって、流れておるんですから、そういうことについて措置をとらなければならないと思いますが、しかし有線ラジオ放送についてだけでなく、こういうような放送の政策についての基本的な政策が欠除しておって、法律で規制するようなことをしてみても、これについては法網をくぐることになって際限がないと思うのです。CATVなど、ニューメディアの花形のように言われて宣伝されていますけれども、必ずしもCATVはうまくいくと思いません、有線放送は。アメリカの例であるとおり、現在も既に際どい営業政策をとっておるということでありますから、私たちは非常に心配です。  せんだって、NHKの特集番組でもアメリカのCATVが、有線放送がどのような際どいことをしているかという放送がありました。ぜひとも、この有線放送についての政策確立して、他人の建物、建造物を利用して不法にやっていることについて制御をするようにしてもらいたい。これは断固としてやってもらいたいということを言うのか、法制的にやってもらいたいと言うのかといえば、やはり今まで決められた中できちんと郵政省が監督権限を使って処理をしてもらいたいことを申し上げます。  最後に郵政大臣、せんだって予算委嘱審査のとき、最後に私から聞きましたんですが、きょうではありませんが、あしたぐらいに当局との間の交渉で公労委関係の郵政電電関係の有額回答といいますか、回答をされるようでありますが、その結果、調停が出る、仲裁が出ると、労働者側としては不満であっても恐らく仲裁裁定には従うと思うのですが、今度の仲裁裁定については、もう一度明確に、政府としては、従って即時、完全に実施をする態勢で臨みたいという考えであるのかどうか。この問はいわば慎重に対処するような言い方でありましたので、気になりますから、もう一度お聞きします。  大臣は、藤波官房長官も言われたように、全部そろって仲裁裁定は尊重すると言っているんですから、完全に即時実施するように主管庁としては態度を示されたい。大蔵大臣と違うんですから。大蔵大臣であれば、ちょっと難しいことを言うかわかりませんけれども郵政大臣ならば、主管庁として当然職員の期待にこたえるように努力してもらいたいと思いますが、明言をしていただけませんか。
  62. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 今後の見通してございますけれども、労使交渉を経て仲裁裁定が示されるといったような場合には、何よりも現業主管庁として労使問題が最大の問題でもございます。裁定を尊重して、そして誠意をもって解決をするという基本姿勢に立っております。
  63. 片山甚市

    片山甚市君 私からもう一度、くどいけれども議員として、逓信委員として大臣にお聞きするのは、仲裁裁定が出れば、大臣としては期限を延ばすことなく実施ができる、即時の実施の態勢、値切ることがないという態勢を当然とるべきだということで今の慎重な態度のお答えがあったと理解してよろしゅうございますか。
  64. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 御指摘の方向で御趣旨を踏まえて、先生の御趣旨も十分わかりますし、誠意を持って実施に当たるということでございます。
  65. 片山甚市

    片山甚市君 冒頭に言いましたように、いよいよ電電改革法案が次の委員会等においては出てまいろうかと思います、ここでというよりも国会全体です。それに当たりまして、冒頭に言いましたように、通信政策について基本的に日本の国はどのような政策をとっていくのかということについての合意を得るようにしてもらいたいということを予算委嘱審査のときにも申し上げましたし、きょうまたくどく申してきました。  といいますのは、確かに二十一世紀に向けての長期構想については、電気通信審議会ではお決め願っただろう。答申をしただろう。しかし、我々国民全体が、あれが実施されたならばどうなるのかということについてはまたしかと承っておらないわけです。そして、今度の法律案をつくるに当たりましても、そのうちで都合のいいところを抜き取って可能なところからやったと思われるような節がある。長期構想全体が法案の中に盛り込まれるような状態であると思っておりません。そういうことで、緊急避難のような形で法案がつくられておるというように思われますから、何としても我々は参議院でありますから、法案審議をするに当たりましては、骨格になるところの政策の問題についてお互いに理解をし合い、そして合意を得て、そして良識の府と言われる参議院にふさわしいような態勢をとりたいと思います。  それからもう一つ、先ほども言いましたように、憲法に違反するような状態の硫黄島の、いわゆる通信衛星について利用することについても意見がありますし、もう一つは、先ほど申しましたように、有線放送が議員立法で決まるんだから、政府の力が弱いのか、国民の合意を得ていないじゃないか、不法行為をやっても、やっておる者が威張っておる、切れるなら切ってみい、こういうような状態になるようなことは非常に残念でありますから、そういうことのないように、これから十分に努力してもらいたい。  以上申し上げて、本日の質問を終わります。
  66. 大森昭

    大森昭君 今質問もあったわけでありますけれども、聞いておりますと、「ゆり2号a」の故障の現状というのは定かじゃないということですか。
  67. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 放送衛星二号aでございますけれども、先ほどもお答えいたしましたように、放送用の中継器の一本と、それから姿勢制御の二つございますうちの一つの方式にふぐあいが生じているわけでございます。原因につきましては、現在宇宙開発事業団で鋭意調査中でございますけれども、今の段階では明確になっておりません。私どもといたしましては、なるべく速やかに原因を究明してもらいたいと考えている状況でございます。
  68. 北村俊男

    説明員(北村俊男君) 科学技術庁の宇宙開発課長の北村でございます。  ただいま局長から御説明がございましたように、BS2aにつきましては、予備一系統を含めまして三系統のカラーテレビジョンの中継器が搭載されてございますが、このうちその二系統につきましては正常に作動しておりまして、二チャンネルの同時電送実験が順調に行われているわけでございます。残り一系統につきましては、三月二十三日の作動試験時に、それまで正常に作動していたものでございますが、スイッチを入れますと、短時間作動した後に高圧電源部の保護回路が働きまして、電源が切れるという現象が発生しております。また、この衛星につきましては、太陽の光をとらえて姿勢制御する方式と、地球から電波を受けて姿勢を制御するという二つの方式を持ってございますが、後者では若干のずれが生じておりますので、太陽の光をとらえて姿勢を制御するというこの方式でもって業務を全うしようというふうに考えておるところでございます。
  69. 大森昭

    大森昭君 この実用をやる前に実験をやっているわけですよね。実験のやつも十分な機能を果たさないうちに故障が起きたわけでしょう。ですから、今実用放送衛星について三つがあって、一つが壊れたからあとの予備の一つかという、そういう単純なものじゃないと思うんだよ。我々素人だからあれですけれども、いわゆる実験衛星で行った経過、今度実際に実用でもって打ち上げた衛星の故障、これとの関連からすれば、明らかに今度の故障というのは突発的な故障だということじゃなくて、実験で起きた関連からいけば同じような故障じゃないんですか。
  70. 北村俊男

    説明員(北村俊男君) 原因につきましては現在鋭意調査中でございますが、現在のところまだ最終的な結論には至っていないわけでございます。 それで、今後、原因の究明、それから機能の回復等につきましても鋭意進めてまいりたいと思っております。  現在行っておりますのは、そうした原因につきまして人工衛星からのデータを解析するとともに、地上に実験モデルがございまして、モデル実験を通じての再現試験を行っております。それからまた、地上からの再起動を行う、コマンド送信を行うことによって、その衛星の最終的な機能確認ということも進めておりまして、これらを踏まえまして今後のBS2b対策というふうなことにも努めてまいりたいと思っておる所存でございます。
  71. 大森昭

    大森昭君 だから、実験衛星との関連では、前に実験衛星やっているわけでしょう。これは満足に作動したわけですか。作動してないんですよね、これは。
  72. 北村俊男

    説明員(北村俊男君) 今申しておられますのは、BS一号の件でございましょうか。
  73. 大森昭

    大森昭君 この前にやったでしょう。
  74. 北村俊男

    説明員(北村俊男君) はい、やっております。そのときの事故原因とは全く違った原因でございます。前回打ち上げましたBS一号につきましては、こうした初期段階ということじゃなくて、二年有余作動いたしまして、終わりの段階でその事故が見えてまいったということでございます。今回は全く新しい原因でございます。
  75. 大森昭

    大森昭君 そうすると、実は実態がわからないということですから、今これ以上質問してもしょうがないんですが、ただ問題は、五月十二日からNHKはこの星を使って放送を開始するんですよ。そうなりますと、今故障の原因についていろいろ調査をしていると言うけれども、いつごろ結論が出るんですか、これ。
  76. 北村俊男

    説明員(北村俊男君) 現在、事業団の中でいろいろ原因究明をやっておるのでございますが、もう少しお時間を賜りたいと思っております。
  77. 大森昭

    大森昭君 もう少しとか言われていますが、これは五月十二日からNHKはこの星を使って、既に新しい番組も何か編成して放送するんですけれども、これとの関連はどういうぐあいなんですか。
  78. 北村俊男

    説明員(北村俊男君) 現在二系統の放送につきましては順調に試験を進めておりまして、放送には異常がないということを認めております。私ども郵政省にも御相談いたしまして、これについては放送については十分できるであろうというふうに信じておるところでございます。
  79. 大森昭

    大森昭君 三つあって、一つ故障で、放送は二つだからということはわかるんですがね。三つあるからといっても、これ同じ機械じゃないんですか。違うんですか、この機械は。
  80. 北村俊男

    説明員(北村俊男君) 同じ機械でございます。
  81. 大森昭

    大森昭君 同じ機械でしょう。同じ機械の中の一つが故障するということは、ほかの二つにも故障するという可能性があるんじゃないですか。
  82. 北村俊男

    説明員(北村俊男君) それにつきましては、現在二系統が非常に順調な試験結果を得ておりまして、多分大丈夫であろうというふうに私ども見ておるわけでございます。
  83. 大森昭

    大森昭君 実はこの間、NHK予算で、これはいろいろあって値上げをしたと。五月の十二日から、この番組は後でちょっと説明してもらいますが、どういう番組を編成するのかわかりませんが、放送を開始すると。これは二十何万もするようなアンテナをみんな買うんですよ。ところが、途中でこれまた壊れちゃったといったことになったら、値上げはするわ、番組の新しい編成は放送できないわということになれば、これは大変なことなんですよ。ですから、今あなたが言うように、そう言っても二つは順調なんだからそれでやるしかないんだということなんだと思うんですが、今のようなやりとりの中で一体NHKは科学技術庁が言われているように、今二つは順調だからそれで進めると、こういうことですか。
  84. 尾西清重

    参考人(尾西清重君) 今お答えを私も伺っておりまして、少なくとも衛星第一テレビジョンと第二テレビジョンを放送することについては支障がないということでございますので、私どもといたしましては五月十二日に放送を開始する予定で準備を進めております。
  85. 大森昭

    大森昭君 今中継器の問題で、三つのうち二つが正常に作動していると言うんですけれども、この事故の原因というのはそれだけじゃないわけですな。先ほど電波監理局長も言われたような、いわゆる電波センサーというんですか、この故障もしているわけですね。そうすると、この影響はどういうことになりますか。
  86. 北村俊男

    説明員(北村俊男君) これは太陽センサーという別のセンサーを積んでございます。これはBSの一号のときにも使用したものでございまして、その実験結果は三年半にわたりまして完全に動き続けたという実績のあるものでございます。その太陽センサーを使いますれば、全然当初のあれには問題ございません。
  87. 大森昭

    大森昭君 いや、故障の原因はいわゆる三系統ある放送中継器の一系統がまず故障したのが一つでしょう。もう一つの方は、二種類あるいわゆる姿勢制御システムの一方が故障したということで故障は二つなんでしょう。
  88. 北村俊男

    説明員(北村俊男君) 電波センサーの方につきましては作動が若干当初想定されたところからずれておるということでございまして、こうしたことのために太陽センサーとその電波センサーと一系統で姿勢制御を行うように設計しておるわけでございます。したがいまして、そのような場合には太陽センサーに切りかえることによって使うというような当初からの設計になっておるわけでございます。
  89. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 記録上の注意がありますから、発言者手を挙げて発言してください。
  90. 大森昭

    大森昭君 そうしますと、いわゆる映像の関係ですね、例えば北海道だとか沖縄だとか、これはまあ日本列島長いわけですけれども、そうすると沖縄の方にしても北海道の方にしても、特段映像が――さっきからぶれるとかずれるとかという言葉があるんですが、放送には影響ないということでいいんですね。
  91. 北村俊男

    説明員(北村俊男君) そのとおりでございます。
  92. 大森昭

    大森昭君 原因がわからないんで今解明をしているんだということですし、恐らく大丈夫だろうということなんですが、先ほども言いましたように、これがあなた方が今思っているようなぐあいでいけばいいわけでありますが、万一の場合、これ大変なことになるというふうに実は感じるわけなんですよね。これまだしばらく開始をしないで見ていようじゃないかというんなら、それはそれなりに対応の仕方があるんですが、NHKは、先ほどもちょっと答弁があったように、もうとにかく始めるというわけですね。もう高いアンテナ買ってみんな用意しました、さあ番組の発表もありました、こういうことで、三つのうち二つは動いているというけれども、確率からいくと三分の一だめですからね。同じような機械だとすれば、あと二つ動いているというのも非常に心配なんですが、そういうことはないようなようでありますが、まあいずれにしても、これを防ぐのには、いわゆる予備機を上げるのは来年の八月ですかね。この予備機を少し早めて打ち上げておけば、仮に二つのやつが何かあっても、これ予備機でいけるんじゃないかということも考えられるんですが、この辺はどうなんですかね。
  93. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 後継機、予備機といたしましてのBS2bでございますが、これの打ち上げは、先生お話しのように、六十年の夏に予定をいたしております。これは他の衛星プロジェクトとの調整を図った上で決められたスケジュールであるという点が一つ。それから、そのスケジュールに沿いましてBS2bの衛星本体、それから、打ち上げ機の製作、もちろんその製作の後、テストをしたり射場に運んだりというふうなスケジュールがあるわけでございますが、そういったスケジュールに沿って進めておりますので、時期を早めるということができない状況でございます。  いずれにしましても、BS2bにつきましてはBS2aのふぐあいの原因を速やかに究明をしてもらいまして、所要の措置を、要するに2aの原因がわかりましたら、それを2bに反映させるということで、予定の時期に打ち上げようというふうに考えているところでございます。
  94. 大森昭

    大森昭君 予定は六十年八月ですね。そういう計画だから、これを早めるということもできないと、こういうわけですね。そうすると、予備機を早目に打ち上げることもできないし、二つは今作動しているというけれども、これで一つが仮に故障が起きるというようなことになれば、これはNHKのやつはやむなくこれどこかで中止をするということになるわけですか。
  95. 尾西清重

    参考人(尾西清重君) 二つのチャンネルのうち一つしか放送できないというような場合、あるいは二つともだめになるというような場合と二つ考えられると思いますが、私どもとしては今のところ二つのチャンネルとも予定どおり放送できるというふうに聞いておりますので、まだその先生のおっしゃる、一つを選択せざるを得ない場合については考えておりません。もしそういうような場合には、関係当局といろいろ御相談をしつつ、やはり難視解消ということが目的でございますので、それに沿った判断をしなければいけなくなるのではないかと思っております。
  96. 大森昭

    大森昭君 まあ、そうですね。やむを得ないと言われればやむを得ないかもわからぬけれども、ただ問題は、原因がまだ解明されてないわけですね。ということは、引き続き作動しておる二つの機械も故障することがあり得るということも可能性としてはあるわけですよね、そうでしょう。そうなってくると、私は今二つ動いているから、二つでもってNHKはそれでやっていくんだというのは、現時点ではいいけれども、仮にその衛星が故障起きたと、何ということをしているんだと、大体日本の科学技術はどうなっているんだなんという問題だけでこれ済めばいいけれども、そうじゃないでしょう、一般の国民大衆は、NHKの放送がとまるわけだから。これは新しい番組でもってやるんでしょう。ちょっと番組教えてくれますか。
  97. 尾西清重

    参考人(尾西清重君) 衛星第一チャンネルは約九〇%今の総合テレビの番組をスルーで放送をすることになっております。衛星放送は全国一律でございますので、総合テレビの中にあるローカル番組は別のミニ番組でふたをしたり、あるいは特別にローカルアワーというものをつくりまして、ローカルの各地の話題をお伝えするようなことを考えておりますが、全体としては九〇%総合テレビの番組でございます。  それから、第二テレビではおよそ七〇%が教育テレビの番組のスルーでございます。あと残る三〇%で衛星独自といいますか、地上の放送を時差を設けまして放送いたしますとか、そういったことで衛星放送の魅力というものをつくりたいと考えております。
  98. 大森昭

    大森昭君 九〇%と七〇%。まあ衛星がだめになりゃまた従来どおりにやればいいじゃないかというふうにお考えなのかどうかわかりませんが、私は、技術的なことは原因を究明してもらうということが第一に必要なんですけれども、やっぱりNHKの立場としては、万が一という場合にやっぱりどういう処置をしなきゃならないかと。そして、また今度値上げしているんですよね。ですから、鈴木健二さんじゃないけれども、少しその辺の気配りが足りないんじゃないかと思うんです。きょうの段階で別に御答弁はいただきませんが、我々新聞見て、二つのうち一つ故障でということで何のことやらということで、一般の大衆の人は正直に申し上げてさほどこの衛星について関心を持っておりませんからね。そういうことを言っちゃ失礼かな。すぐNHKの放送番組と直結してというふうにはなかなか理解できないと思うんですね。  ですから、少なくとも原因の究明は今やっていただいているわけですけれども、そういうことも想定をしながら、やっぱりNHKが対処していきませんと、先ほど言いましたように、受信料は上がるわ、高いアンテナは買ってやっておるわ、しかし予備機も六十年八月じゃなきゃ、予定どおりでこれ早めるわけにいかないというわけですから、そうなれば六十年八月以降までこれは全然パアだということなんかも想定しますからね。ですから、NHKとしては、少なくとも今日二つ正常に作動しているからそれに基づいてやるんですよということだけじゃなくて、十分な配慮をしていただきたいと思うんです。で、原因もわからないし、初めてやることですから試行錯誤の連続もあるでしょうし、難しい問題もたくさんあるわけでありますが、今原因の解明がされない中ではありますが、大臣、何か今のやりとりの中で御感想ありますか。
  99. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 私もこの話を聞いたときに、何だと、実験のときの段階ならいざ知らず、実用段階でそういったことは大変な話じゃないかという形で科技庁ともお話ししたわけですけれども、科技庁側は、そういったパーフェクトな形から万一の場合ということも想定してこういった同じ中継器でも三つ積んで、万が一、一つの場合には二つが作動するという、しかも制御のセンサーの問題にしても、電波センサーと太陽センサーで、一つがあれになった場合には太陽センサーでそういった制御ができる、機能を発揮できるという形で担保してあるんだということでございます。  もう既に先生の御指摘のとおりに、もう五月からNHKの波が二波出ると。これに対しては全く支障ないのかという形では、いや全く順調に今の実験段階ではやっていますし、支障ないと。じゃあ万が一の場合を考えて予備機を少し早く飛ばす形で計画変更したらどうだという形については、いやその予備機が予定どおり来年八月ということでございますけれども、ともかく大丈夫だと。もうこれは技術当局が大丈夫、二波で十分やれますと自信持ってやっているのに、おまえそんなもの万が一の場合、この二つのうち、また同じことでもう一つだめになったら一体責任どうするんだというような形については、大丈夫だと言うんですから、これはもう私もそういった形を信頼して、NHK側ももちろん二波を出す準備を五月から進めているわけですし、技術当局もあとのこの一波に対しては十分担保できると、現在も順調にいっておるという形ですし、2bを早く飛ばせと言っても、いや飛ばさなくてもやれるということですから、これはもうそういった形を信頼して今後とも見守っていくということでございます。しかし、まあ原因究明も徐々に進みつつあるようでございますから、万全の対策をこれからもやっぱり講じていかなきゃなりませんけれども、既定の形で二波放送が五月からできるという方向で対処しておるわけでございます。
  100. 大森昭

    大森昭君 いや、まあ大臣がそういうことで決断されたことですからあれですが、ただ特別サービスでやるわけじゃなくて、実は二十万も三十万も経費をかけるわけですよね。ここのところをひとつやっぱり考えていただきませんと、深夜放送で特別放送が流れていたと、いやそれがだめになったというんならまあしょうがないなということになりますがね。これはあなた、番組も一〇%といいあるいは三〇%といい新しい番組を流しますよと、そういう形でもってNHKが番組編成するわけですから、したがってそれを見たいということでもって買うわけですから、これがだめになったと言ったらこれは全くペテン師というか詐欺師というか――いやいや、本当に電気業界の方はさんざんアンテナを売ってもうかったもうかったと言って、途中でとまったなんて言ったら――ちょっと無料サービスが中断したというんなら、まあこれは初の衛星だからいろんなことがあるわいということであきらめもつきますが、支出が伴うものですから私も心配しておるわけです。  いずれにしても、大臣が言われたように、現状としてはその技術信頼しということなんですけれどもね。とにかく五月の十二日というと、もう気の早い人はアンテナ買っているのかな、よくわかりませんがね。今のことでやらざるを得ないの かもわかりませんが、より被害者をふやさないためにも、よく科技庁と連携を密にしてもらって対処していただくことをお願いをしておきます。  次に、この間郵務局長に、郵便事業の大改革として郵便輸送システムの変革を行ったわけでありますが、せんだってもちょっと申し上げましたように、まあ初の職場の服務の編成ですからいろいろ混乱があるわけでありますが、いずれにしても今調査をしているというんですが、調査はいつごろ始まっていつごろ終わるんですか。
  101. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 二月一日から輸送システムの改善を行いまして、それに伴いまして地域区分局におきましては特に夜間における郵便物の作業がふえましたし、そのほかの集配局におきましては早朝の処理作業が増加いたしましたが、逆に夜間処理作業は減少した、そういったいろいろな変化が起こっております。それらにつきましては、例年ですと五月に郵便物数調査というものを定期的に三日間行って、それに基づいて要員等の検討をいたすわけですが、ことしはそういった事情もございますので、五月物数調査を一カ月間早めまして四月の十八、十九、二十日という三日間で調査をいたしまして、その結果に基づきましてできるだけ早い時期に所要の調整を行いたいというふうに思っておりますが、いろいろな作業もございますので、現在のところ遅くとも十月までにはやりたいというふうに考えておるところでございます。
  102. 大森昭

    大森昭君 まあ大変革ですからね、いろんな事情があっても我慢してとにかく一生懸命やろうじゃないかといってこうなっているわけですね。それで、調査四月に早めて十月にならないとというのは、十月までまあいろんなことがあるけれどもとにかく我慢してやってくれと、こういうことですか。
  103. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 今回の改善で一般局は、どちらかと申しますと、仕事が軽くなっております。その部分が逆に地域区分局の負担がふえておるということで、今回の改正に当たりましても、全国八十八の地域区分局には約三千名の増員を行ったわけでございますが、実態調査をいたしまして、その結果一般局がさらに余裕がある、地域区分局は予想よりももっと厳しいといったような仮に結果が出ますと、一方において減員、一方において増員といったような措置が伴うわけでございまして、軽々にはできない、慎重にそういった点を検討した上でなければ実施できませんので、四月に物数調査をいたしまして、できるだけ早く実施するといたしましても十月ごろになるんではないかと。できるだけ早くやりたいとは思っておりますが、現在のところそういうふうに考えておるところでございます。
  104. 大森昭

    大森昭君 専門的なあれですけれども地域区分局というのが一番大変なところなんで、そこが我慢しているわけですから、とにかく今の段階では科学的というか実態調査が明らかにならなきゃ改善できないことはわかりますが、一番苦労しているところはこれは地域区分局ですから、そういうことでぜひ調査を行った結果を早目にひとつ、そこの職員に改善策があるとすればやっていただきたいと思うんです。今度の五九・二だけでこれ郵便輸送のシステムというのは全部終わるわけじゃないように聞いておりますが、何か首都圏における改正といいますか、についてはまだ引き続き来年行うということのようですが、どういう構想なんですか。
  105. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 東京圏は、郵便の取り扱い物数も約三分の一程度を占めておりまして、非常にそのウエートが高いわけです。したがいまして、東京圏の郵便施設を改善しようとしますと、その施設、局舎施設、運送施設等につきまして大幅な改善を要しますので、五十九年二月一日の施設改善につきましては、非常に時間の制約もございましたので同時に実施することが困難であったわけでございます。  したがいまして、一歩おくれて東京圏の施設改善について着手しなければならないというふうに考えておりますが、わかりやすく一例を申しますと、要するに、東京中央郵便局の業務をいかに分散するかということでございます。例えば東京都か、いわゆる多摩地域と申しておりますが、多摩地域の区分事務も現在はすべて東京中央でやっております。そういった多摩地域につきましては、多摩地域専門の地域区分局を設置してそこで仕事をやらせるという方向が望ましい姿でございまして、五十九年度の予算におきまして、多摩地域区分局の土地の買収費、一万八千平米につきまして既に御承認を得たところでございます。  しかしながら、そういった多摩地域区分局を設置するにいたしましても年月がかかります。いかに早くやっても三、四年かかりますので、私どもはさしむき仮設をつくって、来年度中にでも暫定的にやりたいということで計画を立てておりますが、適当な敷地等が現在のところまだ見つかっておりませんので、六十年三月に実施すべく計画を持っておりましたが、若干時期が延びざるを得ないというふうに考えております。多摩地域につきましては東京圏改善の一例でございますが、そのほかの面につきましてもいろいろな改善施策を、現在、案を固めつつあるという段階でございます。
  106. 大森昭

    大森昭君 いずれにしても、東京中郵という郵便局は大変な職場であるということがよくわかりましたけれども計画が少しおくれているようでありますが、とにかく東京が大体全国の三分の一ぐらい稼ぎ高なわけですからね。いずれにしても少し時期は延びるようでありますけれども、なるたけ集中しないようにひとつ改革をしていただきたいと思います。  そこで、いろんな文書を読んでおりますと、永岡郵務局長の論文がいろいろ出てるんですがね。郵便もいろんなことで問題がたくさん山積をしておりますが、とにかく積極的な需要の拡大だとか、あるいは徹底した効率化の推進だとか、良質のサービスを提供しなきゃいけないということが郵務局長の趣旨合いのようでありますが、しかしいずれにしても郵便事業というのは、もちろんそういう目標に向かって事業の変革を行うわけでありますが、依然として人力依存の高い事業であります。職場の活性化だとか、あるいは今言われたようなシステムを有効的に考えていくにいたしましても、そこに働く一人一人の職員が職責をどう果たしていくかということがやっぱり問題の最重点だろうと思うんですが、そういう中で局長は、そういう職場の事情の中で何か具体策はお持ちなんですか。
  107. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 先生お話しのように、郵便事業は機械化が進んできたとはいえ、やはり電話事業等とははるかに違った人力依存型の事業でございます。そういった意味で、郵便関係十四万人の職員一人一人がその能力を最大限に発揮することが事業の正常な運行のために欠くことのできないことであることは十分承知しておるつもりでございまして、労働条件の改善を初め、職場の活性化のための施策については常に配意しているところでございます。  五十九年二月一日からの郵便輸送システムの改善に当たりましても、週休二日制の前進とか、夜間特勤手当の増額等、見方によっては不十分だと言われるかもわかりませんが、私どもとしては精いっぱいの努力を重ねてきておるところでございます。  そのほか、職員の一人一人がやはり郵便の現状を十分認識して、激しい競争の時代に入っているといったことを自覚することも大切なことでございますので、「郵便事業の危機を訴える」といったような冊子を十四万人職員全員に昨年の六月に配付する等をして、職員の士気を高めることについてこれまでも努力をしてまいりましたが、今後ともそういった感覚で事業を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  108. 大森昭

    大森昭君 郵務局長にこれ以上質問しても無理なのかもわかりませんが、私はそういうシステムの変更だとか、あるいは週休二日の話も出ましたけれども、そういう制度的なものじゃなくて、例えばあなたが言われている積極的な需要拡大、営業活動ですね、一般民間企業でいきますと、営業 活動非常に優秀な人というのは、仮にそれをある営業所に置いていたら非常にそこがよくなったと、そうしたら今度違う営業所にその営業の力のある人を派遣して営業の力のないところを力を強めるとか、あるいはもっと言えば、支店にいたって有効な能力を持っている人はもったいないから、とにかく本社の方へその人を持ってきて、そしてその営業活動についてやらせるとか、こういうことをしなければ、幾ら積極的な事業の拡大だとかと言ったって、あるいは職員一人一人がいろんな意味合いでやってもらわなきゃいけないんだと言っても、今みたいに、例えば本省の次席なら一たんみんな現場へ出ていただきますよ、帰ってくるときは係長で帰ってもらいますとか、営業をやっていた方がどこかの別なところのポストヘ行っているとか、これじゃ幾ら事業の拡大だとかをうたってみても、良質なサービスをうたってみても――ですから、きょうはこれ以上余り詰めませんが、実際に今民間との競合の関係で貯金保険も大変だ、郵便も大変だと言って、それぞれ地域に密着してとかスローガンを並べ立てているわけですけれども、全体的に事業局として、やはり人事のことは人事局に任すというんじゃなくて、各事業局のそれぞれの皆さん方が、人事というのはどうあるべきか、七十名の局長をやったから二年たったら百名の局長にする、百名の局長が二年たったら百三十名の局長にする、こういう依然として変わらないシステムの中で、幾ら高邁なことをスローガンに上げたって達成できないんですよ。  ですから、局長のその基本方針というのは言葉の上ではよく理解できますが、本当に営業活動をまさに積極的に事業拡大をするんだということになれば、郵務局長としてはどういう人材をどういうところに配置をした方がより効率的にこの事業発展はできるんだというものを持ちながら、例えば人事のあり方についてはこうあるべきだという、これは省内で恐らく部局長会議かなんか開いてある一定の方向が決まれば、これはまた大臣に決裁をもらわなきゃいけないのかもわかりませんが、そういう形にしませんと、郵務は郵務で幾ら言ったって、営業活動を立派にやった人がどこかのところへ行っちゃってやっていたんじゃ、これ何も意味ないでしょう。  だから、どうかひとつそういう意味合いで、郵便事業も大変な局面の中でいろいろ局長も苦労しておると思うんですが、省内の中で一回討論してみてくださいよ。私は何回もこの問題を提起したって一回もそれらしい変わったなんて話を聞いたことないんだよね。どうせ大森昭の言うことなんてろくなことじゃないだろうと聞いているんだろうと思うんですがね。ある人はよくしつこく言うんですよ、先生はよく人事のことをしつこく言いますなあと言うんですよ。いや、しつこいんじゃなくて、僕はこれが基本だと言うんですよ、郵政事業運営する基本はこの人事じゃないかと。  それから、ついでに申し上げますが、今労働省も単身赴任者のことについて、この間も新聞に出ておりましたけれども、いろんな調査をしていますね。それから文部省も、高校生がいて、それで単身になる可能性があるから、何とか補欠を少しふやして、学校の面倒を見て単身ができないようになんていうことを検討しているようですけれどもね。これもまた私も何回か指摘しているんですがね。ある意味で単身も郵政行政の中ではやむを得ないことなんですけれども、しかし単身というのは大変だなという角度でこれまたできるだけ人事をやってもらいませんと、幾ら事業の拡大だ営業活動だと言っても、いやうちのせがれはどうなっているかな、お母ちゃんはどうなっているかなと、単身でもって生活は二重の負担ですよ。それで一人一人が職場の活性化をするために、事業を守るためにと言ったって、これはなかなかそう器用なわけにはいきませんよね、正直言って。そうなってくれば、やっぱりこの単身のことはある程度やむを得ないとしても、単身をなるだけ少なくする、あるいは単身でやってもらう場合にはどういう施策をしなきゃいけないか、こういうことも、いやこれは人事局のことだから、郵務局長余り関係ないんだ、貯金局長も関係ないんだ、保険局長も関係ないんだなんて言ってやっていたんじゃだめなんで、きょう人事局長おられますが、これは答弁要りませんが、人事局長もそれは苦労はしているんだろうと思うんですが、やっぱり各事業局長が集まって、これは事業を行う上の最大の問題だと私は理解していますから、今度逓信委員会で私が質問したときは、かくかくしかじかでこういう問題があってこういうことでというふうに答弁できるようにしてくださいよ。言っているやつがばかだと言われちゃうよね、本当の話。  そういうことでひとつお願いしたいんですが、とりわけ昨年の臨調で内外勤の制度を一本化したらどうかというようなことが指摘をされております。郵政省はこういう臨調の答申指摘がされたとかされないとかは別にして、一体この答申をどういうふうに受けとめて、今いかなる準備段階に入っているのか、あるいは実施をしないのかわかりませんが、これはどういうことなんですか。
  109. 三浦一郎

    政府委員(三浦一郎君) お答えいたします。  郵政事業における職員の服務形態は、御承知のとおり、大規模局においては専担制、それから小規模局では内外別の総合服務制をとってきている、これによりまして職員の能率向上、それから要員配置の効率化、それから業務の適正運行、こういった中で歴史的な流れで定着している、このように存じておる次第でございます。  しかし、今先生のおっしゃいました臨調答申、内外共通の服務方法と、こういうことになりますと、やはり現在郵政事業は非常に厳しい環境に取り囲まれておる、これによりましてどうやって適切に対応するか、これは仕事の分野ごとに内外別というようなことになるかと思いますけれども、そういったことで幾つか考えますと、仕事の内容によってはとり得る方法ではなかろうか、このように考えておる次第でございます。したがいまして、今後事業環境の変化、これに伴って業務量あるいは業務内容、そういった状況を見ながら、こういった実施に当たっての問題点、これについて研究してみたいと、このように考えているところでございます。
  110. 大森昭

    大森昭君 昨年、臨調で答申が出されたけれども、まだ検討段階と、こういうことですか。
  111. 三浦一郎

    政府委員(三浦一郎君) さようでございます。
  112. 大森昭

    大森昭君 何年かかっても検討してもらってもいいんですが、しかし、私は端的に申し上げますが、これは内外の職務を一本化するという問題提起だけじゃないんですね、と私はこう素直に理解するんですよ。そうすると、郵政事業の中で、要員配置の問題についても部分指摘されているということだから、内外の答申が出たそのことだけを検討するというんじゃなくて、大きな三十何万も郵政職員いるわけですから、一体この服務のあり方について、あるいは要員の配置について何かやっぱり検討しなきゃいけないんじゃないかということを、恐らくこれは臨調の方が職場を見ながら指摘された部分だと思うんですね。  ですから、そういう意味合いからいくと、きょうは余り時間がありませんから言いませんが、例えば特定局制度の問題についても、今まで長い歴史を持ってきたけれども、どういうふうに変革をした方がいいのか悪いのか。必ずしも変革しろと僕は言っているわけじゃないけれども、そういう問題もやっぱり根底から、今郵政事業が置かれておる状態を見直すというところに着目しなければ、臨調からこう言われたらこれだけどうする、人にこれを言われたらこれだけどうするなんていうことでは、先ほど片山先生ニューメディア時代の話をいろんな角度でもってやっているわけですけれども貯金保険郵便の方は依然として旧態依然のシステムと言っちゃやおかしいんですが、百年以上の伝統を守ってなんていうんじゃ、これは全然、郵政省――片一方はずっと二十一世紀に行っていて、今までのやつは、明治時代じゃこれじゃよくないと思うんです。これは少し言い過ぎたかもわかりませんがね。大臣ニューメディアの方に大変精力的にやられているのはいいんですけれども郵政大臣貯金保険郵便も所 管でございますので、どうかひとつ新しい視点大臣も見ていただきたいと思うんです。  そこで、郵便局舎の改善も大分御努力をしていただいているわけでありますが、何か五十九年度の予算を見ると減っているんですが、これはどういうことなんでしょうね。
  113. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 昭和三十年度以降、省の重要施策としまして局舎改善に努めてきました結果、大規模局等におきましては所要の改善が図られましたこともございますし、また事業財政事情が五十九年度は百五十五億円の単年度赤字ということ等も考慮しまして、前年度予算に比べまして若干改善の予算規模を縮減いたしたところでございます。
  114. 大森昭

    大森昭君 まあ答弁だとそういう答弁になるんですが、大臣もひとつ郵政大臣になられたわけでありますから、少し局舎などについても関心を持たれまして、御出身の石川県能登半島の方もお回りになったときには、ひとつ郵便局舎が今郵務局長が言うように大変立派になっているかどうか、御視察をしていただきたいと思うんでありますが。  それから、今教育臨調でいろんなことが言われておりますが、郵政省の中の企業訓練もあるわけでありますが、これもどうも郵政事業政策局と言うんですか、電気通信も大きく変化をし、郵政省が監督をするということになっておりますが、従来の企業内における訓練なんかはどうなんですか。これを見直すようなことは考えているんですか、人事局長
  115. 三浦一郎

    政府委員(三浦一郎君) 訓練でございますけれども、現在各種の訓練をやっておりますけれども、これの内容を現在の状況に合わせまして充実していきたい、このように考えております。
  116. 大森昭

    大森昭君 いや、内容を充実したいというのは、変更しようがしまいが内容を充実するんですけれども、何か特段変わったことを考えておりますかと言っているんです。
  117. 三浦一郎

    政府委員(三浦一郎君) 実際この郵政事業、確かに人力というものに非常に依存するというところでございますので、常に従来から力を入れておるというのが実態でございます。それで、現在郵政事業を取り巻く環境も非常に厳しく変化しておる、こういった中でお客様の期待にこたえてよりよいサービスを提供していきたい。特に昨今競合下におきます営業感覚、先ほど先生もおっしゃいましたその営業感覚というものが重要であろう、このように考えております。それから情報処理、それからこういった技術革新への対抗、それから民間企業における品質管理サークル、こういったのと同様な小集団活動、これのための推進の訓練、こういった点で拡充強化を図っておる。今後ともさらに時代に合わせての効率的な訓練を実施いたしたい、このように考えております。
  118. 大森昭

    大森昭君 大分嫌みったらしいことで申しわけないのでありますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、例えば新聞に単身問題が問題になれば、一体我が企業の中では単身の人というのはどういう状態なのかなと、あるいは教育問題がいろんな大きな問題になっているときは、一体我が郵政事業の中におけるやっぱり訓練だとか教育という機関は見直さなければいけないのかなというように、最大の努力をされているのかもわかりませんが、そういうようにしていきませんと、私はなかなかこの郵政事業を、この間も貯金の問題、保険の問題、取り上げてやりましたけれども郵便の問題も郵務局長先ほど力説しているように輸送システムを大変革をしていって御努力をしていますが、しかしなかなかそれだけでは事業発展というのは難しいんじゃないかという感じがいたします。  したがいまして、そういうように大きな世の中の流れの中で一体我が郵政事業はそれに相応してどうかと。きょうも本当は単身者が何人ぐらいおられて、単身者の実態調査というものをしたことがあるのかというようなことも質問したいと思ったんですが、どうもそういう何か嫌みったらしいみたいなことを質問するのも次元も低いからと思ってきょうは遠慮したんですけれども、どうかひとつ問題をそれぞれ我が身に当てはめて検討していただくことをお願いいたしまして、これで質問を終わりますが、大臣、何か御感想ありますか。
  119. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 大変御示唆に富んだお話で、本当に郵政部内の内容のことは一番だれよりも詳しい先生でございますので、大変御指導いただいてありがとうございました。  ただ、全く共感と申しますか、これを契機にやっぱりやらなければいかぬと思うことは、官業と民業の比較をして一番思うことは、やっぱり人材を、いかにして有能な人を見出す努力を不断にやっておるかどうかという形が民業に比較すると劣っておるように思うんです。やはり今までの定着した制度の中でマンネリ化してきておるというか、もうそういった意味合いでは企業努力に情熱を傾けて、また仲間意識をかき立ててリーダーシップを発揮するような人を、民間だと思い切って登用するとか、そういった形の活力の面において、確かに御指摘のとおりだなあ、考えさせられるなあと思っております。  ですから、今後とも省内議論は大いにあってしかるべしだと思いますし、私も決してニューメディアぼけばかりになっておるわけじゃないんですし、根幹はあくまでも郵政事業を主力にした郵政省であるという基本的な理念だけは管理に当たる大臣としては一日も忘れたことがないということだけ付言して、御意見を御参考にさせていただきたいと思っております。
  120. 大森昭

    大森昭君 どうもありがとうございました。
  121. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時から再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ―――――・―――――    午後一時一分開会
  122. 大木正吾

    委員長大木正吾君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  123. 服部信吾

    ○服部信吾君 初めに、郵便事業についてお伺いいたします。  最近、民間宅配業等の進出等によっていろいろ状況も大変厳しい、このように言われておりますけれども大臣もさきの所信表明で郵便事業を取り巻く環境の厳しさを指摘されております。また郵務局長も、昨年六月、全郵便局関係の職員に対して、「郵便事業の危機を訴える」こういうことで異例の声明を発表しておりますけれども、そこでまず、五十六年一月の料金改定後きょうまでの郵便の利用動向について説明を願いたいと思います。
  124. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 今先生の御質問でございますけれども、五十九年二月からのいわば民間宅配に対抗するために相当なシステムを改善したことは事実でございますけれども、今郵務局長が管内の職員に対してどういう形で指示をしたかというようなことはちょっと今私念頭にございませんので、今呼び寄せておりますので、参りましたらすぐ答弁させていただきます。
  125. 服部信吾

    ○服部信吾君 じゃ、戻られましたらひとつ。  これも同じ質問になっちゃうな。いなくちゃ困るな。小包郵便もそうですね、これは。
  126. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 何かわかることでしたら……。
  127. 服部信吾

    ○服部信吾君 じゃ次に、郵便事業財政についてお尋ねいたします。  大臣は所信表明において、郵便事業財政につきましては、昭和五十六年一月の料金改定により収支改善が図られてきたところでありますが、事業を取り巻く社会経済環境は大変厳しい、そういうことで昭和五十九年度予算政府原案では遺憾ながら百五十五億円の欠損金を計上しておると思いますけれども、そこでまず、料金改定後の郵便事業財政の数字について説明していただきたいと 思います。
  128. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) ちょっとこれは先生、大変申しわけございませんけれども財政的な経緯については今政府委員を呼び寄せております。  ただ、去年までは先般の五十六年改定によって郵政の大体経営的な安定は図ってきたわけでございますけれども、五十九年度の見通しては、確かに今御指摘のように、百五十五億くらいの欠損を予定しておるわけでございます。しかし、これらも、今日やっておるシステムの改善、経営の効率化、労使一体態勢の中で何とかこの赤字を最小限の形の中で食いとめたいというところで努力いたしております。  非常に手違いで申しわけございませんけれども
  129. 服部信吾

    ○服部信吾君 じゃ、そういうことで大変欠損金を出しておるということで、やはりこれはまた料金値上げにつながるんじゃないか、国民の間でもこういう心配があると思うんですけれども大臣、この点はどうですか。
  130. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 安易に考えると、そういった形の繰り返しで今日の事業の推移、そういう形にならないように、目下いろいろな形の中での労使交渉の過程も踏まえて、今年度の予算見込みの中でも百五十五億くらいの赤字を、できればゼロ、もしくは黒字にまで持っていくための最大の努力を傾注したい。したがって、値上げに関しましては何としても食いとめたいというのが私の考えでございます。
  131. 服部信吾

    ○服部信吾君 ひとつそういうことで、できるだけ値上げは抑えていただきたいと思います。  じゃ今度電電公社の方にお伺いしたいと思うんですけれども、総理府の世論調査の中でいわゆるニューメディアに対する周知度及び利用意向、こういうものがあります。その中で新しい情報システムについていろいろ質問しているわけでありますけれども、例えば知っているニューメディアでも、有線テレビ――CATVは二四%、それから文字多重放送これは二〇%だと、しかし、電電公社がこれから二十一世紀を目指してこのニューメディア、そういうことでINS――高度情報通信システムあるいはキャプテンシステム、こういうものについては約一〇%しか知らない、こういうことなんですけれども、これに対して総裁、どのようにお考えですか。
  132. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) 今、去年の春ごろからこのニューメディアというのがようやく国内でいろいろマスメディアの中に盛んに出てくるようになったところでございまして、私どもも私どもなりにいろんな機会を積極的につくりまして、これから先の電電を中心にする電気通信設備の性能がこういうふうに技術革新のおかげで変わっていきます。そうすると、こういうふうなお役に立てられますからというふうなことをPRしておりますが、まだ大多数の皆さんにそういうことを十分理解していただけるだけに普及していないということは確かだと思います。  ただ、この最近のニューメディア関係のいろんな論議が、VANとか、あるいは第二電電とかというふうなことにトピックスが移っていますので、今御質問のような趣旨の地味な方面のPRがちょっとここのところ、ここ一、二カ月薄れてきたなという感じはしておりますが、私どもは私どもなりに、あらゆる機会をとらえて、またあらゆる組織の中に入り込んで、そういうことができるようにというふうにPRはしておりますが、ここ一年前に比べますと随分普及してきたとは思いますけれども、まだ十分じゃございません。もちろん今から具体的に皆様の生活に直結するようになりますまでにはまだ三、四年から四、五かかりますので、そうそうおくれておるとも思っておりませんけれども
  133. 服部信吾

    ○服部信吾君 まだやってから短いというようなことのようでございますけれども、ネーミングというのはやっぱり非常に国民生活に密着するものなんですね。ですから、例えばINS、それからINFというのもありますね。それからIMFというのもあるわけです。それぞれがみんな、いろいろなあれがあるわけですね。例えば、一字違ったINFの場合は、いわゆる中距離核戦略交渉とか、大変違ったあれになってくるわけですね。IMFというと国際通貨基金だと。じゃ、電電公社が通貨基金やるのかというような、銀行になったのかとかね。先ほど総裁が言われたとおり、こういう名前というのは国民生活に大変密着しているということで、これからいよいよ電電公社が二十一世紀に向けてすばらしい夢を国民に対して与えていくんだという、そういうことですので、もう少し――INSというと何となく、括弧して高度通信、何かかたい感じがして、国民になかなか親しめる感じがない、そういうことで、この辺ちょっと何か変える方法ありませんか。
  134. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) 私も、いろんなところに呼び出されて、時々そういう話をさせられますけれども、要するにINSという言葉を入れますと非常にわかりにくくなりますので、できるだけそういう言葉を使わないような説明の仕方をしておりますけれども、要するに交換機が電子計算機と同じものに変わるんだと。変わると、電子計算機が何でもできるように、交換機自体が何でもできるようになってくるんで、今の銅線のままでも、銅線の中を通せる信号の量がけた違いに大きくなるので、こういうこともできます、ああいうこともできますと。そうしますと、随分電話線の使い方というものが変わってきて、世の中にもっともっと生活に密着した使い方が伸びてくるだろう。そういうのが、国内でどこでもどなたにでもすぐ、そういうサービスが欲しいとおっしゃる方に提供できるようになるのが、六十三年の四月以降になると、皆様にどこででもそういうサービスは提供できるようになります。その一年前に地方の県庁の所在地まではいけます、それから、その一年前にこうこうだというふうに説明しておりますが、案外よくわかっていただけるようでございますけれども、光ファイバーというのは皆さんの御家庭まで入り込むのはそれからずっとまたおくれます、それはなぜかというと、値段が高いからだというふうに申し上げるとだんだんわかっていただけるんですが、INSという言葉をしょっぱなから出しますと、何かINSというのはソフトも入れた特殊のからくりがあるかのようなふうに了解されまして、非常にわかりにくくなるようでございますので、できるだけそういう説明の仕方は私自身としてはやらぬようにしておりますけれども電電人間がいろいろ説明しますので、やはりその人間技術の状態その他考えましていろんな説明の仕方をしておりますので、必ずしもその説明の仕方を統制いたしておりませんものですから、出発点の時分にちょっと混乱した点も多少あったことは事実でございます。
  135. 服部信吾

    ○服部信吾君 そこで、やっぱり一つ提案したいんですよ。というのは、やはりこれからの二十一世紀の国民にバラ色の夢を与えるというようなそういう面からいって、例えば名前を国民の間で募集するとか、これをやったらかなり集まってくるんじゃないんですか、まだまだ時間がちょっとあるようですからね。INSなんという、これも結構ですけれども、例えばハッピー通信とか何か、要するにもうちょい密着をさせるというようなことで募集をして、一番いいものができれば懸賞金を与えるとか、そこにやっぱり国民の参加意識が出てくる、そうして二十一世紀はこういう時代になるんだよというようなことをひとつお考え願えませんでしょうか。
  136. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) 私どもの広報室で、今おっしゃいましたようなことに気がつきまして、今そういうことの勉強を始めるところでございますが、まことにありがとうございます。非常に適切な御提言いただきまして、ちょうどそっちの方に私どもの考えも向き始めたところでございますので、できるだけ御意見を入れて今後うまいぐあいにやっていきます。
  137. 服部信吾

    ○服部信吾君 それで、現在電電公社の提唱するINSと、それから、郵政省が目指しているISDN――総合サービスデジタル通信網、こういうものが計画されているようですけれども、これは 機能とかそういうものはINSとそんなに変わらないんじゃないんですか。この点どうですか。
  138. 小山森也

    政府委員小山森也君) ISDNという言葉はITUの国際的な共通語でございまして、これは、要するに統合サービスデジタルネットワークということでございます。これは国内で、電電公社はもっとわかりやすく、我々に身近にということでINSという言葉でそれを言いあらわしたもので、どっちが先かというのはなかなか微妙なんでございますけれども、ISDNというのは今国際的な使い方になっておる次第でございます。
  139. 服部信吾

    ○服部信吾君 そうすると同じものと、こういうふうに考えていいわけですね。それじゃないと、通産省とかいろいろあるわけですから、郵政省電電公社でまたやると、親子げんかになっちゃいますね。この辺はどうですか。
  140. 小山森也

    政府委員小山森也君) 技術的には同じものを指しております。
  141. 服部信吾

    ○服部信吾君 そうなったら、じゃ名前をひとつ統一していただきたいと思うんですが、どうですか、これは。
  142. 小山森也

    政府委員小山森也君) ただいま申し上げましたように、国際的な言葉をそのまま私ども持ち込んでいるものですから、これを国内的にどうするかということは、やはりまたいろいろ電電公社とも検討いたしたいと思います。
  143. 服部信吾

    ○服部信吾君 その件についてよくひとつ検討してもらいたいと思います。  本年九月に武蔵野・三鷹地域においてINSのモデルシステムが開始されるようでありますけれども、そこで、まずINSの基本理念、その形成の見通し、この面についてお伺いしておきます。
  144. 桑原守二

    説明員(桑原守二君) ただいまの御質問にございました三鷹のモデルシステムでINSの実験を行うわけでございまして、ことしの九月末ごろには運用が開始できるように現在準備を進めているところでございます。  このモデルシステムで実験を行う目的でございますが、先ほどお話がありましたように、INSというものは、今後電話以外の新しいサービスを、より効率的に、より安い値段で御利用いただけるようなシステムを目指しているわけでございますが、そのシステムを構築するに当たりましては、最新のデジタルを中心とします技術を駆使してまいります。その技術確認を行うことが一つ目的でございます。また、そのような新しいサービスを現実のビジネスの場、あるいは生活の場で実際に御利用していただきましたときに、その利用の仕方であるとか、需要がどうであるかというような基礎データを収集するということが必要と考えておりまして、それらの実際の試験の場でそのようなものを確かめていくというために、パイロットプラントとしてモデルシステムを構築したいというふうに考えているわけでございます。
  145. 服部信吾

    ○服部信吾君 INSの実現に要する必要資金、あるいはその調達方法、それから五十九年度のINS関連予算についてお伺いしておきます。
  146. 岩下健

    説明員(岩下健君) お答えいたします。  いわゆるINS全体の形成に今後どのくらいの金額がかかるのかということにつきましては、今の時点でこれが何兆円といったような具体的な数字をもって明確に申し上げられるだけのまだ準備といいますか、時期にはないかと思いますが、例えば設備投資の金額で申し上げまして、五十八年度が一兆六千百億円、五十九年度が一兆七千百億円、今の時点で考えまして、まず当分の間この程度の投資レベルを必要とするだろうというふうに考えておるわけでございます。  これの資金の調達につきましては、まず第一に財務の健全化を図る意味から言いましても、経営努力によります内部資金をできるだけ充実をさして、できる限りこれをもって充てる。で、不足する分を外部資金、つまり借り入れをもって充てるということを予定をしておるわけでございますし、現に先般成立いたしました五十九年度予算におきましても、所要額のうち、これは債務償還のための資金も含めてでございますけれども、約二兆四千億円のうち六十数%は内部資金をもって、また三〇%強は借入資金をもって賄うというような状況でございまして、こういったできるだけ借金に依存しない、自己資金の充実を図るということを基本としまして、今後この資金調達につきまして対処をしていきたいというふうに考えております。
  147. 服部信吾

    ○服部信吾君 今後、INSの効率的形成のために研究開発費、これが大変増加すると思いますけれども、この点はどうですか。
  148. 岩下健

    説明員(岩下健君) 御指摘のように、この公社の事業、なかんずくこのINSの形成につきましては、研究開発というのはまさに必要不可欠の仕事であろうというふうに考えております。で、具体的に五十九年度におきましては各種の研究設備の建設、人件費等を含めまして千二百六十六億円を予定しておりまして、これは五十八年度に比べまして約三百三十億円、率で三十数%の増加になっております。
  149. 服部信吾

    ○服部信吾君 その研究開発の中で基礎研究と実用化研究、この辺の割合はどのようになっていますか。
  150. 岩下健

    説明員(岩下健君) 私どもの場合には、その研究の成果は言ってみればすべてサービスの改善なり拡充、つまりお客様の用に役立てるということにつながっておりますので、そういう意味で言いますと、いわゆる基礎研究、それからいわゆる実用化研究というところの線が引きにくいわけでございますが、基礎研究と申しましても、基礎研究のためだけの研究ではございません。必ずこれはサービスの改善、拡充につながるものとして実施をしております。と同時にまた、いわゆる実用化研究もそれ単独では、テーマによりましてはできませんで、まあ言ってみれば花を吹かせるためのもとになる基礎的な研究も当然必要になっておるわけでございます。
  151. 服部信吾

    ○服部信吾君 今後、公社がいわゆる特殊会社化してくる、そういうことになりますと、大変基礎研究というのがおろそかになるんじゃないか、そういうことが大変危惧されるわけでありますけれども、この辺の基本的な考えはどうですか。
  152. 岩下健

    説明員(岩下健君) 公社の経営形態のいかんにかかわらず、こうした電気通信事業というものにとっての研究開発の仕事の重要性は先ほど申し上げましたとおりでございます。で、今後の予定といいますか、現在想定しておりますような競争関係のより大きな出現あるいはまた民営化といったような事態を考えました場合には、ある意味では、事業のためにも、また利用者の皆さんのためにも、研究開発の必要性というものは従来よりも増すというように考えておりますので、私どもとしましては現在、従来行ってきました研究開発のレベル以上のものを将来ともに続けてまいりたいというふうに考えておるわけであります。
  153. 服部信吾

    ○服部信吾君 次に、料金問題についてお伺いしたいんですけれども電電公社としてはINSの利用料金についてはいわゆる遠近格差のない、ほぼ全国均一料金で現在の電話料金の水準と大幅に変わらない料金としたい、このように言われておりますけれども、その理由と実現時期はいかがですか。
  154. 草加英資

    説明員(草加英資君) 今先生が御指摘いただきましたように、私ども目的としているINSの時代におきましては、情報格差を縮小し、企業活動、社会生活の効率化に役立つように遠近格差をほとんどゼロにし、さらにどこの地域からでも電話、データ通信、ファクシミリ等、多彩なサービスを豊富に手軽に利用できるようにするというのが目的でございます。  そういう意味で、可処分所得の範囲内で現在の電話料金の水準とそう大幅に変わらない料金と、さらに先ほど申し上げました遠近格差のほとんどない、全国均一に近い料金または利用形態に合った利用しやすい料金というものが私どもの目指しているINSの料金体系でございまして、今後ディジタル化を進めながら、現在のアナログとディジタルの融合を図りながら、今から約十数年後にすべてディジタル網に統合された暁には、私どもで今申し上げましたような形の料金体系というも のをとる方向にしたいと、このように考えている次第でございます。
  155. 服部信吾

    ○服部信吾君 そうなりますと、例えば区域内通話料金の値上げなんというものを大変心配しておりますけれども、この辺は大丈夫ですか。
  156. 草加英資

    説明員(草加英資君) 現在の御審議いただいております中距離料金の値下げを含めまして過去四回値下げを行ってまいりました。主として遠距離、それから今回中距離の値下げを行ってまいります。電話料金の体系の中では遠近格差の問題と近近格差の問題と二つございまして、遠距離が非常に高いという問題と、それから近距離が、家屋その他が非常に連檐してまいるにかかわらず、料金が非常にあるところで格差があるという近近格差の問題、この二つを大きく抱えておるわけでございますが、遠近格差が四回の値下げで縮小されてまいりましたので、今後この遠近格差をさらに縮小すること、それから近近格差を解消する、このようなことで解決していこうと考えているわけでございます。  この近近格差を解消するに当たりましては、先ほど申し上げましたように、道路一つ隔てたところで料金に大きな格差があるというような問題、または行政区域とそれからいわゆる電話加入区域との乖離の問題、さらには連檐がさらに広がりまして近近格差がさらにスプロールしていくといいますか、広がっていくというような問題等含めまして、現在グループ料金制、イギリスのグループ料金制をとるか、さらにはそれを拡大した形での圏内均一料金制をとるかということで検討しているわけでございまして、それらを含めまして今後料金問題を抜本的に検討させていただきたい、このように考えているところでございます。
  157. 服部信吾

    ○服部信吾君 次に、現在電電公社が情報量課金制度、こういうものを今提唱しているようでありますけれども、これはどういうものですか。なお、郵政大臣としては、この情報量課金制度についてどのようなお考えを持っていらっしゃいますか。
  158. 草加英資

    説明員(草加英資君) まず情報量課金についてお答えいたします。  まず、先ほど申し上げましたように、INSを実現いたすためにはディジタルに変えていくということでございまして、これが完成するのはまだ十数年先の将来の問題でございます。現在のアナログを中心に伝送している通信をディジタル化するわけでございますので、今後電話加入電信、DDX、ファクシミリ、その他すべてがこのディジタルで送られる、こういうことになるわけでございますので、これは一つのビットで換算できるという形になるわけでございます。ただし、いわゆる電気通信サービスというものは、国民の皆様が受ける利用価値というものがどのようなものかということとか、それから効用、コスト、それらを兼ね合わせまして料金をつくっていくわけでございますので、その際に、今申し上げましたいわゆるビット、情報量、これを一つの尺度とはいたしますが、ビットを尺度といたしました形で、利用価値、効用その他を勘案しながら料金をつくる、こう考えておりますので、情報量課金というのはこういう性質のものであると私どもは理解をいたしております。
  159. 小山森也

    政府委員小山森也君) 情報量課金というのは、ただいま公社から御説明ありましたように、サービスのいかんを問わず、情報の量に応じて料金を比例させようという考えだろうと思います。これにつきましては、距離は無視できないとか、あるいは技術的に見て合理的でないという批判もあることはあると思います。今後、いわゆる情報量課金というのは一つの見識ある考え方だとは思いますけれども、コストの配分方法がどうあるべきか、それから音声系と非音声系のサービスが同一の料金体系でよいかとか、さらにこれまでの体系との連続性をどういうふうに考えるかというような問題があろうかと思います。  特に料金というのはこれまでの歴史的なつながりの中の先端にあるものでして、利用者の生活実感というものも無視できない、またそれから国民生活での利用実態の違い、要するに利用、効用の問題でございますけれども、違いというようなものもあります。これらを総合的に勘案して料金体系というのは考えなきゃならないんじゃないか。その上に立って、利用者にとっては安くて安定的に利用しやすい料金、事業体にとっては長期的に安定的なサービスの提供が可能となるような料金、こういうものが設定される必要があるのではないか。したがいまして、情報量課金イコール料金体系にそのままいけるかどうかというのはまだ検討の余地があるのではないか、こう思っております。
  160. 服部信吾

    ○服部信吾君 この制度、これが採用された場合、現行の電話料金が大変大幅に値上がりするんじゃないか、その一方、データ通信等の産業用の料金は何だか値下げになるんじゃないか、こういうふうに心配する向きもあるわけですけれども電電公社としてはどのようにお考えですか。
  161. 草加英資

    説明員(草加英資君) 先ほど申し上げましたように、情報量というのは一つのガイドラインとして料金体系をつくるということでございますので、利用価値とか効用とか、または過去からの経緯その他あらゆることを勘案して料金体系をつくるわけでございますので、情報量のみをもって料金をつくるということではございません。そういう意味では、先生御心配のような情報量に比例してそのまま料金ができるということではございませんので、そういう形で料金をつくるつもりはございません。
  162. 服部信吾

    ○服部信吾君 電電公社では、INS時代に備えて企業通信システムサービス本部、こういうものを設置しているようでありますけれども、その目的と概要について御説明願います。
  163. 岩下健

    説明員(岩下健君) お答えいたします。  この企業通信システムサービス本部、これは昨年の夏、本社で発足をしたわけでございますが、これのねらいは、端的に申し上げまして、お客様、利用者のために従来の縦割りによる業務の非効率性をなくす、またこれによってお客様への窓口の一元化を図ることによりまして、サービスの提供をより的確迅速に行おう、またひいてはこれがコストの節減にもつながる、こういったものをねらったわけでございます。つまり、最近におきます、特に大企業を中心としました独自の総合通信システムを構築したいという御要請、あるいは地域住民の方々の福祉向上のため、あるいは自治体の行政の効率化に役立てる、こういったねらいから、地域におきましてもこういった独自の総合的な通信システムをつくりたいという御要望が非常にふえてきておるわけでございます。  こういったものにつきまして、公社の方へいろいろ御相談といいますか御照会等もございますが、こういったサービスを提供するに当たりまして、私どもとしましては、従来のようないわゆる販売部門、あるいはまた料金を考える料金部門、それから設計を行う設計部門、それから物品の手当てをする資材部門、こういったいわゆる縦割りの仕事のやり方では時間もかかりますし非常に効率が悪い、結局お客様に御迷惑をおかけをするという苦い経験を持っておりますので、この辺の問題を解決するために、今申し上げたようなねらいを持ちましてこの企業通信システム本部をつくったということでございます。
  164. 服部信吾

    ○服部信吾君 民間の方から電電公社に対していろいろとこういう問題に対してクレームがつくんじゃないかというような心配もするわけですけれども郵政省としては電電公社と民間企業との公正競争を確保する、こういうための企業通信システムサービス本部の業務運営のあり方についていろいろな指針を与えているようでありますけれども、その内容、またこの指針に対しての電電公社の対応についてお伺いをしておきます。
  165. 小山森也

    政府委員小山森也君) 御指摘のように、この企業通信システムサービス本部に関しましては、民業圧迫論とか、いろいろな産業界、ユーザー等からいろいろ議論があったことは存じております。したがいまして、郵政省といたしまして、民間産業界とかユーザー等からのヒアリングを行いました。これらの意見をもとにいたしまして、電電公社がこのような業務を行うことが適当なの か、また行うとした場合、どこまで行うのが適切なのか、あるいは同種事業を行う民間企業との調整をどのようにすべきかなどのいろいろな事項につきまして鋭意検討を行ったものでございます。  その検討の結果、本部の業務運営のあり方に関しまして、その行う業務は、公共性が高いものなど、電電公社であればこそ行うのにふさわしいものと、それから民間活力をそぐことのないようにすることなどということを指針の中心にいたしまして、一月に電電公社に対してそういった意味での指針を示したわけでございます。  以上でございます。
  166. 服部信吾

    ○服部信吾君 次に、キャプテンについてお伺いしたいと思いますけれども、本年十一月ごろの実用化に備えて、通信ネットワークの構築、運営会社の設立、情報提供者による各種準備など、いろいろと進められているようでありますけれども、まず、このキャプテンの概要と全国への拡大計画についてお伺いしておきます。
  167. 小山森也

    政府委員小山森也君) キャプテンシステムというのは、国際的にはビデオテックスと言っておりますけれども、世界の各国で今開発、商用化が進められております新しい電気通信システムでございまして、我が国の名称であるのがキャプテンシステムでありまして、世界的にはビデオテックスと言っております。  これは電話とテレビを組み合わせまして、ニュースとか天気予報、それから株価情報などという、そういったものを提供する、一種の画像通信サービスでございます。郵政省電電公社が共同開発いたしまして、五十四年の十二月以降実験を行ってきたんですが、本年十一月からこのシステムを商用化する予定で、現在いろいろな準備を進めているところでございます。そのサービス範囲につきましては、目下電電公社の方で計画を進めているところでございます。
  168. 服部信吾

    ○服部信吾君 このシステムの普及促進を図るためには、利用者にとって使いやすくて、また非常に経済的なシステムであることが必要だと思います。このキャプテンの端末機とそれから文字多重放送用受信機の共用化、こういうものも一つの方法ではないかと思うんですけれども郵政省としてはどのように考えていらっしゃいますか。
  169. 小山森也

    政府委員小山森也君) 今回のキャプテンシステムというのは、結局ネットワークの維持者である電電公社、それから情報提供者、それから端末機器を製造する、いわゆる製造機器部門、この三者が協力してようやくでき上がるシステムでございます。  それで、ただいまそういった意味で、キャプテンシステムの端末機につきまして通信機械のメーカー等で非常に検討していただいているわけですけれども、多重放送等が加わりますと、これがさらに多重放送でもって多重化されるということになればよりよいことになるわけでございまして、まさにニューメディアの最も典型的な一つの統合化ではなかろうかと思っております。ただしかし、今具体的にそのような形で検討していただくかどうかということについてはまだ働きかけは行っておりません。
  170. 服部信吾

    ○服部信吾君 このキャプテンシステムの端末機、これはいろいろ民間の企業で今やっているようですけれども、大分高価なようなものだと思います。大体幾らぐらいですか、これは。
  171. 岩崎昇三

    説明員(岩崎昇三君) お答えいたします。  ただいま正確な数字は持っておりませんので、非常に違いましたら後で訂正さしていただきますが、十万円程度というふうに覚えております。
  172. 服部信吾

    ○服部信吾君 大分高価なもののようでありますけれども、これが大体これからどのくらい国民の間で普及されていくのか。  それから、このキャプテンシステムを利用した場合、通信料のほかに当然情報料というものも払わなくちゃならないと思いますけれども、どのような方法で利用者からこれを徴収しようとするのか、この辺についてお伺いしたい。
  173. 草加英資

    説明員(草加英資君) キャプテンにつきましては先ほどあれしましたように、ことしの十一月を目途に東京でサービスを開始する予定で進めております。また、大阪におきましてもできるだけ時期を合わせるような方向で今検討しているというところでございます。  そこで、東京におきましては当初約八千ぐらいの需要が出るのではないかと。大阪、神戸、京都でも数千の需要が出るのではないかということで見込んでおるわけでございますが、今後需要を大いに開拓いたしまして、国民の間に広く普及するように努力していきたい、このように思っております。  また、料金につきましては、現在私の方で郵政省の方へ認可申請をいたしまして、三分三十円という形で御利用できるようにお願いしておるところでございます。  さらに、情報料につきましては、これはIPの方々がそれぞれ必要な情報料金をお決めになるわけでございます。もちろん無料のものもございますし、有料のものもございますが、それにつきまして私の方で代行徴収をするというようなことも考えておるところでございます。
  174. 服部信吾

    ○服部信吾君 それから、キャプテン運営する新会社ですか、これをつくるために電電公社の出資率というのがいろいろ難航しているようでありますけれども、これはどのように決着いたしましたか。
  175. 岩下健

    説明員(岩下健君) 新会社の払い込み資本金の三分の一を電電公社が出資をするということで現在計画を進めておるところでございます。
  176. 服部信吾

    ○服部信吾君 この問題の最後ですけれども、このキャプテンを普及させるためには非常に安い端末機のほか、豊富で価値ある情報、すなわちデータベースの充実が必要と考えますけれども、現在情報提供者はどのくらい見込まれておりますか。
  177. 草加英資

    説明員(草加英資君) ちょっと手元に正確な数字ないので恐縮でございますが、数百――千はちょっと切っていると思います。数百のレベルだと思いますが、今後続々とふえてくるだろうと、このように期待いたしております。
  178. 服部信吾

    ○服部信吾君 次に、先ほど片山委員からも質問があったんですけれども有線音楽放送事業正常化対策についてお伺いしたいと思います。  昨年、有線音楽放送事業の正常化を図るために関係法律を改正して、道路占用許可や電柱添架の承諾を得ないで放送線を張りめぐらす、いわゆるもぐり業者に対する法律ができたわけでありますけれども、この正常化対策、これはどのようになっておりますか。
  179. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 先生お話しのように、昨年議員立法でお骨折りをいただきまして、有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律の一部改正をしていただいたわけでございますが、私どもといたしましては、公布が六月一日、施行が十二月一日ということで、昨年半年間の猶予期間がございました。この間、周知、指導に努めてまいったわけでございますが、大きく分けまして大手のものが二つ系統ございます中で、一つの方は一括して関係機関の正常化条件を受諾いたしまして、正常化のステップを踏むことになったわけでございますけれども、業界の最大手を含みます系列の方では正常化条件を受諾いたしませんので、全国で十の施設に対しまして四月二日から三十日ないし四十五日の業務停止処分を法律の規定に従いまして行った次第でございます。  しかし、この業務停止処分でございますが、事業者がこれに従う姿勢を示していないということでございますので、今度は命令違反の事実確認を現在急いでいるというところでございます。
  180. 服部信吾

    ○服部信吾君 いただいた資料によりますと、届け出のあった七百二十施設のうち、道路占用許可証が添付されてないのが二百六十施設、三六・一%、しかも、道路不法占拠の総延長や電柱の無断添架の総本数も大変に増加しておる。これらに対して建設省、道路管理者としてどのようにお考えなのか。また、この電柱所有者たる電電公社はどのように措置を講じてきたのか、この点についてお伺いしておきます。
  181. 真嶋一男

    説明員(真嶋一男君) お答えいたします。  有線放送の不法占用の状況でございますが、五十八年度当初におきましては、一部の業者を除いてそのほとんどが不法占用の状況になっておるような状態でございました。それで、この間、私ども建設省といたしましては、不法占用の是正につきまして、文書による勧告、指導を行うとともに、おのおのの道路管理者を指導してまいりまして、道路法七十一条に基づく除却命令、道路法違反を内容とする告発、違反物件の撤去を求める民事訴訟等を積極的に行ってまいったところでございます。  具体的には、文書の勧告は五回ほど出しておりますし、告発も四回やっております。民事訴訟も一件提起して、今こちらの請求を認容していただいております。また、行政代執行も二回ほどかけようとしましたし――これはいずれも事前に向こうが撤去いたしました。それから、道路法上の勧告処分は随分たくさん行っております。特に、先ほどお話のございました五十八年六月の有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律の一部を改正する法律の施行後、さらに積極的に業界を指導してまいりました結果、一部の業者団体につきましては、先ほどお話にございましたとおり、国道につきましては一応の正常化を実現したものでございますが、業界最大手を含み、そのシェアが非常に大きい業界団体についてはまだ正常化の目途はつかめていないという状況にございます。建設省といたしましては、今後郵政省と御協力をいただきながら、なお正常化に努めて、今まで以上に努力をしてまいりたいというふうな考えを持っております。
  182. 岩崎昇三

    説明員(岩崎昇三君) お答えいたします。  全体の流れにつきましては郵政省からお答えがあったとおりでございますので、事実関係等につきまして申し上げますと、電電公社のこれ五十八年の三月末、一年ほど前のデータでございますが、総添架本数が八十三万本というふうに確認しておりますが、その中で無断添架の本数は七十八万本ということで、ほとんどが無断添架であるという状況にございます。これまでも無断添架の業者を確認いたしましていろいろと撤去等を含めて催告等も行いましたけれども、実効は上がってきていないというのが現実でございました。また、中に特に悪質なものについては仮処分の決定を得まして強制撤去等も行いましたけれども、直ちに別の電柱に添架するというような状況もありまして、無断添架を減らすというようなことでは効果がなかったというのがこれまでのところでございます。  先ほどお話しのございましたように、昨年有線ラジオ法の改正がなされまして、それに従いまして郵政省それから建設省の御指導を得て、また東京電力等含めた電気事業者との話し合いも十分進めていろいろやってまいりましたところ、その一部のグループの業者につきましては正常化のめどがついたということでございますが、約四倍の規模を持ちます。その他のグループの業者につきましては話し合いが決裂しているという状況にございまして、それにつきましては正常化の努力を今後とも今まで以上にやっていくつもりでございますが、郵政省を初めといたしまして御協力を得て、国の権限による有効な規制も我々の方からお願いするつもりでございますし、我々自身でやるべきことも今後ともさらに強力に続けていきたいというふうに考えておるところでございます。
  183. 服部信吾

    ○服部信吾君 建設省としても電電公社としてもなかなか決め手がないように今の御答弁でうかがえるわけですけれども、その中で四百六十の違法施設中十施設を行政処分にしたと、あと残された四百五十違法施設に対しては、これはどのようになっていますか。
  184. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 私ども違法な施設に対しましては、当然法の規定に従いまして対処、対応しなければいかぬというふうに考えているわけでございますが、御指摘のように、十の業務停止をいたしましたもの以外にも残りまた違法状態であるものがございますけれども、これにつきましては、実は私どもやはり処分をいたしますからには相当な事実関係の調査等が必要でございますので、そのために正直申しまして手が回りかねている部分がございますけれども、そういった点につきまして、調べがつき次第――基本的には法の発動をしないことが望ましいので、そのための指導も続けてきておりますけれども、どうしても従わない場合には、残りのものにつきましても調査をいたしました上で処分をしていこうというふうに考えているところでございます。
  185. 服部信吾

    ○服部信吾君 それで、これは一番大きな大阪有線放送社の言い分もいろいろと出ているわけですね。その中で、例えば道路使用料は電柱添架料、使用料に含まれているというのが我々の考えであるとか、いろいろ話し合いしている間にどんと来てしまったとか、こういうふうに業者の方としてもいろいろ言い分があるようでありますけれども、この辺はどのようにお考えですか。
  186. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 確かに業者の中に今先生お話しのようなことを主張している者がございますけれども、逆に同じような音放事業者の方で正規の手続をとり、したがって当然に料金も支払いをして業務を正常に行っているという者があるわけでございます。本来はしたがって法令を守るということの上で人件費等経常の経費その他もろもろあるわけでございますが、今問題になっておりますような使用料等も原価に算出をした上で適正料金が設定されるべきものというふうに考えているわけでございまして、そういった点を放置して、その責めを料金の方に振り向けるということは問題のすりかえではないかというふうに私どもは考えております。  なお、料金等につきましては、これらの事業者の要望等も取り入れまして建設省等で軽減、それから支払い方法の面での弾力的な措置を講ずるといったことで正常化条件を関係の事業者に提示をしたわけでございますが、それにもかかわらず正常化が行われないということでございますので処分に踏み切ったということでございます。
  187. 服部信吾

    ○服部信吾君 そこでもう一つお伺いしたいんですけれども、申し入れのあった七百二十施設、そのほかに何かまだいろいろとあるようですが、この辺はつかんでおりますか。
  188. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 有線音楽放送につきましては、法律の規定に基づきまして届け出をしてもらうことになっておりますが、その届け出施設の数が七百二十あるわけでございます。この中で道路占用許可証等が添付されていないものが先ほど出ておりました四百六十という数字でございます。
  189. 服部信吾

    ○服部信吾君 建設省や電電公社もいろいろ今対策を練っておるようでありますけれども、道路や電柱を違法に使用されないように何かもう少し自衛措置と申しますか、何かありましたら建設省の方あるいは電電公社にお願いしたいと思います。
  190. 岩崎昇三

    説明員(岩崎昇三君) お答えいたします。  ぜひそのようなうまい手段があればなんですが、実は私ども以前からやりましたのは、事前に情報をつかみますと、その張りそうなところへ職員を派遣いたしまして制止をしてそれをやめていただく、場合によっては警察の方もお願いしてついていただくというようなことをやったんですが、それは非常に数が多くなりまして私ども結局は手に負えないというような状況でございまして、またもう一つは、そういう場面では非常に殺気立つようなこともございまして非常に危険も伴うというようなことがあって、実効の上がるそういう電柱の無断使用を監視しておく、あるいはそれの不正な使用についてそれを制止するという方法がなかなか見つからないでいるというのが状況でございまして、お答えにちょっとなりかねるんでございますが、このようなことでございます。
  191. 服部信吾

    ○服部信吾君 建設省。
  192. 真嶋一男

    説明員(真嶋一男君) 建設省の自衛措置でございますが、具体的にいろいろ努力してまいったものもございますけれども、これをやれば防げるという自衛措置も現在の法的手段の中では見つからないのが実情でございますので、道路法上のそういう違法なものについてこれまでどおり法の厳正 な運用を図っていくということに努めてまいりたいと思います。
  193. 服部信吾

    ○服部信吾君 この問題について非常にいわゆる行政処分十施設についていろいろやっているようでありますけれども、大概が大手の会社だということらしいんですけれども、やはりまじめに払っているちゃんとしている会社もばかみたいなことになりますので、これは先ほど来お話があったんですけれども、断固たる処置をとると、こういうことですけれども、具体的にどういう処置をとろうとしているのか。
  194. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 今回、先ほど申しました法改正を背景にした指導の中で一部の事業者のグループにつきましては、先ほど申しましたように、正常化のステップが踏まれたということは成果であるというふうに思っておるわけでございますが、業界の最大手のグループが依然としてその姿勢を変えていないということが大きな問題でございます。  私どもといたしましては、今回の法律に基づきます業務停止処分が反省の契機となることを望んでいるわけでございますが、先ほど申しましたように、現状におきましてはその業務停止命令処分自体に従っていないという実態がございます。  したがいまして、もし正常化への前進がなく、また業務停止命令にも、これは行政上の処分としての業務停止命令でございますけれども、従わない場合につきましては同じく法律にございます罰則適用といった厳正な対処をしてまいるつもりでございます。
  195. 服部信吾

    ○服部信吾君 それはどういう――もうちょっと具体的にお願いします。
  196. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 私、先ほど申しました業務停止命令は、有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律の第八条にございます。ここでは三条の二に新しい改正法の条項が盛り込まれておりますが、これに違反したということで、八条の業務停止命令をかけたわけでございますけれども、同じ法律の十二条にこの八条一項の規定による業務の停止の命令に違反した場合の罰則規定があるということでございます。
  197. 服部信吾

    ○服部信吾君 それはどの辺の強制力があるんですか。
  198. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 具体的には第十二条で六カ月以下の懲役または五万円以下の罰金ということでございます。
  199. 服部信吾

    ○服部信吾君 大変なあれになっちゃうと思うんですけれども、そういうことのないようにできるだけもう少し話し合いをしていただきたいと思います。  じゃ、先ほどの例の郵便事業についてお願いします。
  200. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) どうもおくれまして大変申しわけありませんでした。  最近の郵便物数と財政状況についてのお尋ねと思いますが、郵便物数は値上げをした年には非常に対前年度減少しておりますが、その他の年は幸いにしてふえております。  ちなみに、五十七年度は百五十四億八千七百万通で、対前年度三・六%の増加でございます。しかしながら、内訳を見ますと、通常郵便物はふえておりますが、小包郵便物につきましては大幅に減っております。五十七年度では通常郵便物は三・八%の増にかかわらず、小包は一一・二%の減少ということでございます。五十八年度は一月までの数字しかございませんが、総体として五・六%の増加、通常は五・八%の増、小包はマイナス五・一%という状況でございます。なお、五十九年度の予算におきましては、郵便物数は五十八年度に比べまして三・四%増の百六十五億六千七百万通を見込んでおります。  内訳は、通常郵便物は三・四%の増加、小包につきましてはわずかでございますが、五十八年度に対して一・一%の増加ということを見込んで予算を編成さしていただいております。  なお、財政事情は、大臣からもお話がございましたように、五十九年度百五十五億の赤字ということで編成しておりますが、できるだけ収入をふやし、支出を切り詰めて、この赤字幅をできるだけ縮めていくように努力をしていきたいと考えておるところでございます。
  201. 服部信吾

    ○服部信吾君 その中で、小包郵便の量が大変減っているということなんですけれども、民間の宅配便に比べてサービスの面とかいろいろ御努力しているようでありますけれども、その点について。
  202. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 小包郵便物は昭和五十五年の十月にかなり大幅な値上げをさしていただきましたが、その時期以降民間の運送業者の小型物品輸送分野への進出がございまして、自来毎年大幅な減少を続けてまいってきておるところでございます。  原因は、何と申しましてもスピードの面で非常に劣っているといったこと。それから、民間は集荷サービスをするといったようなことでサービスの面で遜色がございまして、五十五年度以降大幅な減少を続けてまいったわけでございますが、私どもも昨年以来、例えば大口の割引制度の実施とか、お隣の家に配達する制度いわゆる隣家配達制度とか、それから料金の簡素化とか、また五十九年の二月一日からはスピードアップといったようなもろもろの施策を講じてまいりまして、その後減少傾向に歯どめがかかったやに思っております。月々の減少の対前年度の数字がだんだん小さくなってまいりまして、この二月だけを見ますと小包も対前年度約二%ほどふえてまいっております。  もちろん民間は、仄聞するところによりますと三〇%とか四〇%とか、そういった大幅な伸びを示しているようでございますので、まだまだ努力が足りないというふうに思っておりますが、今後さらに一層サービスの改善を図って、郵便小包もできるだけ多くの国民に利用していただくように努力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  203. 服部信吾

    ○服部信吾君 最後の質問ですけれども郵政省としては五十七年度以降数々のサービス改善施策を実施してきた。特にことし二月にはいわゆる画期的な郵便輸送システムの大改革を実施した。それらの改善施策の内容とその効果、これについてお願いいたします。
  204. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) ただいま申し上げましたように、郵便サービスが民間と比べて最も遜色が目立っておりましたのはスピードの問題でございます。伝統的に鉄道依存型の輸送体系をとってきておりました関係上、どうしても自動車を主体とする民間に比べましてスピードの面で劣っておったわけですが、二月一日から、先生お話ございましたように、できるだけ鉄道輸送から自動車輸送に切りかえまして、同一県内であれはすべて翌日配達、お隣の県あたりまでも翌日配達、遠い地域におきましては翌々日配達というシステム確立いたしました結果、現状におきましては同一県内は所期の目的どおり、ほぼ一〇〇%の翌配率を達成しております。隣接府県につきましては九五%程度の翌配率を達成している、そういった状況になっております。
  205. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 防衛庁いらっしゃいますか。――四月六日の当委員会で、私の有事法制研究に関する質問に対して、当日防衛庁はいわゆる第二分類について秋に中間報告など時期は特定はしていない、まとまり次第早くと考えているというふうに答えられておったんでありますが、ところが翌日の四月七日、各省庁事務次官合同会議、そこを通して防衛庁側から各省庁の検討を急いでほしい、秋には中間報告をしたい、こういう督促を行ったとの報道を各新聞が一斉に日曜日に行ったわけでありますけれども、一体何が事実なのか。もしこの新聞報道のようなことが事実であるとすると、国会に答弁をした内容が一夜にしてかなり大きく変わったというふうに言わざるを得ないので、これは国会審議に対する冒涜になるんじゃないかと思わざるを得ませんので、まずその点の事実を確かめたいと思います。
  206. 古川定昭

    説明員(古川定昭君) 御説明申し上げます。  現在までのところ、関係省庁に第二分類と称し ます項目の検討をお願いしておるわけですが、若干回答をいただけないところもございまして、そのような事務次官等の会議におきまして関係省庁の検討の促進をお願いした事実はございます。しかし、今後も引き続き協力をお願いいたしたいという意味の発言をしたというふうに私どもは承知しておりまして、特にいつ報告というようなことについて発言をしたというふうには私どもは承知しておりません。  以上でございます。
  207. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 そうしますと、四月六日、前回の私の質問に対する答弁と基本的に変わった方向になってきているということではないということですね。
  208. 古川定昭

    説明員(古川定昭君) 私どもとしては、各省庁に検討をお願いする立場でございますので、いつ報告できるとかいつしたいということをちょっと申し上げる立場にございません。ただ、かなり研究を開始しましてから日時も経過しておりますので、まとまり次第速やかにという気持ちで現在勉強中と、こういうことでございます。
  209. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 ところで、同じくこの問題で、四月六日のこの委員会におきまして、郵政省の奥山官房長は、防衛庁側から照会のある項目についてそれは何かという点について、公衆法の六条、有線法の十五条、電波法の七十四条と答えておられるわけでありますけれども、これ以外にないのですか。
  210. 奥山雄材

    政府委員(奥山雄材君) 前回の委員会におきまして、有事法制に関連いたしまして防衛庁から現在郵政省に対して検討方依頼のあった条項につきまして引用を申し上げました。    〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕  その際申し上げましたのは、電波法七十四条を初め、有線電気通信法の十五条、公衆電気通信法の六条であったかと思います。これが基本法でございまして、あと私どもがこれから派生じてくる関連条文といたしましては、同様に、例えば公衆電気通信法第六十四条、「他人の通信の用に供することの制限」という条文がございまして、その中の第八号に「天災、事変その他の非常事態が発生し」と、同様な表現が盛り込まれておりますので、これらが派生条項として私どもの検討対象になろうかというふうに考えております。
  211. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 ただいまも挙げられた幾つかの法令の条文でありますが、これらは主として現行法の非常事態についての解釈を防衛庁側から求められておるんだという、こういう答弁でありましたが、どういう求められ方をしておるのか、重ねてお聞きをしたい。
  212. 奥山雄材

    政府委員(奥山雄材君) この点につきましては、かねて防衛庁の方から内閣委員会等において御説明があったところでございますし、防衛庁の方が検討方を依頼する主管庁でございますので、各省庁に同じレベルで照会をしているはずでございますので、防衛庁の方から答弁をさしていただいた方が適当かと存じます。
  213. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 それでは防衛庁、お願いします。
  214. 古川定昭

    説明員(古川定昭君) 現在、いろいろ検討をお願いしておりまして、どういう項目についてどのような照会の仕方をしておるかということにつきましては、現在、協議、調整中でありますので、これまでも各それぞれのところでお尋ねがございましたけれども、差し控えさしていただいておりますが、内容的に通じて言えますことは、手続の迅速化等の措置がとれないだろうかというようなことなり、あるいは関係法令中の非常事態に防衛出動の下命事態が含まれないかという解釈の問題等につきまして照会しておるわけでございまして、どの項目にどのようなお尋ねの仕方をしているかという点につきましては御容赦いただきたいと、こう思うわけでございます。
  215. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 ちょっと後段の部分聞き取れなかったんですけれども、手続の迅速化、二つ目何を言われましたか、もう一遍御説明ください。
  216. 古川定昭

    説明員(古川定昭君) いろいろな法律を含めまして法令がございますけれども、その中で例えば非常事態という言葉を使っている条文等がございますが、その非常事態に防衛出動の下命事態が含まれるかというような解釈の問題等について照会をしておることはございます。
  217. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 そこで、そういった防衛庁側の照会、これにかかわって昨年の秋の段階郵政省側からとりあえずの回答をしているというこの前の答弁であったかと思うんですけれども、どういう回答をとりあえずしたんでしょうか。
  218. 奥山雄材

    政府委員(奥山雄材君) 前回、とりあえずの回答をしたというふうに申し上げた記憶は私はないと思いますが、今までのところ現在検討中でございまして、まだ結論を得ていないということでございます。
  219. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 そうすると、郵政省側からはまだ何の回答もしていない、どういう回答をするかということを含めて目下検討段階と、こういうことですか。  といいますのは、前回、昨年の暮れの段階で、各省庁トータルにおいて大体三割方の回答が各省庁から寄せられておる、そして三月段階でほぼ七割方の照会項目に対する回答が寄せられておる、こういう言い方であったんですけれども郵政省はただの一件もまだ回答はしていないと、こういうことなんですか。
  220. 奥山雄材

    政府委員(奥山雄材君) 防衛庁の方で御答弁になりました三割なり七割の回答率が既にあるという、その三割なり七割なりの回答として防衛庁が認められた基準が定かでございませんので、私どもがその中に入っているのか入っていないのか、私どもの立場からはわかりませんが、    〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕これまでのところ、少なくとも天災、事変その他の非常事態における通信確保、この中に有事の場合が含まれるかどうかというようなことでの防衛庁からの検討依頼と受けとめまして、先ほど申し上げましたように、郵政省所管の法律の中で該当するのは、これら非常事態ということが明記されている何本かの法律、何本かの条項ではないだろうかというようなことを防衛庁に申し上げ、あるいはそれらの解釈について検討対象となるのは、それらの条項あるいは先ほど申し上げました派生する若干の条項ではないだろうかというようなことで、防衛庁との間の意思疎通をしていることはございますけれども、それ以上の内容につきましてはまだ検討中でございますので、申し上げる段階に至っておりません。
  221. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 大臣も横で聞いておられて、何が一体――よくわからぬような顔をして聞いておられる確かに今のそういう答弁だと思うんです。  それなら防衛庁に聞きましょう。  防衛庁の方は郵政省側からとりあえずの何がしかの回答があるというふうに受けとめておられるのか、まだ何の回答も出ていないというそういう認識なのかどうなんですか。
  222. 古川定昭

    説明員(古川定昭君) 私どもが昨年の暮れに三〇%と言い、またことしになりましてから七〇%の回答率ということを申し上げた答弁があるいはあったかと思いますけれども、その回答率といいますのは、何らかの御返事をいただいたという意味の、非常に幅の広いといいますか、御検討をいただいている過程で何回かキャッチボールがありますので、その中での話でございますから、ゼロか否かということでは決して回答率という私どもの理解はございませんでしたので、その点を御理解いただきたいのと、それから郵政省の方からいろいろと御指導いただいておりますけれども、それにつきましてはこれですべて終わりましたよということでは決してないと私どもは理解していますので、現在検討中であると言われるのは、あるいは私どもとしてはまだ教えていただくことがあるいは残されているというふうに理解しておりますので、検討中ということも、私は、私どもの立場から見ても、その回答率の中にあるいはカウントしたとしても、それはそごを来さない問題だというふうに理解しております。
  223. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 このようなこんにゃく問答のようなことを続けておっても依然としてはっきりしませんから、それなら内容に即して郵政省に聞きま しよう。  この問題の、防衛庁側からも照会をしておる項目の一つに挙がっている現行法における非常事態云々というこういうときに、この有事の際の措置が含まれておるのかどうかと、有事の際の通信の優先使用、こういうことが含まれておるのかどうかというこの問題について、郵政省の今日までの検討ではそれは含んでいるという考え方なのか、含んでいないという考え方なのか、その点はどういう段階ですか、今は。
  224. 奥山雄材

    政府委員(奥山雄材君) 公衆電気通信法並びに電波法、両方同様でございますけれども、今御指摘の点につきまして、まさに今検討中でございまして、最終的な結論を得ておりません。何らかのサウンドがあったのになお検討中というのはおかしいではないかというような御趣旨かと思いますが、法解釈と申しますのは、大変先生に恐縮でございますけれども、やはり法全体の立法趣旨なり、あるいはその条項の法律における位置づけなりといったようなもの、あるいは文理上、条理上の解釈等幅広く解釈する必要がございますので、まだなお検討中であるということでございます。
  225. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 そうしますと、問題の部分については目下もなお検討中で、いまだ結論に達していないと、こういうことだというわけですね。  そうしますと、実は私はここに「非常事態における通信確保」等、そういった問題についてのコンメンタール、これは郵政省電気通信監理官室が監修をなさった「電気通信関係法詳解<上巻>」、この写しを持ってきました。要するに問題の非常事態云々という、ここをどう解釈するか、理解をするかというこのコンメンタールです。そこの八十三ページに「電波法第七十四条においては、「地震、台風、洪水、津波、雪害、火災、暴動」と天災、事変が具体的に規定されているがここの本条、すなわち有線法の第十五条、ここは「天災、事変その他の非常事態」、こういう表現になっておると。これの意味するのは、さっき引用しました電波法第七十四条、これと同様だと考えて差し支えないと。「「その他の非常事態」としては、高潮、大規模な交通事故、産業事故などが考えられる。」と、こういうふうに書いている。あなた方のこの監修をなさったコンメンタールにはこういうふうに書いているわけでありまして、こういうことからいって、基本的に国民の権利制限については拡大解釈は許されないというのが今日まで郵政省のとってきた立場であったと思うんですが、これが今日、この立場を有事法制研究ということでいろいろ再検討、再吟味していると、こういうわけですね。
  226. 奥山雄材

    政府委員(奥山雄材君) 今先生がお挙げになりました電気通信監理官室でつくりましたコンメンタール、今手元にないわけでございますので詳しい中身がつまびらかでございませんが、恐らく当該条文についての考え方の一つを整理して書いたものではないかと思います。そのことと、今回の有事法制に関する防衛庁からの御依頼との関連につきましては、立法趣旨を踏まえて解釈すると先ほど申し上げましたとおりでございまして、ここに書いてあるコンメンタールが省としての確定した有権解釈すべてであるかどうか、あるいはそこに「など」というような表現もあるように記憶しておりますので、こういった考え方も説明一つではあったということは事実だろうと思いますけれども、それらと今回の有事法制に関する研究とは別に相互に矛盾するものではないというふうに考えております。
  227. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 大変なことを言い出したらいけないと思いますよ。私、引用しましたように、幾つかの事例をずっと挙げて、ここ、これ、これ、これ、これ。だから問題の「その他の非常事態」といえば、確かに「など」という言葉が最後にはついていますけれども、これは法律上の慣習であって、解説上の慣習であって、「高潮、大規模な交通事故、産業事故など」というふうにしているので、しかし、これは「など」がついているから幾らでもどんどんとこの範囲は広げる方向で解釈ができる、その中に問題の有事の場合の規定も含み得るんだと、こんなことを言い出したら、これはもう大変なことです。  問題は、さっき、要するに現行法の非常事態云々というこれが有事の場合を含んでいるのか含んでいないのか、ここは結論出ていませんと。片一方、今日まで郵政省の有権解釈は――あのコンメンタールの解釈を求めておるんじゃないんですよ。郵政省監修の電波法やら有線法やら、ここの問題の条文のところの郵政省の有権解釈がある。それは含まないと、有事規定は含んでいないと、こういう解釈になっておるのに、今になって含んでいるのか含んでいないのか何とも言えない、目下検討中のさなかだと、こういう論法が通るのかと、こういうことで言っているので、そこを明確にしてもらいたいと思うんですよ。
  228. 奥山雄材

    政府委員(奥山雄材君) 繰り返しになりますけれども、コンメンタールには、先生が今お読み上げになりましたような表現があったかと記憶いたします。  それはそれといたしまして、防衛庁から新たな問題提起といたしまして研究依頼がございましたので、それが当該条項に該当するかどうかということを鋭意検討しているところでございまして、なお結論を得ていないわけでございますので、それ以上のことは現段階として申し上げようがないわけでございます。
  229. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 それならば、もう一つお尋ねしましょう。  これもさきの委員会で触れたことでありますけれども、現行法の問題の条文、もう繰り返し確認をしておりますように、有事規定を含んでいるのか含んでいないのか、何とも結論に達していませんと。ところが、よく御存じのとおり、今回国会にいよいよ提案をされてきましたこの電電事業法、この中に同じ条文のスタイルで、第八条でしたか、優先使用規定が入ってきているわけですね。そうすると、これは有事規定を含んでいるのか含んでないのか目下検討中で結論に達していない、こう言いつつ、そういうあいまいな形で今回の電電法案を出してきた、こういうふうに見ざるを得ないわけですね、ということですね。
  230. 小山森也

    政府委員小山森也君) 第八条には、「天災、事変その他の非常事態が発生し、又は発生するおそれがあるときは、災害の予防若しくは救援、交通、通信若しくは電力の供給の確保又は秩序の維持のために必要な事項を内容とする通信を優先的に取り扱わなければならない。公共の利益のため緊急に行うことを要するその他の通信であって郵政省令で定めるものについても、同様とする。」となっております。これにつきまして、郵政省令で定め冬ものも入っているわけでございまして、具体的な場合に個々に判断するよりほかないと思っております。
  231. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 そういう、問題をわざわざあいまいにするような答弁は不必要なんですよ。  この前も言いました。いよいよ最終的な二法案の政治決着の際に、有事の際の国の優先使用の規定を入れるべしというふうに自民党の藤尾政調会長の方から指摘をした、そしてとにかく最終的な政治決着が図られたというこのことは、それならばこの藤尾提案は、その趣旨が入って今度の最終決着の二法案になったのか、なってないのか、どうなんですか。
  232. 小山森也

    政府委員小山森也君) この条項はもともと入っておりまして、いわゆる何といいますか先生指摘の藤尾政調会長云々のことによって変えられたものではございません。
  233. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 もともと入っているというのは、それは大問題、そうしたらもともと有事規定が入っているというんですか。そうじゃないでしょう。結論が出ていないというんでしょう。現行法と同じスタイルの条文形式をとっている、こういうことであって、そうでしょう。
  234. 小山森也

    政府委員小山森也君) 藤尾先生がどのように御理解なさったか、これは別でございます。これに有事規定が入っているか入ってないかというのも、これも別でございまして、この条項についてはそういうお話がある前から入れであったという ことを御説明申し上げておるわけでございます。
  235. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 大臣、とにかく、これは政府が責任を持って最終判断をして国会法案を出してきたんですけれども、この問題の第八条が、少なくともさっきまでの説明としては有事規定を含んでいるのか含んでないのかまだ結論に達していませんと、こういう状況のままで国会へこれを出してきたということは、将来検討の結果、有事規定をやっぱり含んでいる、こういう解釈に到達をしたとすれば、国会に出した時点では問題をぼかして、国会が通ってしまったから、いやあれは実は有事規定を含んでおったんですよと、こういう解釈論になってきたら、これは大変ですね。  こういう点からいって、私はきょうはこの角度だけから問題にしたんですけれども、少なくとも第八条の解釈、見解を不明確のままこの二法案を出すというような、こういう不見識なことはやめてもらいたい、この点だけでも電電法案を撤回してもらいたいというふうに強く大臣に重ねて言うんですけれども、お聞きになっていて所見はどうでしょう。
  236. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 非常の場合という表現に対する解釈でございますけれども、目下正直なところ検討中で最終結論を得ていないという先ほど来の政府委員の答弁が当たっておると思います。「その他の非常事態」、この政令に定めるところによるという、ここをめぐっての、今防衛庁との間でいろいろなやりとりが行われているんじゃないかと、私は今先生政府委員との問答の中で聞いておったんでございますが、非常の場合、有事の場合、国民の生命、財産に大きくかかわりがある事態ということになれば、これは非常の場合。有事の場合、事を構える場合というのは、一体この解釈もまだなかなかはっきりしてないんじゃないんですか。それで検討中ということじゃないんでしょうか。もう先ほどの先生方の話の推移を聞いて……
  237. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 そういう説明ではないですね、防衛庁の説明は。
  238. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) いや、それは防衛庁の説明ももちろん聞かなければいかぬわけですけれども、この非常の場合、有事の場合の厳密な、私らの理解する、はっきり区別ができない、先生らのやりとりを聞いていても。そういうわけで慎重に検討中ということだろうと私は思っております。
  239. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 もう私は繰り返しませんけれども、ある意味では国会審議権を愚弄をするような、この第八条の解釈不明のまま、ごり押しに法案国会へ出してきて通そうと、こういうやり方はどうしても承知ができないということを重ねて申しておきますので、そういう点でもこの二法案を撤回してもらいたいということを強く求めておきます。  それでは別の問題でありますが、郵便の特定局廃止の問題の考え方で少し伺っておきます。  まず、郵便事業の効率化といいますか合理化の中に、特定郵便局の整理統合の計画が本年度具体的に含まれておるのかどうか。今まで聞いてきている限りではないということ。で、こういう特定郵便局の廃止基準、一定のガイドラインのようなものを当局は考えておられるのかどうか、この点まずどうでしょう。
  240. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 特定郵便局を廃止する基準というものは具体的にはございませんが、人口の移動等によって過疎化が非常に進んできた地域等におきましての特定局の業務量が簡易郵便局等に比べてもかなり減少してきているといったような局につきましては、過去毎年、例えば昨年の場合は、五十八年度におきましては二十五局、五十七年度は二十九局、五十六年度二十二局、それから五十五年度は十六局でございますが、そういった形で廃止をしてまいっております。
  241. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 ここ何年かの廃止の実際の姿は今挙げられたような数字だということでありますが、それならば片一方、特定郵便局の設置標準、これがあるわけですね。置局計画ということで公表をされているものでありますけれども、これは内容はどういうことですか。
  242. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 現在、「無集配特定局の設置標準」というものがございまして、それは昭和三十七年に設定したものでございまして、大きく分けて原則が二つございます。第一の原則は郵便区市内地、割合密集している地域におきましては局と局の間が八百メートル以上、享便人口が八千人というのが一つの大原則でございます。二番目の原則としまして、郵便区市外地、比較的田園都市、田園地帯につきましては局と局の間が二キロメートル以上、享便戸数が八百戸以上というのが原則でございます。
  243. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 今も説明がありましたように、設置標準については一定の数字的指標も挙げて距離とか戸数とか、こういうものについての数字的指標も挙げて、こういう場合には置いた方が望ましいという方向があると。廃止をする場合については、いろいろ住民の意向もあろうしということで、そういう数字的指標を挙げてこういう場合には廃止するとか、そういう機械的な物差しをつくっておるわけでもないというふうに理解をするわけでありますけれども、この考え方が実際に地域においてどのような形であらわれてきているかというところの問題であります。  実はこの間、京都市の左京区の過疎地域でありますけれども、そこの花脊局という郵便局の問題で、地元の住民の方々が大阪の近畿郵政局へ要請に行ったと。そのときに局側の対応がとにかく廃止をするんだと、その理由も時期も今は言えませんと、こういう全くつっけんどんな態度で話が暗礁に乗り上げたままと、こういう形になっているということを聞いたわけでありますけれども、いわば当然この地域では住民挙げて、ひとつ局を引き続き残してもらいたいと、こういう意向が非常に強い。どこも似たような事情、大臣も農村県におられますので、よくよく御体験のことと思いますけれども、こういう過疎地域というのは老人や婦人が多くて、廃局をされますと年金の受け取りとか貯金の関係とか、こういうようなことでもう大変な生活上の不便が起こるというわけで、ここの地域で言いますと、ここを廃局しますと、一番近いのが黒田局というところで、ここは八キロ離れたところにあります。しかし、ここへ行こうにもバスは通ってないと。バスが通っているところで一番近い郵便局へ行こうと思うと鞍馬局というところで十キロあると、こういう状況のもとで、しかしとにかく理由もよくわからぬ、説明もないままに廃止をするんだと、こういう形が言われておるというこのことは、先ほどの距離二キロメートル云々という設置標準に照らしても必ずしもうなずける郵政局の態度というふうには言えないんじゃないかというふうに私は思うわけですけれども、こういう状況のもとでもとにかく住民の意向を、そして生活上の便宜と、これでどの程度の生活上の支障が起こるのか、こういう事情もよく考慮に入れて、局として弾力的な対応をするということがぜひ必要じゃないかというふうに思うんですが、どうですか。
  244. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 地元の方が郵政局に行かれたときの応対が必ずしも適切でなかったという御指摘につきましては、実情を承知しておりませんが、そういったことがあったとすれば大変申しわけないと思いますが、花脊局の現状でございますが、享便戸数は現在百九十五戸程度でございまして、一日の郵便の取り扱いは一・五通、貯金が二十九件といった状況でございまして、簡易郵便局程度と申しますか、大きな簡易郵便局よりもはるかに少ない取り扱いでございまして、近畿郵政局として地元の住民の理解と御協力が得られるならば廃止したい局の一つ計画しておるところでございますが、ただ、これまでもそうでございますが、特定局を廃止する場合に、単に廃止するといったやり方ではなくて、跡地に簡易郵便局を設置する等のことを住民の御希望に沿ってやってきておりますので、花脊郵便局につきましてもそういった方向で住民の理解と御協力を得ながら今後やってまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
  245. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 その簡易郵便局の問題というのは、万々廃止をする場合の最低の措置、こういうことであって、郵便局に比べたらいろいろ業務の内容なんかの制約もあるわけでありますから、住民に対しての万全の策ということにはなり得ないと。私は京都でありますから、地理が当然よく頭の中に浮かぶんですけれども、この花脊局という、ここよりももっともっと山の奥の久多というところがあるわけですけれども、当然戸数ももっと少ない山奥ですけれども、ここでは引き続き郵便局が残っておるんですから、なぜここの花脊というところでごり押しにでも廃止をしなくちゃならぬのかということは、これはどうも納得ができないということでありますので、大臣ひとつその住民の要望、もし廃止をした場合に、さっきバスで行ったらどれぐらい次の郵便局までかかるか、歩いて行ったらどれぐらいかかるかという例も挙げましたけれども、どういう生活上の不便が起こるのか、こういうこともよく総合的に判断をして、機械的なやり方はしないと、弾力的に対応するということでひとつよくよく御相談を願いたいというふうに思うが、どうでしょうか。
  246. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 先生の御指摘の御趣旨はよく理解できます。大体、特定局つくるときよりも、やめるときの方が、よっぽど今まで生活に密着して利用をいただいてきた住民理解を得るということの、むしろそちらの方の配慮が必要なことは申すまでもございません。  したがって、恐らく、今聞きますと、郵便が一日に一・五通とかというと、これは弱ったことだなと思って聞いておったわけですけれども、しかし、これは一番悪い日に一・五通で、忙しいときはどうなのか、もうちょっと実態も踏まえて、特に機械的に廃止云々と、そういう数字の面だけでやることもいかがかと思います。弾力的な運用に努めてまいりたい。また、事情については私もさらに検討を加えて慎重に対処してまいりたいと思っております。
  247. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 よろしく。それなら、これで終わります。
  248. 中村鋭一

    中村鋭一君 午前中の大森委員の質問に対しても大臣お答えでございましたが、郵便事業はやはり郵政省の最も根幹にかかわる大切な事業であると思いますし、今改めて大臣の所信をちょっと読ませていただいたんですけれども、やはりその中でも大臣、所信の中でおっしゃっておるわけですね。ただ、郵政省は昔逓信省といっておりました。逓信省の逓は駅逓の逓、駅というのは駅家、駅家の乗り継ぎで、したがって郵政省というのは、実は郵便事業の配送をもって最初は成立をした役所であると、こう理解しておりますが、一方では大臣自身も先ほど仰せのように、ニューメディアの発達等がございまして、いわゆる電気通信分野が飛躍的に伸びてきた結果、従来のような手書きの郵便を人が配達するという形から、もう当然ながらファクシミリ等々が応用普及されてまいりますと、そういった意味での郵便事業電気通信分野との混然融合といいますか、整合性を図らなければいけない、こう思うわけなんですけれども、まず最初大臣の、根幹であるところの郵便事業についての所信を改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
  249. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 私はやはり御指摘のように郵政省郵便事業をもって根幹になしてきて今日に至っておると思っております。郵便というと、昔は、今先生も言われましたように、早馬で恐らく駅を継いで駆けて、今で言う情報を少しでも速く伝達するということでございます。それが郵便になり電話通信になり、今日のように混然一体の形でいろいろ発達してまいりました。考えてみると文化を担当しておった、情報伝達を早くから担当しておった、それが馬であれ汽車であれ、今日のような有線無線のこういったメディアの面であれ、まさにその根幹においては一緒だと思っております。要するに、文化を担当してきた、文明開花の先駆けをやってきた郵政省であり、その精神もその基本はいささかも変わっていないと。ただ、こういう時代ですから、国民のやはり多様な情報伝達のニーズに対しては多様にこたえていかなければいけない、こういうことで先生の御指摘のとおりの姿勢で対処してまいりたいと思います。
  250. 中村鋭一

    中村鋭一君 非常に心強く拝聴をした次第でございます。  それで、話は飛躍するようでございますけれども電気通信事業法、その中でいわゆるVANですね、この法律をめぐりまして通産省との間に確執といいますか争論等がございまして、その眼目とするところは、こういった電気通信事業、特にVANが情報処理なのかそれとも通信事業であるのか、この点の解釈をめぐりまして一番大きく論点が際立ってきた、こう思うんです。  今大臣おっしゃいましたように、最初考えますと、郵便事業というものは単に通信を伝達するだけのものではなくて、その中には当然ながら文化の先兵としての役割があった。言葉をかえれば、郵便通信というものはその中にあって当然ながら今の言葉で言えば情報処理をも含んでいた。情報処理といいますか、情報の伝達、その情報の正しい解釈を広く市民、大衆に伝えると、そういう役目も内在していたと、こう思わざるを私は得ないわけですね。とすれば、やはり私はこの電気通信事業というものは、通産省が主張をされますように情報処理ではなくて、VAN業そのものも含めて、広く電気通信事業であるというふうに解釈をいたしますと、これはアメリカのFCCでもそういう解釈をとっているはずなんですけれども、当然ながら今回の電気通信事業法律案に関しましては、主観的にも法律的にも主たる管理者はやはり郵政省であると、私はそのように理解をするんですけれども、この点につきまして大臣の見解をお伺いいたします。
  251. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 専門的な面で私の意見が間違っている面があれば担当の局長から補足させますけれども先生の御指摘のとおりに、アメリカのFCCのいわばVAN業務が通信業のメディアの中に入るという形ははっきりしておるわけでございますが、これはいずれの国もそういう解釈、立場をとっておるんじゃないかと思っております。  私の場合もっと率直に割り切っておるわけですけれども、声を伝達する形だけが電気通信分野で、情報を伝達する分野というのはおれたち分野だとかというような意見も多々あるわけですけれども、これはただ単に電話と電話、そこに交換器があって、そういった形の電気通信の面も今まではそれが大宗をなしてきたわけですけれども、これからはコンピューターコンピューターの間を結びつけて、その交換器がまたそういったディジタルサービスの面を果たしていくと。いずれにしても、声を運ぼうが情報を運ぼうが回線を利用して金もうけする、営業するという行為においてはいささかも変わりない、これはまさしく通信業務の一つの形態であるというぐあいに私は解釈いたしております。
  252. 中村鋭一

    中村鋭一君 そのことの御確認を今大臣からしていただきまして、私も大変心強く感じた次第でございます。  郵便事業ですね、私がこの参議院に一員として加わらせていただきましたその直後に値上げがあったわけで、それから後、先ほどの服部委員の質問のときにもお答えでございましたけれども、まあ郵便事業伸びていて結構なんですけれども、しかしこれ大臣の所信の中でも、五十九年単年度で百五十五億円の欠損、年度末では過年度のものと合わせて四百四十八億円の累積欠損ですね。赤字というのはやっぱりこれは感心しないわけで、率直にお伺いいたしますが、値上げの予定はございますか。
  253. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 確かに今年度の単年度収支でそういった厳しい数字が予想されるということはまことに遺憾でありますけれども事実でございます。しかし、これらはもう極力圧縮して、もうできればきようも――きょうばかりじゃございません、担当の郵務局長にはもう余り射幸心をあおらない程度の、先般もまあ名前を挙げて失礼 ですけれども、青島先生らからもいろいろな御提言もいただいておりますし、ともかくこの郵務事業をさらに伸ばして赤字というものを最小限に食いとめ、むしろ黒字に持っていくという形で、労使もさることながらそういったいろいろな企画面も含めて、愛される、しかもさっき言いましたようにニューメディア時代とはいえ、やはり心を伝達する最上の手段でございますから、そういった意味合いにおいてはひとつ全力を挙げようじゃないかと。したがって、値上げという御指摘でございましたけれども、もうそれは考えておりません。
  254. 中村鋭一

    中村鋭一君 考えていないというのはニアフューチャーという意味ですか、それとも相当ロングスパンのフォーエバーという意味ですか。
  255. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 残念ながらニアフューチャーでございます。
  256. 中村鋭一

    中村鋭一君 ありがとうございます。  民間の宅急便が最近本当にすごい勢いで――まあ私事ですけれども、実は私先日も奈良県の吉野の山奥で柱を一本注文したんですが、電話を夕方しましたら翌日の午前中に大阪吹田市内の私の家まで完璧に包装したものが届いて、ああやるなと。まあこれは名前を挙げれば佐川急便でございましたけれども、いやあ民間はやるなということを痛感いたしました。現在この小包の競合はどうなっておりますか。
  257. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 先生指摘のように、先般昭和五十五年に郵便小包の値上げをいたしました時期以来、民間の宅配便に郵便小包は相当侵食されておりまして、五十五年以来毎年一〇%を超える減少を続けてまいっておりまして、最盛期の半分程度まで減ってきております。  しかしながら、一昨年以来大口の割引制度とかそれから隣家配達制度とか料金の簡素化とか、また五十九年二月一日からはスピードの向上と各種の施策をやってまいりまして、最近におきましては小包の減少率はやや歯どめがかかったという状況になっております。しかしながら、民間の宅配便は仄聞するところによりますと三〇%から五〇%伸びているといったような状況でございますので、まだ相当厳しい状況であるというふうには認識しておりますが、私どもは、郵便小包は六キロ以上の物は取り扱わない仕組みになっております。六キロ以下の物しか取り扱いません。したがって、六キロを超える十キロとか二十キロとか、先生今おっしゃいました木材等は恐らく六キロを超えると思いますが、郵便で取り扱わない分野でございます。そういった面で、私どもは比較的軽い荷物につきましては、料金の面におきましてもスピードの面におきましても、いろいろな面で民間に負けないようにしっかりやってまいりたいと。重い荷物につきましてはもう私どもの方では取り扱わないわけでございますので、民間の方にお任せしていきたい、大まかにそういうふうに考えておるところでございます。
  258. 中村鋭一

    中村鋭一君 ですから、これ逆に局長考えてくださいよ。民間の方は六キロ以上のそんなに重い物でも前日の夕方注文した物が翌日の昼前に届いているんですから、ましていわんや六キロ未満の軽い物においておやですよ。これは率直に申しましてまだ郵政省負けていると思いますよ。  ですから、やっぱり民間の人というのは商売なんですから、株主に配当もしなきゃいけないし、社員の給料払わなきゃいけないし、大変なんです。まことに失礼な言い方ですけれども郵政省の職員は国民の税金によって給料をちょうだいしておられますね。だから、その点においてやっぱり民間会社といわゆる親方日の丸というのとでは多少心組みが違う面もあるかと思いますから、郵政省の幹部の皆さんは、今大臣が言ってくださいましたように、ほかの省庁と違いまして郵政省というのは人的資源が頼りの省なんですから、その人たちの創意や工夫や企業努力というものをもう十二分に開発して、なに絶対負けるものかという、そのためには知恵を絞りに絞って新規商品の開発をやる、サービスに徹する、この姿勢を貫いていただきたい、こう思ってあえて申し上げた次第でございます。  最近、信書の分野といいますか、先日私新聞で承知したんですけれども、大都市で若いお嬢さん方が小型の車を使いまして、A社からB社、例えば商事会社間を資料の封筒なんかを配達をする商売を始めた、こういうニュースを目にしたわけですけれども、このことは承知していらっしゃいますか。
  259. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 先生が今お話しになりました会社につきましては必ずしも承知しておりませんが、何かオートバイを使った会社が都内に三社程度ですかあるということは承知しております。しかしながら、信書を業として送達いたしますと郵便法に抵触いたしますので、そういった会社につきましては信書送達につきましてはできないんだということをお話ししておりますので、信書以外の物件、書類、信書でないそういった物についての送達をされていると。例えば忘れ物をしたので一時間以内に届けてほしい、そういったような業務であれば問題ないわけでございまして、そういった会社が数社あるということは承知しております。
  260. 中村鋭一

    中村鋭一君 でもね、そういうふうに法律上できないと言ったって、忘れ物を届けるためにまさかそんな会社がオートバイ使って走り回っているわけでもありますまい。ですから、これはあくまで一〇〇%に近い確率の推測ではありますけれども、現実は本来は郵政省の所管にかかるところの信書の送達をしている会社が既に存在している、こう理解するのが私は常識的であろう、こう思いますが、そういうことが明らかになった場合は、これに対してはどういう措置をおとりになるおつもりですか。
  261. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) そういった事実があれば私どもといたしましてはまず警告をいたします。さらに、警告を無視して信書の送達を業として継続される場合は、監察局監察官によって司法上の措置をとるということになろうかと思います。
  262. 中村鋭一

    中村鋭一君 一方ではそういう措置をおとりになると同時に、これも今の小包、宅急便なんかと一緒ですけれども、そういう小回りのきくところにつけ込まれることのないような郵便事業であればそういう商売も出てこないわけですから、そちらの方の努力もひとつ大いにしていただきますようにお願いをしておきたいと思います。  郵便貯金の赤字は今どれぐらいになっておりますか。
  263. 澤田茂生

    政府委員(澤田茂生君) 郵便貯金特別会計の収支につきましては、昭和五十八年度予算でございますけれども、単年度で二千三百二十六億円、五十九年度予算の見込みといたしましては、単年度で千二百四十五億円の赤字ということでございまして、五十九年度の収支は前年度に比べて約一千億赤字が少なくなる、こういう状況でございます。
  264. 中村鋭一

    中村鋭一君 その解消の見通しはどういうふうに立てておられますか。
  265. 澤田茂生

    政府委員(澤田茂生君) 見通してございますが、大まかに申し上げまして、昭和六十年度には単年度で黒字、それから六十一年度では累積赤字も解消するであろう、こういう見通してございます。
  266. 中村鋭一

    中村鋭一君 世の中は本当に大きな波で移り変わっておりまして、これも数年前には民間の金融機関が郵貯に押されて、もう我々つぶれるといって、例えば国会へもたくさん陳情に見えておられたわけですよ。それと現在考えますと変わってきたなと、こう思うんですが、これもまたせっかく御努力をお願いしておきたい、こう思うんです。  郵貯資金の運用先でありますところの、例えば国鉄とかあるいは林野関係の仕事がございますが、これは例えば林野事業なんかはそう簡単に償還の見通しがつかないものですね。そうしたら、郵便貯金している人にすれば、我々の預けた金を、例えば国鉄だとか、林野関係、いずれも余りもうかっていないといいますか、赤字ばっかり出しているようなところへ使われて果たして大丈夫 なのかな、払い戻しはしてもらえるのかな、こういう不安感をお持ちだと、こう思うんですが、こういった安全性の保障についての郵政省のお考えをお伺いいたします。
  267. 澤田茂生

    政府委員(澤田茂生君) 郵便貯金の資金は全額大蔵省の資金運用部に預託しなければならないということになっておりまして、これが財投原資として使われているわけでありますけれども、この資金につきましては資金運用部において安全有利に運用するということになっております。  私どもといたしましては、払い戻しの安全性については問題はないのではないか、こういうふうに考えているわけでありますけれども、ただ、先ほどの赤字の問題と関連いたしまして、私どももこの有利性という観点につきましては大変関心を持たざるを得ないというところでございます。  と申しますのは、先ほどの赤字も、私どもがどうも経営がまずくて大変むだをして赤字を出しているということになりますれば、これは大いに反省もしなければならないわけでありますけれども、現実に数字として比較してみた場合には、民間金融機関に比べまして私ども郵便貯金のコストが一番低い。例えば、長期信用銀行の場合が八・○三%ということでございます。それから都市銀行の場合は七・八二%、これに対しまして郵便貯金が七・二六%というようなことでございまして、この赤字はむしろそういう経費が余計にかかる。むだ遣いをしているということではなくして、資金運用部資金からの預託利率――私ども運用利回りでございます。これが非常に低い。例えば同じ国の資金を賄う国債あるいは政保債等に比べて非常に低いというようなことでございまして、極端な場合には預金金利の最高と預託利率収入というものが差がゼロであるというふうなところから出てくる赤字ということでございまして、政策的な赤字であろうと思います。したがいまして、私どもは一刻も早くこういう赤字を解消するためにも、資金運用部自体が有利な運用をし、私どもに少なくとも市場に見合ったような預託利率を払うようにということを関心を持っているところでございます。
  268. 中村鋭一

    中村鋭一君 民間の金融機関が金利を一元的に決定させてもらいたいと、こういう意見があるわけでございますがね。この民間の金利一元化についての考え方について、郵政省はどのようにお考えですか。
  269. 澤田茂生

    政府委員(澤田茂生君) 郵便貯金の金利につきましては郵便貯金法で、郵便貯金国民大衆の少額貯蓄の手段であるということに留意いたしまして、預金者の利益を増進するよう十分な考慮を払うとともに、あわせて民間金融機関の預金の利率についても配慮するという、こういう決定原則がございます。また、五十六年の九月にいわゆる三大臣合意というのがございまして、郵政、大蔵両省が十分な意思疎通を図って整合性を重んじて機動的に金利の変動に対処すると、こういう方針がございまして、私どもはこの三大臣合意を踏まえて郵便貯金法の定める決定原則にのっとって対処していきたいと、こう考えているわけであります。  なお、最近になりまして、特に金利の一元化という問題につきまして、郵便貯金の金利を一元化しないと日本の金融の自由化、特に金利の自由化ができないと、こういう議論がございます。実は、金利の自由化ということについては、アメリカは昨年の十月に預金金利をほとんど自由化をいたしましたけれども、各金融機関がそれぞれ市場実勢というものを反映をしてそれぞれが決めるというのが金利の自由化の常態でございます。  そういう中でございますので、郵便貯金を含めて二元的に金利を決めるということはまさに自由化と矛盾をする話であろうと、こういうふうに考えておりますので、本当の自由化ということが、金利の自由化ができるように、ぜひそういう方向に向かって理解を求めながら対処していきたい、こういうふうに考えております。
  270. 中村鋭一

    中村鋭一君 これは大臣、今の発言には重大な示唆を含んでいると思うんですが、最近いわゆるアンダーマネーというんですかね、そういったものが例えば香港であるとかそういうところへどんどん流れ出ている。それからまた、余分なお金のある人はドル買いをする。ドルは非常に変動が激しいですし、投機の対象としてもおもしろいということで相当ドルへ日本の円が流れているということを言われております。で、郵便貯金を従来していた人も、案外郵便貯金を引き出しましてドルを買っているようなことがあるんですが、そういったものがやはり金利の自由化と連動をしていく、こう思いますので、今御説明をいただきましたが、この点につきましても、常に郵便貯金をしている人の立場に立って何が一番いいのかということを郵政省のサイドからひとつ考えてやっていっていただきたい、こうお願いを申し上げておきたいと思います。  それで、郵便貯金の今そのお金を大蔵省、財投に任じて運用してもらうということだったですけれども、一方では、やはり郵政省ももっと、大臣自主運用ということを、郵便貯金郵政省所管にかかわる貯金でございますから、やっぱり預ける人もこれは郵政省が責任を持って我々の預けた金を使ってもらうというのもまたいい考えじゃないかと、こう思うんですが、この郵貯の資金の自主運用についての大臣のお考えをお教え願えればありがたいと思います。
  271. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 私たちが今自主運用ということを強く大蔵当局にも働きかけておりますのは、今言いましたように、金利の自由化といういわば世界的な流れに対して、我々もやっぱりこれに対する防衛と申しますか、少額な預貯金者、しかもそれも大きな投機的な形でもうけたお金じゃなくて、本当に勤労と申しますか汗の結晶であるということに留意いたしまして、何とかしてその利益につながるような一定水準の金利を確保したいというその一念にほかならないわけでございます。しかし、先生の御指摘どおりに、今財投資金として大宗をなしておるのはこの郵貯でございまして、むしろ融資先の選択という形については、手足がもうくくられておるというのが実態でございます。  したがって、私たちはこういった金利自由化、つまり市場実勢に合わした金利によって預金者を守ろうということになれば、おのずから財投の大きな資金として使って、結果においては国民福祉に貢献しているわけですけれども、それだけでは一部自主運用という形で、そういった多面的な運用を図りたいということでお願いしておるわけでございます。  ことしは残念ながら話が実らなかった形で断念をいたしましたけれども、これは当委員会を含め郵貯関係者の大きな年来の一つの方向でもございますので、ことしもそういった意味合いにおいて、年金が既に一部自主運用されまして非常にいい効率的な運用成果を上げておるという実態を踏まえまして、郵貯が自主運用されるからといって、そんないわば変動的な流れの中に流されていくような形じゃなくて、もしそういった突破口ができたとしても、私たちは国債なり、あるいは国際的に最も信用のあるような仕方の運用でやっていきたいと思っておるわけでございますので、どうかひとつ今後とも先生も郵貯資金一部自主運用について御理解と御支援をお願いしたいところでございます。
  272. 中村鋭一

    中村鋭一君 いやいや、もうこちらからお願いしたいぐらいで、それは私も逓信委員の一人としてこれからも率先して応援をしてまいりたいと思いますので、これも大いにひとつ頑張っていただいて、もち屋はもち屋という言葉がありますが、それは金庫番の大蔵省に任せるのもいいですけれども、やっぱり役所仕事ですから、まして金を使う先が国鉄というと、ちょっとやっぱり私もどうかと思いますので、ひとつ大いにその点はこれからも大臣頑張っていただきたい。  だから、頑張るには、やっぱりまたここで民間の話になりますけれども、民間に負けないだけのアイデアで新規商品を開発していかなきゃいけない、こう思うんですが、今どうですか、郵政省何 か高利回りの新しい商品は考えておられますか。
  273. 澤田茂生

    政府委員(澤田茂生君) 現在、いろいろな民間金融機関におきましては、新商品が開発をされております。特に従来の規制金利というものでない自由金利商品というものが新しく開発をされているわけであります。  これはちょうどアメリカで金利の自由化が起こった状態に似ているということが言えると思います。従来の預貯金の規制された金利の商品から新しい自由金利商品、高い利回りの商品に資金が流れていくという現象から、アメリカにおいても金利の自由化が進んでいったということでございます。同じような道を我が国もたどっているなということでございまして、これから先も、例えば銀行におきましては、六月から既発債の国債というようなものも証券と同じように取り扱うということが認められるわけであります。そうなりますと、そういう利回りの高い、特にあと一年とか二年で償還期限が来るようなものと組み合わせた仕組みの新しい商品というものが開発されるんではなかろうか。そういうことがさらに今までの規制された預貯金からシフトを激しくするであろうということになると思います。そうなりますれば、預金金利を規制しておっただけでは、これは弊害だけが出てまいりまして、規制金利体制の中でいろいろ手当てをするといってもおのずから限界があるだろう、こういうふうに思っております。  したがいまして、郵便貯金としても、今のような金融環境の変化ということに対応するには、先ほど申し上げましたように自由化に対応する仕組みというのを早急に確立し、そして自由化というものをスムーズに早く実現をさせて、預金者が得べかりし金利が得れるような体制をつくることが必要であろうかと思うわけでありますが、それにつきましても、現時点においても預金者の利便確保という観点から、広く新しい商品の開発ということに努めなければならないというふうに思っておりますが、この三月末で全国オンラインネットワークも完成いたしました。こういったことによって従来なかった商品というものも開発をして、目下その普及の方にいろいろ力を入れているわけでありますけれども、なお新しいものについて知恵を絞るように、今鋭意検討を進めているという段階でございます。
  274. 中村鋭一

    中村鋭一君 公的年金の自助努力を補う手段としての郵便年金、これも民間のこういった積み立てと競合するということで論議があったんですけれども、どうですか、今郵政省ではこの年金商品のバリエーションは何か考えていらっしゃいますか。
  275. 奥田量三

    政府委員奥田量三君) 御承知のように、郵便年金につきましては、高齢化社会の動向にかんがみまして、ただいま御指摘のように、国民の自助努力手段の有力な一つということで研究をいたしました結果、先生方の御助力もいただきまして、逓増性あるいは配当金による積み増しというような利点を備えた新しい郵便年金を昭和五十六年の秋から発売をいたしたところでございます。現在、その普及に懸命の努力をしているところでございますが、率直に申しまして、再発足以来、わずか二年余を経たという現時点でございますので、ただいま申し上げた現在の年金商品についてより広く国民に御理解をいただき、御利用をいただくということに当面全力を注いでまいりたい。その努力過程国民の年金に対する需要あるいは要望というものを酌み上げながら、ただいま御指摘のようなバリエーション、あるいはさらに改良された商品というふうなことについては検討をしてまいりたいと考えている状態でございます。
  276. 中村鋭一

    中村鋭一君 おっしゃるとおりで大変結構なんですけれども、こういうのは大臣、こういった場でイデアを云々するよりも、文字どおり皆さんの知恵を出し合って斬新でアトラクティブな新規商品の開発、これによっておのずから、郵貯にしても年金にしても、ユーザーの皆さんが思わず吸い込まれるように飛びつきたくなると、こういう現実の商品開発というものに大いにこれからも努力をしていただきたい。郵政省ももう割り切って商売人になっていただくと、われわれは要するに商売やっているんだと。それは国民の皆さんからの税金で成り立っている省ではありますけれども、しかし赤字をなくして国民に対するいいサービスを提供するためには、まず何よりも黒字にならなきゃいけないんだから、そのためには民間と真っ向から渡り合って、我々はもう前垂れがけの商人だと、こういう意識に徹していただきたいと私は思います。  郵便貯金に関して一つお尋ねをいたしますけれども、これは後ほど青島委員も御質問をなさると思いますので私、簡略にお尋ねいたします。  ことしの秋から全国の郵便局に配置いたします現金自動支払い装置に視覚障害者のために音声案内と点字出力を付加する、こういう計画はございますか。あれば、その概略、規模等をお教え願います。
  277. 澤田茂生

    政府委員(澤田茂生君) 私ども、今郵便局に現金自動支払い機あるいは預入の機能もつけ加わった機械というようなものを配置いたしているわけでありますが、現在、これからつけようというものの機械に若干の改良をいたしまして、ただいま先生指摘のございました視覚障害者の方にもこういった機械が利用しやすいように装置を改良いたしているわけであります。  具体的には、操作方法を音声で誘導いたします。次にはこういうことをしてくださいという音声が出てまいりまして、その順に操作をしていただくということによって、預払い金額、それから残高というようなものが点字でその機械のところに出てくるという機械を開発したわけでありまして、本年の十一月以降そういった機械を配備したい、こういうふうに考えているところでございます。  現在までのところ、CD、そういったものが千七百台でございますが、六十二年度までには約七千台というような形で配備をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  278. 中村鋭一

    中村鋭一君 これまた後で青島委員も質問されますので簡略に申し上げますが、今視覚障害者は推計三十三万六千人、そのうち点字を使用する可能性のある人はおよそ七万人ということでございますね。ですから、視覚障害者の中で点字を指先で読める人というのはごく一部なわけですね。ですから、大多数の人にとりましてはやはりこういった場合のサービスはいわゆる音声サービスが非常に望ましい、こう思うんです。  最近は、例えばキャッシーなんかでも、三千四百七十円でございます、おつりは五百二十円でございますと。大臣、この間、私、そういう機械に――機械といいますか、キャッシャーにぶつかってびっくりしたんですけれども、現実にそれが可能なわけでございますから、その点につきましてもまた格段の御配慮をお願い申し上げておきたいと思います。  最後に、大臣一つだけお伺いいたします。  電気通信事業法の中で外資条項、これが一応、現状では無差別自由ということになりまして、早くもATTでありますとかIBMが日本のマーケットに乱入といいますか、参入をしてくるというニュースが伝えられておりますが、大臣はこの今回の電通法の中の外資条項につきましてどのようなお考えであるのか。やはり一定の制限を付する方がいいとお考えなのか、それとも無差別自由、大いに皆さん世界じゅうやり合おうじゃないですかというお考えなのか、最後にそれだけをお伺いして、私の質問を終わります。
  279. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 一種事業に関しましては厳しい外資の制限条項がございます。今お話しの二種事業に関して結果的に内外無差別という形の法律として今度御審議願うことになるわけでございます。  恐れておりましたのは、二種事業の中でも、いわゆるVANに関しましては日本の場合まだ未成熟である、はっきり言うと多少出おくれておる。そういった形において、これがもし今度VAN市場の新しい分野の開拓によって、外国の特にこの面における先進国というと、世界ではもうアメリ カだけでございますけれども、今お話しのあったような巨大なIBMなり、あるいはATTなりが日本のVAN市場に乗り込んでくる、そうした場合、この一社ないし二社によって制圧されてしまうんじゃないかという懸念が確かに当初頭にこびりついておったことも事実でございます。そういった形の中から、外国製をある程度緩やかながらも、原則自由としながらも多少そこで規制をするという、政治的な、行政的な担保も必要ではなかろうかという形でおったことは事実でございます。  しかし、論議を重ねていく過程の中で、またいろいろな日本の企業グループがこのVAN市場に相当進出の意欲を持っておる。技術的な水準にしても、もう電電なり、あるいは機器メーカーなりの意見を大体集約いたしますと、大型のVAN市場においても、ソフトの面でこれからまさにまだ勉強もし、研究もし、開発もしなきゃいかぬ面は残されておるけれども、ある程度対抗し得る、しかも電電も全国ネットのVANでそういった形と四つ相撲をとり得るという、大体方向的にもそういった形の実態が多少わかった過程におきまして、他方、対米関係からの、これは圧力というより要望も踏まえまして、そういった形で内外無差別の一つ政策にむしろ踏み切って、ある意味においては日米競い合いまして、こういった高度情報化社会基盤的なサービスであるVAN業においても堂々と四つ相撲をとって、効率的な国民経済の発展に寄与していただきたいというのが今の気持ちでございます。その意味法案審議をお願いしたいと思っておるわけでございます。     ―――――――――――――
  280. 大木正吾

    委員長大木正吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、佐藤昭夫君が委員辞任され、その補欠として吉川春子君が選任されました。     ―――――――――――――
  281. 青島幸男

    ○青島幸男君 先ほどの中村さんの御質問に答えられて大臣は、郵政事業を所管される責任者として、郵便事業というのはやっぱり基本に据えなきゃならないというお考えを述べられて、私も大変心強く思ったんです。その中で、例えば手書きの信書を人力によって運ぼうが馬で運ぼうが、あるいは銅線を使って記号で運ぼうが声で運ぼうが、とにかくある一つの情報を他へ伝えるということからすれば、これはもう郵便事業と考えなきゃならないというようなお話でございまして、極めて常識的にあるいは情熱として取り組む姿勢としてお伺いするにはそのとおりだと私も思うんですけれども、この問題が実に明確でないために、さまざまのトラブルのもとになってこやしないかと思うんですね。  ですから、郵便法によって定められたころの信書の送達、先ほどからもいろいろ問題が出ましたけれども、信書の送達を業務としてやっちゃいかぬとはいいながら、小包をやっている宅配の方々の荷物の中にあるいは信書が入っているかもしれない。しかし、一々開いて見るわけにもいかないし、それから先々はパーソナルなファクスなんかができれば、その相互の意思伝達は郵便法にとらわれずに行われるわけですね。  そうなりますと、電気通信部門と郵便の部門というのは非常にまさり合って、錯綜してきますね。ですから、通産省との間のあつれきだの誤解だの争論の的になってきちまったりするわけでしてね。何とか郵便法が考えられて、これはもう完全な文章のつもりで当時は書かれたんだと思うんです。というのは、今のようにこんなに目覚ましく機材が発達するなんてことは考えてもおりませんでしたから。当時の方々にしてみれば夢のまた夢、空想科学小説にも出てこないほどのことだったんでしょうね。ですから、想像も及ばないことだったんで、これで事足りると思ったんでしょうけれども、この古めかしい法律の文章をそのまま後生大事にしておりますと、さまざまあつれきを生じたり誤解を生じたり、あるいはむだなトラブルを生じたりしますんで、いつかこの辺のところを、電気通信郵便というものを明確に定義するとか、その辺の作業をしておかないと、ますます混乱のもとになるような気がするんです。非常にやりにくい、難しいことではあるとも思うんです、相互に絡み合ってきますからね。大変な作業かもしれませんけれども、そのことを明確にしておいた方が後々のトラブルを避けるために非常に基本的な指針になると思いますので、検討しておいた方がいいと私は考えるんですが、その辺については局長並びに大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
  282. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 今郵務局長の答える形だけではちょっと無理なんじゃないかと思うんですけれども、これはやっぱり今の御質問の中には、新しいメディアの中での通信、そして伝統的な郵便における通信、こういったことに関してのいろいろな明確ないわば理論設定といいますか、法律の内容的な面についても厳しく区分する形を明確にもう少ししなきゃだめだというような御指摘だったように思うわけでございます。  私は、これまたおしかりを受けるかもしれませんけれども、コミュニケーションという意味の、広義におけるコミュニケーションの伝達、コミュニケーション担当省というのが郵政省であるという形で、それが今日いろいろな形態の中で、これは電気通信分野もそうでございます。郵便ももちろんそういった形の大きな中核でございますけれども、そういった新しい時代の進展にももちろんたえ得る先端分野でもございますし、かといって、伝統的な手書きの通信配達もやると。コミュニケーション担当省であるという観点に立って、これからそういった意味合いの法的な区分も整備してまいりたいと思っております。
  283. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 現在の郵便法では、郵便という定義は必ずしも明確ではございません。漠然とかなり幅広く規定されております。  私どもも、率直に申し上げまして、電子郵便制度的にきっちりやっていくといったような場合にそのことを郵便法に書き込む、はっきりさせるということの必要性は痛感しております。  しかしながら、電気通信分野電電公社が所管する分野は非常に成長発展産業でございますが、郵便は相対的には電気通信に比べまして高度成長が期待できない分野でございまして、そういった意味では郵便という範疇においてできるだけ幅広く業務をやっていきたいという考えを持っておることも事実でございまして、現に電気通信郵便との融合サービスというものが出てまいってきておりますが、できるだけ郵便事業の範囲の中で私どもはやってまいりたいと。  一方において、法制上はっきりさせたいという気持ちもございますが、現在の郵便法で定められておる郵便という範囲の中で、それらを読み込んでいきたいという気持ちも持っておることも事実でございます。
  284. 青島幸男

    ○青島幸男君 それが無理なんでしてね。今あなたがいみじくもおっしゃられましたけれども郵便というものがどういうものなのかと。法の中にも明確な規定がないと言うんですよ。だから、そこで明確になっていないものをどう所管していくんですか、どう区分していくんですかということ、これが問題でしょうから、先々トラブルのもとになりますから、そのおっしゃられる意味はわかるんですよ。郵便というのは、実際手で書いて人が送達するもの以外は郵便と認めないということができれば、これは非常に簡単なんですよね。しかし、そうとばかり言えないですね。  そうすると、あとは全部電電分野になっちゃうから、一番割の悪いところだけ郵便物ということになって、郵政省所管になって、そういうことになってあと電電に全部任せる、あるいは通産省に任せるという、ゆだねるという、ハードの部分なんか特に。  そうなると、貧乏くじばかり引くようになっちゃうんですね。だからといって郵便法にうたわれている郵便自体があいまいだからというので、何もかも包含して、うちの方の担当だというのもまた無理がいくんじゃないかという気がするんですね。ですから、いつかどこかでこの辺は、今すぐ にとは申しませんけれども、明確にしておかないと、さまざまなトラブルをいたずらに招くばかりだという気がしますので、もっと大きく包含するんならするように明確に、文書でうたって改訂する必要があるんじゃないかということです。どうしても、友達なんかとこの議論をしていますと、ここに突き当たるんですね。どこまでが郵便物でどこまでが電気通信事業なのかということになりますと、機器が非常に先へ進んでいますから何でもできるんですね、INSなんかでは、おおむね。無限の可能性を秘めていますからね。ですから、そういう無限の可能性に近いものを秘めているものを明治何年かにできたかわかりませんけれども、この郵便法でくくろうということ自体まず無理がある。その辺から整備していったらいいんじゃないかという気がしましたので申し上げているわけでして、これをまず明確にする方向で御検討になることを提言申し上げます。  それから、前回の委員会で私も思いつきをいろいろ申し上げてみたんですけれども大臣お答えの感触からしますと、あながち私の言っていることもそんなに理不尽なことではないと、むしろ前向きに検討した方がいいんじゃないかというような御理解のあるお言葉に聞こえましたので、私も大変心強く思ったんですけれども、今も中村さんも親方日の丸じゃなくて前垂れがけの商売人に徹するという気持ちでやらなきゃだめじゃないかというようなお話もありまして、せんだって私が提案しました年賀はがきというものの占める郵便物の中の割合とそれから効率のよい利益性、一軒のうちに三枚、五枚というものがまとまって配達される。しかも、一人の方が何十枚と出される方も、むしろ何百枚と出される方もおいでになる。出すのも受け取る方も集約的に配達ができて、しかも年に一度の便りで心温まる交流ができるという文化的な意味合いもあって、お年玉つき年賀はがきというようなものを最初考えられたときには変な形で射幸心をあおって嫌な制度ができたものだなという反発もあったかもしれませんけれども、今や何の抵抗もなく定着しておりますね。ですから、それこそお中元つきの暑中見舞いはがきをつくったらどうだという提案を私はしましたら、郵務局長はどうもやっぱり射幸心をあおるとかなんとかいうんで非難が多そうだというので二の足を踏んでいらっしゃるようなお言葉だった。それに引きかえて大臣はおもしろいじゃないか、蚊取り線香でも浴衣でも景品につけたらいいじゃないかというような前向きのお言葉までいただきましたけれども、その後どういうふうにお考えが変わられたか、あるいはその進める方向で御検討になっていらっしゃるか、その辺の御決意を聞かしていただきたいと思います。
  285. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 私も、お中元の景品にうちわだとか蚊取り線香とかそういう日本の情緒的なものをつけるという発想はなかったものですから、あの日の先生大臣お話を聞いておりまして、まあ景品によったはいいのかなという感じを持ったわけでございますが、その後大臣に前向きで検討するように言われまして、現在検討しております。しかしながら、先生指摘のようなことを実現するためには法律の改正が必要でございます。それから、細かな点も一応事務的には詰めておりますが、抽せん日、景品を渡す時期等々考えますと夏が過ぎて秋になってしまっているんじゃないかというようなこともあれこれ議論しておりまして、なかなか簡単にはいかないなというふうにも考えておる状況でございます。
  286. 青島幸男

    ○青島幸男君 それはお年玉つきがあるんだから、法改正といったってそう大げさなことが必要なわけじゃないでしょうし、これが定着してしまえばそんなに奇異なものじゃなくなるという気がするんですよね。それで、お年玉つきの年賀はがきから比較すれば、この中元はがきがあの程度あるいはあれの五〇%、三〇%ぐらいの確率で利用されれば、それは単年度百五十五億の赤字ぐらい解消できるんじゃないですか。それはあるんだと思いますね。ですから、そういうことを前向きに検討してくださって、しかも利用する方々がそれなりの楽しみと理解を示していただいて、その上で値上げをいつかはしなきゃならないでしょう。ニアフューチャーだというふうにあいまいにお答えになっておられましたけれども、いつかはしていかなきゃならないでしょうけれども、その値上げの時期を少しでも先送りするということで、皆さんの御理解と楽しみを増しながら郵政事業の赤字解消に努めていく。しかも、そのことが人々に物を書いて伝達することの喜びを子供たちに教え、文章を書いたりやりとりをするような心温まる交友のきっかけになれば、一層それは好ましいことなんじゃないか。それは郵政事業の根幹にかかわることでもありますし、そういうことで私もそれを申し上げたわけでして、来年になっても再来年になってもいいですけれども、なるべく早い時期に御検討になって進められるとよろしいんじゃないか。大臣のお言葉もあるようですから、御検討いただきたいと思います。  それから、私はこの前申し上げたのは、ダイレクトメールというのはもともと郵便法でうたわれたころの信書の送達とは意味合いがかなり違う。だから、これは別途料金を定める。これも当然法律の改正が要るのかもしれませんけれども、別途料金を取るぐらいの姿勢で取り組んだ方がいいんじゃないか。あれは、いずれにしても、企業はそれだけのメリットがあってやるわけですね。で、郵政省の職員はその企業の販売の手伝いをさせられているわけですね。料金を取るんですからそれがめぐり回って利益になることは確かですけれども、しかしそのために割引をするなんという方向で検討はしない方がいいと思うんですね。少なくとも、ダイレクトメールが郵政省にもたらす利益もかなりのものであることは確かでしょうし、私信とダイレクトメールとを区別して別途料金を立てるというのも、一々検討しなきゃならないのは事務的に難しいんだということもありましょうけれども、それはまとめて局へ持ってくるはずですから、幾つ幾つ、千とか二千とかの大台以上のものはダイレクトメールと考えて別途封してくださいというようなことだって、これはできるはずですね。  もう一つは、第三種郵便物というので一般の方々に随分サービスをしているわけですよね。これは文化的な意味で、例えば俳句の会だとか、あるいはそれぞれの同好会みたいな方々が連絡にある種のパンフレットなんかを送達なすったりしておりますね。それは、確かに地方にいる方にとっては大変文化的な意味があることでしょうし、そのために第三種郵便物という規定があって、文化に貢献できるようにサービスをしているわけですね。それはそれなりに意味のあることだし、今後も続けていただきたいと思うんです。しかし、第三種郵便物の要件というのがありますね。毎月一回以上定期的に発行する。政治、経済、文化その他公共的な事項に寄与しなきゃならない。もう一つは、広告の占める部分が全体の印刷部分の五〇%以下でなきゃならぬ。それから、一回の発行部数が千部以上で、定価を付して販売して、その全体の部数の八〇%以上を占めなければいけないとありますね。ところが、企業パンフレットなんかもこの三種に入っているんですよね。すると企業通信、企業イメージを高めることであって、考えようによってはこれ一〇〇%宣伝なんですよ。それを三種郵便で割引して手伝ってやるという必要はちょっと考えられないですけれどもね。例えば、ここに幾つか持ってきましたけれども、クレジット販売の会社だとかあるいはスポーツ用具の会社などで出しているパンフレットに近いものがあるんですけれども、おおむね中は商品見本と申込書が入っているんですよね。ですからこれはカタログです。これは、この政治、経済、文化に寄与するとも余り思えないですね。しかも、それを別途料金で割引で送達してやらなきゃならない理由はないと思うんですね。この辺はどういうふうにお考えになっていらっしゃるんでしょうね。
  287. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 先生いま御指摘の雑誌が第三種の要件である政治、経済、文化を包蔵しているかどうかということにつきましては大変難 しい問題だと思いますが、要は、そういったものが定価を付して広く販売されているかどうかということが重要な要件ではないかと思います。私どもとしましては、先生ただいまお話しの三種の要件をすべて備えておれば三種として認可してまいりたいと思いますし、もしそういったものが広く販売されてないということであれば、三種の取り消しをしてまいりたいというふうに考えるものでございます。
  288. 青島幸男

    ○青島幸男君 企業のPRのパンフレットなんというのはどういう範疇に入るんですか。
  289. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 企業内PR話といわれますと、販売されているという概念とは反するんではないかと思いますので、三種の要件を満たさないと。しかし、企業内PR誌的なものであっても、カタログというようなものが多く含まれておるにしろ、広く販売されているということであれば、しかも国民がそれを有料で購読しているという事実があれば、必ずしも企業内PR誌だと決めつけるわけにはまいらないんではないかというふうに思います。
  290. 青島幸男

    ○青島幸男君 それは基準にのっとるだけの部数を刷って実際に売っていますよと言って実際に店頭に並べたんだけど、売れなくて返本で戻ってきましたという事実があったとしますね、それでも三種に認めてもらって、送料が安ければそれにこしたことはないというんでその手段をとってくるという企業もあってしかるべきだと思いますけれども、その辺は別にとりたてて責めはしないわけですか。
  291. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 私どもの判断では、やはり八割以上のものが販売されるという事実がなければ三種の要件は満たさないというふうに考えるところでございます。
  292. 青島幸男

    ○青島幸男君 そうすると、そのことは監査といいますか、追跡調査みたいなことを実際に行われて、その要件に適合しているかどうかということは始終チェックなさっていらっしゃるわけですか。
  293. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) もちろん個別具体的にそういった調査を常時やっているわけではございませんが、毎月見本の提出は受けておりますし、必要に応じて監査もやってまいっておりますし、また先般会計検査院から厳しい指摘がございました機会には、ほとんどの三種についてそういった要件の具備の有無について監査をし、要素の備えてないものにつきましては警告をし、また取り消しもやってきた事実もございますので、現在においてはそういった要件を欠くものはないというふうに考えておるところでございます。
  294. 青島幸男

    ○青島幸男君 この千部以上で定価を付して売っているものが八〇%以上でなきゃならぬといいますと、やっぱり俳句だの和歌だのの同好会みたいなところは、それは余り資金がなくてやっている同好会みたいなものだと、郵便料金というのはその会費に占める割合が非常に大きくなるんですよ。郵便料金がばかにならないんです。ですから、そういう人たちの同好会的なパンフレットなり新聞みたいなものこそ大事にしてあげるのはすばらしいことだと思うんですけれども、企業が利益追求のための手段として発送するカタログ、注文書入りのカタログみたいなものを何も郵政省が割引してやって商売の手伝いをしてやることはないんじゃないかという考え方で私はとらえて、そのことを申し上げているんですよ。  ですから、この前も申し上げましたけれども、ダイレクトメールの重いやつを局員が持っていって渡すでしょう。そうすると、何だこれダイレクトメールだと言って、見ている前でごみ箱へ捨てられるというのを目の当たりにすれば、持っていった局員は、確かに自分がやっている仕事に満ち足りた満足感、充足感というのはなかなか得られないですね。それでもそれが郵政事業を支えている一助になっているんだという自覚があればこそ皆さんやっていらっしゃるんでしょう。ましてやその上にダイレクトメールというのは別途料金もらっているんだと、これも商売のためだから重くても何でも運ぼうという意欲が増すんじゃないかと思うんですね。  それで、質疑の中でありましたけれども、確かに値上げしたときというのは郵便物数というのはばっと減るんですね。タクシーの料金なんかもそうですね。たばこのときもそうですね。今度酒が値上げになりましたから禁酒を誓った人もかなりおいでになるんだろうと思うんですけれども、それも三日坊主ですよね。やがては手を出すようになって、タクシーもすく手を挙げるようになりますけれども。ダイレクトメールだけ別途料金にするからというような枠をつくったらばっと物数が減るんじゃないかという不安からそれは無理ですよというお話もあるのかもしれますけど、企業は採算ベース者えて郵便料金もちゃんと計算の上に入れて、どの程度まいたらどのくらい反応があるか、それも統計に基づいて計算してやっているわけですよね。だから、採算点というのは必ずどこかあるわけですね。だから、少額な化粧品とかそういうものはだめにしても、不動産とかピアノとかという耐久消費財みたいな大きなものだったらまだいけるんじゃないかとか、そういうものが伸びてきたりというようなこともあって、必ずしも割引をしなきゃ伸びないだろうとか、あるいは別途料金を立てたらへっこんじゃうんじゃないかという考え方はお持ちにならなくてよろしいんじゃないかという気がするんですけれども、このダイレクトメールだけ別途料金をつけた方がいいんじゃないかという考えに対しては、大臣はせんだって大変賛同とまでは言わなくても、その辺の方向は考えられるというような言い回しをなさいましたけれども、その点についてはどうお考えですか。
  295. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 先般先生から御指摘のあった面については全部検討を命じさしてあります。同人誌なんかのきょうは新しい御指摘でございますけれども、これらに関しましても郵務局長を通じまして検討しろという形で、これも後で答えてもらいますけれども、ダイレクトメールに関しましても、不特定な郵便物の配達そのものが非常に能率的な面においても料金体系の面においても、これはやっぱりたくさん扱えば割引するという、そういった観念も彼らの中には定着していることも事実ですけれども、そうじゃなくて、今言ったように用途別、まあ同人誌なんかの場合はそういった意味では文化的な交流のそういったものに対して何か特別な計らい、そういうことがやっぱり文化の先兵的な役割を果たした郵政省としてもっと柔軟に考えたらどうだという形で検討を命じてあるところでございます。したがって、定型の今言いましたダイレクトのメールに関しても検討させておるわけです。  先ほど言った中元シリーズの問題に関しましても、まあ思いつきの答弁でございましたけれども、しかしその中編み取るべきアイディア――里帰りの旅行券をたとえことし抽選で当たっても来年使えるとか、そういったような形についてもう少し柔軟な思考でやれと。まあ御指摘のとおり前垂れサービス――サービスという面においてはこれはもう官業である民業であるという形でなしに温かい心の交流のあるサービスだったらそんなことは遠慮せずに一遍頭を働かせという形でございますので、ちょっと今郵務局長からもまた答弁させます。
  296. 永岡茂治

    政府委員(永岡茂治君) 大臣お話しになりましたように、同人誌につきましては非常に文化的な色彩も強いし、またそういった団体は必ずしも裕福でない団体も多いので、第三種の一回の発行部数千部といったものについて再検討しろという御指示も得ておりますので、その方向で前向きに検討させていただきたいというふうに思っております。  なお、ダイレクトメールにつきましては、日本の戦後高度成長期におきましてはダイレクトメールが非常にふくそうしまして、一般の重要通信の運行を阻害していたという事実がございまして、その当時、DMにつきましてある程度別の料金体系をつくってはといったようなこともございまして、定形外郵便物といったような形で定形外郵便 物の料金を相対に高くしたといったようなこともございますが、最近におきましてはどちらかといいますと郵便の取り扱い物数が伸び悩み、収入が伸び悩んできておる現状からしますと、一通でも多く郵便を引き受けて収入を伸ばすということの方がより重要な環境になってきておりますので、私どもは必ずしもそういったものを差別していく、むしろそういった郵便の種別で云々するよりも、できるだけ収入をふやす方向で物を考えてまいりたいというふうに現在では考えておる状況でございます。
  297. 青島幸男

    ○青島幸男君 三種の認可要件の運用をもうちょっと細かくして、この種の申し込み用のはがきまで入っているカタログとしか考えられないようなものですね、こういうものを厳密に営業の手だてとして三種で扱ってもらって、郵政省に商売手伝わしているというようなやり方については、もうちょっと厳密に対処なすった方がいいんじゃないかと思いますね。これも相当数出ていますからね。これを厳密にチェックしていくことだけでもそれは百億台のオーダーでというくらいの感じはしますよ。  ですから、ただサービスに徹すればいいということだけではなくて、一般の大衆の方々の本当に手書きの信書とか、あるいは先ほど中村さんが言われました、体に障害を持った方々へのサービスとか、そういうものには幾らサービスし過ぎてもし過ぎるということはないかもしれませんけれども、企業が利益目的で、規定すれすれ、あるいはそれを侵してやっているようなものにまで温情の手を差し伸べて商売の手伝いをして赤字をふやしていくというような格好にならないように、厳しいチェックと前垂れ精神というのを発揮していただいて、値上げをする時期があるとすれば本当に少しでも先へ延ばしていくというような御努力があってしかるべきだというふうに私は考えますけれどもね。  大臣には深く同意をいただきましたし、それで、私の至らぬ提言について前向きに検討してくだすっているという姿勢もはっきり認識できましたので、大変私はありがたく思っております。残余の問題は、重複しますのでこの辺で終わらしていただきます。
  298. 田英夫

    ○田英夫君 私は逓信委員会に入れていただいて間がないわけでありまして、その間につくづく感じることは、大変この委員会に所属をして幸いであったという気持ちを最近強くしているんですね。といいますのは、いわば第二次産業革命といわれる時代に今到着しつつある。第一次産業革命が石炭と蒸気機関であったのに対して、いわばこの逓信委員会が所管をする、あるいは郵政省が所管をされる部分が第二次産業革命の根幹に触れてくる、こういうことで、これからの人間社会の行き方に対して、ここで皆さんが議論をされること、あるいは大臣以下郵政省の皆さんがこれからやっていかれることが、方向を誤まれば大変ですけれども、同時に建設的な議論が積み重ねられていけば、非常にいい結果を生むだろうということで、まあそういうことを最近痛感をしているわけです。素人でありますから、わからない部分が非常に多いんですけれども、当分はしかしお互いにといいますか、私なんかも揚げ足を取って、政府の中がいろいろおかしいじゃないかというようなことから言うんじゃなくて、お互いにみんな模索をしながらいかなくちゃいけないんじゃないかという意味で伺っていきたいと、そういう気持ちが強いわけです。  そういう意味できょうもちょっと伺ってみたいと思いますが、いわば哲学の転換をお互いにしないと、これから先の変革におくれてしまう、あるいは世界のレベルで言えば、アメリカについて日本はむしろその変革の先頭に立たなければならない立場にあるわけでしょうから、この我々の議論から出てきた方向づけというものが実は非常に重要な、大きく言えば人類社会に対する責任があるぐらいのことになるんじゃないだろうか。  そこで、同時にしかし、やっぱり気になることが既に起こっていると思います。したがって、ここで姿勢を誤ると大変なことになるという意味でも伺いたいんでありますが、最初にちょっと細かなことですが、ややニュース的なことで、四月十二日のこの新聞の切り抜きにするとこの程度のニュースで「ゆり2号」が故障したという報道がありましたけれども、出ていない新聞もあります程度のニュースでありますが、気になりますので、ちょっと状況を教えてください。
  299. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 御指摘のBS2a、「ゆり2号a」の件でございますが、放送用の中継器、それから姿勢制御のための電波センサーにふぐあいが生じている状況でございます。  この放送用中継器につきましては、宇宙のことでございますので、予備機を含めまして三つの系統の中継器を積んでおります。実際には一系統が使えればよろしいわけでございますが、そのうちの一系統が地上からの送信開始の指令に対しまして短時間作動した後、高圧電源の保護回路が、いわゆるヒューズが飛ぶような状況でございますけれども、作動いたしまして断となる現象が発生をしております。したがって、この系統を使用しての送信が行えないという状況です。一チャンネル分、一系統分でございます。  それから、電波センサーにつきましては、これを使って姿勢制御を行いますと、アンテナの指向方向に若干のずれを生ずるという状況でございますが、先ほど申しましたように、放送用の中継器につきましては、他に一系統ございまして、これは正常に作動をしております。それから姿勢制御につきましても、電波センサーともう一つの太陽センサーというのがございますが、これによりまして支障なく姿勢の制御が行われておりますので、五月に予定されておりますNHKによるカラーテレビジョンの二チャンネルの放送ということにつきましては、支障なくできるものというふうに考えております。
  300. 田英夫

    ○田英夫君 その程度ですと、NHKも放送できるということのようですが、つまり故障だということで衝撃は受けてないという程度に考えてもいいんでしょうか。
  301. 鴨光一郎

    政府委員(鴨光一郎君) 私どもといたしましては、故障なくということが望ましいことはもちろんでございます。したがって、この原因につきまして、これはその新聞記事は宇宙開発事業団からの発表によるものでございますけれども、私どもといたしまして、宇宙開発事業団に速やかに原因を究明をしてもらう。そして、しかるべき対応ができることを望んでいるわけでございます。  先ほど申しましたように、何分放送衛星というものが極めて新しいメディアでもございます。そういう意味で、午前中に大臣からも御答弁ございましたように、衛星につきましては予備機というものも用意をいたしております。これは実際に打ち上げますのは一年半後でございますけれども、そういった予備機の打ち上げをしなければならないという状態、そしてまた、現に上がっております2aにつきましても、その中に各種の代替装置というようなものがあるわけでございまして、決して望ましいことではございませんが、そういったことの可能性も考えて行われているのが現在の宇宙開発であり、宇宙の実状であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
  302. 田英夫

    ○田英夫君 そこで、先ほど申し上げた基本的な姿勢といいましょうか、今後の大きな見通しの上に立って、いわば政府がどういう展望を持っておられるか、あるいは戦略と言ってもいいんでしょうか、展望を持っておられるかということを伺っていきたいんでありますが、これを明快に打ち出されていかないと、例えば郵政省通産省との間で問題が起こってくるというようなことが今後もしばしば起こり得るんじゃないか。特に最近よく言われることは、情報提供ということと報道といいますか、具体的には放送と言ってもいいんですが、広く言えば通信を含めた報道、そういうものが非常に接近をしてきてしまっている、あるいはいわゆるニューメディアというものを使ってのいろいろなやり方が至るところで従来の縦割りの政治といいますか、そういうものを乗り越えてまた がってくる、こういうことが非常にたくさん起こってくるんだろうと思うんですね。そこで混乱が起こる、前へ進まない、あるいは縄張り争い的なことになってくる。これは好むと好まざるとにかかわらず、周囲の状況はそういうことになってくるんだろうと思うんですね。よほどそこで政治の上、行政の上でも大きな立場からこれを考えていかないと、郵政大臣と他の大臣とがそういうことで対立して前へ進まないというようなことが起こってくるんじゃないかという、そういう心配をするわけです。  具体的には、例えば政府の中にそうした――これは行政改革時代にこういうことを申し上げるとしかられるのかもしれませんけれども、これは第二次産業革命と言われるほどの新しい時代の中で、そういう全般を見渡すような機構といいますか、そういうものが必要になってくるんじゃないだろうか。これは郵政大臣からお答えになりにくいかもしれません。これは郵政省のお立場からすれば、郵政省こそそういう新しい時代の根幹の中心的存在だとおっしゃりたいと思いますけれども、もう一つ高い立場からすれば、全体にまたがってこれを見渡していくようなものが一体今どこにあるだろうかという気がいたしますが、こういう考え方に対しては大臣はどうお考えですか。
  303. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 確かに今度のような全く新しい分野の所管をめぐっての論争ということになりますと、その上にこれからの新しい情報社会というものを展望して、それにそれをジャッジといいますか、裁くにふさわしい機構はやはりどこかにあった方がそれはいいに越したことはないと思うんです。今度の場合たまたまと言ったら語弊があるかもしれませんが、ともかく通信主管庁としての立場は貫いたわけでございますけれども、今後の技術革新の経過がやっぱりいろいろ錯綜する場面も予想されることは当然でございますし、こういった中では日ごろの通信政策、また電波政策あるいはそれが融合する分野の問題に関してやはり相応な見識のある形で機構があれば、もっとこういった形の問題というのは早目に解決もできたんじゃなかろうかという気は確かにあります。
  304. 田英夫

    ○田英夫君 これも新聞報道なんですけれども、しかし書き出しは「建設省は」という書き出しで、これは十六日のサンケイ新聞ですけれども、高速道路のネットワーク――これは前から言われていたことですけれども、具体的に一つのニュースとして出ているんですが、「高速道路のネットワークを利用した新しい情報システムのあり方について、本格的な検討を行うためのシンクタンクとして、道路新産業開発機構を今年六月に設立することになった。」こういうニュース、これはもうお気づきでしょうけれども。これなんかも建設省としては当然自分の所管の高速道路、これは全国に張りめぐらされているし、しかもこれからもさらに伸びるであろうそういうものを利用して、これが情報伝達の一つシステムづくりに役立つということになれば、建設省として検討するのが当然だろうと、こういうことになりますね。国鉄は国鉄で新幹線でやろうという、これは国鉄がおやりになれば運輸省がお役所としては所管をされる。そういうことで各省がこれやって当然なんですね。当然であるけれども、本来の今までの考え方からすればこれは当然郵政省の所管である。つまり通信という精神からすれば郵政省の所管である。黙っているわけにいかぬぞと、こういうことにもなってくる。そこで今申し上げたわけなんですけれども、今のシステム政府の機構システムでいけば、これは建設省や運輸省やそういうところで、あるいは電力会社がおやりになるとすればこれは通産省ということになってくるかもしれませんね。お役所の機構でいえばそういうところがみんなそれぞれおやりになるのはこれはいいことに違いない。積極的におやりになるでしょう、これからも。さあ、そのときに一体政府全体としてはどういうことになっていくんだろうか。やっぱりそのときでも今までの機構どおりでいけば郵政省が中心はおれだぞと、こうおっしゃれるのかどうか、この辺のところはどうなんでしょう。
  305. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 大変重要な御提議でございますので、もし補足しなければいかぬことがありますれば電政局長から話をさせますが、しかしいずれにしても私たちは、公団が道路を利用してそしてやることも結構ですし、国鉄も、そううまくはないと思いますけれども、新幹線利用によって新しいそういったメディアの分野に進出される機会があるとすれば、そのこと自体は結構だと思うんです。しかし、そういった事業主体が一種であれ二種であれ――今御指摘になったのは一種事業でございますけれども電電の今独占といいますか、一元形態の中に一つの活力をもたらして競争して参入してくるという形ですから、これ自体は、通信全体に網がかぶせられる通信の機密、そういった面の事業モラルだけははっきりしてもらうことは当然ですけれども、それらをなべてやはり行政的に指導していく、管理していくというのは郵政省でございます。  したがって、競争相手がたくさん参入して、民間の経済的な活力、そして利用する国民側のサービスというものがそれによってより付加価値も高く、安くという形が来れば、それは望むところであるということでございます。その点においては問題が起きるかということになると、問題は起きません。そのために郵政省がある意味における電気通信の一種事業であれ二種事業であれ監督官庁であるということが明定されるということで今度の法案審議を願うということになるわけでございます。
  306. 田英夫

    ○田英夫君 具体的な問題についてはこれから法案が来ましたときにいろいろ伺いたいことがあるんですけれども、もう一つやっぱりニュースで、これはまた大きく出ていますね。経団連が輸入衛星を使ってやりたいという、国産派を説得するんだというようなことがまたニュースになっている。そうすると、この間から大臣がここでおっしゃっていた衛星は国産で行くんだということに今度は財界の方から、企業の方からたちまちこういう動きが出てきて、それでいわゆる第二電電に参入してくるんだ、こういうことが起こってくるわけですね。これは変化のときですからお互いにそうやってどんどん自分の立場から、お役所もそうですが、企業や経済界も積極的に乗り出すということは悪いことではないし、当然かもしれません。  しかし、先ほどから申し上げているように、何か最近のこういうずっとあらわれてくる事態を見ておりますと、行政の方が取り残されているんじゃないんだろうかという心配をしたくなるんですわ。基本的には、第二次産業革命ほどの大きな変革が起ころうとしているわけですから、これに大きな先を見通して見事に対応しようって言う方が無理なのかもしれませんけれども、どうも具体的に起こってくることは気になるという気がします。具体的なことは、衛星の問題なんかも国産ではなくて輸入したいんだということを経団連から言ってくるとどうなるかという、これはお答えになりにくいかもしれませんけれども、まだ計画ですからね。  私が心配するのは、そういう具体的なことはこれからとして、基本的なこととしてさっきおっしゃった、政府の機構の中にそういうものをつくればベターだとは思うと、しかしやっぱり今は郵政省が中心なんだと、こうおっしゃっても、至るところから雨後のタケノコのごとく、いろんなものが、ニューメディア的なものをめぐって、あるいは電電改革というものをめぐって起こってくるというこの事態に対して、もう郵政省対応に追われてしまう、おれのところが中心だと言いながら実は対応に追われちゃうんだという事態を心配するんですが、いかがでしょうか。
  307. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) そのためにも今度の電気通信事業法案、そして日本電信電話株式会社法案を通じての審議の経過の中で、新しい機構改革も三局体制、電気通信政策という総合的な、今お話の中にもございましたけれども、衛星を使う通信、こういう形も全部郵政省で担当することにな るわけでございます。根幹的な宇宙開発政策については、これは国の政策として国が開発したものを中心にやっていくということでございますけれども、民間がこれをどういう形に使うか、安上がりで使いたい、安上がりの輸入衛星でやりたいというようなことに対応するためにも、今度の法案整備をまってそういう動きが出てくるのも当然でございます。これらの動きは全然予知しなかったと言うんじゃなぐて、予知される事態として今度の法案にもそういった形の整備をまつというのが民間側の態度であろうと思うわけでございます。  ただ、今日の宇宙放送衛星にしろ通信衛星にしろ、やはり国産化率は年々高まってきておりますけれども、枢要な部分はやはり現在のところまだアメリカの技術に負うところも多いわけでございますし、そういった意味合いではいろいろこれから問題が複雑多岐になってくるでしょうが、基本的な姿勢でその対応にうろちょろしているということはございません。そういうことは当然予期された事態であるという形で受けとめております。
  308. 田英夫

    ○田英夫君 もう一つ、やっぱりこれもニュースで三菱商事とか三和銀行が第二電電にというようなことも出てきますね、東京-大阪間の電話を第二電電でその部分だけやろうと。これは企業にとってみれば、まさに日本の二大都市を結んで、需要も多いし、また企業間の仕事としても非常にいいと。  これは何か伺うところによると、現在電電公社のあれですと、三分で四百円ぐらいのものが百円ちょっとぐらいの値段になるだろうというようなことも聞くわけですね。そうすると、私みたいな素人の市民の立場でこの記事をぱっと読みますと、それはその方がいいじゃないかと、四分の一近い、三分の一か四分の一の値段で電話がかけられるならまことに結構だと、こういう感覚になってしまうんですけれども、さてそこで、今度の新しい形の電電、株式会社になった電電が全国にネットを張ったそういうサービスをしていれば、東京-大阪間だけ競争だから安くするというわけにいかない、こういうことになるんじゃないでしょうか。
  309. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 電電も昔は遠近という形が非常に大きな企業要素で、それによって料金も決められてきたという経緯はあります。しかし、INS社会というのも結局ディジタルサービス網が完成すれば遠近の格差はなくなる。しかも、新しく参入する会社がそういった光ファイバーを使用したネットをつくっていくということになれば、その間の料金はうんと安く、想像以上に安くなるんじゃないかと思うのです。新しい電電も今日の電電ももちろんそのことは計画しているわけです。新規参入の民間業者に対抗していくためには少なくとも一日も早くこのディジタルサービスのネットワークを形成して、しかも全国均一料金という形の中で、むしろ本当にびっくりするくらいの、またそういうものが構築できなければ、現実においては、北海道であれ九州であれ、東京と同じような情報格差のないサービスを受けられるという時代は来ないわけですから、今のような料金のうんと大差があるような形の中では、いかに頑張ってみても情報格差というものは依然として存在するわけですから、そういった形を解消しようという方向で努力していることも事実でございます。  ですから、私は今先生指摘されたように、新規参入が大阪あるいは東京間のいいところだけを食っちゃって、そして料金がうんと安くなるという形は当然だと思うのです。安くなります。またならなければ民間が参入した意味がないわけで、民間参入の活力というものをそういう面において生かしていくということですから、これは好ましい方向です。ただ安いだけで、そしていわば本当のユーザーに迷惑かけるような形になったらいかぬという形というものは、私たちは常に注意深く見守っていかにゃいかぬということでございます。そしてまた、商社あたりがこういう問題に関心を持ってやり出すというのは当然だと思うのです。私らは今まだ実感として、先生の方がむしろ先見的には考えておられるかもしれませんけれども、想像もできないような一つの、先生は今産業革命の第二次期が今だと言われましたけれども、まさに差しかかっている時期じゃないかと思うのですけれども、確かに今まで情報でお金を動かし物を動かし流通を支配してきたという商社機能というものは、こういったメディアのあれによって、むしろ一般の個々の企業もそれをVANとかいろいろなシステムで物にすることができるわけですから、逆に言えばこういった形の中で自分たちの存立をかけても、彼らもやっぱり必死になってこの分野に入ってくるのは当然であろうと。ですけれど、そのことによって電電が新しい会社になって大変なことになるということは、私はむしろそういう競争力を今まで官業の一元体制の中であぐらをかいておったと言うとちょっと語弊がありますけれども、そういう形の中に民間の新しい効率主義が入ってくることによって、むしろ国民に対するサービスは還元されて裕福になってくるんじゃないかと思っておるんです。ちょっと楽観的過ぎるかもしれませんけれども
  310. 田英夫

    ○田英夫君 私の間違いかもしれませんけれども、この電電改革というのは、中曽根総理が鈴木内閣時代に行管庁長官で、そしていわゆる行革ということがしきりに言われてきた中で、一つは国鉄と、次は電電だというような形でこの話が起こってきたというふうに私は考えて理解していたんですね。  そうだとするならば、国鉄はともかくとして、経営的には黒字であった電電、しかもこうした国民生活の中で、これからどんどん新しい第二次産業革命の一角を担うということがあるわけですけれども、非常に身近な通信機関というものにいわゆる競争の原理を取り入れてまでここで変革をやる必要があるのか。何かそこに一つ混乱の原因があるんじゃないかという気がするんです。一方は時代の大きな変革、技術の進歩に伴ってニューメディアというものが興ってくる中で、この電電がやってきた仕事をどう変革をし発展をさしたらいいかという、この時代の変化に迫られている。それに行革的なものを同時にかぶせたところに何か哲学の混乱があるんじゃないかと思うんですよ。これはいずれ法案が参りましたときに一つ問題点として伺いたいんですけれども、きょうはそういうことを私が感じていますよということを申し上げておきたいんですね。行革なのか、それとも時代の変化に伴う、技術の進歩に伴う変革ということが先なのか。それをやりやすいために電電公社を変えて民間の競争原理を取り入れていこうとするのか。そこのところが、何か私なんかの感覚ではオーバーラップして混乱があるんじゃないか、その点はいかがですか。
  311. 小山森也

    政府委員小山森也君) 行革が先なのか、いわゆる今の技術革新が先なのかというような話になろうかと思いますけれども、私どもの方からの立場で申し上げますと、これはまさに技術革新が先にあったというふうに理解しているわけでございます。  具体的に申し上げますと、電電公社というのは通信政策そのもので一時あったわけです。電気通信イコール電信、電話であった時代でございます。そういったときに、何が一番の目標になったかと申しますと、電話がすぐつく電話、すぐかかる電話、いわゆる積滞のない電話であり、自動化であるということが、これが日本の電気通信にとって最もよいことでありますし、また電電公社にとってもよいことであり、また国民にとっても最も幸せだという三拍子そろっていたわけでございます。  ところが、この二大目標というものがもう達成されまして、達成されたということと同時にいわゆる技術革新でいろいろなメディアが出てまいりました。そうしますと、電気通信分野においていろいろなニューメディアが出現してまいりますと、これに対応するためには、今まで電信、電話がイコール電気通信であったというところの事業体であります電電公社、これが一社で対応していくというのは非常に何か需要者に対してきめの細 かいサービスができなくなってきていたということも、これは事実でございますと同時に、また、そういった技術力が民間にも充実してきた。また、資金力の向上も非常に社会的に構築されてきたということになりますと、いわゆる自然独占性というものが希薄化してきたということにもなるわけでございます。  他方もう一つ、これは非常に言い方としては適切を欠くかもしれませんけれども、やはり電電公社は当初発足したときは非常に生き生きとした、まことに新しい生気に満ちた企業体でございましたけれども、三十年たちますとやはり巨大性とか独占性からまいりますところのいろいろな弊害も若干出てまいりました。これが非常に大きな弊害であるかどうかというのは見方によって変わるところでございますけれども、若干の弊害は出てきたということでございます。  そういたしますと、やはりこういった高度情報化社会への先導的役割を果たしていく一つ電気通信というものに電電公社の一元的運営体制でもって対応していくよりも、むしろ市場原理を導入してくる、そのことによって活性化を図っていくというときになってきた。それとたまたま、いわゆる行政改革というものからくるところの一つ電気通信の一元的体制というものの改革というものとがたまたま波が同じにぶち当たってきたんではないか、このように考えておるわけでございます。
  312. 田英夫

    ○田英夫君 私の感覚は、どうも今の局長のおっしゃるのは逆のような気がして、そもそも行革だ行革だという中で出てきて、結果的にはいわゆる技術の進歩に伴う時代変革というところにさっと乗っていったというのが事実じゃないかという印象が強いですよ。そこのところが何か急に川一つ飛び越えちゃったみたいな、そういう印象が非常に強いのです。行革ということなら、もっと議論があっていいんじゃないか。どうもこの国会にいきなり、またそれで法案まで出てきてしまう。一般の国民の皆さんは、何か行革で国鉄がとか、それで次は電電だと言っていたら、そんな話じゃないのかといって、私も素人ですけれども、本当に一般の方はわからないですよ。もっと、だからこの問題については、服部委員もさっきおっしゃったけれども、一般の皆さんが理解できるような議論がいろいろあった上でこの改革をするならするということになってこないと、冒頭から申し上げていたようないろいろなことがどんどんどんどん起こってきている中で、ぽっと電電公社は変わっちゃったというような感じです。これは後日ひとつ議論をさしていただきたいと思います。きょうはこの辺でやめます。
  313. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ―――――――――――――
  314. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 次に、公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。奥田郵政大臣
  315. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 公衆電気通信法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。  この法律案は、電話の通話料の距離段階別の均衡を図るため、中距離の通話料を引き下げようとするものであります。  我が国の電話の通話料は、諸外国の料金に比較して、近距離の通話料は安く、遠距離の通話料は高いことからいわゆる遠近格差が大きくなっております。この格差を是正するため、これまで遠距離の通話料を中心に改定してきたところでありますが、今般、これらの改定との均衡を図るため、中距離の通話料を引き下げるとともに、その距離段階別区分を四段階に統合することとするものであります。  その内容は、区域外通話地域間距離が六十キロメートルを超え三百二十キロメートルまでの区域外通話の料金について、六十キロメートルを超え八十キロメートルまでは十五秒までごとに十円を十五・五秒までごとに十円に、八十キロメートルを超え百キロメートルまでは十三秒までごとに十円を十三・五秒までごとに十円に、百キロメートルを超え百二十キロメートルまでは十秒までごとに十円、百二十キロメートルを超え百六十キロメートルまでは八秒までごとに十円を百キロメートルを超え百六十キロメートルまでは十・五秒までごとに十円に、百六十キロメートルを超え二百四十キロメートルまでは六・五秒までごとに十円、二百四十キロメートルを超え三百二十キロメートルまでは五秒までごとに十円を百六十キロメートルを超え三百二十キロメートルまでは七秒までごとに十円に、それぞれ改めることといたしております。  なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日といたしております。  以上がこの法律案を提出いたしました提案理由及びその内容でございます。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  316. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十一分散会      ―――――・―――――