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説明員(野村瞭君) お答えを申し上げます。
宇都宮病院に対しましては、栃木県が三月十四日以来、既に四回にわたる立入
調査を行っておりまして、それらを通じまして現在までに判明しております事実についてまず申し上げたいと存じます。
医療従事者についてでございますが、四月十四日現在で医師が七名おります。内訳は、常勤が六名、非常勤が常勤換算いたしまして一名、計七名ということでございます。それから、資格を持っております看護従事者でございますが、同じく四月十四日現在で五十九名在籍をいたしておるわけでございます。
次に、入院患者さんの収容
状況でございますが、四月十五日現在で七百五十三名の患者さんが収容をされております。
また、この病院の構造、設備につきまして
調査をいたしたわけでございますが、その結果判明いたしました事実といたしまして、医療法上の知事の許可を得ずに病棟内を改造し使用していた事実が認められております。また、病棟管理の
状況につきまして
調査をいたしました結果でございますが、入院患者さんを許可されました病室外に収容しておった事実も判明をいたしております。
さらに、無資格者による医療行為についてでございますが、レントゲン照射、脳波検査等におきまして無資格者が操作をいたした疑いが持たれておるところでございます。
また、精神医療の場合、面会の自由というのが重要な問題になりますけれ
ども、この点につきましては、閉鎖病棟において面会室が設けられておらず、看護室でそれが行われたという事実がございます。これについては問題があるという認識をいたしておるところでございます。
また、
昭和五十六年一月から五十九年の三月二十一日までのこの病院における死亡者数を
調査いたしましたところ、三年有余の期間に二百二十二名の死亡者が出ておったわけでございます。
また、入院患者さんの預かり金について疑惑が持たれたわけでございますが、これについて
調査いたしました結果、患者さんの預かり金の管理台帳の残高と
関係いたします預金通帳の残高が合わなかったという事実が判明いたしておるところでございます。
以上が
調査結果の概要でございますが、私
どもといたしましては、このような事実
関係の究明に努めることはもちろん重要でございますが、同時に、入院されておられます患者さんの処遇に万全を期すということも必要でございまして、それに対しまして当面の措置といたしまして、患者さんあるいは家族の方に対する相談窓口の機能を県において強化をいたしておるところでございます。
また、この宇都宮病院におきます医療従事者の
不足につきまして、病院側において自発的にその補充を図るよう、県が強力に指導をいたしておるところでございます。
また、入院患者さんに対しまして、入院の必要性があるかどうかにつきまして、第三者である精神衛生鑑定医による実地審査を四月十日以来行っておるところでございます。今後引き続きこの病院に対しまして強力な指導を行うとともに、今申し上げました実地審査後の患者さんの処遇につきましても家族または福祉事務所等と十分連携をとりまして、患者さんの処遇につきまして遺漏のないよう配慮するよう県に対して指導をいたしておるところでございます。
また、かかる問題が再度生じ狂いためにも、
全国に対する措置といたしまして、今後私
ども検討をいたさなければならないわけでございますけれ
ども、なかんずく医療法に基づきます医療監視、また精神衛生法上の実地指導につきまして、
内容的に強化をいたしたいと考えておるわけでございます。
それから、先ほど申し上げました第三者であります精神衛生鑑定医によります実地審査につきましても、積極的に各都道府県に行われるよう指導を強めてまいりたいと考えておるところでございます。