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1984-04-07 第101回国会 参議院 地方行政委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年四月七日(土曜日)    午前十時開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長        大河原太一郎君     理 事                 岩上 二郎君                 真鍋 賢二君                 三治 重信君     委 員                 井上  孝君                 上條 勝久君                 出口 廣光若                 松浦  功君                 吉川 芳男君                 秋山 長造君                 佐藤 三吾君                 中野  明君                 原田  立君                 神谷信之助君    国務大臣        自 治 大 臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    田川 誠一君    政府委員        警察庁長官官房        長        太田 壽郎君        警察庁長官官房        会計課長     立花 昌雄君        自治大臣官房長  矢野浩一郎君        自治大臣官房審        議官       津田  正君        自治大臣官房審        議官       土田 栄作君        自治大臣官房会        計課長      大塚 金久君        自治省行政局長  大林 勝臣君        自治省行政局公        務員部長     中島 忠能君        自治省財政局長  石原 信雄君    事務局側        常任委員会専門        員        高池 忠和君    説明員        大蔵省主計局主        計官       藤井  威君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和五十九年度一般会計予算内閣提出、衆議  院送付)、昭和五十九年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付)、昭和五十九年度政府関係  機関予算内閣提出衆議院送付)について  (総理府所管警察庁)、自治省所管及び公営  企業金融公庫)     —————————————
  2. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  昭和五十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち警察庁自治省所管及び公営企業金融公庫を議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 神谷信之助

    神谷信之助君 来年度地方行財政対策というのは、私は地方自治の根幹にかかわるような大改悪が行われる年だというように思っているわけです。したがって昨日の当委員会審議でも、地方自治とは何かという原点に立つ議論が展開されたのだというように思うんですが、私もそういう角度から議論を行ってみたいと思います。  そこで、まずお尋ねしたいのですが、昨年の五月に人事委員会事務局長会議、そこで定年制問題などと同時に給与の是正の問題についてお話があったようだし、さらに八月には人事院勧告が行われた後、人事委員会事務局長会議及び総務部長会議が開かれておるようであります。そして、人事委員会勧告内容にわたっての指導がなされたように報道されておりますが、まずその内容を御報告いただきたい。
  4. 中島忠能

    政府委員中島忠能君) 私も出席しておったわけじゃないので詳細に覚えておりませんが、人事委員会給与勧告をする、その勧告をするときに公民較差というのを出す。その公民較差の出し方とかあるいは出した後の勧告の仕方について当時の行政局長公務員部長会議の席上発言したというふうに記憶しております。
  5. 神谷信之助

    神谷信之助君 それは具体的にどういうことですか。公民較差とそれから勧告内容ですか、具体的にはどういう点をお話しになったのか。
  6. 中島忠能

    政府委員中島忠能君) 公民較差をしっかりした資料を把握した上で出しなさい、そしてその公民較差が出たらそれを踏まえて勧告率というものを考えていくべきだという話をしたのじゃないかと思います。
  7. 神谷信之助

    神谷信之助君 それで、そういう指導をなさった結果、それぞれの人事委員会勧告をなさったんですが、それについてはどういう評価をなさってますか。
  8. 中島忠能

    政府委員中島忠能君) 全国四十七都道府県ございますので、一概に言うのは非常に難しいと思いますが、公民較差が出ると、その公民較差に基づいて勧告するときに、勧告内容というのは地方公務員法二十四条の給与決定原則というものを実現するための勧告でございますから、公民較差はそのときの考慮すべき非常に重要な一つ要素であるというふうにやはり考えざるを得ないと思います。  公民較差が一%とか二%とかいう公民較差であるにもかかわらず岡に準じて給与改定をすべきであるという勧告がもし出ているとしたならば、そういうときには、やはりもう少し慎重に考えて勧告をすべきものもあろうかと思います。
  9. 神谷信之助

    神谷信之助君 では、具体的にはそういうのはあったのですか。
  10. 中島忠能

    政府委員中島忠能君) 個々にわたって検討はいたしておりませんが、例えて言いますと、民間賃金地域差指数というのがございますが、その地域差指数というものを全国見渡してみますと、全国平均を一〇〇とした場合に、一番低いところは八〇前後のところがたしかあったと思います。そういうところで公民較差がなお出ておる。しかも、その団体ラスパイレス指数が一〇〇を超えておるということになりますと、やはり分析して調査検討しなければならない県もあったというふうに思います。
  11. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうすると、人事委員会に対して自治省の方は、人事院国並み勧告を行うのじゃなしに公民較差勧告をおやりなさいというように指導をされたというわけですね。
  12. 中島忠能

    政府委員中島忠能君) 必ずしもそういうふうに簡単に割り切れない問題だと思います。と申しますのは、地方公務員法二十四条では、地方公務員給与決定原則として、国及び他の地方公共団体職員給与とか、あるいは生計費とか、今の公民較差のもとになります民間企業賃金というような要素も上がっておりますので、そこらを考慮してやはり勧告というものをすべきだというふうに思います。
  13. 神谷信之助

    神谷信之助君 例えば東京とか神奈川とか埼玉なんかは、これは国と地方との関係、それから公民較差、それらを踏まえて勧告をする。だから、単に人事院勧告そのものをなぞらえるのじゃなしに、そういう独自のそれぞれの条件に基づいて検討して勧告をする、こういうことになったと思うのですが、この点はどうですか。
  14. 中島忠能

    政府委員中島忠能君) 地方公務員給与というものを考える場合に私たちは、現下の地方公務員給与を取り巻くいろいろな環境というものを考えた場合にやはり国に準ずるのが基本だというふうに思います。現在の時点では、それを基本に据えながら、それぞれの地方団体における公民較差とかあるいはまた生計費のもとになります消費者物価の動きとかそういうものを勘案して、しかも当該地方公共団体住民の意向というものを踏まえながら、それぞれの地方団体が適正に勧告をしていくべきものじゃないかと考えます。
  15. 神谷信之助

    神谷信之助君 その地域住民感情なんかも考慮するというのは二十四条の中にあるわけですか。
  16. 中島忠能

    政府委員中島忠能君) 法律論ではなくして、一つ常識論だと思います。
  17. 神谷信之助

    神谷信之助君 あなたの方は二十四条にないそういう常識論まで振りまいて、人事委員会独立性を持ってそれぞれの見識に基づいて勧告をするということを否定するということになるのですか。
  18. 中島忠能

    政府委員中島忠能君) 私たちは、人事委員会給与勧告のあり方については今申し上げたようなことが基本になるんじゃないかというふうに考えますが、個々地方団体のそれぞれの人事委員会がどういうようなことを詳細に検討した上で勧告を出したかというところまで立ち入って、先生の言われる、かつて言われましたような不当な介入ですか、そこまで入って検討するかどうかということになりますと、もう少しやはり検討しなければならないものがあろうかと思います。
  19. 神谷信之助

    神谷信之助君 不当な介入をやったと言われないように慎重に指導なさっておるようですけれども、大まかに言って、官民較差というのをよく見なさい、漫然と勧告をするようなことはいかぬと、これは二年前でしたか、この問題で議論したときにも当時の行政局長はそういう答弁をなさっておりましたね、砂子田さんが。だから大変人事委員会に対しては失礼な申し分だと思いますが、そういうことをおっしゃっている。そうして、人事院勧告も十分考えなさいということもなさっておる。勧告ではそう言っておきながら、今度はその勧告が出るとその勧告に従ったらいかぬ、自治体当局に対しては、国並みにしなさい、勧告に従う必要はないという指導を片っ方でなさっておる。これは大変な矛盾だと思うんですが、いかがですか。
  20. 中島忠能

    政府委員中島忠能君) そのことは少し論理の飛躍というか、先生のおっしゃることに少し飛躍があるんじゃないかと思います。  私たちは、基本的には人事委員会勧告は尊重すべきだと思いますし、また執行部もそれが尊重できるようなしっかりした勧告を出していただきたいというふうに考えているだろうと思います。私たち基本的にはそういうことで、人事委員会勧告というのは尊重すべきだと思いますが、勧告を受けたときにどういうふうに執行部として行政全体のいろいろな要素を考慮しながらそれを判断していくかというのは別の次元の問題じゃないかというふうにやはり考えざるを得ないと思います。
  21. 神谷信之助

    神谷信之助君 人事委員会に対しては、先ほどおっしゃるように、二十四条に基づいて、給与決定原則に基づき、あるいはまた、あなたが言われた御答弁により言えは、地域住民感情も考慮して勧告をしなさい。それに基づいて人事委員会責任を持って勧告をする。片一方では、今度勧告を受けた側に対してはそれを尊重しなさいと言いながら、しかしそれは執行部自身が独自の判断をしてよろしい、財政が困難だから国並みに抑えなさい、こういう指導をなさっているでしょう。それじゃ、勧告はちゃんとしなさいと言って指導して勧告を山さしておいて、今度出てきたら、金がないときはそんな勧告は聞かぬでもよろしい。何のために人事委員会勧告するんですか。
  22. 中島忠能

    政府委員中島忠能君) 先ほど申し上げましたように、やはり人事委員会勧告勧告として独立に存在すべきものだと思います。しかし、勧告が出たときに執行部の方で給与を決定する場合には、五十八年度のベアの取り扱いに関して申し上げますと、やはり国、地方を通ずる厳しい財政事情とかあるいは行政改革を推進しているこの中における国民世論とか、そういうものをやはり行政当局者としては総合的に勘案して判断する場が一つあるのだろうというふうに考えるわけです。
  23. 神谷信之助

    神谷信之助君 行政当局者は、あなたがおっしゃるように自責で判断をしなさいと、いろいろの状況を考えて。しかし国並みに、それは、ざっくばらんに言ったら、国と同じような抑制をしなさいということでしょう。それで言うことを聞かなければ一体どうする。そういうことでいろいろな措置が——これから後で触れる問題に入ってくるのですけれども、それじゃ、こういう点を聞きましょうか。  別の角度からですが、五十八年度末で、昨日も議論になりましたけれども起債申請に対して保留をなさったわけですけれども、この保留した自治体の数、それからその理由、それからその保留を解除なさっていますが、解除した場合は解除したその理由、その経過、それから最終的に不許可になったのは一体どれだけあるのか、その理由は一体何か、こういう点について報告をしてもらいたい。
  24. 津田正

    政府委員津田正君) 年度末に起債関係抑制をしたものを申し上げますと、東京都分で四百四十五億円でございます。特別区におきましては八特別区と一部事務組合で、抑制額が四億八千百十万という格好になっております。  それから、いわゆる個別指導団体でございますが、これは二十三団体でございまして、抑制額が八億二千六百万円、このような数字になっております。
  25. 石原信雄

    政府委員石原信雄君) 五十八年度追加申請のありました起債の一部につきまして、最終許可段階申請額に対して一部抑制措置を講じたわけでありますが、その団体についてはただいま審議官から御答弁申し上げたところであります。  その理由と申しましょうか、考え方でありますが、地方債許可につきましては幾つかの制限条項がありますが、そのほかに一般会計債につきましては、許可方針の中で、その事業の緊急度でありますとかその団体財政状況などを勘案して重点的に許可するという方針が示されております。  その場合、各団体財政状況を勘案するゆえんのものは、地方債はその団体財政健全性を守る上から必要最小限度にとどめることが望ましい。これは地方財政法第五条の規定その他の考え方で一貫しているわけですが、特に財政状態が非常に厳しい悪い団体は将来の償還に問題があるわけであります。そういった角度から、最近の財政の非常に厳しい環境を考慮し、また特に五十八年度におきましては給与について異例の扱いがなされたわけでありますが、そういったいろんな状況を総合勘案いたしまして、従来、給与が著しく高い団体についてその適正化について計画提出していただき、これを計画的に実行していただくように御指導申し上げているわけでありますが、これらのいわゆる指定団体の中で五十八年度までに効果的な適正化措置が講じられた団体につきましては留保をしておりました額を解除いたしております。  それから、最後まで適正な十分な適正化措置がとられなかった団体につきましては、やはりその団体財政の将来についていろいろ問題があるという判断に立ちまして、一部申請額について最終段階抑制措置を講じたということでございます。
  26. 神谷信之助

    神谷信之助君 結局、そうすると、自治省の言うとおり給与抑制をしないところに対しては借金もさせない、そういうことですか。
  27. 石原信雄

    政府委員石原信雄君) 東京都と特別区につきましては、これはいわゆる指定団体ではございませんが、もともと給与水準が他の団体に比べてかなり高い状況にある上に、五十八年度給与改定について、国の基準、大部分の地方団体の実施した改定率の二倍を超える率で給与改定を実施した。言うなれば、それだけの財政的な余裕があると考えられる状況にあった。さらに、そういった措置は将来の財政体質の悪化という原因にもなる。いろんなそういった事情を考慮して、東京都と特別区については給与改定率が著しく高かったという状況を勘案して抑制措置を講じた次第でございます。  それから、それ以外の二十三団体については給与改定率国並みであったわけですが、五十六年度以降、計画的に給与適正化措置を講じていただきたいということで御指導を申し上げている団体でありますが、この二十三団体については、五十八年度中に十分な合理化措置適正化措置がなされなかったという意味で、これらの団体は将来の財政に非常に問題を残したという意味申請額の一部について抑制措置を講じたわけでございます。
  28. 神谷信之助

    神谷信之助君 それぞれの自治体の長がそこに働く労働者にどういう賃金を支給するか、それはそれぞれの自治体のいろんな条件に基づいて自主的に決められる問題であって、それを自治省の言う、思いどおりに抑え切れないからといって、将来の財政に不安があるとかどうとかといって起債制限をする、抑制をするということができるのかどうかですね。大臣、これ、例えば国でもそうでしょう。財政赤字でどうしようもない。だから財政再建計画を立てる。今まで、何年までには赤字国債を発行しないんだということを何回もやって、もう何遍も失敗している。国でさえなかなかできない財政再建状態。それを、国の言うとおり賃金を抑えないからというそのことの理由で、おまえのところの自治体財政というのは将来不安やと、自分の方も解決できぬものが大きな顔してよう自治体に文句言うものだと私は思うんだけれども、この点はどうですか。
  29. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) 公務員給与というのは、国、地方を通じて、その財源のもとをただしていくと、やっぱり国民公務員給与を払う。つまり、国も地方もその背景は国民にあるわけでありまして、これが民間給与と国、地方公共団体給与と非常に大きく異なるところでございます。でありますから、政府地方自治体の執行者給与を決める場合に、やはり国民負担ということを考えてやらなければならない、そういう意味から、国家公務員給与を決める場合に国が国の財政を広い立場から検討していかなければならない、こういうことになるのではないかと思うのです。それから、地方公務員の場合もまた同様でございまして、地方公務員給与を決める場合にはやはり国家公務員に準じてやらなければならない、そういうところが公務員給与民間給与と非常に違うところではないかと、私はそういうふうに見ているわけでございます。  ですから、こういうような財政が中央、地方とも厳しいときには、今、神谷さんおっしゃられたように人事院勧告あるいは人事委員会勧告がありましても、なかなか財政事情勧告どおりいかない場合も出てくる、こういう事態になるわけでございます。これが公務員の皆さんにとっては大変遺憾なことだとお思いになるわけでございますけれども、しかしこれは、一般民間会社になれば、会社経理状態が苦しくなればもう給与はダウンする一方だ、しかし公務員の場合はある程度保障されているというような面もあるわけでございまして、そういう面で、現在のような財政の非常に厳しい状態におかれましてはなかなか勧告どおり実施をされないという面がある、このように認識をしております。
  30. 神谷信之助

    神谷信之助君 今、長々とおっしゃいましたが、基本は結局、国民の税金だから国民が主人公で、国民判断するんですよ。それははっきりしている。ところが問題は、したがって自治体がどういう措置をとるかどうかというのは、その地域住民の意思に基づいて自治体責任者とそれから議会とで議論をしながら決定していくわけだ、ところがそれに対して政府が強制の手段をもって、おれの言うことを聞かなければ借金も許さんぞと、そういうやり方が地方自治にかなうのかどうかというこの問題が問われているのですよ。  だから、きのうもこの委員会で問題になりましたけれども給与適正化計画を出せ、それには単に計画書を出しただけではなしに首長議会の議長の判こもついて持ってこいとか、そういう指導をやられているということの大分報告が出てきている。私は、そういう権限が一体どこにあるのかということをお聞きしたいと思うのですよ。
  31. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) 私から申し上げるまでもなく、この厳しい財政状態の中で厳しい思いをしながら財政の運営をしている自治体、その自治体行政需要に応じていろいろな財政処置を講じなければならない、そこで起債をする、しかしこの起債というものは非常に限られた資金である、この限られた資金をどうやって財政の厳しい状態の各自治体配分をしなければならないか、こういうことを考えますと、財政状態余裕のある自治体には少し我慢をしていただかなければならない。何が厳しいかという判断をして調整をしていくのが自治省の役目ではないかと思うのです。  ですから、昨日も議論がありましたけれども地方起債許可制にする一つ理由は、国全体の金融市場円滑性を確保するという、そういう考えから地方団体資金需要について政府民間資金需要調整を図る必要があるという、こういう理由一つある。  それから、地方の自由にそのままさせていけば有力な地方団体だけが資金需要に偏りのあるような傾向を見せるようになって、非常に不公平な資金の分配が行われるということが生じかねない。  それからもう一つは、極端なことを言えば、ある市長さんがどんどん仕事をやりたい、そして仕事をやるために起債をどんどん無制限にやる、自由にその起債を受けてやって、そしてこれが何年か先、後の人たちに受け継がれるというような後年度負担の過度な負担が残されるという弊害も出てくる、こういうようなことを考えますと、やっぱり調整するということが必要ではないか。もしこういうような調整をやらないでやれば非常に限られた資金が偏ってしまう、これを防ぐ必要がある。  ですから、一般的に見て標準よりもずっと高い給与を受けている地方団体というのは、やっぱり財政が豊かであるというふうに見ざるを得ないわけですよ。そういう意味で、そういうような団体に対しては、少し借金をするのは後回しにしてもらえないか、これは一般的に見て決して不忠議なことではない。今、神谷さんの……
  32. 神谷信之助

    神谷信之助君 大臣、時間がないんだから、あなた一人で演説したってしようがないんだから……。
  33. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) それでは、これでやめます。
  34. 神谷信之助

    神谷信之助君 大臣は、私の質問にはまともに答えなくて、地方債をなぜ許可制にしているかということを一生懸命にお話しになっているんだけれども、問題をそらしたらいかぬ。  財政局長、もう一遍聞きますが、きのうの委員会議論の中で、給与適正化措置については、公務員部長は、それは起債抑制とは関係なしにやっておるんだというようにお話しになった。先ほど財政局長答弁は、そうじゃなしに、給与適正化措置計画どおりやっていないところは将来の財政に対して大きな不安を抱くから、したがってそういうところについては後年度負担のかかる地方債起債について抑制をしたんだ、こうおっしゃっている。どっちが本当なんですか。
  35. 石原信雄

    政府委員石原信雄君) 公務員部の方で給与適正化についていろんな角度から指導をしておられます。その給与指導と、それから私どもの方で地方債許可交付税配分についてのいろんな財政措置を講じておりますこととの関連でございますが、何というか、直接給与指導手段として財政措置を講ずるということは、私どもも極力これは慎重でなきゃいかぬと考えております。ただ、先ほど申し上げましたように、地方債許可に当たっての一つの重要な基準であります財政状態がどうかという判定材料としての人件費というものは、今日の地方財政支出の中では最も義務的な性格の強いものであり、またその団体財政状態を左右する要素としては一番大きな要素であります。  そこで、五十八年度地方債許可に当たりまして、一部の起債については、その団体給与状態が極端に問題があるところについては、これは財政的な見地からやはり抑制措置が必要であるというふうに考えたわけでございます。公務員部の方は公務員部立場でいろいろ御指導いただいているわけですけれども、私ども財政的な見地から、その財政状況判断要素一つとして給与行政状態というものをとらえたわけでございます。
  36. 神谷信之助

    神谷信之助君 地方税税収とそれから交付税財源、これがいわゆる自治体の固有の財源であり、そしてそれは自主財源と言われているわけでしょう。なぜそう言われるかといえば、それは自治体が何に使おうと、どの経費に振り向けようと自由にできるそういう財源なんだと、こういうことなんでしょう。  だから、それを人件費に重視をして、そうして能力のある職員を集め、そうして住民サービスをする。サービスを提供していくということを重点にするか、あるいはほかのいろいろなところに力点を置いてできるだけ安上がりの賃金にしてしまう、そうして職員のしりをたたいて仕事をやらせるかと、いろんな考え方があるんです。だから、給与が高いから富裕だ、金持ちなんだと、そんなこと言えるわけはない。どのように財源を振り向けて、そして首長以下一体になって住民サービスをするか、これも一つの見識だし一つの方法なんでしょう。だから、一概に人件費がべらぼうに高いからけしからぬというように私はならないと思う。これは民間の経営でもそうでしょう。よそよりは高い給料払って優秀な人材を集めて、そして少数精鋭主義で利益を上げるというやり方もあるでしょうし、できるだけ女子労働者は男子に比べて安くて済むのだからといって女子労働者を集めたり、あるいはパート労働者を集めて、そうして利益を上げるという経営の方法もあるでしょう。  これはいろいろあるのだが、それはそれぞれの自治体首長の見識に基づいてやるのだし、それに対する審判はその地域住民が行うわけだ。選挙だけではないし、やり方が気に入らなかったらリコールもできる。こうやって住民の意思というものが自治体行政の中に生かされていく、それが今の地方自治の制度でしょう。それに対して、気に入らぬからといってそういう強制手段を行うということが、地方自治の本旨からいって正しいのかどうかということが私は一番問題だと思う。給与の高いところがあれば、それに対してマスコミもいろんな批判をやっているんだし、あるいはキャンペーンをやっている新聞社もあります。それは当然住民議論になるでしょう。決定権は一体だれだ。自治省が決定権を持っているんじゃないんだ、その地域住民が持っているんでしょう。ところが、その地域住民判断をまだるっこしいと思っているのか気に入らぬと思っているのか、自治省が強制力を発揮して行おうと。起債許可権をてこにして、そうして自治体の要求、それぞれの住民にこたえるそういう行政を抑えるというのは、まさにこれは私は地方自治の崩壊につながると思うのですよ。  この点、私はまた交付税法の問題でもやりますけれども、この給与適正化という名のもとに自治省起債許可権をてこに地方自治を踏みにじっているというところが最大のやっぱり問題だ。そういう権限があるとおっしゃるならば、私はそれはまさに憲法の地方自治の本旨を踏みにじるものになるというように思いますが、この辺はどうですか。
  37. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) お言葉を返すようですけれども、やはり公務員というのは、先ほど申しましたように、民間と非常に違う点を、神谷さんがちょっとお考えを履き違えていらっしゃるんじゃないかと思うのです。  民間の場合と地方公共団体あるいは国の場合と一番違う点は、国民住民のために少数精鋭で行政をやっていかなきゃならぬ。これが民間と非常に違うところでありまして、少数精鋭でやるのがこれは当たり前で、国民住民に対するサービスはですね。ですから、少数精鋭でやれば給与を幾らでも高くできるというのは、これは民間ならそれで済むけれども地方公共団体や国の場合はそうはいかないんです。国民負担をできるだけ軽くしてやるように行政責任者はやっていかなきゃならぬ。そこに一般会社との違いがあるわけで、少数精鋭でやれば給与をどんどん上げていいということは、これは国や地方公共団体の場合にはいけないんじゃないでしょうか。もちろん、給与を厚くしていかなければならぬという方針はあるのですけれどもね。私はそう思っております。
  38. 神谷信之助

    神谷信之助君 大臣はそういう点では御経験がないから、そういうきれいごとをおっしゃるんですけれども自治体に働く、希望を持って自治体に働こうといって乗り込んでくるというのは、そうざらにいるわけはない。  とりわけ戦後の歴史を見ますと、今まで町だったのが市になっていく、今までは百姓仕事をしながら長男が残された田んぼと墓をお守りする、だから農繁期には休んで畑仕事もやるというような時代もありましたよね。しかし、それが都市化が進んで大都市になっていく。そうすると、そういうことでは済まなくなってくる。優秀な人材に来てもらわなければならない。そうしたら、どうしたってよそよりは有利な条件を出さなければ出てこないわけです。国家公務員なんかのエリートの人なんかですと、初めは給料が低くても、しかし将来はずうっと次官まで行けるし、場合によったら国会にも乗り込んでいけるというようないろいろな道があるでしょう。だから、そういう点では、初めは辛抱してでもと言って官庁へ行く人、上級試験を受けていくという人もありますよ。だが、地方公務員の場合はそんな道もないわけですよ。だからなかなか来ない。それと、景気が高揚しているときは今度は大企業がどんどん好条件を出す。そっちで採っていくわけでしょう。だから少数精鋭でやろうと思ったら、少数精鋭に来てもらうのに苦労して今までの条件というのはつくられてきているんですよ。  そういう条件の中で、しかしおっしゃるように、どんどん給料は高ければ高いほどいいというわけじゃない。民間ならば幾らでも高くすることはあるんです。高い給料を出してもだれからも文句は言われぬでしょう。しかし、地方自治労働者の場合はそうはいかぬ、住民の批判もある。だから、地域労働者条件なり何なりも考慮して、出せば幾らでも出せるという問題ではなしに、一定の限度がある。これが自治体の現在の状況ですよ。だから、民間の企業の経営とはまた違ったそういう側面を持っているんですよ、自治体というのは。景気が悪いときには割合に役人を志望する人もふえるけれども、景気がよくなったらなかなか来手がない。それはもうはっきりしているんですよ。それは労働条件が悪いから。嫌気が悪くなれば民間の方も賃金が下がりますから条件はよくなくなる、そうしたら公務員にでも辛抱していこうか、そこしか行くところがない、こういう情況も出てくる。そういう中でつくり出されてきているのが今の人件費の水準ですよ。  だから、そういう歴史的な過程と、それからもう一つは、最終的にそれを判断し決定するのは住民なんですから、自治省がどうのこうのというべき問題ではないということを申し上げておきたいと思うのです。  そこで、問題は起債許可なんですけれども、これは、五十八年度人件費が高いということを口実にして、それを理由にして、財政が豊がだということで起債制限をした、こうおっしゃるのだけれども、そういう判断自治省判断で任意にできるわけですか。どこの団体が富裕である、財政的に余裕があるとかどうとかということを自治省がそういう人件費だけに例をとって判断をするという、そういう権限があるのか、あるいはそれが正しいのかどうか、この点はいかがですか。
  39. 石原信雄

    政府委員石原信雄君) 地方債許可に当たりましてどういう基準で具体的な許可額を決定するかについては、一般的に許可方針が定められております。
  40. 神谷信之助

    神谷信之助君 簡単にして、もう時間がないから。
  41. 石原信雄

    政府委員石原信雄君) 許可方針の中には、赤字額ですとか公債費比率ですとかあるいはギャンブル収入とか幾つか定型的な要因を定めております。そのほかに、その団体財政状況ということが判断要素になっております。
  42. 神谷信之助

    神谷信之助君 それはわかっておる。
  43. 石原信雄

    政府委員石原信雄君) そこで、財政状況判断要素の中で、各団体に共通する要素であり、また影響の一番大きなものは人件費である。これは最も義務的な性格の強いものでありますから、その人件費状態財政状況判断要素一つとして取り上げるについては、確かに地方債制度の運用のあり方として慎重でなきゃならない。ですから極端に、もう著しく給与状態が高い、それが財政的に大きな影響を与えるような団体について、なおかつ合理化努力がなされないというものについては地方債許可に当たって一定の抑制措置を講ずるという判断は、私は今の地方債許可制度の存在理由の中から許されると、このように理解しております。
  44. 神谷信之助

    神谷信之助君 時間がもうないですから。  報道によりますと、五十九年度許可方針の中には、今度は具体的にそういう給与問題が入るあるいは明記されるというようなやつがありますけれども、それはそういうことでするのですか。
  45. 石原信雄

    政府委員石原信雄君) 一つ要素としてこれを掲げたいと考えております。
  46. 神谷信之助

    神谷信之助君 これはもう私は重大な問題だというように思うんですよ。大体、本来これは、きのうもありましたけれども、新自由クラブとしても大臣許可制については反対で、なくすという方向で……。
  47. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) 将来はですね。
  48. 神谷信之助

    神谷信之助君 将来というのはどういうことを考えているのかなと思うのだけれども、それは時間がありませんから別にしますが、給与の問題をここに入れるということは、私は重大な問題だというように思うのです。それはなぜかというと、本来は給与の決定は労使間の交渉で決められなきゃならない。ところが、マッカーサー指令に基づいて地方公務員法ができて、争議権あるいは団結権に至るまで一定の制限を加えて、人事委員会制度というやつができて、そしてそれに基づく勧告を尊重し、それに基づいて労使間の紛争をなくしていこうと、言うなればそういう意味で我々は憲法違反の措置だと思いますけれども、そういう措置が行われている。それに基づいて勧告が出されて、それから自治体の長が自主的に判断をし議会の承認を得て給与が決定されていく、こうなってきています。  だから問題は、人事委員会自身が、高過ぎるなら高過ぎる、どうしろという勧告をすべきなんだし、あるいはそれに対して議会議論をすべきなんだし、あるいはそれでいろいろ問題があれば主権者である住民がそれに意思表示をする行為が保障されていますから、そういうことをやるべきだ。ところが、行政の重要な柱である人件費をどうだこうだということを許可条件に入れるということは、私はこれは重大なそういう自治権に対する侵害だというように思うんですが、この点、もう時間ありませんから簡単に一言言ってください。
  49. 石原信雄

    政府委員石原信雄君) おっしゃるとおり、人件費問題の扱いについては慎重でなきゃならないと思いますが、ただ、現下の財政状況を考えますと、極端に人件費の高い団体について地方債許可に当たって勘案するということは私は現下の情勢では必要であると、非常にこの問題の扱いは慎重でなければならないけれども、極端なケースについてはやはりこれを無視することはできないような状況に現在なっていると、このように考えております。
  50. 神谷信之助

    神谷信之助君 大体、地方債というのは、自治体借金するのですから、本来借金する自由は自治体持っているわけですよ。それはまた地方自治法二百三十条でもそうなっているんだし、それを制限をしているのが二百五十条で、そして地方債を実際に発行するまでは二重三重の関門があります。で、最終的にやっと認めてもらうという、そういうことで、言うなれば自治体というのは準禁治産者扱いですね。一人で自由に借金もできない、そういう状態にされているわけでしょう。歴史的に見たら、昭和十二年ぐらいから地方債の総枠が決められるということで、資金計画から総枠になって、そして軍費調達のための国債中心の資金計画は進める、地方債は抑える、これが戦後もずうっと今まで続いてきていると私は思うんですよ。だから、自由に借金をさせたら道楽息子やから安心はできぬ、だから自治省がちゃんと目を光らせて借金をさせぬようにしていく、制限をする、そして気に入らぬ自治体に対しては借金を抑えてしまう、こういうことなんでしょう。  著しく高いところ著しく高いところとおっしゃるが、その著しく高い賃金だとおっしゃるところでもそれぞれ議会があるし、選挙も行われているし、そのことはその地域住民が承認をしているわけだ。だから、その地域の主権者、住民が承認をしているというのはけしからぬ、おまえらがそんな著しく高い賃金を認めているからもう借金もさせぬぞということになるだけじゃありませんか。  そこで大臣、この五十九年度地方債許可方針というのは大体、例年ですと四月二十日前後でしょう。ことしもそうなるわけですか。
  51. 石原信雄

    政府委員石原信雄君) 許可方針は、作業日程の関係もございますので、通常四月の上中旬、具体的には財投計画が正式に決まりますと直ちに決めております。
  52. 神谷信之助

    神谷信之助君 もう時間がありませんから、最後に大臣に言うのですけれども、これは予算の方は、いずれ来週に入ったら予算は成立します。しかし、交付税法の審議とそれから地方財政計画の審議というのはこれからやるわけです。特に、当委員会でも、地方財政計画の中で重要なのは地方債計画だし、それからそれの具体的な執行の中心になるのが来年度許可方針でしょう。  それで、その許可方針の中に給与条件というのが入れられるということになると、これは従来からの、今までの地方債許可方針にとっては大きな変更ですから、その問題については、当委員会で私もやりましたが、議論を今やっているわけだ。それで、これはしたがってこれからも交付税法審議のところで、もうきょうは時間ありませんから、引き続いてやらなきゃならぬという、そういう状況です。そういう状況なのに、これは事務的にということで、財投の計画が決まればそれに応じてもうすぐ今までと同じように地方債許可方針を決めてしまうということは、これは国会審議を無視するということになってくるでしょう。政府の方は勝手にもうざっとやってしまうと、やった後を我々が国会でどうのこうのと言わなきゃならぬと、こういうことになってくる。だから、五十九年度許可方針については、少なくとも交付税法審議を終え、地方財政計画がそれで国会で承認をされたというその段階まで最終決定を見守ると、こういうようにすべきだというふうに思うんですが、この点いかがですか。
  53. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) まだ決定はしておりませんけれども、予算の成立までにこれを決めませんと地方への配分の準備ができませんので、これは相当延ばしていくということはなかなか困難ではないかと思います。
  54. 神谷信之助

    神谷信之助君 それじゃね……
  55. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 神谷委員に申し上げます。時間が参りましたので……。
  56. 神谷信之助

    神谷信之助君 それでは、最後に大臣言っておきますが……
  57. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) ちっょと今の補足……。
  58. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 石原財政局長。簡潔に願います、答弁は。
  59. 石原信雄

    政府委員石原信雄君) 地方債許可方針は、ただいま大臣答弁申し上げましたように、財投計画が決まりますと直ちに今年度地方債配分の作業に入りますので、その前提になりますので、どうしてもタイムリミットがあるわけでございます。今年度の作業に間に合うようにこれを決めていきたいと、このように考えております。
  60. 神谷信之助

    神谷信之助君 これは事務的な問題ではない。
  61. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 神谷君、時間が参っております。
  62. 神谷信之助

    神谷信之助君 わかっている、わかっている。  事務的なものではないんです。だからその点は十分慎重に検討してもらいたいと思います。それだけ言っておきます。
  63. 三治重信

    ○三治重信君 まず最初に警察の方へちょっとお尋ねしますが、予算書で警察通信機器整備費、それから通信施設整備費というのが入っているんですが、今度電電が民営化される、それからVANがさらに新しく加わるというようなことで、新しい通信関係のやつが非常に動いてきているわけなんですが、警察の方としてはこれに対してどう対処されるのか。電電と全然関係ないのかどうか、それをひとつお伺いいたします。
  64. 太田壽郎

    政府委員(太田壽郎君) ただいまお話ございましたように、警察通信はいわば警察の神経とも言うべき非常に重要なものでございまして、毎年かなりの国費も割きましてこれの整備を図っているという状況でございます。  それで、今回の電電公社のいわゆる民営化といいますか、そういう関係の影響の問題でございますけれども、私どもいたしましては、現行の公衆電気通信法、そういうようなものによりまして、警察通信に対して与えられておりますいろいろな警察の責務の特殊性に着目した要望がたくさんあるわけでございますが、そういうものを実質的に全部取り込んだ形で法案をまとめていただくように、関係当局とも十分協議いたしたところでございます。その結果、例えば通信の秘密の保持の問題とかあるいは重要通信の確保の問題、さらには一一〇番に対する料金の減免等の問題につきまして、現行法と同趣旨のものが実現できるという見通しになっているところでございます。
  65. 三治重信

    ○三治重信君 そうすると、電電の民営化に伴って、電気通信事業法の改正の中へ入るのですか。——それならそれで非常にいいわけなんです。  そうすると、民営化されても警察電話の専用回線の専用電話料というようなものは、これは従来どおり、電電公社が民営化されても同じように払っていって、別に回線なり専用回線をつくるということはないということと、それから通信施設整備費で無線多重電話回線等新設費になっているんですが、これ、新設費というのは警察が持つことじゃないのか、それとも電電公社に金をやって、そしてつくらすのかどうなのか。
  66. 太田壽郎

    政府委員(太田壽郎君) 御案内のように、現在におきましても警察通信の主要な部分、例えば警察庁と管区警察局とか、それから各都道府県警察本部に対する回線につきましては、自営の回線を持っております。それから、さらに各警察本部から警察署なり、警察署の方からさらに駐在所、派出所というようなところに多いります線につきましては電電公社の回線を専用回線ということで借り上げて、使わせていただいているというような状況でございます。  それで、今お話しの新設の費用につきましては、今申し上げましたような基幹の通信回線、これは自営のものもございますが、それにつきまして整備をしていくというものでございます。  それから、今度新しく法案が成立して改正ということになりました場合には、従来と同じような形で、さっき申し上げましたように、料金の減免——電電公社から現在も専用回線を借りておりますが、それにつきましては法律で若干の軽減をしてもらう規定がございますが、それと同じようなものを今度、例えば民間の業者というか、第一種の電気通信事業者というものがやるその回線を借りるということになりましても確保し得るような法的な措置というものは、一応法案の中に取り込んでいただいておるところでございます。
  67. 三治重信

    ○三治重信君 じゃ、警察の方もう結構です。どうもありがとうございました。  次に、自治省の方にお尋ねしますが、諸謝金の中に市町村経営改善指導講習会等謝金となっているのですが、市町村経営改善指導というのは、これは民間の講師を派遣するのだろうと思うのだが、市町村経営改善というものはどういうクラスに対してやるのか。経営改善というと相当、いわゆる助役とか計画局長とかいうようなものに対して特別やるのか。これは一般にどういうふうなのを、また講師なんかはどういう人を選んで派遣をしてやるのか。
  68. 大林勝臣

    政府委員(大林勝臣君) お尋ねの市町村経営改善指導者研修会、これの受講対象者は、市町村の経営管理の指導に当たります都道府県の職員を対象としてやっておるわけでありまして、その内容は、行革関係を初めといたしまして、事務改善、OAの問題、コンピューター、人事管理、民間委託に至りますまで、今後の市町村の経営改善について問題となります重点的な問題を研修の対象といたしておるわけでありまして、講師といたしましては、その都度、大学の教授あるいは民間のそういった経営改善を担当してきた担当部長あるいは課長、こういった方々を講師としてお招きをしてやっておるわけであります。
  69. 三治重信

    ○三治重信君 そうすると地方の、都道府県の職員のどの辺の人ですか。これは地方課の職員がな。
  70. 大林勝臣

    政府委員(大林勝臣君) 地方課の担当職員であります。
  71. 三治重信

    ○三治重信君 その次に、地方公営企業経営研究会というのがあるわけなんですが、この経営研究会というのは、これは自治省の内部だけの問題ですか。
  72. 土田栄作

    政府委員(土田栄作君) 地方公営企業の経営はたくさんの問題を抱えているわけでございますけれども、これは地方公営企業の経営全般について研究するということではありませんで、その年その年のテーマを決めまして、それぞれのテーマにつきましてその専門家に集まってもらっていろいろ御審議いただき、御助言いただくということで、村政局長の私的諮問機関として毎年設置されるということでございます。  研究項目は、本年度は工業用水道事業の経営のあり方についてという研究項目を立てておりますし、それから明年度につきましては水道事業等の水源開発に対する参加のあり方について、つまり水源コストが非常に高くなっておりますので、水道事業としてどういうふうな水源開発について今後参加すべきかという経費面からの検討をするということでございます。したがいまして、またこれは発足いたしておりませんけれども、予算の御承認をいただきますれば、人選その処進めてまいりたいというふうに考えております。
  73. 三治重信

    ○三治重信君 そうすると、地方公営企業経営研究会というのは、各項目別に毎年決めて、その項目ごとに担当者というのですか、専門者をかえて、そして研究をして、それを報告書か何かにして地方へ配る、こういうことですか。
  74. 土田栄作

    政府委員(土田栄作君) 委員御指摘のとおりでございまして、毎年報告書をいただきまして、その報告書を関係団体に流して今後の経営改善に資するということに使っていただいております。
  75. 三治重信

    ○三治重信君 もう一つ、広域市町村圏行政研究部会というのがあるのですが、これはまた後でも、広域市町村とほかとの関連でちょっと御質問したいと思っているんですけれども、この広域市町村圏の行政、これはさらに市町村のいわゆる合併や、それから関連のいろいろ水道とかその他学校とかいうもので、広域に市町村の区域を変えてやらなくちゃならぬ部面が相当あって、実質上そういうことをやって市町村合併の推進に役立つというようなことになるのか。それはどうなんですか。
  76. 大林勝臣

    政府委員(大林勝臣君) 市町村の規模の問題というのが、住民の生活範囲の拡大に伴いまして、その都度問題になってまいっておるわけでありますけれども昭和四十年代に入りまして、いろいろ地方制度調査会等で御論議いただきましたわけでありますが、当面は、町村合併というものを全国的に一律的に推進するというよりも、むしろ将来の規模是正のために一番現実に即した広域圏というものをまず設定をして広域行政というものの推進に力を入れるべきだ、こういう方針のもとに昭和四十四年以来、広域市町村圏というものの施策を進めてまいっておるわけであります。そのための広域市町村圏におきます土地利用のあり方でありますとか、サービスシステムのあり方でありますとか、あるいは広域行政機構、つまり組織がいかにあるべきか、こういったものを研究する必要があるということで今日まで勉強をしてまいっておるところであります。
  77. 三治重信

    ○三治重信君 ところで、それに関連して、予算の項目で広域市町村圏等の整備の推進に必要な経費の中に指導事務費が入っているわけなんだが、これは今幾つぐらい全国でやって、また、そういうことについて具体的に広域市町村圏として特に効果を上げた事例なんかを二、三挙げてもらいたいと思うんです。
  78. 大林勝臣

    政府委員(大林勝臣君) 昭和四十四年以来今日まで全国で三百三十六圏域の広域市町村圏を設定してまいっておるわけでありまして、それぞれの広域市町村圏は大体平均をいたしまして九ないし十カ町村、人口で言いますと二十万人ぐらいが大体平均の広域行政圏の単位となっております。そういった一つの広域市町村圏を構成をいたします九ないし十カ町村のそれぞれの機能分担ということでいろんな事業を調整をしてやっておるわけでありまして、特に現在力を入れてまいっておりますのが、そういった広域市町村圏の中核となるような施設、これを中核施設と名づけまして、五十五年度から全国に五カ年計画ぐらいで五土地区を設定をしまして推進をしようということで、毎年毎年事業をやってきておるわけでありまして、現在まで三十九カ所、それから今年度六カ所を予定しておりまして、おおむね来年度ぐらいで中核施設の事業が完了するであろう。こういった事業が終わりますと、そういった中核施設の事業の単なるハード面ということではなしに、それの利用のサービスシステム、こういった制度をどうやって確立するかというのが今後の課題になるわけであります。  特に、大平総理の田園都市構想なり、あるいは定住構想ということが言われまして以来は、この事業の性格がどちらかといいますと、道路とか通信網とかそういった事業に力を入れてまいりましたのを多少方向転換をいたしまして、文化とか教養面、こういった施設の整備に力を入れてまいっております。あるいは、特にサービスシステムとして一番力を発揮しておると思われるのが消防、救急、こういった特に広域連絡網を必要とするような事業というふうに私どもは見ております。
  79. 三治重信

    ○三治重信君 そこで、今お話しのあった田園都市の方も、これは田園都市中核施設整備計画というのがあり、それから田園都市構想推進事業というのがあって、中核には六圏域について補助をすると、それから田園都市構想推進事業には三十九圏域をくってやるというふうになっているのですが、これは広域市町村というものと田園都市というものと、大体そうすると余り変わらないことになりはせぬですか。
  80. 大林勝臣

    政府委員(大林勝臣君) 田園都市構想という考え方が世に出まして、結局そのポイントは都市と農村を一体とした、生きがいのある、住みよい、まあ理想的な社会。将来、定住志向というものが強まるような施策を展開するというのが旧園都市構想であったわけでありますが、もうすでに四十四年以来、自治省といたしましては広域市町村圏という広域行政を推進してきておりまして、こういった従来実績を重ねてきた広域市町村圏というものをまさに田園都市構想の実施の場として考えようと、こういう方向で進めてまいったところであります。  したがいまして、田園都市構想の実現の場を広域市町村圏に求めてきたと、こう考えておるわけであります。
  81. 三治重信

    ○三治重信君 そうすると、それはこの広域市町村圏の中で特別に田園都市の構想に合うところを田園都市構想というふうに、さらにそういうふうな名前をつけてやると、こういうことで理解していいわけですか。
  82. 大林勝臣

    政府委員(大林勝臣君) 田園都市構想というものをどういう形で推進していくかということにつきまして、昭和五十四年以来、各省庁でいろいろ相談をしてまいったところでありますけれども、たまたま自治省といたしましては、先ほど申し上げましたように広域市町村圏施策というものが大体定着してまいっておりますので、この広域市町村圏というものを田園都市構想の実現の場としようと。  ただ、国土庁におきましては、これと並行して定住構想というものを打ち出して以来は、モデル定住圏というものを全国に設定をして、そのモデル定住圏をこの田園都市構想の実現の場としよう。あるいは、建設省の方ではまた建設省なりに大規模な幹線道路を整備するための道路構想というものをまた田園都市構想の道路面における実現の場としようと、こういった考え方で進めておりまして、それぞれの広域市町村圏なりあるいはモデル定住圏なりの区域というものは多少考え方によって違いますけれども、それぞれの圏域の調整というものは今日までとってまいっておるわけであります。
  83. 三治重信

    ○三治重信君 大臣、今お聞きのとおり、内閣がかわって新しい総理大臣が何か言うと、それで各省は対応せざるを得ぬからそういうふうになっているんですが、いずれにしても地域、いわゆる市町村の区域から少し離れた広域地域において特別な開発的な仕事の構想というものがやはり要求されてきていると思うんです。  それで、自治省はこれは広域市町村圏あるいは田園都市とこうやる、国土庁は定住構想をやる、建設省もやるという、そういうところを調整をとるのはやはり自治省が一番いいと思うんですよね。殊にそういう国土庁の定住構想やそれから建設省が何とかやる交通網の整備とかいうようなやつには、やはり広域市町村圏でやってくれと。こういうふうなのは自治省は広域市町村圏として指定する。各省同じところでやると金も一緒になっていくし、それを全然別々にやると、箇所数は確かにふえるかもしれぬけれども、みんなちぐはぐでアブハチ取らずになるだろうと思うんですが、これは私は、広域市町村圏という基本のもので、みんな各省でほかのものをやるときに広域市町村圏で網をかけてやるということが、今湖いていて非常に必要なことだと思うんですが、どうお思いになりますか。
  84. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) 大体おっしゃるとおりであるべきだと思います。できるだけ各省と調整をしながらやっていきたいと思っております。
  85. 三治重信

    ○三治重信君 それから、大蔵省お見えになっておりますか。  そこで、地方財政計画の前にちょっとお尋ねしておくのですが、交付税の特別会計の中の国債整理基金特別会計へ繰り入れになるこの繰り入れの中に、今度新しく借入金をやめて一般会計で処理するというふうになったので、この金は従来の借入金の交付税特別会計の負担分の借入金利子を国債整理基金特別会計へ繰り入れすることだろうと思うのですが、ところが借入金の償還の金がここに入っているわけですね。これはどういう金なんですか。
  86. 藤井威

    説明員(藤井威君) 交付税及び譲与税配付金特別会計の中の借入金の償還額、これは現在、交付税特別会計の借入金が十一兆五千億円余り過去の対策の結果としてたまっておるわけでございますが、これらは一時借入金あるいは短期借入金として借り入れて常時は転がしておるわけでございまして、その一時借入金を償還するための所要額がこの予算書上は出てきておるということでございます。それに、もちろん交付税特別会計が払います金利負担、それらを特別会計で計上して国債整理基金に入れておる、特別会計における国債整理基金繰り入れというのはそういう性格のものでございます。
  87. 三治重信

    ○三治重信君 これは、ことしから借入金を二つに分けて、そして一つの特交の方のやつは六十六年以降に借入金を払うということになっているわけでしょう。どうしてこの借入金をこの特会へ特別入れなければならぬのでしょうか。
  88. 藤井威

    説明員(藤井威君) 十一兆五千億円たまっております中の約半分、過去の法律等の規定によりまして一般会計が償還を負担するべきものというふうになっておりましたものを、今回、借入金措置というのを原則として廃止するという地方財政対策改革の一環といたしまして、国負担分を特別会計の債務から一般会計の債務に継承することにしております。その継承の時期を十月一日、つまり五十九年度の下期からというふうにいたしておりますので、国負担部分の十月以降の金利は一般会計の方で計上いたしております。それで、交付税特別会計の方の金利は地方負担部分の一年分とそれから上半期分の全体の金利が計上されておるわけでございます。それから、償還につきましては、短期の借入金でございますので、上半期にも出てまいると、こういう結果でございます。
  89. 三治重信

    ○三治重信君 そうすると、大蔵省の方が負担をする半分の五兆何ぼのやつは、あれは今度はどこへ計上されることになるのですか。
  90. 藤井威

    説明員(藤井威君) 五兆何千億かの分は、十月一日に一般会計に長期借入金として承継いたします。その長期借入金で承継いたしますときに条件を変更いたしまして、六十六年度から償還が始まるようにいたしますので、それ以降は、六十六年度までは償還金は出てまいりません。ただし、金利はずっと払わなきゃいけませんので、金利は、十月一日以降の部分は一般会計の国債費に計上されます。だから、六十六年以降は、償還金が出てまいりますと一般会計の国債費に計上されることになるわけでございます。
  91. 三治重信

    ○三治重信君 ありがとうございました。結構です。  それで、地方交付税特別会計制度の問題なんですが、今度現金化する、借り入れでやらぬでその年の予算ごとに勝負をすると、こういうことになっているわけなんですが、これは私から言わせれば、財政計画というもので市町村の歳入歳出の計算を別にやって、そうして地方交付税の特会を入れて、そうしてなおプラスマイナスをやってやる。それで足らぬ分を今まで借入金でどんどこどんどこやって、積もり積もって十一兆円になって、びっくりしてこれはどうにもならぬわいと、こういうことでやっていることになるんですが、やはりこの地方交付税特会というものの会計の性格を地方財政計画のつじつま合わせに使うようになってしまっている。私は、ここでやはり根本的に地方財政計画というものを見直さなければいかぬじゃないか、こう思うわけなんです。  元来、交付税特会というものは地方交付税一般会計から受け入れてそれを配分するためのものなんで、それと今度は財政計画と合わして、それで足る足らぬと言って、ここへ借入金したり一般会計から受け入れたりして毎年つじつまを合わせるということは、地方交付税制度そのものが何のためにつくられたのかよくわからぬ格好になってくるのではないか。何のために三二%というふうなことをきちんと法律で決めてやったのか。それにプラスマイナスしてごちゃごちゃやるところに、何と申しますか、地方財政計画そのものを僕は再検討しなければならぬときじゃないかと、こう思うわけなんです。  というのは、地方財政には、地方税もあれば起債の能力もある。それを全部自治省地方の歳入は幾らでござれ、借入金は幾らでと、こういうぐあいにして全部おぜん立てして、結局地方に据えぜんを食わすような格好で財政計画というものをつくって、そして地方は勝手にやると足りない分になったり、余った分は公務員給与を上げたりいろいろなことをしていて、それで多くなった分はこれは地方のお余りだから勝手だと、足らぬ分は何とか面倒見にゃならぬと、それでもいわゆる標準の財政計画で当然市町村が入ってくるべきものと当然要るべきものとの差額を面倒見ていると、こういうのだけれども、市町村そのものは常に歳入、地方税にも超過課税をかけることもできれば、いわゆる起債で借り入れることもできれば、非常に弾力性がある。地方自治体だから弾力性ある自治体のものを持っているわけです。そうすると、国が財政計画というものをつくってプラスマイナスをやって、そしてその足らぬ分を地方交付税特会で調整するという構想そのものが、地方財政再建というものをやっていく場合に、何か非常に時代おくれな感じを持つのですが、その点はどうなんですか。
  92. 石原信雄

    政府委員石原信雄君) 先生御指摘の点は、交付税制度創設のそもそもの目的が、地方税、地方交付税を中心に各地方団体が少々の財政変動であるならばその与えられた財源で、いわば自己の責任で運営すべきであると、一々地方財政計画で過不足を計算して足らず前を補てんしたりあるいは若干の余裕が出たら交付税を減らすとか、こういったことはすべきでないと、こういう御趣旨であろうと思うのです。  地方交付税法ができたときの理念はまさにそういう考え方でスタートいたしまして、多少の変動であるならば交付税率は変更しないで、各地方団体責任年度間の調整はすべきだということで、今の地方財政法第四条の三の規定なども入ったわけです。しかし、その後の地方財政の経緯を見ますというと、交付税制度の理想どおりにいかないで、ほとんどの年度においてプラスまたはマイナスの特例措置が講じられてきております。いわば、その法定の交付税率による額と現実の財源過不足額とが無視できない程度の幅で実際には毎年度出てきておったということではないかと思います。  特に五十年度以降は、御案内のように、そのギャップが非常に大きくなったために一般会計で到底対応できず、交付税特別会計の借入金によってギャップを補てんしてまいったわけでございます。しかし、その結果十一兆五千億円もの借入残高になってしまって、これは国にとっても地方にとっても大変な問題になるということから、五十九年度はその借入方式をやめて、いわば一般会計の中での特例措置で対応しようということにしたわけでございます。  その場合も、現行交付税法の規定による額と地方税その他の歳入を入れまして、それと標準的な歳出との乖離が小さければ、少々であるならば特例措置は発動しないで各地方団体責任において対応すべきものと、それが理想であると思います。しかし、五十九年度の場合には、これが各団体責任で対処するにはちょっと金額が余りにも大きい、一兆五千百億円も財源不足が生じたものですから、御審議いただいておりますような特例措置を講じた次第でございます。
  93. 三治重信

    ○三治重信君 それは大きな問題ですから、ひとつまた逐次機会あるごとにお話をしていきたいと思っております。  ことしの予算の新しい特会のやり方で新しい目につくのが「まちづくり特別対策事業」というものをやるようになっていると、こういうことなんですが、これはまた地方の単独事業なり国の補助事業とあわせてやる上においても、各市町村で特別に町づくり対策をやった場合にはその計画起債で認め、またそのあとを特別交付税で見ると、これは非常にいい構想だと思うのですね。いい構想だと思うんですが、これが三千億の予定と、こういうわけなんですね。そうすると、これはどれぐらいの市町村でこういうものが行われるのか、その点をひとつ。
  94. 石原信雄

    政府委員石原信雄君) この「まちづくり特別対策事業」の考え方は五十九年度初めて打ち出したものでありまして、私どもの考えは、各自治体が自主的にその地域環境をよくする、町をよくする計画をつくっていただいて、それに財政措置を講じようということでありまして、これからこの考え方を周知徹底させまして、各団体からの計画提出をお願いしようと思っております。したがいまして、これまでのいろんなこの種の一定の計画に対する財政措置のようにいわゆる地域指定というようなものは考えておりません。ですから、現段階で、あらかじめこれに該当する市町村が何市町村になるかということは申し上げられない状況でございます。幾つ出てまいりますか、四十七都道府県、恐らく全部この構想に沿って御検討いただけるものと思っておりますが、市町村数でどの程度になるかはこの段階でまだ申し上げられる段階になっておりませんことをお許しいただきたいと思います。
  95. 三治重信

    ○三治重信君 最後にしておきますが、自治省行政合理化なんかをやっていく場合に、これは非常に難しいことだろうと思うのだけれども、やはり国の補助事業に対する事務、補助手続、こういうようなものが非常に複雑であるということが言われている。もちろん、各省にしてみれば、自分のやっている仕事、補助事業について計画がうまくいっているか関係の書類を全部整備さすというようなこともあるわけなんだろうけれども地方行政改革を本気でやらすということになってくると、やはり国の方も相当地方に対する業務の課し方を簡素化しなくちゃならぬし、補助金もそう簡単には、なかなか減らせ減らせと言ってるのだけれども減らせぬ。こういうことになってくると、補助申請の事務というものを簡素化していかなければいかぬと、こういうのがある。  こういうようなものについて、建設省の河川課の関係の補助のやつについてはトランクヘ詰めていかなければならないほど補助関係の書類があるとか、それから出先機関では、運輸省の関係は港湾建設局を、地方の出先を通らぬと補助金の申請が届かぬ。それから通産省では通産局、こういうようなものがある。出先機関があるところは出先機関を通して本省へ来なければいかぬというような問題や何かがあるわけなんだが、これは非常にやりにくい問題だと思うのだけれども、やはり地方行政改革をやっていく場合に、そういう国と接触する事務を自治省が音頭をとって、そして簡素化をやれと、そして一定の事務の省けるものは省いて、そして第一線の事務を非常に簡素化していく。それは国と地方自治体との内部の関係の事務で、一般住民に対する事務でない。そういう国との関係の事務に、補助事業をやる部課では仕事の大半が取られてしまう、こういうことを聞くわけなんです。  こういうことについて、自治省がやはり地方行政改革をやるという一つの手始めとして、自治省が音頭とって各省庁とひとつ補助金の事務をもっと簡素化してやるようにという一大キャンペーンをとることが必要だと思うのですが、それに対して事務当局と大臣との両方の回答を得て質問をやめます。
  96. 石原信雄

    政府委員石原信雄君) 御指摘の点は随分前から言われておりまして、特に地方団体からもその改善を望む声が強いわけであります。  そこで、私どもは毎年度の予算編成に先立ちまして、各省庁の補助金等で改善合理化をしていただきたい事項について、概算要求の前に、いわば事務的な要求原案をつくる前の段階で要請を行っております。昨年の場合でありますと、七月九日付で財政局長名をもって各省の官房長に対してかなり具体的に改善合理化すべき事柄についての要請を行っております。そして、この内容については、大蔵省や行政管理庁にも連絡をとっております。事務の簡素合理化については各省庁共通する事項について地方団体が悩んでおる、問題にしておる点を網羅的に要請しております。  そして、それだけでは足りませんので、地方団体とも連携をとりまして、さらに具体的に、非常にネックになっておるものがあれば、その具体的な事柄について所管省に対して直接改善方を要請すると、こういうような扱いをしておりまして、今年度におきましても引き続きこの面の協力要請を強化してまいりたいと考えております。
  97. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) 御指摘の点につきましては、今局長の申し上げたとおりでございますが、私も就任いたしましてから、行管庁長官の後藤田さんに、今御指摘のような点についてもっと徹底してやるべきであるということを申しておるわけでございまして、後藤田長官もこういう問題はよく知っておりますし、地方団体立場に立って何とかやっていこう、こういうことを言っております。なおこういうことを実現できるように推進いたしてまいります。
  98. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) これをもって昭和五十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち警察庁自治省所管及び公営企業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十五分散会      —————・—————