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1984-08-07 第101回国会 参議院 大蔵委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年八月七日(火曜日)    午後一時三分開会     —————————————    委員異動  八月六日     辞任         補欠選任      青木  茂君     木本平八郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         伊江 朝雄君     理 事                 岩崎 純三君                 大坪健一郎君                 藤井 孝男君                 竹田 四郎君                 塩出 啓典君     委 員                 梶木 又三君                 河本嘉久蔵君                 倉田 寛之君                 中村 太郎君                 福岡日出麿君                 藤井 裕久君                 藤野 賢二君                 宮島  滉君                 矢野俊比古君                 吉川  博君                 赤桐  操君                 鈴木 和美君                 丸谷 金保君                 鈴木 一弘君                 多田 省吾君                 近藤 忠孝君                 栗林 卓司君                 木本平八郎君                 野末 陳平君    衆議院議員        大蔵委員長代理  中村正三郎君        大蔵委員長代理  伊藤  茂君    国務大臣        大 蔵 大 臣  竹下  登君    政府委員        大蔵政務次官   井上  裕君        大蔵大臣官房長  西垣  昭君        大蔵大臣官房審        議官       角谷 正彦君        大蔵省主計局次        長        平澤 貞昭君        大蔵省主税局長  梅澤 節男君        国税庁直税部長  冨尾 一郎君        資源エネルギー        庁石油部長    松尾 邦彦君    事務局側        常任委員会専門        員        河内  裕君    説明員        自治省税務学府        県税課長     前川 尚美君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○租税特別措置法の一部を改正する法律案(衆議  院提出) ○北陸財務局存続に関する請願(第三号外九件  ) ○たばこ・塩専売制度及び公社制度存続に関す  る請願(第一二号) ○大型間接税導入申告納税制度改定反対に関す   る請願(第二四号) ○重度身体障害者自動車物品税免除拡大に関する   請願(第五一号外六件) ○ピールにかかる酒税増税反対に関する請願  (第二〇〇号外二件) ○一兆円以上の所得税減税等に関する請願(第三  一七号) ○不況打開のための大幅減税に制する請願(第三  四七号外七三件) ○大型間接税導入反対等に関する請願(第四三七  号) ○酒税増税反対に関する請願(第四九〇号外二  件) ○申告納税制度改悪反対に関する請願(第七九〇  号外一六件) ○公立高校用地確保のため筑波移転跡地払下げ等  に関する請願(第八七一号外五件) ○身体障害者に対する揮発油税地方道路税等免  除に関する請願(第一一〇一号外二〇件) ○生活防衛不況打開のための大幅減税に関する  請願(第一三八二号外三件) ○労働組合等への課税強化反対等に関する請願  (第一四八八号外四件) ○間接税増税反対に関する請願(第一九七三号  ) ○大型間接税導入反対に関する請願(第一九九  一号外一件) ○大衆課税によらない大幅減税財政再建に関す  る請願(第三四九四号) ○一兆円以上の大幅減税実現等に関する請願(第  五〇〇九号) ○印刷設備法定耐用年数短縮に関する請願(第  九七五三号) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣に関する件     —————————————
  2. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨日、青木茂君が委員を辞任され、その補欠として木本平八郎君が選任されました。     —————————————
  3. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、提出者衆議院大蔵委員長代理中村正三郎君から趣旨説明を聴取いたします。中村正三郎君。
  4. 中村正三郎

    衆議院議員中村正三郎君) ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案趣旨及びその大要を御説明申し上げます。  この法律案は、去る一日、衆議院大蔵委員会において、自由民主党・新自由国民連合日本社会党護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の四党派により起草し、全会一致をもって成案とし、これを委員会提出法律案とするに決したものであります。  御案内のとおり、最近、「フエル」等と称するいわゆる代替ガソリン自動車用燃料として、各地で販売されておりますが、この代替ガソリン通常ガソリンに比し比重が重いことから、揮発油税法において比重〇・八〇一七以下と定義されている揮発油には該当せず、揮発油税及び地方道路税課税されておりません。  しかし、最近、この代替ガソリンが広範囲に出回り始め、量的にも相当拡大する兆しを見せており、このまま放置すれば、揮発油税制度等の円滑な維持に支障を来し、これらの税収にも無視し得ない影響が及ぶおそれが生じてまいりました。  本法律案は、このような事態に対処するため、代替ガソリンに対し、両税を課税すべく所要措置を講じようとするものであります。  なお、今回の措置は、最近における代替ガソリン流通状況等に照らしてとられる特別の措置であり、代替ガソリン動向等についてはなお今後の推移を見守る必要があるところから、租税特別措置法の一部改正により対処することとしており ます。  以下本法律案大要を申し述べます。  まず、第一に、炭化水素油揮発油以外のものとを混和して、一定規格揮発油類似品としたとき、または、一定規格揮発油類似品保税地域から引き取るときは、これを揮発油とみなして揮発油税法及び地方道路税法を適用することといたしております。  第二に、揮発油とみなされる揮発油類似品のうち、塗料の製造用等用途に供されるものとして一定規格を有するものについては免税措置を講ずることといたしております。  以上の措置は本年十二月一日から施行することとし、また法施行日において五キロリットル以上の揮発油類似品を所持する販売業者等に対して手持ち品課税を行うこととするほか所要の規定の整備を行うこととしております。  以上がこの法律案提案趣旨及びその大要であります。  何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  5. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 丸谷金保

    丸谷金保君 最初に提案者にお尋ねいたします。  こういう非常に難しい法案なんですし、中身としては、BTXというのは非常にわかりにくい、非常に勉強しなけりゃなかなか質問もよくできないような大変専門的な難しい内容を持った、税法そのものの問題よりも中身が大変難しいこういう法律を、会期の押し詰まった時期に一気かせいに衆議院から参議院へ送り込んでこられたわけなんですが。こんな短い時間で十分に審議するというか、そういう余裕が持てるというふうにお考えになって参議院の方に送られたのだと思いますけれども、どうもその点、参議院側にすれば少し時間がなさ過ぎるという気がするんです。慎重審議をするという時間的な余裕もない。  この法案は六月くらいから業界が動き出して、ばたばたと議員立法衆議院から参議院へ送り込まれてきた。こういう業界関連法律というのはとかく誤解の種になるものですから、そこいら辺の緊急性についてひとつ御説明をいただきたいと思うんです。
  7. 中村正三郎

    衆議院議員中村正三郎君) 会期末になってお送りして、参議院先生方に大変短い時間で御審議を賜るということで恐縮には存じておりますが、きょう社会党さんもお見えでございますが、こういった問題について問題意識衆議院大蔵委員会としてはずっと持っておったわけでございます。しかしいろいろ重要な法律案も抱えておりましたので、手続的に専売法案が終了の時期から手をつけようということになりましたので、時間が非常に切迫したということが一つあると思います。  それから、なぜこの時期に緊急に出してくる必要があったかということでございますが、確かに先生指摘のとおり、これはベンゼンだとかトルエンだとかキシレンだとか、難しいものが出てまいりまして、蒸留点がどうのこうのとか初留点がどうのとか、難しい話が出てまいります。しかし、平易に考えてみますと、揮発油税法に規定されていないもので自動車エンジンが動きそうなものは何か、石油製品だ。類似した石油製品の中で揮発油税法に規定されているものに合わないものを持ってきてまぜこぜにして、こいつを自動車にぶっ込んだら動いたというのが、このフエルガソリンだと思います。またこのフエルガソリンベンゼントルエンキシレンと溶剤を含むために、ゴムの部品を溶かすというようなことがあって、そういったものを減殺したりするために灯油をぶち込んだというような、要するに今の税法にかからない網の目をくぐっていけるものを集めて使っちゃったという、結果から見ると比較的簡単なことではないかと思います。ただ、内容化学式とかなんかは我々専門家でございませんので大変難しいことでございます。  そして、緊急性でございますが、五十七年には年間約八十トン、大体これは輸入に頼っているものでございまして、輸入されていた、しかし五十八年には千四百トンが輸入された。これはどうも税金がかからないのでもうけられるぞということであったんでしょうか、ことしの一月から六月の間にふえてきて、一月から六月までに六千八百トン輸入がふえてまいりました。このまま放置すれば、脱法的な、脱税的行為といいますか、こういったものがまかり通って、どんどんこういうものがふえていってしまう。ふえていってしまって、それが既成事実化していけば、それの対応にまたやりにくい面が出てくるおそれがあるのではないかということで、急いでこれをやらなければいけない。しかし、これを政府提案で処理いたしますにはいろいろまた詰めていかなければならないこともあるかということでございまして、緊急に対処するために議員の方で大蔵委員会提出ということで、租税特別措置法改正で立案さしていただいた、そういう経緯でございます。
  8. 丸谷金保

    丸谷金保君 どうもそこのところがよくわからないんですよ。緊急に対処する、それからだんだんふえてきている、それは実態がそうだと思うんですが、しかしこのフエルガソリンの問題については既に五十七年八月二十七日特許申請の公開が行われているんです。ですから、今に始まったことでないんで、政府側としても対応する気になれば、この時点から研究し対応する道を考える時間的なゆとりがあったはずなんです。それが突如として出てきたものですから、これは決して自民党さんの提案者にだけ御質問しているのでなくて、衆議院社会党大蔵委員に対しても私たち同じような疑念を持ちます、参議院としては。いつでもぎりぎりになってから参議院で、さあ早くやれ、早くやれというふうなことというのは、今の御説明ではちょっと納得いかないんですよ。こういうふうに早くから問題として出てたのが、業界が六月に陳情書を回した途端にばたばたと大きな問題になってきた……
  9. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) 丸谷君、発言の途中ですけれども大臣提案者に、衆議院の本会議で健保の採決がありますので、時間を十分ばかり差し上げてください。
  10. 丸谷金保

    丸谷金保君 それでは、今の問題、保留にしておきまして、自治省にお伺いしたいと思うんです。  沖縄県ではこのフエルガソリンの問題について県との間で話し合って地方税が徴収されているというような話を聞いたんです。時間がなくて確認はしておりませんが、地方税の何かだと思うんですけれども、御説明いただきたいんです、知っている範囲で。
  11. 前川尚美

    説明員前川尚美君) フエル、いわゆる代替ガソリンについて沖縄県での実態はどうなっているかというお尋ねでございますが、私ども承知しておりますところでは、まだ沖縄県において課税を実施するところまでは至っておりません。課税するとなりますと、これは法律上は軽油引取税ということになるわけでございますけれども、現在その問題について地元業者協議中という段階であると承知いたしております。
  12. 丸谷金保

    丸谷金保君 協議ができたというふうに私聞いてたんですが、そこまでいってないんですか。要するに地方税としても課税することのできる法体系にはなっておりますね。
  13. 前川尚美

    説明員前川尚美君) 法律的に申しますと、軽油引取税課税客体軽油でございまして、定義上は軽油に当たらない燃料ということでございます。したがいまして、法律的には保有者課税軽油とみなして課税する、こういう形になるわけでございますけれども、この代替ガソリン用途文字どおりガソリンエンジンを持った自動車に使われているという実態もございまして、そういうところからいろいろ地元沖縄県でも検討しておるというふうに理解をいたしております。
  14. 丸谷金保

    丸谷金保君 沖縄県の方でも、向こうの方が非常に流行しているようですから、ほっておけなく てそういう協議をするという段階にまで進んでいるというような地方が出てきているのに、何といいますかね、これに対する税の体系政府側でどうしてできてないのかなと、これが不思議でしようがないんですよ。
  15. 梅澤節男

    政府委員梅澤節男君) 今回の代替ガソリンに対する課税の問題でございますが、つとに私ども通産省から問題の提起を受けておりまして、この代替ガソリン文字どおり自動車用ガソリンエンジン燃料として消費されておるという実態でございますので、そういう観点からいいますと、ガソリン用エンジン燃料の消費に着目して、国税としての揮発油税法があるものでございますから、揮発油に対する課税との権衡という問題、逆の言い方をいたしますと、揮発油税法に言う揮発油税に該当しない石油製品であって、しかもガソリン用エンジン燃料として消費されておるということになりますと、実態的には揮発油税課税の回避と申しますか、という事態が生じているわけでございまして、そういった意味での秩序の回復という観点から、つとに揮発油税課税するという方針のもとで政府側としてはこれまでずっと検討しておったわけでございます。  特に、ただいま委員が御指摘になりましたように、現行の地方税でございます軽油引取税保有者課税の条項を発動するということは可能でございます。現実に沖縄県等におきまして現在課税の問題が検討されておるということでございますけれども、この点につきましても、先ほど自治省から御説明がありましたように、本来の問題といたしましては、ガソリン用エンジン燃料でございますので、これに対する課税問題を検討するとなれば、現在の揮発油税体系の中で考えなければならないということで、政府側としては、国税地方税の仕切りの問題は、これば国税揮発油税として対応すべきであろうという方針もかなり早い時期に出しておったわけでございます。  ただ、新たな石油製品でございますので、仮にこれを今回議員提案にございますように揮発油類似品といたしまして対象範囲を拡大いたしますといたしますと、自動車用燃料に使用されないものにつきまして、厳密な意味での用途免税の手続といいますか、そういうものを決める必要があるわけでございますが、実は、この製品、勉強しております現段階におきましては、その用途免税を適用する場合の用途なり規格をどういうふうに規定するかという点につきまして、新たな石油製品の生産とか流通実態をもう少し解明する必要があるということで、通産省当局調査、解明を現在も待っているという事態であったわけでございますが、先ほど提案者からの御説明にもございましたように、最近になりましてこれが急速に広範囲地域に広がり始めたということでございます。   そこで、立法府の御意思といたしまして、とりあえず応急的に課税方針立法府として御決定になる、残された問題であります用途免税等の問題につきましては、今回御提案になっております法律政令に委任をいただいておりますので、そういった立法府の御意思が成立するといたしますれば、政府といたしましても、ただいま続けております実態調査の延長上の中で、なるべく早くこの政令を具体的に決めて、それから関係業界にも周知徹底するということで、何とか十二月一日にこの議員提案法律が円滑に実施できるように、今後とも政府としては誠心誠意の努力をしなければならない問題であるというふうに受けとめておるわけでございます。
  16. 丸谷金保

    丸谷金保君 政府としては少し荒っぽい答弁のような気がするんですがね。  法律ができても、中身はまだこれから調査しなければ決まらないことがたくさんあるわけでしょう。緊急緊急と言いながら十二月ですよね、これはちょっと置いておきましょう、提案者が来ないと論議になりませんので。  代替エネルギーの問題でお聞きしておきたいと思うんですが、昭和五十五年ころ、私、自分の記録を見てみましても、まさに代替エネルギー論争がひとしきり花盛かりだった時期がございますね。そしてエネ庁中心にして、要するにエネルギーの将来の見通しということで十年計画なんかを立てまして、あるいはエクソンなんかと石炭液化というふうなことで、これはお金日本政府から出ているんですが、あれ以来どうなったんでしょう、そういう代替エネルギーの問題というのは。
  17. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 先生指摘のように、かねてから私どものとるべきエネルギー政策方向は、できるだけ石油依存度を減らして代替エネルギー導入を促進していくということでございまして、かねてからの先生指摘石炭液化も含めまして、代替エネルギー開発については計画的な推進を図ってまいってきたところでございますけれども、昨年の春にOPECが原油の五ドルの引き下げを発表いたして以来、世界のエネルギー情勢に大幅な変化が生じたということを踏まえまして、昨年の夏に総合エネルギー調査会におきまして、「最近の国際エネルギー情勢下における長期のエネルギー需給見通しエネルギー政策方向」というものを御審議願ってお取りまとめをいただいたわけでございますけれども、その中では政策の基本的な柱を、セキュリティーの確保、つまり安定供給確保と同時にできるだけコストの低減を図ること、この二つの大きな柱を最も適切な方法で組み合わせていくというような大きな方針をお示しいただいたわけでございます。  その中で、石炭液化につきましても、従来いろいろな方法ついで研究開発を進めてまいっておりましたけれども、当面、経済性において見通しのある方式に限りさらなる研究を進めてまいる、また他の方法につきましては、技術基盤の整うのを見届けてから改めて取り組むことが必要じゃないか、さような方針のもとに、今日、石炭液化についても引き続き効率性十分念頭に置きながら推進をいたしているところでございます。
  18. 丸谷金保

    丸谷金保君 アメリカとの共同研究ということで毎年研究費なんか出しているんですか。
  19. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) まことに恐縮でございますけれども石炭液化の具体的な内容についての資料をただいまお持ちしておりませんので確認はできませんけれども、いずれにいたしましても、石炭液化についての国際協力というものは引き続き現段階においても推進をいたしているところでございます。
  20. 丸谷金保

    丸谷金保君 今お金を出しているか出してないかわからない……。出しているんですか。予算の方を担当する大蔵省の方はわかりませんか。
  21. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) ただいま先生のおっしゃいました石炭液化技術につきましては、五十九年度予算におきましても百七十九億円の予算を計上いたしまして、国際的な研究協力を含め技術開発を進めているところでございます。
  22. 丸谷金保

    丸谷金保君 ソフト・エネルギー・パスなんかの方の関係に対する、太陽熱だとか、ああいうソフトなエネルギー開発、こういう方の関係はどういうふうになっているんですか、質問通告にないので申しわけないんですが。
  23. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 新エネルギー開発につきましても、これからの代替エネルギー開発の中で果たすべき重要な役割にかんがみまして、引き続き技術開発推進を図るとともに、例えばソーラーシステムのように既に普及段階に入っておるものにつきましては、引き続きその普及促進を図るということにつきまして予算も計上いたしております。例えば、先生の御指摘になったものの中の一部だと思いますけれどもローカルエネルギー開発というところですと、五十九年度では十三億円の予算を計上しておりますし、ソーラーシステム普及促進につきましては六十四億円の予算を計上いたしております。そのほか、いろいろな新エネルギー技術基盤を醸成するような技術開発予算が各種の項目の中に織り込まれておりまして、新エネルギー開発については、引き続き計画的着実に推進していこうという姿勢を堅持いたしてまいっているところでございます。
  24. 丸谷金保

    丸谷金保君 それで、今度のフエルガソリンについては代替エネルギーというふうに考えてよろ しゅうございますか。
  25. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 今いわゆる代替ガソリンとしてフエルガソリンの名のもとに販売されているものにつきましては、私どもも、最近急速な普及を見てきつつある現状にかんがみまして、沖縄等からサンプルを取り寄せまして、自動車実車試験を含め、相当精密な調査を大学の先生等中心にやっていただいたところでございます。  それによりますと、私どもとしては、以下に申し上げますように、性状の面において問題があると思っておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、現在市販されている経済的な背景は何かと申しますと、ガソリン税揮発油税地方道路税課税が行われていないということを基礎に販売量がふえているというのが実情でありまして、その大もととなります芳香族は、これは石油から生産されているわけでございますので、そういう意味では私どもの現在まで見たところ、特に新しい代替エネルギーとして代替ガソリンが出てきているという感じは持っていないところでございます。
  26. 丸谷金保

    丸谷金保君 何かいろいろ学者の方の協力を得て機能的なものを調べておるというんですが、いろいろ問題があるというふうに承ったんですけれども、どういうことなんですか、それは。
  27. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 先ほどちょっと申し上げかけまして恐縮でございましたが、サンプルを大量に取り寄せまして五台の自動車実車試験をいたしたわけでございます。その実験によって得られた結果によりますと、通常ガソリンに比べまして、温度が低いときのエンジン始動性に問題がある場合がございますとか、あるいは運転性の面でも円滑性を欠くような面がある。この運転性というのは、御案内のように、ノッキング現象というのは広く知られておりますけれども、このほかにサージング現象という、車両の前後の方向へ低周波振動が起こるというような現象だそうでございますけれども、このような面で運転性にも円滑さを欠く場合も見られます。また排ガスの性状につきましても、炭化水素、窒素酸化物等に道路運送車両法に定めます許容量の許容基準を超える場合もあるようでございます。またその成分の面から見てみますと、ゴムなどを侵食しやすい成分がガソリンに比べて大量に含まれておるもんですから、長期的に見ますと、自動車の燃焼系統の部品を侵す可能性が懸念されるわけでございます。  ただ、長期的な検討を要する試験項目もございますので、例えば今申し上げたような燃料系統部品への影響等につきましてはさらに九月を目途に実験を継続いたしているところでございます。
  28. 丸谷金保

    丸谷金保君 日本車両検査協会というのは通産の方の関係の財団法人ですか。
  29. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) ちょっと自信がございませんけれども、多分運輸省の所管の団体ではないかと思いますが、私ども今直接承知している団体ではございません。
  30. 丸谷金保

    丸谷金保君 実は日本車両検査協会がことしの六月にこのフエルガソリンの検査をやって、ここでは例えば排ガスの問題にしてもその他の問題にしても、いわゆるガソリンの代替として使って差し支えない、支障が何らないという報告を出しているんですよ。それは御存じないですか。
  31. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) ただいま先生指摘調査結果というのは聞いておりませんけれども、私どもの方では先ほど申し上げましたような大学の先生、埼玉大学の八巻先生委員長にいたしましてエネルギー総合工学研究所の中に研究会を設置していただきまして、そこには日本自動車研究所の方にも参加をいただき、いろいろな関係専門家の方々の客観的な分析をしていただいた結果をただいま申し上げたわけでございます。ただ、先ほど御説明のときに明示的には申し上げませんでしたけれどもサンプルにはいろいろばらつきがある場合もあります。そういう意味で、私どもサンプルをいろいろなところから大量に購入をいたすと同時に、自動車につきましても五台の車を使って実験する、あるいは実験室のレベルでもいろいろな品質検査を行うというようなことで、幅広く調査を行った結果がただいま申し上げたような状況であったわけでございます。
  32. 丸谷金保

    丸谷金保君 そのサンプルはどこどこのメーカーのものを使いましたか。
  33. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 沖縄には相当数の専用のフエルガソリンスタンドがございますので、その専用ガソリンスタンドから購入いたしたものでございます。メーカーからは直接購入したものではないものですから、具体的にメーカーとの関係は明示されておりません。
  34. 丸谷金保

    丸谷金保君 これがなぜどんどん出始めたかということの一つは、特許で申請して公開されたんですよね、方法が。このことによって皆まねできるわけです、決まらないうちは。それでこの特許申請をした方以外の人がどんどんつくり出した。したがって製品にもばらつきがあるんです。今例えば大阪だとか京都だとかでもつくっておりますよ、沖縄でもやっておりますわね。そうすると、それぞれのメーカーのフエルガソリン、そういう代替ガソリンをそろえてテストしないと、これがいい、これが悪いというのは出てこないんですよね、出てこないと思うんです。それをただ一概に全部、どこのだか知らぬけれども、買ってきてやったらおかしかったと。ちょっとそれでは無責任ではないでしょうかな。
  35. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 先ほど申し上げましたように、製品に若干のばらつきがあるのも事実でございますけれども、私ども調査はいろいろ成分をどこまで変更したらば自動車ガソリンエンジンに使用可能な限界であるかというような限界性の調査も十分お願いいたしまして、この範囲の組成であれば自動車エンジンにどのような影響があるけれども、どのような範囲であれば影響がないので大丈夫であるというような、そのような組成の、何と申しますか、固定的な検査以外にいろいろな成分の変更を通じて、どのような自動車エンジンヘの影響があるか、あるいはその他の環境への影響等があるかということについても調査をお願いいたしたわけでございまして、ある偏ったものだけの結果と見るべきものではないように理解いたしております。
  36. 丸谷金保

    丸谷金保君 そうすると、メーカーはわからないけれども、同じような結果が必ず出てくるというふうに考えているわけですね。  これは、特許申請した人の記録を見ますと、五つのそれぞれ違った車で試験して、その結果が表に出ているんです。この表によりますと、「この表より明るかなように本発明によって得られた組成物はガソリンと同様にガソリン機関用燃料として使用できるばかりでなく、ガソリンと比較しても一リットル当りの走行距離も伸びる」と。使っている人に聞いてみると、走行距離が伸びるというところに一つの何か人気があるようなんです。そういう点で「また加速時、登坂時にも無理はなく」、それからあなたがさっきおっしゃった「始動時においてもガソリンと同様であることが認められた。」というふうにして、特許の申請人はそういう点についてはおたくと全く違う角度の言い方をしているわけです。  もっとも、この特許は、その後、ことしの六月になりまして、一応拒絶ということでしたが、しかしこれは補正もできます。大体そういうのは一遍ルールとしては通って、またやるということだから特許になる可能性だってまだ残っている。  そしてこの特許申請をした方に言わすと、いろんなのが出ているから、ほかのでやられたら、そして一緒に悪いんだ悪いんだ言われたらかなわないと。発明者のガソリンを使って試験してくれればそんなことにならないんだと、こういう言い方をしてるんですが、どうなんですか。
  37. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 今、特許の出願をされている関係についてのお話がございましたけれども、先ほど先生おっしゃいましたように、現在のところ、特許庁の方では似たような前例があったり、技術的な進歩性が十分でないということで拒絶査定をいたしており、その後の成り行きはまだ見守る必要がありますけれども、そういうような とりあえずの判断が下っているわけでございますけれども先生おっしゃいました品質検査の出願人側の結果でございますけれども、例えばこの特許の出願をされている内容を見ましても、いろいろな成分のまぜ合わせる比率については大きな幅を持って書いてあるわけでございます。したがいまして、この特許出願人の例えばベンゼンをとりましても、ベンゼンのまぜている割合は一〇%から四八%だという申請内容になっているわけで、非常にまぜ合わせの比率というものはこの特許を使いましてもかなりいろいろな品質、性能になってくる場合があるわけでございます。先ほど沖縄からたくさんのサンプルを取り寄せた中には、当然このメーカーの分も入っていたことは想像にかたくないんでございますけれども、必ずこの部分のどれがそのメーカーの分かということはなかなか一概には断定し切れないことでございましたので、先ほどのようなお答えを申し上げたわけでございます。  なお、その出願人側が申しております性能については、例えば燃費率がいいというお話がございました。これは確かに比重が現在のガソリンよりも重いわけでございまして、そういう意味ではリットル当たりの燃費率というのは比重が重く、カロリーも大きいだけに、そういう燃費率が高いという結果が出る可能性は当然あり得ることだと思っております。  ただ先ほども申し上げましたように、品質によるばらつきがありますから、一概にまだ断定的なことまですべて申し上げるわけにはまいりませんけれども、低温時の始動性の問題一つとりましても、大変気温の高いときには余り問題が表面化しなくても、温度がさほど高温でないところでは、あるいは低温になりますと、非常に性能面の問題が浮き彫りにされるというようなこともございます。そういうわけで、ある一定の場所で、ある一定の時期に、ある一定サンプルで調べた結果をもってすべてを律するのはなかなか容易なことではないわけでございますので、私どもといたしましては、多数のサンプルを取り寄せて、かつまたいろいろな組成の変化に伴ってどのような影響が生ずるかということも含め、先ほど申し上げたような中立的な方々に研究をお願いいたした次第でございます。
  38. 丸谷金保

    丸谷金保君 始動と温度の関係なんか言いますと、当たり前の話です、そんなこと。ガソリンだって、沖縄で使うガソリンと北海道で使うガソリンじゃ、寒いときにはなかなか始動しないんで、いろいろみんな工夫するんですよね。ですから、それは何も温度の低いところへ持っていってやらなくても、暖かいところだけ使ってれば差し支えないということになるんです。こんな南北に長い日本列島で、北から南までみんな同じものでなきゃならぬことないんです。  ですから、始動の問題はそういうことですが、それで確かに前に、昭和五十一年にこれとよく似たような特許の申請が出ているんですよね。ですから、この種の問題というのは前からいろいろあったわけですよ。ただ、前の五十一年のときに出ている特許の申請を見ますと、五十七年に公開された特許のあれから見ると、製法なんかそんなに細かくないんです。五十七年のは非常に細かく書いてあるものですから、それだけにだれでもまねしやすい要素を持っておったんじゃないかと思うんです。ですから、今の段階政府が、これはおかしいんだというふうなことの決めつけは間違いじゃないかと思うんですよ。  実際にそういう人たちの立ち会いでやられたんならとにかく、それは入っているかいないかもわからないですよ。おまえのところのを持ってきてということでやったんでなければね。たくさんいろんなメーカーが出てきている状態で、それを全部一つに見て物を判断する、決めつけるだけの、今のお話を伺って、段階にはまだ至ってないと思うんですがね。こんなもの自動車に絶対だめなんだと言い切れますか、総体として。
  39. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) ただいままでに申し上げてまいりましたことは、いろいろサンプルによりまして実車試験を行ったりした結果、次のような問題点が指摘されるということを申し上げたわけででございますけれども、私どもといたしましても、さらに実態を実験を継続して精査すべきことも先ほど申し上げたとおりでございます。したがいまして、この代替ガソリンというものが自動車燃料として国民経済的に十分位置づけられるものかどうかということにつきまして、すべてもう私どもは解明をし終わって、ここでもう社会的に存在すべきものではないということを申し上げている趣旨ではないわけでございまして、私どもといたしましては、少なくも現在までの調査のところではかなり問題点があるように見受けられる。このような問題点につきましては、残った問題はさらに検討を続けまして、十分解明をした上で、自動車燃料としての位置づけを最終的には判断すべきことだと思っているわけでございます。  私どもがなぜこのような調査を急ぎ、かつ、いろいろまた問題点を申し上げているかということは、たまたま現在出回っておりますいわゆる代替ガソリンが急速な勢いでふえてきているいわれは何であるか、品質、性能面が非常にすぐれているからということではなくて、税金がかかっていないということによる経済的なメリットが大変大きく効いて、今日のような急速な販売の増加を見ている。ここは税の公平な負担という観点から見ても問題があるのではなかろうか。このような課税の後におきましても、品質、性能面において問題がなく、かつ経済的にも十分有利な形で存在し得るものであるということがわかれば、それは一つのまた技術的な進歩として私どもとしては受けとめなければならない問題であろう。しかしながら、現段階はそれではなくして、課税されないことによって生じた利益がこのような急速な拡大を見ておる。しかもその品質、性能面が特段すぐれているかと申せば、問題点もいろいろ指摘されると、かような状態にあるということを申し上げたかったわけでございます。
  40. 丸谷金保

    丸谷金保君 サンプルといっても、メーカーもわからないサンプルでは問題だと思うんですよ。どこのメーカー、どこのメーカーのということで初めてサンプルであって、どこのだかわからないけど、とにかくいろんなのを買ってきてやってみた。これはサンプルとはちょっと言いがたいと思うんです、つくったところもはっきりしないんじゃね。それでも、それはまだなかなかそこまで進まないということですから、それはもうやむを得ない、これからしっかりやってもらわなきゃならぬと思うんです。  ただ、今大変ふえてきたといっても、大体二千キロリッターくらいですわね。そうすると、日本の今のガソリン、三千六百万キロリッターでしょう。まだ急激な勢いでふえたというふうなものではないですよ、何分の一だと思います。三千六百万キロリッターと二千キロリッターじゃ、パーセントにしたって〇・〇〇五%ですよ。一%でないですよ、〇・〇〇五%ですよ。しかも問題点としては、五十七年からある。ふえたといったって、急激にふえて〇・〇〇五%くらいの状態で、それは大変だ——確かに不公平な問題を是正しなきゃならないということはわかります。しかし、きのうきょうのこの委員会にかけなければならないほどの一体緊急性というのはあったのかどうか。私はやっぱり業界の要望——石油商業組合連合会と石油政治連盟ですか、政治連盟というのは大体政治献金をすることなどなどが大きな仕事ですわね。  それで、提案者の方にもう一度戻ってお聞きするんですが、議員提案として出してくる状況になったのは、大蔵や通産から頼まれたわけではなくて、業界からこういう要望があってですか。
  41. 中村正三郎

    衆議院議員中村正三郎君) 業界から要望があったわけではございません。ですが、私は自由民主党でございますが、自由民主党においては、石油問題調査会とか税調で長年この問題は検討をし、対応をしなければいけないということで進んでまいりました。  で、先生との物の見方なんですが、五十七年に八十トン、五十八年に千四百トン、それで五十九 年に入りましてから月々二千トン以上入ってきて、上半期で六千八百トンですね。だから、これがずっといきますと一万トンを超えてくるであろう。また、店の数でございますが、五十九年四月には二十六店舗であったのが七月には三十六店舗にふえ、また今続々計画中、税金がかからないならやろうというようなことでふえる危険もあるということでございます。これはやはり緊急を要することであり、まさに政治が取り組んで、議員の方でこういった立法措置を講ずべきであろうという判断に基づいて、自民党また全野党賛成でこの法律案を起草させていただいたわけでございます。  また、数が少ないではないかというお話でございますが、数が少ないから脱法的、脱税的行為を見逃がしていいという積極的な理由にはならぬというふうに考える次第でございます。
  42. 丸谷金保

    丸谷金保君 物すごい勢いでふえていると言われるから、パーセントにしたらまだこんなものでないか。席巻するような勢いでもう大変だというような御説明があるものですから、パーセントにしたらたったまだこんな程度でないかということを申し上げたんで、パーセントが低いから課税しないでもいいということじゃないんですよ。ただ、緊急性の問題で私申し上げているんです。  そんなに研究してきているのなら、大蔵省主税局も検討していたというんなら、当然税調にかからなければならぬはずじゃないですか。どうなんですか。
  43. 梅澤節男

    政府委員梅澤節男君) 先ほども申し上げましたように、政府側、つまり具体的には大蔵省なり資源エネルギー庁におきまして、これは揮発油税課税されております現在の自動車用の燃料との課税のバランス。権衡という観点から、つとにこれは揮発油税課税の対象にするという方針調査研究を続けてまいっておったわけでございますが、先ほど提案者の御説明にもございましたように、この事態をそのまま放置できないということで、立法府の御意思といたしまして今回この提案がされたものでございますから、私どもは、この御提案の中に盛られております、政府の仕事でございますが、政令に委任されている事項につきましては、この法案が成立し次第十二月一日の適用を目指して、円滑にこの実施のために政府としては誠心誠意努力するということを先ほど申し上げたわけでございますが、そういった緊急の立法の御経緯でございますので、本日現在政府の税制調査会にこの問題を御審議の対象としてお願いしているという経緯はございません。  ただ、立法の経緯が立法府議員立法の御提案でございますので、形式論からいたしますと、政府税制調査会の諮問にかかわらしめる問題ではなくて、むしろ国会でこの法案が成立いたしました後、これに対する政府の対処方針等を政府の税制調査会に可及的速やかな機会に御報告を申し上げまして御了承を得たい。私どもの予感といたしましては、先ほど申し上げましたように、揮発油税課税との権衡という観点でございますので、税制の議論としても税制調査会の御了承は賜れるものというふうに期待をいたしているわけでございます。
  44. 丸谷金保

    丸谷金保君 どうも納得できないんですがね。というのは、こういう間接税議員立法でやったことが今まで何回くらいありますか。
  45. 梅澤節男

    政府委員梅澤節男君) いつのころの時点からの御質問でございますか、なかなか難しい御質問でございますが、最近時点におきましては、石油ガス税法の点につきまして、これは議員立法という形でございませんが、議員修正によりまして、たしか基本税率を議員修正で暫定税率を御決定いただくというふうな格好で、間接税につきまして議員提案での修正なり改定が行われた経緯がございます。
  46. 丸谷金保

    丸谷金保君 私が聞いているのは、議員立法提案されたことがあるかと。修正の提案があったかなかったか聞いてないんだよね。局長さんは私の質問に答えていただければいいんですよ。別に修正提案が何件あったか聞いてない。  だから、記憶にある範囲でどうですか。私たちの記憶にある範囲で聞いたことがないんですよ、間接税議員立法というのは。ということは、そこまで議員立法される間政府は何をやってたんだということなんですよ、問題は。
  47. 梅澤節男

    政府委員梅澤節男君) 先ほどの御説明、大変失礼いたしました。御指摘のとおり、議員立法によって間接税の新しい税目が提起されたという事実はございません。ただ、今回の議員立法はあくまで揮発油税課税対象範囲の拡大でございます。新たな間接税に対する議員立法という観念の仕方でございますけれども、事実関係はそういうことでございます。新たな税目の立法はございません。ただ、今回の議員立法も新たな税目の提案ではないということでございます。  それから現在まで政府は何をしておったかという御質問でございますが、これは先ほど来再三お答えを申し上げておりますように、つとに揮発油税課税するという方針のもとにこの新たな揮発油類似品と申しますか、石油製品につきましてもし課税対象として取り上げました場合に、自動車用燃料として使われない燃料にまで課税範囲を拡大するということには問題がございますので、特定用途免税、特定用途あるいは規格についての綿密な調査を必要といたしますので、その調査検討をいたしておったのが現在までの過程でございます。ただ、急速に広まったという立法府の御判断で今回立法措置をとられたわけでございますので、先ほど来申し上げておりますように、この法案が成立いたしましたら、政府の責任として政令に委任されている事項につきまして鋭意事柄を詰めまして、十二月一日までに円滑な実施を行うために今努力をするというのが現在の政府の基本的な態度でございます。
  48. 丸谷金保

    丸谷金保君 最初に発明してこれを考え出した方に電話で聞いたんですけれども課税されても間に合うように我々はやっていかなきゃならぬ、そういうふうにできると。それには例えば今台湾とか韓国から輸入しているけれど、国内で売ってくれればもっと安く買えるんだというんですよ。ところが、国内ではなかなか売ってくれない、こういう問題もあるんだというふうに聞いたんですが、提案者の方ではそういう点は御調査なさっておりますか。
  49. 中村正三郎

    衆議院議員中村正三郎君) 私どもは今主税局長さんからお話がありましたとおり、新しい税目をつくるんでなくて、同じような石油製品自動車用に使われていて、それをお使いになることは結構なんですが、税金を払っていただきたいという趣旨からこの法律を起草させていただいたわけでございます。でございますから、その輸入経路とか、またどういうところから買っているということについては、技術的な問題でございますので、石油部長の方からお答えさせていただきたいと思います。
  50. 丸谷金保

    丸谷金保君 それで結構です。  それで大蔵大臣、この代替エネルギーということで随分一時はみんなが夢中になったもんです。先ほどお留守の間に聞いたんですが、エネルギー関係においては代替エネルギーもこれからずっと研究もしなければならぬし、進めていかなければならぬということなんですが、これなんかも結局BTX輸入しております。しかしその輸入も、何もフエルガソリンだけの輸入じゃないんですよ。一万トンとかおっしゃっていましたけれども、それがそのままフエルガソリンの原料としてそれだけ全部が輸入されているんではないと思うんです。全体としてBTXというのは五百万トンほども輸入されておるんですから、どういうふうな使い道だってあるわけです。逆にまた日本からアメリカにも輸出しているんです。輸出の量は五十万トンぐらいだといいます。  そうすると、そういうものがもし間に合うんなら、アメリカに輸出するよりは、国内でこういう代替ガソリンが暖いところで間に合うんだったら、暖いところだけでも使わせていくということにした方が外貨減らしになるし、いいんじゃないか。それからまた輸入もできます。ということに なれば、特に国内で出る分だけでも国内で使わせていく。むしろそういう方向に奨励していくことが一挙両得でないか。脱税だからけしからぬというけれども、これは脱税じゃないんです。課税対象になってないというだけのことなんです。だから課税対象にした上で、そういう代替エネルギーとしてできるだけ前向きに考える。そういう苦労して発明している人たちが何か悪いことをしているかのように抑え込みをしていくのはどうか。悪いことをしているならこんな出願なんかしませんよ。堂々とこういうふうにしてやるんです、内燃機関にしてやるんですという特許の出願までしているんです。それを今の通産省の部長さんの言うように、いかにもそれは悪いんだと言わんばかりのことでなく、こういうものもできるだけ使えるものなら使うようにしていっていただくというふうにはならないものでしょうか。これは外貨の問題で考えた場合のことで、その分だけ輸出しないで済むから外貨減らしになるわけですよね。いま五十万トン輸出しているんです。どうでしょうか。
  51. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 確かに先生指摘のように、BTX類の輸入と輸出がそれぞれございまして、金額は大したことはございませんが、輸入が年間五十万トン、輸出が二十五万トンぐらいございます。アメリカ向けには四万トン程度の輸出でございまして、金額にして三十七億円程度でございます。したがいまして、金額的にさほど大きいものというわけではございませんが、主としてこのBTX類は、例えばナイロンでございますとか、ポリエステル繊維でございますとかの原料になるような化学品としての取引、ユーザーの要望に応じましてさまざまな規格のもとに取引されているわけでございますけれども、いずれにいたしましても、これらの原料は基本的には石油から成り立っているわけでございますので、代替燃料のお話が先ほど先生からでございましたけれども、いずれにいたしましても、石油を原料として出てくるものの組成をあるものに特化させたということになるわけでございますので、私どもの理解といたしましては、従来、通常申しておりました脱石油という意味での代替エネルギーに位置づけることは難しいのではないかというふうに思っております。  私ども申し上げたい趣旨は、いずれにいたしましても、国内でBTX類を買おうと思いますと、これは揮発油税地方道路税石油化学用に使われる限りは免税になりますけれども、その他の用途に使われる場合にはまたその税金がかかることになるために経済的に引き合わず、そのため輸入品によって原料を調達しているというのが経済的な実情じゃないかというふうに考えております。  問題は、結局、私どもは、自動車用のガソリンとして使用されながら、通常ガソリンであれば負担さるべき道路諸税を免がれる、そのことが一つの経済的なメリットとして世の中に広まっていくということについては、税の公平の観点から非常に問題があるんじゃないか、さようなことを申し上げておるわけでございまして、性状につきましてはいろいろ問題はありますけれども、この性状についてのさらなる分析は引き続き進めて、国民経済的にどのような位置づけをすべきかは、先ほどお答え申し上げましたように、追って確定させていただきたいと思っているわけでございます。
  52. 丸谷金保

    丸谷金保君 大臣議員立法が悪いということじゃないんですが、政府の立場で、いろいろ問題があって早くからわかっていろいろ調査もしているというんです、主税局長さんもね。そういうものを議員立法で出してくるまで政府側としての対応が進まないということについて、しかもこれは新しい立法じゃないといっても、課税客体を新たにもう一つふやすことですし、こういうことというのは、どうも政府怠慢でないかというふうにも思うんですが、いかがですか。
  53. 梅澤節男

    政府委員梅澤節男君) 大臣の御答弁の前に、事実関係だけ御説明申し上げることをお許し願いたいと思うわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、課税するべく資源エネルギー庁と共同いたしまして、各種の調査研究を現在まで続けてまいったわけでございます。  本来、政府提案の形で御提案申し上げるといたしますれば、先ほど言及いたしました特定用途免税等につきましても、政令で決めるべき事項をきちんと国会での御審議の際は政府側としては申し上げて、そういったタイミングで御提案を申し上げなければならないわけでございます。客観的事実といたしまして、今国会の会期までに私どもの対応がそれに及ばなかったという事態でございますが、立法府の御判断で十二月一日の適用ということを目指してとにかく課税方針をまず決めてやる、具体的な事項は政令の委任ということで政府で努力しろというお立場でございますので、私どもといたしましては、この法案の成立を受けまして、先ほど来申し上げておりますように、十二月一日から適正な課税が行われますように誠心誠意努力するという立場でございます。
  54. 丸谷金保

    丸谷金保君 これは朝日新聞ですが、新ガソリンフエル」について、「来年度から課税」「”逃げ道”封じへ成分など調査」ということで出ております。それからさらに毎日新聞でも、「空振り?代替ガソリン退治」「課税策に思わぬ伏兵が……」と出ておりますね。実際こういうことだったんですか。  代替ガソリンの法制化を図ろうとしたところが、大蔵省の方はBTXは薬品や染料など幅広く使われているので、それらの免税品目を決めるということはちょっと大変だからそうすぐにはいかない。それから同じように通産省の中の基礎産業局も、そんなことになったら大変だということでクレームをつけて立法化がおくれてきたというような事実はあったんですか。
  55. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 先ほども主税局長からお話がございましたように、一体どの範囲に新たな課税対象範囲を拡大し、どのようなものに用途免税を行うかということにつきましては、何分にも石油化学製品というものは、品物の数も多うございますし、組成もかなり似たものも多いということで、私どもといたしましても、先生今お触れになりましたような基礎産業局と相当実態調査を綿密に進めてまいってきたわけでございます。そのような過程におきましては、塗料とか、印刷のインクとか、接着剤とか、このようなものが課税されることは本旨ではございませんので、客観的にこれらのものが用途免税になりますような実態の把握、それから法制面での対応、こういったことにつきましては、私どもとしましても、十分得心がいくことが必要だろうと思いまして、かねがね業界の実情に即しました調査を進めてまいっておったわけでございます。したがいまして、そういうことのためにもこれまで私どもとしては随分時間がかかりまして、直ちに立法措置によっていわゆる代替ガソリン課税をしていただくための法制をつくっていくいろいろな背景は、私どもなりで十分お調べいたしませんと、なかなかお願いする立場としましても難しい面があったわけで、そういう意味で時間がかかったのは事実なんでございます。  ただ、何分にも先ほど来いろいろ申し上げましたように、この代替ガソリンが急速に出回りましたのは、特にこの春からでございました。その春からの急速な販売拡大の中でいろいろな化学品の調査を綿密に行うということの時間的な制約が種々あったというのは事実でございます。しかし、おおむね私どもといたしましては見当もつけられましたが、なお実施に当たりましてはさらに細かい調査も必要だということで、十二月一日に適用をしていただくことで間に合わしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
  56. 丸谷金保

    丸谷金保君 それで、最後なんですが、十二月に実施しなきゃならないということもわかります。そのくらいまでに除外品目全部調べ上げるのに時間がかかると。議員立法の場合には、そういうものを調べ上げないで政令委任するから、おまえら、あとやれと。政府提案する場合には、そ ういうものが決まらなければ法案が出せないんだというふうにしか今受けとめられないんですよね。なぜ出さなかったというと、そういう調べがまだ済んでないと。調べが済まなくったってできるかと思うんですがね。議員立法なら、そういう具体的な課税客体をきちっと決めて、除外する品物もまだ決まってなくてもやれると。私はそのこと自体が問題だと思います。問題だと思いますけれど、時間が来ましたので、問題点は納得できないんですが、これでやめます。
  57. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それでは、最初にお尋ねいたしますが、この法案で問題になりました代替ガソリン通常ガソリンとコストがどれぐらい違うのか。それから現在の販売価格はどれくらい違うのか。それと、今代替ガソリンは、ベンゼントルエンキシレン等と何か灯油をまぜるようでありますが、この製法、またその原料は主に輸入のようでございますが、輸入と理解していいのか。これは政府にお尋ねいたします。
  58. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) いわゆる代替ガソリン通常ガソリンとのコスト及び価格の問題が最初の御質問でございますが、なかなか代替ガソリンにつきましては、統計等正確なものがまだ整備されていないということで、十分私どもも正確なデータを持ち合わしているわけではございませんけれども業界紙などの情報、あるいは業界の方々から聞きましたお話等から推定いたしますと、まず販売価格の方につきましては、その地域ガソリンの小売価格と大差はない値段で売られている、若干安く売っているというのが実情のようでございます。  コストにつきましては、先ほど来お話ございますように、揮発油税地方道路税を負担しておりませんので、通常ガソリンに比べて相当コスト的に優位にあるのではないかと考えられるわけでございますが、具体的にどのくらいのコストかというのは、原料の調達価格とかあるいは生産流通段階の諸経費等の分析が必ずしも十分できておりませんので、はっきりいたしません。  ただ、業界紙等によれば、卸売価格で申せば百二十円近辺で卸売されているのではないか。場所によって随分幅があるようでございます。それに対して一般のガソリンですと、卸売価格は百三十五円近辺というふうに青われているわけでございますので、ある程度安い値段で卸もされている。したがいまして、コストも当然安い。それは当然のことながら、五十三円余のいわゆるガソリン税課税されていないという前提の上での割安ということになるわけでございます。  それから原料は、先ほど先生もおっしゃいましたように、主としてBTX類を韓国、台湾等から輸入いたしまして、国内で灯油などとまぜ合わせて生産をいたしているように承知しております。
  59. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 今回のこの法律によりまして、ガソリンと同じように税金をかけた場合には、いわゆるフエルガソリンというもののコストはどうなるのか。そういうものが今出回っているということは、非常に利益があるから出回っておるわけで、税金をかけちゃうと、コスト的にガソリンより高くなって、こういうものはもう消滅してしまうものなのか。そういう点はどうでしょうか。
  60. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 先ほど申し上げましたように、いわゆるガソリン税がかからない状態で、現在の卸売価格が百二十円近辺ということでございますと、仮にその上にリットル当たり五十三円八十銭のいわゆるガソリン税がかかるとしますと、当然経済性はなくなるわけでございます。ただ、現在の卸売価格がどのようなコスト構成になっているのかということによりましては、一概にいわゆるガソリン税をかけることによりまして経済的に全く成り立たなくなるということを申し上げる根拠は十分持っておらないわけでございます。いずれにいたしましても、ただ五十三円八十銭の課税が行われました晩には、こういう代替ガソリンを扱っている方々の経営が相当厳しくなることだけは紛れもない事実だろうというふうに考えております。
  61. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 いわゆる税金を除いたコストと申しますか、もちろん台湾からそういう原料を輸入する場合にも、恐らく税金等もかかっているし、あるいはまた日本のガソリンだって、原油を輸入する場合には、いろいろ関税とか石油税もかかっておるわけで、ただ、今ここで問題になっております揮発油税ですか、これを結局がける前の段階で、日本のガソリンとこのフエル燃料の原価というのはどの程度の違いがあるのか。もちろん、日本のガソリンでも各社によって一定ではないと思うんですが、大体の傾向としてはどちらが高いのか、ほぼ一緒と見ていいのか。その点どうなんでしょうか。
  62. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) いわゆる代替ガソリンの原料になっておりますBTX類を韓国、台湾等から輸入する際は、関税も特恵関税の扱いでございますのでかかっておりませんし、石油税もかかっておらないわけでございますのに対しまして、通常ガソリンでございますと、関税、石油税がかかりました上、五十三円八十銭のいわゆるガソリン税課税されているわけでございます。そういう意味で比較してみますと、これらの諸税全体で見ますと、現在の卸売価格で比較する限りは、代替ガソリンの税抜き価格の方が、通常ガソリンの税抜き価格より高いんだろうということは想像にかたくないわけでございます。  ただ、現在はそういうことでございますけれども、今後どのように代替ガソリンの供給者が価格を設定するか、どのようなコストの面での対応をしていくのか、そういうこともありますので、一概に今後の先行きの見通しまで断定的に申し上げるわけにはまいりませんけれども、相当厳しい対応が必要になってくるんじゃないかというふうに考えております。
  63. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 いわゆるフエル燃料を製造し、また専用のスタンドもつくって販売しておるこういう人たちは、そういう燃料をまぜてつくるためにいろいろ設備投資もかなりやっておるんじゃないか。したがって、こういう課税をすることによって営業をやめなければならないとするならば、そういう点の配慮はどうなのか。今さっき質問がありましたように、彼らは別に悪いことをしておるとは言えないわけですから、そういう点の心配はないのか。  また、一方でフエル燃料の場合は、いわゆる特恵関税で、関税も石油税も払わないでそういうもので油をつくる、そういうことであるならば、ガソリン税と同じ課税でいいのかどうか。税の公平という点からいって問題はないのかどうか。この二点。  後の点はこれは主税局の方の御意見をお聞きしたいものですね。
  64. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 確かに、代替ガソリンの製造業者においてもそれなりの設備投資などは行っていることは当然だろうと思います。しかし、私どもといたしましては、あくまでこれはガソリン自動車燃料として使用されているものである以上、通常ガソリンと同様に、揮発油税地方道路税課税されるということを前提とした経営がそれらの業者によっても行われるべき筋合いのものではないかというふうに考えているわけでございます。したがいまして、そのような前提のもとでどのような経営態度をとっていくかということが今後の企業の課題ではないかというふうに考えているわけでございます。  それから、これは私どものお答えすべきことかどうかわかりませんけれども、関税は特恵地域に対する措置として行われているものだと思いますけれども石油税の扱い等につきまして私どもエネルギー庁という立場から申しますれば、先ほど来申し上げておりますように、この代替ガソリンというものが今後国民経済的にどのような位置づけになっていくのか、そのようなことも十分考えて、今後の国民経済上における位置づけの確定した中で、種々の問題に対応していくべきものではないかというふうに考えております。
  65. 梅澤節男

    政府委員梅澤節男君) この問題について税制当局としての従来までの考え方は先ほど来申し上げているとおりでございます。消費税としての揮 発油税は、本来自動車ガソリン燃料の消費という事態に担税力を求めまして、そういうものに着目した消費税でございます。そういたしますと、現在の揮発油税の対象になっておるいわゆるガソリンの定義を超える石油製品でありましても、それが将来のガソリンエンジン用の燃料としてどういう安定性を持っているかということは、先ほど来エネルギー庁からいろいろな問題が提起されておりますけれども、現実問題として自動車用燃料として消費されておるという事態があり、しかもその事態地域的にもまた量的にも広がっているということになりますれば、消費税の課税の権衡という本来の立場からいたしますと、やはり課税の対象として取り上げるべき問題であるというふうに申し上げざるを得ないと思います。
  66. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 関税も石油税も、輸入のときにかかるそういう税金を払っていない、そういう点は別に問題はないわけですか、ほかの原油の輸入の場合との比較においてですね。
  67. 梅澤節男

    政府委員梅澤節男君) 現在問題になっております輸入石油製品、実は石油税の課税対象というのは関税の課税物件と同じ扱いということになっておりまして、現在はこれはコールタールその他の蒸留物という物件の範囲に入りまして、石油税の課税の対象にはなっていないわけでございます。
  68. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 これは先ほどのお話では五十七年が八十トン、五十八年が千四百トンですか、五十九年になって急速にふえておると。こういう製品が出回ればガソリンの消費が減るわけで、それだけ税収が減っておるわけですがね。今まで五十七年、五十八年、あるいはことしは幾らかわかりませんが、三年間で税収減はどれぐらいになりますか。ということは、全部に課税した場合との程度の税収になるものであるのかということなんです。
  69. 梅澤節男

    政府委員梅澤節男君) 今回の代替ガソリンの問題は、本来ならガソリンが使用されておりました場合には当然揮発油税がかかるわけでございまして、それが代替ガソリンということで使用されておりますと、御指摘のとおり本来収納されるべき揮発油税収の欠減が起こるわけでございますが、最近時点におきまして非常に数量がふえてきておりますが、五月、六月の平均の数字で申し上げますと、これを揮発油税収に地方道路税も含めまして推計いたしますと、月大体税収額で一億五千万円ぐらいのオーダーになっております。これは五月、六月の平均で一月分を推計したわけでございます。
  70. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 私は本来から言えば、もっと早くやるべきじゃなかったか、先ほど丸谷先生の御意見と一緒なんです。これは五十七年からもあったわけで、そういう点、税の網をかけようとしなかった理由は何ですか。
  71. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 確かに先生指摘のように、五十七年の夏ごろから沖縄県で販売を開始されたように承知しておりますけれども、当初は販売活動も大変小規模だったわけでございまして、せいぜい二、三カ所でそういうスタンドがあったという程度というふうに承知しております。そういうわけで大変極めて限られた例にすぎなかったのでございますけれども、昨年の後半以降、特に本年春以降この専用スタンドの設置数が急増いたしたほか、さらに販売地域沖縄、九州から始まりまして、関西、静岡、さらには関東地方へと、この春以降急速な拡大を見たということに伴いまして、早急な対応が必要になったものと理解しておるわけでございます。
  72. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 これは大蔵大臣に要望いたしますが、我々国民のサイドから見れば、余り税金の目を細かくされるよりも抜け道のあった方がおもしろみもあっていいんじゃないかと思うんですが、しかし今税務署の職員は第一線において一生懸命税収確保に努力しているし、税の公平に努力はしているんでしょうけれども、結果においては、我々から見ればこんなものは少し大目に見ていいじゃないか、そういうところまでまじめに税収確保に努力しておるわけでありまして、そういう点から見ると、今の御答弁でも、量が少なかったんだ、ことしの六月になると量がふえてきたから慌ててかけるんだと。こういうようなことなら、では量がわずかならば許していいのか。私は、大蔵大臣の立場に立てば、税の公平なシステムをつくるということは非常に大事じゃないかと思いますし、そういう意味で、今後はこういう問題については速やかに対応すべきではないか。対応がおくれると結局ある程度拡大して、そういう設備投資もした人たちがまた大変な被害を受けるわけでありまして、今後の問題として速やかな対応が必要である、そういう姿勢で臨んでもらいたいと思うんですが、その点どうでしょうか。
  73. 竹下登

    ○国務大臣(竹下登君) 税の公正確保、こういう観点からは、絶えずそういう意味においては眼を光らしておくべきものだというふうに私も考えております。  したがって、今次の議員立法に対する私の素直な感想を申し述べさしていただくといたしますならば、そういう迅速な対応を考えるべきは行政府である。しかし間々、行政府がこれらの問題に対応いたしますと、より確度の高いものというので時間がかかる場合があります。したがって、それらに対してまさに政治そのものが出動した、あるいは政治そのものが対応したというように素直に私は受けとめました。その政治の対応に対して私どもは、その立法の趣旨がより正確に実現されるための政省令あるいは税務執行上の問題等について可及的速やかにその態勢をとらなきゃならぬではなかろうか。本来税の公正という立場からは絶えず私どもは眼を光らしておかなければならない課題だというふうな理解は、塩出さんとそう違った考え方ではなかろうかと思っております。
  74. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 かなり量がふえておるということは、こういう燃料をつくったり販売したり、こういうような人たちのグループがあると思うんですけれども、そういう人たちがこの法案の成立に対してどういう感じを持っておるのかですね。    〔委員長退席、理事岩崎純三君着席〕 たとえ数は少数であっても、我々税法審議においては、本来ならば参考人を呼ぶなりそういうことを十分しなければならないと思うのでありますが、こういうフエル燃料関係者の考えはどうなのか、これはやむを得ないなということなのか。そのあたりを政府なりあるいは提案者の方でもしつかんでおればお話をいただきたいと思います。
  75. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 当然、いわゆる代替ガソリンを扱っている企業の方々も、いわゆるガソリン税課税を前提とした経営をいずれ行わなければならないという立場でお仕事をなさっているものというふうに考えております。
  76. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 そうしますと、課税をしたからといってつぶれるとか、そういうことではなしに、ある程度彼らも、いずれは税金がかかるであろう、しかし税金がかかるまでにできるだけもうけて、税金がかかってからはまた努力して少しずつもうけていこう、こういう考えであると理解していいわけですね。
  77. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 課税が行われました後は、先ほども申し上げましたように、これらの事業に携わっている方々の経営は大変厳しいものになると存じます。したがって、必ずそれを前提として経営が円滑に成り立つかどうか、これは企業家側が大変真剣に考えるべき課題だというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、税の公平という観点からすれば、かかってしかるべきものにかけていただくのが至当であろうと、こういうふうに考えておりますし、これに携わっておられる企業の方々も、これはいずれはかかるべきものと、こういう認識のもとにお仕事をなすっていられるのだろうというふうに考えております。
  78. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 これは大蔵省にお尋ねをいたしますが、税法のあり方として、何か後追い的な、物品税においては常にそういうような後追い的な傾向が非常に多いのじゃないかと思うんですけれども、例えば油の性質によって課税をするというのではなしに、自動車に使う場合にはこういうもの には税金をかけるとか、そういうように何か課税のあり方を検討すべきじゃないか。今回こういう法律をつくりますが、またこの間を縫って今度は別なやつをつくって売り出す、また租税特別措置法改正する、こういうようなことでは非常に混乱が起きるのじゃないかと思うんですが、そういう点で、余り抜け道のないものですね。税金を逃れてコストの安いものをつくるというのはこれは本当の人類の進歩ではなくて、税金は同じように払って、しかもコストの安い新しい燃料ができるように研究をしていただく、そういうのが本当の知恵じゃないかと思うんです。税金を逃れて安いものというのは、これは同じ知恵でも、悪知恵というか、いい知恵ではないわけで、そういう意味で、そういう抜け道のないように、後追いにならないように税法のあり方を検討する余地はありませんか。
  79. 梅澤節男

    政府委員梅澤節男君) 消費税は文字どおり物税でございますから、課税物件というものは客観的にその物自体を税法上定義するといいますか、明確にしておくというのが物税たる消費税体系の基本的なあり方だと思います。その場合に、まさに御指摘のとおり、その定められた物件の範囲を超えて、しかも代替性のあるものが課税逃れになるというふうな税法は、消費税としてはそれは完璧なものでないわけでございまして、なるべくそういうものでない消費税法が望ましいということも御指摘のとおりでございます。    〔理事岩崎純三君退席、委員長着席〕   ただ、経済社会というものはいろいろ時々刻々発展してまいるものでございますから、どうしても税法で当初予想いたしました別の新しい事態が生じるということでございますので、結局、消費税制につきましては、今回の問題の税制に限りませず、例えば物品税等におきましても、新しい商品なり新しい物品の動きに着目しながら適切にそれに対処していくという努力は今後とも続けざるを得ないということであろうかと思います。  それから今回の問題につきましての私どもの対応が少し遅過ぎたのではないかという御指摘でございます。もちろん現在まで政府といたしましては誠心誠意、鋭意努力してまいったところでございますけれども、急速に今回のように消費が広がったという事態立法府の御指案によって今回の御決定をいただくわけでございますが、ただ二言申し上げさせていただきますと、五十七年度当時に既にその端緒が出ておったではないか、どうしてその時点で手を打たなかったのかという御指摘でございます。これは私ども租税政策を考える上では非常に難しい問題であろうかと思うわけでございます。つまり、五十七年当時出てきたような物品が果たして恒久的にといいますか、エンジン燃料としてどんどん市場に発展していくものかどうかという判断というのは、恐らく五十七年、五十八年当時はつかなかったというのが客観的な事態であろうと思うわけでございます。そういった事態に当たりまして、すぐにそれを税制で対応するのが果たして租税政策としていいのかどうかという基本論はあると思うわけでございます。つまり、新しい物品なり新しい消費税の対象が出てきた場合に、いずれ市場の中で消えていくようなものもあるのかもわからないわけでございますから、それを早急に税で出ていった場合に、市場に対しての干渉の問題等も考えなければいけない。一年なり二年の経過を見ながら、どうしてもそこに若干のタイムラグを生ずるのはやむを得ないのではないかというふうに私どもは、弁解じゃなくて、そういうふうに考えておるわけでございますが、客観的事実といたしまして、今回、会期末までに政府の対応がおくれたということは事実でございます。
  80. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 提案者にお尋ねいたしますが、十二月一日とした理由。我々はもっと早くやってもいいんじゃないか、一カ月に一億とかであればですね。しかし、ある面からいえば、激変緩和でもっと先がいいんじゃないかという意見もあるわけですが、十二月一日とした理由はどういう理由でございますか。
  81. 中村正三郎

    衆議院議員中村正三郎君) これは激変緩和ということではございませんで、私ども法律案を起草いたしますのに関係官庁と御相談をさせていただきました。その結果、政府においては、大体このフエルガソリンがどのように流通しているかもう大半は把握しておる。しかし、これからもまたいろいろ調べて、また免税する商品の動きだとか製品の動きだとか、そういうことも調べて、詳細にまた免税を受ける人になるべく手間がかからぬようにやる等、いろいろなことが必要であるということで十二月一日までと。私どもとしてなるべく早く法が適用になるようにお願いしたんでございますが、そういういろいろな調整が必要だということでございます。  細かいことはまた関係当局から御説明させようと思います。
  82. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) ただいま御説明がございましたように、免税手続をきちんと進めていくためには、一品一品関連の物資につきまして精密な調査が必要でございますが、私どもといたしましては、おおむねの調査は終了しておりますけれども、ごく一部まだ残っているものもありますし、また企業におきましてこの免税手続をきちんと進めていくためには、特定の用途に特定の規格のものが免税対象になるという法制になっておりますので、その特定の規格に合うような設備投資を行うことが必要な企業もあるようでございます。したがいまして、そのようなことも含め、いろいろな対応期間といたしまして、十二月一日ぐらいまでの期間はぜひちょうだいいたしたいというふうに私どもとして考えた次第でございます。
  83. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 それでは次に、ガソリンスタンドの経営状態について、私たちも各地においてガソリンスタンドの経営者等から、大変過当競争で厳しい、仕入れ価格で売っている店も多いと、こういうような意見をよく聞くわけでございます。原油の輸入量等はこの数年足踏みをし、また全国的に油の消費もかなり省エネルギーが進んで政府見通しをかなり下回っておるわけでありますが、そういう中で大変過当競争の感があるわけでありますが、現状はどうなのか。また、価格が下がるということは需要者にとっては非常にありがたいれけですけれども、しかし過当競争によって倒産が余りふえるとか、そういうことはどうか。特に私は、外資系の、メジャー系のそういう販売拡張戦略によって民族系が押しつぶされるというような心配はないのか、これは我々の杞憂にすぎないのか。この点についてお尋ねをいたします。
  84. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 確かに揮発油販売業の経営状況を見てまいりますと、二度のオイルショックを経まして需要が大変停滞している中で過当競争が行われておりまして、市況も非常に不安定でございます。その結果、ちょっと古いんですけれども、五十七年度の私どもの経営実態調査によりますと、平均の営業利益率というのはマイナス〇・二%、経常利益率でも平均して〇%というようなことで、これもアンケートによりますと、全給油所に対する赤字のスタンドの割合というのは四四%もあるという回答をいただいているわけでございます。  五十八年度につきましては、まだその詳細な実態が明らかになっておりませんけれども、昨年来大変競争が激しくなってきておりますので、経営はさらに厳しい状況になっているのではないかというふうに考えますが、このような過当競争の背景には、申し上げるまでもなく元売企業のレベルと販売業者のレベル、それぞれでの過当競争体質がその根本にあるのではないかというふうに考えているわけでございます。  そこで、石油審議会におきまして、かねてから石油産業の進むべき方向についていろいろ御審議をいただきましたところで、先般六月には小委員会の報告書をお出しいただいたわけでございますけれども、それによりますと、元売企業のレベルでは、集約化を進めて企業の枠を超えた合理化、効率化を行うと同時に、自律的な産業秩序の形成を目指すべしという方向でございますし、販売業界につきましては、多数の中小企業から成り立って いるという特性を踏まえつつ、構造改善の実を上げると同時に、元売、販売業界ともども公正な競争を行い、ただいま先生がおっしゃいましたような行き過ぎた競争が全体の市場を支配することがないように自律的な秩序をつくっていくべきであるとの御指摘をいただいておりまして、特に販売業界の構造改善の方向づけにつきましては、ただいま販売業界、元売業界、学識経験者の方々にお集まりいただきまして具体的な御審議を進めていただいているところでございます。
  85. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 現実には、石油製品販売業事業所数とかあるいは給油所数等の推移を見ましてもかなりふえておるわけですね、毎年。今、通産省としては、揮発油販売業法による指定地区というものを置いて、そして非常に過当競争のところは新設店を認めないとか、こういうような措置をとっていらっしゃるようでありますが、現実にはまだスタンドの数はふえておるんじゃないか、こういう資料から見るとそういう感じがするんでありますが、その点はどうなんでしょうか。
  86. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 先生指摘のように、ガソリンスタンドの数はおおむね横ばいでございますけれども、ここ二、三年とりましても若干の数ふえております。例えば五十六年度は五万九千二百七十三カ所でございましたのが、五十七年度には五万九千三百六カ所と、微増でございますけれども、ふえております。ただ、ふえ方は極めて少ないわけでございますし、この中を見てみますと、もう既に既成の市街地の典型でございましょうと思いますけれども、山手線の内側のようなところでは数が減っておりまして、新開地と申しますか、新しい需要の伸びる地域に店が移っているというような実情がございます。  外国の例を見ますと、先般欧米に調査団を派遣いだして調べたところで見ましても、かなりの数が減っているのは事実でございます。   ただ、我が国の場合には、どのような構造改善の方向が望ましいか。確かに欧米でも効率化、多角化とあわせて集約化というものも相当進んでいるということになるわけでございますけれども、日本においてはその日本の特性を踏まえましたそのような合理化の方策が必要なんではないかと考えまして、現在、先ほど申し上げたような関係各界の方々に御議論をいただいているところなわけでございます。
  87. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 その点は、時間がございませんが、特に合理化というか、集約化もしてコストも下げる。製品は安いのはいいわけですが、その陰には商売をやっている人もある程度もうけている、そして値段が安いと、こうならないと、赤字で安いというようなことでは長続きしないんじゃないかと思いますので、そういう点にも思いをいたして具体的なひとつ対応をしていただきたい。これはまた次の機会にお尋ねをいたしたいと思いますので、要望にとどめておきます。  それから、今、原油事情というものがある程度緩和しておるわけでありますが、しかし、長い将来を考えれば油がなくなることは明らかであり、また中東に依存している我が国としては、いかなるハプニングによって原油状況が変わらないとも限らない。そういう意味で、こういうときにも原油にかわるべき新燃料研究開発に力を入れていかなければならないことは当然であると思いますし、そういう意味資源エネルギー庁として新エネルギー研究の状況はどうか。特に石油にかわるべき、いわゆる自動車とか農機具とか、そういうものを動かすのにかわるべき燃料としてアルコール燃料、これはエタノールとメタノールと両方あるわけでありますが、特に私は、バイオマスというんですかね、芋からアルコールつくるとか、そういうことで燃料開発していかなければいけないと思うのでありますが、資源エネルギー庁としても、新燃料開発技術研究組合というのと、燃料用アルコール開発技術研究組合と、こういうところで研究をしておるようでありますが、この内容、それでどういう点を目標にしているのか。かなり安いアルコール燃料見通しがついたようなお話も聞くわけですが、概況をお知らせいただきたいと思います。
  88. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 先生指摘のように、代替エネルギー開発導入は、私どもエネルギー政策の基本をなすものでございます。その中で御指摘のございました燃料用アルコールにつきましてでございますけれども、一つは、燃料用のアルコールにつきましての技術研究組合におきまして、従来の発酵技術とは異なりました、遺伝子組みかえのような技術を使いました新エネルギー開発を新エネルギー総合開発機構と共同で進めているプロジェクトがございます。これは五十八年度から六十四年度にかけての研究でございますけれども、いずれにいたしましても、相当高度な遺伝子組みかえ技術等のバイオテクノロジーを活用するということでもございますので、まだ研究を開始したばかりの基礎的な段階にとどまっているのが実情でございますけれども、将来に向けて着実な開発を進めてまいりたいというふうに考えております。  他方、新燃料開発技術研究組合と申します方は、既存のアルコール発酵技術を改良いたしまして、酵素を活用したり、あるいはセルローズの分解発酵などについての研究開発を五十五年度から六十二年度にかけて行う。これはどちらかと申しますと、現世代の技術の改良ということに当たろうかと思います。問題は経済性がどのように保てるかということでございまして、現在試験のためのプラントを建設中でございまして、これを使って今後実験を進め、六十二年度までに一応の研究目的を達成するようにいたしたいと考えているところでございます。
  89. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 これは大蔵大臣にも御要望しておきますが、財政の厳しい中でいろいろ科学技術予算については特別の御配慮もいただいておるようですけれども、特に我が国は資源がない、エネルギーがない。米の自給が一〇〇%といいましても、今はお米をつくるには油がないとできないわけであります。私たち子供のころはハチハチドードーと牛を使ってやっておりましたが、今はもう全部機械化でございますので、したがって、せめて農機具に使う燃料ぐらいは国産でつくる。そうすると、今言われるセルローズとか、芋からアルコールをつくるというような意味で、私は新しい燃料研究開発というのは非常に大事じゃないかと思いますし、そういう意味での研究費についても、よく内容を見て余りけちらないように、そういう点にはうんと出していただきたい。これは文句はないと思うんですが、姿勢として要望しておきます。
  90. 竹下登

    ○国務大臣(竹下登君) 科学技術全体の予算の中で、私どももこのたびのいわゆる概算要求基準、これの中におきましても、確かに国際条約等に基づくもの等は、当然のこととして増分経費を初めから概算要求の中に入れてよろしいと、こういうことを打ち出しておるわけでありますが、いわゆる研究費、なかんずく基礎研究費というようなものにつきまして、乏しい財政事情の中で年々これを、少しずつではございますが、ふやしてきております。なかんずく、今問題になっておりますのは、あるものは大学、あるものは工業技術院、あるものは農水省等々、いろいろなそういう研究の調整機能をどこに持たすかというので、科学技術研究調整費というものを、あれは亡くなった中川科学技術庁長官時代から画期的にふやすことによって、科学技術立国という言葉を使うようになったわけでありますが、乏しい財源の中でも、それらに対してはそれなりのきめ細かな配慮をしてきておるではないかなと、こういう感じを持っております。なかんずく、今例示としてお出しになりました、いわば農業機械等に使用する燃料は、ある意味において安全保障物資であるというような考え方からすれば、当然のこととしてそれらの研究には力も入れられるだろうし、また財政当局としてもそういう立場に立って予算の調整を行っていくべきものではないかというふうに考えておりますので、塩出さんと考え方が大変違っておるというふうには私も思っておりません。
  91. 塩出啓典

    ○塩出啓典君 最後に、これは資源エネルギー庁 にお尋ねいたしますが、いわゆるアルコール燃料について、ブラジル等ではアルコールを自動車に使う、これがかなり進んでおるわけであります。年間約八百万キロリットルに達しておる。エタノールを二〇%ぐらい混入しているようであります。これは余り混入すると自動車にもうまくいかないと、こういうことでございますが、先般、昭和五十五年の予算委員会で——新潟県の上越市で池島さんという人がアルコールをある処理をすればすぐ自動車に使えると。私も行ってその自動車に乗ってみたわけでありますが、非常にすぐれた研究でございます。しかし通産省あたりは、大きな企業が研究をやると言ったら金を出すわけですけれども、町の研究者の研究なんというのは余り内容を見ようともしないわけで、私が五十五年の三月二十一日の予算委員会のときにはそのことを指摘いたしまして、当時の森山信吾資源エネルギー庁長官は、注目をしてまいりますと、こういう答弁をしているんですが、その後注目してくれておるのかどうか。注目だけではいかぬわけで、ある程度そういうものに対して内容を見、よければ伸ばしていくという措置をとるべきだと、このように思うわけでありますが、この点につきましては質問を通告していませんでしたので、また後刻調査して御回答いただいてもいいと思うんですが、その点はどうでしょうか。
  92. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 先生指摘のとおり、ブラジル、アメリカ等ではエタノールを既に燃料として自動車用に一部導入しているところもございますけれども、これらの国におきましては、サトウキビとかトウモロコシとか、そのエタノールの原料が豊富にありますほか、こういったものを使いますと排ガス中の窒素酸化物の増大等の問題もあるわけですけれども、比較的環境規制が我が国に比べて緩やかであるというような実情もあってのことかと存じております。  先生が先ほど御指摘されました池島新燃料研究所の研究内容につきましては、私どもの所管法人でございます財団法人日本エネルギー経済研究所におきまして、技術的、経済的検討を行ったわけでございますけれども、その結果、製法とか燃料として用いられた場合の問題点が幾つか指摘をされたわけでございます。例えば自動車燃料として使った場合のオクタン価が低いとか蒸気圧が高いとかというような問題もあったわけでございますけれども、何にも増しまして自動車燃料に使う場合の問題は、経済性が一番問題であろうというのが当時の結論だったわけでございます。  そこで、先ほど先生からの御指摘もあって御説明申し上げさしていただきました新燃料開発技術研究組合におきまして、エタノールを含む新しい燃料油を何とか低廉かつ安定的に供給するような技術開発する必要があるということで自来取り組んで今日に至っているところでございます。
  93. 近藤忠孝

    ○近藤忠孝君 最初に、この法案に関する我が党の立場を明確にしておきますが、現行の揮発油税などの大衆課税についてはその強化に反対であり、また目的税のあり方にも重大な問題があるということを従来から指摘してきているところであります。この法案はその経過、それから手続で、先ほど丸谷委員指摘しましたが、私もほぼ同じ問題意識を持っております。そういう点があるために大変問題だろうという点で提案には加わらなかったわけであります。しかし法案として出てまいりますと、同じ自動車燃料として使っているのに、片方は税金がかかり片方は法の盲点をついて税金分が利得できるという業者間で起きている矛盾と反目を、これは税の負担公平の立場から是正して流通市場の混乱を避けようとする次元の問題と思います。したがって、やむを得ない措置ということで仕方なしに賛成ということになりますか、賛成ということになるわけであります。賛成ですけれども、問題点の方をひとつ指摘したいと思うんです。  一つは、なぜこういう問題が発生してきたのかという背景を考えてみますと、石油業界というのはこれはもう当委員会でも何度も指摘されてきましたし、私も四月六日の石油税の増税の際に具体的な指摘をいたしましたが、元売の支配と同時に全体が大変な競争の中にあります。そうい中で盲目的な弱肉強食の原理が野方図に行われておる。その犠牲が弱小業者であるガソリンスタンドに及んでおるという、そういう実態があるわけですね。そういう中で新しい燃料開発という面が出てきて、そしてそれはもう背に腹はかえられないということでそれに飛びつく、またそれがふえていくという面は無視できないんじゃないか、こう思うんですが、資源エネルギー庁はどうとらえていますか。
  94. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 確かに揮発油販売業界中心といたします石油産業というのを見てみますと、元売から末端小売に至るまで、かねて先生指摘のように、市場規模に比べて企業数が多いことですとか、製品に差別性がないために、専ら価格競争に走りがちな体質がある、しかもこれが二度のオイルショックを経まして需要が停滞している、こんな中で大変な激しい競争が行われてみずからの体質を一層疲弊させているというのが実情ではないかというふうに考えておりまして、このための構造改善の方策につきましては、別途元売の集約化とか揮発油販売業界の構造改善を進めていかなければならないわけでございますけれども、現実には確かに御指摘のような厳しい競争が行われ体質の疲弊が続いている。  そのような中で今般の代替ガソリンの問題の出現というのをどう理解すべきかということなんでございますけれども、確かにそのような揮発油販売業界の競争というものも関係はあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、この代替ガソリンは専用スタンドで販売されるということで急速に最近ふえてまいってきているわけでございまして、これまでにも何回か御議論がございましたように、通常自動車ガソリンと同じ用途に使われながら、課税上五十三円八十銭のいわゆるガソリン税課税されておらないということが非常に最近急速に広まった理由でもあるということからいたしましても、この多額の道路財源に使われている課税が行われていることが一方においてある、それをかからないようにするというその課税上の不公平が背景にあって出現してきたもの、大もとをさかのぼれば、おっしゃいますような業界の体質もあるいはその背後にあろうかと、かように考えております。
  95. 近藤忠孝

    ○近藤忠孝君 大変な今の状況でやっていけない赤字の状況の中でこういうものに飛びつく、しかし、ほかの人はとんでもないということで反目ができ、一層この業界に混乱が起きているんだと思うんです。  問題を次に進めますが、これは立法の手続の問題として、なぜ政府が責任を持って提案しなかったのか、こういう問題なんですね。この点では先ほどのやりとりの中で、一つは性能の問題、それから自動車に与える影響、あるいは環境汚染のおそれの問題も含め、あるいは税制上とるべき方策、こういうものについてのまだ調査検討が十分できていない、そこにこの案となれば、私はこれはやはり立法としては時期尚早じゃないかと思うんです。  そこで、今まで御説明の中でいろいろ聞いてきたこととしては、大蔵省としては要するに免税対象としてどこからどこまでどうやっていくのかについてまだ具体的に全部把握し切れてない、こういう説明があったんですが、実際はやっぱりそうなんでしょうか。
  96. 梅澤節男

    政府委員梅澤節男君) この問題につきましては、先ほど来お答えを申し上げておりますように、政府といたしましては、揮発油税の対象として課税するという方針のもとに調査検討を資源エネルギー庁と共同して今日まで続けてまいったわけでございます。  具体的に税制上の問題になりますのは、今回議員立法で御提案になっております第八十八条の六の揮発油類似品の定義規定、これについては技術的な詰めがほとんどこの段階で済んでおりまして、今回御提案のものにつきまして、私どもは大変よくできた定義規定というふうに考えさしてい ただいておるわけでございますが、問題はその第九十条の特定用途免税の問題でございます。具体的な用途、それからその用途に応じて定められるそれぞれの客観的な規格というものにつきまして、きちんと定めませんと思わざる課税を生じるという事態が起こるわけでございます。主としてこの辺につきまして、今回の揮発油類似品と目されます石油製品等につきまして、生産流通を通じまして具体的な実態調査がかなり進んでおるわけでございますけれども資源エネルギー庁で今まだ進めていただいておるわけでございます。  したがいまして、この法案が成立しました暁には、そういうただいま進められております資源エネルギー庁の実態調査の結果を私どもがいただきまして、今後はそれをこの九十条で定められております    〔委員長退席、理事岩崎純三君着席〕 税法関連の政省令として具体化する作業があるわけでございます。
  97. 近藤忠孝

    ○近藤忠孝君 政令に委任する場合、政令に何を盛り込むかということが立法の段階、要するに政令委任の段階で予測されることが必要だと思うんですね。これは憲法が規定しているところで、明治憲法と違うところだと思うんです。その委任の範囲でやっていくとなりますと、今の主税局長の答弁ではまだまだ十分対象が把握し切れていない。となれば、それは立法としては、現在立法するにはまだ時期尚早じゃないか、こういう問題が起きてくるんですね。片やこれは提案者の方から御説明があった。どんどんふえていってしまうのに対して課税方向を打ち出さなきゃいかぬというために今やったんだということ。主税局長言われたとおり、課税方向で今調査検討しているというんですから、そのことを、大臣、新聞記者会見の発表でも何でもしまして大々的にこれを宣伝すれば、ああ政府課税方向なんだからそんなものに手を出すのはやめておこうということになるので、何も立法として政令委任の問題が十分熟していないのに今立法で打ち出すということは、これはやはり行き過ぎではないか、こう思うんです。その点、大臣と、それから、きょうは提案者には質問しないといっておったんですけれども、もしお答えいただければ提案者からあわせていただきたいと思います。
  98. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 先ほど主税局長からお話がございました、特定用途に使われるとか、一定規格を有するものの対象範囲の確定ということにつきまして、私どもはさらなる調査をお願いいたし、調査の期間を与えていただくようお願いしているのは事実でございますけれども、大体塗料とか印刷インクとか接着剤等に使われるおよその見当は私どもは既につけておりますわけでございます。ただ、何分にもいろいろな段階でいろいろな形で使われる可能性のあるものでございますので、念には念を入れるためにはさらにもう若干の期間をいただいて漏れのないようにいたしたいということでございます。およその見当はもうついておる。ただ、ごく一部例外的なものについてまでまだ十分手が及んでおらないというのが実情というふうに御理解賜りたいと思います。
  99. 中村正三郎

    衆議院議員中村正三郎君) 先ほども御答弁申し上げましたように極めて急速にふえてきた。これを放置できない。脱法行為なのかもしれませんが、片方では税を納めている方がいる、片方では同じような石油製品自動車用として売られても納めてない人がいるというのが急速に広がるということを、どうしてもこれを放置しておいてはいけないだろうということで、緊急にこうして委員提案法律としてつくらしていただいたわけでございます。  また、性能の議論ともかかわり合いがあるかもしれませんが、もともとが揮発油税法による税金のかからないものをまぜたわけでございますから、そういう税金がかからないものを集めてまぜたから、自動車エンジンに最適なものができるという確率は低いんではないかということも考えられるわけでありまして、もし昔のエンジンだったら初留点が百十度ということでやっておりますが、百十度、百度くらいの初留点のものだったら、昔のエンジンだったら、エンジンが恐らく始動しなかっただろう。今大変エンジンの性能がよくなってきているから始動する。  また、燃費がいいというお話がございました。確かに比重は重たいんですから、単位容積当たりの中に入っている炭化水素は多いでしょう。多いけれども、燃やすときに自動車エンジンの恐らく混合比率を変えなかったらうまくいかない、そういうことをしなきゃいけない。そうしたら、こういったものがどんどんふえていって自動車メーカーはどういう対応をするのか。いろいろな問題が起こってくると思うんでございます。  そういったこととか、免税措置とか、今通産省から御説明あったことだとか、いろんな検討を要することはございましょうが、何しろ看過してこれをふやしていったのではいかぬ、税の公平化という点からもいかぬということで緊急に立法さしていただいたわけでございます。
  100. 近藤忠孝

    ○近藤忠孝君 石油部長の言うとおり、ほほ政令に委任する事項がもう固まっておって、あとほんのわずかの問題だというんであれば、私は政府提案の立法としても熟しているんじゃないかと思うんですよ。となれば、なぜ政府が自信を持って、責任を持って出さなかったのか。何も議員立法で、わざわざ衆議院から来てもらう必要がないわけで、その点が私は大変疑問なんです。そういう立法の手続の問題として、熟していないんなら、これはとんでもない、今出すべきじゃないし、せっかく来ていただいているのに失礼ですけれども、出すべきじゃないし、熟しているんならば出すべきなんです、政府が責任を持ってね。それがなぜこういう形になったのか。これがとても納得できないわけで、ちょっと石油部長の答弁をもう一度お願いしたいと思います。
  101. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 先ほど来御説明申し上げておりますように、いわゆる代替ガソリンが急速に販売が広がってまいりましたのはこの春以降ということで、大変時日は短時日であったわけでございます。しかし、日に日にふえてくるという感じでございますものですから、急遽先ほど御説明申し上げましたような中立的な学識経験者の方々にお集まりいただき、サンプルを取り寄せ、実車試験によりまして実態の把握、それから課税されるとした場合にはどのような形が適切であるのか、そのような研究を種々重ねていただいた次第でございます。その過程では、一体課税範囲をどの範囲にとらまえるかということも一つ大きな課題であったわけでございますけれども、その点につきましては、先ほどの御説明に出てまいりましたように、私どもとしては今回の御提案がございました法律案の定義で十分対処可能なものだろうと思います。かつまた必要な範囲を押さえてあるというふうに考えているわけでございます。  ただ、この免税の措置の方になりますと、先ほど申し上げましたように、比率の問題のような感じではございますけれども、なかなかたくさんの品種品目がございまして、私どもといたしましては、全品目を洗い出して、きちんとかくかくしかじか免税措置がとれる、とれないということについての御説明を十分にまだ大蔵省との間でし切れるだけの実態把握ができておらないわけでございます。それはどのくらいのものが説明つけばあとのものは見込みでよいのかというのは、これは割合の問題というものについては幅があるかもしれませんけれども、私どもといたしましては、きちんとその点につきまして、何と申しますか、化学品の各メーカーあるいは流通段階の方々が思いもかけずガソリン税がかかったということのないような手だてだけは十分講じた上で行わなきゃならない、こういうことを私どもとしては常に強く念頭に置いておりましたこともありましたので、そういう観点から申しますと、まだ一〇〇%の検査を終わっておらない。その一〇〇%が終わるぐらいのところまで持っていくのには若干の時間がまだ必要だということから、適用日は十二月一日からというふうにお願いしたわけですけれども、大きな流れは、大体方針として私どもとしてはつか めたんじゃないかというふうに思っております。    〔理事岩崎純三君退席、委員長着席〕 ただ、立法をおやりになる大蔵省の立場からしますれば、政省令その他関係の手続につきまして十分なまだ御調査がさらに必要であるというお立場であったろうというふうに理解しております。
  102. 近藤忠孝

    ○近藤忠孝君 調査範囲がごく技術的な問題あるいは法技術的なそういう問題であれば、これから調査し、お任せしてもいいことなんですよね。今の問題ですと、課税範囲がまだ固まっていない。となりますと、そういう段階で、たとえ議員立法とはいえ、法案だけがばっちりと出まして、あとはどこまで対象になるのかこれから勉強するという、こういう立法がふえますと、これは今後大変なことになってきて、これは議員立法とはいえ大変問題のある出し方だと思うんですね。  今の説明では、大蔵省としてはまだ十分責任を持って課税の対象まで十分に把握し切れない時期の立法であると、こういうことがほぼわかったと思うんですが、最後に大臣の所見をお伺いして、時間が来たようですので質問を終わりたいと思います。
  103. 梅澤節男

    政府委員梅澤節男君) 大臣の御答弁の前に、税法の問題でございますので、若干御説明を申し上げたいわけでございますが、問題は第九十条の問題でございます。ここでは既に「塗料の製造用その他の政令で定める用途」、それから「用途に応じ政令で定める規格」ということで、政令の委任基準は定められておりますので、税法の骨格として非常に漢とした法案であるというふうには考えられないということでございます。繰り返し申し上げておりますように、この基準に従いまして具体的な政令で盛り込ませていただくためになお若干の時日を要するという段階であるということを改めて御説明申し上げます。
  104. 竹下登

    ○国務大臣(竹下登君) 政府提案ということになりますと、もろもろのお答えがあっておりましたが、政府税制調査会の方もクリアしなきゃならぬ。だから、まさに政治が出動したということで、私も国会議員の一人でありますだけに結構なことじゃなかったかなと思っております。
  105. 近藤忠孝

    ○近藤忠孝君 終わります。
  106. 木本平八郎

    木本平八郎君 私は通産省にお伺いしたいんですが、その前に私のこの法案に対する立場をまず申し上げます。  これについてはいろいろ問題もあって賛成しかねる面もあるんですけれども、全会派一致だということですから、一応渋々ながら賛成さしていただくということをまず前提に置きまして、二、三御質問したいんです。  まず一番初めに、この法案とか審議を見ておりまして、私が非常に感じるのは、消費者のことというのは余り考えられていないんじゃないかという点なんですね。消費者の立場としましては、一円でもガソリンというのは安い方がいいんだということははっきりしているわけです。ところが、現在のガソリン業界、消費者市場から見ますと、どうも落ちつくところへ落ちついていないんじゃないかというふうなことでいろいろなトラブルが起こってくる。これは後で申し上げますけれどもガソリン輸入の問題もあるわけですね。このフエルが、どうしてこういうものが出てきたかというその基本には、消費者のニーズがあるんじゃないかという気がするわけです。そのニーズをおきまして、消費者のことを考えられていないというのは、これは直観的に見まして、業界からいろいろ不公平を是正してくれというふうな要望があったということなんですけれどもガソリンスタンドというのはほとんどが元売系ですね。それでフリーのところだけがフエルを扱っている。フエルを扱っているところは税金がないからそれだけどんどんもうかっちゃう。ところが、元売系のところは扱いたくても縛られているので扱えない。だから、あいつだけうまいことしているから、あいつに税金かけてくれというのがその発端じゃないかと思うわけですね。私もよく調べていませんけれども、直観的に多分そうだろうと思うんです。  それからもう一つは、先ほどからの論議を聞いておりましても、税金の不公平を正すというのはどうも名目だけで、実際はこの製品を市場から追放してしまうんじゃないか。はっきりしているのは、五十三円八十銭ですか、これだけかけられると多分これはだめだと思いますね。そうすると、先ほど同僚議員質問にもありましたように、これがいいかどうかまだわからない段階で、それは少しかけるのはいいでしょうが、いきなりばんとかけて禁止しちゃうということであれば、それなら初めからぐあい悪いからこれを禁止するという方がいいんじゃないか。そういう建前というか、カモフラージュをやると、国民の側が政治に対する不信を持つんじゃないかということを私は非常に感じるわけですね。その辺でお答えを求めたって、いや、そんなことはないとおっしゃられればそれだけだと思うんですけれども、そういう疑念については、質問申し上げる予定じゃなかったんですけれども提案者の方、もしもお答えいただけるんならちょっと御感想でも聞かしていただきたいんですがね。
  107. 中村正三郎

    衆議院議員中村正三郎君) 今消費者のことを考えてないんじゃないかというようなお話が最初にございましたけれども、再三先ほどから通産省からもお話がありますように、また私もお話し申し上げましたように、自動車用燃料として合ったものでないものを、たまたま課税されてないものをまぜたわけですから、これを使って、科学的調査の結果は通産省からお話伺っていただきたいと思いますが、いろいろうわさに伺いますところによりますと、自動車のゴムの部分が溶けてしまうとか、これは先ほど申し上げましたが、初留点の低いものとまぜておりますから、ガソリンタンクというのは長いこと置いておきますと揮発性の高いものからどんどんと揮発しますので、一年置いておいてエンジンをかけようとしたら、かからないというような現象も起こるかもしれない。そういったことで本来使用目的でないところに使おうとしてまぜたものですから、これが本当に自動車にいいのかどうか。また燃費がよくなると言ったって、さっきも申し上げましたように、燃費がよくなるのだったら空気の混合比率を変えなきゃいけないとか、これ用の自動車をつくらなきゃいけないということも起こってくるかもしれません。そういうことで、これをもっと科学的に調べて、本当に自動車にいいのかどうかということを調べていく必要はあると思います。必ずしもこれが安いからそれだけで自動車にいいものとは言えないと思うわけでございます。  それから再三申し上げることですが、急速に広まってきたということで、税の不公平感ということはいけない。しかし、先ほど何か脱税ではないというお話がございましたが、私は脱法的節税行為だと思うわけでございまして、こういうことは私ども衆議院大蔵委員会としても見逃すことはできないということで立案させていただいたわけでございます。
  108. 木本平八郎

    木本平八郎君 それで、その次の問題に入る前にちょっと通産省にお聞きしたいのです。ガソリン製品輸入は自由化されていますね。これは商工委員会でちゃんとエネルギー庁長官がはっきり言っておられるから確かなのですね。ところが実際は、例えば輸入業者の、石油業法第十二条ですか、何かそういう業者の届け出とか、それから輸入計画を出しても輸入許可されない、抑制されているということがありますね。これが臨時的な措置なのか、当分これをお続けになるのか、その辺お聞きしたいのですがね用
  109. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 我が国では基本的には、原油を輸入いたしまして、国内の需要構成に合うように各種の石油製品を精製して供給するという消費地精製方式をとっているところでございますけれども、この消費地精製方式の今後の方向をどうしていくかということにつきましては、先般の石油審議会からの報告にもありますように、できるだけ市場メカニズムを通じて民間活力を尊重するという石油政策の基本的な方向のもとに、国際化に向けてのプログラムについて各般のコンセンサスを形成していくべきである。具体的には、特定の石油製品貿易が世界的にかなり広まっており供給の安定性が期待されるもの、あるいは需要産業の状況から見まして国民経済上の要請が強いものという二つの視点から、適切と認められるものにつきまして漸進的に輸入の拡大または価格のさや寄せを図っていこうというのが、大きな流れとして定められた方向づけでございますので、私どもといたしましては、そのような方向づけのもとで今後の消費地精製方式の国際化を進めてまいることにいたしたいと考えております。
  110. 木本平八郎

    木本平八郎君 要するに今石油製品ガソリンは自由化されていると。ところが現実には抑制しているわけですね。こういうことをやりますとガットの違反になるのじゃないか。非関税障壁ということを言われますね、これ当然。したがって臨時的なことならいいと思いますけれども、ずっと続けていくということについては非常に問題があるのじゃないか。したがって私が申し上げたいのは、要するにこういうふうに石油業界というのは非常に無理に無理を重ねている。一番問題は、元売にあると思うのですね。供給力過剰だ。これを何とかしなきゃいかぬということでガソリン製品輸入も抑える。今回のフエルも多分これがどんどん売れたのじゃまた元売の方が売れなくなっちゃうから、だからとにかくこれをとめようという意図だと少なくとも、私の邪推かもしれませんが、解釈するわけですね。それはそれでもいいのです。しかしこれはもう再三申し上げているように、まず石油業界の問題というのは、元売の側、川上からまず手を入れていかなければいかぬ。これを大至急にやってくれということをやらなきゃいかぬじゃないかということを私商工委員会でも言っているわけです。  これは皆さんどういうふうにお考えになるか知りませんけれども、私は石油ショックというのは必ずまたもう一遍来ると思うのですね。その来たときに今のような石油業界の弱さ、体質の弱さではどうしようもない。一時的に品不足になってばっともうかるから、わあっともうかった、もうかったと言うかもしれません。しかしこれは麻薬患者に麻薬を与えたようなものですね。それは一時的にいいけれども、どんどん悪くなっちゃう。したがって、今この麻薬依存体質みたいなものを早く何とかきれいにしてしまわなきゃいかぬじゃないかということを私申し上げているわけです。したがって、そういう石油ショックが来たときには、今のような状況ならだめになるんで、いかに通産行政がしっかりなさっていても、業界の足腰が強くなければ国際競争に生き残れないわけですね。その辺をぜひ、こういうフエルの問題、ガソリン輸入抑制の問題もありますけれども、同時にそっちの方をできるだけ早く促進していただきたいということです。  先ほどから何か業界の再編成とかなんとかおっしゃっていますけれども、私の感じでは非常になまぬるいという気がするんですが、その辺いかがですか。
  111. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 先ほどおっしゃいましたお話の中で消費地精製方式の点につきましては、世界の主要な消費国いずれもとっている方式でございますし、基幹エネルギーでございます石油につきましては、他の一般商品とは異なる政策対応が行われているのも、国際的にかなり認められているところだと思っているわけでございます。先ほどお話のございましたいわゆる代替ガソリンにつきましては、品質性の面における問題点もございますけれども、私どもとにかく考えておりますことは、本来ガソリン用の自動車に使われ、したがいましていわゆるガソリン税課税されてしかるべき通常ガソリンと比べまして、課税上の不公平があるということについての早急な手当てをお願いすることが必要だろうということを申し上げているわけでございまして、このフエルガソリンそのものを追放しようとかすまいとか、そのような趣旨で申し上げているわけではなく、経済的に課税後においても成り立つものであり、技術的な進歩などがありまして、国民経済上意義のあるものであれば、それはその段階でまた新たな評価が下さるべきものであろうというふうに思っているわけでございます。  なお、御指摘のございました石油産業の構造改善のことについてでございますけれども、かねて石油審議会からも、基幹エネルギーでございます石油の供給の担い手でございます石油産業をいたずらに過当競争で体質を冷えさせるのは問題であり、安定供給の基盤を構築するように構造改善を進めなければならない、そのために必要なことは、まず元売の集約化である、なぜかなれば、元売は原油の調達から始まりまして末端の販売に至るまでの石油のトータルシステムの基軸をなしているから、その集約化が最も企業の枠を超えた合理化、効率化につながり、また自律的な産業秩序の形成にもつながるのである、こういう御指摘でございますので、私どもといたしましては、そのような御指摘の線を踏まえまして企業の自主的な対応を促してまいったところでございますけれども、従来から十三社ございます元売の中で、既に二社は合併して一社になり、その他のものについても業務提携の進展を見ているものもございまして、十三の元売が近々のうちには七グループに集約されていくような動きが出てまいっているわけでございます。私どもといたしましては、このようなグループ化の動きが真に実効のあるものとして結実するように鋭意努力してまいることといたしたいと考えております。
  112. 木本平八郎

    木本平八郎君 その七グループに集約されるときに、これはフリーにしても国際競争力その他国際企業としてやっていけますか。いけそうですか。
  113. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 先般の石油審議会の報告におきましても、石油産業の自律的な秩序の形成を促して、石油政策をできるだけ企業の自主性が発揮しやすいような形に介入を減らしていくと、こういう方向を打ち出しているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この集約化がまさしく実効の上がるものとして結実いたしまして、自律的な産業秩序の形成が図られ、石油政策の基本的な流れが、先ほど申し上げましたように、できるだけ民間の活力を尊重して、市場メカニズムを十分に機能させていくという方向になっていくように目指してまいっているところでございます。
  114. 木本平八郎

    木本平八郎君 最後にお聞きしたいのですけれども、要するに元売側が整理されたら、将来、一番問題は、ガソリンスタンドなんかの事実上の許可ですね、ああいうようなものをまだ残しているというところに問題があると思うのですね。流通の競争原理を入れて、そして競争さしていくということが必要だと思うのですね。将来的な方向としては、ガソリンスタンドを完全にフリーにするというふうなおつもりがあるのかどうかということをお伺いして、私の質問を終わります。
  115. 松尾邦彦

    政府委員松尾邦彦君) 元売の集約化と並んで大事なことは確かに販売業界の構造改善でございますけれども、販売業界の構造改善につきましては、これも先般の石油審議会の報告にございますところでございますけれども、できるだけ自律的、効率的で安定した流通業を目指すことが必要でございまして、適正な取引慣行の確立とあわせて、経営の効率化、多角化、円滑な集約化等の構造改善を具体的に進めることが肝要であるという指摘を受けまして、現在、先ほどもちょっとお話に出ましたように、販売業界、元売業界、学識経験者にお集まりいただきまして、今後の石油販売業界の進むべき追及び政策のあり方を具体的に御審議いただいているところでございます。
  116. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  租税特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  117. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  119. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) これより請願の審査を行います。  第三号北陸財務局存続に関する請願外百五十九件を議題といたします。  本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。  これらの請願につきまして理事会で協議いたしました結果を御報告いたします。  第三号北陸財務局存続に関する請願外百五十九件はいずれも保留とすることといたしました。  以上御報告いたしましたとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  120. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  121. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  租税及び金融等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  123. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  124. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 伊江朝雄

    委員長伊江朝雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十八分散会      —————・—————