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鈴木和美君 今本件につきましては
検討されているようでありますが、私の聞いている範囲では、財務局が取り扱うというようなことを聞いておりますので、これは
大蔵大臣にお願い申し上げますが、これからの仕事の
関係もございますので、大蔵
関係の
労働組合で結成している大蔵労連との間に入って話を十分聞いていただきたいことを
要望申し上げておきたいと存じます。
さて、時間もありませんので、次に入らさしていただきますが、葉
たばこの問題について総理の見解をお尋ねしておきたいと存じます。
私は、葉
たばこの問題を論ずるに当たりまして、次のような見解を持っているのでありますが、間違いでございましょうか。確かに葉
たばこというものは食糧というような枠組みの中から
考えればおかしいと思うんです。これはおかしいかもしれません。しかし、農業とか農政という
立場から
考えれば、葉
たばこといえ
ども、
日本農業の構造の中から出てきている縮図だと思うんです。例えば葉
たばこが割高だということがよく言われますけれ
ども、東南アジアみたいな開発途上国との間の割高論を言うんであれば、それは
日本の近代的な生産性や経済の膨らみとの
関係です。アメリカとの
関係を比較するんであれば、あっちは広大な土地で
生産性向上になり得る構造的な条件にあるわけです。我が国はそれに対してどういうふうにしたらいいでしょうか。つまりこれは葉
たばこに限らず全体的な農業の持っている問題点だと私はまず
考えます。
その次は、
たばこ耕作というものは、私は何回も言うんですが、いい悪いはともかくとして、現実に耕種作物では米に次ぐ第二位の作物です。農作物では第六位か第七位です。それだけ地域経済や地域の雇用マーケットに対して寄与している現実の事実というものが私はあると思うんです。
それからもう一つは、全国にまんべんなく、東京、大阪を除けば、ありますよ。私も総理がせっかくおいでになるというから群馬県も調べてきました。群馬県にも二百六十七人の耕作者がおります。
竹下さんのところには千三百人も現実にはおるわけです。非常に広範囲にわたっているということが一つ。広範囲にわたっているということは、大型農場に適しているところもあるけれ
ども、また逆に言えば、
たばこの作物しかできないというところもあるんだと思うんです。それが全国に散らばっているという
実態です。
もう一つ述べたいことは、先ほど
青木先生からも
お話がございました、私は逆な
意味で
たばこ耕作者というのは農家らしい農家であると言っているんです。農家らしい農家である。つまり、その一つは専業農家の率が多いということ、二つ目は農業収入依存度が高いということ、三つ目は共同組織への参加率が高いということ、四つ目には雇い入れている雇用率が高いということ、五つ目は一月当たりの耕地が広いということ、それから六つ目には十アール当たりに対する固定資本額が他の農業よりも高いということ、そういうような状況を見てまいりますと、農家らしい農家である。裏を返せば、
たばこ作と逆なことがなかなかできにくいということを
意味していると私は思うんです。そういう状態にある現実を私は見逃してはならないとまず思います。
さて、二つ目は、先ほどアメリカと東南アジアの問題を申し上げましたが、私は
日本の農業の葉
たばこを
考えるときに、時期尚早論を私が言うのは、一つは
過剰在庫というものを解消していってほしい、二つ目には職員の年齢構成というものを十分に
考えた上で無理なく転換できることを見詰めるよう、三つ目は喫煙と健康の国民的なコンセンサスを得る必要がある、本来であればこの三つが解消されているときに自由化に踏み切ることが一番いい。その
意味で私は三年早いと言っているんです。しかし、そのこともできず、六十年の四月一日から突入することになります、
過剰在庫を抱えたままで新
会社への突入です。
私は、新
会社になった状態の中で――先ほどの御
議論じゃないですけれ
ども、米が余ればしょうちゅうにでもアルコールにでも変えることができます。しかし、葉
たばこは肥やしにもならぬです。それを国民の税金で支えろといったって理屈が立たぬです、これは。そういう
意味で、農家も新
会社も自助
努力は積極的に続けなきゃならぬと思うんです、当然のことだと思うんです。しかし、総理、どうでしょう、
過剰在庫の問題、これからシェアが食われる部分、ソフト化に入った原料の低下の部分、それを全部新
会社に持たせるということはどうでしょう。今、従価率に直して四六・何%かの率で合意したでしょう。それは葉
たばこ価格も含まっているからその率でしょう。しかし、葉
たばこ耕作の問題を
考えるときに、面積が大きくて過剰にできるという問題と、この対策の問題と農家の生活をどうするかという問題とをごちゃまぜにしては私はいかぬと思う。それは農家の生活は生活なりに保障しなきゃならぬと思うんですね。それから大きな面積であって過剰に入るという問題は、これはこれなりに対策を
考えなきゃいかぬと思う。いずれにしても、新
会社が原料の上がり部分は全部ひっかぶるということになりますね。それは大変過酷じゃないかと思うんです。
そこで私は総理にお尋ねしたいんですが、農政
負担部分とか社会的政策の部分は
政府が補うべきじゃないですかということを述べてきたんです。本会議のときにも総理に述べました。そうしたら
答弁のときに、それは新
会社でやっていったらいいじゃないかというお答えだったんですが、私の今述べてきた
日本農業の今日の現状や葉
たばこ農業の現状や激変緩和の問題を
考えたり、新
会社に対して
競争の激しい荒波に突っ込ませるときにそのまま全部新
会社に持たせるのかという
意味を
考えて、農政
負担部分についてどういう見解をお持ちでございましょうか。