○栗林卓司君
財政の節度ということで
考えますと、結局、
特例債の
残高をふやさないのが最低の条件ですよ。ふやさないというのは
財政の節度から見るとまず一番大切なことだ。ふやさないためには
特例債を
発行しないのが一番よろしい、新発債を。そこで、片方では減債制度がある、それを維持するために
特例債を
発行する。どっちの方が一体節度なんだろうかという
議論に恐らくなっていくんだろうと思いますね。
で、私が申し上げたかったのは、六十五年
償還ということを一応前提に置いて、当然それを
目標に立てて仕事をされておられると思うんですが、そうなってみると、例えば定率繰り入れは六十四年まではあきらめます、その間はもう減債制度はしばらく休眠をしていただく、休眠をすることはいいことではないけ
ども、そういった道を通ってでも
残高をふやさない道を我々はひた走りに駆けるんですと、こうおっしゃっていただけますと、ああ、なるほど、それはわからないではない、
一つのアプローチだな。こんな気がするんです。
で、今の
議論はちょっとおきまして、では六十五年の要調整額を見ますと、さて、これをどうやって消化するんだろうか。
大臣は、それはその数字を見た上で
国民のコンセンサスを求めるんでありますと、そうおっしゃっているんですが、「増税なき
財政再建」というのはあれだけの大きな労力をかけた第二臨調が生み出した
言葉でありまして、ある程度
国民のコンセンサスに近い重みを持った数字ですよね。普通は要調整額というと、歳出で調整するのか歳入で調整するのかとなるところですが、増税なき
財政再建の方は歳出で調整をしてもらいたい、こうなっているわけですね。歳出で調整してもらいたいという道筋をでは一体
大蔵省はこれからどうやってつけていくんだろうか。
ここで本当にわからない文章がこれなんです。第六
項目に、
中期展望のところで、「
中期的展望をもって
財政運営を
考えていくことは必要」ですと。これはもっともであります。その一番最後のところで、「
経済全体が流動的である中で、
経済の一
部門である
財政の将来についてのみ、あらかじめ具体的な計数を織り込んだ厳密な
実行計画を策定することは極めて困難。」、これももっともです。問題はその二番目です。「したがって、毎
年度、一歩一歩
財政改革を推進」するんです。片方で、「
中期的展望をもって
財政運営を
考えていくことは必要」としながら、実際には「毎
年度、一歩一歩」です。こう言われてしまうと、本当にだれもわからないです。
したがって、本当に六十五年に赤字公債依存
体質から
脱却するんだということは、要調整額をゼロにするということでしょう。ということは、今しなければいけないのは、より具体的な六十五
年度に向けた長期的なマイナスシーリングを組むということです、具体的に。組んで初めて、この
努力をしていけば六十五年に脱出できるんです。もともとマイナスシーリングというのは私も知恵のない話だと思います。
〔理事岩崎純三君退席、
委員長着席〕
だけれどこれは必要悪でしてね、だれもマイナスシーリングがいいと思ってないけれ
ども、ああいった手法じゃないと現実の削減は進まない。同じように、六十五
年度の要調整額に向けても、知っているのは各省庁ですから、個々具体的な削減率を掛けて、はい、あと六年間勉強せいと、こういうのと、毎年毎年同じ
努力をやっていくのと、どっちが有効なんだろうか。片一方は単
年度ですよ。あと五年以内、六年以内と言ったら、こっちの方がよほど懐が広い。あとは各省庁のやる気だけです。そういった
意味では、六十五
年度脱却というんだったら、六十五
年度要調整額を各省に配分したらこうであります、あと数年間勉強してらっしゃいという
方針もあわせてお出しにならないと、なかなか
国民も我々も納得しないと思うんですが、この意見についてどうお
考えですか。