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政府委員(梅澤節男君) この点も大変
議論のあるところでございまして、難しい問題を含んでおるわけでございますが、現在の物品税の税率構造を眺めまして、その考え方なるものを摘出いたしてみますと、一番高い税率のところが二種物品で三〇%でございます。これは一種物品の最高税率である一五%に対応するというふうに従来
説明されておるわけでございますが、この中に入ってきます物品はいわゆる奢侈品ということで、大
部分が第一種物品でございますけれ
ども、貴石とか貴金属製品、毛皮製品等が入っているわけでございます。しかしこの三〇%の一番最高税率のところは奢侈品だけではございませんで、従来の区分で申しますと、高級な趣味娯楽品、例えば具体的な品名で申し上げますと、大型のモーターボートとか大型のヨット、それからゴルフ用品、こういったものが格付されておるわけでございます。
その次の下の、今御
議論になりました二〇%のところで見ますと、同じく趣味娯楽品ではございますけれ
ども、先ほどの三〇%にランクづけられております大型モーターボートとかヨットとの
関係で見ますると、二〇%のところには、趣味娯楽晶でございますと、ゴルフに対応するものとして例えばスロットマシンとかボウリングの用具というふうなものが格付されております。それから便益品がここの段階から入ってくるわけでございまして、大型テレビとか大型冷蔵庫、ルームクーラーのたぐいでございます。
その下の段階が実は一五%の段階で、先ほど申しました趣味娯楽品で言いますと中型モーターボート、それから大型テレビに対応いたします小型テレビというのが一五%のところに入っておる。
自動車の方は、実は五十六年の
改正まではこの一五%でございましたけれ
ども、私
どもの考え方としては、むしろ物品の価格とか便益性からいえば、栗林
委員の発想とは全く逆の発想でございまして、二〇%の方に近い物品であってしかるべきではないかということで、五十六年度に半ランク上げていただいている。今度さらに一%上げていただくということになっているわけでございます。
この個別消費税、特に物品税のような体系で、しかも税率が六段階というふうなことになりますと、同じような種類のものでより奢侈性が高いとか、より趣味性が高い、より便益性が高いということは、かなり相対的な
議論になるということは否定できないところでございます。
それともう
一つ、私
どもが今回の作業なり昨年十一月からの税制調査会の作業を通じて率直に痛感しておりますことは、これだけ所得水準が上がり所得が平準化し、したがって生活水準も上がる、消費の態様も非常に変わってきているという段階で、ある消費を奢侈性とか、同じ便益性でもより高級であるとかというその色分けが実は難しくなってきておるというのがむしろ
実態だろうと思うわけでございます。
そういう局面の中でこういう
議論をするものでございますから、
議論が盾の両面のような感じにいつもなるわけでございますけれ
ども、その
意味で今後の物品税の課税対象なり税率体系をどうするかとか、それから先ほど
委員が触れられました免税点をどうするかとか、非常にいろいろな問題をはらんでおると思います。
基本的に解決するためには、個別消費税の体系の枠組みを変えるというのが税制上のオーソドックスな行き方かもわかりませんけれ
ども、これは一租税政策だけの問題ではございませんので、もう少し大きな政治的問題もございますので、私
どもこれ以上答弁の範囲を超える問題でございますけれ
ども、税制プロパーの
議論としても、この個別消費税、物品税の体系は課税範囲の対象とか税率体系、免税点も含めて、非常に難しい局面に来ておることは事実でございます。事実ではございますけれ
ども、現時点におきましては、私
ども自動車の税率の位置づけというのは、いまの物品税の税率体系から見ますると、その二〇%により近づけていただくということはそれなりの根拠があるし、財源事情もあるわけでございますが、何とぞ御理解を賜りたいと思うわけでございます。