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説明員(栗田年代君) お答え申し上げます。
ただいま
お尋ねいただきましたまず第一点の、諸外国におきます稲の一代雑種、これがいわゆるハイブリッドライスと称するものでございますが、これに関します研究開発の
状況を申し上げます。
まず第一に中国でございますが、一九七〇年に研究を始めたようでございます。それ以後研究を重ねまして、一九八二年の栽培面積を資料によって眺めてみますと、約六百万ヘクタールということになっております。その
内容につきましては、インド型の稲品種が大部分でございまして、
収量水準は、もみの重さでございますが、もみの重さで十アール
当たり四百五十から五百キログラムでございます。また、稲の一代雑種利用の際の重要な問題でございます採種の効率が著しく低い
状況でございます。
次にアメリカの場合でございますが、アメリカのある企業が、
契約によりまして中国より導入いたしました技術を利用いたしまして開発中でございますが、まだ実用化にまでは至っていないというふうに聞いております。
それから韓国でございますが、韓国では国際稲研究所から入手いたしました種子についての小規模な試験が試みられているというふうに言われております。
それから国際稲研究所、これは通称IRRIと称している研究機関でございますが、ここにおきましても研究開発が実施されていますが、まだ実用化されてはおらないというふうに聞いております。
さて、我が国でございますが、農林水産省におきましては、米を
主食用以外の用途に利用する場合に、超多収品種の
育成が基本となるのではないかというふうに考えまして、現在の
収量レベルの五割増、多収穫田では十アール
当たり玄米で一トン以上を目指す目標を設定いたしまして、五十六年度から組織的な共同研究体制の
もとに研究開発を実施しているわけでございます。
この超多収品種の開発計画の一環といたしまして、五十八年度から新たに雑種強勢を利用いたしました稲の一代雑種、いわゆるハイブリッドライス品種の
育成に着手しているところでございます。