○井上計君 今、長官お答えいただきましたけれ
ども、今おっしゃったように今後ともいろんな
情報網の拡大あるいはニューメディア時代等々から無店舗販売がもう必然的にふえるわけですから、それらになかなか
対応するような資力もまたノーハウも
中小の小売商は持たないということになってまいりますから、格段のやはり
指導が必要であろうというふうに思います。
そこで、私は、これは
個人的な全くの持論というか、感じでありますけれ
ども、今後三次産業の中で、
中小小売商のもっと発展策を考えていかなければ、ただ単にこれは
中小小売商という問題だけでなくて、国家的に大変なことが起きるんではなかろうかと、こういう感じがしておるわけであります。
なぜかと申しますと、簡単に申し上げますと、
一つはますます高齢化社会が進んでいく中で、仮に六十蔵で
企業を定年で退職しても、年金等によっての生活は不可能でありますから、どうしても第二の職場を求めなくちゃいけないわけです、十年ぐらい。第二の職場をどこに求めるかといいますと、どうしてもやはり
中小、特にサービス業あるいは小売商業という
分野になっていくであろう、こう思います。
それからもう
一つは、ロボット等による
省力化がますます進んでいくであろうと思いますが、仮に十年後、これは
通産省、
中小企業庁がどのような推定をされているかわかりませんが、私のこれは推定では、大体十年後、二次産業に入るロボットは大体一千万体ぐらいになるのではなかろうか、こう考えるんです。一千万体としますと、一体のロボットの労働力換算がどの
程度かわかりませんけれ
ども、仮に三人としても三千万人の労働力に換算される。現在の二次産業の全労働力よりも実は多いわけですね。そうはならぬでしょうけれ
ども、ラフな言い方ですが、数字から言うとそういうことが起きるわけですから、したがって今後高齢化社会の到来によるいわば老齢、高齢の労働力、それからロボットによって二次産業から実は排除されるといいますか、過剰となってくる若年労働力、そのようなものをどこに吸収をしていくかという大きな雇用問題、これも考えた場合にやはり三次産業における
中小の
分野というものを発展をさしていかなくちゃいかぬ、こう考えるんですね。
そういうふうな長期的な、やはりいえば三次産業あるいは流通産業あるいはサービス産業というふうな面の今後の政策をぜひひとつ、――もうお立てになっておると思いますけれ
ども、積極的に立てていただくことが現在いろいろ論議しておる当面の問題のまた解決の
一つの方法であろうと、こう考えるんですが、これらのことについては
大臣や長官はお考えでありましょうから、御
答弁いただければ結構ですけれ
ども、まあひとつ私見として申し上げておきますので、今後のまた大いに
検討していただく中の何かの
一つの足しにしていただけばと、こう思います。これは希望であります。
そこで、商店街等の今後の問題等でありますけれ
ども、今年度予算で
中小企業庁、特に画期的な政策として出しておられますのはコミュニティーマートの問題等ありますけれ
ども、これも大いに結構ですが、数としてはまだこれは試験的な方法で少ない。これは当然ですが、同じ条件の商店街というのは、全国に何千、何万という商店街がありますけれ
ども、実際はないんですね。全部違うわけです。仮に五万の商店街があれば大体五万とおり条件が違う、こう考えていいと思うんですね。したがって、その地域に合った、あるいはその周囲の条件に合ったそういうふうな商店街の発展政策というものを考えていかなくちゃいかぬであろう。従来とかく政府の
指導というのは画一的になっておりますから、そういう面で、大変いい政策でありいい
指導であるけれ
ども、しかしうちの商店街はこれは適用しないんだ、これはだめなんだということもあるわけですね。このようにケースことによって違うということも考えていただきながらひとつ
指導をお願いをいたしたい、こう思います。
それから、そういうふうな商店街の近代化についてのいろんな
金融等の施策、助成政策でありますけれ
ども、まあ商店街近代化に対する高度化資金等はこれはもっとこの際考えて範囲を拡大していかぬといかぬと思うんですね。例を挙げますと、土地だけ――どう言っていいですかね、要するにその施設によって収益をもたらさない、いわば返済計画がそれだけでは立たないようなものについては大体対象にならぬわけですね、簡単に言いますと。これは例えて申し上げますと、これは
大臣の地元でありますが、全国的な模範商店街と言われておる
一つの横浜の伊勢佐木町ですね、あそこはやはり――まあ最近ちょっと行っておりませんけれ
ども、自動車で行った場合非常に不便でしょうがない。かなり遠いところに仮にでは伊勢佐木町の商店街が駐車場をつくってそこからお客さんを送迎バスで送るというような方法、これも高度化資金の対象になるかというと恐らくならぬと思うんですね。それらのものがやはり商店街の発展のためと町づくりのために
一つの方法、必要であろう。で、ある既存の商店街の中でお客さんがずっと来ても、ちょっと赤ん坊を預ける場所がない、あるいはトイレに行こうと思っても公衆便所がないという商店街が随分あるわけですね。したがってどうしてもどっか
大型店に行くというふうなお客が多いわけです。ところが、ある商店街の中で一軒廃業したところがある。その店を買い取ってそこにお客の休息所あるいは託児所、あるいはそこにちょっとした休憩所、トイレをつくる場合に、じゃ対象になるかというとやっぱり高度化の対象にならないんですね。そんなふうないろんなケースがありますが、そこまで今後振興政策として考えていく必要があるんではなかろうかと、こう考えております。
意見だけになりましたが、お答えいただければ結構ですし、またお答えなくても今後のひとつ通産行政、
中小企業対策の中で十分そのお考えをいただきたい。
以上申し上げて終わります。