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木本平八郎君 いや、この質問のフルテキストは渡しであったので、私が次に質問しようと思っていることを先に答えられたんですが、質問が省けて結構なんですけれ
ども、それでぜひ民間の、これは大蔵省がいろいろ文句言うでしょうけれ
ども、しかしぜひ民間の保険会社起用というのを考えてもらいたいわけです。というのは、これは
組合といってもその仕事には詳しくても
保証とか金融とかという問題にはやっぱり素人だと思うんです。そういう素人さんがいろいろやりますと、いろいろトラブルを起こす、ところがその保険会社なんかが再
保証をするとなれば、彼らはやっぱり自分でひっかかりたくないものだから一生懸命
組合を
指導するわけです。そういう専門家の
知識をこれはただで導入できるという方式なので、ぜひ民間会社の地位を利用するという点でもこの点は積極的に考えていただきたいと思うわけです。これはもうお答えをいただいちゃったものだから次に移ります。
これは最後になるんですが、実は極めて突拍子もない話から入りたいのですけれ
ども、今現在世界の生物学でダーウィンの進化論というのはもう遅くなって、いわゆる京都大学の今西錦司さんが唱えられた今西進化論というのがあって、世界の進化の主流になっているわけですね。これはどういうことかといいますと、一口で言うと、いわゆるダーウィンの進化論というのは生存競争を前提にして、それで自然淘汰だとか適者生存ということで、いわゆる争いというか競争という中の生き残りということを前提に、そして優秀なやつが生き残っていくという理論だったわけです。それに対して今西進化論は、要するに生物というのはちゃんとすみ分けているのだ、例えば全然種類の違う、カゲロウなら、今もう川で幼虫が出てきておりますけれ
ども、こういう違う種類もちゃんとすみ分けている。それで日本アルプスに行きまして、モミの木だとかシラビソが、いろいろな種類が縦にうまくすみ分けている。それで生物界というのは実に賢いので、きちっと共存共栄、それこそ共存共栄やっているわけですね。人間の世界だけが何か争いばかりやっているという、余分なことですけれ
ども、そういう状況なわけです。
そこで、今までの、私が見て前から感じていたのですけれ
ども、私、大企業におったからというわけじゃないですけれ
ども、日本の
中小企業政策というのがどうも弱者保護というか敗者救済というか、そういうものに非常に偏っている。それで一生懸命
中小企業の競争力をつけると、それは、それ自体は悪いことじゃないと思うのです。悪いことじゃないのです。あるいは、それは大企業の競争力を抑制する。例えば大店法なんかそうですね。百貨店なんか。小売店を圧迫しないように売り場面積を制限したりなんかやっていますね。そういうふうにして確かに共存共栄を図ってこられた。それ自体決して間違ってはないのですけれ
ども、私から見ると、やはりこれはダーウィンの進化論、ダーウィニズムだという感じがするわけです。それを何とか今西進化論の考え方に変えていただけないかということなんです。
ちょっと例を申し上げます。例えば食器類を、プラスチックの食器を小売店で売ろうと思っても隣でスーパーがあれば絶対にこれは競争にならな
いわけですね。むしろ小売店の方では本当のいい——何がいいかよくわかりませんが、瀬戸物の本当にいいものだけを売っているとか、何かやっぱりそういうすみ分けを考えなければいけないと思うのです。何でもかんでもプラスチックで勝負しようとして幾らこれはやってみても、例えばちょっと違いますけれ
ども下請代金支払遅延等防止法ですか、それから連鎖倒産の防止法だとか、いろいろな
法律で幾ら保護してみても、そういうきちっとしたすみ分け理論にのっとってない限り、やっぱりやられてしまうんじゃないかという気がするわけですね。
先ほどの宅地の開発の問題もそうなんですけれ
ども、大企業が大きなデベロップをやれば小さい方は小さい方でやれるように持っていく。やはりそこにきちっとすみ分けをやるということが大企業のためにもいいんじゃないかという気がするわけです。そういう点で少しやはりすみ分け論というふうな考え方で、今後やっぱりこの
中小企業政策というのはお考えになっていただきたいと。しつこいようですけれ
ども、要するに大企業との競争ということを前提にやるとコストがかかってくる、したがって性悪説から性善説に転換しなきゃいけないのじゃないかと思うのです。これ答弁してくれと言ってもちょっと難しいかもしれませんけれ
ども、抽象的でも結構ですから大臣なり長官なりの、ちょっとお聞きしたいんですが。