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柄谷道一君
大臣の御
答弁は、
社会福祉と
医療の有機的関連を強化して事業を進めていきたい、この一言に尽きると思うわけでございますが、私は、
大臣がそのようなお
考えで今後この事業を遂行していくためには、裏づけといいますか、政策との関連が極めて重要になってくると思うわけでございます。
例えば、我が国の
医療機関の
整備状況を見ますと、マクロ的には確かにかなりの水準に達しております。しかし、一方では
高齢化社会の到来に即応した
医療体制の
整備や僻地
医療の問題など、新たなニーズが生まれつつあることも
大臣十分御承知のところであろうと思います。
ところで、この
医療金融公庫につきましては、貸付金額、貸付件数とも最近は鈍化の傾向を示しております。人によっては、融資機関としての
役割は低下しているのではないか、その必要性が少なくなってきているんではないかという
指摘も行われているわけでございます。私は、今日適正な
医療資源の配分を行うためには、貸付機関の
統合によって目的をよりよく発揮させると同時に、それに政策が伴わなければ政府関係機関とか特殊法人にしておくメリットはないと、こう思います。そこで、総数で見た
医療供給体制は、さきに申し上げましたように、欧米並みにはなっておりますけれ
ども地域格差は解消していない。こういった実態をどのように
改善、解消していくか、こういった政策と融資というものが一体的な運営がなされなければならないと、こう思います。
また、そういう意味では
社会福祉施設も同様でございまして、今後の
高齢化の過程の中でますます重要になってまいります在宅対策との関連、今後の需要の
変化等を考慮しつつ、要収容人員の見直しを行い、新しい
整備計画のもとに計画的に
整備を図っていく必要がございます。在宅対策の
充実と関連して、適所施設、
福祉と
医療の
接点になる施設、生きがいを高めるための施設等をどう位置づけていくべきか、これもまた重要な政策課題でございましょう。さらに、コミュニティーケアが強調されております中で、施設体系を見直す必要も生まれてくる。その際、
中間施設としての通園施設、利用施設への重視、措置施設としての
社会福祉施設の再検討が必要になってくる。私は、そういうふうに
医療機関に対する融資、
福祉施設に対する融資、しかも
大臣はこの間に有機性を持たせつつ、
関連性を強化してこの事業運営を図っていきたいと言われるならば、やっぱり中期ビジョンにも書かれていることをもう少し
厚生省としての政策を持って、この政策に従って事業を運営しなさいよというものがないと、
大臣、言葉ではきれいに言われるんですけれ
ども、ただ足して一つにしただけではないか、こういう批判を免れないのではないかと、こう思うんです。
今、この短い時間に一つ一つの政策について解明せよということは、時間的に私に許された時間もそうございません。ただ、ここで
大臣は、私の申し上げましたような政策検討、立案、これと今度の新事業団を結合さして事業運営を図っていくお気持ちがあるのかどうか、また、そういう方針で省内を督励し、かつ新事業団を指揮されるお気持ちがあるのかどうか、これだけをお伺いしておきたい。