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政府委員(持永和見君) 御
指摘の痴呆性
老人の方々の数でございますが、先生お話しございましたように、東京都の
調査で出現率四・六%でございます。この東京都
調査によりまして私
どもも推計をいたしておりますが、これは在宅の痴呆性
老人の方々でございます。在宅の痴呆性
老人の方々がこの推計によって約五十万人全国でおられるという推計でございます。このほかに、特別養護
老人ホームでございますとか、あるいは養護
老人ホームでございますとか、そういった施設の中に入っておられる方々で痴呆性
老人になっておられる方々が約三万人。それから病院、主として精神病院でございますが、こういった病院に入院されている六十五歳以上のいわゆる痴呆性
老人の方々が約二万八千人ということで、全体合わせて約五十六万人程度の方々がおられるのじゃないかという推計でございます。
こういった方々に対する
対策の問題でございますけれ
ども、
一つは、やっぱり保健と申しますか、ヘルスの面からの
対策がございます。それから、福祉の面からの
対策がございます。こういった両方、保健、福祉両面の
対策が両々相まって
対策をやっていかなければならぬということでございますが、まず
対策として申し上げておきますと、予防
対策が何よりも大事なことだと思いますけれ
ども、予防
対策としては、いわゆる脳卒中等の疾病を予防する、そういった痴呆の原因となります原因を除去するためのいわゆる保健面での、ヘルス面での
対策がございます。それから一方、本人の個人個人の、先ほ
ども御議論がございましたが、やっぱり生きがいの問題、老後の生きがいの問題、こういった中で、お年寄りが自分みずから落ち込まないようにするためのいろいろな
対策が必要かと思います。そういった意味で、保健の面では、ヘルスの面では
老人保健法による保健事業をやっておりますし、それから福祉の面ではいわゆる
老人福祉面の生きがい
対策として、就労あっせん事業でございますとか、あるいは
老人クラブ活動を通じての生きがい
対策を行っているところでございます。
それから、既に痴呆性
老人になった方々やその家族の方々のための
対策といたしましては、ヘルスの面では、現在、保健所におきます
老人の精神衛生相談でございますとか、あるいは保健婦による訪問指導がございます。一方、福祉の面では、いわゆるホームヘルパーの方々を保健婦と共同で連絡をとりながらそういった家庭に派遣してサービスをさせるということがございますし、また、現在既にあります
老人ホームにおきまして、こういったお年寄りの方々の入浴、給食サービス、あるいは日常動作の訓練でございますとか、あるいは家族の方々に介護のいろいろな技術を指導する家族介護教室な
ども開いておるところでございます。それから、特別養護
老人ホームにおいて一週間程度そういったお年寄りを預かる一時預かりの
制度でございますとか、あるいは施設といたしましては、特別養護
老人ホームで福祉の面で施設に入所していただくというようなことがございます。
なお、五十九
年度でございますけれ
ども、五十九
年度は先生御
指摘のように、この痴呆性
老人の方々の問題が非常に大きな社会的な問題になってまいっておりますので、特に来
年度におきましては、特別養護
老人ホームにおきましてやはり痴呆性の
老人の方々をできるだけ受け入れていただくということが必要であろうかと思います。その受け入れていただくためには、やっぱりそういった職員の方々が、痴呆性の
老人の方々の処遇の技術を十分身につけるということが必要でございますので、特別養護
老人ホームの寮母などを対象にいたしました痴呆性
老人の処遇技術の研修というのを新たな事業として五十九
年度に二十カ所行うというようなことをいたしているところでございます。
現状は以上のようなところでございます。