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1984-03-08 第101回国会 参議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年三月八日(木曜日)    午前十時七分開会     —————————————    委員異動  十二月二十七日     辞任         補欠選任      塩出 啓典君     服部 信吾君  一月十二日     辞任         補欠選任      斎藤 十朗君     竹山  裕君      仲川 幸男君     田代由紀男君  一月十九日     辞任         補欠選任      田渕 哲也君     栗林 卓司君  三月七日     辞任         補欠選任      服部 信吾君     太田 淳夫君  三月八日     辞任         補欠選任      松本 英一君     稲村 稔夫君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         赤桐  操君     理 事                 鈴木 省吾君                 田代由紀男君                 粕谷 照美君                 原田  立君     委 員                 浦田  勝君                大河原太一郎君                 坂元 親男君                 竹山  裕君                 吉村 真事君                 稲村 稔夫君                 村田 秀三君                 太田 淳夫君                 下田 京子君    国務大臣        国 務 大 臣        (国土庁長官) 稻村佐四郎君    政府委員        国土政務次官   中川 秀直君        国土庁長官官房        長        石川  周君        国土庁長官官房        審議官      田中  暁君        農林水産大臣官        房審議官     田中 宏尚君    事務局側        常任委員会専門        員        田熊初太郎君    説明員        文部省管理局教        育施設部指導課        長        篠塚  脩君        文部省管理局教        育施設部助成課        長        逸見 博昌君        厚生省社会局施        設課長      近藤純五郎君        林野庁指導部造        林課長      依田 和夫君        林野庁業務部業        務課長      小沢 普照君        建設省河川局水        政課長      青木 保之君        建設省河川局防        災課長      狩野  昇君        建設省道路局道        路防災対策室長  和田  惇君        建設省国土地理        院測地部長    須田 教明君        自治省大臣官房        参事官      二橋 正弘君        自治省財政局交        付税課長     遠藤 安彦君        自治省税務局固        定資産税課長   鶴岡 啓一君        消防庁防災課長  清野 圭造君        日本国有鉄道運        転局列車課長   石井 康祐君        日本国有鉄道施        設局土木課長   村上  温君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○災害対策樹立に関する調査  (災害対策基本施策に関する件)  (昭和五十九年度防災関係予算に関する件)  (昭和五十九年豪雪に関する件)     —————————————
  2. 赤桐操

    委員長赤桐操君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨年十二月二十七日、塩出啓典君が委員辞任され、その補欠として服部信吾君が選任されました。  また、一月十二日、斎藤十朗君及び仲川幸男君が委員辞任され、その補欠として竹山裕君及び田代由紀男君が選任されました。  また、一月十九日、田渕哲也君が委員辞任され、その補欠として栗林卓司君が選任されました。  また、昨七日、服部信吾君が委員辞任され、その補欠として太田淳夫君が選任されました。
  3. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 次に、理事補欠選任についてお諮りいたします。  仲川幸男君が委員辞任されたため、現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事田代由紀男君を指名いたします。
  5. 赤桐操

    委員長赤桐操君) この際、稻村国土庁長官及び中川国土政務次官より発言を求められておりますので、順次これを許します。稻村国土庁長官
  6. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 昨年の十二月、国土庁長官を拝命いたしました稻村佐四郎でございます。災害対策担当大臣として一言ごあいさつを申し上げます。  昨年は大きな災害が相次いで発生いたしましたところでありますが、災害対策特別委員会におかれましても、災害応急対策災害復旧事業推進などに対し精力的に取り組んでこられましたことに深く敬意を表する次第であります。  災害を受けやすい自然的条件のもとにある我が国において、災害から国民の生命、身体、財産を守ることは国政基本であります。  国土庁といたしましては、本年七月に防災局を設置し、防災行政体制整備を図ることといたしておりますが、これを契機に、さらに、災害対策の総合的かつ計画的な推進に努めてまいりたいと考えております。委員長を初め、委員各位の御指導、御協力お願い申し上げましてごあいさつといたします。
  7. 赤桐操

  8. 中川秀直

    政府委員中川秀直君) 昨年十二月、国土政務次官を命ぜられ、中央防災会議事務局長として災害対策の重責を担わせていただくことになりました中川秀直でございます。  国土庁として、防災局を設置し、防災行政充実を図るという節目に国土政務次官を拝命したわけでありまして、今後は大臣を補佐し、諸先生方の御指導を仰ぎつつ、災害対策全力を尽くしてまいる所存でございます。  委員長を初め、委員各位におかれましては、格別なる御指導を特にお願いを申し上げましてごあいさつといたします。     —————————————
  9. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、災害対策基本施策について国土庁長官から所信聴取いたします。稻村国土庁長官
  10. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 昭和五十九年度における災害対策に関する私の所信を申し上げます。  我が国は、その自然的条件から、台風、豪雨豪雪地震噴火などによる災害を受けやすく、また、社会経済の発展に伴い災害の態様も複雑、多様化してきております。これらの変化に即応して、強力な施策推進する必要があります。  災害から国土を保全し、国民の安全を守ることは、国政基本であり、政府といたしましては、防災基本計画に基づき、防災に関する科学技術研究推進災害予防強化国土保全推進、迅速・適切な災害復旧実施などに重点を置いて災害対策推進を図っているところであります。  特に、各般にわたる災害対策総合性統一性確保を図るとともに、大規模地震などの緊急時において迅速かつ的確に対応し得る体制整備することは緊急の課題であり、臨時行政調査会最終答申においてもその必要性が強調されたところであります。この課題にこたえ、今年七月一日を期して、国土庁に新たに防災局を設置することといたしております。  昨年は、日本海中部地震、七月の豪雨三宅島の噴火など多様な災害が相次ぎ、多大の被害が発生いたしました。  政府といたしましては、これらの災害に対処するため、非常災害対策本部の設置などを通じ、災害応急対策に努めてきたところでありますが、これら災害に係る復旧事業についてその促進を図ってまいります。  直面するこの冬の豪雪問題に関しましては、政府として豪雪対策本部を設置するとともに、政府調査団調査結果などを踏まえ、交通生活物資確保を図り、民生の安定に努めることを主眼とする当面の重点事項を決定したほか、除排雪経費増大に対する財源措置被災農林漁業者中小企業者などに対する金融措置などの適切な救済策を講ずるよう各省庁に要請したところであります。今後とも各省庁との密接な連絡のもとに、迅速かつ適切な対策を講じてまいります。  次に、震災対策につきましては、大都市震災対策の一層の推進を図るため、南関東地域を対象とした震災応急対策活動システムに関する調査実施するとともに、広域的な防災活動態勢整備に関する計画の作成に着手いたします。また、昭和五十九年度が最終年度となる東海地震対策のための緊急整備事業の一層の推進を図ってまいります。  火山災害対策につきましては、昨年の三宅噴火契機に、関係省庁による連絡会議を設置し、全国の活動的な火山における観測体制避難体制などについて総点検を進めることといたしております。  さらに、災害時における情報収集伝達などの重要性にかんがみ、防災無線網充実強化を図ってまいります。  昭和五十九年度においては、これらの災害対策の総合的な推進を図るため、科学技術研究災害予防国土保全災害復旧などに要する経費総額二兆二百九十四億円を予算計上いたしております。  また、公社公庫などの政府関係機関におきましても、それぞれ所要の予算措置を講じているところであります。  以上、災害対策に関する所信を申し述べましたが、今後とも各省庁協力のもとに防災対策に万全を期してまいる所存でありますので、よろしくお願いをいたします。
  11. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 次に、昭和五十九年度防災関係予算に関し、政府から概要説明聴取いたします。田中国土庁長官官房審議官
  12. 田中暁

    政府委員田中暁君) お手元にお配りしております縦長の資料でございますが、「昭和五十九年度における防災関係予算概要」につきまして御説明を申し上げます。  この資料は、昭和五十九年度の災害関係予算につきまして各省庁から御提出をいただきまして、国土庁におきまして取りまとめたものでございまして、科学技術研究災害予防国土保全災害復旧等、この四つの柱に分類をいたしております。一ページ目でございますが、総括表。二ページ以下に四つ柱別省庁ごと予算額事業内容を掲げてございます。  第一ページでございますが、昭和五十九年度の防災関係予算総額は二兆二百九十四億三千二百万円でございまして、前年度に比較して約四%の減と相なっております。内訳は、科学技術研究が二百七十四億四千三百万円、災害予防が三千七百八十一億九千八百万円、国土保全が一兆二千百八十七億六千二百万円、災害復旧等が四千五十億二千九百万円となっております。災害復旧事業費につきましては、五十八年度の補正予算措置によりまして、五十八年発生災害の今年度における進捗率はおおむね七五%となっており、また五十九年度にはおおむね八五%の進捗確保することといたしております。  以下主な予算につきまして御説明を申し上げます。  二ページ目でございますが、科学技術研究では、地震予知関係経費がございます。これは米印をつけておりますが、科学技術庁関係では、首都圏南部におきます直下型の地震活動に関する研究、それから東海沖あるいは平塚沖等の海溝型の巨大地震予知に関する研究などがございます。  次のページをおめくりいただきまして、文部省地震予知基礎的研究が十七億円余でございます。四ページにございますように、地震予知関係経費は、災害予防に計上されております地震観測施設整備、これは七ページにございますが、これを含めまして五十六億千七百万円と相なっております。このほか、内訳概要の欄に掲げてございますよう、各省庁におきまして各種災害についてさまざまな研究実施されることとなっております。  五ページに参りまして、以下九ページまでが災害予防関係予算でございますが、これは職員の教育訓練あるいは防災意識の高揚あるいは各種観測施設整備通信施設整備、その他都市防災構造化推進等を図るための経費中心でございます。  国土庁関係におきましては、災害対策総合的推進といたしまして、調査調整費一億四千六百万円、中央防災無線網整備南関東地域震災応急対策に関する調査あるいは防災集団移転促進事業等々でございます。  文部省では、東海地震強化地域におきます公立学校の改築及び補強整備のための経費百六十七億円余がございます。  おめくりいただきまして、厚生省では、国立病院療養所の建物の補強等で十六億円余。  農林水産省では、活動火山周辺地域農林水産業防災施設整備あるいは食糧、木材等の備蓄、林野火災予防のための経費三十一億円余が計上されております。  通商産業省につきましては、鉱山災害防止のための各種教育保安機器等整備あるいは原子力施設等に係る緊急時連絡体制、あるいは保安監督指導に要する経費でございます。  運輸省につきましては、空港あるいは鉄道その他の防災対策でございます。  海上保安庁につきましては、海上防災対策といたしまして巡視船艇等整備でございます。  気象庁につきましては、気象観測施設あるいは地震観測施設火山観測施設等各種観測施設整備に要する経費でございまして、合計百九十三億九百万円でございます。  労働省、これは労働災害防止でございます。  建設省につきましては、都市防災構造整備あるいは防災道路整備幹線道路構造物等整備等々でございます。さらに、雪に対する対策といたしまして、雪に強いまちづくり推進道路雪害防止等に要する経費も計上されております。  消防庁でございますが、消防防災無線通信施設コミュニティー防災センター大震火災対策施設等整備消防施設等整備などに要する経費でございます。  十ページへ参りまして、国土保全に要する経費でございます。  農林水産省では、治山、海岸保全農地防災事業地盤沈下対策事業等々の経費でございます。  建設省では、河川、ダム、砂防、急傾斜地崩壊対策海岸保全等に要する経費でございまして、総額で一兆二千百八十七億六千二百万円でございます。  十一ページでございますが、災害復旧等でございまして、農林水産省あるいは運輸省建設省等によります各種災害復旧事業、さらに災害関係融資、あるいは厚生省災害救助法関係弔慰金等に要する経費でございます。  最後のページでございますが、参考資料といたしまして、公社公庫等予算概要について触れております。日本国有鉄道日本電信電話公社等につきまして、それぞれ計上さしていただいておりますが、注にございますとおり、中小企業金融公庫国民金融公庫環境衛生金融公庫等による融資等も予定されております。  以上でございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  13. 赤桐操

    委員長赤桐操君) それでは、以上で災害対策基本施策についての国土庁長官所信並びに昭和五十九年度防災関係予算に関する概要説明聴取を終わりました。     —————————————
  14. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 次に、昭和五十九年豪雪による被害について政府から報告聴取いたします。田中国土庁長官官房審議官
  15. 田中暁

    政府委員田中暁君) 今冬の豪雪によります被害状況対策の概況につきまして御説明をいたします。  「昭和五十九年豪雪災害について」という資料をお手元に差し上げておりますのでごらんいただきたいと存じますが、まず今冬の降雪状況でございますが、初雪が全国的に一週間から三週間ぐらい早く観測されまして、十一月下旬からは山間部中心に本格的な降雪が始まったわけでございます。十二月中旬からは大雪が断続いたしまして、特に十二月下旬には山陰地方に記録的な降雪がございました。  一月に入りましてからも、短い周期で大雪が断続いたしまして、一月下旬と二月上旬には北陸地方中心として大雪が降り、また一月中旬から二月下旬にかけて、太平洋側でも大雪が数回あったことが特記されるわけでございます。  三月七日現在の被害状況でございますが、死者六十九名、負傷者四百四十四名、そのほか家屋の全半壊八十棟となっております。  なお、この死者の中には、二月九日新潟県中里村におきまして、雪崩により五名の痛ましい犠牲者が出たわけでございますが、これが含まれてございます。  また、今冬の降雪に伴います鉄道道路状況につきましては、国鉄は三月七日現在で上越線など八線区で運転規制を行っておりまして、今冬の雪害による列車の連休は二月二十日までに延べ約一万本に上っております。  道路につきましてもいろいろ被害がございましたが、三月七日現在では補助国道等二十九カ所で通行どめとなっております。  今冬のこうした災害に対しまして、現在四つの県と百五十六の市町村災害対策本部を設置いたしまして応急対策活動全力を挙げているところでございます。  なお、災害救助法が適用されました市町村新潟県、長野県の両県下合計五十一市町村に上っております。  政府といたしましては、二月十日国土庁長官本部長といたします昭和五十九年豪雪対策本部を設置するとともに、二月十一日と十二日の二日間にわたり、国土庁長官団長とする第一次政府調査団新潟県など北陸四県に派遣したところでございます。  また、道路交通国鉄輸送確保等当面重点的に取り組むべき事項を決定いたしまして、各般対策実施全力を挙げているところでございます。  さらに、二月二十七日と二十八日には、国土政務次官団長とする第二次の政府調査団を青森県など東北三県に派遣いたしたところでございます。今後とも関係省庁が緊密な連携をとりまして、豪雪対策に万全を期してまいる所存でございます。  以上御説明を終わらせていただきます。
  16. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 以上で政府からの報告聴取を終わります。  それでは、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  17. 粕谷照美

    粕谷照美君 ただいま長官所信表明の中にもありましたように、昨年の多大の被害、そしてそれに対する審議官報告にありましたように、復旧作業が昨年は七五%、本年は八五%の状況進捗をしているということを関係各位の御努力に敬意を表しながら、私は五九豪雪について質問をいたします。  東北北陸中部を初め四国、九州と大きな被害をもたらしたこの五九災害でありますけれども、これから融雪期に入るわけであります。雪崩や農業、林業関係被害がさらに明らかになってくるとともに、被害の額も増大をしていくというふうに思っておりますが、長官がこの豪雪災害復旧への取り組みの決意並びに雪害に対して基本的な対策をどのようにお考えになっていらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。
  18. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 今度の豪雪は過去の豪雪と違いまして大変長期間、昨年の十一月ごろから降り続き、しかも厳寒であった等々の関係から凍りつきがひどかったという形で、除雪その他について大変困難があったということを、私は調査団団長として、多いと思われる北陸地方に行ってまいりましたが、そのときに肌で感じたわけであります。  そのときの市町村道除雪費の問題、これが一番大きな問題として要請をされました。また、除雪問題もやはり国道、県道あるいは有料道路バイパス等については除雪完備をされておりますけれども、やはり市町村道除雪完備もされていないし、また除雪費も大変困っておられる、そういう陳情を受けてまいったところであります。  そういう意味から、今度の取り組む姿勢といたしましては、やはり除雪費の問題を何としても考えていかなきゃならぬ。幸いにして全く身近なところで五六の除雪の例もございますから、そういった例を生かしながら除雪費の問題について万全を期していきたい。何はともあれ雪の降るところに育っていく、雪の降るところにおるというハンディは大変大きい。私も雪国でございますからしみじみと感じておりますので、やはり除雪費問題等々含めて、将来においてどういう形でここに住むということについて考えていかなきゃならぬのか、何か新しい道をここで模索する必要があると、こういうふうに考えているところであります。
  19. 粕谷照美

    粕谷照美君 私も長官の後で富山県へ調査に行ってまいりまして、長官がいち早く来られて十分我々の意見を聞いていただいたと非常に関係団体が喜んでいたのを目の当たりにしてきたわけですけれども、今長官は非常に除雪費のことを重点的にお話しになりました。しかし、富山などにおい ては北陸自動車道が相次いで不通になった、こういうことの関係から、とにかく原材料がなかなか入手できなくて非常に困った。それで生産が間に合わなかった。あわせて工場から道路に出るまでの除雪、これが非常に立ちおくれているものですから納期が間に合わなくて、これから企業誘致をする場合に非常に心配なんだということを言っていたわけであります。イメージダウンだと言うんですね。  そういう意味で、今長官が新しい方策を考えなければならないとおっしゃったこと、私は非常に力強いお言葉として、これからその具体的なことについて施策を出されることを心から期待をしたいと思います。  それで、今、五六豪雪災害に比べて特徴的な点をお話をいただきましたけれども、私も富山へ行ってみましたら、降雪量では三八豪雪、五六豪雪に追いついていないんですね。それで、なおかつ五六災害以上に大変なんだという、そこのところがどういうところに原因があるというふうに御判断されますか。
  20. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 私が参りましてから各省庁真剣に調査をしていただいたわけであります。その結果、びっくりしたんです、本当は。五六から見れば降雪量が少ない。私はそれまでいろんな情報を収集しておりましたが、五六豪雪あるいは五二、三八等々を上回るものであるというふうに私なりに判断をしておったのでありますけれども、今調査がほぼ完了というところにきておりますが、その実態を調べてみますと、やはり五六から見れば、場所によっては違いますけれども、全体を見た場合においては、五六から見れば降雪が下回っておる、こういう調査報告になりはしないかと。  そこで、今度の特徴は何かというと、長く降り続いておったと、早いところは十一月の末から降っているわけですから。しかもまた、中間に一回か二回ぐらい解けるものですが、ところが先ほど申し上げましたように冷寒である、解けるということはないというふうな関係から大変除雪に苦労をされたわけであります。  そういう意味から、いろんな問題がありましょうが、やはり今後の問題として、今御指摘ありましたが、北陸自動車道不通になった、それは本当のわずかな期間だ。これがやはり北陸地帯最大生活の動脈であった、ここが不通になったことはないんです。と同時に、またバイパスも大変に有機的に動きました。バイパスのあるところ、例えば高田—直江津と言ったら日本でも最大降雪量の多いところですが、昨年の十一月に供用いたしましたバイパスが、そのために大変大きく役立った、バイパスあるいは北陸自動車道その他道路整備によって大変助かった例を私は目の当たりに見てまいりました。  そういう意味から、今後はどうこれに対応していかなきゃならぬか、強くその問題を受けとめておるわけであります。雪国に育ちました私といたしましては、そのハンディをよく承知しておりますので、完成はしなくても、何か雪国に対する希望、夢を持てるような施策の第一歩を踏み出すことだけはやっていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  21. 粕谷照美

    粕谷照美君 建設省にお伺いをいたします。  建設省道路道路雪害対策本部が出しました「昭和五十九年豪雪への対応状況」ですね、「交通状況」、これはわかりますが、「除雪について」という項目のところで、「国県道の除雪費については、すでに五十八年度予算の大部分が使用されている。」。一体この「使用されている。」というのは、もう使い切ったということなんですか、あるいはまたまだ残っているということなんですか。その額はどのくらいになりますか。  そして「今後の除雪のために、」、これの見通しをどのようにするかということで随分違ってくると思いますけれども、「他の予算流用、道路整備特別会計予備費の使用等を検討し、除雪費確保について万全を期すこととしたい。」、非常に抽象的なんですけれども、具体的にはどういうことを言っているのでしょうか。
  22. 和田惇

    説明員(和田惇君) 今ほど御質問の件でございますけれども、一般国道と道府県道にかかわります除雪費につきましては最終段階での所要額の把握に現在努めているところでございますけれども、いずれにいたしましても、五十八年度の当初予算をオーバーするわけでございます。そのために他の道路事業費からの流用とか、それから道路整備特別会計というのがございまして、その中の予備費といったようなものがございますので、そういったものの使用を現在考えておりまして、適切な対応を図りたいと考えております。  それから直轄と補助のお金を合わせまして、当初の除雪費でございますが、二百二十三億でございます。それに対しまして現在不足と思われておりますのは、大体三五、六%ぐらいになるのかなと、こういった見通してございまして、適切に対応を図ってまいりたいと考えております。
  23. 粕谷照美

    粕谷照美君 だから、私が聞いているのは、その適切に対応していきたいということなんですよね。トータルで一体どのくらい五六に比べて問題があるのか、あるいは不足額で言うとどういうふうになっているのか。それで、適切にということはもう万全を期していると、大丈夫だ、安心しなさいと、こういうことなんでしょうか。
  24. 和田惇

    説明員(和田惇君) 予算につきましては、ただいま申し上げましたように、当初予算が二百二十三億でございまして、それに対して不足になる見込みが、先ほど申し上げましたように、三五、六%ぐらいになるかなと、大体八十億見当を考えておるわけでございます。  その中身でございますけれども、現在いろいろと財政当局とも折衝中でございまして、これは万全を期してまいりたいと考えております。
  25. 粕谷照美

    粕谷照美君 国県道の除雪費については万全を期すと、こういうお答えがあったわけですけれども、問題は市町村道だというふうに思うんですね。私どもも調査に行きましていろいろとお話を聞いてきましたが、魚津市に行きましたら、今までは文句ばかり住民から除雪についてもらっていたけれども、ことしに関してはもうよくやったと褒められたと言うんですね。苦情が全然なかった。その対応は一体なぜかといいますと、今までは十五センチ雪が積もったら除雪に出していた。ところが、ことしは十センチから除雪を開始して、朝の三時半から連日で職員はくたくただと。こういう血のにじむような努力が市町村にあったんだということを御報告をいただきました。  富山に行きましたら、五六時代に比べて除雪が路線にして六百二十八本も増加した。延長が百五十九キロ、一三%増だと。除雪の機械動員が百十六台で、これまた六七%増であった。こういう対策の中で、除雪日数が二十四日間マイナスになっているというような報告が出されておりましたですね。それでもなおかつ歩道の除雪が十分でないといって住民からしかられる。地元の人たちはすぐ住民から直結してはね返ってくる言葉があるわけですから、非常に大変なんだなということを思っておりました。  特にこの小杉町というところへ行きましたら、太閤山ニュータウンといいまして、すばらしいニュータウンがあるんですね。ところが、このニュータウンの除雪が十分でないといって住民の人たちが大変怒っているというのです。昔から富山県に住んでいた人たちは雪に対してアレルギーはないんですけれども、こういうニュータウンで企業を誘致してきますと、南からどんどんどんどん人が来る、そういう人たちはもう雪を見てびっくりしちゃうわけですね。そうすると、雪があるということだけでアレルギーを感じて、すぐ文句が入ってくる、こういうことなんで、本当に市町村というのは除雪費で悲鳴を上げているというのが事実だろうというふうに思うんですね。  そういう中で、住民で、みんなで雪を除きましょうというふうな日をつくって、チラシなんかも入れまして、そして全戸で除雪をやっていくなどという涙ぐましい努力なんかもあるわけですけれども、除雪の機械の導入なんかも、非常に経費増大をしているわけであります。この辺についての対策というのは一体どういうことを考えていらっしゃいますか。
  26. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 除雪の機械ですから建設省の方がいいと思いますが、総論的に申し上げたいと思いますが、やはり雪国に育ちますと、大変雪に対しては足腰が強いわけです。そういう意味で、子供のときから、家族ぐるみ、町ぐるみ、県ぐるみと、やはり除雪対策というものは大変みんなで気を遣ってやっておるわけであります。そういう意味から、初めて来られた人は、これはびっくりされる。  特に、歩道等のお話がありましたが、歩道というのは本当は歩行者の関係でつくられてあるわけでありますけれども、どうしても雪が多くなりますと歩道を雪の捨て場にする。こういうところが大きな問題だと思いますが、ちょうど恐らく行かれたときは歩道にいっぱい積み重なったときではないかと思っております。私が行ったときも歩道にありましたから、歩道は何とかして除雪をして通行を妨げない、交通から人命を守る、こういう意味からも、これはやはり歩道の問題を解決しなければならぬのではないか。こういうことで歩道の雪を、捨て場所がなくて川に捨てているんですから、実に困ったんですけれども、やむを得ない、河川管理者の認可を受けて河川に捨てておられたというわけでありますから。  除雪の機械の問題は、これは私は御指摘のとおりだと思います。もっとこれを開発をする方法はないだろうか。今はほとんど市町村は、前の三八豪雪以後——それまではほとんど町で除雪の機械を持つということはなかったのでありますけれども、あの三八の豪雪以来、ほとんど市町村がその町単独で除雪の機械を自分の村で、町でやはり持つようになってきたわけであります。  そういう意味から、やはりこれには多少の補助をいたしておりますけれども、五六から五九とわずかな期間でありましたから、こういったものも含めて全体的にやはり考えていく必要があるのではないか。同時にまた、除雪の機械もやはり革新と申しますか、こういったこと等も考えながら、そういう革新的なものを、県だけで持つのではなくて、ブロック的にこういったことも備えつけていく必要があるのではないかなと。実は今度の豪雪に対していろいろ考えさせられるところがございましたので、今後も精力的に、総合的に、国土庁は力はありませんけれども、実際のところ金を持っておらぬから。しかしながら持てる省庁はたくさん持っておりますから、そのほかの力を十分に利用して、国土庁の機能を遺憾なく発揮していきたい、こういうふうに考えております。
  27. 粕谷照美

    粕谷照美君 ブロック的に考えてみたいというのも、私非常にすばらしいアイデアだというふうに思いますので、持てる力のある省庁というのは一体どこか私はわかりませんけれども、十分にその住民要望にこたえられるような体制がとれるように長官として叱咤激励をしていただきたいと思います。  さて、その市町村市町村道除雪費について五六豪雪並みの特別措置をと、強い要望を出されているわけであります。この補正予算の審議の際に、参議院の予算委員会で長官は、この問題に関して五六並みにということを、あるいは五六を下回らないということを二度にわたっておっしゃっています。私、議事録を読んでみましたが、この五六並みというのと、下回らないというのは一体どういうことなんですか。五六と同じにするということですか。もっと具体的にどういうことをお考えになって御答弁いただいたのでしょうか。
  28. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 五六を下回らないと。これは私はそのときには相当思い切って発言をしたつもりです。  というのは、あのときには予備費を崩しております、実際のところ。そういう意味から今度の交付税あるいは特交等々の問題を考えても、私は、現地を調査をしてまいりまして地域住民の御要望等々踏まえて、また各省庁の意見等々総合してみまして、これはやはり交付税あるいは特別交付税等々によって賄えるというふうな判断はできませんので、五六の例を出したということは、あのときに予備費を崩しておる、こういうような関係から、総理も大蔵大臣もみんなおられる場所ですし、また各委員の、また国民の前に、あるいは雪国の皆さんの前に申し上げているわけでありますから、そういう意味で私は私なりの信念で申し上げていることでありまして、具体的なものがまとまっておりますけれども、全く近々中に御報告をすることができるのではないか、こういうふうに申し上げておきたいと思います。
  29. 粕谷照美

    粕谷照美君 近々中にということなんですね。大変うれしい言葉なんですけれども、もう市町村、首を長くして待っているわけですね。その近々というのは、三月のいつごろというふうに考えたらよろしいんですか。
  30. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) これは早く言い過ぎて壊れたという例もあるんですよね。だから、近々と言ったら大分いいところへ来ていますよ、近ですから。こういうところで御了解を賜りたいと思います。
  31. 粕谷照美

    粕谷照美君 近日というよりは近々の方がもっと早いと、こういうふうに考えて、ぜひその市町村の強い要望にこたえていただきたいということをお願いをいたします。  ところで、それに対して自治省にお願いということになりますね。この除雪の実情に合うように地方交付税における寒冷積雪補正をさらに強化すべきであるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  32. 遠藤安彦

    説明員(遠藤安彦君) お答え申し上げます。  先生も御案内のとおり、除雪経費につきましては、平年度の積雪量これを除雪するには普通交付税の寒冷補正で見ているわけでございまして、現在昭和五十八年度でございますけれども、約九百億程度の算入額となっております。これは昭和五十六年の豪雪時に比べまして約三五%ほど増加いたしておりますので、平年程度の雪の降り方を除雪する経費につきましてもかなり算入の増枠を図っているということが言えると思います。  それから、それ以上に降った場合にどうするかということでございますが、それにつきましては普通交付税では対処できないということで特別交付税において所要の算入をするということでございまして、今年度の豪雪につきましても、特別交付税の総額は三百一億、御案内のとおり減少いたしておるわけでございますけれども、そういう厳しい状況の中で、できるだけの配慮をしていきたいということで現在作業を進めております。
  33. 粕谷照美

    粕谷照美君 次に、豪雪で地方公共団体が行う公共施設の除排雪に関する費用補助について、私は、実態に合っていないんではないだろうかという観点から質問をいたします。  新潟日報を見ておりましたら、こういうことが出ていたんですね。投書欄に、「公立保育所の屋根の雪下ろしについて「地元部落への人手の強制戸別割り当ては納得できない」」、こういう訴えをしたのが載りまして、それについて大きな反響があったというんですね。みんなそのことで胸を痛めているんだというふうに思ったわけでありますけれども、その保育所に、部落に割り当てがあって屋根の雪おろしてくれ’こういうふうに言ったというんですね。たまたま前田さんという方が、体が不自由で自分の家の雪おろしもできなくて、市にお願いをして雪をおろしてもらった。それでも保育所の割り当てが来たものですから、何とかして出なきゃいけないと思って、体の不自由な自分は休んで五十七歳の奥さんに出てもらった。その奥さんが雪おろしした後三日間も寝込んだというんですね。こういう公のものに対する部落ごとの割り当てというのは非常におかしいんじゃないか、こういうことを投書をされたわけであります。こういう保育所が十九カ所新発田市内にあるというんですね。全部どうもそういうふうにしているようなんですね。  それで、いろいろと話をしてみましたら、作業に出てくれた人には各保育所長を通じて七千五百円の日当を、これ一日八時間ですけれども、払っていますと、こういうふうに言った。そうしたらその方々が、いや今まで毎年出ているけれども一銭ももらったことはない、こういうことを言っているんですね、非常に不明朗だというわけです。私もまたこの新発田だけの問題かと思いましたら、そうではなくて、同じ新潟県内の某市でも、町の中心部にあるようなところは業者委託でおろしている、ところが、その周辺部のところは地元の人たちにおろしなさい、こういうふうになっているというんですね。何か不公平ではないかという声が住民から起きております。  そして、魚津に行きまして、魚津市の資料をいただいたわけですけれども、実に除雪計画なんというのはきめ細かにできているんですね。そういう中で、除雪費用として、除雪人夫賃延べ九十二人、二十四万円と上がっているんですね。これ割ってみますと、一人二千六百円ということになりますね。実質的に自分の家で人夫頼みますと一日一万二、三千円ぐらい、それは屋根から雪をおろすだけで、おろした雪をのけようとするとまたそれに上回るんだということを言っておりましたね。非常に安いお金で、公共のものだからということで住民が協力をしているのはわかるわけですが、しかしそのほかに保育所などのようなところでは保護者延べ六十名無償と、こう書いてあるわけです。大変なんだなあということをしみじみ思いました。  自治体や町内会がこの除雪に当たって、住民からそういう不公正だというような感じを持たないような指導というんですか、留意すべき点は非常にたくさんあるというふうに思いますが、そのことと関連をいたしまして、厚生省、福祉施設について除雪に要する費用補助の豪雪指定基準の緩和を願う声が非常に大きいわけですけれども、対応はどういうふうになっているんですか、公立、民間それぞれあると思いますけれども。
  34. 近藤純五郎

    説明員近藤純五郎君) お答え申し上げます。  先ほどお話ございました社会福祉施設の関係でございますが、公立の施設につきましては、平年度分は先ほど自治省さんからお話がありましたように、普通交付税の中には入っているわけでございますが、まあ大変な豪雪の場合には、公共施設の除雪の事業費の補助につきまして特別の措置法があるわけでございます。これは学校が中心でございまして、そのほかに社会福祉施設等があるわけでございますが、この今回の豪雪は既にこの法律に基づきます指定基準に達しているということでございますので、文部省中心にいたしまして現在各市町村の公共施設の除雪費調査を行っておりまして、この結果をもとにいたしまして必要な手続を進めるという段取りになっているわけでございます。  それから民間の社会福祉施設の関係でございますが、特別豪雪地帯の施設につきましては、平年度分でございますけれども、これはいわゆる措置費の中に算入しているわけでございます。施設の運営費で今回のような豪雪の場合には施設の運営費というものを効率的に使っていただきまして、これによって対応していただくというふうに指導しているわけでございますけれども、これによっても対応できないという民間の施設につきましては、五十六年豪雪のときにも特例措置を行ったわけでございます。  この例を参考にいたしまして今回の豪雪につきましても特例措置を講ずるということにしておりまして、現在細目を詰めているわけでございます。近いうちに通知を出したいと思っておりますけれども、この特例の措置におきましては特別豪雪地帯にあります施設のかさ上げたけではなくて、かなりの降雪量がございました豪雪地帯の施設も対象にして特例措置を講じたいというふうに考えております。
  35. 粕谷照美

    粕谷照美君 了解しました。  それでは文部省に伺いますけれども、秋田、鳥取、岡山、ここで体育館が倒壊をしておりますけれども、報告をいただきたい。
  36. 逸見博昌

    説明員(逸見博昌君) お答えいたします。  今回の豪雪によります公立学校関係被害、全部で十五府県七十三校に及んでおりますけれども、このうち秋田県、鳥取県、岡山県、この三県につきましては、それぞれ一校ずつ屋内運動場が全壊をいたしております。全体の被害額が四億円ということでございますが、そのうちこの三県だけで約二億一千万円を占める大変大きな被害になっております。そういうことでございますので、ただいま現地調査に職員派遣をちょうどいたしておるところでございますので、その結果を待ちまして災害復旧補助の手続を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
  37. 粕谷照美

    粕谷照美君 屋内運動場が三校つぶれたというのはわかりますけれども、やっぱり鳥取で元勝部小学校の体育館、屋内運動場、これが学校の新築移転に伴って社会体育館になっているわけですが、これもまたつぶれているんですね。老朽校舎とまではいかないのに、こういうふうに学校がつぶれるというのは、ちょっと問題があるんじゃないですか、その辺はどういうふうに判断をしていらっしゃいますか。
  38. 逸見博昌

    説明員(逸見博昌君) 今年の被害は、豪雪状況は大変なものでございますけれども、例年に比べましてはこういった学校関係の施設、随分と被害状況は少なくなっていると思います。これはやはり除雪が手際よく行われていること、それからやっぱり木造改築をいたしまして、鉄筋化率がどんどんと進んでおる、こういった状況を受けたものと考えています。  したがいまして、こういったふうな形、ことし出ております被害につきましては、やはり二つは木造のものでございますし、一つは鉄骨でございますが、大変小さなものでございまして、恐らく強度がそう強くなかったもの、こういうふうに思われますということで、やはり例外的なものとして起こっておる。大多数のものはもう鉄筋化が進みましてしっかりとしたものになっている、こういったふうに考えておるところでございます。
  39. 粕谷照美

    粕谷照美君 私もちょっと調べてみたんですけれども、秋田の例は五十八年十二月の一日に、雪おろしをしなさいよと、こう通知が出されているわけですね、それからこの鳥取の場合も一月の二十九日、それから二月の十一日にPTAの方々が雪おろしをしましたと、こう言うんですね。それで、十一日から一週間たってさらに一・五メートルの雪があったというんですから、一週間の間に一メーター五十センチもということになると、非常に大変だというふうに思います。特にその間、PTAの方々も先生方も必死になって雪おろしをされたんだろうというふうに思うんです。自分の家もそうですから。これ、みんな現場の方や親ということになりますと、これまた大変ですね、体力的に。このときに、雇い上げというんですかね、人夫の方々を入れて除雪をする。私は、PTAや——PTAというと父母も教師も入りますから、それはそれでいいんですけれども、それだけに任せておくというのでは、こんなに連続して雪が降るときはもう体力的に間に合わないんじゃないか、授業も十分にできないんじゃないだろうか、こういうふうに思うものですから、除雪についての除雪人夫の雇い上げ、これはどのように考えておりますか。
  40. 逸見博昌

    説明員(逸見博昌君) お答えいたします。  実は私、除雪関係の担当課長ではございませんので、つまびらかにはいたしませんけれども、今年度の場合につきましては、一応基準に該当しておるということで、適切な手続が担当各課からとられているものと考えているところでございます。  これは管理局の指導課というところが所管いたしておりますので、ちょっと別のところになっておりますので、恐縮でございます。
  41. 粕谷照美

    粕谷照美君 今、魚津市の場合を見てみますと、これもまた非常に指導方針はよろしいわけなんですけれども、学校施設について延べ人員で四千二百七十九人の人が出ている。職員がそのうち八百六十一人、PTAが百十八人と、こういうふうになっていて、地元の方々の努力というのが大変なんですね。したがって、除雪に対する指導などというものも、もっときめ細かな指導というものが必要になるのではないかと思うんです。  それで、秋田と鳥取と岡山のこの三校は、特豪地帯に入っていないのではないか。特豪地帯に入っていれば、国庫補助金もそれなりのものが出るというふうに思いますけれども、入っていないとすれば、一体どのような対策を講じるのでしょうか。
  42. 逸見博昌

    説明員(逸見博昌君) お答えいたします。  この関係につきましても、大変恐縮でございますが、私ども助成課ではなくて指導課というところで対応いたしております。後ほど担当課長によく伝えまして、先生のところに御報告に参るようにいたしたいと思います。
  43. 粕谷照美

    粕谷照美君 これは、きのう質問通告した後で問題をつくったものですから、事前に通告しておかないので、答えられないのはやむを得ないと思うんですけれども、国土庁地方振興局からいただきました特豪の地域指定なんですけれども、その中に入っていないんですよね、ここが。したがって、私は特別豪雪地帯並みの国庫補助を出すべきであるというふうに思いますので、後で十分な対策をとっていただきたい、こういうふうにお願いをしておきます。  次に、豪雪時の交通確保のために、国県道及び市町村道整備促進をするというのは当然の話だというふうに思いますけれども、雪寒指定路線を延長して雪寒事業の促進を図るべきであるというふうに思いますけれども、どうでしょうか。
  44. 和田惇

    説明員(和田惇君) 雪寒指定路線でございますけれども、これは一定の指定基準に従いまして路線指定を行っているわけでございます。この指定路線を対象にいたしまして、いろんな雪寒事業を実施しているわけでございます。  五十八年度を初年度といたします第八次の雪寒五カ年計画というものがございますけれども、これに基づきまして、国道及び道府県道につきましては既に指定した路線に対して三千七百八十キロの路線を追加いたしております。合計いたしますと、六万九千四百八十四キロといった延長になってまいります。  それから市町村道でございますけれども、五カ年の間に五千キロをふやすというようなことで考えておりまして、五十八年は既にそのうちの千百七十四キロを追加いたしておりまして、これも合計いたしますと三万五千百八十五キロということになってまいります。  それで、これらの指定路線の延伸を図っておるわけでございますけれども、これにあわせまして防雪、凍雪害防止、それから除雪機械の購入の補助といったようなことの雪寒事業を拡充いたしてまいりまして、冬季交通確保に努めてまいりたい、かように考えております。
  45. 粕谷照美

    粕谷照美君 私が見ました社会新報の記事によりますと、消融雪溝、これが非常に有利なというんですか、経済的にも大変有利なものであると。幅員二十メートルの道路一メートル当たりの運営費用が、消雪パイプだと十三万三千円、機械排雪だと二万八千円、流雪溝だと六千五百円、消融雪溝だと二千六百円でできるという計算なんかがされていて、とても行政のやるのを待っていたら間に合わないというんで自分たちで運営をしていくわけなんですね。こういうことをやっぱり研究しているのが山形県の東北流雪研究所だというんですけれども、どんどんこういう住民のエネルギーというのはあるわけですから、大きなエネルギーを利用して有効な対策というものをとっていただきたいと要望しておきます。  最後に、道路の附属施設及び路面損傷などの復旧に要する経費を公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の適用とすべきである、こういうことについてのお考えをお聞きをしたいと思います。  新潟に弥彦村という村があります。ここの村長さんが村民の方に説明をしているのを私は聞きました。どんなに除雪費がかかったかということの説明が一つ、本当に大変なんだということをしみじみ、追加予算を承認していただいたという言葉を聞きながら私は思ったんですが、その後がまた大変だというのです。雪が消えた後、チェーンだとかあるいはスパイクタイヤなどで路面が損傷していく。ガードレールが押しやられてぐちゃぐちゃになってしまう。そしてセンターラインなんかもとにかく全部消えてしまって、ことしは大変な除雪費がふえたから、安いのだと一メートル百三十円とか、高いのだと二百円とか、ランクがあるらしいんですよ。ことしは一番安いのでセンターラインを引かなければならないというような話をされておりましたけれども、これについてのお答えは建設省どうでしょう。
  46. 狩野昇

    説明員(狩野昇君) ただいまの先生の御指摘の件でございますが、ガードレールと路面の損傷につきましては、若干取り扱いが異なっておりますので、分けてお答え申し上げます。  ガードレールは道路の附属物として負担法の対象というぐあいに定められておりますが、道路本体とともに天然現象によって被災した場合には適用される、採択することができると、こうなっておりますが、ガードレールのみの被災した場合、豪雪時にはこういったことが多うございますが、負担法の対象とならないということになっております。しかし、昭和五十六年の異常な豪雪に際しまして、特例として採択した事例がございます。今回も、先生御指摘のように、これから融雪を迎えまして実態が判明するわけでございますから、判明次第、同様の措置が講ぜられるよう適切に対処してまいりたいというぐあいに考えております。  ただし、ガードレールにつきましても、除雪車等の除雪作業に起因するものにつきましては、異常な天然現象によるものとは考えられませんので、負担法の対象とはならないというぐあいに考えております。  それから道路の路面の補修でございますが、これにつきましては舗装の路面といいますのはもともと道路本体の一部でございますが、当然異常な天然現象によって被災した場合には災害復旧事業ということになるわけでございますが、一般の交通車両、たとえばスパイクタイヤあるいはタイヤチェーンによる損耗に起因する路面の損傷につきましては、これは道路の維持補修工事というぐあいにみなされておりまして、負担法の対象とはならないというぐあいに考えております。
  47. 粕谷照美

    粕谷照美君 いまの答弁は、私は非常にお役所の答弁だというふうに思います。  確かに法律で言えばその通りだと思いますけれども、この豪雪が偉大なる災害なんだということを私もう少し考えていただかなければならないというふうに思っております。しかし、時間が来ましたので、私の質問はこれで終わります。     —————————————
  48. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 委員異動について御報告いたします。  本日、松本英一君が委員辞任され、その補欠として稲村稔夫君が選任されました。     —————————————
  49. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 続いて、質疑のある方は順次御発言を願います。
  50. 村田秀三

    ○村田秀三君 私は粕谷委員に続きまして、五十九年豪雪対策について主としてお伺いするわけでありますが、しかしその基本となるものはやはり恒久的にどう考えていったらいいだろうか、こういう問題があるわけでありますから、そういう問題にも触れてひとついろいろと質問をし、かつ意見を申し上げたい、こう思います。  そこで、ことしの雪の状況は、今もお話ございましたが、五十六年災害と匹敵する——部分的な記録によりまするというと多少下回っている積雪量であるということも言えるし、またしかし間断なく降り積もっておるというようなことを考えれば、それと比較にならないほどの難渋があったということも言えるわけでありますから、その意味では匹敵するとも劣らない、こういって差し支えないと思います。  総体的な対応の仕方につきましては、今、長官からお話ございました。とにかくそれに劣らないところの対応を示していく、こういうことでありますから、いろいろ地域の人々の要望なり、また考えられるそれぞれの施策というのは細かい点にわたってさまざまございますけれども、そういう問題についてはこの際省略をしていきたい、こう思います。  特に、この際申し上げますけれども、実はこの前二百八十九号線の問題で関係市町村の協議会がございました。そこへ私も出席いたしましたところが、田中角榮先生、会長をやっておるものですから参りまして、そしてまずごあいさつ、三十分程度長々と御高説を私は拝聴したのでありますけれども、その中でなるほどなあと思って実は考えましたことは、とにかくこれからの先端企業というのは、空気もよいところ、水もきれいなところである、こういうのが一つの発想であります。そして、これからはそういう意味では東北でありそれから北陸新潟である。でありますから、新幹線ができる、高速道路が開通をする、どんどんどんどん企業が来るようになる。なぜ来るかと言えば、君とにかく雪が降るからだよ、こういうふうに言われます。人口が希薄であるということもありましょうけれども、山があり雪が降って水をきれいにする、空気をきれいにする。だから、これからの先端産業というのは、これは当然にして新潟であるとか北陸であるとか、別に稻村長官の気をくすぐるようなつもりはございませんけれども、いずれにいたしましても、東北並びにこれまで取り残されたところの信越、北陸である、こういう言い方でございます。でありますから、この雪を大事にしていくということもひとつ考えていかなければなりませんし、同時にまた、その雪の中に生活するのは、おまえは昔からそこに住んでおるんだからそんなの承知しながら住んでおるんじゃないかと、こういうような物の考え方があったとすれば、これは対策は立てられないと思います。でありますから、少なくともそのハンディというものをどうやって克服していくか。現地の人は克雪とこう言っておりますけれども、つまり克雪と言えば何とはなしに雪を恨んでという感じもしないわけではございませんけれども、つまり雪害に対して生命、地域を守るということと同時に、雪を大切にしていく、こういうことがやはり考えられてもよろしいんじゃないかという感じもいたします。これはきょうのテーマじゃございません。いずれ建設委員会等におきまして、またひとつやってまいりたいような気でおりますけれども。  いずれにいたしましても、この際主として申し上げたいのは、そうは言いながら、まあ雪害といえばさまざまございます。道路除雪をしておって川に落ちて災難に遭ったとか、あるいは屋根の雪おろしをして転落をして被害に遭ったとか、さまざまございますけれども、私はやはりとにかく雪崩というものに対する認識というものを改めてもらいたい、こういう立場からひとつ物を申し上げるわけでございます。  実は、雪崩はそちこちに起きてはいますけれども、新聞等を見まするというと、また実際もそうでございましょうが、とにかく新潟北陸というのは、例年でございますが、ことしもまた大変な被害をこうむった。  そこで新潟県の中魚沼郡中里村清津峡温泉、この雪崩、これは五人の方々が亡くなりました。まことに痛ましい限りでございまして、御冥福を祈ると同時に、また被災されました人に対してお見舞いを申し上げるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、新聞を見まして多少特徴的な問題がある、こう思いまして、実は私ども社会党も調査団を編成して現地に行ってまいりました。いろいろ申し上げますならば、雪の量が例年よりも多かったとか、さまざまなことが言われるでありましょうけれども、この清津峡温泉の雪崩についてすでに情報はいろいろ承知をしておるはずでありますから多くの条件等については申し上げませんが、どのようにお考えになっておりますか。  これは国土庁長官に直接質問をいたしますという、そういう通知はいたしておりません。またこの質疑通告の問題についても私後ほど所見を申し上げたいと、こう思いますが、おれはそういう通知を受けておらないから答弁をしないと言うならば、それはそれでよろしゅうございます。  またこれは林野庁に質問いたしますよと、こう言っておきましたから、林野庁の方御答弁をお願いします。
  51. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 今御指摘の中里村の問題でありますが、これは大変亡くなられた方に御冥福をお祈り申し上げたいと思っております。  ただ、問題として、やはり災害から人命を保護する、守るということは、これは基本的な問題でございます。そういう意味から、私は中里村の災害ということで急速日程を早めて現地に赴くことにいたしたわけであります。その地点は前からも言われておったということでありますから、私はもう災害雪崩対策に万全を期すように、特に防止さく等々をつくるとかいろんな形で雪崩の起きやすいところあるいはまた雪崩が起きるのではないかというところについてはやはり完璧を期してもらいたいと、こういうことを実は各知事さんにも、各市町村の責任者の方々にも私は強く申し上げてきたわけであります。また、特に二月十四日にも本部長の名によって雪の多いところ、特に雪崩の起きやすいところに対しましては特に雪崩対策には万全を期すようにと、こういうふうに申し上げてきたわけであります。  今先ほど来村田さんがおっしゃいましたように、雪は災害なりと、こういう感じが物すごく強いわけですね。私は、雪は災害ではない、起きた被害災害であって、やはり雪を大切にしなきゃならぬと。それでは、水は災害かというと、水は豪雨によって災害が起きるわけでありまして、この大切な資源をいかにしてやはり日本国民生活の中に活用していくか、これが私は大変大事なことじゃないかと思います。そういう意味で、雪の積もるところ、雪が水としてよい水を提供してくれるというのはやっぱり緑であります。後で林野庁からお話があると思いますが、緑が雪を大事にしてくれる、これがやはりいい水を蓄えてくれる。まあ言うなれば、緑のダムと、こういうふうに考えておりまして、私はやはりこの雪というものに対する認識を国民全体が考えていく必要があるのではないかと思います。  そういう意味で、今度の上越線についていろいろな問題点がありましたが、上越線は雪によって一分のおくれも見せなかった、大変足腰の強い新幹線であった。東海道新幹線については、それはとてもじゃないがお話にならぬ。東北新幹線も同じことでありまして、雪の国に育つところの我々は、災害とこれを考えずして、いかに我々の生活に潤いをもたらす雪であるかと。そのためには、道路網の整備であるとか、あるいはまた新幹線の整備であるとか、あるいは過疎化していくものを、いかにして雪となじみながら、雪を克服をしながら、雪によって過疎地域の生まれるものを、どうしてやはりこれからこれを平準化していくか、あるいはまた過疎をなくしていくか、どういうふうにして過疎と過密を調和していくかという問題は、大変村田さんもおっしゃって、北陸と出していただいて、大変実はうれしく考えておったわけです。そういう意味で、雪国に育つ我々は、ここで勇気を持って今度の豪雪からこれに挑戦をしていく必要があるのではないかと。  今雪崩の問題でありましたが、雪崩の問題は、やはりこれから起きやすいわけでありますから、屋根とかなんかは別として、山林その他のところで起きやすい場所があるわけでありますから、この点については、人命を守るという、こういう観点から、完璧を期してまいりたいと、こういうふうに思っています。
  52. 小沢普照

    説明員(小沢普照君) 林野庁の方から、雪崩対策につきましてお答え申し上げます。  先生御指摘のように、森林が水資源の涵養のみならず、雪崩の防止につきましても非常に効果があるということは言われておるわけでございまして、私どもといたしましては、雪崩の防止林造成 等によりまして、対策を行ってきたところでございますけれども、今回の清津峡におきましては、雪崩災害が、大きな災害が発生いたしております。  そこで私どもは、この対策につきましては、災害後直ちに担当官、それから筑波に国立の林業試験場がございまして、ここに防災部というのがございまして、雪崩対策研究もやっておりますけれども、ここの担当者、専門家を現地に派遣いたしまして、現地の調査等に当たってもらいました。それから直ちにその後、林野庁とこの国立の林業試験場、それから関係の営林局がございますが、この三者で雪崩の防止対策連絡会議を開催いたしまして、この中里村の当該地の地形でございますとか、あるいはまた景観、こういうものに配慮した防止工法等につきまして検討を行っているところでございます。  それで、私どもといたしましては、この検討を急ぎまして今後の防災対策を行っていく必要がございますが、この当該地が名勝、天然記念物でございますし、また国立公園の特別地域であるということですので、関係省庁それから地方自治体とも十分な連携をとりまして、雪崩防止上の観点から適切な防災工事に取り組んでまいりたいと考えております。
  53. 村田秀三

    ○村田秀三君 それはどういうものができるか、非常に景勝の地であり、その景勝がゆえに温泉の経営もあると、こういう関連を考えますとなかなか難しい問題でありますが、速やかにひとつ施策を講じてもらいたいと、こう思います。  同時に、またこのことで私考えるのでありますけれども、現地中里村としては、過去にも雪崩の経験があるので、ひとつ防御施設を構築してもらいたい、こういう要望をなさっておったようであります。しかし、今も答弁の中にありましたように、いわゆる国立公園地域であるというようなことや、あるいは天然記念物であるというようなことや、あるいはまた景勝地であると、こういう理由で、これは確かにそれぞれ環境庁であるとかあるいは文化庁であるとかいろいろ絡み合って、そしてそう簡単には異質な構造物を設置することは非常に難しいという、それは私も理解はするわけであります。しかしながら、これは過去にもあった、だからひとつ危険だからやってほしいという地元の要望が、なるほど手続その他難しいかもしれませんが、これを放置しておったというところに私は問題がある。  また、対応する、いやなかなか難しいというその気持ちはわかりますけれども、恐らくまあ同じく構築物であっても段切りであるとか、あるいは雪崩防止の木さくを簡単にやるとかあるいは段切りするとかという、さまざまな工法があるわけでありますから、何かやったから完全に防止できたかといえば、そこまでの保証はないけれども、いずれにいたしましても、もしもやっておったとするならば、現地からあのときこう言ってやったのにやってくれなかったからこうなったんだという恨みの言葉というのは出てこなかったと思うんです。また、防止できたかもしれない。  だから、結局いかに国立公園地帯であろうといっても、それはさまざまな手があると思うんですよ、実際は。これは危ないからここへ建てない方がいいんじゃないですかと言うことも、これは一つの対策にも当たるわけでありすずけれども、しかしながら、国立公園地内であろうとも、景勝地であろうとも、人命を優先するというその物の考え方があったかどうかというところに私はかかっておると。でありますから、今後そういう方針で臨むのか臨まないのか。これはやはり国土庁の方から聞いた方がよろしいと思いますね。ちょっと御答弁をいただきたいと思います。
  54. 田中暁

    政府委員田中暁君) 御質問の箇所はいろんな特殊な条件があったわけでございまして、そういった意味では雪崩防止施設の設置等に制約条件になっているということはよくわかるわけでございますが、我々といたしましては、まず何よりも人命尊重第一、雪崩による人命危険の防止ということを第一に置いて物事を判断すべきものだと、このように考えておる次第でございます。
  55. 村田秀三

    ○村田秀三君 そこで、まあそういうことでひとつ、非常になかなか難しいものもあろうと思いますけれども、つまり今私が申し上げましたような方針で臨んでもらいたいと、こう思います。  ところで、今は国土庁がそのような考えを示した。では、やはりこの災害関係を担当する行政組織、これがどうなっておるのかといえば、それは今そういう考え方はどういう形でお示しになりますか。たとえば林野庁、あるいは建設省、あるいは環境庁、あるいは文化庁、どういう形でお示しになりますか。
  56. 田中暁

    政府委員田中暁君) 具体的な雪崩の問題につきましても、実は建設省と林野庁で今年度から雪崩に関します調査等をやっておるわけでございますが、これも国土庁災害関係調整費を支出してやっていただいているというようなこともございますし、いろいろと調整官庁としてやっておるわけでございます。具体的なこの雪崩の問題につきましては、必要に応じまして各省庁に集まってもらう、連絡会議を開く、こういった手段によりまして調整を図ってまいりたい、このように考えております。
  57. 村田秀三

    ○村田秀三君 今の問題は、国土庁に質問通告特にしておりません。なかなか質問通告するのにも難しいわけです、実際は。どこへ当たっていいのかわからぬという問題があるわけです。  例えば、例を申し上げます。これは私の意見として聞いてもらって結構でございますけれども、おまえが勉強不足だといえばそれまでの話でございますし、私も細かい行政組織の機構、分掌事項などというものを細かに知っているわけではございません。でありますから、ここで私一つの提言として申し上げるという意味で今いろいろ申し上げるわけです。  実は現地の新聞を見ましたら、県側としてはこの清津峡を雪崩の危険箇所としては見ておらなかったと、こう言うんです。実際は、中里村の人々はそういうことをはっきり言っておるわけでありますから、県も知らないわけではなかったんであります。と同時に、地域防災計画というものをつくることがこれ義務づけられておるわけですから、だとすれば、これは雪崩が非常にそういう災害対策の面では、何といいますか、余り重きを置かれていないのではないかという疑いの目を持って見るのがそこに出発するわけでありますが、とにかく県としては危険箇所として見ておらなかったと言うんであります。これは県に聞いておるわけではありませんから、新聞を見ただけでありますから、私はどうかそこまではわかりませんが。  いずれにいたしましても、その地域防災計画がある、だとすれば雪崩の危険箇所の指定というものもあるであろう。であるから、国として全国の雪崩の危険箇所を掌握、把握しておるのかと聞いたら、どこに聞いてもわからぬですよ、はっきり言って。言ってみれば消防庁防災課だと言う。防災課を呼んで聞きますならば、私どもの方ではそういうことはやっておりませんと言う。防災課というのは何をやっているんですか、実際。そして、とにかく危険箇所を掌握しました、掌握したのは、回り回ってこれは総理大臣が責任者ですよと、こう言うんです。把握もしていない。そうしていろいろ聞いてみたら、これは五十六年災害等の経験を踏まえて五十八年と五十九年にかけて雪崩の危険箇所を調査していますと、こう言うんですね。建設省とそれから林野庁、そういう答えだ。そうすると、関係のないものを何で国が再調査しているんですか。  もともと防災計画というものがあるはずだ、地域防災計画が。それを吸い上げて検討すれば、これは雪崩の箇所などというのは、木を切ったら新しく箇所を入れられました、雪崩防止林を指定してそこに植樹をいたしました、大きくなりましたからそこは解除します、そういうことはあるかもしれないけれども。しかしそういう動きがあるにせよ、なぜ詳しくこれ調べて今まで対応しなかったかということなんですね。  私が申し上げたいのは、いわゆる雪崩というのは、これは一遍に持っていってしまうわけであり ますから、人家の付近であろうと道路であろうと。実際にやっていないとは私は言いませんよ。それは立派なスノーセットをとにかく構築をいたしまして、福島県の昭和村などというのは、冬であろうと、半年間車も行けないようなところも行けるようになっている。やっていないとは言いませんが、しかし掌握して、計画的に金がないといえどもやっていきますと言うのが、やっておりますという答えが国土庁から返ってこなければ、これは災害対策にならぬと私は思うんです。  これ、ちょっとくそおもしろくないから物を言っているわけでは決してございませんけれども、つまりいろいろ確かに実施官庁がやってはいる。いるけれども、それをまとめていわゆる計画を立ててそれを進行しておりますというような答えが返ってこなければいけない。そうすれば係長の段階であろうと職員の段階であろうと、そういう答えが返ってくるような状態をつくっておかなければ、国土庁災害対策の相手として不足だ。でありますから、その間のところをどう考えるかということが一つです。
  58. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 全く御指摘のとおりだと私は思っております。  そういう意味から、今度は国土庁防災局を設置をさせていただくことになっております。これは七月一日から発足するわけでありますから。  昨年は山陰の水害であるとか三宅島の噴火あるいは東北地震とか多様な災害が発生をいたしました。そういう意味で、日本の国は、災害がこう自然的に起きやすい国でありますから、ここで一元化というところまでには、役所の縄張りというのは強うございまして、なかなか一元化というわけにはまいりませんが、しかしながら、指導性の統一と、こういった形から防災局が設置をされたわけであります。そういう意味で鋭意防災局強化の問題について検討をめぐらしておるところであります。  特にこの雪崩対策の問題でありますが、私は少なくても現地に参りまして雪崩の箇所等々についてやはり防止さくをつくれとか、各市町村長に対して、あなた方が一番わかっておるんじゃないですか、どこが雪崩が起きるか。そうすればやはり自分のところの雪が落ちて他人にこう被害を与えるというようなところはあなた方でおわかりになるんじゃないですかと。そういうふうな意味からやはりこれから起きるであろうという、私は現地を視察してからやはり雪崩対策と、いかにべた雪が降ってもぼた雪が降っても、それはもう災害にはなかなかこれはなりませんが、やはり雪崩対策が一番重要な問題ですから、そんな意味雪崩対策について直ちに中里村にも防止さくを設ける。今雪崩があったからといってそれで安心するのではなく、またいつどういう形にならぬともしれないから防止さく、木をトントントンとやればいいことなんですから、そこでコンクリを打ち込むとかあるいはパイルを打ち込むということじゃないんですから。  そういう意味で、私は、雪崩災害に対しては相当雪の降っている地域は真剣にかかっておると。その後の、恐らく雪崩によるとうとい人命を奪うとかあるいはまた雪崩によって大きな被害を受けるとかというようなことは、現地に住んでおられる人はだれよりもわかるんですから、それは強く村田さん、要請してまいりましたから、そういう意味でまた社会党議員団あるいはまた自民党の議員団あるいは国会等々が各党派ごとに超党派で行かれて、こういう問題は真剣に追いかけ追いかけ注意しておられますから、現地でもこれに対しては相当注意をしておられると思います。  その点については多少こう、どこに聞いていいのか一これはこれから国土庁に聞いてください。国土庁は、先ほど申し上げましたように知恵の省ですから、各省庁をフルに活動させまして、そして一つの総合企画をやっていくわけでございますから、何かのときにはぜひひとつ国土庁に強くおっしゃっていただくなれば、それは必ず実現ができると、こういうことになっておるわけでございますから、御説明を申し上げておかなきゃならぬと思います。
  59. 村田秀三

    ○村田秀三君 お話しのように、いろいろこう整備いたしまして、そして国土庁が本当に、いやそれは災害対策ばかりじゃないですよ、私はふだんの問題でも、国土庁という看板をかけて、そしていろいろ法律を持っているけれども、ただその文字づらだけで実施官庁になってほしいと、そうばかり私は申し上げません。上げませんが、文字づらだけの官庁ではこれは意味ないんでありまして、やはりそれぞれ関係する各省庁全部掌握をして、そして果敢に物事が進むような体制であるべきですし、進めていただかなければならない、こう思います。  あと時間がちょっとなくなりましたですが、もう一点お伺いしますが、道路除雪、昔と比べればこれはもう大したことやったと私は思いますよ、率直に申し上げまして。それがためにこれはふだんの経済活動が活発に行われて、確かに地域経済の振興のために役立っておるわけでありますから、そうは言ってもまだまだ足りないと、こういうことであります。  とりわけ生活道路——生活道路も先ほど粕谷委員の方からもお話がございましたが、消雪道路をつくるとか融雪溝をつくるとか、あるいはさまざまな工夫をして研究をしておるという、それも私わかります。そしてまた、そういうことで消雪道路にしましたけれども、地下水がなくて半分も作動していないというような話、融雪溝を建設したけれども、水源地が確保できなくて、これまた三分の一ぐらい遊んでおるというような話、さまざま聞いてまいりました、見てまいりました。これは大変な問題だなあということで、まあこれ水を大事にする、雪の降るときに水をひとつ考えたらどうかという、そういう地下水をどうやってこれを供給するかという問題もこれ考える必要があるだろうとも思ってはおりましたが、これは別途次の機会に譲るといたしましても、特に歩道ですね、歩道、いろいろなこれ話ができると思います。  地方道でいわゆる同じ道路除雪作業、これは同じ市であっても、いわゆるいろいろ格差があるとか、まあ交付税で雪害対策経費は計算して組み込んであるけれども、その地方の自主性によって対策を講ずるところと講じないところがあるとか、さまざまな話も私承知いたしております。しかし、これやっぱり何といいましても生活道路ですね、先ほどちょっと触れましたが、工場から国道へ出るまでの間だれが担当するんだなんという、それはまあ十メートル、二十メートルならその工場でやるのが当たり前じゃないかと私は言いたくなりますけれども、それよりもちょっと長いのはどうするかという問題もさまざまあると思いますが、何といいましても、やはり歩道の問題というのはしみじみとこれを見てきて、私のところも雪が降りますが、新潟県のようには降りません。とにかく道路除雪するのはいいけれども、捨てる場所がないから歩道に上げる、歩道を通れないから小学生が自動車と一緒に通っていると、こういう格好になるわけでありますから、この歩道の対策というのはいろいろ聞きまするというと試験的に実行しておると、五十八年度ですか、二百五十一億ぐらいになると、こう言うんでありますけれども、とにかくもう少しこれを積極的に進めてそしてやっていくようなふうに努力をしてもらいたい。  さまざま申し上げたいと思っていました、それに関して。時間がありませんからその程度にとどめますけれども、これはぜひともひとつやってもらいたいと、こう思います。いろいろありますけれども、これは別途また機会を見て、あるいは建設委員会等でいろいろと議論をしてまいりたい、こう思います。
  60. 赤桐操

    委員長赤桐操君) それでは午後一時に再開することといたし、休憩をいたします。    午前十一時四十五分休憩      —————・—————    午後一時二分再開
  61. 赤桐操

    委員長赤桐操君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  62. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 今回の豪雪に際しまして、政府は早速国土庁長官本部長とする対策本部を設置いたしまして、しかも本部長、早速被害の大きいところを御視察いただき、またいろいろな実情等を御把握いただき、さらにまた第二班政務次官を派遣されまして、これまた被害の大きい東北地方等を御視察いただきました。さらに各関係府県等に本部長雪崩やあるいは融雪等に対する防災体制の万全を期するようにというふうな通牒を出し、あるいは各省庁との連絡を密にしてその対策に努力をしていただいておることに対して私は心から敬意を表する次第でございます。  我が党におきましても被害の深刻な各地に四班ほど調査団を派遣いたしましてその実情をよく調査し、また地方住民、地域の実情等、御要望等を聴取いたしまして、対策の問題点等も種々検討いたし、この結果政府省庁等には逐次連絡をいたし、要請をいたしておったところでございます。  幸い各省庁等非常に御協力をいただいて、その対策を、われわれの要望を逐次実現をしていただいておりまして本当に敬意を表するわけでございますが、我が党におきましても早速二月十日に今回の対策の緊急を要するものとして政府に申し入れをいたしまして、短い文書ですから読ましていただきますが、   今冬の異常豪雪は、断続的な降積雪により、  人的被害をはじめ、交通網の寸断等、地域住民  の生活に深刻な影響を与えている。   特に、道路除排雪経費が増こうし財政運営に  大きな支障をきたしている。   よって、左記事項につき早急に検討の上、除  排雪対策に万全の措置を講ずるべきである。   右、申し入れる。     記  一、異常豪雪にともなう特別交付税の増額配分  二、国・県道の除排雪費の大幅増額  三、市町村道除排雪費に対する特別補助  この問題については、先ほどの質問者からいろいろ御質問がございましたので一時間の関係上抽象的な質問はやめまして、具体的に質問をしてまいりたいと思いますが、もう既に三月も半ばですから、自治省の方では特別交付税対策について、大体計算が、被害の実態等あるいは所要経費等の見積もりもできて、配分の手続等にも入っていると思いますが、その被害なりあるいは所要経費というものの実態の把握ができていると思いますが、その点をひとつお聞かせいただきたい。  ついでに建設省、同じことですが、先ほど当初予算で八百億除排雪の予算をとってあるが、三割ぐらい不足するだろう、こういうようなあれですが、これも今日まで的確な国県道、市町村道等の要した費用等把握された結果そういうことになっていると思いますが、まずその点どの程度的確に御把握になっているか、数字的にわかればひとつ御答弁願いたいと思います。
  63. 二橋正弘

    説明員(二橋正弘君) 特別交付税の関係でございますが、地方団体から報告を求めました数値をもとにいたしまして現在算定作業を進めておる最中でございまして、来週には決定できるような予定で現在作業をいたしておるところでございます。  地方団体からの報告の数値でございますが、私どもの調査は、普通交付税の措置額が実際にかかった経費をオーバーする団体、この団体についての報告を求めるものでございまして、現在まで把握いたしております。その所要経費の数値は、約八百二十億程度ということになっております。  特別交付税の額につきましては現在算定の作業を行っておりまして、まだ数値を確定するに至っておりません。
  64. 狩野昇

    説明員(狩野昇君) 先生御質問の件でございますが、ただいま担当課が、連絡のため今不在でございますので、後ほどまた詳細に御報告いたすこととしまして、国県道の方の数字を御報告さしていただきます。  当初の除雪費が二百二十三億円、直轄で九十八億円、補助百二十五億円という当初の予定でございましたけれども、最終見込み除雪費としましては、増額としまして八十億円、三六%増ということで把握しております。  なお、市町村における積雪状況等につきましては現在調査実施して、その取りまとめをしているところでございます。
  65. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 自治省、普通交付税の分は八百二十億と言いましたね。最初は九百億ぐらい除雪関係予算だと、午前聞いたんだ。今度、午後八百二十億。それからこれで全部賄えるという数字ではないわね。それで、特別交付税でどのぐらいどうしなきゃならぬ、そういう見積もりは出ていませんか。
  66. 二橋正弘

    説明員(二橋正弘君) 先ほどお答えをいたしました数字は、普通交付税の措置額を上回った除排雪経費を要した団体の除排雪経費総額でございます。  それから、普通交付税におきまして除排雪経費として算入いたしました総額、これは、普通交付税を下回った団体もすべて含んだ総額は、今御指摘のありましたように約九百億でございます。
  67. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 そうすると、普通交付税より上回った額が八百二十億と。それで、今度特別交付税で措置してもらうわけでしょうが、先ほど来の話のように、地方交付税自体が昨年より五%か何かが減っていますね。さらにまた、ことしは災害が多い。山陰の風水害その他大変災害が多かったから、これまた雪害にだけというわけに恐らくまいらないでしょうからね。そうすると、かなり不足するということですが、その辺の金額はどうですか。
  68. 二橋正弘

    説明員(二橋正弘君) まず、先ほどお答えいたしました約八百二十億という数字は、普通交付税を上回った額ではございませんで、普通交付税を上回った団体についての全所要額でございます。  それから、今お話にございましたように、特別交付税の総額は、率にいたしまして五・四%昨年より下回っておりまして、金額で約三百億下回るという状況にございます。  御承知のように、本年度はいろんな災害がたくさんございまして、そういうことからいいましても、ただいま申しました特別交付税の総額状況から申しましても、できる限りの措置をいたしたいと考えておりますが、特別交付税による措置につきましてはおのずから限界があるものというふうに考えております。
  69. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 建設省、ちょっと確認しますが、先ほどの足りない分約八十億とおっしゃいましたね。これは市町村道は入っておらないですか、どうですか。
  70. 和田惇

    説明員(和田惇君) 先ほど申し上げました八十億という不足額でございますが、これは直轄国道のものと、それから補助をいたしております一般の国道と県道の分でございます。
  71. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 こういう被害ですから、五十六災には市町村道も補助しましたね。今回もしなきゃならぬと思いますが、どうですか。
  72. 和田惇

    説明員(和田惇君) 市町村道除雪に対してでございますけれども、現在調査をいたしておりまして、その結果を検討して適切な対応を図りたいと、かように考えておる段階でございます。
  73. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 ぜひひとつそうしてください。先ほど長官からも市町村道等の除雪にも相当温かいお考えのあるようなお言葉がありましたので、ぜひひとつ建設省もそうしていただきたい。  それにしましても、今の国県道だけで八十億当初予算より不足する、あるいは市町村道もそうしてお願いする、こういうことになり、あるいは自治省の特交も十分措置が難しいというようなお話もございました。そうなりますと、何と申しましても、我が党としても、まずもってこの除雪費、地方財政を非常に圧迫するわけですから、地方自治団体の運営も容易でない。もう年度末が迫って大変なことですから、何とか政府にしてもらいたいという要望が各地域で一番強いわけでございますね。  そうなりますと、五十六災にも実は特別の措置をしていただきました。はっきり言うと、予備費からそういう不足分を出していただいて措置をしていただいたと記憶いたしておりますが、この点については、まあ事務当局にお願いしてもなかなかなにでしょう。やはり長官のひとつ御決意、御所信のほどを承っておきたいと思います。
  74. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 災害対策特別委員会の中で、今まで終始御報告を申し上げてきたわけでありますが、先ほど来も粕谷さんのときに申し上げたのですが、近々ということでありますが、自民党を初め各党のいろんな集約された御意見も賜っております。それからまた、国土庁、まあ政府災害対策本部として各省庁からいろいろ報告を聞いておるものもやや煮詰まってきております。そこで、先ほど申し上げたように、近々という、近日というか、もっと早めて近々と申し上げたんですが、全く近日中に御報告ができると。もちろん私は本部長ですから、私がすることになっておるわけでありますが、全く近々中に御報告をいたします。  そこで、予備費の問題でありますが、これは当然という言葉を使ってはまずいと思いますが、やはり私は、いつも申し上げてまいりましたが、五六の例というか、この例がございますので、それを下回らないようにという、こういう発言をしてまいっておりますので、こういったこともあわせて、鈴木さんのおっしゃることにお答えをすることは、全く近々に御報告ができると思います。
  75. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 どうも、自信のある御回答をいただきまして安心をするわけですが、ただ時期だけ近々でも、中身は金額が不足しては何にもなりません。今、建設省なり自治省からいろいろ実態把握している話もあったようですし、そういうことを長官は総合的に御判断いただいているようですから、どうぞひとつ中身も満足できるような中身にしていただくようにお願いをいたします。  それから次に、先ほど村田委員から触れられました雪崩の問題、これはもう我が党としましても、実は報道等を聞きまして、重大視して早速特別調査団を派遣をいたしまして、調査をいたすとともに地元にお見舞いを申し上げてきたような次第でございますけれども、先ほど、この予算を見ましても、御説明を聞きましても、また村田委員からも雪崩のことをどこが窓口だというようなお話があったようでございますけれども、窓口はとにかくとして、毎年毎年この降雪時の春になってまいりますと雪崩が起きて、とうとい人命が失われるわけでございますが、もっと雪崩を、こういう地形、こういう気象あるいはこういう積雪、こういう傾斜、そういうことを科学的にきちんと、こういうところはこう雪崩が出ると、それにはこれだけの対策をしておけば大丈夫なんだと、こういった研究といいますか、総合的な研究をしているところがないんじゃないんですか、これは。断片的に、林野庁やった、いや国土庁やった、そういう総合的なあれをどうでしょう、これからおやりになったら。この予算見てもどこで——ここらちょっとはっきりしないようですが、いかがでございましょうか。国土庁あたりでしっかりした研究でもしてもらうと。
  76. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) ちょうど新潟雪崩でとうとい人命が失われたということで、早速現地に私が調査団の団長として参ったわけであります。そのときに、知事さんを含め各市町村長の皆さん方には、やはり災害から人命を守るということは、これは防災基本ですから、ぜひ雪崩対策に万全を期してもらいたいと、こういうふうにお願いをしてきましたし、また二月の十四日にも雪の多いところに対して雪崩対策ということを具体的に御連絡を申し上げたわけであります。御注意を申し上げたわけであります。御指摘のとおりなんですね、これは。  そういう意味で、今度は豪雪と。今、豪雪の話ですから、それ以外のことは申し上げてはいかぬと思いますが、いかにせん日本災害の多い自然の環境を持っておりますので、やはり国土庁としては七月一日から防災局を設置をいたしまして、あらゆる災害、特に御指摘の雪崩等々の対策についてやはり全力を尽くさなけりゃならぬと、こういう決意を持っておりまして、特にやはり雪崩の起きる地点というのは大体、個人の屋根ならばこれは個人で気をつけてもらわなければなりませんが、それ以外のところでは林野の関係が極めて多いのではないかと思います。そういうところは異常な伐採がされておるとか、異常な何かの原因がないと雪崩が起きないわけでございますから、案外そういうところは雪の積雪量というものは大体決まっておりますから、そういう意味で、今度の中里のあの雪崩でとうとい人命を失われたということを一つの契機として、二度と再びそのようなことのないようにと強く事務当局に御指示をしてございますので、今後は積極的に御指摘の線に沿いたいと、こういうふうに思っております。
  77. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 時間が余りありません。急ぎます。  具体的に先ほど来の質問のある中里村の清津峡温泉ですね、これは新聞によりますと、五十六災にも同じ場所、同じように雪崩があったというようなあれが出ておりましたが、我が党の調査団があれしますと、五十六災にはなかったというふうに聞いていますが、あるいは五十三災だったのかなというような話もありますが、その辺。  それから具体的にどういう地形で、どういう状態だったか、ひとつ担当庁の方からお答えをいただきます。
  78. 小沢普照

    説明員(小沢普照君) お答えいたします。  五十六年の豪雪時には雪崩は発生しておりません。五十三年に発生があったということは言われておりまして、そのときの雪崩は表層雪崩というものであったと。それで旅館の一部が損壊したと言われておるんですが、これにつきましては、表層雪崩とそれに伴う風圧によって損壊したと言われております。今回の雪崩は全層雪崩が発生しておりまして、非常に五十三年の雪崩に比べますと格段に大規模なものでございまして、しかも発生場所も五百メートルほど上の方から発生してきたというように私どもの調査ではなっております。  なお、当該地域の地形等の問題がございますけれども、当該地は清津峡の渓谷、旅館のある位置からは対岸になっておりまして、幅四十メートルほどの川を挟んだ対岸でございますが、傾斜度が五十度から七十度というかなり本当にそそり立った急傾斜の玄武岩の柱状節理から成っている地形でございまして、これが名勝、天然記念物にも指定されているところでございまして、その上部に多量の積雪があった、あるいはまたそれまでの積雪の上部がざらめ状になっていたところに低温日が続き、そこへ多量の降雪があって非常に不安定な状況にありましたものが一挙に滑り落ちまして、その川を飛び越しまして対岸の斜面に衝突いたしまして、それがまた地形の関係でUターンいたしまして、それが旅館を直撃したと、このように私どもは調査しております。
  79. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 もっと実情をよく応答したいんですけれども、時間が余りありませんからあれですが。  それでは、今後どうするつもりですか。何か地元やなんかとの協議やってますか。
  80. 小沢普照

    説明員(小沢普照君) お答えいたします。  今回の雪崩災害発生直後に、私どもといたしましては、担当官あるいはまた筑波の国立林業試験場に雪崩の専門家がおりますので、現地に派遣いたしまして調査をいたしまして、現在、今後の対応策につきまして急いで検討しているところでございます。現在、林野庁と試験場、それから関係の営林局の間で対策連絡会議を持ちまして、具体的な今後の防止工法等につきまして検討いたしますとともに、当該地が景勝の地でもございますので、関係省庁、それから地元の御意見も取り入れまして、今後の雪崩対策に十分を期したいというところで具体策の検討を急いでおります。
  81. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 雪崩の別な例でございますが、福島県の桧枝岐という、尾瀬の入り口ですね、あの景勝地の尾瀬の入り口、しかもここも雪の多いところ、新潟と同じように三メーター四メーター毎年降るところでありますが、そこの小中学校が二十八日の十時にやはり裏山から雪崩が襲ってきました。幸い地元教育委員会は危険だというので、その日は臨時休校にしておったものですから、生徒の被害はありませんでした。しかしまた幸いなことに、鉄筋コンクリートの建物ですから、建物そのものは倒壊せずに済みました。しかし、雪が窓からだあっと入ってきて天井までも——窓なんかめちゃくちゃ、もちろん大変な被害を受けたんでありますが、それについて文部省は実態把握をいたしておりますか。
  82. 逸見博昌

    説明員(逸見博昌君) お答えいたします。  けさ実は私、この桧枝岐小学校・中学校の被害状況の写真を初めて見たところでございますが、承っておりますところでは室内の机、いす、それから教材、教具、天井、床、そういったものに相当の被害を受けておるということでございます。合計で約一千六百万円相当ということで、億単位の被害に比べましては少のうございますが、校舎では一番大きな被害を受けておる、こういった実情でございます。
  83. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 そうすると、これの復旧にはやはり相当の御援助をいただけるわけですな。
  84. 逸見博昌

    説明員(逸見博昌君) はい。地元設置者からの被害状況調査報告を待ちまして担当官を現地へ派遣いたしまして、その上で復旧の補助手続を進めてまいりたいと思っております。
  85. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 それから、やはりその場所がこれからも雪崩が起きるんじゃないかと心配しておるんです、地元は。だから、いずれ移転しなければならないかなというようなあれがあるんですけれども、鉄筋コンクリートで立派なあれが、何年もたたないんじゃないかと思いますけれども、そういう場合には補助とかあれがありますか、どうですか。
  86. 逸見博昌

    説明員(逸見博昌君) お答えいたします。  現存地で復旧が難しい、復旧してもまたやられそうだという場合には別の敷地に移転をする、こういったことも可能でございまして、それに対しましても補助が出せると思っております。
  87. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 どうぞよろしくひとつお願いいたします。  次に、時間があれですから、先ほどの被害報告によりますと、死者あるいは負傷者多数出ておりますが、これに対する災害弔慰金、もう時が過ぎてからではありがたみが薄いわけですから、なるべく早い時期に災害弔慰金は支給した方がよろしいと思いますけれども、その支給の実態、今日どうなっておりますか。
  88. 近藤純五郎

    説明員近藤純五郎君) お答えいたします。  今回の豪雪によりまして多数の方が亡くなられているわけでございますが、災害弔慰金は、御存じのように災害救助法が発動されました県につきましては法律上当然支給されるわけでございますが、その他の県におきます異常豪雪によります死亡者につきましても一連の災害として支給いたしたいというふうに考えているわけでございますけれども、現在のところ私どもの方で報告を受けた限りでは、先ほど先生からお話がございました新潟県の中里村の雪崩事故によります死亡者に支給されているということだけでございまして、その他のものにつきましては、雪害と死亡の因果関係の認定で必ずしもはっきりしないというものもございますので、こういうふうな認定の手続を地方公共団体の方で進めていただいてございまして、一部もうすでに私どもの方に協議が上がってきたものがございますので、その他のものにつきましてもその手続を急がせるとともに、私どもの方でも早期に対処したいというふうに考えておりまして、結果といたしまして早く支給できるようにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  89. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 もう一点だけ伺っておきます。  というのは、国鉄東海道新幹線、雪が降るともうしょっちゅうおくれて定時に走らないという、特にことしは大変長い間大きな遅延をしておるというふうに承知をいたしております。私自身も、実は関西に行ったときに、帰りにひどい目に遭ったことがあるのでありますけれども、ことしはその状態はどうだったんですか。
  90. 石井康祐

    説明員(石井康祐君) 東海道・山陽新幹線の輸送障害状況についてお答えいたします。  まず、今冬の雪による運転休止本数でございますが、三十二本発生しております。  それから遅延状況でございますが、おくれの大きい二時間以上の列車本数を挙げてみますと、百三十八本ございました。  それから雪のために徐行運転を行った日数は、昨日現在までで延べ六十一日という状態でございます。
  91. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 六十一日というと、これ二カ月だな、二カ月。一年のうち二カ月、日本の一番の大動脈がそんな状態ではまことに困りますな。上越新幹線なんかはその何倍も雪降ったっておくれないんだから、これはどういうわけですか。
  92. 村上温

    説明員(村上温君) 先生御承知かと思いますが、東海道・山陽新幹線は、列車が走りますと、下から舞い上がってくる雪が車両の下にくっついて寸それが今度高速で走りましたときに落ちましてバラストをはね上げるということで、非常に危険であるということ、それから車両そのものが壊れてしまうということで、実は徐行を余儀なくされておるということでございまして、これにつきましては、スプリンクラーで水をまいて雪を重たくして、なるべくはね上がらないようにというふうにしておりますが、まだ若干の徐行が必要ということであります。一方東北・上越新幹線は、ボイラーでお湯を沸かしましてかなりのお湯をかけておりますし、それから車両の方が壊れないようにボディーマウントと申しまして、覆いがしてございます。そういうことでおくれがほとんどないという状況であります。  私どもとしましては、東北・上越に近い姿に東海道もしたいわけでありますが、例えばお湯の量でいきますと、東海道でまいておる量の約十倍を上越ではまいておりますけれども、これは路盤が、上越新幹線では下がコンクリートのスラブで、橋が多いということですが、東海道はつくりましたときに全部盛り土でございまして、それだけの水をかけますと崩れてしまうというようなこと。それから軌道の構造が道床式といいますか、砂利で盛ってありますので、雪が仮に落ちましたときにはね返る。上越ではそれがないということ。もし上越新幹線並みにするとしますと、かなりの費用と期間を要するということで頭を痛めておるところでございますが、上越の経験も生かしまして、なるべく一歩でも二歩でも改良いたしたいということで考えておるところでございます。
  93. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 そうすると、はっきり言うと路床が土だからやれないんだと。それから車体も若干悪いと言っていました。一番の大きなのは路床ですな。
  94. 村上温

    説明員(村上温君) そうです。
  95. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 それじゃ、あれ、いつも関ケ原の付近ですわな。
  96. 村上温

    説明員(村上温君) はい。
  97. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 あれはずっとルートを変えるわけにはいかないのか。
  98. 村上温

    説明員(村上温君) ルートを変えることも全く検討しないわけではありませんが、現在米原へどうしても停車するということになっておりまして、米原へとまってルート変更をするということになりますとそれほどの効果はありませんし、それからトンネルを掘るのにはやはり最低五年ぐらい、前後の用地買収等を考えますと、やはり十年近い時間がかかると思いますので、これは非常に難しいと実は考えておるところでございます。
  99. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 結局あなた方の答弁を聞いていると、何にもできないということだな、これ。どうなのはっきりしたらいいじゃないの。
  100. 村上温

    説明員(村上温君) ですから……
  101. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 発言をするときは、委員長に求めて発言してください。
  102. 村上温

    説明員(村上温君) 失礼いたしました。  完全に上越並みにすぐにするということはかなり難しいと考えておりますが、少しでも近づけるようにしたいと思っております。
  103. 鈴木省吾

    ○鈴木省吾君 何と申しましても日本最大の動脈なんですから、私、時間なくなったからこれ以上あれしませんが、二カ月も不正常な運転なんて、そういう大動脈はないわけですから、ぜひひとつ、少しでもよくなるように努力していただくことを要望して私の質問は終わります。
  104. 浦田勝

    ○浦田勝君 一九七三年ごろから、異常気象が世界的に吹き荒れてきたのでありますけれども、最近になりまして非常に異常気象が多発いたしまして、局部的な集中豪雨とか、あるいはひょうが降るとか、あるいは集中的な豪雪になるとか、そういうのが出てまいりまして、予測がつかないというような形になってきておるわけであります。  今回は、新春早々から全国的に雪害が起こりまして、豪雪地帯におきましては今なお除排雪等々の作業をしておられるような実況下でもございます。  特にまた、先日の新聞にも、ごらんになった方もあろうかと思いますけれども、ニホンジカが数十頭も餓死をするというような状況の写真等が記載されておったわけであります。  特にまた、生鮮食料品が非常に市場に出なくなってしまった。輸送を阻害されてくるというようなこと等もございまして、国民生活に多大の被害を与えてきたわけであります。特に農林省におかれては保管の生鮮食品や、キャベツ、タマネギ二万五百トンを放出したほか、曲がりキュウリ等の並み品の生鮮食品の出荷奨励など、まことに異例の措置がとられたわけでありまして、降雪被害がいかに広範にわたり膨大なものであったかということがおわかりになるかと思うわけであります。  豪雪地方の除雪費用のほか、農林業における降雪被害は西日本地区にまで及びまして、特に西南暖地でありますところの熊本県におきましては、一月十八日午後より降り始めた雪は、一月十九日未明までに県中央部から県北部を中心に三十九年ぶりという驚異的な積雪を記録して、県下の農業用施設並びに農作物等に多大なる被害をもたらしたものであります。中でも全国一の面積を誇るビニールハウスの約四割が倒壊し、スイカ、メロン等を中心に、トマト、ハウスミカン、ナス、キュウリは出荷を前にいたしまして被害を受け、その面積は約千五百へクタールにも及んでおるのであります。被害総額が二百四十六億円に達しております。  農家並びに農協組織におきましては、この被害にあらゆる対策を講じ、被害を最小限にとどめるとともに、災害復旧に懸命の努力をいたしておるところであります。  農林省におかれても、一月十九日に九州農政局に降雪被害連絡会議をいち早く設置され、現地の調査指導のため係官を派遣のほか、施設、鋼管並びにビニールフィルム等修復資材の円滑なる供給を図るための適切な応急手配指導をいただき、県当局並びに農業団体におきましても深く感謝しておるところであります。  しかしながら、前途有望な生産意欲に燃えた農業後継者群が、農業改良資金を導入し、ビニールハウスを建設して、いよいよこれから本格的に農業経営に取り組もうとしておるやさき、また出荷を前にいたしましてハウスが積雪により倒壊し、後継者の夢は一朝にして打ち砕かれたわけであります。全くその挫折感は深刻なものがございまして、特に春の進学、入学を控えた親、生産者の苦悩というのは、これは大変なものであります。  特に、御婦人方が倒壊ハウスの中でトマトを一個二個と拾おうとするそのような姿を見ますときに、全くもう再生産ができないのじゃないかというふうな気持ちもいたしておるわけであります。そういう中で生活資金、進学資金をどうするのかというような実情を見ますときに、特に私どもとしてはこれに対してはできるだけ再生産ができるように配慮してあげなきゃいけないという気持ちでいっぱいであるわけであります。  特に、大半の農家が施設の大型化と規模の拡大のため多額の負債を抱え込んでおるわけであります。大変な負債を抱えながらやっておるわけでありますけれども、この単棟のビニールハウスの施設の復旧は、これも大変な御苦労が要るわけでありますけれども、大型の連棟になりますと、これは全く手がつけられない。しかも、皮肉なものでございまして、集団地域化をいたしております関係から隣接と全く密着をしておる。したがって倒壊をしたハウスをよそに移動するとか、撤去というのがまた非常にむずかしい。従来は春一番等起きまして倒壊をいたしましたならば、部落の総出でみんなが協力をしてやったというのが過去の例でありますけれども、今回の場合は一切それがままならぬ、したがってどこから手をつけていいのかというようなことでございまして、このようなことからいたしますと、極めて撤去作業等の経費、時間というものが非常に要るわけでありまして、負債の償還に事大きながら農地を手放すとかあるいは離農するとか、こういうようなことが派生しないとも限らないような、非常に皆さん方が力を落としているというのが実情でございます。  被災者が一刻も早く立ち直り、再生産をし、農業経営に取り組めるような政府の格段の御高配をお願いするものであります。  そこで、第一点といたしまして立ち直り資金についてでございます。  熊本県並びに市町村及び農業団体は、立ち直り資金として自作農維持資金、施設の再取得として農業近代化資金の融資と利子補給を決定いたしました。末端利子三%、利子補給期間四年間の貸し出しを計画しておりますが、自作農維持資金については全国的な要望も続出しておりますので、このような資金需要に見合う融資枠が確保できるのかどうか非常に懸念をいたしておりますので、この見通しについてお尋ねを申し上げたいと思うわけであります。  なお、御参考までに利子補給並びに農協組織の対応について申し上げますと、利子補給の割合は、二つの資金とも県が五〇%、市町村が二〇%、県農業団体三〇%となっており、さらに農協が末端利率三%のうちの〇・二五%利子補給を行っていく予定でありまして、最終的な末端利率は二・七五%になる運びであります。  また、農協組織におきましては、利子補給のほか、県連が一億五千万を拠出いたしまして、農協と県下の役職員の募金が二千九百万円、合わせまして一億七千九百万円を見舞い金として被災農家へ近日中に支給することにいたしておるわけであります。さらに、県連と単協の職員を動員いたしまして、先ほど申し上げましたような転倒ハウスの復旧作業の応援に当たらせて、早期復旧に全力を挙げ、特にまた改植等を行わせる、あるいは病害虫の予防措置を行わせるというようなことに今努めておるわけであります。  そのようなことで、県民、団体一丸となりまして災害復旧に取り組む姿勢を当局におかれましてお酌み取りいただき、資金融資の枠の確保が十分に行き届きますように、切にお願いを申し上げるところであります。  時間がないので引き続きの御質問でお尋ねをいたしますが、第二点といたしまして、農業改良資金、いわゆる農業後継者育成資金でございますが、導入者の被災対策についてお尋ねを申し上げたいと思うわけであります。  先ほども申し上げましたように、五十八年度に設定され、ビニールハウスを建設し、災害を受けた後継者は、たった一度の収穫の喜びも味わうことなく、来年度からいや応なしに償還が強いられることになります。しかも後継者は、認定条件どおり、経営主から独立した独立採算制であり、償還の見通しは立たない状況であります。特別な救済措置が考えられないものか、お尋ねを申し上げたいと思います。  第三といたしまして、林業関係でありますけれども、林業関係におきましても、先ほどどなたか御質問になっておりましたが、熊本県におきましては、特産品といたしましては、林業のほかにはシイタケ、生シイタケあるいはタケノコ、竹材とか、こういろいろあるわけでありますけれども、大変な被害も受けておりますが、特に立木の被害も極めて大きいわけであります。しかも、まだ残 雪がたまっておりまして、詳細には出ておりませんけれども、大体被害総額十一億近く出ておるわけでございます。そこで、特に山林の折損木の被害状況対策についてお尋ねを申し上げたいと思うわけであります。  私どもの日本の林業は、現在非常に輸入材に押されてやられておるわけでありまして、今大体輸入が七割程度になってしまったというようなことで、山林が今日におきましては間伐その他手が届かなくて、非常に荒廃の一路をたどっておるというのが実情でございます。そこで、町村有林はもちろん県、国有林におきましても植林、間伐がおろそかになりがちな今日、山林が国土の保全、環境自然保護、空気の浄化あるいは水源涵養林とかあるいは公益的機能を通じ、国民生活に重要な役割を持っておるわけでありますが、折損木の被害が熊本県のみならず、全国的に膨大な被害の面積になろうかと考えられますので、その状況と、また民、公有林を問わず植林のための手だてがあるのか、特に民有林に対する援助措置はないものか、お尋ねを申し上げる次第であります。  以上三点、お尋ね申し上げたいと思います。
  105. 田中宏尚

    政府委員田中宏尚君) ただいま御質問ありました三点でございますが、まず第一点の融資についてでございます。  先生御指摘のとおり、熊本県では未曾有の降雪でございまして、二百五十億近い施設園芸を中心とする被害が出ておるわけでございます。それに対応いたしまして、県なり農協なり、地元の熱意によりまして独自の立ち直り資金というものの手だてもやっているようでございますので、国といたしましても、いろいろ資金枠の事情等もございますけれども、被災者の救済につきましては遺漏のないよう、被害の実情に応じまして適切に対応さしていきたいと思っておるわけでございます。  それから第二番目の改良資金の中で、特に後継者育成資金につきましての償還問題でございますけれども、先の楽しみのある後継者の方々が、こういう災害でつぶれるということは非常に心苦しいことでございまして、制度上も改良資金法の第十条で、災害の場合の償還猶予というような規定がございますので、こういう法律の範囲内で実情に適した対応を十分にいたすように末端に対する指導をやってまいりたいと思っております。  それから、林業につきましても、一括してお答えいたしますが、林業の被害、全国的には現時点でまだ十八億程度しか我々としては把握できていないわけでございますけれども、これから融雪が進むに従いまして被害がさらにふえるというような見通しも若干出てきておるわけでございます。いずれにいたしましても、できるだけ早く林業関係被害を的確に把握するということがまず急務でございますので、林野庁が中心になりまして地元関係県と一緒になりまして早期把握というものに努めているわけでございます。被害状況をできるだけ早期に把握いたしまして、その被害の対応に応じまして造林補助事業でございますとかあるいは林業改良資金でございますとか、いろいろ補助なり融資なりという制度がございますので、こういういろんな手だてというものをきめ細やかに活用いたしまして、災害復旧に万全を期したいと思っているわけでございます。  特に熊本につきましては、被害額がかなり明らかになってきておりますし、それから造林木の折損被害ということも明らかになってきておりますので、先般専門家によります技術調査団というものも現地に派遣いたしまして、復旧造林につきましての指導に努めているところでございます。  一括いたしましてお答えいたしました。
  106. 浦田勝

    ○浦田勝君 私は、もう今回の災害が発生いたしましてから、農林省並びに通産省の皆さん方、本当に生産者の立場に立って非常にいち早く対応していただいたと。一番懸念をいたしておりましたのは、資材の高騰でありあるいは資材が円滑に入ってくるかどうか、あるいはビニールフィルムが入るか入らないか、そういうことと、もう一つはやっぱり先ほど申し上げましたように、生産者が本当にやるぞという意欲をかき立てなきゃならぬ、立ち直らせなきゃいけないんだと。挫折感だけ持たせて、危機感だけができちゃどうにもならぬので、そういう面では県の方も思い切ったことをやりまして、そういうことで、挙げて末端組織まで利子補給を四年間していこうじゃないか、近代化資金についても、またそれさらに延ばしてもいいんだというふうな勢いで今おるわけでございます。まあ微々たる金額でありますけれども、我々が呼びかけまして、連合会の方と一緒になって見舞い金、立ち直り金を生産者に配付していこうというわけであります。  そういうことで、滑り出しは非常によかったわけでありますが、先ほど非常に御理解をいただき、熊本県の実情に対しての御認識をいただいておりますので深く感謝申し上げる次第でありますが、さらにもう一段ひとつ、後継者が昨年だけでたった百七十四名ぐらいしかおりません。非常な貴重な掌中の玉のような後継者が、本当にやるということをひとつがき立てていただくと同時に、施設園芸をやっているのは大体が中核農家でございまして、非常に日本一のトマト、日本一のスイカ、日本一のメロンと、こういうことで、また日本一のミカンを目指しながらみんなやっておるわけであります。そういうことで、果菜類におきましては熊本県の場合は他県よりか非常に高い収入、生産ということを言っておったわけでありますが、今後ひとつ、このような災害契機として一生懸命頑張っていかなきゃならぬというふうに思っているわけであります。  特にまた、林業の件につきましても非常にこれは大事だと思うわけであります。最近の山林の荒廃、本当に目も覆いたくなるような実情下でございまして、先般災害地を回りましたときにもやはり、これは何も熊本だけでなくて他県におきましても、特に我が党の偉い方の地元なんかでも、何だ、この山は、というぐらいまさに放置してある山が随分ございまして、濃淡の差があるなと思いましたけれども、熊本県の場合も非常にやってはおるんですけれどもどうも後継者が定着をしないというようなこともございます。災害契機として、さらにまたこの林業に対する取り組み、姿勢というのが、これもまた非常に崩れてくるのではなかろうかというふうに懸念をいたしておるわけであります。  今世界的にも非常に木材の自給というのが見直され、そして今までのようなことではいかないようになってくる時代に入ったと。したがって、今までのように洪水のように外材が入ってくるということは今後は予測をされないわけであります。ましてや、先ほども申し上げましたように、治山治水のためからも、あるいは本当に国民の健康を守るために、あるいは水を確保するために、あるいは空気の清浄化フィルターとなるためにも、この林業の生産を活発にさせながら活力のある山村づくりのために私有、公有、国有、いろいろなものを含めて林業振興のために弾力的に林政活動推進を切にさらに一層お願い申し上げまして、ちょうど時間前でございまして、以上でもって私の質問並びに御礼の言葉にかえさしていただきまして、さらに御指導賜りますよう重ねてお願いする次第であります。
  107. 太田淳夫

    太田淳夫君 それでは公明党を代表して質問させていただきますが、午前中から同僚委員からもいろいろ質疑がございましたが、それと多少重複する点があろうかと思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。  最初に、午前中に今回の豪雪災害についての御報告がございましたけれども、今回のこの豪雪につきまして、多少例年と違う特徴的なことがあるんじゃないかと思うんですが、その点どのようにとらえておみえになりますか。
  108. 田中暁

    政府委員田中暁君) 例えば五十六年の豪雪と比べて今回の豪雪の特徴と申し上げますと、一つは降り始めの時期が非常に、例年より一週間ないし三週間ぐらい早かった。したがいまして除雪をしなければならない期間が平年より非常に長かったということが第一の特徴かと思います。  それから降雪量自身も五十六年度豪雪に近いと言いますか、豪雪並みと申しますか、それくらいの非常に多い異常な量であったということでございます。  また、五十六年豪雪時は、冬の前半にどか雪がございまして、それで非常に大きな被害が出たわけでございますが、今回の豪雪は降り方が比較的いわばだらだらと断続的に降り続いてきたと。したがいまして、余り急激な被害の出方はしておりませんけれども、逆に除排雪の回数等は非常に多く要しまして、除雪費用が非常にかかったというようなことがございます。  また、非常に寒気が厳しゅうございまして、真冬日が非常に多かったというようなことがございます。例えば流雪溝等が寒さのために凍りついてしまう、こういうようなことで排雪に手間がかかった。こういうようなことが特徴ではないかと考えております。
  109. 太田淳夫

    太田淳夫君 今お話がありましたように、私どももせんだって党の方で視察あるいは災害地のお見舞い等に参ってきたわけでございますけれども、例年と違う特徴を持った降雪でございまして、断続的に降るし、そして寒気が厳しくて凍ってしまう、まだ根雪も解けていないという状況のところもございますし、したがって、雪崩の事故も多かったし、これからまだ雪崩の事故が心配されているわけですね。被害状況等もこのようにお聞きしておりますけれども、中里村の雪崩による五人の亡くなられた方を含めまして、六十九人の方がお亡くなりになってみえるわけですね。最初に私どもも、この犠牲になられて亡くなられた方々の御冥福をお祈りしたいと思うんです。  屋根の雪おろし中に転落をされて亡くなった方、あるいはそういった流雪溝等に落ちて亡くなられた方、こういう方もおみえになるわけですけれども、これは十日町でございましたか、私どもがお邪魔したときにその事故のこともお聞きしたわけですけれども、屋根の雪おろしをしているうちに足を滑らして亡くなられた方がお二人みえるわけですね。このお二人とも七十一歳、七十二歳という高齢の方なんですね。また、小千谷市に参りましたらば、いろいろと除排雪をやっておりました。そういう除排雪に従事されている方も、町内の高齢の方とかあるいは婦人の方がそういうお仕事に従事をされているということでございまして、そういった点考えますと、やはりこの豪雪というものは、そういう立場の弱い方々に大変な御負担をかけているんじゃないか、こういうことも私たち思うわけでございます。  先ほど大臣からもいろいろと今後の災害についての決意あふれるお言葉もいただきましたので、それ相応の対策も今後講じていただけるものと私たちも確信いたしているわけでございますが、どうか、そういった点で、最初に、せんだって私どもが緊急対策及び恒久対策として大臣に申し入れをいたしましたけれども、その中から何点か、それから地元から陳情をいただきました点についていろいろと御要望を申し上げたいと、このように思うわけでございます。  最初に、私ども党として申し入れをいたしましたことは、今冬の豪雪被害というものが、そのように例年にないぐらいのいろいろな問題点があるということでございますし、また、ここにありますけれども、太平洋側での大雪が数回あったということでございますように、あるいは今お話しのように、南の熊本県でもこれは相当な被害を与えている、あるいは山陰地方もそうでございますが、四国までその範囲が及んでいるということでございますので、そういう広範囲あるいは大規模という点から見ましても、これは被害の額が決まりましたらば、激甚災害特別法に基づきまして激甚災害の指定措置を速やかに講じていただきたい、こう思うわけでございますが、大臣いかがでございましょうか。
  110. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 熊本の被害については、今農林省の方から報告がありましたが、あらゆる制度を活用しまして、恐らく激甚災害に等しい対策をやっておるものと私は受けとめております。  その他の激甚指定の問題でありますが、いかにせん、まだ雪が積もっておりまして、解けてみないと、果たしてその被害状況が掌握できない、そういうような意味から、雪解けというか、雪が消えるのを待って、激甚指定の適用が可能ならばこれは急いで激甚指定にしなきゃならぬと。しかしながらそれまでには、今申し上げたように、農林災害については農林省が、その他の災害については各省庁がそれに見合うような形でやっておるということを御報告を申し上げておきます。
  111. 太田淳夫

    太田淳夫君 それから第二点目に、せんだって御要望申し上げましたことは、同僚の委員からも先ほどいろいろと質疑等がございましたけれども、やはり、この豪雪による災害の復旧あるいは除雪作業の経費、これは多額の財政負担も必要とするわけでございますし、特別交付税の増額配分措置について特別な配慮をしてもらいたいということが市町村からの要望としてほとんど出されているわけでございますが、その点に対する自治省のお考えをお聞きしたいと思います。
  112. 二橋正弘

    説明員(二橋正弘君) 除排雪に要します特別交付税につきましては、現在算定の作業を行っておりますが、先ほどお答えをいたしましたように、特別交付税の総額が法律で定まっておりますが、これが五十七年度に比べまして約三百億総額が減っておるというような状況にございまして、その他いろんな災害がことしございましたので、そういう状況等から考えますと特別交付税の算定はおのずから限界があると思いますが、私どもといたしましては、地方公共団体から所要経費についての報告をいただいておりまして、普通交付税で既に措置をいたしました額を上回った団体につきまして、それらの額を勘案しながら適切な配分をしたいというふうに考えております。
  113. 太田淳夫

    太田淳夫君 それから、あとはやはり財政のいろんな負担が地元ではふえておりますので、予備費の流用等による国庫補助金の増額配分措置についての要望もここに出されているわけですね。これについては私ども要望いたしましたけれども、その点について再度また大臣の決意をお願いしたいと思います。
  114. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) この前、公明党から党としての御要望をちょうだいしております。その中で特に財源問題を強く要望されておったと思います。  そういう意味から、先ほど来もお答えを申し上げたように、全く近々、本当の近々です、もう各党の意見も大体お聞きしておりますし、各党の調査も大体一致するところもございますし、また、各省庁の集約も大体できておりますので、全く近々御報告をすることができると思います。
  115. 太田淳夫

    太田淳夫君 次に、国鉄の問題につきましては、先ほど鈴木委員の方からも質問がありましたように、何となくはっきりしないんですが、ことしはもうこれで雪害はないと思うんですけれども、いろいろな対策を講じられても、また来年同じようなことを繰り返しては、これはどうにもなりませんが、その点はどうでしょうか、来年はもう大丈夫なような対策が立てられますか、来年、次のですな。
  116. 村上温

    説明員(村上温君) 先ほど鈴木先生の方から御質問のありましたときにお答えいたしましたが、東海道新幹線は、路盤とかあるいは道床の構造、車両の構造にも多々問題がございまして、今から上越の例等を見まして勉強いたしまして、改良に努めてまいるわけですが、全く上越並みということにはなかなかならないと思いますが、ことしよりは少しでも改善したいというふうに考えております。
  117. 太田淳夫

    太田淳夫君 それでは、あとはちょっと細かくなりますけれども、私ども、各災害地をいろいろと党で視察しましたときに御要望をいただきました点について、その対策等について質問さしていただきたいと思うんです。  先ほどからも、体育館の問題、雪崩による被害等の話が出ておりましたけれども、先ほどのお話の中では、鉄筋化率がもう大部分になっているので被害というものは少ないということのお話がありましたけれども、そういう豪雪地帯におきましての体育館というのは非常な重要な役割を果たすわけでございますし、当然、冬の降雪期間中はほとんど屋外の運動場は使えませんですから、どうしても屋内の体育館に頼らざるを得ない。そこでいろいろと要望があるわけですけれども、体育館の建設等に対する基準面積の拡大とか、あるいは補助単価の引き上げをしてもらいたいという要望が非常に多いんですが、その点どうでしょうか。
  118. 逸見博昌

    説明員(逸見博昌君) 豪雪地帯等につきましては、先生御指摘のとおり、冬期間は屋外運動場の使用が制限されます。ということで、私どもいろいろと豪雪地帯等の屋体基準面積についてこれまで配慮してきております。例えば昭和五十二年、五十七年両年度にわたりまして、一度に二学級以上のクラスの子供たちが授業ができるように、そういった基準面積に少なくともしていこうというようなことで、五十二、五十七年両年度にかけましてそういった基準面積の改善を図っております。  現在では基準面積につきまして申しますと、例えば十学級規模の小学校では一般地に比べまして四四%増、それから中学校につきまして五〇%の増、こういった状況になっております。したがいまして、古い建物はいざ知らず、最近どんどんと建てられておりますものにつきましては、これぐらい普通地よりも大きな規模のものが豪雪地帯等には建てられているはずでございます。  それから、補助単価の面につきましても、豪雪地帯では、例えば鉄骨量を増大する必要がある、あるいは窓を二重にする必要があるというようなことから、一般地に比べまして一〇%程度高い補助単価をつけておる。こういったことで運用しているのが実態でございます。
  119. 太田淳夫

    太田淳夫君 次に建設省にあれですけれども、私ども行きました地域では、やはり生活道路あるいは屋根雪の排除のために流雪溝の活用が非常に効果を上げているわけですね。  この流雪溝のいろいろな特徴等がございますけれども、雪捨て場の問題であるとか、あるいは雪を運搬する排雪の問題であるとか、そういった問題が解消されまして、あるいは維持費が安くできるとか側溝の利用も可能であるとか、そういう長所がある反面、いろいろな問題点もあるわけですね。特に水量不足による計画的な流雪が困難であるとか、転落事故の防止をする必要があるとか、そういう問題があるんですけれども、流雪溝をこれからも進めていきたいという方向であるわけです。  その中で、ある市、これは十日町でございましたけれども、その水量不足を解消するために取水施設ですか、の整備計画を作成しているんですけれども、それが予算の補助対象になっていないために、計画は一期二期と立てているわけでございますけれども、その計画の遂行は非常に困難であるという状況にあるんですが、これらの関連施設の補助対象拡大を図ってもらいたいという要望があるんですが、その点どうでしょうか。
  120. 和田惇

    説明員(和田惇君) 流雪溝でございますけれども、適当な勾配がありまして、また水が確保されますと大変有効な排雪施設になっておるわけでございます。  建設省では、凍雪害防止事業というのがございますけれども、その中でこの流雪溝を取り上げておりまして、重点的に整備を進めておるわけでございます。流雪溝は地元から大変要望が強いんでございまして、そういう関係で、できるだけ多くの地域で設置延長をできるだけ延ばすというようなことをやってまいってきております。ちなみに、五十八年度の予算で見ますと、二十三億円の予算でございますけれども、二十九キロの整備を行っておるわけでございます。  取水施設につきましては、ある範囲の中で現在補助の対象にいたしております。だけど、予算の制約もありますので、今後とも流雪溝の整備促進するという観点から、地元の状況等を十分勘案して対処してまいりたいと、かように考えております。
  121. 太田淳夫

    太田淳夫君 特に十日町あるいは川西町の場合ですと、水利権の問題があるというんですけれども、その問題については何か聞いておりますか。
  122. 青木保之

    説明員(青木保之君) 十日町の水利権の問題について、直接私承知しているわけではございませんが、一般的にお答え申し上げますが、流雪溝につきましては、用水が使用されました後河川に還元されるように設計されているのが一般でございます。このようなものの水の使用につきましては、取水されました地点からその水が還元されてくる地点までの間の他の利水の問題とか、流水の正常な機能の維持といったような問題がございますので、そういった問題に支障がないというふうに判断されましたときには、一般的に水利使用の許可を行っているという状況でございます。取水地点に十分な流量がない場合につきましては、その用水の取水についての水利権の使用に当たりまして、ダム等に水源を求めていただくという必要が生ずるものでございます。  以上のような事情を踏まえまして、流雪溝の用水の問題に適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  123. 太田淳夫

    太田淳夫君 これも川西町の問題ですけれども、町道の消雪パイプの敷設の拡大と、あるいは国県道における老朽消雪パイプですか、この更新の要望があったわけですけれども、これは特に使用してない夏場ですね、これにおける損耗が非常に多いということですけれども、特に今回の場合は五十六年よりも不能のパイプが多かったということでございますけれども、建設省ではどのように対応されますか。
  124. 和田惇

    説明員(和田惇君) 消雪パイプの件でございますけれども、経済性であるとかいろんな諸条件があるわけでございますが、冬期間の交通確保に大変大きな効果を発揮しているものでございます。  市町村道の消雪パイプの整備につきましては、雪寒五カ年計画というものがございまして、その中の防雪事業という中でその事業の促進を図っているわけでございます。市町村道に対します消雪パイプの設置要望は非常に高いんでございまして、ところがまだ多くの事業量が残ってございます。そういうことで設置延長の延伸を積極的に図るということの方針でやっておるわけでございまして、五十九年度につきましては約二十一キロの設置を図る予定でございます。  国県道の消雪パイプについても同様でございますけれども、かなりまだ残事業がございます。当面緊急性の高い箇所から重点的に整備を図っているわけでございます。  それから、老朽化の問題でございますけれども、従来当該道路管理者が維持管理の一環として対処していくというものでございますけれども、この対応につきましては今後の検討課題の一つであるというように考えております。
  125. 太田淳夫

    太田淳夫君 次に、自治省にちょっとお尋ねしますけれども、十日町では、最近高床式木造三階建て家屋というのがだんだんと普及をしてきているわけですが、これ五十八年ですと百五十二軒のうち百九軒までが木造三階建てということで、七二%を占めているわけですが、これの、三階建て家屋にしますと、一つは建築のコストが高くなる問題があろうかと思いますが、二点目には積雪寒冷補正の特別措置がないということが問題になっていました。  それから、床面積が非木造部分まで床面積に入れられるものですから、百六十五平米を超えてしまうということで、固定資産税あるいは不動産取得税の特例の問題が要望されているわけですけれども、自治省としてどのように考えますか。
  126. 鶴岡啓一

    説明員(鶴岡啓一君) 高床式の住宅に対する固定資産税の関係についてお答え申し上げます。  まず、最初の固定資産税の評価の問題でございますけれど、従来から積雪寒冷地域におきます住宅につきましては、通常の地域よりもやはり積雪寒冷の影響が大きいということで、損耗の程度が高いということで、評価に当たりまして、それぞれ私どもが実態調査をした結果を踏まえまして、一定の率で減価を行うように措置してきたところでございます。これは主として木造についてやってきまして、その後軽量鉄骨づくり、あるいはれんがづくり、コンクリートブロックづくりのものについても、積雪寒冷による減耗の程度というのはやはり通常の地域と違うんだというような要望もありまして、私どもも調査もしました結果、こちらにつきましても、昭和四十八年度から固定資産税の評価において五%までの減価を行うというようなことで、そういうような形で既に対処しているところでございます。したがいまして、高床式の家屋の下の部分が非木造で、あるいはコンクリートブロック等でつくってあるということになれば、それはそれなりの減価をするという形で対処しているところでございます。  それから、新築住宅等の固定資産税あるいは不動産取得税の軽減との関連でございますけれど、これにつきましては、まず下部構造につきまして、例えば二万が開放されているような場合で、基本的に家屋として見るのには無理があるという場合については、それは家屋の基礎部分だということで取り扱うように指導しているところであります。  ただ、現実の場合に、三万がきちっとふさがれておりまして、正面にシャッターがあり、その中でもあるいは車庫、あるいは倉庫等で使っていても、全体として一つの家屋であるという場合につきましては、これはやはり私どもの固定資産税の取り扱い上は、家屋として全体の床面積で取り扱わざるを得ないというふうに考えております。  ただ、従来新築住宅の軽減の措置につきましては、昭和五十五年度までは百平方メートルまでの家屋についてやるということでございましたけれど、いろいろな、これは何もこういうケースばかりではなくて、百平方メートルという基準では少し厳しいんではないかという御指摘もありまして、昭和五十六年度から百六十五平米までの家屋につきましてはそれを軽減の対象にする。ただ、軽減するものは、地方財政の状況も厳しいというようなこともございまして、従来どおり百平方メートルまでの部分の税額についてやるということで措置しておりまして、これをそれ以上拡大するということは極めて困難だというふうに考えております。
  127. 太田淳夫

    太田淳夫君 今、極めて困難ということでございますけれども、今後どうしても生活上から考えましても、この地域ではこういう建築が普及してくると思いますので、また研究していただきたいと思います。  次に、時間がありませんので農林関係に参ります。  豪雪のために雪解けがおくれる可能性がありまして、非常にこれは心配されているわけですけれども、昭和五十六年の春の作付につきましても、これは消雪剤を散布して植えつけを間に合わせてきたわけです。ことしはそれをさらにしのぐ可能性があるということでございますけれども、そういった点で、農林省としての春耕対策樹立についてどのように考えてみえますか。
  128. 田中宏尚

    政府委員田中宏尚君) これからの融雪状況は、待ってみませんとどうなるか定かではございませんけれども、このままの気象条件ということが進みますと、恐らく水稲の育苗なりあるいは移植時期、こういうものが遅延するということが現段階でも懸念されているわけでございます。  そういう中で、既にこれから春なりそれから夏なりの作付の技術についての一般的な指導を毎年、今も出しているわけでございますけれども、その中におきましても、そういう融雪対策といたしまして融雪促進剤の散布なりあるいは排水対策実施、こういうものについての技術指導を十分行うようにというようなことを都道府県に対しまして指導いたしまして、円滑な春耕の推進ということに万全を期したいというふうに考えておるわけでございます。
  129. 太田淳夫

    太田淳夫君 先ほどから申し上げているように、ことしは異常な寒波と降雪で野菜の市況というのは非常に高値が続いてきたわけですけれども、農林省としまして三月一日からこの高値対策として並み級野菜の出荷促進実施するようですけれども、これでどの程度市況が冷えると考えてみえるのか、あるいはこういう大都市圏ばかりじゃなくて、そういう豪雪地帯の対策についてもやはり十分考える必要があるんじゃないかと思うんですが、その点どのようにお考えでございますか。
  130. 田中宏尚

    政府委員田中宏尚君) ただいま御指摘ありました事業は、野菜の一般の規格に適合しないというようなことで、通常の条件のもとでは市場に流通しないいわゆる並み級野菜と、こういうものにつきまして、運賃なり包装費の一部というものを助成して市場に出すということでございまして、京浜それから中京、京阪神という大消費地における野菜の出荷量を五%程度ふやすということを目途といたしまして行っている事業でございます。  この事業の結果といたしまして、全体として流通量がふえる。それでしかも、規格品の三割から四割安い野菜が供給されるということで、全体的な野菜価格の引き下げというものにはかなり寄与し得るものと考えておりますし、それから過去に同様の事業を行いました際にも、五%の出荷量の増に伴いまして五%程度の価格のダウンということを実現した経験もありますので、恐らく今回もそういうような効果というものは期待できるんじゃないかと思っているわけでございます。  ただこの事業は、こういう大消費地というものに対しまして供給して、そこでの価格を安定させて、それが全国的に波及効果を持たせるということをねらいとしておりまして、今御提案ありましたような豪雪地帯ということには適用になっていないわけでございますけれども、こういう事業の性格からいいまして、直ちに適用できるかどうか、いろいろ性格上難しい問題はございますけれども、今後の問題として検討させていただきたいと思っております。
  131. 太田淳夫

    太田淳夫君 それから、先ほど同僚委員からも山林の被害についての提案がございましたけれども、我が党もいろいろと山陰地方につきまして林業の被害状況についての実勢調査を行ってまいりました。新潟県でも、融雪後の惨状を見てもらいたいという、そういう声もございました。林野庁では現在の状況を、先ほど十八億円というお話があったわけでございますけれども、これから融雪となりますと相当な被害が出てくるんじゃないかと思うんですね。その点に対する対策をまた十分お考え願いたいと思います。  また、山口県の方で調査いたしましたところ、山口県の錦町ですか、あの地域ではせっかく造林をしたところが雪のために相当な惨状を呈しているわけです。特に、林家のほとんどが森林国営保険とかあるいは森林共済保険ですか、そういうものに加入をしていない、そういう状況なものですから、再建が非常に厳しいんじゃないかという声が多いわけですね。これから雪起こしとかあるいは補植をするわけでございますけれども、国や県で助成措置をしてもらいたいという声が非常に多かったわけですが、その点について林野庁としてあるいは県等ともまたよく相談をしていただいて対応していただきたいと思いますが、この点いかがでございましょうか。
  132. 依田和夫

    説明員(依田和夫君) 今冬の豪雪におきます森林被害状況と復旧の対策の考え方はどうかというお尋ねでございますが、まず森林の被害状況でございますけれども、先ほども浦田先生の方からも御質問がございましたけれども、熊本県のような南部の地域におきましては既に融雪が行われておりますので、私ども被害状況をほぼ押さえておりますけれども、北陸地域とか先生御指摘の山陰の地域、このようなところにつきましては、その大半がまだ雪に埋もれておるという実態にございます。私どもといたしましては、都道府県の協力を得ながら、現在鋭意その実態の把握調査推進しておるわけでございます。この調査を急いで進めました結果、被害の実情がわかり次第、私ども既に造林の補助事業とかまたは林業改善資金といったような低利資金の融資制度もございますの で、このような既存の制度をきめ細かく活用いたしまして復旧対策に万全を期したいと、このように考えている次第でございます。
  133. 太田淳夫

    太田淳夫君 後段の方は、後の方は。よく町と相談してもらえますね、県とも。
  134. 依田和夫

    説明員(依田和夫君) 私どもとしましては、関係府県と十分相談をいたしまして、また関係省庁とも十分協議をいたしまして、万全を期してまいりたいと、このように考えている次第でございます。
  135. 原田立

    ○原田立君 大臣、激甚災害指定は今度の五九災害に適用されるものと思いますけれども、お考えだけをまずお聞きしたい。
  136. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 激甚災害の指定でありますが、いかにせん、まだ被害の全容がつかみ切れないわけです、現在のところでは。  先ほど申し上げましたように、熊本県のような施設等々の問題については、それは目に見えるわけですから、そこで農林省としてはあらゆる制度金融によって、低利あるいは長期の金融によって激甚指定並みの私はこれで対応しておると、こういうように思っているわけです。ただ全体の問題については、いかにせん、まだ雪がありまして、全容はつかめない。そういう意味で、これがっかめ次第、やはり激甚指定としてのその被害に達するかどうか、こういったことを検討いたしまして、もうできるだけ早くその処置をとってまいりたい、こういうように思っています。
  137. 原田立

    ○原田立君 今東北、信越はみんな雪の下にある、これは当然のこと。おかげさんで九州の方は雪が大分消えましたけれども。  それでこの融雪後、すなわち三月、四月、五月、融雪後ですね、そのときには、ある地域ではばかっとやられているところがあるだろうし、あるいはあるところではこれはもう薄くなっている場合もあるだろうし、そういう場合には局地激甚災害、当然やっていただけるものと、こう思うんですけれどもいかがですか。
  138. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) それは、当然地域的に被害が甚大であるとすれば、局部的に激甚地指定のそれと同じような形でやはり対応する必要がある、こういうふうに考えています。
  139. 原田立

    ○原田立君 ちょっと大臣の言い方微妙だからね。ある時期に来て、それはもうそんなのはだめですよだなんてなると困るから今念押ししているだけだ、再度——大臣に聞いているんです。
  140. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 今、ちょっと歯切れの悪い返事を申し上げたんですが、当然その基準に達すればこれは指定をいたします。
  141. 原田立

    ○原田立君 消防庁の方で調べてもらって、三月六日十七時現在で資料をもらっているんでありますけれども、その中の非住家——非住家というのは納屋とか鶏舎とか豚舎とかあるいはビニールハウスとか、これは当然含まれるんだろうと思うんですが、どうですか。どうぞ答えられるところでやってください。
  142. 清野圭造

    説明員(清野圭造君) 私どもの方で調べました被害状況でございますが、今おっしゃったようなものは当然非住家に含まれるわけでございます。
  143. 原田立

    ○原田立君 それで、一カ月前にもらった資料と六日現在ので見てみますと、福井が百三十三棟、京都が二百四十七棟、それから岡山四十五棟、熊本四十六棟、合計八百十九棟、こういうデータをもらったんだけれども、きょうもらった三月八日現在のこれには非住家被害は千三十九棟と、こうなっている。非常に数字がどれを見てもあいまいな数字なんだけれども、これをもっとはっきりしてもらいたいということと、一カ月前に熊本はやっぱり四十六棟だと、一カ月後になった今でもまだ四十六棟だと、それは少しおかしいんじゃないか、こう思うんだがその点はいかがですか。  それから県の東京事務所の方に少し資料見せろと言って聞いたのでは、もう全然数が違うのですね。共同利用施設、非共同利用施設、地方公共団体施設合計件数一万九千八百四十四件、こういう数字のものを僕は資料としてもらっているのだけれども、どこもかしこもみんな数字が食い違っているのですけれども、どういうことですか。
  144. 清野圭造

    説明員(清野圭造君) その数字は、結局市町村から都道府県を経まして、都道府県の防災会議というところで一応横の連絡なり調整をしたものが、私どもの方へその日現在で上がってくるわけでございます。したがいまして、速報という性格を持っておりますので、内容の一々について私どもの方でチェックをするという余裕ももちろんございませんし、それからもう一つは時点の違いというものもございまして、そのときどきで数字があるいは動くということもあり得ようかと思います。だんだん災害状況といいましょうか、状況が落ちついてまいった時点で、私どもとしまして確定報といいますか、確報をとるということにいたしておりますので、その時点ではっきりした数字が申し上げられるというものでございます。
  145. 原田立

    ○原田立君 まあ納得しがたい返事だけれども、時間がないから先へ進みます。  施設関係被害が三百六十四億というふうに豪雪対策本部から公表されておりますが、農作物等は百二十四億、営農用施設は二百二十二億、林業関係が十八億。そうすると、いわゆる営農用施設が全体の約六一%にもなっている。これは明らかに、先ほど自民党の先生から話があったように、いわゆるビニールハウスの損害が非常に大きい。  それで時間があったら聞きたいと思ったんだが、この二百二十二億円のうちの約七割余が熊本県。こうなると、このビニールハウス利用の生産農家のこの対応によっては意欲を非常にそぐことになる。ましてや借金を抱えて、そしてどっと本格的にやりかけた。そうしたら今度の雪だ。非常に気の毒の至りなんだ。だから何か現地の人たちは、もう一時は全部田畑なんかみんな売っちゃって離農しようかとまでも思ったけれども、まあまあ待てと考え直してまたやり直しているという話を聞きました。非常に大切なことだと思っているわけなんでありますけれども、確かに東北の雪も大変です。だけども、こういう熊本みたいなところで三十九年ぶりの雪なんだ。無防備状態のところですよ。そこで起きた災害に対して余り軽い手当てをされたんでは困るわけです。手厚い対策を立て、生産農家の人たちが立ち上がれるように十分な対処をしてもらいたい。
  146. 田中宏尚

    政府委員田中宏尚君) ただいま御指摘ありましたように、全体で二百二十二億の施設被害のうち、百五十数億というのが熊本県ということで、熊本が一番激甚な被害を負っているわけでございます。それでこれにつきましては、いろいろ農林省の場合には低利長期の融資制度というものを持っておりまして、農林公庫の主務大臣の指定施設資金でございますとかあるいは自作農資金、こういう資金をフルに活用いたしまして、営農の継続なり再起が円滑に図れるように被害の実情に応じまして適切に対応してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  147. 原田立

    ○原田立君 ちょっともう一つ済みません。天災融資法の適用になりますか。
  148. 田中宏尚

    政府委員田中宏尚君) 被害状況は、全国的に今回の豪雪に伴う被害状況が把握されませんと、発動できるかどうかということがまだわかりませんけれども、ただ天災融資法の場合には、農作物被害というものが主になっているわけでございますが、今回の被害の大方というものは営農施設というものが多いわけでございますので、こういうものにつきましては、先ほどお話ししましたように、主務大臣指定施設資金というような別途の制度等がございますので、そういうものでまずは応急に対応して、遺漏のないようにやっていきたいというふうに考えているわけでございます。
  149. 原田立

    ○原田立君 園芸施設共済ありますね。この加入状況をちょっと調べてみたらば、熊本県は一九%なんですね。私の近所の福岡は三・八%だというし、和歌山は一・五%だというし、秋田県は八十何%の加入率だと。これは非常にアンバランスですね。これはアンバランスでいいとは農林省は考えていないんだろうと思うが、お互いに共存共栄のために全国の皆さん入って、きちっとした充実したものにした方がいいんじゃないかなあと僕は思うんだが、特に南の方で、今度特に被害のあった熊本の一九%の加入、ちょっともう少し入っていたならばよかったんじゃないのかなあというふうなことを思うんですが、これの今後の取り扱いについていかがですか。
  150. 田中宏尚

    政府委員田中宏尚君) 先生御指摘のとおり、非常に加入率についてはばらつきがございまして、全国平均で二九%程度でございますけれども、低いのは一〇%を切り、高いのは八〇%をいっている。それから、九州の中でも四〇%を超している県が三県、それから七〇%をいっている県ということで、非常にばらつきがあるわけでございます。せっかくのこういう共済で、何といいましてもその母数がたくさんあるということが共済制度としての安定ということにつながりますので、ぜひ加入の促進をいたしたいということで、国と県とそれから団体が一丸となって農家向けのパンフレットの作成、配布でございますとか、あるいは説明会の開催でございますとか、それから座談会へ出かけていきまして共済制度の趣旨をPRするというような地道な努力を重ねているわけでございますけれども、今回の災害をまた経験といたしまして、なお一層加入の促進に努めてまいりたいと思っております。
  151. 下田京子

    ○下田京子君 最初に、ことしの豪雪雪害対策問題で、大臣先ほどから万全な対応をしたいと、こういう御答弁ございますが、実は私ども、政府が今度の豪雪対策本部が十日に設置されたと思うんですが、一日早く九日に設置いたしまして、各議員がそれぞれの地域を調査して、そうしまして十五日の日には国土庁長官、それから建設大臣、大蔵大臣に申し入れをいたしました。また、二月二十一日には文部大臣にも申し入れをいたしました。それからまた、それに先立ち二月の一日には、農業災害問題で、田中審議官、農水省の方に、とりわけ融資の問題で自作農維持資金の枠をもっとふやして対応しなさいということなども言ってまいりました。  私お尋ねしたいのは、長官が私たち申し入れに行ったときに、五六豪雪を下回らないようにやりたいと。それからもう一つ、さっきの御答弁にもありましたが、除雪費問題については万全の対応をしたいと、同時にこの際ひとつ新しいことを考えたいんだと、そういったことを申し入れの際にも述べられていたと記憶しております。  いわゆる除雪費についての地方道の特例だとか、あるいは国道等についての予備費充当だとかは近々日中にやるということですから、まああしたの閣議か来週の早い閣議かわかりませんが、出ると思いますが、その中身なんですけれどね、五六を下回らないというような状況でいくのか。  それともう一つ、何か新しいものをということで、この際お聞かせいただけるなら聞きたいと思うんですけれど。
  152. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) この前共産党の皆さんおいでになったときにお答えしたとおりでございます。五六を下回らない、これはなかなか特交によって補うことができないという、あの当時から判断をいたしておりまして、私が調査に現地に参りましてから、雪が異常である、降雪量の問題でなく、断続的に降り続いた、しかも厳寒の中であった、こういうような関係から除雪費が相当これはかさばっていくだろうと。同時に、やっぱり市町村道、これが大変困っておられるということを各地区から大変陳情を受けました。  私もまあ雪国でありますから、陳情を受ければもう自分の肌に触れ合うわけですから、そういう意味から五六を下回らない、つまり金額とかどうとかということでなく、内容によって下回らない、こういうことであります。金額ということになりますと、これはまああれですけれども、内容は下回らないということは、今先ほど来鈴木委員の質問にお答えをしたように、五六のそのときの例を必ず生かしていかなきゃならぬ、それはいつかと、全く近々のうちに御報告を申し上げることができると、こう申し上げたのであります。  それから新しい何か方法ですが、これは私は考えなきゃならぬと思っていますね。今度歩いてみて一番大きな市町村道の問題はやっぱり道路整備がおくれておる。例えばバイパスその他には何ら影響がないと言ってはおかしいですが、大変影響が薄かった、あるいは高速道路にしても影響は薄かったと。そうすればそういうところにおいて豪雪地帯にはやはりこれは新しいことを考えませんと、まあ夢を持って若い人たちが、いつも雪が降ってこれが邪魔で、やはり地域格差がより増大をするのか、これがやはり邪魔になって我々の過疎がより過疎になるのかということを、どうしてこれを少しでも変えていくかということには、何か豪雪地帯に新しいことを考えたぞと、何か新しいことをやるぞというふうな出発の年にしなければならぬなあと、そういうことでいろいろ模索をしているということであります。
  153. 下田京子

    ○下田京子君 いろいろ模索されているということで、ぜひこれは今から申し上げるのをその中に入れて具体的なお答えがいただけるようにお願いしたいわけなんですが。  市町村道路は生活道路です。それと相まって——これが大事ですが、それと相まって学校の問題あるいはその他保育所であるとか、老人ホームだとか、公共施設の問題、これは他の委員からもございました。これらに関しては三十八年に法制定がなされておりまして一定の対応もされているんですけれども、まあ文部省として一体このことについてどう対応されようとしているのか、簡単で結構でございます、今回の対応について御報告ください。
  154. 篠塚脩

    説明員(篠塚脩君) 学校施設の校舎等の除雪費につきましては、第一義的には地方交付税で一般的な財源措置がなされております。また……
  155. 下田京子

    ○下田京子君 それはわかっているの。あの制度はいいの。どうするか、時間ないから。
  156. 篠塚脩

    説明員(篠塚脩君) 今回の豪雪がかなり多うございまして、全国的な規模で既に豪雪除雪法というのがございます。公共施設除雪法の要件を達しておりますので、これを発動するべく現在各都道府県を通じて調査をしているところでございます。
  157. 下田京子

    ○下田京子君 三十八年のこの法律を発動して対応を今していると、こういうことですが、今までの実績を見ますと、三十八年に法律ができたけれども、施行令が四十年になっている。それじゃだめだということで、四十三年に一定の見直しをやりまして、四十三年には公共施設関係で、これは青森県と新潟県で合わせて七市町村が該当されていると思うんです。四十九年には新潟県守門村だけで、五十六年のときには新潟富山と二県二村のみだったと思うんですが、厚生省の方は同じような法体系の中でありますけれども、五六豪雪のときに対応を指示したけれども、実際にはもう県が対応しちゃって、県で手当てをしたという実績はゼロと聞いておるんですけれども、どうしてそのようになったというふうにお考えなのか、また今後何か方策があればお聞かせください。
  158. 近藤純五郎

    説明員近藤純五郎君) お答え申し上げます。  確かに御指摘のとおり実績といたしまして補助金を交付した実績はございません。まあこのことは該当の公共団体からのその費用が少額であったということから申請を遠慮されたということがあったかと思いますけれども、まあこういうことがないように私どもも今後指導してまいりたいというふうに考えております。
  159. 下田京子

    ○下田京子君 そこで大臣にお尋ねしたいんですけれど、実はこれ、三十八年に法律ができたときに、どういう法の趣旨であったかということで、当時の会議録ちょっと御紹介したいんですけれども、三八豪雪で、「本年一月北陸地方中心に発生した豪雪に際して、公共の施設の除雪事業に関し、地方公共団体において多額の費用を要したことにかんがみ、政府は、別途提案して御審議を願っております積雪寒冷地域における道路交通確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案により、道路除雪事業を一そう推進するとともに、道路以外の公共の施設の除雪事業についても、新たに国庫補助の道を開き、これによって地方公共団体の事業費負担の軽減に資」したい、こういうことで、できました。  ところが、同じこの法律ができた雪寒道路法の方は積雪量で見るんですね。ところが、この公共施設除雪法の方は平年時の除雪費用の一・五倍を超えたときというふうになっております。さらにそれを超えた分の額が、その年の標準税収入額の百分の一を超えたものとの合算額、そこまで到達しなければこの法は発動しません、見ませんよと、こういうことなんです。文部省厚生省もそこに問題があるということは承知しているはずです。  ただ、大臣の前ではそこまでは私は述べにくいんじゃないかと思いまして、今わざわざ御説明し、大臣は石川県です。私も五六豪雪のときに行ってまいりました白峰村の場合、どんななのかということで文部省に試算してもらいました。そうしますと、五十五年度の場合にこれは平年除雪費、白峰村は百八十九万六千円になる。その一・五倍にならなきゃならぬというのが一つの条件です。ですから、二百八十四万四千円、これが一つの条件。さらにこれを超えた額の標準税収額の百分の一。白峰村の五十五年の標準税収額というのは一億八千二百八万なんです。その百分の一ですから百八十二万です。つまり、もうここだけでいいですから、二百八十四万四千円プラス百八十二万円足したもの、四百六十六万円以上にならないとこの法は発動しないということです。これは法の趣旨に見てどうなんだろう。  さっき大臣が何か新しいことせにやならぬというお話ございました。雪は道路にも降ります、学校にも降ります、保育所にも、そしてまた幼稚園にも、老人ホームにも降るんです。しかもそういう保育所や学校がどんな状態なのか、私が改めて言うまでもないと思う。時間がないからもう私省きますから。  本当にそういうことでこの際これもぜひ基準がどうなのか、見直して対応ができるように、給食の車でさえ入れなくて、PTAの皆さん方が出て、もう大変な状態になっているということを考えて御答弁いただきたいと思います。文部省いいです、もう時間がないんだから。ひとつ決意だけでいいんです。政治的な御答弁だけでいいんです。
  160. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 大変きめの細かい御指摘でございますが、検討して対応したいと思います。
  161. 下田京子

    ○下田京子君 検討して対応と——検討したけれども、だめではなくて対応ということですから、何かこの際ということで、具体的に実効ある内容が報告されますことを重ねてお願いを申し上げたいと思います。  そこで、次に雪崩の問題なんですけれども、これも大変な状況でございまして、五六のときには新潟の守門村と湯之谷村で大惨事が発生したのは御存じだと思います。私も現地へ行ってまいりました。今回は、先ほどからお話しのように、同じように新潟の中里村でまた雪崩による犠牲が出ました。福島県でも他の委員からさっきお話しありましたように、二月二十八日午前十時十三分檜枝岐で雪崩によって学校が被害を受けた。たまたま臨時休校中であって児童に被害は及ばなかったけれども、大変なものであります。そういう実態にかんがみ、五十六年、五十八年と雪崩防災対策調査をなさって、先般、建設省、林野庁がその報告書をまとめていることは大臣も御存じだと思います。  それで、この報告書を見ますと、これは今まで人命というところに焦点を当てたものになっていなかった。建設省、林野庁、それぞれ事業があるけれども、人命尊重という立場からひとつこの際調査してみようということで、モデル事業を行ったと思います。その結果報告として総合的な対策が必要だというふうに述べられていると思うんですが、建設省、そのように理解してよろしいでしょうか。
  162. 狩野昇

    説明員(狩野昇君) お答えいたします。  先生御指摘のとおり、五十六年から二カ年調査をいたしまして、五カ所のモデル地区で調査を行いまして、雪崩危険の判定指標等を検討してまいりました。引き続き本年度から二カ年で雪崩危険箇所の全国の実態調査をやっております。その調査の結果を踏まえまして総合的な雪崩防災対策を検討してまいりたいと思います。
  163. 下田京子

    ○下田京子君 大臣にお答えいただきたいんです。  さっきも雪崩の問題では万全の対応をしたいと、人命尊重が何より私の役目ですと、そして大臣所信の中にも、災害対策総合性統一性、これを図っていきたいと強調されております。この報告によっても、人命に焦点を当てた法制定も含めた今後の対応が必要である、こう述べられております。そういう点で、改めて国土庁長官として立法化作業も含めた形での今後の対応、これをぜひ考えていただきたい。御決意をお聞かせください。
  164. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 雪崩の問題に対する立法の問題だと思いますが、豪雪対策には特例措置がございまして、これは基本法と私は考えておるわけであります。しかしながら、今、災害から人命を守ると、これは基本的なことでございまして、今の御指摘に対しては十分考えて対応しなきゃならぬ、こういうふうに考えております。
  165. 下田京子

    ○下田京子君 大変前向きな御答弁いただきましたが、私は当然だと思います。だからこそ大臣も積極的に、というお答えをいただいたのだと思うのです。  もう時間がないんで、本当に残念なんですが、国土地理院お見えになっていると思うんです。わざわざ御足労いただいたので、この際もう簡単にお述べいただきたいのですが、この所信の中に、とりわけ大規模地震問題が至るところに出てきております。予算のところでも手厚くやったということでお述べになっております。ところが、残念ながら予算の額を見ますとどうなのかといいますと、地震予知関係予算だけでこれを見ますと、五十九年度五十六億一千七百万円、これは五十四年度ベースよりも落ち込んでおります、大臣。しかも、地震予知で大事なのが地殻変動なんですね。私は科学的専門官じゃありませんが、いろんな皆さんのお話を聞くところが大事なんです。そういう点で、この地殻変動のための調査をずっとおやりになっているんですね。ところが、その調査費の予算も削られている。精密測地網の測地基準点測量についての予算でありますけれども、間違いないかどうかだけ御答弁いただきたいんですが、五十四年度、これが九億六千四百二十二万五千円、ところが、五十九年度、これは十一億六千二百四十二万三千円、こうなっております。五十八年度は十一億八千百二十万五千円だったと思うんですが、間違いないでしょうか。
  166. 須田教明

    説明員(須田教明君) 先生のおっしゃるとおり間違いございません。
  167. 下田京子

    ○下田京子君 大臣、さっき五六の水準を下回らないでと、こういう話がありましたが、これは額ではなくて中身だとおっしゃいました。しかし、五十四年当時に予算がもう落ち込んじゃっていると、これはいろんな諸物価の値上がりの中で大変なことだと思うんです。しかも大臣所信の中でここに防災無線の問題もとりわけ取り上げております。この無線関係予算も若干はふえているんですが、単価の引き上げから見たらとても追いつかないんですね。  昨年の日本中部地震の現地でありますあの秋田の男鹿半島、私はこの現場には一番先に駆けつけまして、次々揚がってくるいたいけな子供たちの遺体に直面しました。あそこに防災無線があったなら……今でももう悔やまれてならない。それで、男鹿市にお問い合わせいたしましたら、あそこの海岸線は長くて、実際に設置しようとしたら二億円以上かかる、とても、国の補助では二千万ぐらいしかない。今防災基金をつくって、一定のお金ができてから対応していこうということで、すぐ申し入れしたいんだけれども、五十九年度の個所づけ要望も出せないんだ、こういう話が出ているんです。二度と災害繰り返さないと言って、何度こうやってとうとい命が奪われているのか、私は涙なくして語れない気持ちなんです。  時間ですから申し上げませんけれども、具体的に対応するというのは、予算の後退をさせちゃいけないと思うんです。決意を聞かしてください。
  168. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 大変、御指摘をちょうだいいたしまして、特に、防災必要性、こういう意味から、今度防災局国土庁の中に七月一日から設置をすることになっております。そういう意味で、防災必要性というのは、国民の中からも、また各党の中でも、これはもう当然、やはり防災という問題は必要である等々の関係から防災局を設置をしたわけであります。  今御指摘の予算の問題については、現在予算化されておるものについてやはり重点的に効率を図ってまいりたい、特に来年度の予算要求に向けて、今の御指摘は十分尊重しながら対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
  169. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時四分散会