○
参考人(中山隆夫君) はい、わかりました。
それともう
一つは、記憶機能がございまして、いろんな情報を大量に記憶することができるということでございます。もう
一つは、このIO機能と書いてございますが、インプット、アウトプットの機能でございます。いろいろな情報をコンピューターに入れておきますと、いろいろな形で出てまいりますということです。従来ですと、印刷された文字で出るということだけだったんですけれども、今では画像でも出ます、動く映画でも出てまいります、音声でも合成されて出てきます、ファクシミリでも出ますという形に、非常に多彩にアウトプットができるようになってきておりますということです。それともう
一つの特徴は、通信のネットワークと結びつきまして、非常に広範囲に
利用できるようになってきたというのが特徴でございます。
それと、コンピューターの普及のテンポが大変に速いというのが特徴でございまして、年率二割から三割でどんどん伸びております。現時点でこの汎用コンピューターの普及は十三万台に達しております。十三万台という数は、事業所従業員が五十人以上の企業に全部入っているという数でございます。このコンピューターの数にはオフィスコンピューターとかパーソナルコンピューターとかワードプロセッサーは入っておりませんで、これらの普及がどのぐらいかと申しますと、それぞれ百万台に迫っている、あるものは超えているという
状態でございます。ですから、もう事業所にはおよそすべてコンピューターが入ってきている
というふうにお考えいただいて結構でございます。
それから、この図で示されておりますように、このコンピューターのうち、通信回線とつながりましてオンラインになって町の中あるいは市街地の中に全部広がっていろいろなサービスを提供しているというシステムは、ここにありますように、年々伸びておりまして、一万システムぐらいに達しております。御
承知のように、このグラフから御理解いただけますように、今から十数年前にはほとんどゼロであった、ほとんどありませんでしたというのが特徴でございます。四十五年当時ありましたオンラインシステムというのは、銀行のバンキングシステムと座席予約と商社の在庫管理
程度のものでございました。これがどんどんどんどん伸びまして、今一万システムになって、
国民生活のあらゆる領域の中へ入り込んできているということが言えるわけでございます。
それで、この情報産業全体の伸びを見ますと、このように、年率やはり二割から三割伸びておりまして、年額三兆四千億の規模に達しております。これは、コンピューターメーカーからソフトウエアの作成あるいはLSIの製造といった分野がこれだけ大きく伸びた大きな産業になってきたということでございます。
そして産業連関的に見てまいりますと、今御
承知のように、一次産業というのはほとんど横ばいだ。二次産業も伸び悩んでおります。三次産業だけが伸びておりまして、この三次産業の中でも、物を販売しますような産業は伸びませんで、情報産業だけが伸びている。そういうことは、
日本の
経済で今伸びているのは情報関連の産業だということが言えるわけでございます。
それから、技術革新のテンポが大変速うございまして、数がこうやって普及していく以上にそれぞれの機能が大変な勢いで伸びているというのが特徴でございます。これは一命令実行当たりの価格ですけれども、大体五年間で十倍アップしてきている。性能が十倍アップするということは、価格が十分の一落ちますということでございます。
それから、バイト当たりのメモリーの単価でも、これはIBMさんの三六〇/三〇の機種ですけれども、一九六四年当時二ドル
程度のものが、現在の機種では一セントに下がってきているということでございます。
〔小
委員長亀長友義君退席、
最上進君着席〕
ですからわずか十数年の間に二百分の一に下がりましたということでございます。
それからファイルのコストもこういうふうに下がってまいりまして、以前、十五年ぐらい前に千バイト当たり九円だったのが今二十五銭に下がっております。これはどのくらいの量かといいますと、原稿用紙二枚半のコストが、紙に書きましたコストに比較しますと二十五銭になったということは、紙よりも安くなってきているということでございます。
それからメモリーのこういう大きさでございます。これは記憶装置の大きさでございますけれども、非常に大きなものがどんどんどんどんこういうふうに小さくなりまして、小さな機械の中へ入ってしまう。眼鏡のつるの中へ入ってしまう、あるいは腕時計の中へ入ってしまう、万年筆の中へ入ってしまう。こういうふうに非常に容量が小さくなってきているというのが特徴でございます。
こうやって、オンラインのシステムというのは非常な勢いで普及してまいりますけれども、
一つの特徴がございまして、コンピューターの普及の仕方はこういう段階で入ってまいりますということなんですね。というのは、最初はスタンドアローンのシステムと申しまして、事務所の中で通信回線と結びつけずに独立してお使いになります。そして計算をやっておりますということです。ところが、使っておりますうちに、便利なものですから、通信回線と結んで本店と支店をつなぎたい、あるいは本省と支所を結びたいという形でオンラインになってまいります。
〔小
委員長代理
最上進君退席、小
委員長着席〕
オンラインのシステムは、使っておりますと非常に便利なものですから、次に取引先とつなぎたいというふうになります。ですから共同
利用になってくる。例えば在庫管理のシステムを扱っておりますと、どうしても注文があったときにこれを送りたいということで、集配送のシステムとつながってくる。また
お金を払うというような形で銀行のシステムとつながってくるということでございます。
そして次に、コンピューターのオンラインのシステムというのは、個別のシステムも共同
利用のシステムも、次にネットワークでみんなつながってくるというのが最近の現状でございます。
ネットワークでつながりますとどうして便利かと申しますと、たとえば銀行のシステムですけれども、
都市銀行さんのオンラインのシステムというのは、最初それぞれ通信回線とつなげまして個別におやりになっていました。第一勧銀さんのシステムとか、三井銀行さんのシステム、住友銀行さんのシステム、それぞれ個別に通信回線でバンキング——預金業務と為替の業務をおやりになっていました。ところがこういうものが個別にできできますと大変不便だ。三井銀行から三菱銀行へ振り込むことがある、決済をすることがあります。ですから全部の銀行をつなげた方がいいという形で、全国銀行為替交換システムという形で全部がつながってきております。
それから御
承知のように、キャッシュディスペンサーという新しい機械が出てまいりまして、これはCDというふうに言っておりますけれども、キャッシュディスペンサー、これが皆さんお使いになっておりますように、カードを銀行の端末機にかけまして、暗証番号をたたいて金額を打ちますと預金が出てくるという形になります。カードを入れて預金を引き出すというシステムですね。こういうシステムが出てまいりますと、やはり東京駅でありますとかあるいは羽田空港とか、そういう公共の場所に一台あれば、このカードでどの銀行からも預金が出せるようにしようという形で
一つのネットをつくり上げてきているわけでございます。
そういうことで、今のキャッシュディスペンサーというシステムは、新聞で
ごらんのように、銀行さんがそれぞれのグループ、
都市銀行さんのグループ、地方銀行さんのグループ、相互銀行さんのグループ、それぞれ別々にネットをつくりましたけれども、今お互いにつながろうという動きにございます。どうしてそうやってお互いにつながろうとするかといいますと、全部つながれば、このカードで
都市銀行でも出せれば地方銀行でも出せる、相互銀行でも出せるということでございます。ですから農協さんもそれから
労働金庫さんも、このネットに全部入ろうという形で今動いております。
そういうふうに促されましたのが、郵便局のオンラインのシステムが全部通信回線でつながりまして、現在二万の郵便局がもうじき全部為替、預金のシステムとして連結いたします。そうしますと、全国このカードでどこへ行っても出せるようになる。
お金の送金もできます。引き出しもできるという形になります。そうしますと、郵便局とそれから銀行というものがやはり競争が激しくなります。今後どういうふうにこのネットを育てていくかというのが問題になるわけでございます。
このキャッシュカードがどうして
都市生活に大きな
影響が出てくるかと申しますと、
お金をこれを入れてたたいて出す。出してから買い物をするというのが今までの形でございますけれども、そういうことをするのならば、最初から端末機に入れてたたけば新幹線の切符の予約ができる、こういうふうにすべきじゃないか、あるいは航空機の座席予約ができる、あるいはホテルの予約をこのキャッシュカードを使ってたたけばチケットが出てくる、予約ができる、こういうふうにすべきじゃないかという形で今動いております。
それから、先般、地方銀行さんが提案なさいましたように、このカードで銀行へ行って
お金を出してから買い物に行くのではなくて、買い物す
るときにこのカードで買い物をする、そうすると、端末へ入れてこれで決済してしまう。そうすれば現金要らないわけでございます。こういうふうな提案も出てきています。そして、このカードの口座に
お金がなくても、当然信用のある方なら貸し越しを認めてもいいじゃないか、あるいは金額が多くても月賦販売を認めていいじゃないかというような要望が出てきております。ですから、このカードというのは、単に現金出すだけでなくて、これからいろいろな形で
消費者金融だとか割賦販売だとかの領域に
発展していく可能性があるということでございます。
それから、特に御家庭の
テレビにいろんな情報を映しまして、これはスーパーマーケットとか、あるいは百貨店のショッピングの情報を映しまして、いろんな品物が映ってくる、それを見てこれを買いたいということであれば、オーダーを出しますと、このカードで決済をするということも可能になってまいります。そうしますと、これがホームショッピングだということで、いろいろな面で便利になってくるということが言えるわけでございます。
それから、今、電話のネットワークとコンピューターのオンラインシステムがどんどんつながり始めております。どうして電話とコンピューターシステムがつながらなきゃいけないのかと申しますと、私どもが電話をかけて新幹線の予約をしますと、席があいているかというようなことを問い合わせてから予約をしていたわけでございますけれども、これは駅まで行かなくちゃいけない。駅に行かないで、家庭の電話から新幹線のマルスのシステムを呼び出しまして、そして予約をするということが可能になってきております。現にこれは東京でサービスをいたしております。
それから、商社のコンピューターセンターへ問い合わせまして、それで品物の在庫があるかどうか、お値段が幾らかどうかというのを、今までは電話で聞いておりますと、向こうは帳簿をめぐって答えていたわけです。けれども、そういう帳簿が全部コンピューターに入っておれば、コンピューターを直接呼び出してコンピューターの信号を
人間の音声に変えまして、そして
対話をするということが可能になってきています。ですから、およそ問い合わせとか予約とか、そういったようなものが皆コンピューターと
人間が
対話できるようになってきた。それから、
都市銀行さんが、もうほとんど全銀行おやりになっていますし、地方銀行さんももう三分の一以上おやりになっていると思いますが、残高の照会、問い合わせをいたしますと、皆さんの口座にどのくらい残高があるかをコンピューターが答えてくれる、
人間の声を合成して答えてくれるというふうになっております。ですから、今までの電話というのは、
人間対
人間の通話でございましたけれども、およそコンピューターに入っている情報ならば、
人間とコンピューターが
対話できるようになってきておりますということなんですね。ですから、こういうものを
都市生活でいろんな形で
利用できますと、およそ電話をかけて問い合わせる、それがいつもお話し中だと、
人間が忙しくて出てくれないというようなものは皆この種のサービスでやっていけるということでございます。
そうしますと、当然電話機というものがこういうふうに今変わってきておりまして、データテレホンというふうに言われておりますが、従来の電話ですとこういうふうにダイヤルがここについておりますけれども、コンピューターを呼び出すためにコンピューターに命令を出しますファンクションキーがついております。そしてこれを買いたい、あるいは切符の予約をしたいというようなオーダーを出しますと、ここにチケットが、新幹線のチケットあるいは航空機のチケットあるいはホテルの予約の契約書といったようなものが打ち出されるようになってきています。では、
お金の支払いはどうするのかといいますと、こういうキャッシュカードで溝をなぞりましてそれで決済するということが可能になってきます。こういうことですから、ノンストアショッピングとかホームショッピング、ホームリザベーション——家庭での座席予約、ホテルの予約というのがこういうサービスで可能になってくるということでございます。
ここにございますように、御家庭の
テレビと御家庭の電話を結びまして、そして画像情報のセンターと連結いたしますと、御家庭の
テレビにいろいろな情報が画像で映ってまいります。こういう情報も、今御説明しておりますような情報も、このキャプテンセンターと申します画像情報のセンターに情報を入れますと
テレビの画面に出てくるということでございます。ですから、これを使いましていろいろなサービスができます。例えば
日本航空の大阪行きがどのくらい座席があいているかというのがこの御家庭の
テレビに映ってくる。それで、あいていれば、それを予約して大阪へ行こうというふうになります。それから銀行のセンターに問い合わせますと、皆さんの当座預金の出入りの状況が御家庭の
テレビに映ってくる。それからスーパーマーケットだとか百貨店に問い合わせますと、きょうの特売品が御家庭の
テレビに映ってくる。そしてオーダーを出せば宅配便が送ってくる。決済はこのキャッシュカードあるいはクレジットカードで済ませるという形になります。これをノンストアショッピングというふうに申しているわけでございます。
ですから、今ショッピングが非常に大きな変化がくるだろうということが言われるわけでございます。従来ですと、
消費者は必ず銀行へ行って
お金を出して、小売店へ行って買っていたというのが、このオンラインの画像情報システムとかあるいはオンラインの先ほどのデータテレホンなんか使いますと、メーカーが製造した物の広告を御家庭の
テレビに出して、それで御家庭の
テレビでそれを見てオーダーを出しますと、宅配便が直送してくるというような形のショッピングが出てくるんだということでございます。
ただ、そのときに問題がありますのは、従来の問屋さんとか百貨店、小売店が、そういうシステムが普及しますとどうなってくるかということが非常に大きな問題となるわけでございます。
それから、御
承知のように、ファクシミリもだんだん
発展してまいりまして、従来は複写機ということで、お
手元にありますようなこういうメモを複写するということだけだったんですけれど、これも通信回線と結びついて遠方へデータを送れるようになると同時に、コンピューターシステムと連結いたしまして、コンピューターにあります情報をファクシミリに焼いて出すということが可能になってきております。したがって、例えばホテルの予約をいたしますと、そのホテルの契約書と同時に地図がファクシミリに焼かれて御家庭のホームファクシミリに出てくるという形になります。それから銀行のセンターに問い合わせますと、入金があった場合にはその入金の通知がファクシミリで出てくるというふうになります。ですから、これを使ってホームファクシミリとかあるいはホームバンキングといったようなサービスが可能になってくるということでございます。ですから、御家庭の
テレビとかファクシミリとか先ほどのデータテレホンを使いまして、ホテルの予約それから新幹線の予約、飛行機の予約、劇場の予約、そういうものが御家庭にいながらできる。あるいは会社ですと企業の庶務課からすぐできるというふうになってきております。もう現にかなりのサービスが予約できるようになってきております。
それからセキュリティーシステムが最近非常に伸びておりまして、これは何をやっておるかといいますと、電話回線にセンサーをくっつけまして、御家庭の中でこのセンサーが稼働しておりまして、もし泥棒が入ってきますと、これをキャッチして最寄りの警備センターに通報する、あるいは火事を出しますと、煙をキャッチして最寄りの警備センターに通報する、こういう形になります。それから、ガス漏れがありますと、このガス漏れもキャッチして警報を出すということになり
ます。したがって、ガス爆発というようなものが防がれるということです。
そして、御
承知のように
都市では最近、救急
医療情報システムというのが非常に普及しております。これは突然どなたかが脳溢血になった、あるいは心臓病の発作が起きたというようなときに、どの病院に連れていったらいいか。従来ですと、救急車を呼んで連れていったんですけれども、病院ではお
医者さんがいない、休んでいた、あるいは不在であったというようなことでたらい回しになりました。それをなくすためにお
医者さんがいるかいないか、あるいはベッドがあるかないか、あるいは血液があるかどうか、そういう
状態を全部コンピューターに入れておきまして、それで問い合わせますと、このセンターからどの病院へ患者さんを運べという指令を出しますので、すぐ患者さんを適切な病院へ運んで早い処置ができるというふうになってきております。ですから、これがもう
地域社会で市民の安全というものに非常に大きな貢献をしている現状でございます。
それで、将来は当然もう各御家庭からもこのセンターへ問い合わせて、歯が痛い、あるいは風邪を引いた、熱があるといったようなときに、どの病院へ行ったらいいか、すぐ適切に教えてくれる、こういうふうになるわけでございます。一一〇番とか一一九番のシステムともこれからいろんなコンピューターシステムが連結するようになると思います。
これはなぜこういうことが必要かと申しますと、今火事があったということで二九番を呼びましても、お宅はどこですかということを必ず聞いてきますが、なかなか場所が的確に言えないということなんでございます。火事で燃えておりますから気が動転してはっきり場所を言えない、あるいは大けがして自動車事故を起こしたときも、場所を聞かれてもわからない。あるいは一一〇番回して泥棒ですと言って通知しましても、お宅の場所どこですかと聞かれると言えない。そういうことですから、皆さんの電話からこういう二九番、一一〇番呼んだときにIDコードを出しまして、要するに皆さんの電話番号をコンピューターに通知して、そこで逆にコンピューターセンターから設置場所の情報をもらえば、警察や消防署に何町何丁目のだれだということがはっきり通報できるわけでございます。こういうシステムもつくっていくべきじゃないかということでいろいろ検討はされております。
それから
都市では、これは今東京都と電電公社さんで鋭意
研究を進められておりますけれども、テレメータリングというシステムです。これはガス、水道、電気のメーターが御家庭や工場、企業にございますけれども、これを検針員の方が行って読むというのが実は大変な作業でございます。特に冬の間、北海道とか東北、新潟、こういう方面では雪をかき分けてメーターを読みに行くという仕事が大変でございます。ですから、これを電話回線と結びましてメーターにセンサーをくっつけてコンピューターが夜間に計算して読み取ってしまう、こういうことを実施しております。
これができますと非常に便利ですけれども、問題は検針員の方の失業問題というのは当然出てくるわけで、検針員の方が再訓練を受けてコンピューターの技術者として、ガス、水道、電気の検針センターに仕事をかえて勤めていただく、そして失業を出さないようにしてこういうテレメータリングのシステムを普及させるべきではないか、こんな議論がなされておるわけでございます。
それから、新しい
まちづくりとして今盛んに言われておりますことが、CATVでございます。
CATVのこの光ケーブルあるいは同軸ケーブルを町の中に引っ張りまして、そして
一つのシステムをつくりまして、コンピューターのセンターにいろいろな情報を蓄えまして、そして各御家庭に送るということが可能になってきております。たとえば新聞をファクシミリで配達するとか、あるいはいろいろな
テレビの画像を流す、あるいは大学の講義とか学習塾の講義を御家庭に流す、あるいは
テレビとか、こういう新聞の別の形の情報を流すということができるわけでございます。
この場合に問題がありますのは双方向になりますということです。というのは、いままでの
テレビとか新聞は片方向だけで、ある情報を全部皆さんのところへお届けするということであったわけですけれども、今度こういう新しいニューメディアのCATVというものが出てまいりますと双方向になってくる。こちらの御家庭の方から、きょうは日経新聞見たいとか、きょうはスポーツ新聞見たいとかというオーダーを出しますと、そのオーダーにこたえて送ってくるというふうになります。これは映画とか演劇も同様でございまして、古い
日本の映画を見たいから送ってくれと言えばそれを送ってくる、あるいは外国映画の戦前の映画を見たいということであればそれを送ってくるという形にオーダーを受けて送るというふうになってまいります。それと蓄積ができるようになってくる。ですから、映画とか
テレビの画面も、古い時代のものから現代のものに至るまであらゆるものを蓄積して保有しておくことができる、そういうふうになってくるわけでございます。
それから、このCATVを使いましてやはり
一つの大事なシステムが在宅勤務でございます。
これは東京だけでなくて、通信回線で地方
都市までこのオンラインの回線を延ばしてまいりまして、それでソフトウエアをつくりますような仕事を地方
都市で在宅のままできるということでございます。
それから、東京都内ですと、中高年層あるいは身体に障害のある方が自宅にいるままでデータベースのデータバンクをつくるような仕事あるいはデバッグをするような仕事、コンピューターに情報をコード化して入力するような仕事を在宅のままできると、こういう試みが、テストではございますけれども、今盛んに行われてきております。もしこれが可能になりますと、将来ソフトウエアの作成の需要というのは非常に大量に出てまいりますので、非常にいい雇用の機会をつくるという形になると思います。
こういうふうになってまいりますと、
一つの
都市でどういう
現象が出てくるかというと、
都市の中の通信網というのは、従来電話回線とか電報の回線、加入電信の回線とばらばらにございましたけれども、これが全部ディジタルな、総合的な回線に統合されまして、これにデパートのシステムとかあるいは銀行のシステムとか地方公共団体のシステムあるいは
教育のシステム、レジャーのシステム、こういうものが全部つながってくる。各御家庭には、先ほど申し上げた
テレビだとかあるいはホームコンピューターとかデータテレホンとかホームファクシミリといったようなものがあって、これらからいろいろなシステムに連結してサービスが受けられる、そういうふうになってくるというふうに思われます。大体こういうふうに実現しますのが、今からまだ二十年ぐらいはかかるんじゃないかというふうに予想されております。
それから新しいニューメディアの
一つの形態としまして衛星通信というのがございます。これは先般BS2、「ゆり2号」という放送衛星がこの二月に上がりました。それから去年CS2という通信衛星が上がりまして、そしていろいろな情報を流しております。これは無線の電波で非常に広帯域な回線をつくりまして、これで新聞の伝送もできれば画像情報も流せる、データ通信も流せる、電話も流せる、そういうサービスでございます。
この衛星通信の特徴は、屋上にこういうおわんのような受信装置をつけまして、そうして通信回線を構成いたしますので、電柱とか電線が要らないということでございます。したがって、距離の要素が消えてまいりまして、近くに電話をかけましても、また海を越えて
アメリカに通話いたしましてもコストはほとんど変わらないということでございます。ですからこれを使っていろいろなサービスの提供ができるということです。
ただ問題がございますのは、この提供いたしま
すサービスは、当然国境を越えてくるだろうということになります。従来の電柱を立てて銅線引っ張りますと、国境のところでストップということになりますけれども、こういう衛星を使って電波で送りますから、国境が消えてくるということに問題がございます。したがって、いろいろな形で相互のサービスが入り込むだろうということが言われておるわけでございます。これがレジュメの七番目に書いてありますように、国際データの流通の問題ということで、今OECDの
委員会などで非常に熱心に討議が行われております。
こういうオンラインの、先ほど御紹介しましたいろいろなサービスが、
日本の国内だけでなくて、国境を越えて
アメリカにも行けば、
アメリカのこういうサービスが
日本の国内にも入ってくる。例えば、銀行のサービスが
日本の国内でもできます。我々が円でもって
アメリカの銀行に預金することが技術的には可能になります。また、
アメリカの証券会社が
日本の兜町で支店を設けて
アメリカの証券を売る、我々が円を持っていってそれを買うということが技術的には可能になりますということです。それで、
アメリカの方ではそういうサービスの自由化をやったらどうかというような提案をOECDで盛んに現在しておる情勢でございます。ですから、こういうものを認めるのかどうか、まあ非常に大きな問題になってくるであろうということでございます。
それから
教育なんかも、この衛星を使えば、海を越えて
アメリカの
教育が
日本でも受けられる。同時に
日本め
教育は海外の子弟のために海を越えて
アメリカへ流すことも可能になります。いろいろな
テレビ番組も海を越えて相互に入り込みますと、お互いに文化が国境を越えて入り込むということが出てまいります。ですから、これが大変結構なことだという
意見と、同時に人様の文化を侵犯するので問題があるという
意見もあるわけでございます。
今、各
都市でこういったサービスが盛んに行われてきておりますけれども、そのときに大きな問題が
一つ出ております。というのは、競争でこういうサービスを提供いたしますと、この座席予約でありますとか、あるいはショッピングのシステム、それからCATVのシステム、それからバンキングのシステムも同様でございまして、ばらばらにやりますとこういうふうにシステムが乱立しまして、お互いに接続ができないという
状態になってまいります。ですから、ある
程度標準化しまして、接続手順を統一しまして、御家庭にあるいは事務所に二口標準の端末があれば、どんなシステムにも連結して座席予約ができる、あるいはショッピングができる、あるいはリザベーションができる、そういうことが大切だろうと思います。
もしこういう統一ができませんとどういう
現象が出るかというと、鉄道で狭軌と広軌が二種類あるので乗り入れができないとか、電力で関東と関西でサイクルが違うので、転勤のあることに取りかえなきゃいけないとか、あるいはビデオのVHSとベータと規格が違うので、せっかくテープを買ってきても使えないというような
現象が出るわけでございます。ですから、こういうものを、いかに国あるいは
行政が指導してきちんと標準化をやっていくかということが新しい問題となって出てきているわけでございます。
それから、まあ非常に便利でございます。オンラインのシステムが普及すれば、自宅でショッピングもできれば決済もできるし、座席の予約もできる。そういうことで非常に便利ではございますけれども、反面危険は出てきますということなんです。
というのは、このセキュリティーが非常に大事な問題になります。万一、こういうオンラインのシステムがとまりますと、
国民生活というのは非常に危険にさらされるということでございます。例えばバンキングシステムがとまりますと、銀行へ行きましても
お金が出せないという形になります。それから、全国、銀行の為替交換システムがとまりますと送金ができなくなりますので、長い時間とまると倒産も出てくるという
状態になります。それから航空機の座席予約のシステムがとまりますと、やはり飛行機の運航に差しさわりが出てくる。航空路レーダー情報システムというのがございますが、これがとまりますと、
日本の飛行機は全部運航をとめるという形になります。それから、先ほどの救急
医療情報システムがとまりますと、救急車がどこの病院へ患者さんを運んでいいかわからなくなる。したがって生命にも
影響がある。ですから、
都市生活というのは大変便利になりますけれども、万一これらのシステムが破壊されますと非常に危険な
状態になる。これがいわゆる脆弱性の問題として出てまいりましたということでございます。
それから、このニューメディアが普及していきますと、一体どんな
意義があるのだろうかということでございますけれども、コンピューターが蓄積する力がありますと、いろいろな情報を無限に蓄積できます。しかも、それを画像でも出せます、漢字でも出せます、ファクシミリに焼いて出せます、
テレビの映像でも出せますというふうになりますから、非常に多彩な形で情報が出てくるわけです。したがって、この
発展というものが
日本の文化に非常に大きな
影響があるということは否定できませんということです。
というのは、文化の
発展というのは大体、記憶機能が発達したから
発展したんだということが言えるわけです。例えば文字を発明した、紙を発明した、印刷技術を発明した、あるいはレコードができた、テープレコーダーができた、そういうことで
人間の文化は
発展してきた。ですから文化の
発展に大変
影響があるということです。
それともう
一つは、こういうコンピューターを使いまして制御をする。先ほどのように泥棒が入ったらキャッチして通報するというふうに、いろいろな認識して制御する機能がございます。こういう機能が発達いたしますと、これがロボットになりまして、
人間の
労働というものに非常に大きな
影響が来るということです。ですから汚い仕事、あるいは人の嫌がる仕事、危険な作業というものは将来このロボットに取りかわっていくだろうということが言えます。ですから、
人間の
労働というものに大きな
影響があるだろうということです。
それともう
一つは、こういうネットワークで広がりますから、これでショッピングもできる、あるいはリザベーション、座席の予約もできる、あるいはバンキングもできる、こういうことになりますと産業構造にも大きな
影響が出てくるだろうということでございます。
そして、六番目に書いてありますように、雇用問題にやはり相当
影響があるということは、これもOECDで非常に議論になっておりますけれども、
日本や
アメリカは雇用は増大するという
意見でございます。ところが
ヨーロッパの一部の国は、むしろ失業がふえるんじゃないかという心配をしております。
日本の場合ですと減る面もございます。先ほどのテレメータリングで検針員の方の仕事が減るといったような、減る要素もありますけれども、ソフトをつくるシステムを
開発すると新しい産業が興る、そういうことで仕事はふえる面が多い。ただ、ふえる面と減る面がありますので、やはり再
教育して配置転換ができるように配慮をする必要があるわけでございまして、こういう新しいニューメディアの普及、技術革新で、乗りおくれてしまう人と、やはりこれをうまく
利用して伸びる企業、伸びる方というのがはっきり差がついてきてはやはりまずいわけで、これは国の
政策として再
教育というものが非常に重要になってくると思います。
都市計画でも、これらのニューメディアというのはあらゆる方面で
利用できますので、今後
都市の再
開発、地方の振興ということで、このニューメディアというものを除いては考えられなくなってきております。ことしの予算でもテクノポリスとかテレトピア、新しいこういうニューメディアを使いました
都市計画が予算の中へ出てきております。こういう形で今後進んでいくんだろうとい
うふうに思われます。
時間が参りましたので、以上でお話を終えさせていただきたいと思います。