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1984-04-07 第101回国会 参議院 建設委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年四月七日(土曜日)    午前十時五分開会     —————————————    委員異動  四月六日     辞任         補欠選任      稲村 稔夫君     松本 英一君      安武 洋子君     山中 郁子君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         青木 薪次君     理 事                 堀内 俊夫君                 増岡 康治君                 増田  盛君                 村田 秀三君     委 員                 安孫子藤吉君                 植木 光教君                 遠藤  要君                 志村 哲良君                 福田 宏一君                 白木義一郎君                 二宮 文造君                 上田耕一郎君    国務大臣        建 設 大 臣  水野  清君        国 務 大 臣        (北海道開発庁        長官)        (国土庁長官) 稻村佐近四郎君    政府委員        北海道開発庁総        務監理官     楢崎 泰昌君        北海道開発庁計        画監理官     竹下  淳君        北海道開発庁予        算課長      平岡 哲也君        国土庁長官官房        長        石川  周君        国土庁長官官房        審議官      田中  暁君        国土庁長官官房        会計課長     安達 五郎君        国土庁計画・調        整局長      小谷善四郎君        国土庁土地局長  永田 良雄君        国土庁水資源局        長        堀  和夫君        国土庁大都市圏        整備局長     杉岡  浩君        国土庁地方振興        局長       川俣 芳郎君        建設大臣官房長  豊蔵  一君        建設大臣官房総        務審議官     吉田 公二君        建設大臣官房会        計課長      牧野  徹君        建設省計画局長  台   健君        建設省都市局長  松原 青美君        建設省河川局長  井上 章平君        建設省河川局次        長        中川 澄人君        建設省道路局長  沓掛 哲男君        建設省住宅局長  松谷蒼一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        田熊初太郎君    説明員        経済企画庁総合        計画局計画官   坂井 順行君        農林水産省畜産        局競馬監督課長  安橋 隆雄君        林野庁業務部業        務課長      小沢 普照君        気象庁予報部予        報課長      黒澤真喜人君        消防庁防災課長  清野 圭造君    参考人        住宅金融公庫理        事        関口  洋君        北海道東北開発        公庫理事     池田 壽男君        日本道路公団理        事        加瀬 正蔵君        住宅都市整備        公団総裁     大塩洋一郎君        住宅都市整備        公団理事     救仁郷 斉君        住宅都市整備        公団理事     久保田誠三君        日本中央競馬会        理事       佐藤 雄三君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○昭和五十九年度一般会計予算内閣提出、衆議  院送付)、昭和五十九年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付)、昭和五十九年度政府関係  機関予算内閣提出衆議院送付)について  (総理府所管北海道開発庁国土庁)、建設  省所管住宅金融公庫及び北海道東北開発公庫  )     —————————————
  2. 青木薪次

    委員長青木薪次君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  委員異動について御報告申し上げます。  昨六日、稲村稔夫君及び安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として松本英一石及び山中郁子君が選任されました。     —————————————
  3. 青木薪次

  4. 青木薪次

    委員長青木薪次君) まず、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日、日本道路公団住宅都市整備公団及び日本中央競馬会役職員参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 青木薪次

    委員長青木薪次君) それでは、きのうに引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 きょうは道路施設協会に関する問題、それから昭和記念公園、立川の場外馬券売り場問題、それからこれまでも何回か質問してまいりました福岡の筑紫野市の住都公団に関する土地疑惑問題、この質問をさせていただきます。  初めに、高速道路サービスエリア問題ですけれども、私昨年の三月二十四日の当委員会で、関越自動車道塩沢サービスエリアの出店問題について質問したんですが、その後道路施設協会巨額利益、構造的な特権問題などが昨年七月に読売新聞でもかなり大きく報道されまして、それからまた福島交通、例の小針氏をめぐる問題で癒着も最近表面化しているということで、かなり大きな社会問題がここにあると思うんです。  道路公団はおととしの六月一日に一五・一%使用料の値上げをしたわけだけれども、他方、報道されたような道路施設協会との関係で問題になるような巨大利益、それから天下りなどが問題になっているわけですね。去年の七月十日の読売新聞の「巨大構造利権」という報道ですと、人事面でも理事長の前田氏が前の道路公団総裁、また副理事長以下十一人の常勤理事、監事のうち公団OBが八人。建設省、警察庁、人事院OB各一人の構成で、最大の天下り先になっているという事実が指摘され、それから利益も大変なものだと。全国三千キロを超えるハイウェーになっているわけですけれども、そこに二百十七カ所の食堂給油所があってその営業権財団法人道路施設協会が独占していると。道路施設協会営業料収入は五十六年度二百十五億円と初めて大台を突破、五十七年度前年比約五%増と、三年間利益百億円ということも報道されていますけれども、これは事実でしょうか。
  8. 沓掛哲男

    政府委員沓掛哲男君) 今、先生のおっしゃられた問題は、三年間で百億円の利益道路施設協会が上げているのではなかろうかという問題、また協会関連公社等への公団OB天下りが多くあるが、そういうものはどうかというお話でございます。  この道路施設協会と申しますのは、高速道路はクローズされた中でございますので、一般の沿道の利用ができませんので、高速道路利用する方方が必要とされるいろいろなサービスを提供するところでございます。例えば、休憩施設とかあるいは給油所とか、あるいは売店とか食堂とか、そういう営業をするような施設建設管理いたしまして、高速道路利用者の不可欠なサービスを提供しているところでございます。  そこで、道路施設協会が三年間で今おっしゃられた百億円以上の利益を上げているというお話でございますが、これは昭和五十五年から五十七年度の三カ年で税引き利益は九十八億円でございまして、税引き利益は六十九億円でございます。一年平均二十二億円程度でございます。協会営業料収入は五十七年度においては約二百億円でございました。これは協会運営経費借入金等償還費及び法人税等引当金に充てているほか公益事業にも六十八億円、営業料収入の約三分の一が充てられております。また、利益の二十三億円につきましては、施設協会は、今申しましたようにサービスエリア売店等施設建設管理しておるわけでございまして、その施設営業する方は、これは競争入札営業を委託して、そこで営業を営むわけでございます。そこでこの施設協会は、そういう施設、いわゆる売店等の建物を建設管理するわけでございますので、建設する際には民間からお金を借りるわけでございます。したがって、この二十三億円については、これから新たに建設する施設費用などに充てられております。  今までできました高速道路の沿線につくられておるこれら施設は、割合交通量も多うございましたのでまずまずの経営状態でございます。しかしながら、これから開通いたします横断道等においては、必ずしも交通量が多くなく、経営しても利益が十分上がらないところも出てくるわけでございますが、そういうところでも必要なサービスはしなければなりませんので、そういういろいろ施設をこれから建設管理していく上において長期的な計画を立ててみますと、なかなか経営が大変苦しくなる見込みでございます。したがって、こういう上がっておる利益についても、これからの新たな建設した施設費用に充当することで何とか高速道路利用する人たちへのサービスを提供していくことを続けていきたいというふうに考えております。  それから天下りというお話でございますが、この施設協会の仕事と申しますのは、今申しましたようにクローズされた高速道路の中でいろんなサービスをいたします。そのほかに、たとえば事故が起きた場合の通報であるとか、あるいは積雪がありまして交通止めになるようなときにその対応策をするためのいろいろな基地にするとか、公団と一体となって道路交通高速道路の中における交通管理等を営むところでございますので、ある程度そういう面での知識のある人が必要でございまして、施設協会からの要請に応じてそういう方方を出しておるという状態でございます。
  9. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 むしろこれから経営は苦しくなるというお話でしたが、これは後できょうの答弁は資料もいただいて検討してみたいと思います。  読売報道では、本社だけでなく関連三十七社、公団OB四百人天下りと。これも業務大半受注ということも出ておりまして、今の施設協会だけの収入支出のことだけでは問題は済まないと思うんですが、この点はどうなんでよう。それが問題になってから、七月二十七日の読売記事では、建設省不平等契約の見直しに着手ということで、道路占用料区域の拡大、それから今まで公団が支払っていた占用区域固定資産税協会に支払わせると。これで公団自身年間数千万円に達する増収の見込みと。それから協会自身交通遺児高校生を対象とした現行就学援助資金、一人当たり年間二十万円。現在十九人が受給しているけれども進学待ち遺児が六百人いると。この大幅アップ検討に乗り出したという記事があるんですが、この改善策をとろうとしたのか、もう既にとったのか、そのことを御説明いただきたい。
  10. 沓掛哲男

    政府委員沓掛哲男君) 高速道路の中の固定資産税占用料、さらに高速道路で亡くなった方の子供さんの就学援助等についての御質問でございますが、まず占用料について御説明いたしますと、占用料占用により占用者が受ける利益を徴収するとの基本的考えにより算定されておりまして、固定資産税道路管理者に賦課される場合にありましても、これを占用者に転嫁することはいたしておりません。このことについては、道路局内に設置いたしました占用料制度に関する調査特別委員会において、本年三月、一般借地等の場合、土地を使用する者が固定資産税を負担することが多いことから見て、これを出席者に負担させることも検討されてよい旨の結論をいただいておりますので、このことについては今後検討してまいりたいと考えております。  また、高速道路におけるサービス施設占用料が安いのではないかというようなことも指摘されておりますが、高速自動車国道におけるサービスエリアパーキングエリア等道路サービス施設占用料につきましては、個々物件ごと近傍類地土地価格占用面積を乗じ、さらに使用料率を掛けるという方法で算出いたしております。すなわち、サービスエリアあるいはパーキングエリア等サービス施設占用料は、個々具体の立地に即して不動産鑑定士鑑定に基づく土地の時価を基準とし、使用料率については大蔵省通達に基づく国の行政財産たる土地使用料率参考に百分の四と定めております。  なお、占用料の額は占用の期間の更新の都度——おおむね三年ごとでございますが、ごとに改定されることになっており、妥当なものと考えておりますので、今後ともこの方法により占用料を徴収してまいりたいと考えております。  さらに、交通遺児等就学援助についてどうかというお話でございますが、こういう施設協会管理運営及びそのあり方等について、昨年の暮れ建設省道路公団施設協会によって構成される懇談会をつくって、ここでいろいろ検討させている段階でございます。
  11. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 どうもあれだけ問題になって検討している段階余り改善の方向が見られないと思うんだけれども、今後前向きにやろうというおつもりですか。
  12. 沓掛哲男

    政府委員沓掛哲男君) 私たちは、高速道路を管理していく上において不可欠なそういういろいろなサービスを提供するために施設協会が果たしておる役割は円滑に行われているというふうに考えております。しかしながら、今お話のようなこともございますので、懇談会等で今後検討させていただきたいというふうに思っております。
  13. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 どうも新聞が大きく書くと、何かやるようなことを出して新聞にも載っていると。しかし、これは七月ですからね、もう既に四月になっているのにまだ懇談会検討中と、世論が少しおさまると前向きの姿勢も弱くなるという状況では困りますので、きちんとやっていただきたいと思う。  天下り問題というのは、この委員会でもたびたび問題になっておりますけれども、役員の理事年間やっぱり千二百万円の収入を得ているというし、例の大問題になっている退職金問題なんかもあるわけですね。天下り問題も非常に大きいのできちんとやっていただきたいのですが、資料を配付してください。    〔資料配付
  14. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 これは、こういうは大な構造利権が問題になるほど大変なものなんですね。今お配りした資料は、サービスエリアの八十七カ所のレストランそれから売店など、たばこ売上高の表です。これはマル秘資料というのですが私どもの手に入りましたので、サービスエリア以外にパーキングエリアどもありますけれども、この表を見ますと大変なものですね。  一番売り上げの多いのは浜名湖のサービスレストランでね、我々もよく通りますが。これを見ますと、ここに私の手に入ったのは五十六年の四月と九月、これ一番平均の月だそうです。で、大体平均で一カ月に二億四千万です、このレストランそれから売店たばこ売上高。そうすると、年間近畿日本鉄道売り上げが約三十億円近くになるんですね、そういう売り上げになる。これは全部総額計算してありますが、五十六年一年間で一カ月四十二億円として十二カ月で五百四億円の総売り上げです、これ八十七カ所のサービスエリアレストラン売店だけです。  それで、営業料率というのはこれ不思議なもので、大体一五%から二〇%と言われている。東名だとか名神なんかは二二、三%と言われていて、地方道は一五%ぐらいと言われていますが、まず平均の一七・五%としますと、ここに計算してありますが五十六年八十八億、五十七年九十七億、五十八年百六億で、三年間で二百九十一億円。このサービスエリア関係レストランだけで施設協会に入るお金が毎年やっぱり百億あるんですな。このほかに、パーキングエリアとかそれからガソリンの売り上げ営業料率ありますからね、相当膨大な巨額利益が入る。  こういう家賃を納めてもなおかつレストラン売店は大変な利益だということ。特に売店がいいようですね。レストラン家賃を払うだけで、最初内装とかそれから六カ月分の家賃分の前払いとかで約二億円ぐらいかかるそうですよ。あとは固定資産税も要らない、それからトイレもある、駐車場もある。結局要るのは人件費とそれから光熱費だけだそうですね。しかも家賃だけ払えばもうかるというので、これ自身相当大きな利権に化している。だからテナントの利権を目指して、やっぱりあらゆる方法を通じてこれに懸命になっているということが言われておりますけれども道路公団あるいは道路局長、私が示した資料でのこの数字、大体ほぼこのとおりだというふうに思われますか。
  15. 加瀬正蔵

    参考人加瀬正蔵君) ただいま初めて拝見したものですから子細に検討してみないとわからないんですが、そう見当違い数字ではないと思います。
  16. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 そちらから出た資料ですから、見当違いどころか、まことに正確なものなんですね。こういう大変な利権があるわけですが、ここで朝日新聞のことしの三月二十八日付ですが、東北自動車道疑惑問題が出ました。  安達太良サービスエリア上り線、それから那須高原のサービスエリア上り線の問題です。これで非常に疑惑があった。協会実力者と言われる理事福島交通小針社長の世話になっており、便宜を図った疑惑が指摘されているということで、もうきょうは詳しいことを言いませんけれども、どうも協会理事の一人がすべてやったと小針社長の知人が言っていて、三社指名中二社を小針企業が占めて落札したり、一週間に連続指名を受けて落札に成功するなど本自然な内容だったことが二十七日までに明らかになったということですけれども、これについて疑惑はありませんでしたか。
  17. 加瀬正蔵

    参考人加瀬正蔵君) 一応調べてみたんですが、ちょうど十年前のことでございますが、新聞に出ておりました限りの例えば三つのサービスエリア、六カ所のレストランのうち二社が小針さん系統の業者であるということ。それから安達太良サービスエリアの場合ですか、三社指名したうち二社が福島交通福島民報会館。これは、私どもに出ております書類では社長さんの名前がそれぞれ違っておりまして、法人格も違うんですが、そういうおっしゃられ方をしてみますと、やはり小針さん系の企業が二社、指名業者の中にあったという限りにおいてはその記事のとおりでございます。  ただ、当時私どもといたしましては、協会に対する指導として、資力とか信用とか経験とか、そういったものを具備している人たちをいろいろお申し出になった業者の中から選びまして、その適格者の中から数社を指名してその方たちを相手に入札を執行するという形をとっておるわけでございますが、その決められた手続どおり入札が行われたことは間違いないというふうに理解しております。
  18. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 競争入札そのものが適正に行われたと言うんだけれども、私もこの問題を調べてこんな入札があるのかと思って驚いたのですけれども、つまり営業料率入札するというんですね。営業料率はさっき一五%から二〇%ぐらいと言ったけれども、地域によっていろいろ違うわけですよ。その営業料率指名業者は、つまり家賃です、家賃をどのぐらい払うかというのを入札するわけですよ。一番高い家賃を払う人が当たるわけじゃないのです。つまり、ここがこういう料率だという、例えば一七・何%とか決めてあるわけですな。その決めてあるのに一番近い札を入れた人が当たるというのです。それで、しかも入札結果は一切公表されていませんからね。これは奇妙な入札方法で、だから一体あそこは料率は幾らだろうというのをいろいろやるわけですな。そうすると、小針社長理事が親しいというのだから小針さんの方に抜けますわな。だから、抜けたらもう一発で当たりますよ。ところが、ほかの業者営業料率だから一体どこに入れていいか皆目わからぬ。こんな奇妙な入札というのはあり得ないと思うのだけれども、何でこういう方法をとっているんですか、おかしいと思う。
  19. 加瀬正蔵

    参考人加瀬正蔵君) 営業料の性格につきましては先ほど道路局長から御答弁申し上げたとおりでございますが、入札一般的なやり方としては、最高の営業料を入れた者が落札するという方法があり得るわけでございます。ところが、かつてこれは名神高速道路の大津のサービスエリアでそういう入札をやりまして、三七%という数字で落とした業者の方がございます。こういたしますと、どう考えても物を売れば売るほどその業者の方は損をする。例えば、物を仕入れましてそれを小売するという場合には、マージンが三七%以上なければとんとんにもいかない。こういう状況になりまして、例えば宣伝のためにそこに拠点がほしいとか特殊な理由があれば格別でございますが、そうでなければ、そういうあり得ない数字入札をしてくる方があるわけです。そういう形になりますと、一般的に公正な競争という範囲からの逸脱になる可能性もございますし、それから営業料を高くしたことによりましてそれが価格に転嫁されるということになりますと、低廉な業者サービスというものが利用者に提供できないわけでございます。したがいまして、高いといいましてもある程度上限を決める必要があるわけです。  一方、別に最低家賃という基本の額を超えなきゃいかぬような規定になっておりますから、最低の、要するに減価を償却したり割当経費を賄ったり、そういった金にプラスして公益事業をやるための経費をできる限り欲しいという要素もございまして、そういう観点から営業料というものが決められるわけでございますが、そういう関係で、無限に高いばかりでなくてある程度の仕切りが必要だろうと。それから一方、そう低くても困るということで、ある幅を持たせてその幅の中で高い方が落札されるという仕組みをとっておるわけでございます。
  20. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 朝日の記事によると、道路公団は「現行制度には少数指名や、入れ札を開示しないなどの問題点が指摘されているので、さっそく入札方法を見直し、改善したい」と言っている。これはその意思おありですか。
  21. 加瀬正蔵

    参考人加瀬正蔵君) 改善をするとすれば、私どもいろいろその記事にもございましたし調べてみたのでございますが、やはり入札に参加を希望される方にいつ入札が行われるかというようなことをわかりやすくお示しするとか、あるいは協会が考えております信用とか資格とか資力とか、そういうものにつきましての基準をわかりやすく御説明するとか、あるいはこういう営業料率入札をやっておりますが、こういう考え方でやっておりますというようなことを親切にお教え申し上げるようなことをもうちょっとやる必要もあろうと思いますし、それから入札を執行した場合でも、当該入札に加わった方々が御納得いただくような入札結果の開示方法ということについても再検討の余地ありと考えておりまして、改善方を至急検討したいと思っております。
  22. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 いろいろ疑惑が出ておりますし、非常な利権の介在する問題なので、ぜひ至急検討していただきたい。  それで、この点で、私がこの前取り上げました塩沢サービスエリア、関越道の。この問題でも早くも現地でもいろいろ疑惑が指摘されている。上り線は越後交通。有名な田中系企業と言われている越後交通が名前が取りざたされている。下り線は上越後楽園。この上越後楽園についてももう早くも政治家の名前がいろいろ取りざたされている。この上越後楽園というのは全然地域との関係もそうありませんし、スキーなんかやっているんですけれども、ところが早くも、まだ入札も行われていないのにもうもらったと言って、近くに社宅建設を始めようとしているんですね。ひどい話です。  それから越後交通の方は、これは入札の資格があるんですよ。資本金五千万以上、総合食堂経営の経験が必要と。交通会社なんて食堂をやったことがないんで、この有名な片岡甚松さんがレストランモンブランというところの社長にちょっとなったり、ちょっとなってすぐやめましたがね。何をやっているかわかりませんけれども、いろいろ奇怪な動きがある。早くもこういう名前が取りざたされておりますけれども、そういう疑惑を生むようなことはないでしょうか。
  23. 加瀬正蔵

    参考人加瀬正蔵君) 塩沢サービスエリアの場合でございますが、これは、当面どうも推定交通量が極めて低いものでございますから、一般の民間の方がレストラン経営するという形でのいわゆるサービスエリアのフル装備は難しかろうと考えております。したがいまして、当面せいぜい売店ぐらい設けるのが精いっぱいかと思いますが、その場合でも、今おっしゃいましたような方が大体今年度じゅうには供用されると思いますが、ここにお入りになるということは聞いておりません、私たち
  24. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 しかし、これトンネルも開通しまして、全線開通しますとやっぱりかなりの乗降客が予測されておりまして、この前私質問しましたけれども、この塩沢サービスエリアについて、土地を提供した人、それから国道十七号線で今まで開店したドライブインだとか特産品の土産物店だとか、これがもう壊滅すると言われているんですね。そういう人たちが、民宿あるいは土産物店の人たちが二十名集まりまして出店規制同盟というのをつくって、ぜひ地元にこのレストランあるいは売店をやらせてほしいという運動をしています。  この運動はかなり超党派的な支持を得ておりまして、県の商工労働部長、町長、議会の議長、商工会長、それからどうも超党派的で、小林進事務所、近藤忠孝事務所、桜井新事務所、村山達雄事務所なども全部支持しておりまして、ぜひ地元にやらせてほしいと。あの道路並びにサービスエリアをつくる上で土地を提供した人、しかもあそこに開通して被害を受ける地元の人たちが安く特産品その他——ここはつむぎだとかワインができるんですけれども、売る物をぜひやりたいという連動をしているんですね。  私は、やっぱり大手ばかり入るんじゃなくて、地元の利益のためにぜひ道路公団がこういう運動に協力すると、指名にも加えると、すぐにはどうもやらないというお考えのようですけれども、ぜひそういう前向きの温かな配慮をすべきだと思うんですけれども、この前の質問以後の経過、検討の結果はいかがでしょうか。
  25. 加瀬正蔵

    参考人加瀬正蔵君) 地元の御要望は私どももよく承っております。その中で、出店を直接したいという御希望の中に、土地の産品を売りたいあるいは雇用の機会を与えてくれという、こういうような御趣旨についてはまことにごもっともでございますので、いかなる場合であってもそういう御要望には沿える方向で努力しなきゃいけないというふうに考えております。ただ、申し上げましたように、交通量が当面極めて少ないところでございますので、持ち出しで協会売店経営する以外に目下方法はないのではないかということを考えておりますので、そういう方法等をあわせて検討させていただきたいと思っております。
  26. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 去る三月三十一日に塩沢の町議会が全会一致で意見書を採択しまして、地元営業者の出店可能な方策をと要請しております。今の答弁では、乗降客が少ない、売り上げが少ないのでしばらく直営の売店という方法とそれから地元への協力についての二つの方法検討しようということでしたが、ぜひ地元の要望にこたえるようお願いしたいと思います。  それでは次の問題で、立川の問題を少し御質問したいと思いますが、まず昭和記念公園問題。これは昨年十月二十六日に開園して三月三十一日までに約十八万四千人の入場者、一日平均約千二百人というんですね。評判を聞くと非常に好評なんだが、とにかく入園料が高いと。六歳以上から十五歳までの子供は八十円ですけれども、大人が三百五十円というんですね。公園だからただかと思って来ると三百五十円なんで、つい二の足を踏むと。全国的にそういうことになっているというんですけれども、もうちょっと安ければせっかくの昭和公園の利用者がふえると思うんですが、下げられないのかということが一つ。  もう一つ、無料開放の日があると。五月五日の子供の日、それを含めて年に三回というんですけれども、これをもう少しふやせないのか。その二点をお伺いしたいと思います。
  27. 松原青美

    政府委員(松原青美君) お答え申し上げます。  昭和記念公園を含めてでございますが、国営公園は広域的な利用に供されるものがあります。さらに、一般の公園よりは整備水準の相当高い施設が多くつくられておりまして、利用者の受ける便益の程度が高い。それから施設を良好に維持管理していくことに、今申し上げましたような整備水準の高い施設でございますので、相当な費用を要する。こういうこと等の理由によりまして、受益者負担という観点から有料にしたものでございます。その額も、上野公園等の一般の都市公園の有料施設の入場料あるいは民間の似たような施設の入園料等を参考にして決めておるわけでございまして、現在大人が三百五十円、子供が八十円ということになってございますが、この水準はほぼ妥当なものではないかと考えております。  ちなみに、一般的に公園によってアンバランスがございますのできちっとした数字ではございませんが、維持管理費と入園料との比較で見ますと、維持管理費の四〇%は賄えない、三〇%台程度の事業料収入というふうな現状でございますので、今の線がほぼ妥当ではないかなと考えておるわけでございます。  なお、無料の開放日をふやすべきではないかという御指摘でございますが、全国共通に行われておる行事で、特に公園を無料開放にすることがその行事なり、そういう趣旨に合うという日につきましては、無料開放を例外的にしているわけでございます。御指摘のように、現在は子供の日それから国土建設週間内の休日、それから全国の都市緑化月間内の休日、こういう日を現在のところ定めてございまして、今のところ特にこれをふやすことを考えていないわけでございます。
  28. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 管理費の三〇%、四〇%やりたいと言うんだけれども、下げれば人数がふえまして、結局収入の絶対量がふえるということがやっぱりあり得るわけで、これはぜひ検討してほしいと思います。  立川駅の北側にはこういう昭和公園があって市民に喜ばれているんだけれども、立川駅の南口には立川場外馬券売り場というものが設けられようとして、非常に大きな反対運動が起きて大問題になっておるわけですね。このことについて少し質問したいんですが、競馬会の方は来ておられますか。——これは非常に大きな問題になっておりまして、いろいろな陳情、要請も出ているんですけれども、競馬会としては地元との協議、もう既に地元の了承が得られたという判断で進めているんですか。
  29. 佐藤雄三

    参考人(佐藤雄三君) 立川場外の現在までに至りましたもろもろのことをちょっと簡単ですけれども……
  30. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 いや、経過は余り詳しく言わないで、時間もありませんから。
  31. 佐藤雄三

    参考人(佐藤雄三君) では、同意についてのことでございますが、昭和五十八年の六月から同じ年の十二月にかけまして、四回にわたりまして地元での説明会を実施いたしました。その結果、本年一月になりまして、地元の九つの町会のそれぞれの町会長さんから場外売り場の設置についての同意を得ております。そこで、競馬会といたしましては、同町会の同意は地元の同意と判断しております。
  32. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 この場外馬券売り場というのはどこでも非常に大きな問題になりまして、東京でも何カ所か問題になって反対でつぶれた。ところが立川で、ここに地図がありますが、駅のすぐ真ん前です。もう既に建築が始まっておると、そこにテナントで入ろうとしているわけですね。  そこで、公営ギャンブル問題をどういうふうに見るかという基本点をまずお聞きしたい。  公営競技問題懇談会、座長が吉国一郎さんですけれども、五十四年の六月二十一日に、「公営競技の適正な運営について」という当時の三原総理府総務長官あての答申が出ている。この答申では、「場外売り場、競技場、開催回数等について」の項で「場外売り場、競技場、開催回数等については、公営競技調査会の答申に基づき、原則として増加しないこととなっている。」と、そう述べているんですね。農水省、これは確認できますね。
  33. 安橋隆雄

    説明員安橋隆雄君) 先生御指摘のように、昭和五十四年六月二十一日付で公営競技問題懇談会、座長吉国一郎さんから、総理府総務長官三原朝雄さんあてに「公営競技の適正な運営について」という意見が出ているわけでございます。その中で、今お述べになりましたように、場外売り場等については「公営競技調査会の答申に基づき、原則として増加しないこととなっている。しかしながら、現状では、各競技間の均衡を欠いたり地域的分布に偏りのある点もみられ、また、公営競技が大衆娯楽としての色彩を濃くしていることを考えると、今後は、抑制基調は維持しつつも、多少弾力的に検討することとしてよいものと考えられる。したがって、これらの問題については、次のような方向で検討すべきである。」というところの1といたしまして、「場外売り場の設置については、ノミ行為の防止にも効果があると思われるので、弾力的に検討してよいが、地域社会との調整を十分に行うこと。」という条件がついているわけでございます。  農林水産省といたしましては、競馬会に対して場外売り場の設置に際しましては地域社会との調整を十分行うよう指導しているところでございます。
  34. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 命のところは大事なところなんですよね。つまり原則はふやさないということ、原則は。基調も抑制なんですね。ただ、のみ行為の防止にも効果があるので「多少弾力的に検討する」と、例外的に。「多少弾力的」なんですよ。しかもその検討の条件は、「地域社会との調整を十分に行うこと。」というのが原則になっているんですね。  中央競馬会というのは政府一〇〇%出資の特殊法人なんですね。それで農水省の安橋課長がその直接の担当者なんで、そこで、さあこの地域社会との調整がじゃあ十分に行われているのかどうかということが大問題になる。競馬会の方は、先ほど九つの町会長からオーケーをとったと言われているんですな。町会長からオーケーをとっただけで地域社会との調整が十分かどうかということがこの点で非常に大きな問題になる。  余り詳しく申し上げませんけれども、ここの地域は立川の南口の駅のすぐそばで、近辺にも立川高校だとか立川美術学院だとか小中学校だとか、教育施設もいっぱいある。だから立川の教育委員会は、ここに馬券売り場ができるのは教育上ふさわしくないという見解を既に公表している。落ちついた住宅街で、しかも商店街でもあるんです。そこへ六階建てのビルディングが建って、ここに場外馬券売り場ができるということで住民が当然反対する、これは当たり前のことで、既に一万八千名の反対署名も生まれているんですね。  そこで問題なのは、町会長がオーケーということで住民全体の地域社会との調整が十分できたかどうかということが問題になる。特に大きな問題になるのは、地元の駅に一番近い柴崎町の三丁目北町会の場合、一月十六日に役員会が行われて、平出町会長が誘致に賛成したいと言った。ところが出ていた人たちの三分の二が反対でまとまらなかった。賛成派の人が退場しちゃったんです。ところが、だから何もまとまっていないのに、会長は十八日に同意書にサインしてそれで中央競馬会に出した。役員会でも決まっていないのに、三役会で決まったと称してサインして出しちゃったんですね。二十一日に反対の三分の二の役員の方々が集まって、サインを撤回しろということで緊急役員会を要求した。ところが会長は拒否したので、じゃあ辞任してくれということになって大問題になった。  ここでの問題は、中央競馬会に対して、役員二十一人中十三人の方が連名で、あの同意は個人でやったもので町会の同意じゃないんだということを申し入れている。だから町会長がサインしていたって地域社会との調整が十分ということにはならぬのですよ。中央競馬会はどういう判断ですか。あなたはこういう経過を全部御存じのはずでしょう。町会長がサインしていると言うが、町会の役員会にもかかっていないし、これだけ抗議も来ているのに、これは十分地域との調整が済んだという判断を中央競馬会としてはお持ちなんですか。
  35. 佐藤雄三

    参考人(佐藤雄三君) 先ほど先生が言われました柴崎町三丁目北町会からそういうことを言われましたことは私たちも十分承知しております。しかし、町会長からの同意につきましては、町会長から取り消しあるいは撤回は競馬会には申し出されておりません。したがいまして、町会長の同意書をいただいた、このことによりまして地元町会の御賛同を得ていると私どもは思っております。
  36. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 だって、あなたは全部経過を御存じなんでしょう。それで役員連名のこの文書もお持ちなんでしょう。経過を全部御存じなのに、町会長がサインしていれば、それはうそのサインであっても地元の合意を得ているという強弁をあなたはされるんですか。
  37. 佐藤雄三

    参考人(佐藤雄三君) 先ほども申し上げましたように、出ておることはよく承知しております。しかし、町会長からも撤回あるいは取り消しというのは出ておりません。
  38. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 取り消しがなくたって——だからこれは大問題なんです。中央競馬会というのはこういう体質なんです。  それで安橋さんにお聞きしますが、読売新聞の一月十八日付の記事ですと、農水省の競馬監督課はこの問題について、どんなプロセスでサインされたにせよ、町会長の判こは住民の唯一の代表だと見るしかないんだと、そういうことを述べているというんですけれども安橋さんもそういう見解なんですか、経過を御存じで。
  39. 安橋隆雄

    説明員安橋隆雄君) 同意につきましての農水省の立場を申し上げますと、御案内のように、場外施設を設置する場合は農林水産大臣の承認を設置者が受けることになっております。これは競馬法施行令上の問題でございますが、その承認をするかどうかを判断するに当たりまして地元の同意が必要だと。先ほどの吉国答申にも地元との調整ということが出ておりますので、地域の調整が十分ついているかどうかを承認する場合の判断材料にしているところでございます。  ただ、この立川の問題につきましては、現在のところ競馬会から政令上の承認申請が出ていないような段階でございますので、どういうふうな経緯で同意がとられたかということについてもただいまの段階では何とも申し上げられない、承認申請が出た段階検討いたしたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  40. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 読売新聞の談話は農水省の態度じゃないですね。
  41. 安橋隆雄

    説明員安橋隆雄君) 同意のとられ方のプロセスについての一般論でございまして、立川市の問題について述べたものではございません。立川市についてはそういう段階ではございません。
  42. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 あなたが述べたの、あれは。
  43. 安橋隆雄

    説明員安橋隆雄君) 別に読売新聞の記者に対して取材があって述べたものではございません。立川の問題につきまして、衆議院の先生からどうなっているかというふうなお話がございましたので、議員会館で一般論として述べたわけでございます。
  44. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 菅直人議員から質問書が出て、二月二十一日付の内閣の答弁書で、「地域社会との調整を十分に行うよう競馬会を指導していく考え」と約束しているんです、この立川問題で。内閣の答弁書でこういうのが出ていて、地域社会との調整を十分にしろということがもう言われているわけでしょう。そういう町会長のインチキな判、これを盾にとる中央競馬会の態度はけしからぬですよ。それを一般論でも、そういうサインがあれば一つのあかしたというようなことをあなたが言うのもこれは大問題だ。  地域社会の総意はどうなっているかというと、万城目さんという方が代表で設置反対の連合協議会がアンケート調査をやっている。これ錦町八町会及び柴崎町三丁目北町会、九町会に対して、全世帯に対して郵送した。転居等で戻った分を除くと二千八百八十一通なんですね。回収は三七%、千七十四世帯。三七%というのは大したもので、これは立川市が市民の意向調査をやるときは有権者の三〇%ですからね。それが三七%戻ってきている。それで、四月五日現在で反対は八九%、九百五十三世帯、賛成はわずかに一〇%、百九世帯。特に、馬券売り場が建つ一番の地元錦西では回収率六七%と関心が高い。そのうち八八%、百五十一世帯が反対、約九割反対。それから町会長のことが問題になっている駅の一番前の柴崎町三丁目北町会では回収率八三%、七十四世帯、八二%が反対。ですから、地域の住民の意思はもう明白だと思うんです。  中央競馬会はこういうことについて、こういう意思が明白なのに、これは地元との調整が十分できたとお考えなんですか。それからまた農水省は、こういう住民の意思がアンケート結果で出ていることについて、将来中央競馬会から出てきた場合にどういう指導をするつもりですか。出る前にも、まだ出てこないと言っているけれども、よく御存じなんだから、僕も陳情要請に渡邊次官に会いに万城目さんその他の方と一諸に行きましたよ。それでよく御存じのはずですよ。どういう指導をなさるおつもりか、責任ある答弁を求めます。
  45. 佐藤雄三

    参考人(佐藤雄三君) このアンケート調査につきましては私どもも熟知しております。しかし、これをもって地元の意見とすることはいかがかと思っております。したがいまして、競馬会は地元町会長からの同意書を全面的に尊重しております。
  46. 安橋隆雄

    説明員安橋隆雄君) 場外施設の設置を農林水産省が承認するに当たりましては、地域社会との調整が十分行われているかどうかということを見きわめて行ってきているところでございます。この場合、何でそれを見きわめるかということでございますが、従来は通常地元町会の町会長の同意書でその判断をしてきておりまして、アンケート調査を参考にしたというような例はございませんでした。本件につきましては、設置承認の申請が出された段階で地域社会との調整が行われているかどうかを検討して結論を出したいと考えております。
  47. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 従来町会長の同意でと言うんだが、それは民主的に町会が運営されて、それで町民の意思が役員会を通じて反映されるということが当然の前提ですね。今度のケースでは役員会も通過してない。それで役員二十一人のうち十三人が明確に反対の文書を農水省にも競馬会にも出している、アンケート結果もこうだという経過ですから、今度の件については内閣の答弁書それから答申に基づく原則に基づいて、本当に地域社会との調整が十分に行われているかどうかをきちんと具体的に調べてやってほしい。  中央競馬会というのは非常に巨大な組織で、国庫への納付金はトヨタ、東電に次いで三位ということなんですね。それで、そういうことに押されて——競馬会はけしからぬですよ、こういう経過を全部御存じの上で、町会長の判さえあればいいんだということをあくまで盾にとってやろうとしているので、こういうことを押し通しますと、私はこの立川の住民の人たちの国政に対する信頼にもかかわるということになると思うんですね。政府の一〇〇%出資で特殊法人なんですから、監督官庁として、住民意思に沿った、内閣の答弁書それから原則に沿ったこの問題についての検討を慎重に行うということをお約束いただきたいと思いますが、いかがでしょう。
  48. 安橋隆雄

    説明員安橋隆雄君) 内閣の閣議にも諮りまして答弁いたしました、設置に当たっては「地域社会との調整を十分に行うよう指導してきている」ということにつきましては、この一般原則を立川の場合にも当てはめて、申請が出された段階で十分検討して結論を出したいと思います。
  49. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 それでは、ぜひ慎重に山村大臣それから次官、それからあなたも取り組んでいただきたいと思います。  それでは、最後に住都公団土地疑惑問題に移りたいと思います。九州の問題ですけれども、この問題は単に地方的な九州の問題ではなくて、住都公団公団住宅全体の非常に大きな問題になっておりますけれども、国民の期待にこたえた用地の取得それから事業ですね、これは全体にかかわるものであるし、特に家賃の値上げが二度日のが昨年ありましたし、それにもかかわるものとして全国的な問題として重視してこれまで取り上げてまいりました。  去年の三月二十三日に参議院建設委員会で私がこの問題を取り上げ、四月の十二日に再度質問をいたしました。それから衆議院では地方行政委員会、決算委員会で三浦議員が三回にわたってこの問題を取り上げておる。私は昨年六月六日から八日まで、衆議院の三浦議員、小沢議員と一緒に現地調査を行いまして、現地で公団の支社にも参りましたし、現地にも行きましたし、県庁にも参りましたし、日本不動産研究所の支所にも行って調べました。特に、この問題について、フィクサーと私言いましたけれども、お二人の方から延べ八時間にわたってこの問題の経過を直接聞くということも行いました。  それで、去年十月一日に家賃の大幅値上げがあり、志村総裁の辞任ということがあり、大塩さんが新たに総裁となられましたが、大塩さん、この問題は私は非常に重要な問題だと思いますので、総裁としてこれまでの経過、いろいろございますし、前総裁が直接答弁したこともございますが、本当に期待にこたえて責任ある調査と御答弁をいただきたいと思いますが、その態度をまずお伺いしたいと思います。
  50. 大塩洋一郎

    参考人大塩洋一郎君) この問題につきましては、ただいま先生が御指摘になりましたとおり、国会でもしばしば御指摘があったところでありまして、公団としましても鋭意みずから調査も行ってまいったところでございます。そして、その調査の結果につきましては、五十八年四月十二日、参議院の建設委員会におきまして総裁から御報告申し上げたところでございます。  その経緯の中で、特に私どもがこれはこの事実関係と離れましても特に留意いたさなければならないと思いますのは、公団が行います事業につきましては、用地の取得ということは、最初にして事業の成否を決定する重大な事業、仕事でございます。したがって、非常に難しいことではありますけれども、ルールにのっとり、計画性を持って迅速にかつ厳正に行わなければならないということを日ごろから私どもは用地の取得につきましてみずからを戒めておるわけでございますが、今後ともこういったことを厳守しつつ用地の取得を推進してまいる必要があるというふうに考えておるところでございます。
  51. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 資料配付を許していただきたいと思います。    〔資料配付
  52. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 今、総裁が言われた四月十二日の調査結果ですね、これは建設委員会の会議録にも全文載っているんですが、このとき、私の質問が終わってから志村総裁がずっと述べられたので、聞いていてかんかんになったんですが、それ以後委員会がなかったのでお伺いする機会がなかったので、ほぼ一年たって取り上げるんですが、本当にこれはうそだらけです。よくもまあこういうことを平気で国会で述べるものだと思う。きょうは全体、全部取り上げませんけれどもね。  例えば、「取得価格に関して、前九州支社長が平米六千八百円以上ではだめだと言ったような事実は、調査した結果では、ございません。」と言っている。これは秋山さんのことだ。これは幾らでもあります。赤旗の記者は秋山さんと直接会いましたし、何回も電話でやりとりしているし、秋山さんは私にも一度会うと言われたんだ。ところが、どうも公団からいったんじゃないかと思うんだが、一度私に会うというお約束がその後取り消されまして私は残念だったんだが、赤旗記者にはちゃんとこう言っています。秋山氏は、「林兼は一平方メートル当たり一万円(総額四十二億円)をねらっていたようだが、私は六千円台を考えていた。公団土地を買う時、採算という面からの検討も必要だ。そうしないと、結局は公団家賃にはねかえり、空き家のふえる原因にもなる。林兼が提起した値段では、採算が合わないので、私は買い上げに消極的だった」、はっきり述べておられるでしょう。これは赤旗に連載した「拳銃と地下金脈」、今度本になりましたのでお読みだと思いますけれどもね。ちゃんと秋山さんはこう述べておられる。それを「調査した結果では、ございません。」と。どういう調査をされたんだか、まあこういうふうな形で出て、これはまず第一に事実に反するんですね。  私は、きょうはいろんな問題、これにはピストル事件とかその後のピストル事件に絡む暴力団絡みのいろんな問題がありますけれども、地価問題、土地価格の問題に絞ってお伺いしたい。特に、この土地価格の決定で、当時の秋山支社長が六千円台を言っていたのに、一時九千円から平米一万円まで上がって、結局最後の段階で八千二百円と。だから、秋山さんが考えたときよりやっぱり平米二千円高いころでおさまって三十七億円のあれが行われたのですが、この過程で公団の中央並びに九州で、九州の幹部がこの過程に非常に疑惑の明白な動きをしていたという問題を追及したいと思うんです。  もう一つここで、そうだ、かんかんになったことがあるんですよ、この答弁で。私が質問のときに、隣の大佐野地区ね、あれは坪一万円で申し出があったじゃないか、それを何で坪三万円で、同じ稜線の右と左ですよ、何で三倍で買うのだと言ったら、この答弁書は、その地区は、「塔原地区の北側に、県道を挟んで位置する太宰府市向佐野及び大佐野に所在する市街化区域内にある土地であります。」「平方メートル約一万円、坪約三万三千円でありまして、地権者から坪一万円での申し入れは存知しないところであります。」と言う。私、現地へ行って調べて驚いたですよ。全然違う場所ですよ。山からおりて県道の北側で、市街化区域でもう全然違う場所ですよ。その全然違う場所をまるで私が取り間違えたかのような答弁を平気で言うのです。  私は県庁にも行きました。県庁の土木部都市計画課の平田課長が、上田さんの言うその地域は、五十六年十一月に太宰府町長が来庁をしてちゃんと話があった。公団の福井部長も来て、塔原地区とこの大佐野地区両方を含む開発をやりたいのだという話があった。ところが、太宰府市の方が両方市街化区域にしたいというので、両方は一緒にできないというので大佐野地区の話はつぶれたということを県庁の平田課長がはっきり私に述べた。そういうことを全部知っていながら、何でこういうとんでもない別のところの、三倍も高いところの話を国会で答弁するのですか。事実はどうだったんですか。
  53. 久保田誠三

    参考人久保田誠三君) お答えいたします。  調査報告書では、当時先生がおっしゃるような、要するに塔原地区と稜線を隔ててすぐ際なのか、あるいは県道を隔てて少し離れたところですね、公団がかねてから、五十五年当時から我が宅地開発部門が用地交渉をやっていたところなのか、その辺が実は不分明だったものですから、したがってその調査報告書をお読みになっていただけばわかりますが、上の地区ではないかと思われますがという条件を入れてあります。そういうことで、そういう先生のお話とすれば恐縮でございました。  その点はそうでございますが、改めてその点を申しますと、それは実は五十七年の三月二日のいわゆる公団理事会、A審ですね。当初のA審では、先生がおっしゃいました今の地区を太宰府町の地域にわたって一応開発要請が町から来ていたわけです。その後、今先生がまたお話しになりましたように、町のほかの地区とか県との調整、その辺が調整区域から市街化区域へ編入の話がつかなくて、したがって開発になりますと公団が開発できませんので、したがって開発区域編入を断念いたしまして、筑紫野区域だけの地域に限定して今その三月三十日のB審では取得を決めたわけです。  そういう経緯でございましたので、その当時その今のおっしゃいました大佐野部落は、上の方の我々が五十五年当時やっていたところも大佐野部落の区域に入っていますし、今先生がおっしゃいました我々が一時入れてまた落とした地域も大佐野部落なんです。その辺でちょっと私の方もやや混乱があったのじゃないかと思って恐縮でございますが、いずれにしてもこちら側の方のところから坪一万円云々で買ってくれといったような申し出は一切ございませんでしたので、やや疑問ではありましたけれども、そういうお答えをしたわけでございます。
  54. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 全くおかしな話ですよ。私はかなり詳しく述べた。稜線を隔てたところだと、それをまるで違う県道の遠いところを、本当にトラックの通るすぐ前のところを、ここを私が言ったかのように言っている。今久保田理事がお認めになった。  それで、一万円という事実はないと言いますが、私これも調べました。三浦議員の沢秘書と共産党の太宰府市議の武藤市議が自民党の宮原光雄市議と会ってこの問題を聞いたら、宮原議員は一万円で申し入れたとはっきり証言している。あなた方の記録に残っていないかもしれぬけれども、事実なんですよ。そこで、今ここの太宰府の市長はかんかんですよ。本当にこけにされたと、しかも稜線の向こうの筑紫野の方だけやるそうだと。大体県庁もおかしな計画だと言っている。山の稜線で切って、こっちは買わないで片方だけ開発するという、どうやってやるんだろうと、雨水の処理なんかどうする気だろうといって県庁も言った。それから太宰府市長もかんかんですよ。こけにされた、公団に。そういう事実をあなた方はろくに調べないで国会でこういう答弁をしたというのは私は許せないと思うんすでね。  肝心の土地価格問題について移ります。  当地区の鑑定評価は鑑定機関三者に依頼したということを述べ、「鑑定評価については、日本不動産研究所ほか二者に依頼しており、鑑定依頼に当たっては、担当部長が干渉した事実は一切ありません。」と、とんでもないすでよ、こう言っている。それから「公団の所要の手続により、あらかじめ現地において土地等を三者の鑑定機関に同時に確認させるなど、適正に行っております。」と、こう言うんです。私、現地で日本不動産研究所の太田所長に会いました。太田所長から、一体鑑定というのはどうやってやるのか、いろいろ聞きました。太田所長はこう言ったです。土地鑑定に対する信頼が揺らげば全国的大問題だと、土地鑑定に対する信頼が揺らいだら大変なので我々は厳しくやっているということを言いました。私どもの倫理綱領は、指し値は受けるなど、根底から崩れると、そういう倫理綱領にしているという話までされた。ところが、この経過は指し値を受けているんですよ。林兼の指し値を皆さん方は受けている。そして、公団の中央並びに福岡の支社の幹部が、もう本当に協議し協議してこの問題をやっぱり決めているということが非常に問題だ。  お伺いしますけれども、五十六年の三月、林兼からこの土地の原価表まず四十億、その後修正されて四十六億円という資料提出がありましたか。なお、その際入江さんという人が鑑定士をしている福団地所株式会社の五十六億円という鑑定評価書が添付されていましたか。事実をお伺いします。
  55. 久保田誠三

    参考人久保田誠三君) 株式会社林兼商会から公団の九州支社に対しまして土地の原価一覧表が提出された事実はあり、また時期は同じかどうかはっきりしませんけれども、四月じゃないかと思いますが、林兼が依頼した鑑定評価書が出されたということを支社の報告で聞いております。
  56. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 配付した資料の三ページを見てください。これがこのとき提出された資料です。左側が四十一億円の簿価の明細、これ修正して右側が四十六億円の簿価明細。左側の簿価明細が傑作なんですね。右側の方に三角にして三・五とか〇・五とか書いてあるでしょう。これは上乗せした額が書いてある。つまり当初、一番最初土地代が十六億円と書いてある、これは実際は三億五千万円上乗せしてあると。実際には十二億五千万だったということですね。上乗せが全部書いてあっておもしろいですね、内部資料ですから。計算すると十四・七と書いてある。十四億七千万円、これ上乗せした額なんですよ、この四十億円というのは。一番下に約二十五億と書いてある。だから四十億から十五億を引けば、実際は二十五億なんだということが書いてあるんですね。  これでも少ないと思ってさらに約六億円上乗せしたのが右側の簿価明細です。実際にこれが林兼から公団に出たんです、四十六億円。しかも、それに福団地所株式会社は五十六億円という土地鑑定を添付したんですよ。一体これでどういうことになっているのかと私はまず思う。とにかくこれが提出されたというのはあなた方は認めた、だから、これで大体二十五億円の原価の土地だと。あなた方が三十七億で買ったのは、私は質問で十二億円高いと言ったんだから、どんぴしゃりですよ、後から出てきた資料からいって。そういうことが明らかになっていると思いますけれども。  次に御質問。五月二十八日、東京本社に林兼の小山専務が来て、本社の企画用地部の平田次長と会っていますか。
  57. 久保田誠三

    参考人久保田誠三君) 五十六年五月二十八日とおっしゃいますが、その当時本社の平田次長は、南多摩ニュータウンの多摩フェアと申しまして、ニュータウンのPRを行うフェアがありまして、その一番中心人物として非常に多忙に働いていたわけです。したがいまして、昨年も質問ございましたけれども、そういうことでありましたので、小山さんの方から何か会いたいという電話があったそうですけれども、そういう事情で忙しくて会えないからということを言って断ったそうです。平田はそう言っております。
  58. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 それでは会ったんじゃなくて電話ですな、恐らく、あなた方の答弁を信用すれば。三浦議員はちょっと間違えた。この後の経過で言いますと、グランドパレスホテルで二十九日に会ったんじゃないかと。ところがその後、事実によりますと二十八日なんです。そうすると、多摩ニュータウンに行っていて会わなかったと、まあ私信用しましょう。じゃ電話で話した。電話ですな。とにかく電話は認めたと。  資料のページ十一、ページ十二を見てください。これはその日にグランドパレスホテルでフィクサーの平川芳延と小山専務が会ったときのメモです。平田次長が何を言ったかがここに九項目にわたって書かれていますが、平田次長、公団の買収は時価主義だ。原価は一応尊重するが、時価より高いものは受け入れかねる。時価は、鑑定書及び付近の取引事例か計画面で消去法による算出がいろいろあるが、内部協議で査定する場合が多いと、こういうふうに土地価格の決め方を説明しているんですね。久保田さん、大体こういうことでやっているんですか。
  59. 大塩洋一郎

    参考人大塩洋一郎君) 平田君の言葉の中にございます、その言葉どおり彼が言ったかどうかわかりませんけれども、恐らくこれは、内部でいろんな審査会がございますから、内部で協議して不審査はするという意味だろうと思います。
  60. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 さて、この第六項目を見てください。「支社長はこのプロジェクトには消極的であった。大佐野不調以来多少変って来た。併し今度は人事で移動する公算大である。」と、こう話している。確かに九月一日に秋山さんは飛ばされるんですよね。こういう人事、消極的な支社長はかわるぞということを売り込んでいる相手に中央の本社の次長が話すなんということがもしあったらどういうことですか。総裁、どうですか。
  61. 大塩洋一郎

    参考人大塩洋一郎君) そういう用地の取得に関連しまして人事が内実的なことで影響したりするということは絶対にないと私は信じております。
  62. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 絶対にないんだけれどもあるんですよ。書いてある。これは小山専務の肉筆です。彼はこういうことを報告して、最後に「せいぜい頑張ってみて下さい。」と平田さんが言っていると書いてあるけれども、これはまあ頑張ってくれと言ったかどうかわかりませんが、儀礼的言葉だと思いますけれども。それで、それから後が平川フィクサーと小山さんのずっと話ですよ。公団提示額八千円、これがこの前に出たんですな、八千円で。これは五月二十八日の直前の五月二十六日に小山さんと滝井部長の会合で平米八千円が出た。  きょうここに経過を全部詳しく書いた資料をお配りしてありますから見てごらんなさい。全部書いてある。五月二十六日に九州支社の滝井部長が平米八千円と、三十四億四千万円の正式提示と、これ以上は無理だと、鑑定三者といかなる形の打ち合わせをするも平米八千円以上は無理と言った。きょうお配りした資料にこういうのはちゃんと出ている。それで慌てて上京してくるんです。それで平田さんに会うわけだ。平米八千円は無理だと言われて、それで平田さんと会って林兼側は四十六億五千万円プラス三億円で四十九億五千万円、これを我々はやりたいんだということを話して、それでずっと話して、最後を見てごらんなさい。「鑑定対策の確立」、ページ十三。「角筋の意義は極めて大きいからこのラインを強く出す事必要?」、なかなかいいところを見ていますよね。鑑定対策が必要だ、「角筋の意義は極めて大きい」。  それで、その角筋ラインとして登場した人が村本信孝氏である。資料十六ページ。これは毎日新聞の大きな記事がありますが、村本さんというのは元重宗参議院議長の秘書だったんですね。そういう人で、この方が動き出すわけです。どう動いたか。資料十七ページを見てください。ここで小山さんなどと会って——資料十七ページの左、「確約書」です。これは鑑定対策をやるという確約書です。「下限四十三億五千万、上限四十五億で作成の事」。これは土地鑑定書をつくるということですよ。でき上がり部数のうち一部は何とかのこと。日程は六月二十五日までにつくるというんです、鑑定書を。二千万円もらう、ここに「借用証」というのがあります、その右に。「貳千万円也」。これはきょう初めて公表する資料です。二千万円六月二日に借用証という形でもらう。実際にはもらう金なんだけれども、形は借用証です。  十八ページを見てください。第一勧業銀行の村本さんのこれは通帳ですよ。これは表紙で、十九ページは中身です。六月二日に五千円払ってこの通帳をつくるわけだ。同じ六月二日に二千万円入っている、株式会社林兼商会から二千万円。同じ六月二日に五百万円と千五百万円すぐ引き出している。こうやってやるんですな、金の動かし方。一日ですよ、この通帳をつくって。さてその次、この千五百万円を第一勧業銀行博多支店の荒木雅美というところに直ちに振り込む。千五百万円ね。それで、この鑑定対策千五百万円、村本さんのところには二百五十万円入ったんじゃないかというふうに平川氏は言っておりますけれども、じゃこの千五百万円は何に使われたか。平川氏の話ですと、鑑定三者に直接お金はやらなかったんですって。何に使ったかというと、こう言っている。鑑定会社に対して一円も使いません、その必要もない、金はすべて公団内部への対策に使った。高級料亭、キャバレー、公団幹部をよく接待する、こんなことは常套手段と、支社にも本社にも。結局、鑑定会社は公団上層部の言うことは何でも聞きます、公正な鑑定、あっはっはと。住都公団が内定する買収価格がそのまま鑑定価格になるんですと。  だから、鑑定対策というのは土地鑑定会社にお金をやるんじゃないんですよ。公団の幹部に、恐らくその千五百万円というのは料亭「満佐」、あそこは一晩に一人十万円ですからね。私は福井さんに電話で聞いたら、「満佐」でいろいろ接待を受けましたということを彼は私に電話で認めたんだから。「満佐」に何回も行っている。滝井さんも何回も行っている。こういう接待費で鑑定書対策をやるわけですよ。この鑑定書対策をやった中身が、この資料でずっと出てきている。これがまた大変です。  ページ十四を見てください。いろいろ経過はありますけれども、一々やっていると大変ですから、八月十八日、小山、滝井、豊田と会合、九州支社で。滝井さんは部長です。豊田さんは課長です。この十八日と十九日の三人の会談で、五行目くらい、「今日鑑定三社と協議したが平米八千五百円しか出ない。」と。つまり五月には八千円だったのが五百円上がってきたわけだな、鑑定三者と会合したがというんですよ。これは滝井さんの話ですよ。八月ですからね。八千五百円しか出ないと。三十六億五千万が限度だが、平米二百円か三百円、これは出せるのじゃないかと。八千五百円からもうちょっとね、平米このぐらいは上げられるという話をしているわけだ。  一番下から一行目を見てください。「二十一日に鑑定三社呼出して協議してまとめる。」と、滝井さんこう言っているんですよ、小山専務に。「今日」、つまり八月十八日でしょうね、「協議した」と。八千五百円しかどうしても出ないということ。あと二、三百円上げられるかもしれぬ、二十一日に鑑定三者と協議すると、こういうことを言っている。  さて、その後八月の二十八日、これはきょうは余り触れませんが、私前の質問でこれは持ち出して、議事録があってね。秋山支社長がわると、滝井さんから福井さんにかわるというので、次にかわる福井さんを呼んで滝井さんが小山さんと一緒に、滝井、小山、福井で会っているわけですよ。自分の次に引き継ぐ人をちゃんと引き合わせてやっている。  いいですか、こういうことはあり得ますか。そのとき平米九千円と言っている。これ政治加算込みだと滝井さんが言った。これは私、ここで質問で言いましたよね。ちゃんと文書にあるんだと。平米九千円も政治加算込みでございますと。政治家がたれが動いたか。これは三浦さんも質問しました。衆議院の田原議員の名前や、建設委員で私も同僚でしたけれども、古賀議員の名前などが出てきているんですね。そのほかにも議員の名前が出ている。政治加算込みだとはっきり部長が言う。これは本当に私はひどいことだと思うんだが、もっとひどいことがあります。  その次のページ十五を見てください。福井部長が九月七日に現地に着任するんですよ。それで「福岡支社着任後第一回目打合せ」。上を見てください、「まさにて」と。これ料亭「満佐」ですよ。一晩十万円の「まさにて」と書いてある。小山専務、福井さんですね。滝井部長時代、秋山支社長は「六千八百円以上は反対である」、こういうのも出ている、ちゃんと。そう言っている。「これ以上の金額は認められない」と。六千八百円以上はだめだと言った秋山さんは首を飛ばされてかわったんです。それで滝井部長の後任に福井さんが行くわけだ。  それで、見てください。「今後は」(八)「鑑定書必要ならば書替えさせる」と書いてある。福井部長が小山専務に約束したんですよ。鑑定書は必要ならば書きかえさせるということを業者に約束しているんだから、部長が。滝井部長から平米九千円でとの約束をしていただいた、これは小山さんの話です。それを平米一万円まで値を引き上げていただきたいと、「満佐」で酒を飲みながら、一人十万円の。書きかえさせるとか、平米九千円までいったが今度は一万円まで上げてくれという話をここでしているんです。  もう一つ、私は本当に今度の事件というのは、こういうまことにフィクサーや小山専務というのが、全部こうやって記録に残してあって、これが我々の手に入ったというところに実におもしろいというか大変な、あなた方まさかこういうふうな記録が残ると思ってないだろうけれども、また書いた人も、まさか共産党の手に入るとは思わないで書いているんでしょうけれども、大体全部入っちゃったんです。これ後で書いたんじゃないですよ。そのときどきに記録として残っているんですよ。  それでもう一つ、これは福井さん、本当にこれはけしからぬと思うんだが、もう一つ資料、これはばらにとじたやつですが、「小山君」と書いてあります、一ページ左の方に。これはいろいろ問題になってからフィクサーの平川氏が小山専務を非常にしかった手紙なんですね。「君が九月着任の福井部長へ強く何でも言えたのは何故なのか。」と、(三)のところ、「福井氏の個人的な依頼を引受けたのは君、それを実行し果たしたのは私の東京の関係者、勿論多額の費用を使ったのは事実だ。」と、個人的な依頼の中身まで私はきょう申し上げませんが、福井部長は個人的な依頼まで果たしてもらって多額の金を使わせて、それでだから小山専務が強いことを言えるんじゃないかということまで資料に出ている。これはもう本当に一体どうなっているのかと思いますね。総裁いかがですか、こういう資料をごらんになって。
  63. 大塩洋一郎

    参考人大塩洋一郎君) 今初めて見る部分が多いわけでございますが、例えば鑑定士のとった行動なりあるいは福井君が料亭その他等々で記録にありますようなことをやったことにつきまして、私どもも今まで関係者を呼びまして調べておるわけでございますけれども、私どもの調査とは全然違う極めて非常識でありかつ考えられない事柄のみでございます。先ほどろくに調べていないとおっしゃいましたけれども、私どもは私どもなりの調査をいたしておりまして、それなりの結果を見まして、土地買収の経緯につきましては、調査の結果、職員のそういう道義にもとる、あるいはルールにもとるような不正はなかったものというふうに考えておりますが、今御指摘になりましたような事実は、いかなる段階でどういうふうにしてこういうことになっているのか、ほとほと当惑し、この判断に苦しむものでございます。
  64. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 きょうは大塩総裁がまじめにこれを調べてくださるだろうと思いまして、初めての資料ですけれども、お渡しした資料の四ページからこの問題の経過が、これは平川芳延氏が林兼商会あてに書いたものです、筑紫野の土地の件、金額の件、金額について、これ十ページばかりこの問題のすべての経過の資料を公表してお渡ししますからいぜひ事実を正確に調べて適切な対処をお願いしたいと思いますが、総裁、きちんと調査をしていただけますか。
  65. 大塩洋一郎

    参考人大塩洋一郎君) 先ほど申し上げましたように、私どもは、過去この問題が提起されまして以来、慎重に十分調査いたしたつもりでございます。したがいまして、今御指摘になりましたような点につきましては一応これと照合してみますけれども、これ以上、この真実と我々が思っております調査の結果と著しく違う点については照合してみたいと思っておりますが、そういう意味で調べてはみますけれども、調査するという形ではなくて、私はこの書かれている中身につきましてもう少し読ませていただきたいというふうに考えております。
  66. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 しかし、あなた方が調べると言っても、これは捜査権はないわけだから、本人を呼んで言うんでしょう、上田議員がこういうことを言っているがどうだと、本当のことを言いはしないですよ、首がかかるもの。まさかわかるまいと思って、そんなことございませんという話をするわけだ。だから、あなた方はそれに基づいて、先ほど私が言ったようなああいう答弁を、恐らくそのときは良心に恥じないと思っておやりになったんでしょう——かもしれぬ。しかし、事実が明らかになってくるとこういう大変な問題なんですよ。  そして、秋山さんは一度本社に呼ばれて子会社に飛ばされた。左遷ですよ、窓際族になってね。ところが滝井さんは、今首都圏都市開発本部の事業第一部長だ。福井さんは研究・学園都市開発局事業第一部長だ。平田次長は今中部の支社長だ。公団の幹部を現におやりになっているんですよ。そういう人たちが、過去にこういうことがあって、事実がこう全部出ているんだから、これに対して公団としてはきちんとした態度をとらなければいかぬ。監督官庁の建設省、いかがですか、こういう問題について。
  67. 水野清

    ○国務大臣(水野清君) 今上田議員のお話を非常に微細にお調べになったと感心をして聞いておりました。本当にこんなことがあるんであろうかと思って聞いておったわけであります。  この塔原地区というところの用地の買収については、私の聞いている限りは、不動産鑑定士、その後三者の鑑定評価を基準として価格の設定をしておる。また、二度にわたって本社の理事会で審議をした結果用地買収を行うという公団で決めている手続を適正に踏んでおると、特段の問題となる点はない、かように私は報告を受けております。  しかし、上田議員の非常に微細な御調査もありますから、もう一度住宅公団にこういうことについての調査をさせてみたいと、かように思っております。
  68. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 ぜひお願いしたいと思います。  もう一つ最後に聞いておきたいんですが、もうおやめになりました小林忠雄副総裁、この方が、買うことを決める理事会のあった直前、五十七年の二月の八日から十一日ごろ、海の中道海浜公園の問題で福岡に出張されていたんだが、どうもこの副総裁が筑紫野市に足を運んで林兼の小山専務と一緒に現地を調査しているんじゃないかというふうに言われているんですけれども、この事実はありましたか。
  69. 久保田誠三

    参考人久保田誠三君) そういう事実はございません。その当時行っておりません。
  70. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 それは、じゃ結構です。  この問題で線引き見直しが、市街化調整区域を市街化区域にするかどうかということが問題になるわけですが、筑紫野市の段階では、線引き見直しで三対四の採決で市街化区域の編入が決まって県に申請していると言います。福岡県の段階で預かりになっていると聞くのですけれども、この点公団としてはどういう折衝を合しているんですか。
  71. 久保田誠三

    参考人久保田誠三君) 公団としては早期開発をいたしたいために、まず調整区域ですから、市街化区域に編入が前提でございます。したがいまして、福岡県当局に対しましてはもとより、地元の市に対しても要請しまして、線引き手続が速やかに進むように要請しているところでございます。
  72. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 私はこれは本当に検討をすべきだと思うんですね、再検討すべきだと。これだけの疑惑が事実によって明らかになっているわけですからね。私はきょう、おやめになった総裁のことを、もう時間もありませんし、もうおやめになっているんでこれ以上やりませんでしたけれども、私が質問した小松康彦との関係とかいろいろあるんですよ。このフィクサーたちの執念というか計画というか、本当に相当なものだと感心したけれども、ずうっといって新公団発足でこの話がつぶれかけたとき、志村さんが総裁になると。総裁を落とそうというので、人を落とそうと思うと人脈を全部調べるんですね、人脈を全部。それで、小松康彦という人がよく家族ぐるみで——三つ志村総裁には糸をつけたと。公団の幹部一人とそれから小松康彦、もう一つある。その三つでいくんですって。それでとうとう落としたというんですよ。最後の最後に志村総裁自身が非常なイニシアチブを発揮して、この問題をまとめられるんですな。その経過もお渡しした資料に全部書いてありますから。総裁がこういう林兼商会のいろんな回し者のあれを通じて、総裁自身が最後に動いてこれを決めるなどということで、だれを信用したらいいかということ。久保田さん、私の最初の質問のときに涙を流して、一切疑惑はないと言われた。私も、あなたが涙を流されるんで私の方がちょっと困ったぐらいでね。あなたはまさかそういうことはないと思っておられるかもしれぬけれども、事実はもっとひどいんですよ。  それで私は、大変だと思うのは、単にこの福岡の筑紫野市の問題だけじゃないかもしれぬと思うんですね。つまり土地鑑定者というのを決めると。で、鑑定書が出て、だから公団土地を買う場合にそれで公正だと思ってみんな信用しているわけでしょう。ところが、この問題を通じてわかったことは、土地鑑定三者というのは公団の言いなりだということですよ。公団が大体土地鑑定者を、恐らく十数社使っているんでしょうけれども、仕事をもらいたいから公団の言いなりなんですよ。全部協議して決めているんですよ。しかもその際政治加算が入る。癒着の業者の指し値が料亭「満佐」などのあれでまかり通るということになったら一体どういうことになりますか。  こういう公団土地買いが全国にまかり通っているとすると、これは大変なことになるんですよ。公団は設立以来三万三千ヘクタール、一億坪の用地を取得されている。仮に平均坪一万円こういう形ではね上げられてごらんなさい。一兆円高買いしたことになりますよ。公団が高買いずれは付近の地価も上がるんですよ。筑紫野市も上がっていますよ、あの付近は。坪一万円だった土地が、公団が坪三万で買ったんだから、はね上がっております。そうすると全国の土地で、公団がこういうやり方で、土地鑑定者との関係公団が話をし、そこで決めさせる。そこに政治加算が入り、利権加算が入る。はね上がる。はね上がった、例えばこの一兆円は全部家賃にいくんですから。公団住宅の住民の被害になるだけじゃない。それが付近の地価を持ち上げたんだとすると全国民の被害になるじゃありませんか。  土地鑑定問題というのはいろいろ理論問題もあります。私も、もうきょう時間がないのでやめますが、住宅宅地審議会の答申の問題だとか華山教授の論文だとか、いろいろ土地価格鑑定、これも本当に理論問題としても大変な問題があるということを今度初めて知ったんですが、これは今後にしたいと思いますけれども、どうも地価の問題、地価鑑定の問題、公団関係の問題、大変大きな問題があると私は考えざるを得ません。  国土庁長官、特に地価の問題を担当しておられる官庁として、きょう私がその一端を明らかにして、これが地価鑑定という地価の問題にかかわる大きなことで、日本一の大家主であり、土地持ちである公団が地価の値上がりの非常に大きな元凶の一つになっているとしたら、これは大変な問題だと思うんですね。この間、地価公示があってこれも大きな問題になりましたが、最後に国土庁長官にこれらの問題についてお考えをお伺いしたいと思います。
  73. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村佐近四郎君) 先ほど来から上田さんのお話を聞いておりまして、細かく調べられておりますから、それがうそであるとかいうようなことは申し上げることはできないだろうと私は思います。そういう意味で、公団土地を買い入れる場合の最終的な基準になるものは、やっぱり土地鑑定士のその結果によってその評価がされていくものだと私は思います。その土地鑑定士がぐるになっておられたら、これはとてもじゃないが信用できなくなってくるんじゃないかと思います。  そういう意味で、公団等々の土地の買い上げ、これがやはり周辺の土地の値上がりを来しておるということは、そういうことは政治加算があるとか疑惑があるとかということでなく、公団土地を買収したためにその周辺の土地が値上がりを来したと、これは私はよく聞いております。そういう意味で、今後そういうことがあってはなりませんし、またそういうことのないように、国土庁としては、国土利用計画法というのがございますから、それとまた鑑定士等との問題等よく指導しながら、適正な価格でいくように全力投球をしなきゃならぬと、こういうふうに考えております。
  74. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 終わります。
  75. 村田秀三

    ○村田秀三君 同じく住宅公団にお伺いをするわけでございますが、今、私も上田耕一郎委員お話を聞いておりまして、これから申し上げることがはてと、こういうような感じもしないわけではないわけであります。しかし、今いろいろと進められた指摘が事実であるとすれば大変な問題でございまして、究明をしていただくと同時に、その原因をやはり解明し、まさに厳しく対処していただかなければならぬと私は思います。まだそうだということになったわけではございませんから私はそこまでは申し上げませんが、以下申し上げますことは、私は現場を見ておりません。同時にまた、それほどの精査をしておるものでもありませんし、かような情報がそう軽々と入る立場でもないわけでありますから、ただ出されました包括的な概念的な資料によって何かを推察していかなければならぬ、こういうことであります。  でありますから、これから私が申し上げますことは、必ずしも強く指摘をして云々ということではないけれども、今いろいろ進められた議論、こういうことの疑いを世上、ましてや公団に入居をする、あるいは購入するという人々に疑念を与えることがないように、そのためにも私はこれから若干の質問をします。まことに軽微なことではありますが、御理解をいただいてひとつお聞き取りをいただきたい、こう思います。  そこで、参議院予算委員会が正式に要求した要求資料、そこから出されました資料をずっと見てまいりますると、「五十四年度以降の東京、関東支社管内の空家の実情」というのが出ております。私のきょうの予定時間は五十分でございまして、そんなに詳しくこちらも指摘できないし、またそちらの方からもすべてを逐一的に説明を願うのはいかがかと、こう思いますけれども、とにかくこれ素人だったら大変でございます。ましてや民間のいわゆる住宅建設販売事業などということと比較をいたしますと、五十四年度管理開始の賃貸住宅、まさに一例でございますけれども、空き家率が二二・八%、これは五十八年三月現在でございます。それから分譲住宅、管理開始年月五十七年四月でありますからかれこれ二年近いのでありますけれども、それ以降逐次これ建設をしていくわけでありますから、必ずしも五十七年にすべてが完了したとも私は理解いたしませんけれども、空き家率が六五・一%もあるわけであります。まことに理解に苦しむのでありますが、これはどういう事情によるものでありますか。
  76. 救仁郷斉

    参考人(救仁郷斉君) 空き家問題に関しましては、しばしば当委員会でもいろいろ御指摘を受けまして、私どもも鋭意解消に努力しているところでございます。空き家問題が発生いたしましたのが、昭和五十年代に入りまして、第一次石油ショックの後、いわゆる低成長時代に入ったときに、私どもの高度成長時代に計画建設いたしておりましたことが相当いろんな面で方向変換を必要とするというようなことに相なったわけでございます。  よく俗に言われておりますように、高度成長時代には住宅が非常に不足するということで、大量に建設するためにやはり遠いところに建設せざるを得なかったというようなこと、それからやはり住宅需要が非常に強いために小さい狭い二DKを中心とした住宅が中心であったというようなこと等からそういった空き家問題が発生いたしました。五十二年度末にいわゆる未入居住宅、保守管理住宅合わせまして四万戸というようなものが発生したわけでございます。  その後、建設省の御指導あるいはいろんな先生方の御指導もございまして、逐次その解消に努力してまいりまして、昨年度末にはこの四万戸が一万四千戸台ということにまでなりました。恐らく本年度も、その後引き続いて大幅に減りつつございます。  そういったことでございますが、先生もただいま御指摘いただきましたように、毎年私ども三万数千戸の住宅を新しく供給しておりますが、その中でもやはり若干時期的に未入居住宅が発生するというような現象も現在いろいろ起こっております。その中でも、いろいろ問題がございまして、特に最近は分譲住宅につきまして、非常に何といいますか所得の今後の上昇が余り見込めないというようなこと、そういったことから買い控えといいますか、非常に慎重になっておられる。あるいは、お買いになる方が前の住宅を売って、そして新しく買いかえるというようなこともございます。そのために前の住宅が売れるまで非常に、実際にお入りになるまで時間がかかるというような、そういうような現象も起こっております。  そういうことで、先生今御指摘になりました二年前ぐらいに供給いたしました住宅の一部にやはり空き家が現在残っているということはまことに申しわけないというように考えております。これの対策としましては、私どもはいろいろ国民の皆さんにこういう住宅があるんだということを知っていただくということと同時に、いろんな関連公共施設の整備だとか駐車場の整備だとかいうようなことで、私ども鋭意そういった未入居住宅の解消に努力しているところでございます。
  77. 村田秀三

    ○村田秀三君 次に、未利用地ですか、「公団保有の未利用地の実情」、こういうことで、五十五年会計検査から指摘された物件についてのみ記載したと、こういう説明を受けておるわけでありますが、そのうちいろいろと聞いておりますると、既に着手をした云々という箇所が多うございまして、結果的にはこの表は何のために出したんだろうと実は疑問を持っておるわけであります。五十五年の表じゃなくて、実際に着手をしておるとするならば、現実の資料を正確に出した方が、何だこれ二十一地区も、しかも四十八年、四十五年ごろ買ったものがまだ残っておるのかという疑問を持たずに済むわけです。  いろいろ説明を聞いても、公団は先行投資しているのかなと思うほど私からすれば疑問が残る。つまりは、今上田委員の指摘されたように、だれからか持ち込まれて、そしてやむなく買わざるを得なかったから残っておる、こういうふうに短絡的にこれ疑っても、また疑われてもやむを得ないものを持っているんじゃないか、こう実は思います。これに対しましてはいかに考えますか。
  78. 救仁郷斉

    参考人(救仁郷斉君) 私どもが五十五年度の会計検査院の決算報告に指摘されました二十一地区について資料をお出ししておりますのは、二十一地区がその後どうなったかということで当委員会等でもいろいろ御議論をいただきまして、鋭意私どもがその解消に努力しているというために資料として提出してあるわけでございます。  これは先生にも御説明を申し上げたかと思いますが、二十一地区につきましては、既に十二地区につきましては事業に着手したり、あるいは高校用地として転用したりして既に事業に着手しておりますし、残りの九地区につきましては基本的な公共団体との協議が調いまして、現在実施計画につきまして協議中あるいは手続中のものでございます。まだ開発の基本的な協議が成立しておりませんのが三地区ということになっておりまして、これらにつきましても、引き続き公共団体との協議を鋭意進めてまいりたいというように考えております。  それから先生の御指摘の四十八、九年に買った土地が非常に残っているんじゃないか、非常に先行的に土地を買ったんじゃないかというようなお話でございますが、私どもは開発できないような土地を買っているつもりではございません。ただ、先生の御指摘の中で、四十八、九年ごろには土地の値上がりが非常に急速でございました。したがいまして、やはり早く将来の土地を手当てしてないとこれは大変なことになるぞというような機運があったことも事実でございます。また、そのときの判断としては、早く土地を先行取得すべきだというようなことも私は決して間違ってはいなかったんじゃないか。結果論としては別としまして、時の判断としてはある程度間違っていなかったんじゃないかというような感じがしておりまして、と同時に、私どもがやはり開発します土地は逆に長期間かかるものが多うございます。したがって、ある程度は先行取得が現在でも必要だということは事実であるというふうに考えております。
  79. 村田秀三

    ○村田秀三君 いずれにいたしましても、先ほどの話のとおりにこういうのが本当にこのままで推移をするということになりますると、その疑いというものがますます強くなる、こういうことでもあります。  ずっと先ほどの話も聞いておりまして、単にそれは九州の一端の話ではないんだというような理解になりますると、これは同がかかわっての日本最大のこれ住宅建築会社でありますから——会社ではございませんが。だとすれば、当委員会が一日、二日もどって集中的に調査検討しなくちゃならぬという事態も考えざるを得ない、こういうことにもなりかねないわけでありますから、間々世上の疑いを解明するために当面の問題は速やかに解決していく、こういうことを要望しておきたいと思います。  次に、社会資本整備問題についてお伺いいたしますが、建設省関係五カ年計画、それぞれの事業にあるわけであります。例えば、年次もさまざまでございまして、最近の資料だけを眺めておりましてもよくわかりませんが、手元にありますちょうだいをした資料等を見てまいりまするというと、全体的にそうでありますけれども、特に私が気にかかりましたものは都市公園。都市公園というのは、恐らく金をかけるなどという考えになったのはごく最近のことではないかと、こう思いますが、いずれにいたしましても五十六年−六十年のペースで五十九年度で五九・二%、進捗率。下水道はやはり五八・二%、治水事業、これは五十七年からの五カ年計画でありますが、五十九年度では四六・三%、住宅公団は、これ住宅関係はさまざまありますけれども、これは進捗率五〇%ということになっております。  今までの話の中では、どうやらこれは余りにも需要に対して過大な計画を持ったのじゃなかろうかなどというような見方もありますが、とにかく総合的に見て進捗率が、まあひいき目に見ましてもこれはよくいっていますなどとは言えない状態であります。それはどういう理由に基づくものでありますか。
  80. 豊蔵一

    政府委員(豊蔵一君) ただいま御指摘がありましたように、現行建設省所管の各種五カ年計画につきましては、その計画が策定されました当時におきます経済の見通し等に即しまして計画が立てられたわけでございますが、その後の急速な財政事情の悪化によりまして五カ年連続の各年度予算の抑制というようなことになりましたため、その進捗がはかばかしくないということが実態でございます。  特に、昭和五十六年度から発足いたしまして六十年度を終期といたしております、ただいま御指摘がありました下水道、都市公園等それから海岸、特定交通安全施設等及び住宅の各五カ年計画につきましては、住宅建設五カ年計画のうちの公的資金住宅につきましてはかなり住宅金融公庫が頑張っておりますので実績を上げておりますが、その他の事業につきましては非常に厳しい状況になっているのが実情でございます。
  81. 村田秀三

    ○村田秀三君 経済の変化と財政の抑制と、こういうことで端的に受けとめておきますが、しかし考えてみますと、今、日本は老齢化社会に突入しつつあると、こう言われております。働く人がなくなって、そして年金その他で生きている、生活する人が多くなると、こういう状況でもあるわけであります。そして、今さら申し上げるまでもないのでありますが、水資源などの環境、宇宙空間の環境の汚染もありますけれども、いずれにいたしましてもそういう環境というのが極めて悪い。  時間がありませんから地方のいろいろな話なんかする暇もありませんが、とにかく小さなことを言えば、どんな高い山へ行きましても手で掬して水を飲むなどという小川は少なくなりました。田んぼはまたこれドジョウやフナっこがすんでいるなどという川はもとより少なくなった。都市の水というのはまさに死に水であります。ということになると、これは手賀沼や印旛沼の話もございますけれども、とにかく水を守るというためにはかなりの投資をしなくてはならぬ、今やらなければ手おくれになる、こういう時期だと思います。  さらには、治水の話になりますならば、今は水害がありまするというと、これは人災ではないか行政の怠慢ではないかとして、いわゆる裁判提起される事例が相当にあります。時間がございませんから後ほど触れることができるかどうか、お呼びしていてももしも触れることができなければお許しをいただきたいと思いますが、丸山ダムのいわゆる美濃加茂市の洪水の問題でもそうだと思います。これは工事計画どおりにそのまま進行しておれば水はあふれなかったというような指摘さえもされておるわけでありますから、ということを考えてみますと、この治水事業というのは放置するわけにはいかぬ問題であろうと、こう思います。これは当然なことでありまして、今さら私が声を大にしなくてもよくおわかりのことと思いますが、だとするならば、財政云々などとこう言ってもいられないと思うのでありますけれども、大臣はどうお考えになりますか。
  82. 水野清

    ○国務大臣(水野清君) 御承知のとおり、公共投資が非常にこの四年間伸び悩んでおります。その中で治水五カ年計画も思うように進捗をしていない。先ほど村田先生から御指摘のあったとおりであります。しかし、治水事業というのは、丸山ダムの問題とはちょっと違いますが、特に最近は都市河川の問題なんか含めまして、一たん集中豪雨などがございますと非常に大きな範囲の被害を関係者に与えております。そういう意味におきまして、今後、ともかく予算の面で非常な制約がございますが、私どもは全面的に取り組んでいきたいと、かように思っているわけでございます。
  83. 村田秀三

    ○村田秀三君 国土庁にお伺いいたしますが、第四次全国総合開発計画といいますか四全総四全総と言いますが、これは今準備中であると、こう聞いておるわけでありますけれども、その構想等についてちょっとお聞かせいただきたい。
  84. 小谷善四郎

    政府委員小谷善四郎君) 四全総につきましては、昨年の十月三十日の国土審議会におきまして四全総の策定に入るということを申し上げまして、御了承いただきまして策定作業に入っているところでございますが、現段階におきましては、四全総の計画の内容を考えるためにかなり長期にわたっての我が国の経済社会の展望をしている、そういう段階でございます。  それから四全総の基本的な考え方ということでございますが、これから作業して固めてまいりますけれども、現段階で考えておりますのは、これから我が国が高齢化社会に進むであろうということ、また都市化がさらに進むであろうということ、また広範な分野で技術革新が進展するであろうということ、さらにまた国際化ということをかなり幅広く進めていかなきゃならない段階になってきているであろう。それらの点を含めまして、二十一世紀に向けての国土づくりをどういうふうに考えたらいいかということで考えていきたいということでございます。
  85. 村田秀三

    ○村田秀三君 去年の八月に「一九八〇年代経済社会の展望と指針」というのが閣議決定をされました。計画は八年と、こういうことになっておるわけでありますが、一九九〇年を目途にこういうことになっておるわけですが、その概要についてひとつ御説明をいただきたいと思います。
  86. 坂井順行

    説明員(坂井順行君) 一九八〇年代の展望と指針の概要でございますが、これは特に社会資本の部分についてお答えをいたしますと、施策の基本的な方向それから分野別の投資の重点というような問題について述べておりますが、昨今の経済情勢等の状況にかんがみまして、非常に財政状況が厳しいということも踏まえまして、できるだけ経済社会の変化だとかあるいは国民ニーズの高度化、多様化に対応して、投資の重点化あるいは投資の総合化あるいは効率的実施というような点を特に強調しております。  ただ、先生もただいま御指摘ございましたように、社会資本そのものの整備の水準というのは漸次上昇はしておりますものの、国際的に見ますれば、例えば私的消費だとかあるいは民間の活動に比べましてかなりおくておりますので、その一層の整備充実が強調されておるところでございます。
  87. 村田秀三

    ○村田秀三君 今もお話あったとおりだと私もこの文書を見ております。全くもってそのとおりでございまして、私的消費や民間経済はかなり高いけれども、いわゆる社会資本は極めて立ちおくれである、こう指摘をしておりまして、財政上の問題もあろうかと思うけれども、充実強化をしなければならぬ、こう言われておるわけであります。これは去年決定したものであります。  この方針に基づいて四全総が組まれるのかどうかという関連性については、私もいささかイコールするとは考えないのでありますけれども、四全総は二十年を計画すると、こういう話もあります。これは一九九〇年を目標にいたしておるわけであります。経企庁と国土庁計画の優先順位といいますか、どこが頂点となって日本の経済社会、国民生活を動かしていくのかというこれは子供にも似た疑問でありますけれども、そのどちらを優先していくべきでありますか。これはお答えはどなたが適当でございましょうか、総理大臣おりませんが、どうぞお答え願います。
  88. 小谷善四郎

    政府委員小谷善四郎君) 経済企画庁でつくっております長期経済計画現行のもので言いますれば「一九八〇年代経済社会の展望と指針」でございますけれども、これは中長期の経済運営の基本方向を定めるものというふうに私どもは理解しておりまして、それに対しまして国土総合開発法に基づきます全国総合開発計画と申しますのは、国土基盤をどのように整備していくか、あるいは国土の均衡ある発展を図るための国土政策はいかにあるべきかという国土づくりの基本方向を示すものであるというふうに理解しておりまして、したがいまして二つの計画は、役割あるいは対象領域というものは差異がございます。しかし、長期的な政策運営の基本にかかわるということについては両方とも同じでございますので、相互に調整をしながら定めていくべきものである。どちらが上どちらが下ということではないというふうに私どもは理解しております。
  89. 村田秀三

    ○村田秀三君 何と言いましょうか、必ずしもイコールじゃないということは私も承知はいたしますが、しかしこれは政府が計画するものですから、少なくとも何か大きな大前提があって、それに基づいてその一部を国土庁が担当するとかあるいは建設省が担当するとか、こういうふうに整合性が常に保たれておらなければ、全然無視してやっているとは私は申し上げませんが、少なくともそういうことが必要であろうというふうに実は私は考えるのです。  でありますから、国土庁所管する与えられた任務というのは、国土庁と言うし、全国的にわたって国土を開発する、こういう理解に立てはそれこそ水も川も道路もというふうに言いたいのでありますけれども、町づくりばかりじゃないと思うのです、本当は。だとすれば、この日本をどうやって転がしていこうかという大きなマスタープランがあって、その一部をそれぞれが担当する、担当すればその方針に向かって最大の努力をするということになるとするならば、当然しなければならぬと思うのでありますが、その点はどうでしょうか、国土庁長官あるいは建設大臣にちょっとお伺いしたいと思います。
  90. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村佐近四郎君) これは国土総合開発法に基づくものでありまして、どこが土とか下とかいうのじゃなくて、経済企画庁は経済企画庁としての大きな役割もあります。あるいはまた建設省建設省としての大きな役割もあります。  そういう意味から、そもそも四全総の策定に入るというのは、これは昭和五十二年の三全総を策定したときとそんな大きな変わりはないとしても、急速に進む高齢化社会、あるいはまた技術におきましても大変大きな技術革新がある。いろいろな国際的な多様化問題、いろいろなことがありまして、そこで三全総をフォローアップして、長期に向けて、二十一世紀に向けて夢のある日本の国の国土計画というものがなされてまいったわけであります。  そういう意味から、経済の推移についてはいろいろ経済企画庁にお願いしなければなりませんでしょうし、あるいはまた高齢化社会、こういった問題については厚生省等との問題がございますでしょうし、各省庁にまたがるものでございますから、これは当然国土庁が総合機能の役割を果たして立派な国土づくりに邁進をしていく、国土づくりの計画を策定していく。これは四全総の策定の始まりになるのではないかと、こういうふうに思っています。今申し上げたように、どっちが上とか下とかじゃなくて、やはり国土庁は取りまとめをしていく、力強い各省庁の力を結集して、そして将来に向けて立派な日本の国土づくりに向かって策定をするということでございまして、国土庁はあくまでも総合企画機能の役割を果たす、こういう意味でございますから、よろしくひとつ御協力をちょうだいしたいと思います。
  91. 村田秀三

    ○村田秀三君 今日の行政の仕組みを全然知らずに私申し上げているつもりはさらさらないわけでございますが、これは先ほど建設省の官房長からもお答えがありました、つまりただ単なる五カ年計画、その進捗率の低下というのは、経済の状態あるいはこれは率直に言えば不景気だということですね。それから財政。不景気だから、税収も上がらないから多くのお金をかけることができない。こういう圧力があるからと、こういうことですね。  しかし、経済企画庁は景気を浮揚する——極端な物の言い方をするとそれは何でございますが、いずれにいたしましても日本の経済というものを安定的に拡大をしていこう。私が聞く限りでは、この計画の目標とするところは大体年率四%の実質成長を目標にしているんだということも聞くわけでありますが、そういうことも含めて、景気の問題も含めて考え合わせて、そして先ほど来申し上げましたように、今日以降におけるいわゆる公共事業の、さまざまあります、どれが優先順位ということを私は今ここで申し上げるつもりはありませんが、道路ははっきり言いましてかなりメートルも延びたから、今度はひとつ前につくりました道路を改善しましょうなどというようなことになっていることも当然でありますが、いずれにいたしましても、近々に今までなかなか手のかからなかった下水道であるとか、水の問題を考えればそこを集中的にやらなければならぬような気もいたしますし、また公園も緑も整備しなければならぬということになるでありましょう。  だとすれば、これは日本の将来を展望して、いわゆる金がないから手をつけないということであっては悔いを青年に残す、こう私は考えるわけでありまして、少なくともいわゆる社会資本の整備、一言で言いますけれども、そういうことは財政事情のいかんを問わず、特に言うわけじゃございませんけれども、そういう中にありましても、飛行機を買ったり、軍艦を買ったりするお金はこれべらぼうにおまけしているわけでありますから、だとすれば、何もそれと同等にせよなどという物の言い方はいたしませんが、去年はゼロシーリング、今度はマイナスシーリング、だからといって公共投資に対しましても政府各機関一律にすとんと落とす必要はないんじゃないか、もっと大事に考える、こういう意見であるわけであります。  だとすれば、これは建設省が大蔵大臣と交渉しましたがやっぱりだめでございましてというのではなくて、経企庁も国土庁も積極的にそういうことを閣議に反映させるなり、あるいは総理大臣にもその認識を強く与えてやっていく必要がある、こういう考えでおるわけでありますが、それぞれ同列の大臣でございますが、所見をひとつお伺いいたしたい、こう思います。
  92. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村佐近四郎君) 総理は花と緑と、こういうことを大変総理として提唱されておられます。先ほど来治水の問題がありましたが、これは国土の保全上または水の涵養上極めて治水事業は重要なことであります。そういう意味から、国土庁のそもそもの柱というのは日本の国をゆとりある、あるいは安らぎのある、あるいは住みやすい、こういうような形を基本としてやはり緑の町づくりに今は鋭意努力しておるところであります。  そういう意味から、そればかりじゃありませんが、やはり地域的にも潤いを持たす、都市だけではなく農村、漁村に対しても、また地域に対しても地域づくりということにも尊心努力していくわけでありますが、この花と緑——緑化というものの推進は全力を挙げて今国土庁は取り組んでおるところであります。
  93. 水野清

    ○国務大臣(水野清君) 先生の御指摘といいますか御指導に対して大変感銘をしているわけでありますが、御承知のとおり建設省は、今、道路整備、治水、下水道、都市公園、海岸、特定交通安全施設あるいは住宅等八つの実は五カ年計画をもって社会資本の充実に努めております。しかし、先ほど来御指摘のありましたとおり、この四年来の実は公共事業費がなかなか伸びなかったこと、あるいはマイナスシーリング、こういったものに遭いまして、この五カ年計画がはかばかしく進捗していないということを私は憂慮をしているわけでございます。  五十九年度予算については、国費ではややマイナスでございましたが、財政投融資資金であるとかあるいは民間資金を何とか導入しまして、ほぼ前年並みという事業資金を確保したわけでございますが、ともかく六十年度予算編成に入りますが、私どもはその中でどういうふうにして資金の確保といいますか予算の確保をいたそうかと思って考えている際でございます。  御承知のとおり、社会資本の充実というのは国民の生活にも必要なことでございますし、また同時に日本経済にとって雇用も保障しているわけであります。昨日も当委員会で議論がございましたように、四百万であるか五百万であるか別といたしまして、少なくとも四、五百万の人たちの雇用を保障し、また建設産業の五十兆という産業の基盤といいますか、需要の中心になっているのがやはり公共事業でございます。そういう多方面の問題がございます。来年度予算編成もそろそろ始まるわけでございますが、他省庁とも、先ほど経済企画庁、国土庁と連絡してと、総理にもひとつ大いにこの問題を説明してというお話がございましたが、来年度予算編成のそろそろ概算要求などが始まりますが、来年度予算編成に向けて、ただいまのお話をもうひとつ参考にさしていただいて大いに頑張っていきたいと、かように思っておるわけであります。
  94. 村田秀三

    ○村田秀三君 今もそちらの方から花と緑という言葉が出ましたが、国土庁はことし花と緑の都市モデル地区整備事業を開始されるようであります。また、建設省といたしまして潤いのある町づくり、環境保全対策、そして町の森、ふるさとの森、こういう事業計画を持っておるようであります。予算は微々たるものであるようでありますが、まことに結構なことである。実は私もこれ大いに賛意を表する——賛意を表するというよりも、かねがね主張しておった事柄でもあるわけであります。  時間があればその構想等についてお示しいただきたいものと、こう思っておりましたが、それは時間の関係で省略をいたしますけれども、ここで私はかねがね思っておるわけでありますが、今私どもがおります。辺はかなり緑に囲まれておりますけれども、しかし東京都全般を見ても地方の都市を見ても、空間であるとか緑であるとかというものはもう非常に少ない。せめて道路に街路樹をずっと、並木道をつくって、そして最近は単にそういう都市構造の中における緑ばかりじゃなくて、森林資源についても見直しされ、緑の効用についても見直しされてきておるわけでありますが、森林浴であるとかなんとか人間と緑とのかかわりというものの重要性について最近は極めて重要視されてきておるわけでありますから、そういう意味では積極的にやるべきである、こう実は思っております。  そこで、林野庁の方も来ておると思うのでありますが、どうもずっと眺めておりますると、これは他の問題にも関係してくるわけでありますが、何とはなしに縦割り的に物を考えてやっているような傾向なしとしない、そういうことでございました。だとすれば、日本には国有林野事業というのがあるわけでありますから、そこには優秀な技術と専門家がそろっておるわけでありますから、これをひとつこの事業とタイアップさせていく。そして、聞くところによるというと、苗畑などというのはいまかなりあいておるそうであります。それを活用する。聞くところによると、そういうものの関係は民間の業者を主体にするというようなことも聞いておりますが、それはそれで結構でございますが、いわゆる一地域二地域、小部分であれば別でありますけれども、これも計画的組織的に拡大をしていくということになりますというと相当量これは用木が必要であるわけでありますから、そういう意味では林野行政とひとつタイアップしてやってみてはどうかと思っておるわけでありますが、林野庁の方からお答えをいただいて、そしてそれぞれ国土庁建設省の所見を伺いたいと思います。
  95. 小沢普照

    説明員(小沢普照君) お答えいたします。  私ども国有林野事業におきましては、ツツジ類でございますとかアセビとか、あるいはイチイというような国有林の特色を生かしました環境緑化木を現在生産いたしまして、都市住民等にも非常に好まれておりますので、供給いたしておるところでございます。私ども今現在約百六十万本ほどの環境緑化木を栽培しておるわけでございますけれども、ただいま先生からも御指摘ございましたが、関係の省庁との連絡をとりまして、街路樹あるいはまた公園樹等の需要に適切に対応してまいりたいと考えておるわけでございます。  それからなお、都道府県とか市町村等に対しましても、国有林で生産いたしております環境緑化木につきましては資料を配付するというようなことを通じまして、その周知に努めてまいりたいと考えております。  なお、苗畑のお話も出ましたけれども、私どもの方も最近造林もその最盛期を過ぎまして、やや苗畑にもゆとりも出てきておるわけでございますので、民間の方々の御要請がございますれば私どもの方でできる限りの御協力もまたいたしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
  96. 松原青美

    政府委員(松原青美君) 私どもの方で所管しております公園事業あるいは道路事業の植栽工事に当たりまして、事業の適正な執行を図るという必要のために、建設省の方で樹木の品質等の基準を作成してこれに従って行うように指導いたしてございます。林野庁が育成いたしております苗木もこのような品質の基準に合致する良質なものが供給される場合には、これにも十分今後治川されるものと考えております。
  97. 川俣芳郎

    政府委員(川俣芳郎君) 五十九年度から、先ほど先生からもお話ございましたように、花と緑の都市モデル地区整備事業をモデル的に実施するわけでございますが、この場合、都市のシンボルとなりますような通りの植栽あるいは花と緑の小広場の整備等に苗木を活用するということになろうかと思います。苗木の種類等については、それぞれの地域の地理的な条件あるいは環境等への適合性等、事業を実施します自治体の意向がまず尊重されるべきものであると思っております。ただ、せっかくの先生のお話でもございますので、私どもといたしましても、林野庁で育成された苗木が地元の要望に合うものであれば活用方を進めてみたいと思います。
  98. 村田秀三

    ○村田秀三君 次に、高速道路でございますが、ことしの二月九州方面に調査に行ってまいりまして、九州横断道路、これの建設に着手しております現場を見てまいりました。あれは福岡から大分か、ちょっと起点、終点は今忘れましたが、いずれにいたしましても九州の地図の上でいう上の方ですね、長崎までと見てまいりましたが、縦断道路が末端でまだ完成されておらないことは承知いたしております。しかし、縦貫道路が完成をいたしまするというと、もちろん交通に利便も与えるわけでありますが、どうしても横断道路というのがございませんならば十分に縦断道路の活用は効果はあらわせ得ないと、こう実は考えるわけであります。でありますから、同じ横断道路でありましても、それはその地域の交通量であるとか物産の流通であるとか、それはさまざまな関係はあろうかと思いますけれども、少なくとももはや横断道路にも、単に九州ばかりではなくて、手をつけるべき時期である、こんなふうに火は考えるわけであります。  福島県の例を申し上げますならば、とにかく計画は随分ありますが、郡山と会津の間などというのは常に渋滞をいたしておりまして、しかも冬期間などというのはスキー客のいわゆる流入といいますか交通といいますか、重なって猪苗代−郡山間は動きがとれないほどたまり込んでおるというのは、これうそじゃございません。でありますから、これはそこへ手をつけるべきだと、ただ単に計画段階でほうっておくべきじゃない、こんなふうにも実は思うわけでありますが、全同部ないわゆる物の見方なり計画なり、これをひとつお聞かせいただきたい、こう思います。
  99. 沓掛哲男

    政府委員沓掛哲男君) 高速自動車同道は、均衡ある国土の発展を図るために最も効果的な、また不可欠な基本的な施設であるというふうに考えております。  現在、高速道路の供用延長は約三千四百キロでございます。この五カ年計画期間中にも約千百キロ供用延長を延ばしたいというふうに考えておりますが、現時点では、先生おっしゃられましたように、青森から鹿児島に至る縦貫道はほぼ概成いたしております。これからそれに準ずる道路、関越道であるとか山陽道であるとか、近畿自動車道というようなものが現在工事の最盛期を迎えておる状況にございます。さらに、横断道等は国土の均衡ある発展のためにも不可欠でございますので、こういう道路について現在整備計画を策定するとか、あるいは整備計画が策定されたものについて施行命令を出すとか、そういうふうな本格的な工事に対する準備を進めておる段階でございます。いずれにしろ、非常に重要な施策でございますので、この整備に最大の努力をもって当たっていきたいというふうに考えております。(「会津の問題にいま少し触れてよ」と呼ぶ者あり)  東北横断自動車道のいわき−新潟線は総延長が二百十キロの高速自動車国道でございます。いわきから郡山間は基本計画が出されておりまして、まだ整備計画ができておりませんので、その整備計画を出すための調査を実施いたしております。それから郡山から猪苗代間につきましては既に施行命令も出され、中心ぐいが一〇〇%打たれておりまして、これから地元説明に入り、用地関係が順調に進めば、五十九年度にも一部用地買収に入りたいというふうに思っております。さらに、猪苗代から会津坂下までは施行命令が出されておりまして、五十九年度あるいは六十年度早々にも施行命令を出すように準備をいたしております。それから会津坂下から津川の間は基本計画のままでございますので、北陸地建と東北地建で現在整備計画を策定するための調査をいたしております。それから津川−新潟間は整備計画が出されておりまして、施行命令につきましても五十九年度末から六十年度の初めに出せるように準術を進めておるところでございます。  特に——特にと言っては語弊がありますが、郡山から新潟間が整備されますと、東北から近畿へ行くためには、東京を通っていくよりも郡山から新潟を通り北陸道を通っていく方が近くなりますし、交通需要もこの面は少しは余裕もありますので、東北地方が北陸それから近畿と結ばれ、近畿以西との交通の利便が非常に増大することになります。こういう関係で、このいわき−新潟線は非常に重要な路線だというふうに考えております。
  100. 村田秀三

    ○村田秀三君 もう少しひとつ時間をお願いいたしまして、実は木曽川上流の丸山ダム、これは関西電力の管理事務所とそれからあと建設省の管理事務所が共管していると、こう思うのでありますが、その下流における美濃加茂市の昨年九月二十八日の洪水、この問題についていろいろと質問もし意見も申し上げる予定でございました。時間がもう既にないわけでございまして、せっかく実は気象庁の方とそれからあと自治省の方に、自治省の消防庁の防災課でありますが来ていただいておるわけでありますが、この際、まことに申しわけありませんが、気象庁から当日の気象条件だけをひとつ御報告をいただいて、また自治省の防災課からは、防災無線の木曽川周辺における設置状況など、ひとつ現状についてお知らせをいただいて、後日に質問を譲りたいと思います。お許しをいただきたいと思います。
  101. 黒澤真喜人

    説明員黒澤真喜人君) 昨年九月二十八日の気象状況でございますけれども、この日は台風十号が長崎方面に接近しておりまして、十時二十分ごろに長崎市付近に上陸いたしました。午後三時に高知県宿毛市付近に達しまして温帯低気圧に変わりましたけれども、勢力の方はそのままでほぼ東へ進みまして、二十八日の夜には東海道沖を東へ進んでいったという状況下にあります。  この状況のもとで、岐阜県の木曽川流域につきましては、午後一時から三時ごろにかけましては一時間に十ミリから二十ミリ程度の雨という状況でございましたが、午後三時前後から雨が強くなりまして、午後九時ごろにかけまして一時間四十ミリないし五十ミリというような雨が断続いたしました。この日の、二十八日の総雨量といたしましては、約二百ミリ前後というふうな量に達したところでございます。この台風、その接近する前から前線がそこに停滞しておったということもありまして、総雨量としましては二百、ミリから三百ミリ程度に達したところが多くありましたという状況にございます。
  102. 村田秀三

    ○村田秀三君 警報をする気象庁としての対応はどうですか。
  103. 黒澤真喜人

    説明員黒澤真喜人君) 気象庁といたしましては、岐阜地方気象台が二十八日の十一時二十分、大雨警報、洪水警報を発表いたしまして警戒を呼びかけたところでございます。夜に入って雨が弱まりまして、その段階で、二十二時三十分に大雨警報の方は解除いたしまして、洪水警報を引き続き発表いたしまして警戒を呼びかけだという状況にございます。
  104. 村田秀三

    ○村田秀三君 ちょっともう一度お伺いいたしますが、大雨警報は二十八日の十八時二十分ですか。
  105. 黒澤真喜人

    説明員黒澤真喜人君) 岐阜地方気象台が岐阜県に発表いたしました大雨警報、洪水警報、これは同時に発表いたしましたものでございますけれども、二十八日の十一時二十分でございます。
  106. 清野圭造

    説明員(清野圭造君) 防災無線の関係につきましてお答え申し上げます。  都道府県から市町村に対します気象の警報の伝達につきましては、全市町村に対して迅速かつ的確に伝達が行われますように都道府県防災無線の整備が進められております。消防庁でも、昭和四十八年度から国庫補助制度を設けまして進めてまいったわけでございますが、その結果、五十八年の十二月現在で三十九都道府県が完成いたしまして、一県が一部運用中という状況でございます。  岐阜県につきましては、昭和五十三年から五十五年にかけまして整備が行われまして、現在完成をいたしております。市町村と集落を結びます防災無線の設備につきましては、五十二年度から補助制度を設けまして、特に防災上対策をとる必要があるというところを中心に整備を進めてきておりまして、これも五十八年の十二月末現在で約八百二十の市町村が運用してございます。岐阜県につきましては、百市町村中四十五の市町村で整備が行われておりまして、御指摘ございました美濃加茂市につきましては、昨年の災害の例にかんがみまして本年度から二カ年で整備を行うということを聞いております。
  107. 村田秀三

    ○村田秀三君 どうもありがとうございました。  こんなわけで、きょうは本当に時間ございません。したがって、少し時間もいただかなければならぬ課題でございますので、後日に質問を譲ります。
  108. 青木薪次

    委員長青木薪次君) これをもって昭和五十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、建設省所管総理府所管のうち国土庁北海道開発庁並び住宅金融公庫北海道東北開発公庫についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十二分散会      —————・—————