○三治重信君 そうすると、それは法律
制度として
郵政省がこの
郵便貯金制度をやるんだから、法律としてそういうぐあいに書いてあるのは当然だろうと思うんだけれ
ども、
政府全体としての運用における、財政金融政策におけるその中の金融政策で、殊に預金
利子の自由化というものをやっていこうと、それから開放体制で外国との金融の自由化をやっていこうというときに、
郵政省だけが
郵便貯金法によって独自に決めるように法律に書いてあるんだと、だからそういうふうに金融の自由化や預金
利子の自由化といえ
ども、
郵政省は法律の施行をやる責任があるんだから、それとはまた別に
考えさしてもらうという態度というのは、まあ
大蔵省も金融の自由化がおくれ、国際先進国になっていながら、
大蔵省は頑迷固随で何事も僕は
制度的に金融においても何でもおくれていると思うんですがね、余り独占というのか権力の上にあぐらをかいて、一般の民間産業のことを思えば、あらゆる点において日本の非常な高度化、富裕化に対処して、
大蔵省の所管する金融
制度というものも非常におくれておると。そのために、自由化でアメリカから一番農業とともに指弾される。まあ農業はやはりたくさんの人口を抱えているからやむを得ぬけれ
ども、金融なんていうのは最も、何というのかな、先進国であれば先進国のほかの国の自由化と合わして、物の自由貿易をやっていけば金融の自由化というものは当然こう入ってくることなんだろうと思うね。
それを、
大蔵省が為替の自由化だけはある程度順応するけれ
ども、資本の自由化や金融の自由化についてはサボっておって非常におくれて、
指摘されてやっと腰を上げてきた。そこに郵貯もひっかかってぐると、こういうことなんだけれ
どもね。そこはやはり日本の国際自由化、殊に貿易の黒字を大変に抱えていくと、そういうことになつてくると資本の輸出をしなくちゃならぬ。資本の輸出をするということは、やはり金利の国際比較で日本が安くて向こうが高い。だから資本が出ていくと。まあこういう貿易自由化と資本の自由化というのは物の裏取引で、物で黒字ならば資本取引で赤字を持って、そこで国際収支なり世界全体の経済が円滑に動くというところに意味があるだろうと思うんだな。そこで、この
郵便貯金がまだ
庶民の金融機関としてささやかなときならいいけれ
ども、いかなる金融機関よりか膨大な
資金量を持ち、一説によれば世界一の金融機関、預金量は世界一と言われる
郵便貯金が
郵便貯金法という法律をひとつ盾にとってそういう自由化に対処して、事ごとに
大蔵省に異を唱えてやるということについてはいささかどうかなと、もう少しオープンに開けぬかなと、こういうふうに思うわけなんですが、そういう、いわゆる金融の自由化と、
郵便貯金を、
少額貯金を預かるおたくとして単に大衆の福祉のため、大衆の零細貯金を預かるためという特殊性だけを主張していかれるのか、それとも体制順応にやっていきますと、こういうふうな態度をとられるのか、どちらですか。