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木本平八郎君 ちょっともう時間がなくなってきていますんでどんどん進めますけれ
ども、私の意見を申し上げますと、
先ほど言いましたようにもう
経済開発ではこの地球上の人口を養え得ないところへ来てしまっている、人口抑制しかないというのが私の観点なわけです。
それで、しかもこの人口問題、いろいろメキシコの
会議なんかの様子を聞いてみましても、過去を見てみましても、LDCの、発展途上国の問題であるというふうな
考え方が非常に強いんですね。ところが、私はそうじゃなくて、これは地球上の人口がふえ過ぎたということが、たまたま一番弱いところヘアフリカなんかに出てきているということなんですね。これは次に中進国あるいは先進国にも来る可能性が十分にある。私はそういう
意味で、人口が
増加している、ふえているということが、これがもう諸悪の根源であるというふうに考えるわけです。
そこで、これちょっと、その前になにしますと、考古学とか生物学の原理でいきますと、人口のふえ方がずっと二千年来底辺をはってきて、ここへ来て急激に立ち上がっているわけですね。しかも物すごい勢いで立ち上がっている。こういうカーブを描くと、その種というんですか、スピーシーズは必ず絶滅するというのがもう考古学ではっきり出ているわけですね。過去にあります。そういうことで人類はまさにそのパターンを通っているわけです。これで百億にいったら絶滅するということがほぼ確実だろうと私は思うわけです。そこで、人口抑制の問題というのを非常に私は重要に考えるわけですけれ
ども、したがってこの人口抑制の問題は開発途上国じゃなくて先進国も含めて全世界の人類の共通の問題として考えなきゃいけないんじゃないか。結論的には日本
政府にぜひそういう見地に立っていただきたいということを申し上げたいわけですけれ
ども。
それで、人口問題については、
先ほどの国の主権の問題とか、それから個人の問題とかありますけれ
ども、私は母親に自決権を与えるべきだと、母親が産みたい人は十人でも二十人でもどんどん産めばいい。しかし、産みたくない人は、もうこれは産まないという権利をやっぱり女性に与えるべきだと思うんですね。過去何千年我々男性が握ってきましたけれ
ども、これはもう女性にやっぱり返すべきだということです。
それで、世界的にはカトリックとか回教徒とかいろいろこういう反対するのあります。しかし、その方々はもうちょっと説得している時間がないんで、どうぞ自由におやりいただきたいということで、人口抑制やろうじゃないかという国だけが、民族だけが団結して、今その方向に向かうべきじゃないかと思うんですね。
私のちょっと調べたところでは、いかなる場合でも絶対に妊娠中絶はいかぬ。妊娠中絶ですよ、これは避妊じゃなくて。これは世界の人口で九%なんですね。あとは、全く自由というのは三八%くらいある。日本のように社会的な理由で、
経済的だとかこういう理由があればいいというのは二四%あって、この両方合わせると六二%くらいあるわけですね。そのほか母体の危険だとか胎児の問題とかで妊娠中絶をオーケーしているというのを合わせますと九一%になるわけですよ。これが全部賛成を得られるかどうか知らないけれ
ども、しかしもうやれるという人だけが、やはりこの際やると。それでもうやれないという人はちょっと後で来てもらったらいいというふうなことで着手しなきゃ間に合わないんじゃないかという気がするわけです。
そこで、実は一番の肝心の問題なんですけれ
ども、最近プレグランディンという人工流産剤が開発されましたね。これを日本でもすったもんだのあげくやっと許可になって、今使われ出したところですけれ
ども、私はこれは神が人類に与えた最後の切り札だというふうに考えているわけです。これはもう皆さん御存じのように掻爬手術というのは命がけだし、これは医者の数も要るし、もう大変なことなんですね。したがって、これを中絶するというのは大問題だと。ところが、私の調べましたところでは、こういう座薬は
割合に安全に使える。日本ではいろいろ治療剤とかなんとか言っていますけれ
ども、建前は別にして、これは
割合に簡単に使えるということで、ビル、日本はまだ解禁されていませんけれ
ども、ビル。こういうものを日本民族だけが今ここで持っているんじゃなくて、広く世界の人類に提供するということを考える必要があるんじゃないかということなんですね。私は実はこの
質問をしようと思ったのは、こういうツールが手に入ったからなんですよ。こういうツールがなければ、従来のように掻爬手術でやらなきゃいかぬということであれば、私はやっぱりこの問題はここで取り上げないと思うんです。しかし、こういう簡単なツールができて、しかも私はこれは神様が人類に下さった一番の切り札だから、これはみんなの人類に恩恵を分け与えなきゃいかぬじゃないかと。その点で日本は
経済力もあるし、技術力もあるし、ツールもあるし、それからそれを指導する人材も
割合に豊富なわけですね、イシンリがたくさんいますし。そういうことなんで、
先ほどの問題もありますけれ
ども、私はもう出てくる胎児の生命権というのも必要ですけれ
ども、現在生きている人間の生存権の方がまず大事だと、これは宗教の問題もいろいろありますけれ
ども。そういう点から私はこのプレグランディンをどういう形でですか、まあ国連なんかが一番いいと思うんですけれ
ども、通じてどんどん提供して、そしてその国がこれは使いたいという国だけに提供すればいいと、使いたくないという国はもういいわけですね。それからその国の中でも母親が自分が使したいという人には使っていただくと、私はもう要らないと、どんどん産むという人はもうどんどん産んでもらえばいいと、そういうことをやっぱりやっていくべきじゃないかと。アメリカは今レーガンが反対していますけれ
ども、アメリカだって妊娠した女性の二六%は中絶を希望しているという統計もあるわけですね。そういう
状況でこういう問題というのは非常に微妙な問題で、日本でもこれやると宗教団体がすぐ反発するとか、いろいろ問題があるわけです。しかし反発する声は大きいけれ
ども、それが本当の多数の意見なのかどうかということを
政府としてはやっぱり見きわめていただきたいと思うんですね。ただギャーギャー反対されるから嫌だからやらないということじゃなくて、本当に人類のためどうだと、毅然たる態度でカトリックの国だとかイスラムの国とかに対してもやはり本当にどうなんだということを、やっぱり広い世論に基づいてやっていただきたいと思うんですよ、一部の反対でやめておこうということじゃなくて。そういう点でプレグランディンをそういうふうに世界に供給していくということについて
厚生省のお考えはどうかお伺いしたいわけです。