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国務大臣(
細田吉藏君) 最初に智頭線についてちょっと申し上げたいと思いますが、智頭線は御承知のように、もう九〇%以上の道床工事が終わっておるわけでございます。全体としても工事費の半額以上がかけられておる、もう一息で線路がつながるということになっておりますし、智頭線自体は陰陽連絡——私も実は山陰なんでございますが、陰陽連絡の最優秀線になる可能性を持った鉄道として工事が始められたものでございます。まことにもったいない線なんでございます。鳥取と姫路の間がと言いましょうか、鳥取と関西とが直結すると、山陰本線よりもはるかに短絡をするということになる線路で重要な線路だと私は心得ております。
そこで、いま鉄監
局長からお答えいたしましたが、新線建設は一応交通密度四千人以下はオールストップになっておりますけれ
ども、大変もったいない話で、国家の投資として、大きい意味での国家の投資として非常に不経済、しかも開通すれば私は相当これ生きていく線だというふうに思っております。そこでですね、やはりこれは、だからといってこれだけを新線建設としてやれという話にはなかなかなりかねる。やはりこれは地元の皆さんと地方公共団体も御敵力いただいて、第三セクター方式その他を至急に
考えていただくべき性格の線ではなかろうかと。全国私はいろいろ新線を承知しておりますが、その一番先頭に立っておるような大事な線ではなかろうかというふうに思っております。いま直ちに建設線としてやれと言われましても、これはできない仕組みになっておるということを御了承いただきたいと思います。
それから、福知山線の複線化の問題、もうおっしゃるとおりなんでございまして、もう私鉄であれば恐らくこれは完成をして、土地開発な
ども一緒に、住宅政策、住宅の問題その他一緒にあるいはやっているかもしれません。とっくにでき上がっておるかもしれません。そういうものなんでございます。ただ、国有鉄道いま再建の途上におきまして、五十九年度予算これから御審議をいただくんですが、工事経費を最小限度に食いとめて、安全確保以外の工事経費は原則的にはとにかくとめるんだというところまで、極端な厳しさに相なっておるというわけなんでございます。そこで、もう
考えようによるとばかばかしいような、国家的な見地から見るとばかばかしいような話になっておるんでございますが、残念ながら
国鉄財政の現状では、これを工事経費によってどんどん促進をしていく、必要性はわかっておるわけでございますけれ
ども、促進をしていくわけにまいらないと、こういうかっこうに実はなっておると思うのでございます。そこにやはり、何といいましょうか、大きく
考えますと、運輸政策の見地から見ると矛盾がある。
国鉄の経営という問題とそれから地域の開発なりその他全般の交通政策との間に矛盾があると。これは明瞭にさようだと思うのでございます。これはここだけではありませんけれ
ども、ここな
ども代表的な例の
一つではなかろうかと、こう思うんでございまして、これをどうしたらこの矛盾が突破できるかと。といって国有鉄道の工事経費をいまふやせということは、再建途上の
国鉄についてはとてもとてもいまできそうもない相談であると、こういうことになるわけでございます。
私は、
国鉄の
再建監理委員会がどうしても二年間という時限で
国鉄財政再建ということをおやりになるということになっておるわけですけれ
ども、こういった種類のいわゆる投資の問題につきましては何らか別な工夫がないものだろうか、こういうことを私はどうしても
考えていかなきゃならぬのじゃないか。
国鉄が借金をして、あるいは鉄道債券でこれをやるということでなくて、何らかの方法でやることが全体として非常に大きな利益をもたらすわけですから、ですからこのところは私は、いまの形のままではいま
国鉄の岡田常務が答えたようなとおりのことになってしまうわけでございまして、この辺のところは地元の皆さん方ともいろんな点でよく話し合っていかなきゃならぬのじゃなかろうかと、私は大局から見てそのように
考えておる次第でございます。
先生のおっしゃることはもうごもっともなんで、私鉄ならもうやってますよ、これは。やって、そして土地もうんと買いまして、住宅建てまして、どんどん工事は進めておるだろうと思うのです。そういうことができないという国有鉄道、しかも財政がもう逼迫して、工事経費は抑えると言われておる
国鉄、こういうところに問題がある、こういうことでございます。おまえの話聞いても解決にならぬじゃないかと言うかもしれませんけれ
ども、必ずしもそうじゃございません。やはり何らかの知恵をここはしぼっていかなければならぬのじゃなかろうか。必要性は十分にあるというふうに
考えておる次第でございます。