○
衆議院議員(
福島譲二君) 今
先生が国の
責任というものを中心として御質問を展開をされました。
私も、地元出身の代議士の一人として、水俣の問題はこの十年来深い関心を持って見守ってきております。そして、この基本が、
申請者の皆さんあるいは
患者の皆さん方と国あるいは県との間の相互不信というものが非常に大きないろんな
意味での問題の種になっておるということを痛感をいたしております。そのことは大変残念でならないわけでございます。もちろん、県あるいは国の方におきましても、いろんな点で改善を図っていかなければならないこともまだまだ残されてはおりますが、しかし、
申請をしていらっしゃる皆様方にも、やはり国、県それぞれかなりのやはり
努力はしておるんだということについてのまた御理解もひとつお願いを申し上げたいということを感じた次第でございます。
今
先生の御
指摘の、例えば
棄却された者が再
申請をする、それは
検診、
審査がそもそもずさんではなかったかというような御
指摘もあるわけでございます。もちろん、再
審査された結果改めて
認定をされるということも、これもないわけではございませんし、まあしかし、それも当初の
審査がずさんであったということか、あるいはまた病状がその後明確化してきたということであるか、そういうこともあろうと思いますし、また大変複雑な病症でございますので、かつて沖中
先生が退官されたときに、あれだけの名医の方でも、自分の誤診率が相当なものであったということをおっしゃられたことを思い出すわけでありますが、そういう全体の背景の中にこの問題は理解をしていかなければならない点がたくさんあるんじゃないかなと思っております。
御質問の中にも、
認定率というものがだんだん下がってきて、これが意図的に
患者の皆さん方を切り捨でしようとしておるものではないかというようなことが何遍かこの席上でも御
指摘がございました。しかし、私は、やはり非常に重症の
患者の皆さんがまず
申請をされてそうして
認定をされていったということは、むしろ当然のあるいは自然の趨勢であったわけでございまして、私はそういう
意味では
認定率が低下をしていくということはむしろ自然の趨勢である、そういうことではないか。そしてまた、同じ確定率が下がってきたその中を見ましても、かつては明確に積極的にこれは
水俣病であるという
認定をされる
内容が大変多かったわけでありますが、最近はむしろ明確に
水俣病ではないと言うことができないという、いわば消極的な形での
認定がかなり多くなってきた、全体の流れがそういう背景の中にあるということをひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
そういうことになってまいりますと、
検診拒否の問題等につきましても、つい先般
衆議院の環境
委員会におきまして、四月十三日であったかと思いますが、藤田
委員からいみじくも御
指摘がございました。
検診を受けて
棄却となるよりは、むしろペンディングの状態のままにあって治療
研究費というものを受けた方が得だというような判断というものも自然に出てくるわけでございますが、しかしその前提として、
先ほど申し上げましたように、私は、やはり
認定率がだんだん下がってくるということはむしろ自然の趨勢だということをお考えをいただいて、決して国、県が
患者の
切り捨てというものをやっておるんじゃないんだというような御理解のもとに、
患者の
申請をしていらっしゃる皆様方にも、せっかくここに門戸を開放しようとしている、県の
審査会ももちろんでございますが、今後新たにつくろうとしておる、継続をしようといたしております国の
認定審査会もどしどし虚心坦懐に御利用をいただきまして、そして
認定審査の
業務がどうか円滑にこれから進んでいくように私
ども提案者として期待をしてこの
法律を
提案をした次第でございます。