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国務大臣(
上田稔君) 大変高道な御意見をちょうだいをいたしまして、なかなかこう私
どもついていけないのでございますが、私は、二十一世紀は非常に悪くなるおそれがあるんじゃないかということを簡単に言えば
先生は言われたのだと思うのでございます。そういうようなことにならないように私
ども環境関係というものをやらしていただいておる者は心がけてやっていかなければならないと思うのであります。
最近地球規模のいろんな問題が起こりまして、世界で、
アメリカにおきましてもカナダにおきましても、またEC諸国におきましてもそういう問題を取り上げて今議論をされておるのであります。今まではどうもちょっとそういう点には考えが少なかったんじゃなかろうかと思われるのでございまして、むしろ、
日本が人口が非常に集中いたしておりますので、
環境悪化を一地区で起こしますと、それがすぐにお隣りといいますか、隣りの府県といいますか、そういう地域に及んでまいりますので、
環境は大変だ、力を入れなくちゃいけないということで、高度成長が始まって以来
環境問題というのが大きくクローズアップされて、それに対する
対策をいろいろ考えさしていただきました。
それに対して、割合領土の広い
アメリカであるとかあるいはまたEC諸国でも、人口がまばらと言ったら失礼でございますけれ
ども、
日本よりは稀薄と言った方がよろしいと思うのでございますが、そういうような
状態にあるので、ちょっと
日本ほど気を使っておられない。例えば大気
汚染にいたしましてもそういうようなところがございました。これに対しまして、最近になってこれはやはり大変だと、酸性雨が降ってくるとか、あるいはまた、一カ所に廃棄物を捨てた、それに対しての配慮が少なかったために
地下水に相当ないろんな被害といいますか、
公害というか、そういうものが出てくるようになりつつある、これは大変だということで今盛んにその
対策をおやりをいただいておる。こういうふうになりますと私はまたよくなっていくのではなかろうかと思うのであります。
それからまた、海洋の
汚染でございますけれ
ども、これに対しましても、海の中へものを捨てればこれは自然にきれいになるんだというような考え方が
日本にもありましたが、世界にもやっぱりあったように私は思うのであります。特に、これは
環境庁のちょっと何ではございませんけれ
ども、例えば原子力の廃棄物といいますか、そういったようなものを海中に投棄、相当
濃度の濃いものをそのままでお捨てになった時代もあったと思うのであります。今はロンドン条約というものを結んで、そしてそういったようなものは捨ててはいけないと、こういうような規定もつくって
環境の保全というものを図っていただいております。それからまた、いろいろな緑が不足をしてきている、これは大変だということで世界の砂漠化というものを防がなくちゃいけない、こういう緑に対する配慮も
各国が今心がけつつあるのでございまして、そういうことを考えますと、二十一世紀というものを目指して
各国が努力をいたし、
日本でも国民の皆様方がそういう点に力を入れていただきますれば、これは私は、夢のような
日本になり、夢のようなやはり世界がつくれるのではなかろうかと、こういうふうに考えておるものでございます。