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説明員(黒川弘君) 流域下水道の問題からいろいろ御
意見をいただいておりますけれども、流域下水道をつくります際に、やはり全体の水域の浄化をどうしようかということで実は流域別に流域別下水道整備総合
計画というものをつくります。これは都道府県知事がつくって建設
大臣が認可するものでございますが、その中で流域下水道がいいのか、公共下水道がいいのかいろいろ検討いたしまして、その結果、ある
地域については流域下水道がいい、
〔理事
丸谷金保君退席、
委員長着席〕ある
地域については公共下水道がいいという位置づけをしまして、それを
実施する段階で流域下水道を
実施いたします。
それから、流域下水道につきましても、現在非常に小型の第二種の流域下水道という制度も発足しておりますし、それから、流域下水道をつくりました場合に、必ずしもある川の場合に全部最終の端末に行って全部そこで出すということじゃございませんで、流域下水道につきましても、どういう処理区でどういう区分をして処理していった方が全体として効率がいいか、あるいは送り出した先の水質
環境あるいは川の正常な維持用水の確保、そういった点からどういった処理区によって処理をしていったらいいかということで、ものによりましては七つとか八つの処理区に分けまして浄水場をつくりましてそこから出しているということでございまして、実態に合わせたように、そういった必要に応じていろんな工夫をしているところでございます。
なお、一般的に下水道整備そのものは、確かに川というのは自然の浄化作用があるわけでございますけれども、なかなか自然の浄化作用ではどうしても生活
排水やあるいは中小企業を含めました
工場排水の処理ができないというような場合に、やはりそれを集中的に公共団体が責任を持って浄化をして、さらに自然の
環境に返していくという基本的な考え方でやっていることにつきましては御理解賜りたいと思います。
なお、
工場排水の
関係で重金属の問題が今出ておりますけれども、具体的に下水道を整備いたします際、
工場につきましても、中小企業等もございますので、物の考え方としましては生活
排水と
工場排水と両方とも引き受けることにしておりますけれども、具体的な
計画の立案に当たりましては個別的に審査をしまして、それほど問題がないというような、例えば冷却用水とか空調用水等で出している水、あるいは既に大きな
工場の場合で具体的に処理
施設が非常に完備していて、今後とも十分な維持管理が可能だろうと見込まれたようなものにつきましては除外して整備
計画を立てるような方針も立てております。なお実行しているところでございます。
それから、具体的にそれじゃ中小企業あるいは大企業につきましても、下水道の中にそういった重金属等が入ってくる場合どうするかということでございますが、実は下水道の処理場というのは
水質汚濁防止法によりますと一つの特定
施設として
公害対策の規制を受けているわけでございまして、具体的に下水道から
環境水域に水が出ていくという段階では、当然一般的な
公害規制を受けた数値の基準を守って出していくわけでございます。ただ、その際どうしても
工場から重金属等が入ってきてそういった水質を守り切れないというような場合につきましては、企業に対しまして除外
施設という、普通の企業でございますと特定
施設と言いますけれども、そういった重金属などを下水に流さないような基準を設けてそれを守っていただいて下水の中に出していただく。そういった手段もいろいろ講じながら下水道についていろんな
施策を
推進しているところでございます。
我々も各種のいろんな御
意見があることを踏まえましていろんな勉強を続けているところでございまして、そういったものを踏まえて、総合的に水質の
環境がどうやったらよくなるか、しかもそれが総合的な目で見てちゃんと位置づけができているかどうか、そういったことにつきましては今後とも勉強しながらあるいは具体的な
計画を立案する際に反映させていただきたいと考えているところでございます。