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説明員(三井
康有君)
ベトナムにおきますソ連軍の
状況についてのお尋ねでございますが、私どもが現在見ておりますその
実態と申しますと、まず軍事
施設、どこを使っているかということでございますけれども、これはカムラン湾にございます
施設を主体として使っておるというふうに理解いたしております。以前七〇年代にはこのほかダナンというところも使っておったわけでございますけれども、現在ダナンの方の
施設は主として
ベトナム軍が使用するということで、ソ連軍が使用しておりますのはカムラン湾
施設であるというふうに
考えております。
次に、それではこのカムラン湾にどのようなソ連軍の使用しておる
施設があるかということでございますけれども、まず
一つに港湾
施設がございます。そのほか隣接する陸上には飛行場がございます。その使用の
実態でございますけれども、港湾につきましてはたしか一九七九年以来だと
承知しておりますが、ソ連の艦艇がここを根拠地といたしまして南シナ海等におきます行動が始まっておる。現在のその規模でございますが、これは水上艦及び潜水艦を合わせまして二十数隻の規模に達しておると、このように判断しております。
次に、飛行場の方の使用の形態でございますが、これは八〇年に初めてその使用が始まり、そしてその後ベアと言いますソ連の爆撃機でございますが、これが四機ここに配備されるに至り、昨年の暮れには新たにこれにつけ加えまして九機のバジャーという別のタイプの爆撃機が配備され、そして両者とも南シナ海を中心といたしまして周辺海域の上空で
活動しておると、このように理解しております。
それから、先ほど御
指摘のございました上陸演習といった点でございますが、これにつきましては最近そのような報道があったことは私どもも
承知いたしております。それによりますと、ソ連の海軍の歩兵部隊、規模としまして一個大隊、人数約四百ないし五百名がこの
地域に駐留しておって、そしてさらに上陸演習をしだというような報道であったと
承知しておりますが、防衛庁といたしましてはそのような事実
関係を確認はいたしておりません。つまり、果たしてそのような事実があるのかないのか、これを肯定する材料も否定する材料も持っておらない。したがいまして、引き続き情報収集に努めてまいりたいと、このように
考えております。
それから、それではシーレーンの問題についてどのような脅威があると見ておるかという最後の点でございますけれども、私どもは、先ほど申し上げましたソ連軍のこのようなプレゼンスと申しますのは、この
地域の海上交通安全に対しまして影響力を行使し得るに至っておると、このように評価しております。ただ、それではその力がどの程度なのかということになりますと、これはなかなか定量的には申し上げにくいものでございますけども、現在の兵力から見ますとそれはそんなに極端に大きいものであるというふうには今のところ見ておりません。ただ、逐年その規模はふえてきつつあるわけでございますので、今後の動静につきましては十分関心を持ちながら注目してまいりたいと、このように
考えております。