○八百板正君 私はお尋ねしても、お答えいただいてああなるほどと言ってすぐにそれで一件落着というような話にはなりませんから。
一つの糸口をつけたような
意味でお尋ねして、お聞きをして、また今後にいろいろ問題をつないでいくということだと思います。私も問いただけでよくわかりませんから、後また調べるうちにいろんな問題にぶつかってくると思うので、そんなふうな
意味で、気軽に思ったまま簡単にひとつお答え願いたいと思います。
それから、これも新聞記事ですけれ
ども、日米欧
委員会というのがあるんですか。タスクフォース、作業部会というのが六月のロンドンサミットに向けて、何か六つぐらいの提青みたいなものを出したのをちょっと見たんですが、これを見るというと、
日本は軍備で
協力――
協力というとおかしいが、軍備でふやして国際的義務を負うことができないのなら金を出せ、金持ちになったんだからというふうな
意味のことを言っておるようです。そういうのをこのロンドン・サミットに向けて影響力を行使するというか、根回しをするのだかどうかわかりませんが、そういう話が出ております。しかし、軍備の方はできないのなら無理せぬでもいいが金の方は出せというのは、その金の方は、余裕があるのなら出せというのならそれはそれで、私もそういう
意味でどんどんふやしていったらいいと思うんですが、ところがその出し方が、やっぱり西側社会にてこ入れするために出せと、こういうふうな
感触が結局出ているんですね。そういうことなんですね。そうしますというと、やっぱり何か国際対立にてこ入れするために一方に加担する、その方向を加速するというふうな形の助言みたいになってしまうんじゃないでしょうかね。そういう対決の面だけに考え方がいかないように、例えば米ソにしたって、私もよく裏の裏のことはわかりませんけれ
ども、
アメリカもなかなか
外交はしたたかでありまして、一面で対決しているが、一面ではこたつの中で足を出してさわっているような、そんなふうないろいろな
外交をやっておるようでありまして、そういう対決の面だけに
日本の
外交、日米
関係の取り組みがそこにだけ寄っていくようになりまするというと、そういう面で結局国際
関係を悪くする方に加担して、加速するということになりますから、ここは別に御返事はいただかなくても大体わかっていますから、そうじゃないと言うでしょうから、ひとつ御留意を願いたいと思うんです、ロンドン・サミットなんかの今後に。向けまして。
余り時間もございませんしおいでいただいておりますから、また
大臣も前に農林
大臣をやっておられるから農業のことをちょっと聞きますが、前にも質問の中で日米の今の牛肉、オレンジの
交渉の経過が話に出たようですけれ
ども、これについての大体の先ほど来のお答えはそれはそれなりにいたしまして、
日本の農民といいますか、農業面でやっぱり心配しているのは、
アメリカがこの問題をきっかけにしていろいろな面に
自由化を求めてきて、
自由化は結構なんですけれ
ども、私から言わせると穀物なんかの
自由化はむしろし過ぎるぐらい、えさなんかはし過ぎるぐらいに
アメリカとの
関係では
自由化されておりますね。
自由化ところじゃなくて関税もかけていないでしょう、えさなんかは。国際的に見たって、関税かけていないなんというところは余りないんじゃないですかね、えさなんかで。私も余り細かくは調べていませんけれ
ども。むしろ自由でないのは国内なんですよ、えさなんかの場合を見ても。入ってくるのは自由に入ってくるんだけれ
ども、さあ国内に入るというとあっちこっちでかきまぜてわけわからなくしちゃって、値段をつり上げてほかのものが寄りつけないように仕組んじゃっている。
自由化されていないのはむしろ国内なんですね。私はそんな感じがするんです。
そういう
状況の中でやっぱり
日本が心配しているのは、
アメリカの米がやがて入ってきて、
日本の米作の体系が崩されてしまうんじゃないかという心配が背後にこれは脅威として存在していることは事実なんです。
私も米の問題、稲作の問題は幾らか気をつけて長く見てきておりまするから承知しておるんですが、この間中国に――この間と言っても稲のでき上がった時期ですから去年になりますが、中国の現地の稲を見てきました。見てきましたというよりも、私は専門の技術者ではないけれ
ども、私が一緒に連れていったというと言葉は悪いが、同行者は
日本の稲の最高の権威者ですから
調査したと言ってもいいと思うんですが、育種なんかになりますと、中国の育種の方が
日本よりちょっと先に行っていますね。私も驚いたんですが、私にはわからないけれ
ども、
日本の専門家の意見がそうでした。
アメリカの場合はそれよりもまた上を行っています、今の育種なんかの研究については。
日本が非常におくれているという感じです。部分的には
日本は進んでいる点がございますけれ
ども。
そんなふうなわけで、何かこう
アメリカが食糧の面からアジアに進出するといいますか、
日本の米作に対して入ってくるというような、そういう心配が
日本の農民にはあるわけであります。これは現に歴史的に見ても、
日本の小麦は
アメリカの小麦によって実際上つぶされましたわね。ある時期には
日本は小麦を外国に売るぐらいのゆとりのあった時期もあったんですけれ
ども、今はもうほとんど
アメリカ小麦に押さえられました。押さえられたといいますか、輸入依存になりましたですね。ほかの穀物もそうです。そういうふうな状態で、
日本の稲そのものにも、そういうふうなことになるきっかけがこの問題で出てくるんじゃないかというようなことが心配されているわけなんです。
それから現に、ことしの米は足りませんわね。農林省や
関係省は、いや、足りなくなんかならぬとこう言っていますけれ
ども、しかし、これは責任のある立場の人が米は足りなくなりますなんと言ったら、売り惜しみで米も足らなくなりまするし、それは大変なことですからそんなことはそれこそ口が腐ったって言えませんが、私
どものつかんでおりまする
状況から言いますと、結局少し買わなけりゃならないような
状況が六月あたりから出てくるんじゃないかと思うんです。そういう場合に
アメリカの米を買うなんということになると、これこそ大変な問題になる。そういうふうな点についてどんなことを考えておられるか。これは農水省の方もおいでになっておりますから、ちょっと時間がないという制限がありましたから、簡単にひとつ。