○
政府委員(
福島公夫君) お答えいたします。
まず、今後の人工衛星及びロケットの打ち上げの
計画をざっと御
説明申し上げたいと思います。
現在、静止軌道に三百五十キロの衛星を打ち上げる能力を持ちますNHロケットというのが主体でやっておりますが、これが本年の夏には静止気象衛星三号、それから六十年の夏には放送衛星の二号b、これはつい先日上げましたaと同じもの、予備機でございます。それから六十一年の夏には海洋観測衛星一号、これがMOS1というものでございます。それからさらに大型の、五百五十キログラムの衛星を静止軌道に乗せられるHIロケットというのを今開発しておりますけれ
ども、これにつきましては六十年の冬期といいますか、六十一年の一-二月期でございますけれ
ども、ここで最初の二段式の試験ロケットを打ち上げます。それで実際にこれに衛星をつけますのは六十二年の夏でございまして、これが
技術試験衛星V型というものを打ち上げます。それで、それから後がHIロケットによる実用衛星の打ち上げシリーズに入るわけでございます。で、六十二
年度の後半、つまり六十三年の一-二月期でございますが、ここで通信衛星の三号、いわゆるCS3というもののaを打ち上げます。それから半年後、六十三年の夏でございますけれ
ども、これがその予備機になります通信衛星三号のb、それからさらに六カ月後、六十四年の一-二月になりますけれ
ども、放送衛星の三号のaというのを打ち上げることになっております。それでそれからしばらく、ちょっと一年間
計画が飛びまして、六十五年の夏にその予備機になります放送衛星三号bを打ち上げるということになっております。現在までは、まだ実
利用の
分野におきましてはここまでしか
計画ができておりません。
それで、本
年度から開発
研究に着手します地球資源衛星一号につきましては、まだ正確には決まっておりませんが、私
どもは六十五
年度の冬期ぐらいには打ち上げたいと考えているわけでございます。そのほかに科学の
分野の衛星がございますが、これが本
年度、来年の一-二月でございますが、M3型、M3SⅡ型ロケットの試作機を打ち上げまして、今度はそれを用いまして、来年の夏にはハレーすい星を観測する第十号科学衛星、それから六十二年の一-二月にエックス線の天体等を観測します第十一号、それから六十四年の一-二月にはオーロラの発光現象等を調べます第十二号科学衛星、ここまで
計画が決まっております。もちろんそのほかに、アメリカのスペースシャトルを使いましていわゆる第一次材料実験、これは初めて
日本人宇宙飛行士が誕生するという件でございますが、これが六十三年の一-二月期に打ち上げたいと、こういうことになっております。
それから、先ほどちょっと先生の方からスペースシャトルのような再使用型ロケットの
お話が出たわけでございますが、これは
我が国の場合、宇宙開発に投入できる資金と人材というものが、こういった
財政事情もございまして、非常に制約を受けております。ということで、効率的な自主
技術開発というものを進めなくちゃならないという
意味で、ただいま御
説明申し上げましたロケットあるいは衛星については、苦しいながらも自主開発を続けていって、このスケジュールをキープしていきたいと考えておりますが、有人宇宙活動のようなもの、これはさらに巨額な費用が要りますし、それから現在の
日本の
技術をある
意味では超える部分もございます。こういったものにつきましては、幸いアメリカの方からスペースシャトルの
実用化あるいは宇宙基地
計画の提唱というようなものがございますので、これに乗りましてといいましょうか、必要な
技術というものを取得していこうと、こういうふうに考えているわけでございます。