○岩本政光君 私は質問を二つに分けましてさせていただきたいと思います。
その
一つは、
日ソの基本的な
関係と、その取り組み方についてでございます。それからもう
一つは
北方領土の
関係について質問させていただく次第でございます。
それで、質問を申し上げる前にひとつ感謝を申し上げたいと思いますが、私は与党でございますが、この与党の私に対しまして質問の
機会をいただきまして、
委員長、理事の皆さん方にお礼を申し上げます。また、あわせましてこの
機会に安倍
外務大臣におかれましては二度目の
外務大臣を担当されておりますが、大変精力的に海外にも出向かれまして各国から大きな信頼と期待を獲得されておられまして、その姿につきまして高く評価を
さしていただきまして、この席をかりまして敬意を申し上げる次第でございます。
さて、私が質問するに当たりまして、実は今
鈴木委員からも質問があったんでありますが、外交は非常に難しいものですから国民にわかりづらいわけであります。したがって、できるだけ明快に率直な答弁をひとつしていただきたい、これが私のお願いでございます。したがいまして、私は与党の
立場でありますので、ちょっと先に私がなぜ質問に立ったかという理由、その
立場を
お話をさしていただきたいので、お聞きを願いたいと思います。
私は、この外交というものは今日的ないわゆる非常に短期なものを
解決しなければならないこと、それからまた、中期的な展望に立ちまして
処理をしていかなければならない問題もございます。さらにまた、百年スパンといいますか、長期、超長期にわたって事を進めていかなければならないものもございます。こういうことですから、国民の
立場から見ると非常に外交は難しい、なかなかわからない。どんなになって考えたらいいんだろう。ところが一方では、今こそ非常にしっかりとした外交というものをやっていかなければならない責任、あるいは
日本にはその使命が私はきていると思うわけであります。それでは、そのしっかりとした外交は何だということになりますと、これは私の考えでありますけれ
ども、
政府と国民がコンセンサスを
一つにしまして、そして外交を進めていかなければならぬ、したがって、国民にしっかりとした
認識を与えなければいけないんではないか、
理解を与えなければならないんではないか。
外務大臣は将来の
日本を背負って立つ立派なお仕事をされているわけでありますので、特に私はそのことを期待をしたいわけであります。
それからもう
一つ、与党の
立場でありますが、
政府は最近高齢化社会が来たとか、あるいは成熟化社会が来たと言いながら、それに足しましてといいますか、国際社会だ、こうも言っているわけでありますので、どうかそういう
意味におきましてこの難しい状態をわかりやすく説明をしていただきたい、これが私の願いでありますので、その点をひとつぜひ御
理解をいただきまして、そして御説明をいただきたいと思います。
二つ目に私は、
先ほども
お話がありましたんですが、
日ソ関係の問題で、安倍
外務大臣はアンドロポフ書記長の告別式に参列をされました。先ごろも
グロムイコ外相とも会談をされました。私は、去年の
米ソ関係を見ておりますと、
米ソの
関係はある
意味では新長期穀物協定の締結などを結びまして大変危機回避の方に向こうとしていながら、一方では大韓航空機の事件などが出まして、非常に悪い状態、決定的な
対立状態、均衡
拡大の状態に進んでいるというふうにも去年は考えておりました。したがって、そのことでグロムイコ会談に私は大きな実は期待を持っておりましたんですが、最近の
ソ連のチェルネンコ新政権は非常に私にとりましては悪いイメージではね返ってきております。それはどういうことかと言いますと、たくさんあるのでありますが、
一つの例を挙げますが、つい最近の
新聞紙上におきまして、
ソ連の新書記長チェルネンコは日米韓国の
軍事協定のことを殊のほか大きく取り上げておりますし、これと連動させまして、
北方領土返還の要求は軍国主義の復活だと、言葉をかえてまた報復主義というような表現で
我が国を厳しく
批判しているというふうな報道を見ました。また、朝鮮民主主義人民共和国に対しまして、
日本の
軍事主義的な傾向の増進は非常に危険だ、こう指摘したということも報じられております。また御
承知のとおり、最近のオリンピックの問題を見ましても大変なことだなと考えるわけでありますが、
先ほども話がありましたが、私は
日本という国はもう軍国主義なんというそんなことを言われては大変腹立たしいといいますか、そんな問題ではなくて、
我が国こそは自由と民主主義を基調としたこの政治体制、これはもう
世界に冠たる民主主義だと。私はこの国会をどうしても大事に取り組んでいただきたい、こう思うわけでございます。
こんな二つの理由から、
鈴木委員からも御質問がありましたが、
日ソの
現状、
基本的姿勢、そしてまた将来についての展望を御説明いただきたいんですが、ひとつここでお願いがあるんです。
先ほど黙って聞いておりましたんですけれど、あれでは私わからないんです。それで日中
関係につきましては、平和五原則とか、あるいは日中の四原則とか、いろいろな原則がありまして非常にわかりよく私
たちは
理解をしているつもりでございます。したがって、そういうようなことで一遍ここで
大臣に整理をしていただいて、
日ソ関係はどんな
現状にあるのか、どんな形になっているのか、ひとつ御説明をいただきたいと、こう思う次第でございます。