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神谷信之助君 大体当初のやつは出資を五百億の予定をしておって、それが結局二百億になって、そのかわり、今の無利子で言えば三百億に相当するものというのを融資せいと、こうなったわけでしょう。だから、本来ですと、初めの五百億だったら、五百億の中で出資をしてしまえばそれで済むんだけれども、今の自治省の説明だと、出資をしたところが必ずイコール融資団体ではない、こうなっている。そうすると、また、融資団体はそれよりも広がるか狭うなるのか、いずれにしても別になります。しかも財源が、資金手当てはこれから検討するというんだけれども、衆議院の議事録をずっと見ていますと、大体それは縁故債ということになっていますね。だから、そういう
答弁をなさっていますから、これはなかなか大変なことになってくる。さらに
事業費が今の八千億余り、総
事業費で一兆円という、その範囲内でこうですというふうにおっしゃっているので、これがふえればその負担割合に応じた出資もふやさにゃいかぬし、融資額もふやさにゃいかぬという事態が起こってくる。だから、今財政事情が極めて厳しい、自治体にとっては大変なことになると思うんですよ。
そういう点から言いまして、私は当初申し上げましたように、地財法の第二条、それから
空港整備法の
規定ですね、一種
空港についてはこれは
基本施設も附帯施設も——附帯施設は今便宜的にいわゆる機能施設と利便施設をお挙げになって、利便施設があるからこれは出資の対象にどうというごまかしをやらぬで、そこのところはもっと厳格にしないとこれは大変だ。それで、時間がありませんから、もう
一つ地域整備の問題でお伺いするつもりでしたが、これは一括してちょっと
大臣に見解を聞きおきたいと思うんですけれども、それは、先ほど漁業補償の問題もありました。
環境問題も起こってくるでしょう。それから交通アクセスで湾岸道路をつくったり、それから近畿自動車道をずっと和歌山へ延ばして、そしてそれに対して引き込みの道路を
空港へ向けてつくらにゃいかぬでしょう。そうすると、これは立ち退きの問題も起こったり、漁業の場合は漁業ができなくなるという事態も起こってくるし、それから、それに伴って、連絡橋のつく泉佐野市を中心にしてあの
周辺では、都市再開発もやらにゃいかぬという問題も起こってくるでしょう。そうすると、これは大変な自治体の財政負担が起こってくるんですね。
もう時間がないので私の方から申し上げますが、いろんな
資料ももらっていましたんですけれども、例えば成田
空港をつくるときに一体自治体にどれだけの財政負担がかかってきたかというと、膨大なものになっているんですよね。
成田市の場合、
空港の問題が起こる直前の四十二年の歳出決算額というのは七億六千七百万円ぐらいの
予算でよかったけれども、今は、五十七年度の決算で百六十二億二千二百万円というふうに、ばあっとはね上がっていますね。これは成田市の財政課の
資料ですが、六八年、
空港関連
事業が始まったときから七六年までの間に歳出総額というのは三百三十二億七千四百万円。三百三十二億七千四百万円ですが、そのうち
空港関連
事業費というのは百二十二億二千四百万円、平均して総体で三六・七%必要になっている。これは成田のかさ上げ法の関連
事業、それに準ずる、それに関連した
事業費を含めていますけれども、これは成田市の財政課の区分で計算してもらったやつです。
あれは成田市は
空港そのものが来ますから、それはまた
状況が違うと思うんですね。しかし今度の場合も、
空港島から連絡橋を経て、これがずうっとそのまま
大阪のターミナルへ行っちゃうわけでしょう。それをどう地元で食いとめ、地元の利益に
一つはしていくかという問題もあるでしょうし、それを契機にどれだけの産業が開発できるか、こういったものもあるでしょう。逆にそれができたことによって人口増ができるし、住宅の
建設やら、それから保育所、学校、小中高ね、こういったものの
建設の費用というものが出てくる。これは成田
空港の経験も最近にありますし、それからこの
大阪の近辺では堺・泉北コンビナートの
建設計画があります。これは時間がありませんから言いませんが、これも、当初
計画ではこれだけの
計画で六項目でやりますというやつが、結局ふたをあけて終わってみたら
二つしかできなくて、あとはもうパアになっていますね。
計画はつぶれて、堺の市長は絶対に
公害はありませんと言って、さっきの朝の
運輸大臣の
答弁じゃないけれどもそういう話がありましたけれども、
公害の町になってしまったわけでしょう。
だから、そういういろんな今までの教訓を十分反省をし、それを取り入れて、自治体財政についてのしわ寄せといいますか、そういうのがないようにしなきゃいかぬ。
だから、
環境についての影響評価というのはなさっているんだから、
空港建設に伴う自治体財政に対する影響評価というもの、これも相当今までいろんな開発
計画が進められてきていますから、いつでも出てくるんじゃないか。それができれば、これは
航空審議会の
答申にありますけれども、当然
空港の
建設に伴う費用需要の増だから財政負担については負担割合について慎重に検討する必要があるというのが、
航空審議会の
答申に明確に出ていますよね。だから、これについてやっぱりどれだけの変化が起こるであろうかと。それに対して負担割合というのはどういうように考えたらいいのか、こういうことを私は自治省として、聞いたらまだそもいう研究
調査をしていないというのですけれども、研究
調査をして、自治体財政についてこういう
状態が予想されますよ、それに対してどうしたらいいかということの相談に乗るということをしなかったら、今のところ、言葉として絵はかけても具体化はできないという
状況なんですね。
この辺を特に要請をしたいんですが、そういう
調査なり研究を自治省としてはやってもらえますかな。