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政府委員(
小野寺駿一君) 前回、
港湾運送事業法の一部が
改正されましたのが、
昭和四十一年でございます。それ以降の
港湾整備につきまして
運輸省が実施してまいりましたことにつきまして、若干、簡単に御説明申し上げたいと思います。
四十一年以降は第三次から第五次までの
港湾整備五カ年計画を終えまして、今先生お話ございましたように、現在では、
昭和六十年度を目標とする第六次
港湾整備五カ年計画に基づいて、
港湾の整備を進めておるわけでございます。この間に、大型の公共岸壁、これは水深七・五メートル以上のものでございますか、従来、それ以前は約五百バース程度でございましたのが、現在では千三百三十バースというふうにふえてきております。また、この間に、防波堤につきましては、総延長四百五十キロメートルというものでございましたか、今では七百十キロメートルというふうにふえてきております。
こういう
港湾の整備によりまして、
港湾の
取扱貨物量のこの間における急激な増加でございますとか、あるいは船の船型の大型化でございますとか、あるいは
コンテナリゼーションの進展、あるいは基幹産業の臨海ブリッジといったような、それぞれの時代の要請に、湾湾か対処してきたというふうに言えようかと思います。
現在の
港湾整備五カ年計画は
昭和六十年度で完了するわけでございますので、
運輸省といたしましては、さらに
昭和六十一年度から第七次
港湾整備五カ年計画を発足させる必要があるのではないかというふうに
考えておりまして、そのために、その基本となる長期的な
港湾整備政策というふうなものを策定すべく、現在検討いたしておるわけでございます。
そういう中で、今後の
港湾のあるべき方向という点につきましては、これからの
我が国経済社会のあり方、変化の方向というものを十分見きわめまして、それに
対応して必要な要請、新しい要請というものに重点的に
対応できるような
港湾の整備のやり方ということが、必要であろうかというふうに
考えているわけでございます。
その
中身につきましては、いろいろな点がございましょうけれ
ども、簡単に二、三申し上げますと、例えばます第一点といたしましては、海上
輸送の
分野では、やはり貨物
輸送のコストを安くするという役割を果たすことができるわけでございますが、その際に、特に今後とも、船舶の大型化あるいは船舶の専用化あるいは貨物の
コンテナ化などの
輸送革新が 引き続き進展してしくものというふうに
考えております。特に外貿
コンテナ輸送につきましては、貨物
輸送量が最近でもかなり大幅の伸びを示しておりますし、さらに
コンテナ船の大型化の傾向もかなりはっきり出てきております。これらの
状況に
対応した
港湾の整備を進めていかなければならないという点か、
一つの重点事項であろうかと思います。
また、そのほかにも、エネルギー
対策という点が、
港湾に重要な課題として課せられております。例えば、脱石油化を目指した石炭あるいはLNGなどの輸入が大幅にふえてまいっておりますし、また原油の安定供給のために、石油の備蓄の促進という点も課題になっておりまして、それらに
対応いたしました、いわゆるエネルギー資源受け入れのためのエネルギー
港湾の整備という点か、大きな課題として、次の五カ年計画においても
対応していかなければならない課題であろうというふうに
考えております。
また、そのほかに、大都市
港湾などにおきましては、市街地に近接いたした場所あるいは港の奥の方に位置する埠頭などにつきましては、物理的あるいは機能的にも陳腐化したものが非常に多くなってきておるということもございますので、都市機能の調和を十分念頭に置きなから、
港湾機能の再生を図るというような形での、いわゆる
港湾再開発というような要請にも、的確にこたえていかなければならないというふうに
考えておるわけでございます。
次に、今、主要
港湾、主要外国貿易
港湾における
コンテナ埠頭の整備をどう
考えるかという点についても、あわせて御
質問があったわけでございますので、その点について申し上げたいと思います。
昭和四十二年の九月に
我が国と米国西岸との間に二隻の改造フル
コンテナ船が就航したのが、
我が国の外国貿易
コンテナ化の始まりでございますか、それ以来、
我が国をめぐる国際海上
輸送の
コンテナ化が急速に進行いたしたわけでございます。
昭和四十三年にはわずか二十万トンでございました
コンテナ貨物は、
昭和五十年には二千四百三十万トンというふうに非常に大きくなったわけでございますか、さらに
昭和五十八年には、これは暫定的な
数字でございますが、五千九百十万トンというふうなところまでふえてまいりまして、いわゆる増加の一途をたどっておるわけでございます。
運輸省といたしましては、これに
対応した
コンテナ埠頭の整備を進めてまいったわけでございます。
現在、各港に設置されております、埠頭公社あるいは
コンテナ埠頭株式会社が管理いたしております供用中の
コンテナ埠頭の数は、東京港で八バース、横浜港で六バース、名古屋港三バース、四日市港一バース、大阪五バース、神戸港十二バースということでございまして、合計三十五バースございます。これらの供用中のものに加えまして、さらに東京、横浜、神戸のそれぞれの港におきまして、埠頭公社の手によりまして新たに五バースの
コンテナ埠頭が現在建設中でございます。なお、このほかにも、埠頭公社ではございませんけれ
ども、清水港、名古屋港などにおきまして、最近の情勢に
対応すべく、やはり
コンテナを取り扱うことのできる埠頭の整備を進めておるというのが
現状でございます。今後も、この
コンテナ輸送の増加の傾向につきまして、詳細に
状況をにらみなから、それに
対応してまいりたいというふうに
考えておるわけでございます。