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1984-03-23 第101回国会 参議院 エネルギー対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年三月二十三日(金曜日)    午後一時一分開会    委員異動     ―――――――――――――  十二月二十七日     辞任         補欠選任      木本平八郎君     青島 幸男君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         井上  孝君     理 事                 川原新次郎君                 夏目 忠雄君                 小柳  勇君                 馬場  富君                 小西 博行君     委 員                 岡野  裕君                 工藤万砂美君                 熊谷太三郎君                 福岡日出麿君                 宮島  滉君                 山木 富雄君                 吉川 芳男君                 大森  昭君                 対馬 孝且君                 小笠原貞子君                 青島 幸男君    国務大臣        通商産業大臣  小此木彦三郎君        国務大臣        (科学技術庁長  岩動 道行君        官)    政府委員        科学技術政務次        官        岡部 三郎君        科学技術庁長官        官房長      安田 佳三君        価額技術庁原子        力局長      中村 守孝君        通商産業政務次        官        佐藤 信二君        通商産業政務次        官        大木  浩君        通商産業省立地        公害局長     石井 賢吾君        工業技術院長   川田 裕郎君        資源エネルギー        庁長官      豊島  格君        資源エネルギー        庁長官      川崎  弘君        資源エネルギー        庁長官      村田 文男君    事務局側        常任委員会専        門員       野村 静二君    説明員        文部省学術国際        局研究助成課長  河野 石根君        農林水産大臣官        房エネルギー対        策室長      北原 哲雄君        運輸大臣官房審        議官       武石  章君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件エネルギー対策樹立に関する調査  (エネルギー対策基本施策に関する件)  (昭和五十九年度エネルギー対策関係予算に関  する件)  (三井石炭鉱業株式会社三池炭鉱における災害  に関する件)  (派遣委員報告に関する作)     ―――――――――――――
  2. 井上孝

    委員長井上孝君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨年十二月二十七日、木本平八郎君が委員を辞任され、その補欠として青島幸男君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 井上孝

    委員長井上孝君) エネルギー対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、エネルギー対策基本施策について、関係大臣から所信を聴取いたします。小此木通商産業大臣
  4. 小此木彦三郎

    国務大臣小此木彦三郎君) ごあいさつを申し上げます。  昨年十二月、通商産業大臣を拝命いたしました小此木彦三郎であります。よろしくお願い申し上げます。  第百一回国会における参議院エネルギー対策特別委員会の御審議に先立ちまして、エネルギー政策に対する私の所信一端を申し上げます。  エネルギー供給構造が脆弱な我が国にとりまして、エネルギー安定供給確保することは、経済持続的成長国民生活の安定を図る上で不可欠の課題であります。このため我が国は、二度にわたる石油危機の経験を踏まえ、官民を挙げて努力を傾けてきたところであります。  最近のエネルギー情勢について見ますと、石油消費国における省エネルギー推進石油代替エネルギー開発導入世界経済回復のおくれなどにより、世界石油消費は大幅に減少し、昨年三月には、OPECが設立以来初めて基準原油価格を引き下げるに至りました。昨年後半からは、景気の回復が見られ、石油消費は増勢に転じてはいるものの、依然としてOPEC中心とした石油供給余力は大きく、国際的な石油需給緩和基調で推移しております。しかしながら、我が国エネルギー供給構造が脆弱であることに変わりはなく、また、最近における流動的な中東情勢にかんがみますと、我々が今エネルギー問題解決努力を怠るならば、エネルギー需給が逼迫化した場合、我が国は再び大きな困難に直面することになると思われます。むしろこのような需給緩和時においてこそ、中長期的な観点に立って、エネルギー安定供給確保するための施策を着実に推進することが必要であります。  このような状況を踏まえつつ、国内におけるエネルギーコスト低減に対する要請にもこたえるべく、昨年四月以降、総合エネルギー調査会において、長期エネルギー需給見通しエネルギー政策の総点検について御審議をいただき、セキュリティーとコスト等とのバランスのとれた最適エネルギー需給構造実現を目指す必要がある旨の御報告をいただいております。  このような観点に立って、私は内外エネルギー情勢の変化に的確に対応しつつ、エネルギー安定供給基盤確立するため、以下の施策を積極的に推進していく考えであります。  まず、我が国エネルギー供給の大半を占める石油安定供給基盤整備であります。我が国石油依存度は、着実に低下してきておりますものの、石油が引き続き主要なエネルギー供給源であることに変わりはありません。このような見地から、石油安定供給確保するため、石油粗製設備高度化推進するとともに、懸案となっている石油産業集約化促進して、内外情勢に的確に対応した構造改善実現を目指してまいります。また、不測の事態に備えるため、国家備蓄を引き続き着実に推進するとともに、民間備蓄に対する助成を強化することとしております。さらに、内外における石油自主開発を着実に推進してまいります。  次に、省エネルギー及び石油代替エネルギー開発導入推進であります。省エネルギー及びエネルギー転換を一層推進するため、エネルギー利用効率化等投資促進税制を創設するなど税制、金融上の措置充実させるとともに、石油代替エネルギー技術開発重点的な推進を図ってまいります。また、原子力石炭、LNG、水力地熱等石油代替エネルギー開発導入促進については、昨年十一月に改定された石油代替エネルギー供給目標実現に向けて一層の努力を傾けてまいります。特に、原子力発電については、安全性確保に万全を期し、国民各位の御協力と御理解を得て、電源立地核燃料サイクル事業化推進してまいる考えであります。この点、先般の米国訪問においてホデール・エネルギー長官意見交換を行い、我が国濃縮工場建設に対する十分な配慮を確認することができたことは、極めて有意義であったと考えております。さらに、石炭につきましては、海外炭安定供給体側確立に努めるとともに、国内炭については、保安確保前提に、我が国石炭鉱業自立を目指して引き続き効率的な石炭政策推進してまいる考えであります。  去る一月、三池炭鉱におきまして、痛ましい事故が発生いたしました。この場をおかりして改めて犠牲者の方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方に衷心より哀悼の意を表する次第であります。政府といたしましては、去る十二日に出された事故調査委員会中間報告を踏まえ、類似災害再発防止対策に万全を期してまいる所存であります。  以上のように、エネルギー政策はなお多くの課題を抱えておりますが、その財源を構成する石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計石油税収が、原油価格引き下げ等により大幅に減少しております。そのため、歳出面における徹底的な節減合理化に努め、施策効率化重点化を図るとともに、どうしても不足する財源につきまして必要最小限度財源措置を講ずることとした次第であります。  以上、今後のエネルギー行政を展開するに当たって、私の所信一端を申し上げました。今後とも引き続きエネルギー安定供給確保するために、総合エネルギー政策推進全力を尽くす考えであります。  当委員会委員各位におかれましても、一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
  5. 井上孝

  6. 岩動道行

    国務大臣岩動道行君) 科学技術庁長官岩動道行でございます。  このたび、重要な科学技術行政を担うことになりました。よろしくお願いを申し上げます。  第百一回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして所信を申し述べさせていただきます。  石油を初めとするエネルギー資源に乏しく、エネルギー源の八割以上を海外からの輸入に依存している我が国エネルギー事情及び依然として不安定な石油をめぐる諸情勢等にかんがみれば、我が国が将来にわたり、経済安定成長国民生活向上実現していくためには、石油にかわる多様なエネルギー源研究開発利用促進し、エネルギー安定供給確保を図っていくことが必要であります。  このためには、科学技術の果たすべき役割は、極めて大きいものがあり、政府といたしましては、従来より、石油代替エネルギー中心的役割を担う原子力研究開発を初め、石炭自然エネルギー研究開発省エネルギー技術開発等推進してまいったところでありますが、今後とも、より一層その推進に努めてまいる所存であります。  これらエネルギー研究開発を総合的に進めるため、政府は、昭和五十三年にエネルギー研究開発基本計画を策定し、以後随時、改定を行ってきているところであり、この基本計画に沿って、研究開発推進を図ってまいることとしております。  昭和五十九年度における科学技術庁施策といたしましては、まず、原子力研究開発利用推進であります。  資源小国我が国が将来にわたって発展していくためには、石油代替エネルギー中核たる原子力研究開発利用国民理解協力を得つつ積極的に推進していくことが必要であります。  このような原子力研究開発利用推進に当たっては、安全性確保が大前提であり、原子力安全規制行政充実安全研究推進等各種安全対策を強力に展開するとともに、電源三法の活用による地域住民の福祉の向上及び地域振興のための施策等を講ずるなど、原子力開発利用促進を図ってまいります。  また、原子力発電を円滑に推進するためには、原子力発電規模の拡大に見合った自主的な核燃料サイクル確立が不可欠であり、ウラン濃縮国産化使用済み燃料の再処理放射性廃棄物処理処分対策等の諸施策推進していくとともに、核燃料有効利用を可能とする高速増殖原型炉「もんじゅ」の建設新型転換炉実証炉計画推進など、新型動力炉開発を強力に進めてまいります。さらに、核融合舶用炉等研究開発推進いたします。  このような原子力研究開発利用に必要な経費として、昭和五十九年度におきましては、一般会計及び電源開発促進対策特別会計を合わせ二千四百四十九億円を計上しております。  このほか、原子力以外のエネルギー研究開発につきましては、太陽光エネルギー転換技術等エネルギー分野研究開発、極低温材料技術等省エネルギー分野研究開発などの推進を図ることとしております。  エネルギー問題の解決は、我が国が二十一世紀へ向けて大いなる発展を遂げていく上での最重要課題であります。私はこのような認識に立って、科学技術行政を担当する者として、各省庁協力のもとに、この問題の解決のために、エネルギー研究開発利用積極的推進全力を尽くす所存であります。  委員各位の御指導、御鞭撻お願い申し上げますとともに、国民皆様の御理解、御協力衷心よりお願い申し上げる次第であります。  以上をもちまして私の所信表明を終わります。     ―――――――――――――
  7. 井上孝

    委員長井上孝君) この際、通商産業政務次官及び科学技術政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。佐藤通商産業政務次官
  8. 佐藤信二

    政府委員佐藤信二君) 昨年の十二月に通商産業政務次官を拝命いたしました佐藤信二でございます。  小此木大臣のもとに、大木政務次官と力を合わせて、誠心誠意エネルギー政策行政に取り組んでいく所存でございます。  委員長初め委員皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願いいたします。ありがとうございました。
  9. 井上孝

  10. 大木浩

    政府委員大木浩君) ただいまごあいさつのありました佐藤次官ともどもに昨年末に通商産業政務次官を仰せつかりました大木浩でございます。  当委員会は、私もかつてその末席を汚させていただきました大変に懐かしい委員会でございますが、今回は行政の側に立って仕事をさせていただくことになりました。  小此木大臣佐藤次官ともども全力を尽くしたいと思いますので、よろしく御指導のほどをお願いいたします。ありがとうございました。
  11. 井上孝

  12. 岡部三郎

    政府委員岡部三郎君) 科学技術政務次官を拝命いたしました岡部三郎でございます。  エネルギーの面につきましては、科学技術庁としては原子力を初めとする石油代替エネルギー開発利用を担当いたすわけでございますが、大変に重要な政策課題でもございます。  委員長初め委員の諸先生方の御指導を賜りまして、力いっぱい努力をいたしまして大臣を補佐してまいりたい、かように考えております。よろしくお願いをいたします。     ―――――――――――――
  13. 井上孝

    委員長井上孝君) 昭和五十九年度エネルギー対策関係予算につきまして、関係省庁から順次概要説明を聴取いたします。  まず、資源エネルギー庁川崎次長
  14. 川崎弘

    政府委員川崎弘君) 資源エネルギー庁次長川崎でございます。  五十九年度の資源エネルギー庁関連予算について御説明いたしたいと思います。  資源エネルギー庁関連予算は、一般会計と、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計、それから電源開発促進対策特別会計、この二つの特別会計から成っております。  それでは、エネルギー庁関係一般会計予算案について御説明申し上げます。お手元エネルギー関係予算をまとめました資料の一番上に「昭和五十九年度資源エネルギー関連予算(案)の概要」という一枚紙がございますが、これに基づきまして御説明いたします。  資源エネルギー関連一般会計要求額は、百二十四億八千万円となっております。このうち、八十九億八千万円が鉱物資源探鉱であるとか希少金属備蓄推進等鉱業政策に充てられ、その他、原子力政策推進に三億二千百万円、省エネルギー政策推進に二億二千百万円と、こういうふうに相なっております。  次に、五十九年度エネルギー関連特別会計予算でございますが、これについて御説明いたします。  お手元資料の次のページだと思いますが、「昭和五十九年度エネルギー関係特別会計予算について」、横長の表の形になっておりますが、これについてまず全体を御説明申し上げます。  エネルギー関係特別会計は、左側の方にございます石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計、それから右の方にございます電源開発促進対策特別会計とに分かれております。その両者を合わせました五十九年度のエネルギー関係特別会計予定経費要求額、その総額は、一番下の欄にございます特会合計というところに出ておりますが、総計七千九百五十五億円、対五十八年度予算比二・五%増、こういうふうに相なっております。  それでは、石特会計について御説明申し上げます。  石特会計は、原重油関税特定財源といたします石炭勘定と、それから石油税石特会計繰り入れ原土油関税等財源といたします石油及び石油代替エネルギー勘定、これとに分かれております。石炭勘定につきましては、原油輸入量の低迷から原重油関税収入が落ち込むと、そういうふうに予想されておりますので、五十八年度比六十一億円減の千二百八十二億円となっております。  また、石油及び石油代替エネルギー勘定、これは五十八年度比十九億円増の四千四百九十億、上の方の石油及び石油代替エネルギー勘定と書いてあるところの下に出ております数字でございます。  なお、この石油及び石油代替エネルギー勘定特定財源でございます石油税収、これは昨年三月のOPEC原油価格引き下げ等によりまして大幅な減収が必至になりました。このため、今後とも着実に石油及び代替エネルギー対策推進するために、歳出面におきます徹底的な節減合理化及び歳入面におきます石油税収石特会計繰り入れ未済額、これの最大限の取り崩しを前提として、なお不足いたします財源につきまして必要最小限度財源措置として石油税拡充お願いしているところでございます。  二ページ目をお開きいただきたいと存じます。  石炭勘定でございますが、この石炭勘定は、全体といたしまして先ほど申し上げましたが、五十八年度比六十一億円減の千二百八十二億円、これはそのページの下に合計が出ておりますが、千二百八十二億円となっておりますが、保安確保を図りつつ、我が国石炭鉱業自立を目指して効率的な石炭政策を引き続き推進することといたしております。  まず、石炭鉱業合理化安定対策、これは当然減経費もあり、五十八年度比五十億円の減少の四百五億円となっておりますが、安定的な生産体制及び保安確保を図るため、坑内骨格構造整備拡充事業補助石炭鉱業保安確保対策等予算拡充を図ることとしております。  また、鉱害対策及び産炭地域振興対策におきましても、それぞれ所要事業資金確保を行うこととしております。  次に、石油及び石油代替エネルギー勘定について御説明いたします。  この勘定は、石油対策石油代替エネルギー対策とから成るわけでございますが、先ほども申し上げましたように、五十九年度の予算編成に当たりましては最大限歳出削減努力を行ったところであります。そのため、総歳出規模もほぼ五十八年度予算並みの四千四百九十億円に抑制したところでございます。  石油対策重点につきましては、この資料ページに基づきまして簡単に御説明いたします。  まず、石油開発でございますが、石油開発につきましては、石油公団探鉱投融資事業規模を、中国プロジェクト本格化によります資金需要が旺盛な中で投融資規模圧縮を行うなど、五十八年度比五十億円減の千五百億円としているところであります。このための石油公団出資金も千百七十八億円から千百四十億円と歳出削減を行っているところでございます。このほか、天然ガス探鉱費補助国内石油天然ガス基礎調査等事業を引き続き着実に推進することといたしております。  次に、中ほどにございます石油備蓄でございますが、石油備蓄につきましては、百十七億円増の二千三百九十一億円を予定しております。国家備蓄につきましては、新たに二百五十万キロリットルの原油の積み増しを行うほか、昨年八月の総合エネルギー調査会中間報告も踏まえ、引き続き現行備蓄目標の達成に努めることとしておりますが、厳しい財政事情も踏まえ、タンカー備蓄の陸揚げの促進民間余剰タンク利用国家備蓄基地の完成時期の繰り延べ等を行うこととしております。次に、民間石油石油ガス備蓄につきましては、所要助成措置拡充を行うこととしております。  また、技術開発等につきましては、引き続き重質油対策技術開発等を進めるほか、これは四ページの上の方に出ておりますが、新たに石油産業構造改善に資する石油精製二次設備導入に係る利子補給制度、二億円と出ておりますが、これを創設することとしております。  次に、石油代替エネルギー対策につきまして御説明いたします。  本対策につきましては、資料ページからでございますが、厳しい財政事情を背景に海外炭開発探鉱助成における融資規模圧縮等によりまして、五十八年度比二十七億円減、対前年度比四・九%減の五百二十九億円と、大幅な歳出抑制を行ったところでございます。  しかしながら、一時的なエネルギー需給緩和に惑わされずに、引き続き着実に代替エネルギー対策推進する必要があるという観点から、技術開発中心に次のようにその施策の着実な推進に配意したところでございます。  まず、石炭液化技術開発におきましては、豪州との国際協力案件でございます褐炭液化パイロットプラント建設、これを推進いたしますとともに、歴青炭液化につきましては、来年度から従来の三方式を一本化した上でパイロットプラント基本設計に着手することとし、その効率的な推進を図ることとしております。また、エネルギー消費産業におけるエネルギー対策中核である共通基盤型石油代替エネルギー技術開発、五ページの下の方の3の(2)というところにございますが、この共通基盤型石油代替エネルギー技術開発等技術開発及びソーラーシステム普及促進対策、これらを充実させることとしております。その他の供給確保対策導入促進対策につきましても、それぞれ所要事業資金確保することにいたしております。  次に、電源開発促進対策特別会計について御説明申し上げます。  ちょっと恐縮でございますが、一ページにお戻りいただきたいと存じますが、一ページ右側でございます。表の形になっております電源特会は、ここにございますように、電源立地勘定電源多様化勘定とに分かれておりますが、このうちの電源立地勘定右側の方でございますが、一〇・七%増の七百八十一億円、電源多様化勘定につきましては一二・七%増の千四百三億日となっております。  それでは、電源多様化勘定について申し上げます。再び資料の七ページにお戻りいただきたいと思います。  まず、供給確保対策でございますが、水力地熱につきまして引き続き着実な推進を図ることとしております。  石炭火力関係導入促進対策につきましては、引き続きアルミ関連石油共同火力石炭転換及び沖縄の石川石炭火力発電所建設助成することとしております。  技術開発につきましては、太陽熱の発電プラント開発ステージアップを取りやめるなどの歳出抑制を図るなど、その重点化効率化に努めたところでございますが、近い将来有望視されます太陽光発電燃料電池等予算充実させることとしております。  原子力関連技術開発につきましても、軽水炉の一層の安全性信頼性稼働率向上を図る軽水炉改良技術確証などを着実に推進いたしますとともに、引き続き商業再処理工場建設に係る技術確証等核燃料サイクル関係施策充実を図りますほか、原子力発電のより一層の安全性向上を図るため、原子力発電支援システムなどの予算の増額を予定いたしております。  このほか、この勘定には科学技術庁分が計上されております。  次に、立地勘定につきましては、資料ページでございますが、電源地域振興策を引き続き推進いたしますため、電源立地促進対策交付金などの使途の拡充等電源地域産業振興等に資する施策を強化することとしております。  このほか、同勘定要求といたしましては、原子力発電安全対策としまして、原子力発電安全対策等委託費などを計上いたしております。  以上で、五十九年度のエネルギー関係特別会計予算案の概要につきまして御説明申し上げました。よろしく御審議のほどお願いいたします。
  15. 井上孝

    委員長井上孝君) 引き続き、昭和五十九年度サンシャイン計画及びムーンライト計画予算について説明を聴取いたします。工業技術院川田院長。
  16. 川田裕郎

    政府委員(川田裕郎君) それでは、五十九年度のサンシャイン計画及びムーンライト計画関連の予算案について補足的に御説明申し上げます。  ただいま御説明申し上げました中の技術関係のもののうち、サンシャイン計画と申しますのは、御承知のように、太陽エネルギーなどの利用という新しいエネルギー開発でございます。また、ムーンライト計画は省エネルギー技術開発関連でございます。  お手元資料昭和五十九年度サンシャイン計画及びムーンライト計画予算案(総括表)」というのを一ページにいたしまして、三枚つづりの資料がお手元にお渡ししてあるかと思いますが、ごらんになりながらひとつ御説明申し上げたいと思います。  まず、一ページをごらんになっていただきまして、一ページの上の欄にございますこれが全体の総括表でございます。五十九年度のサンシャイン関係予算案、一般会計が約三十六億五千万円、それから特別会計が三百六十一億六千万円でございます。合計三百九十八億円程度でございます。前年度に比べまして五・二%減となっております。また、ムーンライト関係は、五十九年度欄にございますように、一般会計十五億八千万円、それから特別会計八十億五千万円、合計で約九十六億三千万円、前年度比〇・四%増となっております。  その下の欄にございますが、サンシャイン計画関連の予算案の主な項目並びにムーンライト関連の項目が下の欄に出ております。その詳細は次の二枚、三枚目に出ておりますので、そちらで御説明申し上げます。  二枚目をごらんになっていただきたいと思います。二枚目はサンシャイン計画関連の主要項目でございます。  まず、一番上の太陽エネルギー関係では、太陽電池の製造コストを大幅に引き下げるための太陽光発電実用化技術開発中心に、太陽エネルギーの実用化を目指しました研究を推進をいたすことにしております。  また、二番目に地熱関係でございますが、これは全国的な規模で地熱エネルギーの存在の状態を把握するために、全国の地熱資源総合調査の実施等を行うことといたしております。また、日本、アメリカ、西ドイツの国際協力事業でございます高温岩体、非常に温度の高い岩を利用しましてその熱を発電に利用するための高温岩体発電につきまして、その実用化の研究を進めることにいたしております。  また、石炭エネルギーにつきましては、先ほども御説明ございましたように、石炭液化中心に、またガス化を含めまして技術開発を行っておりまして、褐炭につきましては、先ほど申し上げましたように、オーストラリアにおいてプラントの建設及び一部運転研究の実施を行うことにいたしております。  以上の項目のほかに、その下にございますように、水素エネルギー、海洋エネルギー、風力エネルギーの実用化のための基礎研究を引き続き推進することにいたしております。  また、三ページをごらんになっていただきたいと思います。三ページにはムーンライト関係開発の計画の実施の概要が一覧表として書いてございます。  まず一番目は、大型省エネルギー技術の項目の中の二番目に高効率ガスタービンというのがございますが、高効率ガスタービンの研究開発につきましては、五十八年度にパイロットプラントが完成をいたしまして、五十九年度には電力系統に直接つなぎまして実証運転を行う計画をいたしております。  それから、二番目の新型電池電力貯蔵システムの研究開発につきましては、十キロワット級の電池等の研究開発を行うことといたしております。  また、三番目の燃料電池発電技術の研究開発につきましては、燐酸型に関しまして千キロワットという大きな発電プラントの詳細設計を行いまして、一部製作に着手する。また、溶融炭酸塩型等の研究開発なども行うことにいたしております。  なお、四番目のスターリングエンジンと申しますのは、非常に汎用のものでございまして、この研究開発につきましては、エンジンを改良いたしましたり、それから運転の実験を行いながら目標達成のためのいろいろな実験を引き続き行っていくことにいたしております。  それから、五十九年度からは新しくスーパーヒートポンプ・エネルギー集積システムの研究開発に着手することにいたしております。この研究は、幅広い分野における熱の有効利用促進いたしましてエネルギーを節約をするという技術開発でございまして、五十九年度が初年度でございますが、その中の装置を動かす媒体を使いますが、それらの要素技術について研究を開始することに いたしております。  そのほか、省エネルギー技術の種となる基礎的な研究、民間省エネルギー技術開発に関する助成、国際協力事業推進等省エネルギー推進することといたしております。  以上がサンシャイン計画及びムーンライト関係の事項でございます。
  17. 井上孝

    委員長井上孝君) 次に、科学技術庁安田官房長
  18. 安田佳三

    政府委員(安田佳三君) 科学技術庁官房長でございます。  昭和五十九年度科学技術庁予算のうち、エネルギー対策関連予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  お手元に「科学技術庁昭和五十九年度エネルギー対策関連経費」という資料があると存じますが、この資料をごらんになっていただきたいと思います。  まず、一ページの表をごらんになっていただきますと、そこに総括表が書いてございます。  まず、原子力研究開発利用推進といたしまして二千四百四十八億五千七百万円を計上いたしました。  このうち、一般会計といたしましては千六百六十一億一千二百万円を計上いたしております。  また、電源開発促進対策特別会計科学技術庁分といたしまして七百八十七億四千五百万円を計上いたしておりますが、このうち、電源立地勘定につきましては百四億八千百万円、電源多様化勘定につきましては六百八十二億六千四百万円を計上いたしております。  次に、原子力以外のエネルギー研究開発推進といたしまして、これは一般会計予算だけでございますが、十三億二千万円を計上いたしております。  以上のおのおのの予算合計いたしました科学技術庁エネルギー対策関連予算の総額は、合計欄にございますように、二千四百六十一億七千七百万円となりますが、これは前年度の当初予算二千四百五十一億八千七百万円に比較いたしますと九億九千万円の増額でございまして、比率にいたしまして〇・四%の増となっております。  次に、これらの内容につきまして、二ページ以下の資料に従いまして御説明申し上げます。  まず、エネルギー対策関連予算のうち、最も有望かつ現実的な石油代替エネルギーであります原子力研究開発利用推進につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、一般会計及び電源開発促進対策特別会計の両会計に予算を計上いたしておりますが、このうち、一般会計分といたしまして、二ページの表の最初の行にございますが、千六百六十一億一千二百万円を計上いたしております。  以下、その内容につきまして施策別に御説明申し上げます。  まず、(1)の原子力安全税制行政及び環境安全対策につきましては、右の備考欄に書いていますように、原子力安全委員会の運営あるいは放射能測定調査研究などに必要な経費として二十億四千六百万円を計上いたしました。  次に、(2)動力炉・核燃料開発事業団におきましては、六百三十七億二百万円を計上いたしております。備考欄をごらんになっていただきますと、動力炉開発として、高速増殖炉の実験炉の運転等、新型動力炉研究開発を進めますとともに、ウラン資源の海外調査探鉱、遠心分離法によるウラン濃縮パイロットプラントの運転等核燃料サイクル確立のための研究開発を進めるための経費であります。なお、同事業団では、ほかに電源開発促進対策特別会計におきましても六百三十九億六千三百万円を計上いたしまして各種事業を実施いたすこととしております。両会計の計上額を合わせた同事業団の予算規模といたしましては、かぎ括弧で示しましたとおり、千二百七十六億六千五百万円となっております。  また、(3)日本原子力研究所におきましては、八百二十五億八千九百万円を計上いたしました。これは、原子力施設の安全性及び環境安全性に関する試験研究を初めといたしまして、備考欄の真ん中よりちょっと下にございますように、臨界プラスマ試験装置、JT60と言っておりますが、その建設など核融合研究開発及び多目的高温ガス炉に関する研究開発等を行うために必要な経費でございます。  次に、(4)日本原子力研究開発事業団におきましては、原子力船「むつ」の新港の建設のほか、改良舶用炉の研究開発等を行うために必要な経費として七十七億三千万円を計上いたしております。  三ページに移らせていただきます。  (5)放射線医学総合研究所におきます試験研究及び関連研究施設の整備等に必要な経費として六十億五千二百万円を計上いたしましたほか、(6)国立試験研究機関の原子力試験研究に必要な経衣として十七億三千二百万円を、そして(7)理化学研究所の原子力研究のための経費として十五億一千六百万円をそれぞれ計上いたしました。(8)の「その他」は、原子力委員会の運営とか原子力平和利用研究の委託等のための経費でございます。  四ページに移らせていただきます。  電源開発促進対策特別会会計上分について御説明申し上げます。  この特別会計におきましては、表2にございますように、電源立地勘定に百四億八千百万円、電源多様化勘定に六百八十二億六千四百万円、合計いたしまして七百八十七億四千五百万円を計上いたしております。  まず、電源立地勘定の内容につきましては、表の2-1に書いてございますが、これにより御説明申し上げます。  1の電源立地対策費のうち、(1)電源立地促進対策交付金として、関係地方公共団体の公共用施設の整備に必要な経費に充当するために二十五億七百万円を、また(2)電源立地特別交付金として、原子力施設の立地を一層促進する見地から、原子力施設の周辺地域におきます住民等に対する給付金の交付及び周辺地域におきます雇用確保事業推進に必要な経費に充てるため十三億円を計上いたしましたほか、原子力安全対策推進するため、(3)の原子力発電安全対策等委託費として四十五億三千三百万円を計上いたしまして、各種安全性実証試験等を実施いたしますとともに、放射線監視対策原子力防災対策等の各種交付金制度の充実を図るため、(4)原子力安全対策等交付金に二十億二千三百万円を計上いたしております。  五ページに表2-2がございますが、こちらの方に移らせていただきます。  電源多様化勘定の内容といたしましては、1の動力炉・核燃料開発事業団において実施する下業の資金に充てるための経費として六百三十九億六千三百万円を計上いたしました。これは(1)の新型動力炉開発として、備考欄にございますように、高速増殖原型炉「もんじゅ」の建設等に必要な経費、並びに(2)使用済み核燃料処理技術の開発といたしまして、東海町処理施設の運転等に必要な経費のほか、(3)のウラン濃縮技術の開発といたしまして、備考欄に書いていますように、ウラン濃縮原型プラントの建設等に必要な経費であります。  2「その他」といたしましては、備考欄に書いていますように、原子炉解体技術の開発原子力施設の従事舌の被曝低減化技術の開発等の各種研究開発推進に必要な経費など、四十三億一百万円を計上いたしております。  以上、原子力関係予算につきましてその主要項目を御説明いたしましたが、六ページに移らせていただきまして、原子力以外のエネルギー研究開発推進につきまして御苑明申し上げます。  これにつきましては、表3の末尾の計の欄のように、十三億二千万円を計上いたしております。  内訳といたしましては、まず1新エネルギー研究開発推進といたしまして一億九千二百万円を計上いたしましたが、これは(1)のバイオマスの研究開発といたしまして理化学研究所におきます太陽光エネルギー変換技術の研究、及び(2)海洋エネルギー利用研究開発として海洋科学技術センターにおける波力発電に関する研究開発等を実施するための経費であります。  次に、2省エネルギー研究開発推進といたしまして一億七千万円を計上いたしておりますが、これは金属材料技術研究所におきます超電導材料の研究開発、無機材質研究所におきます超高温耐熱セラミックス研究開発等、エネルギー関連材料の研究開発を実施するための経費であります。  また、自然エネルギー利用中心とした、3地域エネルギー総合利用実正調査等を行うために必要な経費として六千万円を計上いたしております。  さらに、4エネルギー関連研究開発の実用化促進経費につきましては、これは実行段階で経費が決定されるものといたしまして、新技術開発事業団の委託開発制度を活用いたしまして、アモルファス金属による省エネルギートランスの開発等のための経費として八億九千八百万円を予定いたしております。  以上、簡単でございますが、昭和五十九年度科学技術庁エネルギー対策関連予算につきまして、その概略を御説明申し上げました。  なお、七ページ以降に、一般会計電源開発促進対策特別会計を合わせました原子力関係予算を重要項目別に整理いたしたものを参考として添付いたしました。よろしく御審査をお願いいたします。
  19. 井上孝

    委員長井上孝君) 次に、運輸省武石審議官。
  20. 武石章

    説明員(武石章君) 運輸省の官房審議官の武石でございます。  運輸省の所管の昭和五十九年度のエネルギー対策関係予算案につきまして御説明申し上げます。  お手元にお配りしてございます「昭和五十九年度エネルギー対策関係予算(案)」とした資料に基づきまして御説明させていただきます。  まず、一番上の欄をごらんいただきますと、昭和五十九年度のエネルギー対策関係予算として計上しております合計額が書いてございます。百三十七億一千六百万円となっております。この額は、五十八年度に比べて十五億九千万円、一三%の増となっております。  次に、これらの内訳につきまして簡単に御説明さしていただきます。  最初に、1省エネルギー対策推進でございますが、千六百万円を計上しております。  その内容といたしましては、まず船舶の省エネルギー技術開発といたしまして九百万円を計上しています。これは、船舶用ディーゼルエンジンの運転時の省エネルギーを図るため、船舶用のエンジンの燃焼、熱管理等を常にコンピューターで制御することによって、高度の効率で作動する船舶用のエンジンシステムを失用化するための技術開発及びその評価を行うためのもので、全体で四千六百万円の計画となつ七おりますが、五十九年度は四年度計画の最終年度に当たります。このために若干予算が減っております。それから、昨年は、この船舶の同じような省エネ対策といたしまして、プロペラの推進効率の改善と機関の排熱利用というものがございましたが、これは五十八年で終了しておりまして、それによる千八百万円の減ということで、若干の減が出ております。  次に、②の省エネルギー対策推進広報活動等に必要な経費といたしまして七百万円を計上しております。これは、パンフレット、ステッカーの作成配布、講演会の開催というものを通じて運輸部門の省エネルギーに関する広報活動を行うとともに、エネルギーの使用の合理化に関する法律に基づき自動車メーカーに対する燃費向上のための指導などを行うためのものでございます。  次に、Ⅱでございますが、代替エネルギー対策推進、千六百万円を計上いたしております。  その内容は、港湾構造物による波エネルギー利用に関する研究でございます。これは、消波ケーソンタイプの防波堤の遊水室に閉じ込められる空気を利用して空気圧によりタービンを回すという、波エネルギー利用した空気タービン方式による発画を行い、得られるエネルギーを港湾内の水質浄化などの環境改善や積雪地帯の港湾における融雪時に利用するということのための研究を行うものでございます。五十七年から六十一年までの計画で、全体で一億一千四百万円の研究費を考えておりますが、その五十九年度分でございます。  次のページに移りまして、使用過程におけるエンジンの省エネルギー対策技術の開発、これは実は昨年度限りの経費でございますので、説明は省略させていただきます。  次に、Ⅲのエネルギーの安定輪逆及び保管対策推進でございますが、百三十六は七千九百万円を計上しております。  その内容といたしましては、まずエネルギー港湾の整備といたしまして六十八億四百万円を計上いたしました。これは五十八年度に比べ十七億五千八百万円の増となっております。エネルギー安定供給確保のための基地となる大型港湾の外郭施設、水域施設など所要施設の整備推進するのに必要な経費でございます。五十九年度には、これまでの八つの港に加え、名古屋港でLNG受け入れに関連する施設の整備が新たに着工いたすということになったわけでございます。  また、②の海外炭の輸送・受入施設等整備計画策定調査といたしまして六百万円を計上いたしました。これは、今後の石炭の需要の増加に対応するため、他産地と比べて輸送コストが高いと言われておりますアメリカ西部炭について、輸送方法の選択、改善等が石炭輸入価格に与える影響などを把握することにより、アメリカ西部炭の価格競争力の向上の可能性について検討を行うための経費でございます。  さらに、③外航船舶の整備といたしまして六十八億六千九百万円を計上いたしました。これは、エネルギー資源等の安定輸送を確保するため、LNG船、石炭専用船などの整備を行うための経費で、五十四年度から五十六年度までの利子補給契約に係る歳出化分でございます。  最後に、Ⅳでございますが、「その他」としてまとめている予算でございますが、船舶用燃料油の低質化に対処するための研究と、将来予想されるガソリン、軽油等の運輸部門で消費している燃料油の供給不足に対処するための対策の立案を行うために五百万円を計上しております。  以上、簡単でございますが、運輸省の昭和五十九年度のエネルギー対策関係予算(案)について御説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
  21. 井上孝

    委員長井上孝君) 次に、文部省河野研究助成課長。
  22. 河野石根

    説明員(河野石根君) お手元資料「文部省のエネルギー関係予算」に基づきまして、昭和五十九年度エネルギー関連予算案について御説明さしていただきます。  文部省におきましては、大学における新エネルギー省エネルギーに関する先駆的、独創的な基礎研究を推進するため、年次計画に沿いまして、研究施設や実験装置等の整備、科学研究費等、研究経費充実を図ることといたしまして、昭和五十九年度予算案においては、国立学校特別会計及び一般会計に総額百三十二億二千四百万円を計上いたしております。  ヘリオトロンやレーザー、ミラー等の大学における大型核融合装置の整備が終わりまして、実験実施の段階に入った関係もございまして、昭和五十九年度予算案は前年度に対し約六十億円の減となっております。  まず、1のエネルギー対策予算関係でございますが、国立学校特別会計におけるエネルギー対策予算の主要項目について御説明いたしますと、大学におきましては、従来から核融合研究を初め原子力石炭液化・ガス化、地熱、太陽エネルギー利用及び省エネルギーに関する基礎研究を推進してまいっておりますが、これらの研究の体制を確立し、長期的観点から着実に研究を進めていくために百十億三千万円を計上いたしております。  (1)の核融合の研究の推進につきましては、核燃焼を指向した研究の準備実験装置の整備を完了し ました名古屋大学のプラズマ研究所の核融合反応プラズマ基礎開発実験の研究を推進いたしますとともに、トカマクの改良ないしトカマクの代替となる各種の方式による研究といたしまして、備考の③にございますが、筑波大学における我が国唯一の大型複合ミラー装置による計画、京都大学におきます日本独自のヘルカルシステムによるヘリオトロン計画、それから大阪大学におきます高出力レーザーによる慣性核融合を目指しました激光十二号ガラスレーザーによる計画、及び超電導マグネットによる強磁場を取り入れました①の九州大学応用力学研究所の強トロイダル磁場計画、実験装置の整備充実を従来に引き続き推進することといたしております。さらに、炉工学の分野の研究といたしましては、引き続き、備考の②にございます東京工業大学原子炉工学研究所のブランケット工学計画を推進することといたしております。また、核融合炉として極限条件に耐えます材料を開発することの必要性にかんがみまして、東北大学金属材料研究所の核融合超電導材料実験装置の整備を完了するとともに、日米科学技術協力事業の一環として、昭和五十六年度に発足しました米国リバモア研究所のRTNSⅡによる材料研究につきましても、引き続き第四年次の照射実験を推進することといたしております。  以上、核融合研究の推進に関しましては、総額六十八億五千九百万円を計上いたしております。  次に、1の(2)でございますが、原子力関係につきましては、本年度より新たに東京大学に荷電粒子の検出分析等のための電磁シャワーカウンタL、大阪大学に原子核から発生する粒子等の測定データ処理のための基礎物質相互作用測定装置を設置いたしますほか、関係大学における設備整備を図るため、総額三十八億三千四百万円を計上いたしております。  新エネルギー省エネルギーに関する研究体制の整備充実のためには、前年度より引き続き、東北大学における地熱エネルギー利用するための地殻深部巻石環境強度試験装置及び佐賀大学における海洋の温度差を利用しました発電装置を整備することといたしましたほか、関係大字等の設備等の整備を図るため、総額三億三千七百万円を沖上いたしております。  最後に、文部省の一般会計に計上されました科学研究費補助金等の関係項目は、エネルギー関連予算として取りまとめてございますが、科学研究費補助金のエネルギー特別研究の種目に前年同額の二十一億円を計上いたしましたほか、核融合及び光合成に関する日米科学技術協力事業における研究協力推進するために、人物交流経費として九千四百万円を計上することといたしております。  以上、簡単ではございますが、昭和五十九年度の文部省のエネルギー対策及び関連予算概要につきまして御説明させていただきました。よろしくお願いいたします。
  23. 井上孝

    委員長井上孝君) 最後に、農林水産省北原エネルギー対策室長。
  24. 北原哲雄

    説明員(北原哲雄君) 農林水産省におきます昭和五十九年度エネルギー対策関係予算につきまして、その概要をお手元資料に沿って御説明申し上げます。  初めに、三枚目をごらんいただきますと、五十九年度のエネルギー対策関係予算として計上しております総額は約二十億二千万円で、前年度より約三千二百万円の減となっております。  一枚目、もとへ戻っていただきまして、まず最初の農林水産業エネルギー対策は、農林水産業のエネルギー基本対策の検討と、自然エネルギーや農林業副産物等のエネルギー活用など、各種の省エネルギー技術の実用化の促進を行うもので、一億四千万円の予算を計上しております。  次に、2から4までが農林水産業の分野での石油代替エネルギーの活用を促進するための調査でございます。  まず、2のソフトエネルギー利用基礎調査は、温室の暖房等に利用する地熱水を開発するための調査で、七千万円の予算を計上しております。  次の3の土地改良事業関連中小水力開発調査は、土地改良事業に関連して、農業用水を用いて中小水力発電を行う場合の基本的な方策を明らかにするための調査で、五千四百万円の予算を計上しております。  一つ置きまして、5から10までが農林水産業の各分野における新技術の開発及び導入促進するための事業でございます。  まず、5及び6の漁業技術再開発事業は、省エネルギー化等の観点から漁業技術の総合的な見直しを行い、新たな技術体系の確立を図るための事業で、合わせて三億四千百万円の予算を計上しております。  次のページに参りまして、7の施設園芸新技術導入促進事業は、施設園芸においてヒートポンプ等の最新の省エネルギー技術等の開発及び導入促進するための事業で、二千七百万円の予算を計上しております。  次の8の森林エネルギー活用新技術実用化モデル事業は、製材工場等で発生する樹皮等により新たな形態の燃料を生産し、その普及を図るための専業で、五千万円の予算を計上しております。  次の9の家畜排せつ物エネルギー実用化促進事業は、家畜ふん尿から効率的にエネルギーを生産する技術の開発、普及に必要な機械、施設の整備を行う事業で、一億四百万円の予算を計上しております。  次の食品産業センター事業のうち、冷熱多目的利用推進調査につきましては、液化天然ガスが気体に変わるときに発生する冷熱を食品産業で有効に利用するための調査でございます。  次に、11から14までが試験研究でございます。  まず、11の農林水産業における自然エネルギーの効率的利用技術に関する総合研究、いわゆるグリーンエナジー計画と呼んでいるものですが、これは植物自体の生産能力の飛躍的な向上と、太陽エネルギー等の自然エネルギーの積極的な利用により、革新的な技術体系をつくり出すプロジェクト研究でございます。五十三年度から十カ年の計画で実施をしており、五十九年度は六億七千六百万円の予算を計上しております。  次の12の光合成・呼吸機能の生理的及び遺伝的機構の解明は、バイオテクノロジーの活用等により植物の光合成能力の飛躍的向上を図るための基礎研究で、一億一千三百万円を計上しております。  最後のページに参りまして、13の生物資源の効率的利用技術の開発に関する総合研究、いわゆるバイオマス変換計画と呼んでいるものですが、これは再生可能な生物資源をエネルギー、食糧、飼料等に多面的に利用する技術を開発し、地域の生態系に即した総合的な利用システムを確立しようとするプロジェクト研究でございます。五十六年度から十カ年の計画で実施をしておりまして、五十九年度は三億九千万円の予算を計上しております。  次の14のバイオマス変換への微生物・酵素の新利用技術の開発は、バイオテクノロジーの活用等により、生物資源を食糧、エネルギー等に効率的に変換するための微生物、酵素の新利用技術の開発を行おうとする基礎研究で、五十九年度は五十万円を計上しております。  16及び17は融資関係でございます。  農業改良資金では、農業者やその団体が施設園芸や穀物の乾燥に太陽熱やもみ殻などの農業副産物の燃焼熱を利用するというような省エネルギー技術の導入に対して無利子の資金貸し付けを行っておりまして、その貸付枠は二十億円を予定しております。  また、最後の沿岸漁業改善資金では、沿岸漁業従事者やその団体が効率のよいエンジンを漁船に導入して省エネルギーを図る場合にこの無利子資金の貸し付けの対象としておりまして、その貸付枠は十三億二千万円を予定しております。  なお、五十八年度限りの予算につきましては御説明を省略させていただきました。  以上で、農林水産省におきます昭和五十九年度エネルギー対策関係予算概要の御説明を終わります。
  25. 井上孝

    委員長井上孝君) 以上をもちまして、関係大臣所信及び関係省庁説明聴取を終わります。  本件に関する質疑は後日に譲ります。     ―――――――――――――
  26. 井上孝

    委員長井上孝君) この際、三井石炭鉱業株式会社三池炭鉱における災害に関する件について、政府から発言を求められておりますので、これを許します。石井立地公害局長
  27. 石井賢吾

    政府委員(石井賢吾君) 去る一月十八日、三井三池有明鉱におきまして坑内火災事故が発生いたしまして、多数の犠牲者を出ましたことは、大臣所信表明にもございましたように、極めて遺徳に思っておるところでございます。また、本委員会の現地調査を煩わせまして、申しわけなく思っている次第でございます。  政府側といたしまして、この事故原因の究明のために、東京大学の伊木名誉教授を委員長といたします専門家から成ります事故調査委員会を設けまして、これまで検討をいたしてきたわけでございますが、去る三月十二日、当委員会から中間報告が提出されましたので、これを簡単に御説明を申し上げます。中間報告書及び要旨につきましてはお手元に差し上げてございます。  中間報告書は三つから成っておりまして、災害発生の原因、被害が拡大した要因及びこれらに対する対応策ということでございます。  火災の発生箇所は、二百二十メーターレベルと三百二十メーターレベルの坑道を結びます二百二十メーターベルトコンベヤー連絡斜坑の第三調量門またはそのごく近辺ということで、中間報告は火災発生箇所を特定いたしてございます。第三調量門、調量門と申しますのは通気の調節をするための戸門でございます。また、この火源につきましては、ベルトコンベヤー施設等の摩擦熱によるものと特定をいたしてございます。  また、被害拡大要因は、火災発見のおくれ、あるいは連絡指令の手間取り、消火活動中のトラブルといったようなものが複雑に絡み合って大災害となったものというふうにいたしてございます。  これら要因に対しまして、当面の保安対策事項といたしましては、ベルトコンベヤーの保守管理あるいは監視の強化、連絡指令体制の強化等々の当面対策の提言がなされております。  通産省といたしましては、とりあえず本委員会中間報告関係の地方監督局部に通達をいたしまして、各石炭鉱山に対する周知徹底方と今後の保安監督指導の指針とするように通達を発したところでございます。  次に、三池有明鉱の操業再開につきまして御報告を申し上げます。  三月十三日、会社側より福岡鉱山保安監督局長に対しまして操業再開願が提出されました。これは、有明区域のうち今回の災害に関連する掘進部分、この部分を除いたいわば採炭部分でございます。  福岡監督局はこれを受けまして鉱務監督官与八名を有明鉱に派遣いたしまして、十三、十四日の両日に入坑検査等保安点検をいたしまして、十四日の二十三時四十分、保安監督局長より、事故調査委員会中間報告で指摘されました事項も含めまして所要保安対策整備されているという判断をいたしまして、再開を了承する旨通達をいたしたわけでございます。  これを受けまして会社側は三月十五日よりならし採炭を開始いたしておりまして、三月十九日より本格的な採炭に移行して現在に至っておるわけでございます。  なお、今回の災害に関連いたします掘進部内の操業に関しましては、司法捜査の状況、会社の保安対策整備状況等を勘案して改めて検討をすることといたしおります。  以上、御報告申し上げます。     ―――――――――――――
  28. 井上孝

    委員長井上孝君) この際、派遣委員報告に関する件についてお諮りいたします。  先般、当委員会が行いました三井石炭鉱業株式会社三池炭鉱における災害及びエネルギーに関する諸問題の実情調査のための福岡・鹿児島班の委員派遣並びに土ネルギーに関する諸問題の実情調査のための静岡・愛知班の委員派遣については、それぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 井上孝

    委員長井上孝君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時十五分散会      ―――――・――――― 〔参照〕