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1984-03-12 第101回国会 衆議院 予算委員会第八分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年三月十二日(月曜日)     午前九時開議  出席分科員    主査 村田敬次郎君       高鳥  修君    山下 徳夫君       清水  勇君    長田 武士君       神崎 武法君    武田 一夫君       日笠 勝之君    水谷  弘君       森田 景一君    兼務 小川 国彦君 兼務 奥野 一雄君    兼務 沢田  広君 兼務 新村 勝雄君    兼務 田並 胤明君 兼務 土井たか子君    兼務 富塚 三夫君 兼務 細谷 昭雄君    兼務 渡辺 嘉藏君 兼務 駒谷  明君    兼務 福岡 康夫君 兼務 岡田 正勝君    兼務 田中 慶秋君 兼務 米沢  隆君    兼務 浦井  洋君 兼務 辻  第一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 水野  清君  出席政府委員         建設大臣官房長 豊蔵  一君         建設大臣官房会         計課長     牧野  徹君         建設省計画局長 台   健君         建設省都市局長 松原 青美君         建設省河川局長 井上 章平君         建設省道路局長 沓掛 哲男君         建設省住宅局長 松谷蒼一郎君  分科員外出席者         公正取引委員会         事務局経済部団         体課長     植松  勲君         行政管理庁行政         管理局管理官  八木 俊道君         環境庁大気保全         局特殊公害課長 松隈 和馬君         環境庁大気保全         局自動車公害課         長       加藤  茂君         大蔵省主計局主         計官      涌井 洋治君         厚生省環境衛生         局水道環境部水         道整備課長   森下 忠幸君         厚生省社会局老         人福祉課長   古瀬  徹君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部土         木電気課長   福田 安孝君         運輸省航空局飛         行場部計画課長 井上 春夫君         労働省労働基準         局監督課長   野崎 和昭君         日本国有鉄道施         設局土木課長  村上  温君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     戸谷 是公君         参  考  人         (水資源開発公         団理事)    国川 健二君         参  考  人         (水資源開発公         団理事)    岡本 克己君         参  考  人         (住宅都市整         備公団理事)  救仁郷 斉君     ――――――――――――― 分科員の異動 三月十二日  辞任         補欠選任   清水  勇君     和田 貞夫君   武田 一夫君     森田 景一君 同日  辞任         補欠選任   和田 貞夫君     清水  勇君   森田 景一君     長田 武士君 同日  辞任         補欠選任   長田 武士君     日笠 勝之君 同日  辞任         補欠選任   日笠 勝之君     長田 武士君 同日  辞任         補欠選任   長田 武士君     水谷  弘君 同日  辞任         補欠選任   水谷  弘君     神崎 武法君 同日  辞任         補欠選任   神崎 武法君     武田 一夫君 同日  第一分科員新村勝雄君、田並胤明君細谷昭雄  君、岡田正勝君、浦井洋君、第二分科員小川国  彦君、沢田広君、富塚三夫君、田中慶秋君、第  三分科員奥野一雄君、第四分科員渡辺嘉藏君、  福岡康夫君、第五分科員土井たか子君、米沢隆  君、第六分科員辻第一着及び第七分科員駒谷明  君が本分科兼務となった。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和五十九年度一般会計予算  昭和五十九年度特別会計予算  昭和五十九年度政府関係機関予算  (建設省所管)      ――――◇―――――
  2. 村田敬次郎

    村田主査 これより予算委員会第八分科会を開会いたします。  昭和五十九年度一般会計予算昭和五十九年度特別会計予算及び昭和五十九年度政府関係機関予算建設省所管について、前回に引き続き質疑を行います。  この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細谷昭雄君。
  3. 細谷昭雄

    細谷(昭)分科員 おはよう、ございます。  まず私は、元請、下請関係合理化対策について、建設労働者宿舎改善、この二つについてお尋ねしたいと思います。  最初に、まず元請、下請という重層下請制度改善についてでありますけれども、先週私のところに零細な二人の業者が訪ねてまいりました。この二人の業者は、昨年の十一月に秋田から出稼ぎ農民二組で七十名くらいですけれども連れてまいりまして、埼玉県の水資源開発公団ですか、事業団でしょうか、この発注元がそこなんですけれども、そこの水路工事に従事するためにやってまいったわけでございます。現場近くに飯場を張っておる人でありますけれども、私の地元の人たちでございますので、私が全国出稼組合連合会副会長という仕事をしておるということもわかっておって、その上で相談に来たものでございます。  この相談というのは、元請会社は同和工営、これは同和鉱業土木部門だそうでございますが、同和工営株式会社で、その下に一次下請、これはAとでも申しておきたいと思います。このAという一次下請との間に交わした契約というものが極めてあいまいであったのであります。下請代金支払い、受領という段階になりまして一方的にこの一次下請に、Aという会社にこれだけなんだという形で代金を受け取らざるを得ない。そして、十二月、一月、二月となったわけでございますが、この三月の完工を前にしまして、これはもうとてもでないけれどもこのままいくと倒産する、そしてせっかく郷里から連れてまいりました出稼ぎ労働者の賃金さえも支払うことができない、このようなところに追い込まれたために相談に参ったということでございました。  この件につきましては、発注元であります水資源開発公団の方に早速御連絡いたしまして、善処方を要望いたしました。したがって、明るい方向で解決がされるのではないかというふうに期待をしておるわけでございます。この例は大変幸運でございまして、倒産前、しかも不払いの前にこうして相談に来てくれた、こういう数少ない例だと思うわけでございます。  そこで問題は、建設省が五十三年の十一月に出しております元請・下請関係合理化指導要綱、この指導というものが一向に徹底していないのではないかということにあると思うわけであります。今回の事例を考えましても、一括下請禁止それから不必要な重層下請、これが依然として後を絶たないという前近代的な土建業界体質に起因しておるのではないかというふうに私は考えるものでございます。  私は、五十五年三月に、第九十一通常国会予算分科会におきまして、きょう私が質問することと同じ趣旨質問を当時の渡辺建設相並び宮繁計画局長お尋ねをし、次のような回答をもらっておるわけでございます。第一に、指導要綱指導徹底をする。そして一括下請や不必要な重層下請防止策検討をいたしましょう。第二に、不始末を起こすような不良業者下請に出すような元請を指名段階で外す措置をとりましょう。第三に、下請業者届け出義務制度については中央建設業審議会に建議して検討しましょう。以上、三点を約束をしたわけでございます。  そこでお伺いいたしますけれども、それから四年間の第一点の指導経過現状、第二点は、不始末を犯したという元請業者指名から外された例があるかどうか、あるとすればその名前と数をお知らせ願いたい。第三に、中建審審議経過をお伺いをしたい。以上、三点についてお伺いいたします。
  4. 台健

    台政府委員 御指摘のように、建設工事は各種の工事の組み合わせによります総合工事でございますので、工事の規模、種類等によりましては一次、二次というふうな下請関係を構成せざるを得ないことはやむを得ないと思っておるわけでございますが、建設工事を的確に施工し、またよりよい下請企業がよりよく発達することによりまして業界全体が発展することを願いまして、御指摘のように五十三年に元請・下請関係合理化指導要綱を制定いたしまして、これに基づきまして、必要に応じまして業界団体あるいは都道府県等に対しまして指導を行っているところでございます。  御指摘の第一点の一括下請禁止の問題でございますが、要綱趣旨徹底を図るために、特定建設業者といいまして、一千万円以上の下請を出すためには一般業者よりも加重された要件で許可を受けなければならないことになっているわけでございますが、私たちはそれを特定建設業者と呼んでおりますが、昭和五十四年度以降、原則として毎年二回特定建設業者、これは約二万六千ございますが、そのうちの一割程度を抽出いたしまして、下請代金支払い状況等実態調査を実施しているわけでございます。  そして、先ほど私たちが示しました下請関係合理化指導要綱につきまして、どの程度認識しているかということを調べた結果によりますと、約七割の業者指導要綱を認識しておりまして、指導要綱に従った運営を図っていきたいというふうな答えをいたしているわけでございます。  一括下請禁止は、建設業法によりまして、書面によりまして発注者の承諾があった場合以外は法律禁止するところでございますので、これは絶対に許せないことでございますので、私たちも最も力を入れて指導しているところでございます。  それから第二点の、不始末をしてかした業者指名から排除したことがあるかという御質問でありますが、具体的な資料を私持ち合わせておりませんが、指名審査基準等によりまして、そういう者は指名停止な煙あるいは指名回避等措置をとることになっておりますので、当然そのような措置がとられておるというふうに私たちは確信しております。  それから中建審におきますところの下請届け出制度の問題でございますが、届け出制度につきましては、中央建設業審議会が決定いたしました公共工事標準請負契約約款というのがございますが、これにおきまして、発注者は元請人に対しまして下請人名称等について通知を求めることができることになっておりまして、都道府県、指定市を調査したところによりますと、大部分の都道府県におきまして、この氏名の通知義務下請に対して課しておりまして、そのような実際上届け出制度が行われている実態でございます。なお、中建審におきましても、幅広い建設業の発展のための種々の問題を検討していただいているところでございますが、届け出制につきましても検討項目一つといたしまして検討を予定しているところでございます。
  5. 細谷昭雄

    細谷(昭)分科員 一点、二点、三点の中でちょっと一点についてさらにお伺いしたいと思うのですが、この特定業者の中で三〇%はやはり知らなかった。もちろん数でありますので、抽出の点からしますと三〇%といいましてもこれはかなりの数なわけでございます。こういうふうな業者に対して一体どういう指導をされておるのか。私は、一千万円以上ですか、こういった等級別にいいますと比較的大きい業者だと思うのですが、この中でさえも指導要綱徹底しておらない、これに対してただ調べた、ただそういうふうにしておるというだけでは納得がいかないわけであります。したがって、若干この点についてその後どうしておるのかということ。  二番目の指名業者については今すぐということは難しいかもしれませんが、後で結構ですからぜひ私の方までその業者名と数をお知らせ願いたいと思います。  それから三番目の問題ですが、四年間ですよ、四年間。あのときに約束したものは、現在中建審審議をしておるのでそれに項目を加えて審議をします、宮繁さんがそう答えておるのですよ。今の局長お話では、なおこれからも続けていくようなお話であるわけです。この点は、やはりいつの時代の局長であっても、計画局長には申し送りもありますし、そのときそのときの問題というのは解決しなければいけないという義務、責務を負っていると思うのです。私はこれは言い逃れにすぎないというように思うのです。前の予算委員会でも、都道府県においてはやっておる、問題は政府機関ないしは公団、そういったところでやるのに対しての届け出制は示されておらないわけですよ。事前の書面というのは一括下請のときだけなんですよ。すべての工事についての下請というものでは全然どこにもありません。そのことを私は言っているわけです。  以上の三点について。
  6. 台健

    台政府委員 先ほどの答弁、ちょっと訂正させていただきたいのですが、私は七割と申しましたが、要綱を認識しておる業者の数は八割に訂正させていただきたいと思います。しかも、調査のたびに知っている数はふえておりますので、徐々に浸透しておるというふうに私たちは理解しておりまして、なおさらに強力に指導要綱徹底できるように指導いたしたいというふうに思うわけでございます。  それから二点につきましては、差し支えない範囲で、できましたら具体的な事案につきまして資料をお届けいたしたいと思います。  それから三番目の届け出制の問題につきましては、届け出義務法律上課すのがよろしいのかどうかにつきまして、私たち必ずしもまだ確信を得ておらない段階でございますので、実質上届け出が行われるような体制に持っていくような努力を重ねているわけでございまして、なお法律上の問題につきましては重ねて検討を続行させていただきたいと思います。
  7. 細谷昭雄

    細谷(昭)分科員 私は、この三点につきましても、この後も時々そういう点では局長お尋ねをしたい。こういう場でお尋ねしたいと思いますので、四年間継続中というような答弁をなさらないようにひとつ努力していただきたい、こういうように思うのです。  大臣にお伺いしたいと思うのですが、建設業実態というものから下請の必要というものは私も認めますし、理解できるわけでありますけれども、そこには社会的な責任を分担する企業の、これは道義的なルールというものが必要ではないかというふうに思うわけでございます。前の渡辺建設相も同じようなことを申されておりました。  問題は、こうしたルールづくりのための指導要綱だと思うのでありますけれども、言うなれば四年間自然に浸透をするというのに任しておるというのが現状だと思うのです。私はこういうふうな点ではきわめて遺憾だと思うわけでありまして、これは建設省監督権ないしは人員というものに問題があるのか、それとも公共事業の縮小によっていろいろ不況だという点に問題があるのか、ないしは業界の内部に問題があるのか。この点について、そこに働く多くの労働者、そして零細な企業、私さっき申し上げましたようなことで、日常茶飯事にその層にしわ寄せが行われておるという実態からしまして、早い機会にきちっとしたルール確立というのが必要じゃないかと思うのです。  私が予想するこの三つの点のどれに原因があるのか。それとも総合されたものなのか。大臣の御所見というよりも、御決意のほどをお伺いいたしたいと思うわけでございます。
  8. 水野清

    水野国務大臣 ただいま合計画局長の方からも申し上げましたが、元請、下請関係改善につきましては、昭和五十三年につくられました元請・下請関係合理化指導要綱というのがございます。これはもう御承知のとおりでございます。これに基づきましてこの建設業附属寄宿舎改善の問題、これは労働基準法に規定された問題でございますが、こういうものを含めまして、労働条件改善の問題あるいはその支払いの問題も含めておりますが、建設省としては指導をやっております。しかし、やはり長期の不況の中で、私も自分の国の建設業を見ておりますと、どうしても元請が下請に対していろいろな形で支払いを引き延ばしたり、いろいろなことをやっているということは耳にいたしております。建設省といたしましては、今後ともこの要綱趣旨徹底するように、県の関係であるとかあるいは出先当局とか、こういったものを指導してやっていきたい、かように思っております。
  9. 細谷昭雄

    細谷(昭)分科員 ぜひこれは強力にひとつお願いしたいものです。  特に不必要な重層下請ということも禁止しておるわけであります。なかなか難しいわけなんです。どこまで必要でどこまで不必要なのか。言葉の字づらからすると、確かに不必要な重層構造はけしからぬということなんですが、具体的になりますと、もう三次、四次までの下請があるわけです、まあひ孫という、その下の孫と。そこまでは必要でないし、そうしてそこまでいきますと余りにもいろいろな点で形式的な請負ということになりまして、私はやはり問題があると思うのです。必要か不必要かという、そこら辺の段階というのはいつまでたってもなかなかきちっとしないわけですね。恐らくは今大臣お話しにならなかったのです。私がどこに原因があるのかという点ではさっぱりその点はお答えにならないのです。  私はいろいろな点があると思うのです。これは総合された原因だと思うのですけれども、一つには余りにも零細な企業が多過ぎる。もう請負代金が間に合わなくても、何でも仕事にありつかなくてはいけないというような過当競争一つ原因であろうと思います。それをよいことにして、どんどん代金を値切っていくという土建業界体質にも起因すると思います。そしてまた公共事業がこのとおりどんどん圧縮されていく、そこにももちろん原因があろうかと思います。そしてまた、それをほったらかしておくというわけではありませんけれども、しょうがないものだといって放任しておると思われる行政当局にも私は責任があろうかと思います。この点の一つ一つをもっときちっとやはり整理していくということが、どうしても日本土木建設業界体質改善していくためには必要じゃないか、こういうように思いますので、改めてこの点の勇断をお願いしたいというふうに思います。  次にお聞きしたいと思うのですが、五十八年度の工事前渡し金制度、これの実施状況と五十九年度の方針、それに昨年十二月で結構ですが、秋田県、東京都、大阪府、熊本県、代表的な地方、中央のこの都府県の一般土工設計労賃単価をお知らせ願いたいと思います。
  10. 台健

    台政府委員 資料を持ち合わせておりませんので、後ほどお届けしたいと思います。
  11. 細谷昭雄

    細谷(昭)分科員 時間があともう十分ということで大変申しわけございません。第二の、附属寄宿舎規程についてお伺いしたいと思います。このことにつきましても、五十五年三月の私の議事録で、恐らく住宅局長さんはおわかりだと思うのですけれども、当時の建設省関口住宅局長からいろいろお答えがあるわけでございます。  そこでお尋ねしたいのですが、この附属寄宿舎と言われる飯場状況というのは大変にまだよくない。これは、労働省からいまお伺いするのですけれども、大変環境がよくないわけであります。したがって、私たちはこの環境改善のために寄宿舎の安全、第一に安全です。防火施設警報施設。第二にいわば衛生という点。第三には人間としてある程度人間の住める快適な居住性、こういった点で附属寄宿舎規程に基づくきちっとしたものを、一日も早くひとつ全国寄宿舎によこしていただきたいと要望しているわけでありますが、これまた遅々として進まないわけであります。ですから、私は一つの案として、四年前にこの仮設宿舎も含めて、恒久的なものと同じように建築基準法上の届け出制にすべきじゃないかという提起をしているわけであります。この点について建設省は前にお答えになっているわけですが、簡潔に、それについて今でも変わらない、届け出する必要がないかどうか、その点についてだけお答え願いたいと思います。  それから労働省の方にお伺いしますが、この附属寄宿舎について、ある時点で全国一斉に悉皆調査をする試みというものをしていただけないかどうか、このことについてお伺いしたいと思います。
  12. 台健

    台政府委員 建築基準法住宅局所管でございますが、建築基準法によりますと、一般建築物につきましては、建築する際に建築確認という制度があるわけでございますが、現場宿舎のように、仮設建築物につきましては確認制度が外れておりまして、ただし、仮設物におきましても、建設工事を完了したときから三カ月を超えて存続させようとする場合には特定行政庁許可を要することになっておりまして、特定行政庁は、安全上、防火上、衛生上支障がないと認めるときには、二年以内の期間を限って許可することができるという制度になっております。基準法といたしましては、したがいまして、三カ月を超えるものはこの許可制度によって運用していきたい。なお細部につきましては、労働基準法に基づきますところの労働省監督にまちたいというふうに思っております。
  13. 野崎和昭

    野崎説明員 お尋ねの、建設業附属寄宿舎の件でございますけれども、私どもといたしましても、労働者安全衛生という面から、従来から重点的に監督指導いたしております。昭和五十七年度におきましては全国一斉に監督を実施した経緯もございます。  お尋ねの、適当な時期に一斉監督を行うべきではないかという点につきましては、さらに研究させていただきたいと思います。
  14. 細谷昭雄

    細谷(昭)分科員 大臣に私自身PRしておきたいと思うのですよ。恐らく大臣も、これは大臣になられますとどなたも出かけられておるようですので、こういう建設現場をお回りになったと思うのです。いわゆる飯場と言われる宿舎、お出かけの際にはこれをぜひごらんになっていただきたいと思うのです。大変りっぱなところもあるのです。私もことし関東と関西、全部で三十カ所回りましたが、この中で西松建設なんかは大変にりっぱな宿舎を持っておりまして、下請関係は全部そこへ入れておる。それはそれで問題がありますけれども、一般的には大変に劣悪な宿舎なんです。  今労働省監督課長さんお答えになりませんでしたけれども、大阪労働基準局は大変この問題で力を入れてくれておる役所なんです。そういうところの調査によりますと、漸次よくはなっておるのですが、この十五、六年間でよくはなっておるのですが、それでも去年の抽出調査違法建築附属寄宿舎規程に違反しておるところが五〇何%、つまり半分ぐらいある。遅々として進まないのが現状なんです。  その原因というのは何か聞きますと、とてもじゃないけれども、そこまでは今の人員関係では手が回らないというのが労働省の実情なんですよ。したがって、建設省で何かしらその点でお手伝いできないのか。指導行政立場、もう一つは発注する立場発注者業者指導するという両面を持っておるわけです。ですから、それは労働省監督ですよと言わないで、建設省でお手伝いできることはないのか。そこに入っておる人間人間らしい生活をする。第一に安全である、火災には絶対に強い、こういうものは道義的な問題としてぜひ大臣に考えていただきたいと思うのです。  最後に、時間がありませんので、今言ったように建設省では建設省監督権がない、そしてそれは労働省監督範囲でありますという点。労働省に言わせますと、とてもでないけれども、人員の点で悉皆調査なんかできませんよ。まさにこれは私からしますと、行政のエアポケットじゃないかと思うのです。そこに住んでおる人々というのは建設労働者、前回の宮繁局長お話によりますと、約四百五十万人と言われておるのです。四百五十万人に上る人方が半分くらいは違法宿舎に住んでいるということです。これは極めてむごい話なんです。したがって、こういうことを放置することはまさに行政改革の必要があるんじゃないか。そういう点でこそ行革の必要があると思うのです。  そこで、行管庁にお聞きしたい。こういう問題はまだあるのですよ。きょうは時間がないので言いませんけれども、建退共の問題も同様なんです。せっかくこんな立派な建退共をおつくりになってもさっぱり利用されておらない。これはまさに建設省労働省のやはりエアポケットなんです。ばかに多いのですよ、建設省労働省の間のエアポケットというのは。この点について、人員の配置をきちっとするのか、それともそういうエアポケットには特別なオンブズマン制度でも導入しながらやっていくつもりなのか、その点で行管庁のお考えをお聞きしたいと思うわけであります。
  15. 八木俊道

    ○八木説明員 行政管理庁でございます。  ただいま委員御指摘の問題を考えてみますと、二つあるかと存じます。一つは、いわば行政がどこまで民間部門の問題に関与していくか、適正かつ効率的に行政を運営していく立場から、どの程度の問題が行政の守備範囲としてとらえられなければいけないかという問題であろうかと存じます。財政事情の大変厳しい折でありますし、行政の簡素化、効率化が強く求められている状況でございますけれども、一方、行政の果たすべき責任もまたあるわけでございますから、その辺のいわば行政がタッチすべき範囲の問題をどう考えるか、これが一点でございます。  もう一点感じますのは、今日行政は非常に専門化、複雑、高度化をいたしております。これは産業、経済の高度化、国民価値観の多様化等によるものでございましょうが、その過程で行政が非常に多数の省庁にまたがる、そういう一般的な傾向が生じてきておりまして、この間に、いわば積極的に重なり合う部分と、消極的にすき間を生じやすい部分というのが全般論としてあることは事実でございまして、その具体的処理につきましては、私どもも行政改革の観点からも関心を持ちまして、関係省とも御相談しながら十分研究をさせていただきたい、こう考えている次第でございます。
  16. 細谷昭雄

    細谷(昭)分科員 時間がありませんので、今いろいろな点を希望いたしましたので、建設大臣におかれましても、十分ひとつ善処されますことをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  17. 村田敬次郎

    村田主査 これにて細谷昭雄君の質疑は終了いたしました。  次に、森田景一君。
  18. 森田景一

    森田(景)分科員 公明党の森田景一でございます。  私は三つお尋ねしたいと思っておりますが、何しろ限られた時間でございますので、最初に一問一答でなくて全体のことをお尋ねして、それから時間の範囲でいろいろとまたお尋ねをしたいと思っております。  最初に、国有地の保全ということについてお尋ねしたいと思います。  国有財産である土地、通常、御存じのとおり国有地と言っておりますけれども、この不法な侵害に対して、侵害を阻止し原状回復させるための法的手段にはどのようなものがあるか、これが一つ。  もう一つは、栃木県塩谷町というところで一級河川富沢川というのがございます。この富沢川上流における国有地の侵害について建設省はどのように対応されるか、これが第一点でございます。  次に、第二の質問は、北千葉導水事業の促進ということでございます。これは建設大臣も御存じのとおり、手賀沼浄化対策や坂川洪水対策として北千葉導水事業の完成が待望されているわけでございます。当該導水事業の目的と事業概要、進捗状況等を明らかにしていただきたいと思うわけでございます。  第三の質問は、東京外郭環状一号線についてお尋ねいたします。通常外環道路と言っておりますが、外環道路の用地買収、特に国道六号以南の千葉県内の用地でございます。この用地買収状況はどうなっているのか、お答えをいただきたいと思います。  それから、第二点としまして、この外環一号線につきましては、千葉県知事、千葉県議会、市川市長、市川市議会、松戸市長、松戸市議会、両市住民等がかなり以前から反対を表明しているところでございます。長い、十数年になりますが、この期間に建設省のお役人の方々も交代を繰り返されたり、また大臣も交代をされておりますが、こうした問題について引き継ぎがなされているのかどうか、こういう点についてまずお尋ねをしておきたいと思います。
  19. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 まず第一点の、国有財産の管理の件につきましてお答えを申し上げます。  ただいまの御質問は、水路とか里道とか言われますいわゆる法定外の公共用財産であります国有財産の管理についての御指摘であろうかと思いますが、これにつきましては、御案内のとおり、建設省所管をいたしておりますが、具体的な実務につきましては都道府県知事に委任をいたしておるところでございます。そういう場合におきまして、これらの法定外の公共用財産というのは非常に全国に多数散在をしておって、その実態の把握が困難であるといったようなところから、いろいろな事業等を興すような場合におきまして、種々各地で問題が生じているということがあるようでございます。  今御指摘のように、不法に無断で占用されているといったような場合につきまして幾つかの対応があるわけでございますが、第一には、その公共用財産が公共物として使用されておりまして、その機能に極めて影響があるといったような場合には、当然のことでございますが、原状回復を要求する。また、これに応じない場合には必要な法的な措置を講じさせていただく。一般的には訴訟といったような問題にまで及ぶことになろうかと思います。また、これらの財産が公共物としての機能が喪失しておる、将来とも存置する必要がないという判断に立ちました場合には、速やかに用途廃止をいたしまして必要な所定の手続をとるということが考えられようかと思います。また、これらの公共物につきまして、その使用の理由なり方法が適正であります場合に、使用許可が適当であると判断されました場合には、所定の手続に基づきまして新たに使用許可手続に入らせていただく、そういったようなことが考えられると存じます。  ただいま御指摘がありました栃木県の塩谷町におきまして、産業廃棄物の処理場をめぐりまして現地で種々問題があると聞いております。現段階におきましては、ただいま申し上げました国有財産の管理の部局長であります栃木県知事が、国有地を確保するための境界ぐいを設置するとか、あるいはまた工作物設置禁止の立て看板等を設けておるとか、あるいはまた、これらに関します住民等に対しましても必要な勧告を行う等々、総合的な立場に立ちまして調整に当たっている、このように聞いております。
  20. 井上章平

    井上(章)政府委員 次に、北千葉導水事業の概要について御説明申し上げます。  この北千葉導水事業は、利根川下流部と江戸川を連絡いたします延長約二十八キロメートルの流況調整河川でございます。これを建設することにそれから湖沼水質としてはワーストワンと言われております手賀沼の水質浄化及び首都圏に対する毎秒三十立方メーターの都市用水の供給の確保を図るものでございます。  本事業は、直轄流況調整河川事業として昭和四十九年度に建設事業に着手したわけでございますが、現在までに第一機場、第三機場をおおむね概成させましたほか、手賀川、坂川の改修工事等を実施中でございます。  五十八年度末におきます予算上の進捗率で見ますと約四二%となる見込みでございまして、昭和六十五年度の完成を目標に鋭意工事の進捗を図ってまいる所存でございます。
  21. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 東京外郭環状道路の一般国道六号の以南、すなわち松戸市、市川市にかかわる東京外郭環状道路の計画について、地元からいろいろ御要請があることなどについて知っているかどうか、また、用地買収の現状はどうかということでございますのでお答えいたします。  東京外郭環状道路は、東京都市圏の都心方向に集中する交通を適切に分散導入するとともに、都心に起終点を持たない交通をバイパスさせるなど、東京都市圏の均衡ある道路網体系の確立にとって必要不可欠な幹線道路であると考えております。現在埼玉県内におきまして、地元の協力を得ながら鋭意事業を進めているところであります。また千葉県内においては、松戸市内の一般国道六号以北の区間について事業を進めております。これについては千葉県知事からもまた松戸市長からも、以北の道路、特にこの江戸川橋の整備については速やかにやってほしいという要請もあったところでございます。  さて、千葉県内の一般国道六号以南の松戸市、市川市を通過する区間につきましては、昭和五十三年に千葉県知事から関東地方建設局長あてに、「納得される結論が出るまでの間、事業の実施を見合わせられたい」とする文書を受けております。用地買収は原則として見合わせておりますが、松戸市内の都市計画決定された道路区域内におきまして、地権者から家屋の建てかえなど、やむを得ない事情により買い取り請求が出されているもののうち、緊急の対応を要するものについてのみ用地買収を行っているものであります。市川市については、この文書をいただいて以来こういう買い取り請求があり、それに基づいての用地買収というものはございません。十年近く前にそういう買い取り請求が二件あったそうでございまして、そのときその用地を買い取ったということでございます。
  22. 水野清

    水野国務大臣 森田先生の御質問に対してそれぞれ担当者からお答えを申し上げましたが、北千葉導水路につきましては、先生も御承知のとおり、私の郷里と先生の御郷里と両方にまたがった問題でございます。  先ほども申し上げましたが、五十八年度末の予算上の進捗率で四二%、そして昭和六十五年には何とかこれを完成したい。私は、この財政の非常に難しい時期という中では、建設省としてかなりの努力をしているつもりでございます。また、この導水路の持っている使命というのは、これはもう私がくどくど申し上げる必要もないわけでございまして、ともかく完成を目途に早急にやっていきたい、かように思っております。  それから東京外郭環状の六号線以南の問題、これは大変難しい問題でございます。先生につきましても大変御配慮をいただいていることと思いますが、昭和五十三年、先ほど申し上げました千葉県知事から「抜本的かつ徹底的な検討をされたい」という要請を受けております。そこで、これを踏まえて、環境保全ということを中心に道路をどういう構造にしたら環境保全が図れるかというようなことについて鋭意調査をし、いろいろと努力をしている最中でございます。一部には、また先生の御質問にもあったかと思いますが、それじゃ、このルートを変更したらどうだ、こういうお話もございましたが、この問題は極めて重要な問題でございますので慎重に検討を進めさせていただきたい、かように思っている次第でございます。
  23. 森田景一

    森田(景)分科員 これは私ごとで大変恐縮でございますが、大臣の方からお話がございましたので、同じ千葉県から御出身の建設大臣でございます。今取り上げました問題はほとんどが千葉県の問題でございますので、ぜひとも地元に対して強力な御支援をお願いしたい、これを最初に申し上げておきたいと思います。  手賀沼の浄化に関連する、それだけではありませんけれども、北千葉導水路は非常に重要な事業だということで、地元の市町村もまた住民の方々も大きな期待を持っているわけでございます。それで、これにつきましてはいろいろと事業を早く進めてほしいという要望と、そのほかに、どうせこのように立派な導水路がつくられるならば、それを地元の方々のプラスになる方向で生かしてほしい、こういう要望も強いわけでございます。  それで、実は柏の市長と建設大臣、前任の建設大臣だと思いますが、お話し合いがございまして、この北千葉導水路、第一水路といいますか第二水路といいますか、この区間が管渠になるわけです。その管を埋設する地上部分には道路をつくって、そして花木を植えて市民の憩いの場になるような、そういう方向をぜひやってほしいという要望があったと聞いておりますけれども、この辺のところは大臣、御承知でございましょうか。
  24. 井上章平

    井上(章)政府委員 北千葉導水路は開水路の部分と管渠になる部分とに分離されるわけでございますが、管渠になる部分につきましては、その地表面の利用につきましては地元の関係者といろいろ御協議申し上げているところと伺っております。できる限り環境に配意した地元の要望にこたえたものにいたしたいとは思っております。
  25. 森田景一

    森田(景)分科員 これは時間の関係で要望だけ申し上げますが、この管渠の部分、第二水路になりますね、これが松戸の放水路と接続するわけでございます。そこまで手賀沼からポンプアップしなければ高台まで水が行きませんが、柏の高台に至った部分から、今お話がありました開水部分に変更して、今柏では「ふるさと柏づくり」という運動が行われておりまして、大臣も御承知と思います。その開水部分、開渠部分というのでしょうか、その部分に松戸の排水機場まで堤外地に遊歩道をつくり、また四季折々の花木を植えて、松戸では水の都ベニスとまではいかないけれども、水の都栄町ぐらいの環境をつくってほしい、こういう要望が非常に強いわけでございます。大臣関係の皆様方の御建闘でできるだけそういう方向を実現させていただきたい、これは御要望でございますので、また後で機会がありましたらいろいろと御相談申し上げたいと思います。  それで、外環道路でございますけれども、これは本当に難しい問題でございます。地元の方の、特に市川では市内の真ん中を大きな道路が走りまして市街地を二分する形になるわけでございますので、地元に住んでおります私も状況はよくわかります。できることなら、どうしても通すという方針なら、まあ中止してほしいというのが地元の要望でございます。それでもただいまの御説明をお聞きしますと、十年たっても中止をするという方向は出ていないように感じられますので、どうしても中止をしないというならば、今申し上げました路線変更ということも考えてしかるべきではないだろうかということを私は考えているわけです。大臣も、国際空港の問題で予定地が変わって大きな反対運動に変わったことも御承知ですから、そういう御懸念があろうかと思うのですけれども、ぜひこれは市街地を二分するような、そういう計画は変更をなさった方がよろしいんじゃないだろうか、こう思いますので、これはひとつもう一遍御回答をいただきたいと思います。  それから、これは千葉県の問題でなくて大変恐縮でございますが、先ほどの栃木県の富沢川の上流の問題でございます。これは産業廃棄物の処理場建設という問題も絡んでおりますので大変かと思うのですけれども、私も実は現地へ行って見てまいりました。地元の地主は山と山の間に、谷のところに国有地があるわけですけれども、その国有地が国有地だと知らないで業者と賃貸借契約を結んだ、こういうことを言っておるわけです。これは本当かうそかちょっとわかりません。業者の方は業者の方で知らないで借りたんだから占有権がある、こういう主張をしているのですね。こういう主張を認めるなら、先ほどお話がありましたように、全国各地になかなか掌握し切れない国有地がたくさんあるわけですよ。それが知らないで契約したから占有権がある、こういう主張をされていって、それを認めるようなことになったら、これは行政上非常に重大な問題だろう、こう私は考えるのです。  しかも、都道府県知事に委任してある、こういうお話でございますが、この都道府県知事に委任するといっても、委任の仕方はまことにあいまいですね。地方自治法の別表の方で、こういうふうにやらなければならないということで問題が起こっても、その処理をする能力なんか全然明記されておりません。しかも一応、先ほどお話しのように、国有地であるから構築物をつくってはいけないとか、あるいは境界を査定するとか、そういうことはやってはいるのですけれども、境界査定でも業者の圧力といいますか妨害に遭いましてできないで帰ってきております。しかも、警察も機動隊を三十名も待機させながら何にもできないで帰っておる。ですから、そういういろいろな問題がありまして、地元の町長は不動産侵奪罪ということで告訴をしておるわけですね。ところが当の管理者の知事は、何ら私にはできませんと言っているのです。こんなことで行政がスムーズにいくのでしょうか。その辺のことをお答えいただきたいと思います。
  26. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 東京外郭環状道路の市川市内のルートを変更してはということでございますが、この道路はいろいろな経過を経て都市計画決定をされたものでございまして、このルートの変更等につきましては極めて重要な問題が多くございます。そこで、今後この問題については慎重に検討を進めていきたいというふうに思っております。  なお、道路構造面から環境保全を図るための方策などについても現在研究、調査、勉強しておるところでございます。
  27. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 ただいま御指摘がありました国有地につきましては、昭和五十五年ごろに隣接の地主さんから、国有財産の管理の再委任を受けております塩谷町長に対しまして、用途廃止の申請があったというふうに聞いております。その後いろいろな経緯がございましたが、現段階におきましては塩谷町長さんは用途廃止につきましてはこれを取り消し、現在不動産侵奪罪で事業者を告発しているというような経緯があります。  また一方、栃木県知事につきましては、これらの国有地の保全につきまして原状回復の措置をとる、あるいはまたそのための必要な努力をしておるといったふうに聞いております。私ども、確かにこれらの法定外の公共用財産につきましての管理が非常に困難であるという状況ではありますけれども、やはりこのような問題が生じてまいりますれば、都道府県知事といたしまして、これらの国有財産の管理をしっかりやっていただくというように、今後とも適正に指導をしていくというような考えでございます。
  28. 森田景一

    森田(景)分科員 ただいまの国有地の問題でございますけれども、業者はもう既に河川を、あるいは道路を掘削してしまいまして、その中途に大きな堰堤をつくるための基礎工事をやっているのです。それをさらに最近になってもうどんどん工事を進めようとしているわけでございますが、これを阻止する、とにかく現状建設省所管する国有地ですから、それをこの使用期間も置けないままどんどん工事を進めようとする、こういうことを建設省は黙って見ていていいものですか。できちゃってからどうするんですか。その辺を明確にしてください。
  29. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 先ほど申し上げましたように、この国有地につきましては、民間に払い下げ等の手続がまだとられておりません。現実問題といたしましては、やはり国有財産として適正な管理が必要であるというふうに考えております。したがいまして、都道府県知事が現在いろいろな原状保全の措置をとっている、あるいはまた町長さんも不動産侵奪罪で告発をしておるといったようなことがございますので、今後の推移も見守らなければいけませんが、必要に応じましては訴訟その他の法的措置もとるように、都道府県知事を指導していきたいというふうに思っております。
  30. 森田景一

    森田(景)分科員 ただいまの回答十分とは私思いません。しかし時間の関係で、ここでいろいろとやりとりができませんが、どうかひとつ、ただいまおっしゃいましたように、栃木県知事はこの問題で非常に弱気でございます。いろいろ栃木県も問題がありまして、そういうことをここで申し上げられませんけれども、いろんな問題があります。ですから、ぜひひとつ私の尊敬する建設大臣、栃木県であってもどこであっても日本の国有財産は守るという、こういう強い姿勢で指導をされますよう要望いたしまして質問を終わります。
  31. 水野清

    水野国務大臣 ただいまの塩谷町の産業廃棄物の処理場の問題、国有財産を勝手に使用しているというお話でございます。私は先生の御質問があって初めて調べたわけでございまして、詳しいことはわかっておりませんが、確かに先生のお話のようなことならば非常に重大な問題だと思います。  ただいま官房長が申しましたように、建設省としても重大な決意でこれに対処していきたい、かように思っております。
  32. 森田景一

    森田(景)分科員 質問を終わります。
  33. 村田敬次郎

    村田主査 これにて森田景一君の質疑は終了いたしました。  次に、田並胤明君
  34. 田並胤明

    田並分科員 それでは、私は埼玉県の出身でございますので、特に人口急増県における一般国道の道路整備状況についてまずお伺いをしたいと思います。  まず最初に、昭和五十七年現在の埼玉県の道路整備率、これは一般国道でございますが、埼玉県には十七号、四号、十六号等々十の一般国道が県内を走っておりますが、これの整備率について建設省の方でどのようにつかんでおられるのか、まずお聞きをしたいと思います。
  35. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 埼玉県内の一般国道の整備状況は、改良率で見ますと全国水準を上回っておりますが、急増する交通量により道路の交通容量を上回る区間が多く、全国的にも非常な低位になっております。このような現状を踏まえ、一般国道について交通混雑を緩和するため、東京外郭環状道路を初めとし、各地においてバイパスの整備を積極的に進めているところであります。ちなみに、埼玉県の一般国道における走行台キロは全国の二・八%であるのに対して、一般国道の改築費は五十八年度では全国の三・七%となっております。今後とも埼玉県内の幹線道路網を形成する一般国道の整備を促進してまいりたいと考えております。
  36. 田並胤明

    田並分科員 今道路局長の方からお話がありましたが、私どもの調査によりますと、五十七年度現在の埼玉県内の道路整備率というのは三二・八%ということで、全国四十五位という低位であります。もちろん建設省も大変努力をされて整備を進めておるのですが、どうしても人口急増に追いつかない、あるいは増加をする車両の交通に対応できない、実はこういう状況でございまして、埼玉県の場合は、交通渋滞の大変慢性的な地帯であると同時に、沿線の排気ガス等のため非常に道路環境というのが悪くなっておる、こういう事情にあるわけであります。  それと同時に、交通事故も埼玉県の場合にはどうも常に全国でワーストファイブくらいに位置づけをされるというまさに大変な交通の難渋の地域でございます。したがって、ぜひこれを解消するために格段の努力を、特に人口急増県といいますと、大臣も千葉県でございますので、当然埼玉、千葉、神奈川というのが一番大きな首都近郊の人口急増県の交通の問題で悩みの多い地域でございますから、ひとつ格段の御努力を求めたいと思うのですが、大臣の御所信をお伺いしたいと思います。
  37. 水野清

    水野国務大臣 実は大変不明であったのですが、先生の御質問がありまして勉強させていただきました。埼玉県が道路の普及率が全国四十五番目である。建設省のだと四十六番目なんですね。先生の御調査の方がまだ一つ上なんでありますが、建設省の方で調べましたら四十六番目になっております。一種の通過県で、東京と関東北部であるとか東北に対する通過地域であるために、大変いろんな御迷惑をかけているようであります。また、首都圏でありまして、人口が急増して追いつかない。御指摘のとおり私の県も同じようなことでございます。それからまた、東京を中心に放射状の道路がありますが、この東京の環状といいますか、ちょうど放射状に直角になるような形の道路というのが不思議にほとんどない。私のところなんか、十六号線というのがありますが、それ一本だけであるというような、今まで東京中心であったということもありましょうが、いろんな不備があろうと思います。私も同じ悩みで、県に帰るとあちこちからおしかりを受けているわけでありますが、そういったようなことを踏まえまして、先生の御指摘の点もよくわかっておりますので、今後道路行政の中で改めていくように指導していきたい、かように思っております。
  38. 田並胤明

    田並分科員 大臣の御所信を聞いて安心をいたしましたが、私どもの方は荒 大先生の出身をされた地区でありまして、このような大先生の後を受けての国会でございますので、先輩の先生に負けないように道路行政についても一生懸命努力をしていきたい、こういう決意をしているわけであります。  次に、ただいま大臣の方からもお話がありました、局長の方からもお話のありました例の東京外郭環状道路の関係、さらに中央連絡道、この問題についてちょっとお伺いをしたいと思うのです。  確かに、言われるとおり、東京を中心にして、埼玉にしても千葉にしても神奈川にしても、放射線状に国道、主要道路が通っております。どうしても横を結ぶ、例えば千葉と埼玉と神奈川を結ぶとかあるいは群馬と埼玉と山梨を結ぶ、こういうような東京を中心にしての環状道路が非常に不足をしておるのは御案内のとおりであります。一本だけ十六号があるということですが、この環状道路の関係については、二百九十八号の整備と相まって、当面、常磐自動車道と東北自動車道とさらに関越自動車道とこの三つの高速自動車道を横断的に環状的に結ぶという計画がおありだという話を聞いております。ぜひこれの早期実現を図っていただきたいということで、第九次の道路整備計画、五十八年から六十二年までのこの五カ年の中にどの程度今言った区間について重点的に建設省としては取り組もうという考え方があるのかどうか、それが第一点と、もう一つは、中央連絡道路、これは、東京を基点にして大体四十キロ圏から五十キロ圏を、神奈川から埼玉、そして茨城、千葉、こういう格好で結ぶ連絡道路でございますが、これも埼玉県としては非常に期待の強い道路でありますし、関係する県についても大変要望の強い路線であります。これについての取り組みについてどういうお考えで今日やられておるのか、お聞かせを願いたいと思います。
  39. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 東京外郭環状道路は、東京都及び神奈川、埼玉、千葉の各県を都心からほぼ十五キロメートルの圏域で結ぶ延長八十五キロメートルの環状道路であり、東京に集中する放射状幹線と接続して交通の適切な分散導入を図るなど、首都圏交通体系の根幹的な道路として重要な役割を果たすものであります。  埼玉県内における東京外郭環状道路は和光市から三郷市に至る延長約三十五キロメートルであり、その標準的な断面は高速部と一般部の併設の計画となっております。  一般部につきましては、一般国道二百九十八号として昭和四十五年度より事業に着手し、第一期整備区間として、国道十七号新大宮バイパスから常磐道三郷インターチェンジまでの間を最重点に事業を進めております。五十八年度末までに戸田市、浦和市、川口市内等で合計四・七キロメートルが供用される予定であり、五十九年度末には、常磐道三郷インターチェンジの供用に合わせて、主要地方道草加流山線から常磐道三郷インターチェンジの間一・六キロメートルの供用も図る予定であります。  高速部につきましては、関越自動車道から常磐自動車道に至る約三十キロメートルの区間について、既に高速自動車国道として基本計画を策定しており、今後、整備計画を策定の上、事業を進めてまいりたいと考えております。  また、首都圏中央連絡道路につきましては、本道路は東京都心より半径四、五十キロメートルに位置する延長約二百キロメートルの幹線道路の計画であります。本道路は、横浜、厚木、八王子、川越、筑波研究学園都市、成田などの中核都市を連絡し、これらの地域における交通の円滑化と土地利用の適正な誘導を図るとともに、地域開発の基盤としての役割を果たすものであります。本道路につきましては、現在、経済、環境、路線などに関する調査を実施しており、今後、調査をさらに推進し、逐次計画の具体化を図っていきたいと考えております。
  40. 田並胤明

    田並分科員 今のこの環状道路を中心としたそれぞれの県を横で結ぶ環状道路の早期の供用開始の方に向けてぜひひとつ努力のお願いをしたい、このように思います。  次に、一般国道百四十号線の関係についてお伺いをいたします。  これは熊谷市を起点にして秩父郡を通り山梨県の甲府に結ばれる実は主要な道路であります。この道路は昭和二十八年に二級国道として指定をされ今日に至っておるわけでありますが、先輩の皆さんや建設省の努力で大変着実に道路の整備が行われてきておるのですが、残念ながらまだ埼玉県と山梨県を結ぶ路線のルートが決定をされておらない。これは恐らく秩父多摩国立公園の二千メートル級の山を越えていく道路でありますから、冬季の凍結であるとか、あるいはこれが国立公園になっておる関係で、どうしてもルートを決定するのが非常に難しいというような事情もあって今日まで延び延びになっておったようでありますが、国道指定以来既に三十一年の歳月が経過をしておるわけでありますから、もうぼつぼつ埼玉県と山梨県を結ぶルートの決定を早期に行うべきではないか、このように思うのです。  実は私も埼玉県議会におった関係上県議会でこの問題もいろいろ取り上げてやってきたわけでありますが、県の方の回答は、昭和五十八年度中に埼玉県と山梨県と建設省が協議をしてルートの決定はしたい、こういう建設省の意向があるという話を聞いたわけであります。今の段階ではまだ地質調査等がどの程度進んでルートの決定がどういう方向に来ているのだろうかということで非常に明らかでないものですから、ぜひこれの早期供用開始を目指して――甲府と熊谷が結ばれますと、埼玉県と山梨県の両県の産業の振興はもちろんのこと、観光事業の発展あるいは文化の交流、いろいろな意味で大変な貢献をするわけでありますから、ぜひひとつこれの供用開始について、どういう方向に向かっていくのか、現状と今後の見通しについて御答弁をいただきたいと思います。
  41. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 一般国道百四十号は、先生おっしゃられましたように、甲府市を起点とし、塩山市、秩父市等を経て熊谷市に至る幹線道路であります。  埼玉県内の整備状況は、改良率については七四%、舗装率については、簡易舗装含みで八六%、簡易舗装除きで八一%ではありますが、大滝村から山梨県三富村にかけての県境付近は、今おっしゃられたとおり自動車交通不能の状況でございます。  本路線の整備につきましては、現在、交通不能区間解消のために、大滝村において大滝工区の一次改築事業を実施しております。また、交通混雑解消のために、花園町から川本町にかけて花園-川本工区、川本町から熊谷市にかけて川本-熊谷工区の二次改築事業を進めており、このうち川本-熊谷工区については本年度完了する予定でございます。  なお、県境付近の未開通区間は、地形が極めて急峻であり、峠付近には長大トンネルが想定されるなど、技術的にも極めて難しい路線であります。このため、昭和五十三年度より建設省におきまして調査に着手し、山梨、埼玉両県と協力して地形、地質、自然環境、路線の比較検討等に関する調査を実施いたしております。また、当地域は、先生おっしゃられましたとおり、秩父多摩国立公園の特別地域にも当たるため、これとの調整も図っていかなければなりません。今後長大トンネル計画や自然環境保全対策に重点を置いて一層調査の進捗を図り、できるだけ早期に計画ルートを確定したいと考えております。
  42. 田並胤明

    田並分科員 事情はわかりました。そうすると、当初の予定でいうと本年度中にルートの決定をしたい、こういう話を県の方から私ども聞いておるのですが、建設省の方としてはそこまでまだいかない、こういうことになるのでしょうか。
  43. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 今先生おっしゃられたとおりでございまして、このルートを決めるに当たりましては先ほど申しましたようないろいろな問題があり、それらの解明、解決を図りつつルート決定をする必要がございますので、もう少し時間をいただきたいと思っております。  ただ、このトンネルの取りつけ道路になるような区間については、現在二級国道の補助事業として県で事業は進めておるわけでございまして、新しいルートが決まれば、直轄事業と県事業との負担割合、分担割合等も決めた上で事業の促進を図っていきたいというふうに考えております。
  44. 田並胤明

    田並分科員 事情はよくわかりました。ぜひひとつ大臣の方にも要望しておきたいのですが、先ほど申し上げたように、この道路は国道の指定をされてかれこれ三十一年経過をするわけであります。山梨、埼玉両県の非常に大きな期待のこもった国道でございますので、なるべく早くひとつルートを決めていただいて工事に着工できるようにぜひ御努力をお願いしたいと思います。要望でございます。  次に、同じく一般国道二百九十九号線の問題についてお伺いをいたします。  この路線は、埼玉県の入間市を起点にして飯能あるいは秩父を経由して群馬県の一部をかすめて長野県の茅野市に至るこれまた主要な、もちろん都内からずっと入間へ入ってきて、入間を経由して飯能、秩父を通って群馬を通って長野へ行くという、まさに東京、埼玉、群馬、長野、一都三県にまたがる実は主要な路線でございます。これにつきましても、これは国道に決定をされてそんなにまだ年数はたっておりませんが、これもまた先ほどの百四十号と同じように大変重要な路線であります。信越と北関東を結ぶ幹線道路であって、産業の振興なり地域開発なり文化の交流なりこれまた大変な役割を果たすと同時に、国道の十六号、十七号のバイパス的な役割をこの路線は果たすものであります。埼玉県側では、一部未改良の部分を除きますと、もう大体県境まで間もなく行く予定でございます。これが今度群馬へ入り長野へ入りますとちょっと手のついておらない道路があるものですから、これについて先ほどの百四十号と同じように群馬、長野側の改良工事の進捗について建設省としてぜひ本気でひとつ取り組んでいただきたい、このように考えるのですが、現況と今後の取り組みについて道路局長の方から御所信をお伺いしたいと思います。
  45. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 一般国道二百九十九号は、長野県茅野市を起点とし、群馬県上野村、埼玉県秩父市、飯能市等を経て入間市に至る幹線道路でございます。  埼玉県内の整備状況は、改良率については八五%、舗装率については、簡易舗装含みで一〇〇%、簡易舗装除きで八〇%と、先生今おっしゃられたとおり埼玉県側は非常に良好でございます。  本路線の整備につきましては、現在、未改良区間解消のために、小鹿野町において小鹿野工区、横瀬村において横瀬工区及び飯能市から日高町にかけて飯能-日高工区の一次改築事業を実施いたしております。また、交通混雑解消のために、飯能市から狭山市にかけて飯能-狭山工区の二次改築事業を進めておるところであります。今後とも、本路線の重要性にかんがみまして、交通不能区間の解消などに全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
  46. 田並胤明

    田並分科員 埼玉県側はそういうことで私も理解をしておりますし、問題は群馬県の方と長野県の方の改良工事の進捗状況が先ほど言ったようにちょっとおくれているようですので、全面供用開始のためにはこの二県の方を具体的に建設省として相当の力を入れてやっていただかないと難しいのじゃないかというふうに思いますので、長野、群馬の方についてもぜひひとつ重大な関心を持って事業の進捗に御努力をお願いしたい、このように思うのですが、ちょっと群馬、長野の関係を少し教えてください。
  47. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 群馬県におきましては、現在上野村で一次改築事業を実施しておりますし、長野県側では茅野市の周辺で改築事業を実施しております。ただ、先生おっしゃられました群馬県と長野県の県境にかかわる自動車交通不能区間がございますが、この区間についてはまだ調査段階でございましてルート等が決まっておりませんので、両県を指導しながらこのルート計画の確定などを進めて、またその事業化等も図れるように指導していきたいと考えております。
  48. 田並胤明

    田並分科員 わかりました。それでは、いま局長お話しになりましたように、早急にルートの決定などをしていただいて、東京、埼玉、そして群馬、長野とそれぞれ通ずるような道路を早急につくっていただくことを要望して、次に入ります。  次は、国道の十七号線熊谷バイパス、深谷バイパス、上武国道、三つ一遍にお尋ねをいたします。  十七号の熊谷バイパスは、もう御案内のように県北地方の交通量の増大によりまして、交通渋滞や沿道の環境整備、さらに交通事故を防止をするということで仕事が始まりまして、現在では既に延長十八・一キロの道路で下りの側道部分を活用しての二車線で供用開始になっております。しかし、この二車線の道路では現在の交通量ではもう既に飽和状態になっているというのは建設省御案内のとおりだと思います。五十五年の交通量調査でも、このバイパスの方は一日二万一千八百台通過する、こういう調査が出ておりますし、さらに熊谷市内を走っている十七号の現道でも一万八千七百台、両方足しますと約四万台の自動車が現道十七号とバイパスと両方を走っているという状況であります。これが二車線であります。ところが一方、埼玉県を通過をして群馬県に入りますと、群馬県の十七号は、藤岡の立石という地点で交通量調査を同じ時期にしていただいた建設省の結果がありますが、これによりますと一万七千五百台であります。この一万七千五百台のところが四車線になっておって、現道とバイパスを両方足すと約四万台も通るような熊谷の市内十七号を通っているこの道路が二車線のまま長い間放置をされているということについて、いささか道路行政の不公平さを感ずるわけであります。ぜひひとつこの熊谷バイパスの早期四車線化を実施することによって市内の交通渋滞の解消とさらに沿道の環境整備に一層の御努力をお願いをしたいと思うのです。  現在国道の熊谷十七号バイパスの地点行田市というところで埋蔵文化財の発掘調査をしておる関係でどうしても上下四車線にするのがちょっと時間がかかるという話を建設省から聞いたわけでありますが、それならば埋蔵文化財発掘のための財政措置をもうちょっと大幅に予算措置をすることによって四車線化の整備が早まるのではないか、このように感ずるわけでございますので、この十七号のバイパス、特に熊谷バイパスの早期四車線化に向けての建設省の考え方を第一点お聞きをしたい。  二つ目は深谷バイパスの関係であります。深谷バイパスもおかげさまで総延長十四・八キロのうち八・七キロの用地買収が終わって昭和六十年ごろには一部供用開始になるという話を聞いておりますが、これも実は熊谷バイパスを過ぎて深谷バイパスヘ早期に完成をしてそっちに流れていかないと、車の渋滞はひどいものであります。ラジオカーでよくスイッチをひねってもらいますと、本日の交通渋滞の状況を申し上げますというラジオが流れできますと、必ずと言っていいぐらい十七号は熊谷の警察署前、熊谷の籠原駅前、これが交通渋滞の箇所として報道されない日はないぐらいの実は交通渋滞のところであります。したがって、ぜひ熊谷バイパス並びに深谷バイパスの早期供用開始のための建設省の努力、それの見通しについてもあわせてお伺いをしたいと思います。  それからもう一点は、上武国道の関係でありますが、この上武国道は、十七号国道の大規模バイパスの一環として、埼玉県の熊谷市を起点にして前橋市へ通ずる道路であります。既に群馬県側では一部供用開始になっておるようでありますが、埼玉県側はまだ用地買収がゼロでありますし、もちろん工事等については一切行われておらない、こういう状況でございます。大体川も海に近いほど太いのが当たり前なんですが、これらの道路行政を見てみますと、群馬が非常に進んでおって、中間である埼玉県が大変おくれておる。こういう事情、いろいろ政治的な絡みがあってそうなっておるかもしれませんが、いずれにしても埼玉県の道路行政については不公平な扱いを受けておるというふうに思うのです。決してほかよりよくしてくれとは言いません。ほか並みに。何で埼玉県が置き去りにされるのだろうか、こういう感を強くするわけでありますので、今申し上げた三点の道路計画について建設省の取り組みの状況をもう時間がないので簡明にお答えを願いたいと思います。もう一つ下水道の問題がありますので。
  49. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 一般国道十七号の熊谷バイパスにつきましては、昭和五十六年度までに全線暫定二車線で供用済みであり、現在四車線化を進めておるところでございます。この四車線化に当たりましては、当面交通量の多い一般国道百二十五号との交差点より北側の区間から事業を進める計画でありますが、この区間においては、先生おっしゃられましたように、埋蔵文化財が二カ所あり、現在埼玉県文化財担当部局の協力を得て文化財発掘調査を促進しているところでございます。財源等については決して惜しんでおるわけではございませんので、ただ、文化財発掘調査には相当技術上、物理的に時間がかかるわけでございます。しかし、この調査の進捗状況を見ながら四車線化工事の着手時期等について検討していきたいと考えております。  また、十七号の深谷バイパスにつきましては、五十八年度に熊谷市玉井から県道新堀尾島線に至る区間の工事及び県道新堀尾島線から主要地方道伊勢崎深谷線に至る区間の用地買収及び工事を進めているところでありまして、今後は熊谷市側から逐次供用を図るべく事業を促進してまいりたいと考えております。本バイパスの全線暫定供用については六十年代前半を予定いたしております。  また、一般国道十七号の上武道路は、群馬県内におきまして、現在までに一般国道三百五十四号から主要地方道桐生伊勢崎線に至る間約一〇・五キロメートルが供用済みでございます。  現在、未供用区間のうち、主要地方道桐生伊勢崎線から一般国道五十号までの区間について用地買収及び工事を進めております。  未供用区間のうち、一般国道三百五十四号から南伸して利根川を渡り埼玉県に入り深谷バイパスに至る区間につきまして、本バイパスの群馬県内の事業及び埼玉県内における深谷バイパスの事業の進捗状況を勘案して今後着手時期について検討してまいりたいと考えております。
  50. 田並胤明

    田並分科員 もう時間がございませんので要望にとどめますが、埋蔵文化財の発掘調査については確かに大変時間のかかる仕事でございます。建設省の方でも五十八年の予算が三千八百万、五十九年度には六千六百万ということで大変御努力を願っておることはわかるのですが、県の方にちょっと照会しましたところ、お金さえいただければ大量に人員を出してなるべく早くとにかくやる、こういう対応だけはできているという話でありますので、その辺も御理解願って埋蔵文化財発掘の予算措置について今後とも特段の御努力をお願いしたい、このように思います。  最後に下水道事業の促進方についてでありますが、下水道の全国の普及率というのは、御案内のように五十七年度末で建設省調査で言いますと約三二%になっておるようであります。人口急増の府県の場合は全国ベースになかなか追いつかない、こういう事情でありまして、埼玉県の場合にもこの全国平均三二%に到達をしておりません。二八・四%という状況であります。特に、人口急増でありますから、それだけでも生活環境が大分悪化してまいります。社会環境も悪化をしてまいります。下水道事業というのは生活環境を整備し河川の浄化に大いに貢献をする事業でありますので、ぜひひとつこれを早期に全国平均に持っていけるように、人口急増県に対する建設省の格段の予算措置等についてお伺いをしたい、このように思います。
  51. 松原青美

    ○松原政府委員 埼玉県は従来から下水道の整備につきまして非常に熱心に進めてきた県でございます。が、御指摘のように人口急増をいたしておりまして、五十七年度末の人口普及率約二八%という現状でございます。ちなみに、これは全国で申しますと十位の水準になります。埼玉県ですら二八%で十位という全国的な下水道整備のおくれがあるわけでございますが、御指摘の人口急増に伴いまして、水質汚濁は進行する、浸水被害は増大する、こういう現象が出ております。こういうことにかんがみまして、財政状態が厳しい折ではございますが、できるだけ埼玉県の下水道整備を推進してまいりたいと考えております。
  52. 田並胤明

    田並分科員 以上で終わります。
  53. 村田敬次郎

    村田主査 これにて田並胤明君質疑は終了いたしました。  次に、駒谷明君
  54. 駒谷明

    駒谷分科員 私から道路整備の問題につきまして数点お伺いをいたしたいと思います。  国民生活にとって道路網の整備が重要であることは今さら申し上げるまでもありません。御当局におきましても、道路整備計画発足以来急速に道路整備が進んでまいりましたが、自動車台数の激増により、交通需要の後追い型の道路整備となっておりまして、交通混雑、交通事故の増大を招き、さらに騒音、振動、大気汚染など交通公害を引き起こしているのが現況でございます。このような現況にかんがみまして、今後ますます国民生活の安定と生産活動の振興、地域経済の活性化のためには計画的、先行的道路整備の促進が要請されるところであります。ところが、今回の政府の五十九年度の予算案におきましては、各界から内需の拡大による景気回復が渇望されているのにかかわらず、かえって公共事業費の削減というような形で、景気対策に極めて消極的であると言わざるを得ないわけであります。我が党を初め野党四党は、五十九年度の予算修正の共同要求の五項目の中に、景気対策の充実として、政府案に対し公共事業費の一兆円の追加を要求しているところであります。  そこで、大臣にお伺いをしたいわけでございますが、第九次道路整備五カ年計画の事業費におきましても、五十八年度事業費からは下回っているような現況でございます。これら公共事業による景気対策について、その乗数効果についてどのように大臣は評価をされていらっしゃるのか、まずお伺いをいたしたいと思います。
  55. 水野清

    水野国務大臣 道路計画はもちろんでございますが、公共事業の乗数効果というのは非常に高い、ある意味では減税よりも効果がある、こう言われております。私は、公共事業の乗数効果といいますか、経済の浮揚に与える効果というものを極めて高く考えているわけでございます。  そこで、先生の御質問の第九次道路整備五カ年計画の中での御質問でございますが、また後ほどお答えいたします。
  56. 駒谷明

    駒谷分科員 実は今度の衆議院の予算委員会におきまして我が党の正木政審会長がこの問題を取り上げて質問をいたしました。そのときに竹下大蔵大臣は、今回の予算案について、景気に刺激を与えるような要素はない、そのような発言があったようでございます。この点について、公共事業がこれだけ抑えられたことについて、建設大臣もこの公共事業に係る景気刺激という問題はそれほど効果が出てこないというふうに考えておられるかどうか、お伺いしたいと思います。
  57. 水野清

    水野国務大臣 私も予算委員会で大蔵大臣の発言を聞いておりましたが、まあこれは表現の問題でありまして、さりとはいえ、公共事業費は建設省だけ見ましても昨年よりやや下回るわけでございます。もちろん物価増がありますから、事業量の面では相当な減少にもなっております。しかし、今日日本経済の中で内需の下支えといいますか、基本的な内需を支えているという点では私は極めて大きい、かように思っております。また、御承知のとおり、五十八年度予算の中では、少なくとも今年度日本の経済においては公共事業費を前倒しをやりましたりいろいろな形で弾力的な運用をいたしましたし、補正予算もおかげさまで成立をさせていただきましたし、いろいろな面で日本経済がともかくも国際経済の中では順調な運営を行ってきたことは、公共事業の功績は多大である。五十九年度においてはどうかといいますと、大蔵大臣はやや中立的なお話をなさいましたが、もちろん、中立的であるということは、これ以上今後何か日本経済にプラスの要因が出てくれば私は極めて大きいというふうに考えております。
  58. 駒谷明

    駒谷分科員 それでは、道路整備計画、第九次道路整備計画がちょうどこの五十九年度で二年目に入るわけでございますけれども、現在の事業費並びにこの五カ年計画における進捗状況はどのような数字が出ておりますか、お伺いしたいと思います。
  59. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 まず、五十九年度の予算で今お願いしている額でございますが、一般道路事業費で二兆五千六百八十四億円、これは対前年比〇・九八、有料道路事業が一兆七千五百七十八億円、対前年比八%増となっております。これは財投や民間資金等を活用することによって対前年比を大きく上回っているわけでございます。ということで、一般道路事業、有料道路事業合わせての事業費は四兆三千二百六十二億円と対前年比二%増となっております。物価アップ等を考えましても、五十九年度は五十八年とほぼ同じぐらいの事業量を確保できるというふうに考えております。  また、進捗率につきましては、この二カ年で三四・二%となっておりまして、この九次五計を完全達成するためには三五・三%でなければならないわけでございますが、この計画に比べて、実質五十八年度、また五十九年度は今お願いしている予算でございますが、合わせたものとの乖離は一・一%ということでございます。また、第九次道路整備五カ年計画は二年度でございますので、これから残された期間、この道路整備計画が完全達成されるように努めてまいりたいと思っております。
  60. 駒谷明

    駒谷分科員 大臣、実はこの第九次五カ年計画の三十八兆二千億円、この数字は前の計画からいくと三四%近く大きく伸びているわけです。数字的に出ているのです。確かに公共事業ということで道路整備は重要な問題ですので、大臣以下御当局が相当頑張られてこの計画が閣議決定されたと思います。ところが、今道路局長から御説明をいただきましたけれども、三四・二%の進捗率ということになりますと、あと五十九年度がそのままの予算で推移するということになれば、六十年から六十二年までの三年間に完全に計画どおり進めるということになりますと、六十年、六十一年、六十二年、平均して事業費が一二%ぐらいずつ伸びなければこれは達成しないのじゃないか、私の試算ですけれども、そういうふうに思うわけでございます。そうなりますと、これは大変厳しいのじゃないかというふうに私自身が思っておるわけでございますけれども、幸い、五十九年度の予算要求の中で、公共事業については今後検討していくというような政府のお考えも出ておるようでございますので、建設大臣の方で頑張っていただいて、公共事業に対する補正というものをこの五十九年度で確保していただくような形をとられなければ後年度は大変厳しい、私はそのように考えるのですけれども、大臣の御所信を伺いたいと思います。
  61. 水野清

    水野国務大臣 大変鋭い御質問をいただきました。五十九年度末で三四・二%、計画よりは一%弱ばかり下回っております。しかし、まだ四年計画を残しております。また、御承知のとおり公共事業費が今後三、四年横ばいならば、この計画目標の達成というのもなかなか困難であろうというふうに私どもも承知をしております。しかし、今のところはともかく計画目標達成のために大いに頑張っていきたいということしか申し上げられません。また、五十九年度の予算の中で補正云々というお話がございましたが、これは今五十九年度予算そのものの御審議をお願いして早期の成立をお願いしている最中でございますので、そういう不謹慎な発言は、ここまで出てきておりますが、差し控えたいと思います。
  62. 駒谷明

    駒谷分科員 了解しました。それでは、私が大臣に訴えんとするところの意を酌んでいただきまして、今後ともひとつよろしくお願いをいたします。  次に、兵庫県の道路整備の問題について三点ばかりお伺いをいたしたいと思います。  ちょうど兵庫県では、地方中核都市という形で、人口、産業の広域的展開に対応して、都市機能の充実のため、基幹的道路網の整備を住民が大変要望しているところでございます。  そこで、まず最初にお伺いしたい点は、山陽自動車道の建設事業でございます。この点につきましては、兵庫県の竜野市と岡山県の備前市間二十五・一キロメートル、この分につきましては昭和五十七年三月に供用が開始されているところでございます。それに接続をする兵庫県関係、三木市-姫路間の二十三キロ、これにつきましては基本計画区間として整備計画がまだ策定されておりません。また、この住民の皆さん方は早期策定を願っているところでございます。また、神戸-三木間の二十七キロメートルにつきましては、整備計画が策定をされまして事業の着手を願っているところでございますけれども、この区間についての現況について御説明をいただきたい。その後の見通しについてもよろしくお願いをいたします。
  63. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 山陽自動車道の神戸市から三木市の間二十七キロメートルは、昭和五十七年一月に整備計画が策定され、現在日本道路公団において事業実施のための調査を鋭意推進しているところであります。建設省といたしましては、その公団の調査結果を踏まえて日本道路公団に対し今後施行命令を出していくことになります。  また、三木市から姫路東インターチェンジ間約二十三キロメートルにつきましては、昭和四十七年六月に基本計画が策定されております。現在近畿地方建設局において整備計画策定のために必要な地質、構造物、環境などの諸調査や県立播磨中部丘陵自然公園との調整を鋭意進めておるところであり、できるだけ速やかに成果をまとめていきたいと思います。その区間については国幹審で整備計画の策定を今後進めていかなければならないというふうに考えております。
  64. 駒谷明

    駒谷分科員 神戸-三木間の施行命令の出される見通しはいつごろになりますか、お伺いしたいと思います。
  65. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 これは現在道路公団において鋭意調査を進めておるところでございまして、その調査報告を受けましてこれから施行命令を出すことになるわけでございますが、その時期については、公団の調査の進捗度等を見なければわかりませんが、私たちとしてはできるだけ早い時期、五十九年度中にもできれば施行命令を出したいというふうに考えております。
  66. 駒谷明

    駒谷分科員 よろしくお願いいたします。  この山陽自動車道でございますけれども、兵庫県のちょうど中間地域を神戸から備前の方に向かってつながる高速国道になるわけでございます。中間の兵庫県につきましては、御存じのとおり西播、中播にわたっての内陸部が大変交通渋滞をいたしております。後でお尋ねをいたしますけれども、小野バイパス、西脇のバイパス等も工事の完成をぜひお願いをしなければならないわけでございますけれども、明石から三木、小野、社、西脇につながるこの道路の渋滞は最近特にひどくなってきております。人口増加あるいは産業のこれからの振興のためにはどうしてもこの高速道とそして後で申し上げますバイパスの早期完成を地元としては大変願っているところでございます。その点を含んでいただきましてよろしくお願いをいたしたいと思います。  第二点の問題は、先ほど触れました道路、百七十五号小野バイパス、西脇バイパスの問題でございます。時間の関係がございますので、続いて国道二百五十号、明姫幹線の明石市-高砂市間の二十二・六キロメートル、これの二車線区間を四車線に整備をする事業でございますけれども、両方あわせて現在の状況並びに今後の見通しについてお伺いをいたしたいと思います。
  67. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 最初に百七十五号の小野バイパス、西脇バイパスの推捗状況を説明させていただきたいと思います。  小野バイパスは、小野市街地における現国道の交通混雑の緩和と交通安全の確保を目的として計画された小野市樫山町から古川町に至る延長八・一キロメートルのバイパスであります。本バイパスは、五十四年度から用地買収に着手し、その促進を図ってまいりましたが、一部の地区でバイパス事業に対する理解が得られず用地買収がおくれておりました。しかし、昭和五十八年度にはこの地区でも同意が得られましたので用地交渉に入っておるところであります。五十八年度末で、事業費で約二二%、全体の用地買収で約七八%の進捗率となっております。当面は、県施行の都市計画道路北環状線の整備とあわせて回路線との交差部から北側のバイパス区間について六十年代前半の部分供用を目途に事業を進めたいと考えております。  西脇バイパスは、滝野町から西脇市上戸田に至る延長五・四キロメートルのバイパスであります。本バイパスは、五十四年度に用地買収に着手し、用地及び工事の促進を図ってきております。一部の地区でバイパス事業に対する理解が得られないところがございます。しかし、その他の地域において事業の促進を図っておりまして、五十八年度末現在では、事業費で約二二%、全体の用地買収で約五三%の進捗率となっております。当面は、都市計画道路西脇芳田線から北側の区間を重点に六十年代前半の部分供用を目途に事業を進めてまいりたいと考えております。なお、御理解を得られない地区については、今後とも理解を得られるよう説明してまいりたいと思っております。  次に、国道二百五十号の明姫幹線、特に二車線部分の四車線化の進捗状況についてでございますが、このバイパスにつきましては、昭和四十二年度より事業に着手し、昭和五十年十二月に高砂市の一部が供用され、その後順次供用が図られて、五十五年九月に暫定二車線で供用されたものでございます。この間に投じた事業費は約三百四十億円となっております。  延長二十二・六キロのうち四車線で整備されております区間は、起点側の明石市小久保から県道江井ケ島大久保停車場線間三・九キロメートル及び終点側の主要地方道加古川高砂線から高砂市中筋間六キロメートルの計九・九キロメートルであります。中間部の十二・七キロメートル及び高砂側四車線区間の中にある播州大橋については暫定二車線となっております。このため、播州大橋につきましては、昭和五十六年度から拡幅工事に着手し、昭和五十八年度中に完成する予定であります。残る暫定二車線区間についても、厳しい財政事情下ではありますが、この区間は大変交通量も多うございますので、その実態及び今後臨海部からの交通需要の増加などをも考慮して、引き続き四車線化を促進してまいりたいと考えております。
  68. 駒谷明

    駒谷分科員 道路局長、この二車線の部分のところが今一番交通渋滞の激しいところなんです。加古川市の一番中心部になっておりまして、南側は神戸製鋼、それからその他工業地帯がずっと並んでいるところなんです。したがって四車線の部分からこの二車線の部分で相当渋滞をいたしております。  それから二百五十号線の浜国道は、これは細い旧の国道でございますので、どうしてもこの四車線の完全整備をぜひお願いを申し上げたいと思います。見通しはいつごろの予定でお願いができますかどうか、よろしければここでお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。
  69. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 全線の四車線化につきましては、非常に厳しい財政事情ではございますが、先生おっしゃられましたような交通渋滞等から勘案して、できるだけ早期に四車線化するように努めてまいりたいと考えておりますが、現在のところ全線が四車線化するのは六十年代の中ごろというふうに考えております。
  70. 駒谷明

    駒谷分科員 大変財政の厳しい状況で、よくわかっております。そういう点で、それぞれ地域の方もこの交通、道路整備については大変要望の多いところでございますので、どうかひとつ皆さんの御努力で早期に完成をしていただきますようによろしくお願いをいたします。  次に、ダム建設の問題で、いわゆる加古川大堰の建設事業についてお伺いをいたします。時間が迫ってきておりますので、これもまとめてお伺いをいたしますので、よろしくお願いをいたします。  加古川のちょうど東と西にわたって存在をしております加古川市、高砂市は、最近は東播磨工業地帯として大きく発展をしつつございます。大工場が次々と建設され、人口も増加の一途をたどっておるところでございます。特に加古川市につきましては、阪神都市のベッドタウンとして都市化が急速に進み、人口増加による水需要はますます増大をし、これに対応するために上水、工水、農水の確保と、過去たびたび発生をしておりました雨季におきます水害から住民の生命財産を守るいわゆる治水対策、一石二鳥も三鳥もねらった総合的な対策として私もよく承知をしておるところでございます。それだけに地域住民の期待も大変大きいわけでございます。事業の早期完成と供用開始を渇望しているところでございますけれども、どうも最近の公共事業の抑制ぎみから事業の期間が計画よりもかなりおくれてしまっているのではないか、そのように心配をしている向きがございます。現在におきます事業の概要、進捗状況、今後の事業完了に向かっての見通しについてお伺いを申し上げたいと思います。  さらに、この加古川大堰につきましては、治水と貯水容量の両面の効果を高めるために川底を掘削して、総貯水容量は百九十六万トンと膨大な貯水量になるわけでございます。そのためには、加古川大堰の上流にかかっております国鉄加古川線の鉄橋に向かって河川の改修をしなければならない、川底の掘削をして底を削り取っていかなければならない、そういうふうなことからこの鉄橋の橋脚の基礎補修が絶対に必要である、工事者としてはそのような見方をしておるわけでございますけれども、その工事がおくれますと、これまたこの加古川大堰の完全供用開始については大変厳しい状況になってまいります。したがいまして、この国鉄の鉄橋の橋脚の補修につきまして建設省と国鉄当局との間にどのような話し合いが行われておりますか、その見通しについてもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
  71. 井上章平

    井上(章)政府委員 加古川大堰につきましては、ただいま先生御指摘のような目的をもちましてただいま建設をいたしております。加古川の治水、利水上極めて重要な多目的せきでございます。この大堰は昭和五十五年から建設事業に着手したわけでございまして、現在本体工事を実施中のほか、河道掘削、護岸等の工事を行っておるところでございます。  この本体工事につきましては昭和六十年度に概成する予定でございますが、ただいまお話のありました国鉄加古川線橋梁の橋脚基礎の補強、それから現在ございます既設せきの撤去等附帯工事を含めまして全体事業が完成するのは、大体六十二年ごろになる見通してございます。
  72. 村上温

    ○村上説明員 今河川局長から御説明がございましたようなことで工事が行われておりますので、国鉄といたしましても、現地の河川管理者と協議をいたしまして橋梁の補強を進めたいと考えております。御迷惑のかからないような工程で進めたいと思っております。
  73. 駒谷明

    駒谷分科員 よろしくお願いいたします。  以上で終わります。
  74. 村田敬次郎

    村田主査 これにて駒谷明君質疑は終了いたしました。  次に、米沢隆君。
  75. 米沢隆

    米沢分科員 私は、東九州縦貫道建設の問題について御質問をいたします。  建設省では、第九次道路整備五カ年計画期町中に長期的な全国幹線ネットワークとして、既定の国土開発幹線自動車道を含めておおむね一万キロメートル余りで形成される高規格幹線道路網計画を策定するということでございます。既に御努力をいただいておりますが、この際、基本的な問題について当局の考え方をお伺いしておきたいと思います。  我が国の高速自動車道は、昭和四十一年以来国土開発幹線自動車道建設法と高速自動車国道法の二本立てで整備されてきましたのは御案内のとおりでありますが、法定化された路線は七千六百キロメートル、既に供用を開始されておるのが五十八年三月現在で延長約三千二百キロメートルとのことであります。その後、昭和五十二年十一月に発表されました第三次全国総合開発計画の中で高規格の幹線道路網一万キロメートル構想が出てまいったわけでございます。そこで、今回第九次計画で策定されようとしております高規格幹線道路網計画は両者のドッキング、言葉をかえればすり合わせをしながら、将来の我が国の高速道を初めとする高規格幹線道路のネットワークの全体像を明らかにしようとしておられるのか、そのように理解していいのか、あるいは別の政策意図があるのか。この際その背景といいましょうか考え方について、大臣の所見を伺っておきたいと思います。
  76. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 先生今おっしゃられたことについて、大筋そのとおりでございますが、第三次全国総合開発計画で全国的な幹線交通体系の長期構想として、既定の国土開発幹線自動車道を含めおおむね一万キロ余で形成される高規格の幹線道路網が提唱されたわけでございます。これからの国土の均衡ある発展さらに豊かな地域経済社会の形成のために高速交通ネットワークの整備は何にも優先して実施しなければならないものというふうに考えておりまして、このたびの第九次道路整備五カ年計画の中におきまして、具体的にその措置を講じていきたいと考えております。  具体的には、第九次道路整備五カ年計画の前半で高速道、高規格幹線道路網の調査をし、後半で路線並びに整備手法を決めて高規格幹線道路整備計画を定めていきたいというふうに考えております。
  77. 米沢隆

    米沢分科員 今般のこの高規格幹線道路網計画策定の中で調査検討をなされる具体的内容は、今簡単に総論的にお話しをいただきましたが、箇条的に列挙で結構ですから、その内容についてどういうものを検討されていくのか、お示しいただきたい。
  78. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 現在高速道路は七千六百キロございます。したがって一万キロ余で形成することになりますと、引き算をしますと単純には二千四百キロぐらいの高規格道路を追加することになろうかと思います。私たち高規格幹線道路としては、七千六百キロの高速道路を含め我が国の幹線道路ネットワークを形成する自動車の専用道路網を考えておるわけでございまして、これからの調査におきましては、全国から要望されております追加してほしいという自動車専用道路が六千数百キロあるわけでございます。そのほか、私たちまだネットとして考えなければならないもの等もございますので、そういう路線について今後の需要動向、それからまた整備による地域の開発インパクト、もちろん建設費と、それから例えばナショナルプロジェクトとしてのいろいろなものがございます。最近では、例えばテクノポリス構想とかいろいろなものがあるわけでございますが、今後二十一世紀に向けて我が国のあるべき姿というようなものも想定しながら、それに必要な全国高速交通ネットワークを形成するに必要なものがどういうものであるかということを調査検討しておる段階でございます。
  79. 米沢隆

    米沢分科員 第九次計画の最終年度いわゆる昭和六十二年度の時点では、少なくとも高規格道路として整備されようとする路線まで明示されるということですか。
  80. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 一応六十二年度までには、どういう路線でこの一万キロを形成するかということまで決めていきたいというふうに思っております。もちろん、その整備手法等についてはこれから検討しなければなりませんので、どういう仕組みでこれを整備していくかについてはこれからの問題でございますが、路線については六十二年度までに一応結論を得ていきたいと考えております。
  81. 米沢隆

    米沢分科員 そこで、高規格幹線道路網計画の策定が終わらないと、高規格化道路という形で建設に着手するという、そういう段取りにならないのか。それとも今おっしゃいましたように、計画の策定と並行しながら特に高規格幹線道として対処しなければならぬと認定された部分等については、第九次計画期間中でも対症療法的には整備に着手していくこともあり得ると考えでいいのかどうか。すなわち、一方では全体像を模索しながら一方では将来高規格化される道路部分の一部着手という手法がとられると理解してよろしいのでしょうか。
  82. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 そのことは、まさにどういう整備手法でこの高規格道路を整備していくか、高規格道路のうちの七千六百キロは既に高速自動車国道法等の手続によってやることが決まっておるわけでありまして、新しく追加されるものをどういう整備手法でやるかによって変わるわけでございますが、現在、例えば道路公団の一般有料道路等で整備しているもの、既に着工しているもの、そういうもので自動車専用道路であるというような場合に、この高規格幹線道路の路線の中に入るものもあろうかと思います。そういうものについては現在でも既に事業化しているということもあるのでございますが、一般的には路線が決まってから、そこで定められた整備手法によって実施していくということであります。
  83. 米沢隆

    米沢分科員 これはちょっとお答えしにくいかもしれませんが、これからの整備手法として、今法定化された路線が七千六百キロあります。供用開始されたのが三千二百キロあります、残りが四千四百キロありますが、この残りの四千四百キロ、プラス一万キロから七千六百キロを引いた二千四百キロ、これは総体としていわゆる従来までの法定化された高速度路線でいくのか、それともその法定路線になっている部分が高規格道路になる可能性もあるのか、高規格化としての整備をしていこうという部分も出てくるのかどうか、そのあたりはどうなっておるのでしょうか。
  84. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 高規格道路と申しますのは、先ほど申しましたように、高速道路として定められておる七千六百キロに加えて二千四百キロほどの自動車専用道路網を考えておるわけでございまして、高規格道路というと両方が含まれておるわけでございます。七千六百キロメートルについては現在のとおりの高速道路としての整備手法で進んでいくわけでございますが、残りの二千四百キロをどうするかについては、先生今おっしゃられたように高速道路としての残事業も多いわけでございますし、そういうことも含めながら、どういう整備手法でこれを整備していくのが最も効率的、合目的であるかということを現在検討しているわけでございます。
  85. 米沢隆

    米沢分科員 そこで陳情質問に入るわけでありますが、全国の高速自動車道路網を描いた地図を聞いてみますと、これは一目瞭然御理解いただけますように、九州において福岡、大分、宮崎、鹿児島四県の東岸部を縦走する高速自動車道路網が完全に空白状態になっていることは御案内のとおりであります。近年、地方の時代の到来と言われながらも、道路網を含む交通体系の整備が地域発展の必須条件であることを考えましたときに、いまだこの東九州東岸部には地方の時代を謳歌するような前提条件すら、あるいは未来の路線図さえ描かれてないということはまことに遺憾だと我々は考えておるのであります。  そこで私どもは、この東九州を縦走する東九州縦貫自動車道の実現こそ、何はさておき東九州地域の産業、経済、文化の飛躍的な発展と生活の向上に大きく寄与するものである、また、東九州縦貫自動車道は九州横断自動車道と結ばれることによりまして、九州の一体的な浮揚が図られて、ひいては国土の均衡ある発展、定住構想の具体化を推進するのにも極めて大きな意義を持つ喫緊の課題であるという認識のもとに、沿線地域住民や関係地方自治体の皆さんと一体となってこれが早期実現を願って、政府にその実現方を陳情して今日に参っておることは御理解いただいておるところであります。しかし、今日に至るまで東九州縦貫自動車道はいまだ法定化されておりませんし、第三次全国総合開発計画において高規格化の幹線道路網一万キロ構想として名前が出てきたというだけにとどまっておることは、まことに残念な状態でございます。  とはいいましても、既に決まっております法定化路線は七千六百キロ、先ほど言いましたように供用しておるのが延長が三千二百キロという状況では、あと法定化路線の分だけでも四千四百キロも残っておるわけでありまして、法定化路線の全線開通は二十一世紀になってしまうことは必定であります。しかし、それでも関係地域住民はこの東九州縦貫自動車道を国土開発幹線自動車道建設法に基づく法定路線に早く指定してもらいたいとの熱望を持っておるわけであります。大臣、この東九州縦貫道を日の当たる場所に引っ張り出してもらいたい、すなわち法定化路線に加えてもらいたい、そのために大臣の格段の御配慮を煩わしたいというのが第一の要請であります。  第二の要請は、法定化に時間を要するということであれば、その間、今お話ありましたような第九次道路整備計画期間中に策定される高規格化幹線道路計画にこの東九州縦貫高速道を早期に御指定いただいて、できれば第九次計画の中でも整備促進が図られるよう特段の御配慮をいただきたいということであります。既に昨年九月に開催されました束九州高速自動車道建設促進協議会の席上、建設省局長さんが、第九次計画の中で高速自動車道の整備を最重点にし、五カ年計画前半で調査、後半に整備手法の策定をしたい、この中で東九州縦貫道を重点路線にしたいというような御発言もいただいたというふうな新聞報道を私も持っております。また、一昨日の松浦議員への答弁でも前向きの御答弁をいただいておるやに聞いておりますが、この東九州高速道の重点的な位置づけと、その実現のための政府の方針等について、どのように御見解をお持ちか、大臣の前向きの御答弁を再度いただきたいと思っております。
  86. 水野清

    水野国務大臣 先ほど来、高規格道路一万キロの話につきましては道路局長から申し上げたとおりでございます。その中でも申し上げましたが、第九次道路整備五カ年計画の期間の中で高規格幹線道路網計画を策定するということについては間違いがないわけでございます。  東九州縦貫道路につきましても、一昨日もこの分科会で他の委員から鋭い御指摘をいただきましたし、地域の局長からでございましょうか、積極的な発言をしているわけでございますが、九次計画の中で策定をするということはもうはっきりしております。私どもも、例えば大分あるいは宮崎にも鹿児島地区にもそれぞれテクノポリスその他いろんな御計画がありまして、九州の東側の縦貫道路がどうしても必要であるというような客観的な情勢は十分理解をしておりますので、いましばらく、その決定については時間がかかりますが、九次計画の中で策定するということで御容赦を願いたいと思います。
  87. 米沢隆

    米沢分科員 ありがとうございました。  それで、特に宮崎県の事情として申し上げるならば、既に御賢察いただいておりますように、宮崎県の県北部はまさに陸の孤島と言っていいのでございまして、幹線道路であります国道十号線は日常的にも交通渋滞、混雑が激化しておりまして、ほとんどが二車線、また延岡-宮崎の間はわずか八十六キロくらいの距離しかありませんが、混雑時には三時間を要する。また災害時においては代替道路もないといった状況でございます。既定の九州縦貫、九州横断自動車道の実現がすべて完了したといたしますと、高速自動車道のインターチェンジからの三十キロメートル以内の人口カバー率は宮崎は九州で最低、人口十万人以上の都市で高速道に到達するのに二時間半以上もかかるのは全国で宮崎県北部の延岡市だけでございます。県中央部の宮崎空港と県北地域間のアクセスの改善を図るためにも、また経済的な面から、いま御指摘いただきましたような宮崎サンテクノポリス圏域と県北の日向延岡新産都市との連携の強化、将来の発展可能性を引っ張り出すという、そのような目標のためにも、この延岡と宮崎市間の高規格化幹線道路による時間距離の短縮は、現時点における重要な課題であるということを私どもは御理解いただきたいと思っておるのであります。  そういう意味では、この高規格化幹線道路の東九州版が計画期間中に策定されるその以前の段階において、ぜひこの延岡-宮崎間の高規格化的な手法を用いた道路整備というものを急いでもらいたいということをお願いしたいのでありますが、これはちょっと細かい話でありますから道路局長の御答弁をいただきたい。
  88. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 先ほど先生、東九州自動車道を法定化して、それができなければ高規格の中に入れてというような御質問でございましたが、これは別にどちらかをとるという話ではなくて、どちらかで一本化して、この一万キロ構想は具現化していきたいというふうに考えておるものでございます。でき上がるものは物理的にいずれも自動車の専用道路でございまして、幅員、構成等はその地域の交通量によって変わるものでございますので、でき上がった姿は高速自動車国道法の手法であれ、高規格幹線道路網の中にもちろん入っているわけですが、高速道路を除いて新しく追加しようとするものについても同じものでございます。したがって、どちらかの一元化で実施したいと考えておるわけでございます。  そこで、どちらの整備手法をとるかと申しますか、いろんな整備手法を考えておるわけでございまして、その整備手法によっては、延岡から宮崎間で道路公団の一般有料道路として採択できるような箇所が仮にあったといたしますと、そういうものを先行しておいて、それを将来の高規格幹線道路ネットワークに入れていくということは不可能ではございませんが、私たち、この一万キロ構想を建設省としてぜひ具現化したいという背景には、やはり高速交通ネットワーク時代を迎えますと、一般道路、すなわち踏切とか信号機のあるような道路は、どんなに整備しても時速は三十から三十五キロぐらいでございます。一方、自動車専用道路ですと、御存じのように八十キロから百キロぐらいは出るわけで、スピードが三倍になれば所要時間は三分の一、今まで三時間で行けたところが一時間になり、六時間で行けたところが二時間ということになって、そういう高速道路で結ばれた地域の人や物の動きが非常に活性化する、それがまたその両地域の振興に大いに役に立つというような、そういう時代の背景を受けて、これから高速道路と申しますか、自動車専用道路の需要が非常に多くなってきた。そして至るところで自動車専用道路をつくってほしい。地方からは、それが道路公団の一般有料道路であれ、あるいは直轄道路であれ、府県の二国の補助事業であれ、自動車専用道路でやってほしいという要求が非常に多くなってきております。そういうようなことも受けて、ばらばらに自動車専用道路をつくっていったのでは、そういうものができた後で一元的に管理したり、また皆さん方に使っていただく場合にも非常に不便ではないか。だから、計画だけはひとつ先行してでも自動車専用のネットワークをつくって、そしてその整備手法としてはいろいろ考えられるわけでございますが、重点的にそういうネットを構成していくことが、これからの我が国の経済の発展のためにも、また国民生活の向上のためにも最も重要ではないか。それがまた非常に強い要望として出ている背景を受けて実施したものでございますので、そういう整備手法によって先生の言われたようなことが可能である場合もありますし、難しい場合も出てくるというふうに考えております。
  89. 米沢隆

    米沢分科員 おっしゃる立場も気持ちも、また考え方もよくわかりますが、何せ、その結論を待つ時間の余裕さえないというような気持ちが現実的には住民の間にありますので、ぜひ計画策定を早急にお急ぎいただいて、国民のニードに合わしていただくような高速道路計画を着実に進展させていただきますようにお願い申し上げます。  そこで最後になりますが、第九次道路整備五カ年計画はスタートしていまだ二年目でございますが、折から厳しい財政事情のもと、公共事業のマイナスシーリングによりまして、五十九年度予算も五十八年度比、国費でマイナス一%、事業費でわずか二%増という結果になっております。本事業の総投資額は三十八兆二千億という巨額のものでありますが、話を聞きますと、これを達成するためには来年度以降事業費の伸びが平均年率一五%増と伸ばしていかなければ達成できないというふうに聞いておるわけでありまして、今後も今年度のような緊縮予算が続いてまいりますと目標額を確保することは大変難しいということが、既に計画に入った段階でいろいろと論議になっておる。これはまことに遺憾だと言わねばなりません。  そこで大臣、今後の道路財源の確保、第九次計画達成に向けての格段の御努力をいただかねばなりませんが、大臣の姿勢の一端を御披瀝いただきたいと思います。
  90. 水野清

    水野国務大臣 道路財源につきましては御承知のとおり、今年度、五十九年度の今御審議いただいております予算の中におきましても、国費においては若干予算額が下回りましたけれども、財政投融資資金あるいは民間資金を導入いたしまして、ともかく前年度を上回る予算額を確保いたしました。しかしこれは、財政資金は主として高速道路、今申しました幹線道路中心の投資でございますが、今後とも各方面からいろいろ努力をいたしまして努めていきたい、かように思っております。
  91. 米沢隆

    米沢分科員 終わります。
  92. 村田敬次郎

    村田主査 これにて米沢隆君の質疑は終了いたしました。  次に、清水勇君。
  93. 清水勇

    清水分科員 土曜日からずっと質問が続いているわけでして、大臣初め建設省の皆さんも大変御苦労さまでございます。実はお聞きをしたいことは山ほどあるわけでありますが、できるだけ絞ってお尋ねをいたしますので、主査からおっしゃっていただいておりますように、簡明かつ豊かな内容のある御答弁を期待を申し上げたいというふうに思います。  一口に申し上げて、毎年私もこの分科会で道路問題について注文や要望を申し上げているわけでありますが、何しろ五十四年度の道路年鑑では、長野県下を走る一般国道の改良率は全国四十三位、こういう状況でございました。しかし、おかげさまでここ二、三年来、伸び悩む道路予算の配分について、特に整備率、改良率の低い例えば長野県等に重点的な予算配分が行われるようになりまして、順位も少しずつ上がっていることについては心から敬意を表する次第でございますが、何しろもとが低いものですから改良の内容が遅々として進んでいない。長野県は大きな県という事情もございますが、改良率あるいは整備率を見ても、まことに悪いという一語に尽きるわけであります。そこで来年度予算を見ても、今後の財政事情を展望しても、道路財源の確保ということはなかなか容易ではないと思いますが、しかし、こういう状況のもとで建設省の基本的な道路の整備計画というものは、いわゆるアンバランスがあり、とりわけおくれている地方、地域に予算の重点配分が引き続き行われる、これが妥当な姿ではないかと思うのでありますが、まずもって大臣の所信を承りたいと思います。
  94. 水野清

    水野国務大臣 これはもう先生十分御承知のことでございますが、道路は日本全土の均衡のある発展を図ろう、こういうことが主眼になっております。そして豊かな地域社会をそれぞれの地域において形成をしていただく必要不可欠な施設が道路である、概念的なことでございますが、こういうような理念に立って、事業の実施に当たりましては、それぞれの地域における道路の整備状況、交通の状況などを考えまして予算の配分をしております。  特に、先生の御指摘の長野県はかってはおくれておりましだが、先生の実力と御活躍によりましてかなり取り戻してこられた、こういうことであります。(発言する者あり)しかし、この問題はなかなか難しゅうございまして、先ほどお聞きのように埼玉県におきましては首都近郊でありまして、私の千葉県もそうでございますが、それではまことに進んでいるかと思いますと、それぞれ全国の平均よりも落ちているということでありまして、この問題は多分に複雑ないろんな問題を含んでおります。私どももよく留意をしまして、当初の道路行政というものの理念に立ち戻って御指摘のようにやっていきたい、こう思っております。
  95. 清水勇

    清水分科員 大臣から御指摘のようにやっていきたいと思うと言われる意味は、やはりおくれている地域にはできるだけ予算の傾斜配分、重点配分をするように留意したい、こういうふうに承ってよろしいですか。
  96. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 実は、道路配分については道路の整備状況あるいは交通状況その他地域の将来の発展のための要因としての面積とか人口というものを考えるわけでございますが、道路の整備状況、単にいわゆる改良ができて舗装がされているかどうかという点からいえば、長野県等は非常におくれているわけでございますが、逆に整備率について申しますと、一般国道で一番悪いのが埼玉、茨城県でございます。ここは一応二車線の道路は確保しているのだけれども交通需要が非常に多くございまして、混雑度が一以上になっている、そういうようなところが非常に多いわけでございます。こういう面は、いわゆる交通状況から判断しなければなりませんので、そういういろいろな要因を加味しながら、道路財源の配分を行わせていただいておるわけでございます。
  97. 清水勇

    清水分科員 時間がありませんから長く申し上げるわけにいきませんが、国土の均衡ある発展に道路行政がどう寄与していくか、尽きるところ、ここが基本だと思いますので、そういう角度からひとつせっかくの努力をお願いしたいと思います。  そこで、具体的に事例を挙げて道路局長からお聞きをしたいのですが、十八号の丹波島橋の完成めど、六十一年度のできるだけ早い時期にと言われてきているわけでありますが、そのめどと、おかげさまで篠ノ井橋まではいわゆる篠ノ井バイパスが先年完成を見、新十八号になっておるわけですが、篠ノ井から上田にかけての、地元では川西バイパスなどと申し上げているのですけれども、この現状と計画はどんなふうになっていましょう。
  98. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 国道十八号の丹波島橋は一般国道十八号の犀川に架設されている橋梁であり、そのかけかえ事業を昭和五十五年度から実施しているところであります。現在、橋梁取りつけ部の用地買収並びに下部工事を促進しておりまして、第九次道路整備五カ年の期間内に完成を図りたいと考えております。  それから二番目の篠ノ井橋から上田市までの国道十八号バイパスの整備方針についてでございますが、国道十八号の長野市篠ノ井から上田市に至る区間のバイパス計画につきましては、現在、路線の比較検討、沿道の環境保全対策等に関する調査を実施しているところであります。今後さらに調査の進捗を図り、この区間の路線計画を策定の上、逐次都市計画決定を行う予定であります。なお、その整備につきましては中央自動車道長野線、関越自動車道上越線、上田バイパス等の関連する道路事業の進捗を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
  99. 清水勇

    清水分科員 川西バイパスについて目下調査中というお話でありますが、これはもうかなり前から懸案事項になっているわけでありますから、ピッチを上げてひとつ取り組んでいただきたい。  それから丹波島橋について第九次五カ年計画の間に完成を図りたい、こうおっしゃっておられるけれども、これは六十一年度のできるだけ早い時期に完成をする方針で昨年十二月下部工に着工しているわけですから、その点を局長は承知されてそう言っておられるのかどうか。何か少しずれ込むような感じがしないでもないものですから、これはそういうことのないように当初目標どおりにお進めいただきたい。ちょっと一言だけ言ってください。
  100. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 道路整備の事業費については先ほど来申し上げておりましたが、昭和五十九年度におきましても国費は一%減ですが、有料道路等を活用することによって事業費を二%増としております。内訳では有料道路事業費が八%増、そのために国費が一八%増となっております。したがって一般道路事業については、全体として国費が減り、かつ有料道路事業の方に相当の国費を投入しなければならないなどの関係から、一般道路事業費は五十八年度をかなり下回ることになります。その上かつ物価アップ等もありますので、事業量としては一般道路事業はかなりダウンしてくるわけでございます。したがって、これからの財政事情、それからそれに伴う道路財源、事業費、そういうようなものを総合的に見なければ、確定したことは申し上げにくいのでございますが、さりとは申しながら、丹波島橋については先生おっしゃったように今、事業の進捗を図っておるわけですから、少なくとも第九次道路整備五カ年期間内にはぜひ供用を図るようにやりたい、こう申し上げた次第でございます。
  101. 清水勇

    清水分科員 どうも局長の認識が少し欠けている面もあるようだから、これはまた別な機会にお願いをすることにしたいと思います。  さて今、事業量ベースで言うと実際に一般道路関係はかなり予算規模がダウンする、私はそれが心配だから冒頭に大臣の所信を伺って、そこで国土の均衡ある発展ということを念頭に置いて十分配分をするように――さっきお隣りの高鳥先生から、私の隣の選挙区だからよく知っているのですが、かつて長野県はかなり進んでいたが最近はおくれているというようなやじが飛んでいたくらいですから、こういう点を念頭に置いて、新潟県側と遜色のないような対応をしてもらうようにお願いを申し上げておきたいと思います。  次に、十九号の関係で、これは本当に大臣は御認識がないのかもしれませんが困っちゃうのです。長野市近郷の上水内郡西山地方と称する信州新町など四カ町村は、長野市まで出るのに十五キロから二十キロなんですね。ところが二時間前後の通勤時間を要する。だからみんな長野市等へ転住をして、村が相変わらず過疎化を重ねている。そこへもっていって困ったことに去年十号台風で長野市小市の、つまり犀川左岸の災害があって道路が一時締め切られて復旧工事に着手する。すぐ付近にある双子トンネルの改修工事が始まる。そこで朝な夕な通勤退勤時等にマイカー、バスその他それこそ一キロ以上常時数珠つなぎのようになって渋滞が深刻化する。一種のパニック状態さえ起こっている。何の迂回道路もないわけです。ですから、こういう点についてはもっとピッチを上げて力を入れて努力が払われなければならないところだろうと私は思うのですけれども、簡潔なお言葉で結構ですから、今どういう現状認識をお持ちになり、どういう整備改良計画を進めていくというふうな決意を持っておられるか、お聞かせください。
  102. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 長野市内の国道十九号では現在災害復旧工事二カ所、防災工事二カ所の計四カ所の工事を実施いたしております用地形的に、道路が山と川に挟まれた急峻な区間であるため、工事は車道中央部に落石防止さくまたは土どめさくを設置して施工しており、自動車の交通は一車線にせざるを得ない状況にございます。このため、非常に交通渋滞が生じ、地元の方に御迷惑をかけていることを申しわけなく思っております。工事は、極力一般の交通に支障を与えないように、その一車線の中でさせていただいておりますが、今後工事用車両などの現場への出入りはラッシュ時を避けるなどのきめ細かな配慮を行って、この防災工事等を進めていきたいと考えております。
  103. 清水勇

    清水分科員 これは改めてまた別な機会に局長のところに伺いますけれども、非常に深刻ですから、今後、篤と御留意をお願いしたい、こう思います。  次に、かねがね問題になっている、私、前の山根局長時代に具体的な提案をして、よし、やりましょうという話になったのだけれども、地元にもいろいろ事情がありましておくれてきているのですけれども、いわゆる犀川左岸の築堤に伴う堤防道路と申しましょうか、一種のバイパス、これはどんな運びになりますか。
  104. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 ただいま御指摘の路線は、一般県道川中島停車場線から犀川左岸沿いに東へ向かい、裾花川右岸を北上して、市道高田安茂里線に至る延長約三キロメートルの路線で、長野市が昭和五十七年度から県費補助をいただいて事業に着手しているものであります。昭和五十八年度には信越本線付近の一部区間の用地買収及び工事を実施し、昭和五十九年度には引き続きこの部分の用地買収を進め工事を実施する予定と聞いております。  建設省は、市町村道については、幹線市町村道には補助をいたしておりますが、この場合は幹線市町村道ではございませんので、長野市が県の補助事業として採択していただいて実施しておるところでございます。
  105. 清水勇

    清水分科員 そうではありますけれども、これはいわゆる河川局関係の絡みになるわけですけれども、築堤との関係があるわけですから、それを無視して計画が進むわけはないのですから、その点をひとつ留意を願って、積極的に推進を図っていただくようにお願いしたいと思います。  それから四百六号の松島トンネルは、おかげさまで昨年度完成を見たわけですけれども、私はかねて同時並行的に着工できないかと要望しておりました銚子口トンネル、来年度から着工をされるというふうに理解、認識をしているのでありますが、この銚子口トンネルの着工時期なり、完成見通しなりについて、この機会にお答えをいただきたいと思います。
  106. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 銚子口トンネルは、鬼無里村の下新倉地区の狭隘区間の解消を目的として長野県において調査中のものでありますが、その重要性にかんがみ、早期に事業着手できるよう検討してまいりたいと考えております。
  107. 清水勇

    清水分科員 これはどうなんですか、来年度の予算に計上されるのじゃありませんか。
  108. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 来年度予算に計上されるかどうかにつきましては、現在予算全体を御審議いただいておることでございまして、個々の事業採択等については、その後検討させていただきたいと思います。
  109. 清水勇

    清水分科員 ただ、ここだけの話だからということではないが、あえて私はお尋ねしたわけですけれども、いずれにしても来年度着工され得るものと私は期待をしているわけでありますが、これはできるだけ速やかに着手され、また工事の推進を図っていただくようにお願いしておきたいと思います。  さてそこで、河川改修の関係なんですが、予算の総括質問の折に、大臣と少し質疑を交わした経過もございますが、きょうは時間がありませんから総論は申し上げません。いずれにしても有名な千曲川、これも連年災害で、田畑の冠水はもとより、堤防の決壊、出水、その他各般の災害で、住宅と言わず、商家といわず、あるいは工場と言わず大変な災害を年々繰り返しているわけですね。そこで今、千曲川の抜本的な改修が行われない限り、ことし以降も同じことをまた繰り返すことになりやせぬかという住民の不安が極めて深刻なんでありますが、千曲川の抜本改修についてどういうお取り組みをいただけるのか、ひとつ方針をお聞かせいただきたい。
  110. 井上章平

    井上(章)政府委員 千曲川の改修でございますが、この千曲川の特性といたしまして、はんらん原と狭窄部が相互に交錯するというような河川でございます。しかも、その狭い河川沿いのはんらん原に多くの集落があって、昔から洪水に苦しめられた地域というふうに私どもは認識いたしております。このような河川の千曲川の重要性から見まして、大正七年から当時の内務省の直轄事業として改修に着手し、今日に至っているというところでございます。何分にも流路延長が非常に長いので、改修のやり方といたしましては、全川にわたって安全度をなるたけ一様に高めるということから、段階施工として暫定堤防の築造を促進いたしまして、逐次重要な地域について上下のバランスを考慮しながら、完成堤防にするというような順序を踏んでおるわけでございます。  ところで、昨年、一昨年と大変な大洪水に遭遇いたしました。特に昨年の洪水につきましては、これは観測史上最大でございます。こういうことで私どもも、この出水にかんがみまして、千曲川の改修につきましては特に重点の河川として今後取り組んでまいりたいと思っておりますが、当面は、あの飯山市の破堤箇所の対策等につきまして激特事業を採択いたしております。これで激特事業は五カ年間で事業を完成させることになっておりますので、完成に向けて今後一層努力してまいりたいと思っておる次第でございます。
  111. 清水勇

    清水分科員 一昨年も樽川の決壊で激特事業として取り上げていただく、昨年も今お話しのとおりです。さてそこで、私がいつも言っているのですが、実は昨年も災害直後、高秀建設技監が現地を見に来てくれまして、その後も高秀さんといろいろ議論をしたことがあるのでありますけれども、例えば五十八年度の千曲川工事事務所の改修予算は多分十四億二千万くらいではないか。ところが一昨年は、あの樽川で約八十億、昨年は常和地区を中心にした千曲川で三十一億でありましょうか、激特事業として予算を追加をされている。災害が起こらなければなかなか予算がつかないというようなことは、どうもこれは予算執行面から見ても、効果的な執行とは言いがたい面もあるやに私は伺うのでありますが、その点の御認識と、それから今、千曲川水系で、局長がごらんになって危険箇所というものは何カ所ぐらいと踏んでおられますか。
  112. 井上章平

    井上(章)政府委員 ただいまの御質問の前段でございますが、何分にも全国の河川治水事業がおくれておりまして、治水安全度が低いという現状から見まして、千曲川と全国の河川はほぼ同様な状況にあるということを御認識いただきたいわけであります。  それで千曲川の危険箇所でございますが、まず堤防がありますのは大体全川の四分の三でございます。したがって、いまだ無堤の状態が延長にいたしまして四分の一あるというところでございます。それで私どもは危険箇所につきましては水防計画で、それぞれの地域の危険度を判定いたしまして、地元に対して水防等のお願いをいたしておるわけでございますが、危険箇所が、全川を見ますとやはり二五%ぐらいでございます。ただ、昨年の洪水、一昨年の洪水、これは千曲川の洪水史上も非常に大きな、史上まれに見る大洪水でございましたので、こういう大洪水となりますと全川いかんともなしがたい、各所で非常な危険な状態になるということはやむを得ないことではないかと思っております。
  113. 清水勇

    清水分科員 わかりました。先ほど千曲川を重要改修計画に入れて力を入れてまいりたいと局長がおっしゃっておられますし、また今御指摘のように無堤地区が約四分の一あるいは危険箇所も二五%ぐらいある。これは正直言いまして流域住民から見ると、いつどうなるかという不安と背中合わせの生活を実は余儀なくされているわけでありますので、そういう把握をされている事情に立って、財政事情のシビアな状況はよく承知をしておりますが、とりあえず危険度の高いところから重点的に改修計画等についてお進めをいただきたい。これはよろしいですな。
  114. 井上章平

    井上(章)政府委員 先生のおっしゃるとおりでございます。
  115. 清水勇

    清水分科員 そこで、実は去年も高秀建設技監と話し合った際に申し上げたのですけれども、率直に言って河床整理の必要のある箇所が随所にあるんですね。しかし建設省の側に言わせますと、そんなに河床は上がっていないということを言われまして、河床整理はどうもちゅうちょをされる、もしくは箇所によっては砂利採取を許可しない。ところで、ちょっと大雨が降ると従来浸水しないような河川敷まで最近はどんどんと満水になるというような状況がございます。一々申し上げませんけれども、随分の箇所がそういう状況がある。ですから河床整理なり砂利の採取なりは状況をよく見ていただいて、大して金のかかる話じゃないし、砂利の採取なんということは、これは一面では公共事業等の推進のために必要なファクターになるわけでもありますから、この辺のところは少し弾力的に運用してもらっていいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
  116. 井上章平

    井上(章)政府委員 千曲川の砂利採取につきましては、現在特に強い規制を行っているということではございません。河川管理上支障のない範囲で、むしろ積極的に砂利採取が行われているというふうに私どもは理解しております。年によって違いますが、年間大体三十万立方メーター程度の砂利採取が現在行われておるわけでございます。ただ、千曲川は非常に急流でございまして、水衝部が洪水とともに移動をいたします。そういったことで、そういった危険な箇所につきましては砂利を取りますとさらに危険が増大いたしますので、そういうところにつきましては砂利を取るわけにはいかないというようなことはございますので、全川いつでもどこでも砂利が取れるという状態ではございませんが、全川を通して見ますと、今言ったような事情でございます。
  117. 清水勇

    清水分科員 河床整理はどうですか。
  118. 井上章平

    井上(章)政府委員 私どもといたしましては砂利は骨材資源でございますので、できるだけ砂利採取を行うことによって、それを含めて河床整理に努めてまいりたい、このように考えております。
  119. 清水勇

    清水分科員 時間がありませんから最後になりますが、高速自動車道についてちょっと聞いておきたいと思います。この間、運輸大臣と私、県庁所在地の都市で東京から見て一番時間的に遠いと思われる都市はどこだと質問したら結局わからないというのですね。そこで私の方から、それは長野市なんだということを申し上げた。東京から非常に至近距離で首都圏と言われるような地域にありながら空港がない、新幹線がない、高速自動車道路がない、高速交通時代の三種の神器の何一つもない。ですから、国は国土の均衡ある発展というようなことをおっしゃっておられるし、ゆとりのある豊かな地域を形成するとおっしゃっておられるけれども、逆に国の進めるエレクトロニクス構想から疎外をされる。あるいは良質な環境条件を持ちながらエレクトロニクス関係の工場の新規参入なんかも二の足を踏む、非常に困っておるのです。  そこで、一つ中央道長野線、山根局長時代に六十年代の早い時期に全線供用開始ということでやりたい、非常に大きな期待に包まれたわけですが、いまのままいくと、さっきの河川改修が百年河清を待つみたいな話でありますけれども、正直言ってこれもまた十年たっても果たして全線須坂の井の上まで行くのかどうかという懸念があるわけです。おかげさまで全線のルートが決まったわけでありますし、今や申し上げたように陸の孤島なんという不安があるのですから、自治体はもとより関係地域住民も積極的に協力をする、こういう姿勢にございますので、過去のことはさておいて、今日的に隘路は非常に少なくなった。そこで条件さえ許せば岡谷、塩尻からずっと豊科というふうに上がってくるわけですけれども、そこはそれでピッチを上げてもらわなければいけませんが、同時に長野線の最終地点である井の上から工事を着手する、そういう弾力的な方法が考えられないのか、これが一つであります。とりあえず一つだけ。
  120. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 高速自動車国道の建設に当たりましては、その効果が十分発揮できるように交通需要の多い区間あるいは既供用区間を延伸する区間、地域開発効果の大きい区間などに重点を置きながら計画的、効率的にその整備を進めているところであります。中央自動車道長野線につきまして、各区間ごとの進捗状況などから見てみますと、岡谷ジャンクションから順次北上していくことがその目的にかなうのではないかということから、須坂から逆に南下してくるということについては難しい問題があるというふうに考えます。
  121. 清水勇

    清水分科員 沓掛局長の前の渡辺局長とやりとりした際に、原則的には今局長おっしゃったとおりなんだが、しかし、これはあくまで原則なんであって条件が許すならば、そういうこともあり得る、検討してみましょう、こういうことを言われておる。これは議事録をごらんになってもいいんですけれども、どうですか。
  122. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 どうも私の前やその前任者の名前が出てきて、大変意欲的な御回答をなされたがというお話でございまして、私の代になって非常に貧乏たらしいお話ばかりして大変申しわけないのですが、昨晩も、先生からの御質問をいただいて関係者みんな集まって検討した結果をただいま申し上げておりますので、この方向で、しかしながら岡谷ジャンクションからの北上については全力を挙げて進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
  123. 清水勇

    清水分科員 いずれにしても、これはさっき局長もおっしゃっておられる十九号の渋滞解消にも非常に役立つ道路なんですね。ですから、ひとつ十分念頭に置いていただきたい。  それから最後の一問でありますが、次期国幹審がいつ開かれるのか。大体これは三年に一回というのが最近の趨勢ですから、そうなると来年の一月かな、こういうふうに感じられますが、そのめど。  それから、その際に関越道上越線の佐久-上越間をぜひ整備計画に格上げをするようにしていただけないものか。特に、北陸自動車道の上越市までの開業が昨年十二月でしたか、見ているわけですから、この上越線が進むということは、太平洋岸と日本海岸を結ぶ非常に貴重な本土縦貫道路ということになりまして、その果たす機能なり役割は非常に大きいと思うのです。そういう意味で、ひとつ局長から最後に、少し前向きなお話をお聞かせいただきたい。
  124. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 国土開発幹線自動車道建設審議会をいつ開くかということでございますが、この開く時期は、既に整備計画が策定された区間の事業がどれほど進捗しているか、また、経済社会情勢がどのようになっているかというようなことを総合的に勘案しながら決めなければならないものでございますが、前回は、先生のおっしゃったとおり五十七年一月に開催しておりまして、その前は三年前でございましたから、そういう計算をすれば確かに来年になるのですが、事業の進捗度等、必ずしも当初計画したどおりには全面的にいっているわけでもございませんので、財政事情等をも総合的に勘案しながら、今後その時期を決めていきたいと思っております。  それから、佐久から上越間の整備計画策定についてでございますが、現在この区間につきましては、関東地方建設局及び北陸地方建設局で、整備計画策定のために必要な計画線調査、地質調査、環境調査などの諸調査を進めておるところでございまして、今後国幹審の開かれる前に、交通需要の見通しあるいは一般国道の整備状況等をも総合的に勘案しながら、整備計画策定の方針を検討してみたいと思います。
  125. 清水勇

    清水分科員 ありがとうございました。ちょっと延びまして済みません。
  126. 村田敬次郎

    村田主査 これにて清水勇君の質疑は終了いたしました。  午後零時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三分休憩      ――――◇―――――     午後零時三十二分開議
  127. 村田敬次郎

    村田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  建設省所管について質疑を続行いたします。奥野一雄君。
  128. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 高速道路の関係について若干お尋ねをしていきたいと思うのです。  一つは、今全国で七千六百キロメートルの高速自動車道路を二十一世紀初頭までに完成させようという計画があるわけでありますが、昨年末現在によりますと、供用されている区間で三千三百五十二キロですか、整備計画で二千四百九十六キロですか、合計五千八百四十九キロになっておるわけでありまして、あと千七百五十一キロ程度残っているわけであります。  これから二十一世紀というと約十六年、これで計画達成が可能かどうかという面についてお尋ねをしてみたいわけでありますが、これからの国家財政、こういうものの状況を考えますと、そんなに好転するというふうにも思われないわけであります。そういう面から考えてみまして、これは非常に容易でない計画ではないだろうか、こう思われるわけでありますけれども、特に資金の面も含めて、その状況と今後の見通しについてお伺いをしたいというふうに思うわけであります。
  129. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 高速自動車国道は、均衡ある国土の発展と国民生活の向上を図るために不可欠な社会資本であり、今、先生おっしゃられましたように、二十一世紀初頭までに決定予定路線約七千六百キロを完成させることを目途に建設を推進しており、昭和五十八年度末の供用延長は三千四百三十五キロに達する見通しであります。  第九次道路整備五カ年計画では、計画期間中に新たに約千百キロメートルを供用し、昭和六十二年度末の供用延長を約四千三百キロとすることを目標といたしております。一年間平均二百キロメートル余を供用させてまいりますと、今、先生おっしゃられましたような七千六百キロについて、二十一世紀初頭には全線供用できる見込みでありますが、既に概成した縦貫道路に引き続きまして、関越、常磐、近畿、山陽など縦貫道に準ずる各道や地方の生活と産業を支える基盤となる横断道路等の整備を計画的かつ効率的に推進することといたしております。ちなみに、北海道におきましては、計画期間中に既に開通した白老から苫小牧など、新たに八十五キロの供用を予定いたしております。  また、五カ年計画期間中の建設費は総額四兆一千億円を見込んでおり、昭和五十九年度予算案における高速自動車国道建設費七千九百億円を含めて、昭和五十九年度までの進捗率は三八%を超える予定であり、第九次道路整備五カ年計画における高速自動車国道の整備は順調に推移しているものと考えております。  今後とも所期の目標の達成に鋭意努めてまいりたいと考えております。
  130. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 私は、今資金の面で危惧をしているわけなんです。先ほど申し上げましたように、国家財政の将来の見通し、まだ大変な赤字国債などを抱えているわけでございまして、当初の五十九年度になくすることもできなくて先送りという状況になっておるわけですね。こういう計画を立てられて、資金計画なども一応立てられるわけです。今度の計画では四兆一千億ですか、今言われたとおりのことなんですが、そういうものが安易に、安易にというのですか、いろいろなところから何カ年計画というような形でいろいろなものが出てくるわけでありますが、総合的に国家財政全体としてそういうものについて考えていかないと、その時点になってきて、いや、財政が非常に苦しくなってきた、こういうことではなかなか達成できない。また練り直し。過去のいろいろな例を見ますと、そういう事例が結構あるように思っているわけなんです。本来ならば、これは財政当局の方に各省からいろいろなものが集まってきているんだが、そういうものについてはどうするんだ、こういうことで聞けばいいということになるわけでありますけれども、建設省としてせっかくこういう計画を出されて、国家財政全体から見て、この資金の確保が大丈夫だ、こういうふうな見通しがあるかどうか、その点についてもう一遍お答えいただきたいと思うのです。
  131. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 高速自動車国道の整備の資金といった場合、その資金には二つの意味があると思います。一つは建設するための資金、もう一つは借りた金を返していく償還資金の二つの面があると思います。建設の資金は、借入金を主とした財源で建設するわけでございますし、償還資金は、高速道路を利用する方からいただく料金で償還するわけでございます。  まず、建設資金といたしましては財投資金、それから民間からの借入金、国からの出資金、利子補給金などがあるわけでございます。また五十八年度からは資金調達の多様化を図るため、外債による資金確保の手段なども講じているところでございます。この財投資金あるいは民間からの借入金等については、ある程度我が国の経済社会の資金の動き方等から見て、五十八年度、五十九年度も確保させていただいたわけでございますが、今後ともこういう関係の資金の確保は鋭意努力すること。また当然財政当局のお力添えがなければできないわけでございますが、その辺皆様方の御協力を得ることによって確保していけるのではないかというふうに考えております。  さて、償還の資金でございますが、これはまさに料金収入でございます。この料金につきましては、現在整備計画が出ているのが五千八百四十九キロほどございます。一応この整備計画が出ているものについて、全部ができ上がった際に償還できるかどうかというようなことを検討して現在の料金が定められております。料金を定めた際は、これよりもう少し少ない路線、工事実施計画の認可をしたようなところまででございましたが、最近、この整備計画が出ておる五千八百四十九キロについても検討いたしました結果、一応現在の料金水準である程度償還できるという見通してございます。しかし、これからまだ追加して整備していくわけでございますので、今後とも消費者物価の値上がりの範囲内で料金をアップさせていただくことによって、この七千六百キロができた際におきましても、建設資金を償還していくことができるように、また建設等についても考えていかなければならないと思っております。これについては道路審議会等から答申もいただいておるわけでございますが、例えば交通量の少ないところについては二車線で供用を開始するとか、あるいは代替する国道等が整備されているようなものについては、その区間は当分そのものを利用させてもらうというような創意工夫をしながらやることによって、料金収入で建設資金を償還できるというふうに考えております。
  132. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 償還の方のものは今のお話で大体わかりましたが、建設の方の資金の関係ですね。一番多いのは財投でないかというふうに思っているのですが、民間の方のものはここ一、二年何か順調に借りることができた、こういうお話でございますけれども、私が先ほどから申し上げておりますのは、国の財政との関係の中で可能なのかどうか、こういうことでお伺いをしたわけでありまして、国の資金の方が多いんではないかというふうに思っておるわけですが、そうでなかったら御指摘をいただきたいと思うのですが、そういう面で財投などを含めた国の方の関係が非常に多いように思うのですけれども、そういう面が国の財政見通しや何かの関係からいって心配ないか、こういうことなんで、もうちょっと御説明をいただきたいと思うのです。
  133. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 日本道路公団の資金計画を見てみますと、五十九年度は、案でございますが、政府出資金が五億、政府補給金が九百八十二億、先生おっしゃられましたように、財投資金が圧倒的に多くて一兆三千八十四億でございますか、そのほか縁故債が千百六十五億、外債が三百九十九億、民間借入金が二千五百八十一億というふうになっておりまして、財投資金については対前年比伸びが九%となっております。民間借入金が一番伸びが高くて三五%ということになっております。
  134. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 今内訳を聞いたのではなくて、これは財投の関係、こういうような状況で将来も確保し得るか、こういうようなことなんで、その点だけに焦点を合わせてひとつ…。
  135. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 これは財投資金の所管は財政当局でございますので、私たちは財政当局に高速道路整備の必要性、重要性にかんがみ、今後ともこのような資金の確保を図るようお願いし、また強く要求していきたいと考えております。そうすることによって、我が国の経済規模全体から見てある程度可能性は高いのではないか。それからまた、この財投資金だけではなくて、民間借入金のシェアも近年非常にふえてきておるわけでございますが、私たちできれば財投資金を主軸にこの建設資金の確保を図っていきたいと思っておるわけですが、しかしながら、そういう従来のような伸び率が確保できないというような場合において、民間借入金が幾分ふえていくこともまたやむを得ないのではないかというふうに考えております。
  136. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 時間の関係がありますから先へ進みますけれども、私、前段言いましたように、各省からいろいろな計画が出る、それはそれぞれ閣議で決定されていくんだろうというふうに思っておるわけですけれども、そういうものについて、その時点その時点にならなければ、例えば資金面についてわからないということでは、本来国の計画としては困るのではないか。正式に閣議決定される以上は、財政事情が特別な条件で変化したというような場合は、これは別でありますけれども、全体的な各省から来たもの、それを財政見通しの中で国としてやはりある程度保障していくというような体制がなければならないのではないかというふうに思ったものですから、今そのことについてお尋ねをしたわけなんです。  次は、先ほど北海道の関係についても言われましたが、これは全国状況から比べると非常に北海道の場合にはおくれている、こういう状況にあるわけでありまして、例えば供用区間というものを全国対比で見ますとわずか一・七%、整備計画分を含めても三百四十二キロですから四・五%という状況になっておるわけなんです。あと北海道とほぼ同じ広さということになりますと、東北六県に新潟を合わせたくらい。このくらい北海道は広大な地域を持っておるわけでありますが、この東北六県及び新潟県を合わせた分を見てみますと、供用区間だけで七・七五%、あるいは整備計画分を含めますと一二・五五%になっておるわけですね。そういう点から比較をいたしてみましても、この北海道の場合非常におくれておる。先ほどお話ありましたように、二十一世紀初頭までには、この七千六百キロという法定区間については計画達成可能だ、こういうお話であったわけなんでありますが、そういう点からいきますと、これは従来のようなペースで進んでいったんでは、北海道の場合には到底間に合わないということになるわけですね。全国状況というのは供用区間だけでも四四・一%になっておるわけですね。こういう状況に合わせていくということになれば、相当重点的に行っていかないと間に合わないということになると思うのです。先ほどの前段のお答えでは、二十一世紀初頭までには計画達成が可能だ、こういうお話でございますから、そうすれば、これから十六年の間北海道については相当重点的にやっていかなければならないというふうに判断をされるわけですが、その辺のところはどうなんでしょうか。
  137. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 北海道の高速自動車国道の整備につきましては、従来からも意を用いてやってきたわけでございますが、今後ともひとつ精力的に整備の促進を図っていきたいと思っております。  具体的に申し上げますと、北海道縦貫自動車道は、一応函館市から稚内市に至る六百二十キロの高速自動車道でございますが、函館市から名寄市間の四百八十キロについては基本計画が策定されており、虻田町から旭川市間約二百七十キロについて整備計画が策定されております。整備計画区間のうち既に百五キロが供用済みであり、虻田町から白老インターチェンジ間六十四キロ、札幌南インターチェンジから札幌インターチェンジ間七キロ及び岩見沢インターチェンジから旭川市間九十三キロについては、現在事業を進めているところであります。このうち室蘭東インターチェンジから白老インターチェンジ間三十キロ及び札幌南インターチェンジから札幌インターチェンジ間七キロについては、第九次道路整備五カ年計画期間内の供用を目途といたしておりますし、それから北海道の横断自動車道につきましては、小樽市から札幌市、千歳市、池田町を経て釧路市及び北見市に至る約三百八十キロの高速自動車国道であり、全線について基本計画が策定され、小樽市から札幌市間二十四キロ及び清水町から池田町間五十キロについて整備計画が策定されております。整備計画区間のうち小樽インターチェンジから札幌西インターチェンジ間は供用済みであり、清水町から池田町間については、日本道路公団において事業実施のための調査を進めております。残る基本計画区間につきましては、整備計画策定のための調査を北海道開発庁において鋭意進めているところでございます。
  138. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 大変御丁寧に御説明いただきましてありがたいわけでありますが、私の聞いているのはそういう点ではなくて、北海道がおくれておるということは御承知のとおりだと思うのですね。先ほどの第一点の質問につきましては、二十一世紀初頭までに法定の七千六百キロについては計画が達成できる、こういう御説明があったわけなんです。しかし、今までのような状況の進め方をしておったのでは、北海道に関しては間に合いませんよということを私は言っているわけですね。ですから、これからの間というのは、北海道を全国並みにまで上げていくためには、従来どおりのペースではなくてもっと重点的にやらなければ間に合わないのではないでしょうか、私はこう言っているわけです。ですから、最初のお答えからして、当然北海道には重点的に建設を行っていく、こういう方針がなければバランスがとれない。その点についてはそういうふうになさるのかどうかということを聞いているわけです。
  139. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 一番最初に申し上げましたのは、二十一世紀までのお話を申し上げたわけでございまして、そこに至るまでの道路整備の順序につきましては、それぞれの高速道路整備の必要性、それに伴う交通量がどのようになるのか、あるいはそれと関連する道路整備がどのように進んでいるのか、また先ほど申しましたように、当然料金で償還しなければなりませんので、そういう償還計画というようなものも総合的に勘案しながらプライオリティーをつけて実施していくことになろうかと思います。現状におきましては、一応国土の骨格を形成する縦貫自動車道はほぼ概成してきておりますので、これから横断道路等の整備が非常に重要になってこようかと思いますが、そういう中で北海道の高速道路の整備も位置づけていきたいというふうに考えております。
  140. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 時間がちょっと少ないものですから簡単で結構なんですよ。これは現在の第九次になるか十次になるか十一次になるか、これは別問題です。別問題ですが、二十一世紀初頭までにこの七千六百キロを達成したい、そういう見通しがあるというお答えたから、それでは北海道の場合には従来のようなやり方では達成しませんよ。九次になるか十次になるか十一次になるかは別にして、これからの十六年間、当然北海道については重点的にやらなければ、第一問でお尋ねをしたような計画達成ということにはならないでしょう、こう聞いているわけなんですよ。だから、従来どおりのペースで間に合うということなのか、いや、ある程度重点的に建設を行っていかなければ、やはり北海道の場合は達成できないということになるのか、その辺のところだけ、簡単で結構なんです、お答えいただきたいと思います。
  141. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 七千六百キロを二十一世紀初頭までに建設するためには、これは北海道のみならず内地、九州その他においても高速道路の整備は重点的に進めていかなければならないと考えております。
  142. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 それは一般論だろうと思うのですよ。先ほど申し上げたように、全国平均では供用でもってもう四四%くらいいっているわけでしょう。北海道は全国対比からしたらわずか一・七%だ。北海道の計画自体からいっても一二・七%くらいしかいってないんだ。そうすると、全国平均並みに持っていかないというと全国平均で七千六百キロの達成ということにならないわけでしょう。だから、それは当然ほかの府県についても重点でやるということはわかります。おくれているところはやはり重点でやらなければならないだろう。私どもの今調べている範囲内では、北海道が特に落ち込んでいる状況だ。そうすれば、これから第何次までかかるのかわかりませんけれども、五カ年計画、五カ年計画とやっていけば十六年間ですから、あと三回くらいですか。しかし、その中で今までの進捗の状況よりは速めていかなければ、これは北海道の場合には達成されないということになるんじゃないか、こういうことをお伺いしているわけなんです。
  143. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 北海道という単位をとられるからでございまして、内地で見ても、県単位で見ていただきますと、秋田県や山形県には高速道路はまだ一メートルも――秋田県には青森へ行く県境をちょっとかすめるところがありますが、実際に県の方がお使いできるような状態にはございませんし、四国では残念ながらまだ高速道路は供用されておりませんし、九州の方でも大分県等、県単位で申し上げれば高速道路が供用されていないところは全国にたくさんあるわけでございまして、そういう地域においても、これから高速道路の整備は非常に重要な課題でございますので、全国バランスをとりながらひとつ高速道路の整備に積極的に取り組んでいきたいと思っております。二十一世紀初頭と申しますと、これから二十年あるわけでございまして、年平均二百キロずつの供用を開始しても約四千キロの供用が図れるわけで、現在の供用延長三千四百キロのことを考えますと、ほぼ達成できるのではないかというふうに考えております。
  144. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 時間が余りありませんから、このことばかりやっているわけにもまいらないのですが、一つだけまた申し上げておきたいのです。  これは建設省所管ではございませんが、運輸省の方の所管では青函トンネル、これが大体六十二年ころから開通される見通しになっているわけです。このトンネルの利用問題についてもいろいろ検討されているわけです。もちろん主体は鉄道を通すということになるだろうと思うのですが、しかし、それだけではなかなか大変だということで、御案内のとおり、トンネルの利用問題についての懇談会というものが中間答申も出されているわけであります。その中で一番有力なのがカートレーン方式、こういうものなどができてまいりますと、特に道路の整備が重要になってくるわけであります。これは建設省所管の事項ではございませんけれども、国がやっておる同じような仕事の中で、その辺の意思疎通が完全になされていないということについては若干遺憾だというふうに私は思うわけであります。  それは別にいたしまして、仮にそういう利用の方法がいいということになってきますと、青函トンネルの中に大量の車輸送が始まる。こうなると、受け皿というものがどうしても必要になってくるわけでありまして、それに全部合わせるということは、今、時期的には間に合わない状態でありますけれども、そういう面からいっても速く整備を急がないと、そのことによって混雑を起こす、大変迷惑がかかるということにもなりかねませんので、そういう面も配慮に置いて整備についてはぜひ急いでいただきたい、このことを一つ申し上げておきたいと思います。  時間がございませんので、最後に一点だけまたお尋ねをしておきたいと思うのです。  建設省の方では、高速道路を利用して大都市間の電気通信事業の新規参入、こういうものを望む民間企業に対して、全国の高速道路網に容量の非常に大きい光ファイバーケーブルを敷設するということを認める、側面からこれを支援していく、こういうような計画があるようであります。当初は情報列島研究委員会を設立するというようなお話のようであったように思っておるのですが、最近出てきたロードスペース懇談会、これと同じものではないかというふうに思うわけですけれども、この構想の概要と今日までの取り組みの経過について、時間がありませんので簡単で結構ですが、ちょっとお知らせいただきたいと思うのです。     〔主査退席、山下(徳)主査代理着席〕
  145. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 高速道路を利用した情報ハイウエーの構想についてでございますが、これにつきましては、現在建設大臣の私的懇談会でありますロードスペース懇談会で御検討いただいておるところでありまして、年内にも御意見をいただけるものと期待いたしております。
  146. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 年内というのはことし中ということですね。年度内ではないんですね。
  147. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 はい。
  148. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 今の電電事業が民営化されるということによって、各方面で新規参入ということが随分言われてきております。最近出てきたものだけを拾ってみましても、新しい電電公社、今度は株式会社になるかもしれませんが、もちろんこれが一つあるし、あるいは国鉄とか電力会社あたりも新幹線の沿線を利用して光ファイバーをやろうという計画がある。それから民間もソニーとか京セラとかウシオ電機ですか、こういうようなところがまたやろうという動きがある。それから建設省、この建設省の内容のものを見た瞬間考えたのは、民間企業が新規参入するのに支援をしたい、そのために利用することはいいじゃないか、こういうふうに受け取っているわけなんで、そうした場合、例えば今のソニーや何かのやろうとしているそういうものを考えているのか、それとも全く別なものを建設省独自でもってやろうとしているのか、その区別はどうなんですか。
  149. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 情報ハイウエー構想と申しますのは、一九七〇年でございますか、半導体レーザーと光ファイバーが発明され、さらにコンピューターが飛躍的な発達を遂げたことからこの構想が出てきたわけでございまして、そのためには当然光ファイバーをずっと敷設していく空間が必要でございますし、また途中中継器とかいろいろ要るわけでございます。ブランチも出さなければいけない、そういうことから全国的な情報ネットワークを敷くために高速道路も利用する。高速道路の空間を利用することは最も必要なことではないかというようなことから、道路というものは、国民みんなのために、公共の福祉のために使っていただくものですから、この道路空間をどういうふうにして今後の情報化社会へ対応した空間提供をなしていくか、適切な道路空間の利用を図っていくかということをロードスペース懇談会で、それだけではございませんが、ほかのこともございますが、御検討いただいておるところでございまして、ここの検討結果を踏まえて、今、先生おっしゃられましたような具体的なことを検討したいと思っております。
  150. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 もうあと時間ですから何ですが、私の聞きたいことにどうも的確にお答えになってないのですが、今の民間企業の中で京セラ、ソニーが六十二年度開業を目指してというようなことでもうやろうとしているわけですね。そういうものにこれを利用させようとするのか、いや、全然それとは別に建設省自体で敷設をしていくのかということを今お尋ねしたわけです。時間がないので、それだけ一つ
  151. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 この高速道路の空間を利用して、その事業を実施する事業主体はどういうものかという御質問でございますが、そういうことも含めて、高速道路の空間が最も適切にみんなのために使われるにはどうしたらいいかということを御検討いただいておるわけでございますので、またそういうこともこの御検討の中で議論されてこようかと思いますので、それを踏まえて対応していきたいと考えております。
  152. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 終わります。
  153. 山下徳夫

    ○山下(徳)主査代理 これにて奥野一雄君の質疑は終了いたしました。  次に、辻第一君。
  154. 辻第一

    ○辻(第)分科員 私は、国道三百八号線バイパス、第二阪奈道路の建設計画に関連をして質問をいたします。  この計画の概要についてお答えをいただきたいと思います。
  155. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 一般国道三百八号は、大阪市を起点とし、生駒市を経て奈良市に至る延長三十一キロメートルの幹線道路でありますが、大阪府、奈良県境二・八キロメートルの交通不能区間が残されているなど、改良率五四%、舗装率六九%と整備がおくれております。従来から、奈良県側では生駒工区において用地買収を進めているほか、大阪府側でも東大阪工区で用地買収を行っております。  以上でございます。
  156. 辻第一

    ○辻(第)分科員 この計画では生駒山に五・二キロメートルのトンネルを掘るということでもあるわけてあります。もし建設がされるということになれば、相当の交通量が予想されるということであります。このトンネルの問題だけ見てみましても、そのズリだけでも大型トラックで百万台というような話も聞くわけでありますが、大変な問題です。しかも、この奈良県側には住宅もございますし学校もあるということで、地域の住民の皆さん方大変心配をされているわけであります。この計画が最初に出された昭和四十七年当時、それから四十九年にかけて、この計画の公表、それから公害対策、住民の意見尊重などを求めた請願が奈良県議会やあるいは生駒市議会で採択をされているということであります。  さて、昭和四十七年六月の閣議了解で、各種公共事業については、環境保全について、公害の発生、自然環境の破壊等こういうことがないように十分留意をする、このような趣旨の閣議の了解があったわけであります。この三百八号線バイパス建設計画について、環境保全についてどのような対応がされるのか、お尋ねをしたいと思います。
  157. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 今お話のありましたように、昭和四十七年の閣議了解に基づきまして、この生駒山につきましては、道路計画の立案、道路工事の実施に際し、公害の発生、自然環境の破壊等環境保全上重大な支障をもたらすことのないように県を指導してきたところでございます。  本件一般国道三百八号については、生駒工区において用地買収を進めているものでありますが、事業の円滑化を図るため、地元関係自治体や関係住民へ事業内容の説明を行い、理解を得つつ進めてきたと聞いております。  なお、御質問の第二阪奈道路、トンネルの延長が今、先生五・二キロとおっしゃいましたが、その道路につきましては、東大阪市と奈良市を結ぶバイパスでございまして、長大トンネルを含む大規模な事業となるところから、奈良県当局としては、関係地域住民の意見を反映させる観点などから、本件道路の都市計画決定について検討しておると聞いております。都市計画の決定に際しましては、環境影響調査の結果も含め、計画内容について地元説明会を開催するほか、関係図書の縦覧などが行われるものであり、本件道路の都市計画の決定がなされる場合には、同様の措置が講じられるものと考えております。
  158. 辻第一

    ○辻(第)分科員 五十三年の七月あるいは十月に、建設省の次官通達で環境アセスメントに関係をした通達が出ているわけでございます。あの通達に出ているアセスメント、決して十分なものであるというふうに私どもは考えていないわけですが、最低限あのようなアセスメントは得られるべきである。しかも私どもは住民参加の民主的なアセスメントということを要望しているわけでありますが、その点についていかがですか。
  159. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 五十三年の建設省の次官通達による環境に関する当面の措置方針につきましては、対象は直轄とか公団に限定いたしておりますし、また対象事業も大規模なものに限定いたしております。  この三百八号について見ますと、当初計画いたしておりましたものは、二国の補助事業として実施するということで、それほど大きなものではございませんでしたし、今の当面の措置方針の対象からは規模としては除外されるようなものでございます。しかし、これから計画していこうとしている長大トンネルも含んだ事業になりますと、これはまた相当大きなものでもございますので、これについては現在、奈良県当局で都市計画決定をしていこうというふうに考えておると聞いておりますので、都市計画の手続の中で当然環境影響調査結果等が住民の縦覧の際に提供されるわけであり、またそれに対する住民の意見も提出されて、都市計画地方審議会等で検討されて都市計画が決定されることになるわけで、そういう過程で今、先生のお話のような住民の意向等が反映されていくのではないかというふうに考えております。
  160. 辻第一

    ○辻(第)分科員 本当にこの建設をされる、また建設された後も大変な事態が予測されるというような状況であるわけであります。本当に十分な環境アセスメントをやっていただく、そしてそれを公表していただく、そして住民が十分合意をし納得をし、その上で計画の策定、決定という方向で進んでいただきたい、このように思うわけでありますが、その点について大臣、ひとつ御所見を承りたいと思うのです。
  161. 水野清

    水野国務大臣 幹線道路建設についてはいろいろな騒音その他の問題が出てまいりますが、沿道の方々に対する生活環境の保全ということは、道路行政にとって大変重要なことである、これは承知をしております。建設省といたしましては、道路建設に当たりましては、地形地質、騒音、大気質などの調査を行いまして、あるいは環境影響評価を実施いたしまして、その結果を踏まえた上で適切な道路構造を採択をしております。環境面に対する十分な配慮も行っているわけでございます。今後ともこれらの調査及び評価をなお十分充実さしていきたい、かように思っております。
  162. 辻第一

    ○辻(第)分科員 環境影響評価は本当に十分にやっていただく、できるならばできるだけ住民の参加というような形でやっていただきたい。そしてそういうような資料を十分公表をしていただく、公開をしていただく、そして住民の同意、納得の上で計画を策定をしていただくということを重ねて強く要望をするわけでございます。  次に、騒音問題について質問をいたします。  国道三百八号バイパスでも当然心配されるわけでありますが、自動車の騒音の問題、大変だと思うわけであります。環境庁が五十八年の十一月に発表された五十七年の自動車交通騒音実態調査、これによりますと、四時間帯のすべての環境基準をクリアしているのが、五十六年では一七・二%、五十七年では一五・二%、一つでもクリアしているのが五十六年が三八・八%、五十七年が三八・二%、全部クリアしていない。これが五十六年は四六%、五十七年が四四・六%、こういうことであります。クリアしているというものは本当に一五%、一七%程度で、全部クリアしていないというのが四四から四六、こういうような状況であります。この数年横ばいになっているということでもあります。しかも住宅地が悪化の傾向がある。また幹線道路の夜間が悪化の傾向があるということであります。建設省はどのようにこの問題を解決されようとしておられるのか、簡単にお答えをいただきたいと思います。
  163. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 自動車交通騒音問題を解決するため、自動車構造の改善、交通規制の実施、道路構造対策等総合的な施策を実施してきたところであります。しかしながら、夜間の環境基準値を超える幹線道路の延長が多いことなど、騒音問題への対応は依然として道路行政にとって重要な課題であります。  建設省といたしましては、沿道における生活環境を保全するため、従来よりバイパス、環状道路の整備による道路機能の分化、用のない車は地域内に入れないようにすることが必要でございますので、まず道路機能の分化を図ることを基本といたしております。さらに、遮音壁、環境施設帯の設置、緑化対策及び防音工事助成などの推進を図ってきておりますが、その上、幹線道路の沿道の整備に関する法律に基づく沿道整備施策をも推進しておるところであります。しかし、現状は依然として厳しい状態にありますので、今後ともこれらの施策を一層推進してまいりたいと考えております。
  164. 辻第一

    ○辻(第)分科員 環境庁の立場でこの問題どのように解決されようとしておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
  165. 加藤茂

    ○加藤説明員 お答えを申し上げます。  環境庁といたしましては、まず発生源対策といたしまして、自動車単体からの騒音につきまして許容限度を定め、逐次規制の強化を図ってきておるところでございます。すなわち、自動車が市街地を走行する際に発生する最大騒音である加速走行騒音につきまして、昭和五十一年六月に中央公害対策審議会から二段階の低減目標値が答申されました。答申に基づきます第一段階の規制は、各車種とも五十四年規制として実施をいたしまして、さらに同答申に基づきます第二段階の規制につきましては、車種別に技術的に低減の目途が得られたものから逐次実施に移しております。また環境騒音に与えます影響が大きく懸案となっておりました大型トラック等につきましては、六十年規制として実施をするべく五十八年十月に許容限度の強化を行ったところでございます。残されました大型トラクター等の車種につきましても、できる限り早期に見通しを得るべく現在技術評価を進めておるところでございます。  以上のいわゆる単体規制に加えまして、環境庁におきましては、総合的な自動車騒音対策の実施に資するため、関係機関との連携のもとに自動車の走行状態の改善、交通量の抑制、道路構造の改善、あるいは沿道対策等の推進に努めておるところであります。
  166. 辻第一

    ○辻(第)分科員 自動車騒音の問題も大変な状況だと思いますので、一層十分な対応をしていただきたいということを要請をし、次に移るわけでございます。  自動車騒音については、騒音規制法に基づき自動車騒音に係る許容限度等が定められております。その際、騒音測定方法についてはJIS Z8731に定める騒音レベル測定方法によるものとし、現在測定値は中央値とすることとされているわけでございます。ところが、いま学者の間であるいは自動車公害をなくす運動をしておられる方々の中で、等価騒音レベルLeqの方がよりすぐれた測定方法ではないかという御意見が出てきているわけでございます。しかも、JIS Z 8731は昨年の三月一日に改正をされ、その中の一部にLeqの測定方法が併記をされるということになりました。このように、時代の流れと申しましょうか、Leqで測定をすること、このことがよりすぐれた方法ではないかという考え方について、環境庁御答弁をいただきたいと思います。
  167. 松隈和馬

    ○松隈説明員 お答え申し上げます。  現在、騒音に係る環境基準における測定評価方法としましては、中央値、いわゆるL50が採用されているわけでございます。今もおっしゃいましたように、最近JIS Z 8731にL50等の時間、率、騒音レベル、いわゆるLxというようなものでございますが、それのほかに等価騒音レベル、いわゆるLeqが追加されたところでございます。環境庁といたしましては、従来よりL50とLeqとの比較を専門家に検討願っているところでございます。これまでの検討では、住民反応等においてLeqがL50よりもすぐれているとするデータは得られておりません。またLeq測定器のJIS規格等もまだ定められていないのでございます。このため、騒音に係る環境基準における測定評価方法としてLeqを採用することは、当面難しいのではないかと思っております。
  168. 辻第一

    ○辻(第)分科員 私どもの聞いているところでは、Leqの方が人間の感覚との対応がうまく合っているということ、また言いかえれば、人間の感じる騒音によく当てはまるような適当な表現をするということのように聞いておるわけでございます。そして昨年JISに併記をされる。その背景には、国際的にはISO規格に八二年に入っているということでもあります。世界的にもそういうような方向へ進んでいるというふうに聞いているわけであります。そして先ほど申しました人間の感覚との対応がうまく合っている、こういう点から見てまいりましても、十分検討を要する、しかも将来これを取り入れるべきだという考え方は、私は妥当な考え方ではないかというふうに考えております。今、環境庁では検討をされているということでありましたが、さらに検討を重ねて、これを採用されるような方向で御検討をいただくべきではないかということであります。  自動車騒音の問題も大変な問題でありますが、この道路公害全体の問題も大変重要な問題になってきているわけでございます。道路を建設するということにつきましては、その計画を公表する、資料をすべて公表をしていく、また十分な環境アセスメントをやる、しかもそれは住民参加が望ましい、このようにする中で、住民の合意や納得の中で計画を策定されるべきである、重ねて要望をいたしまして、私の質問を終わります。
  169. 山下徳夫

    ○山下(徳)主査代理 これにて辻第一君の質疑は終了いたしました。  次に、沢田広君。
  170. 沢田広

    沢田分科員 関係者来ていますかな。――河川の問題で若干お伺いいたしますが、先般も質問はいたしておりますが、大東水害谷田川の判決は大臣御承知でしょうか。
  171. 水野清

    水野国務大臣 よく存じております。
  172. 沢田広

    沢田分科員 第一審、第二審は国及び市の責任ということでありまして、最高裁へ行って差し戻しということになったわけであります。この判決を建設省としてどう受けとめておられるのか、簡単にひとつその所感をお伺いいたしたい。
  173. 水野清

    水野国務大臣 大東水害において一応建設省の意向が認められたということは、私どもは評価をしております。簡単に申し上げると、川と道路は違うのだということを御理解をいただいた、あるいは治水事業をやるには財政的にも技術的にも、また社会的にもいろいろ制約があるのだ、あるいは道路と違って一時閉鎖して迂回をするというようなこともできないのだ、こういったことを御理解をいただいたと思っております。しかし、この判決を御理解いただいて、最高裁で建設省側が勝訴したから、それで私どもは今後胸を張っていいというつもりもまたございません。むしろ、ある意味においては、訴訟においては勝ちましたし、建設省側の主張が認められたことはありがたいと思っておりますが、やはり国民全体に対しまして、治水事業というものの重要性を認識して、今後とも役所を挙げて努力をしていかなければいかぬという気持ちでおるわけでございます。
  174. 沢田広

    沢田分科員 大臣、連続でお疲れでしょうけれども、暫時ひとつお許しを、もう少したったら休憩時間を差し上げますから。  それで、大臣と若干ここで議論しなければならぬと思いますのは、確かに今私が言ったことを大臣が言われたわけでありますが、この判決文の中から拾い出しますと、逆に戻ったが、こういう条件で瑕疵の有無はこうなんだということが取り上げられておる。「河川の管理についての瑕疵の有無は、」とこう書いてありまして、「過去に発生した水害の規模」、これが第一。第二が「発生の頻度」、第三番目が「発生原因」、それから四番目は「被害の性質」、それから五番目は「降雨状況」、六番目が「流域の地形」、七番目が「その他の自然的条件」、それから八番目が「土地の利用状況」、九番目が「その他の社会的条件」、十番目が「改修を要する緊急性の有無及びその程度」、それから十一番目が「計画が格別不合理なものでないもの」こういうふうに、要すれば、この判決の前提となるためには、河川管理の瑕疵の有無は、この視点でとらえるのですということを最高裁は指摘をしているわけです。それで、このことは、言うならば判決はこうなったものの、いわゆる議員の定数問題と同じように、今挙げた十一項目は逆に行政府なり立法府が責めを負わなければならない点となるわけだと私は思うのです。こういうものが瑕疵があるなしの判別をする場合の材料ですよ、指針ですよ、こう指摘をされたということでありますから、これ以外にももちろんあるでしょうけれども、少なくとも最高裁が、この点はいわゆる河川管理の責任があるなしの判定の基準です、こういう指摘をされたものと考えるべきではないのかということについてお答えをいただきたいと思います。
  175. 井上章平

    井上(章)政府委員 ただいま先生から御指摘いただきましたように、この大東水害裁判の最高裁判決におきまして、河川の管理責任あるいは瑕疵の有無の判断の基準をいただいたというふうに理解いたしております。これは判断基準でございますので、しかもかなり抽象的に表現されております。私どもといたしましては、従来から治水事業を全国の河川で進めてまいっておりますが、おおむねこういった考え方に基づいて実施をいたしてきております。このようないろいろな判断の種類を総合的に判断いたしまして実施してきておると考えられます。  ただ、今回の判決も大筋においてはその点を認めていただいたと思われるわけでございます。したがいまして、従来の改修の実施方法がこれによって特に変わるということは私どもは考えておりませんけれども、翻って全く無条件に従来の実施方法をすべて認めていただいたとも考えられないわけでございます。したがいまして、今後ともこの最高裁からいただきました判断基準に照らして、河川管理責任を問われることがないように努力してまいりたいと思っている次第でございます。
  176. 沢田広

    沢田分科員 そこで、ここで「河川」と書いてありますが、降雨ですね、雨の場合の管理責任の所在は、今法律的には、河川の場合は河川法、土地改良区域では土地改良法、都市排水へいけば都市下水路あるいは下水道は分流方式、水の処理に当たっての関係各省というものは、沼は湖沼法で環境庁、こういうようなことで、雨水に対する責任の所在というものは、我が国の法体系の中では非常に不分明な状態になっておる。だけれども、ここで言う河川、最高裁が出した「河川は」と書いてある場合は、これは河川法の河川ではなく一般的な河川、いわゆる水路も含めた河川と解すべきではないのか、こういうふうに思いますが、いかがでありますか。
  177. 井上章平

    井上(章)政府委員 最高裁判決で述べられておる「河川」は河川法の言う河川であろうと私どもは判断いたしております。
  178. 沢田広

    沢田分科員 谷田川、寝屋川その他ポンプ、樋門、それから駅前の狭かった問題、内水と外水との割合、こういうようなものの状況を考えた上での判決だとすれば、上流に宅地が造成されて起きたはんらんであったというところに原告の言い分があるわけでありますから、ここで言う「河川」というのは一般的な水路を象徴して最高裁は言っているというふうに思うのでありますが、重ねてそれをお答えいただきたい。
  179. 井上章平

    井上(章)政府委員 ただいま私から申し上げましたように、最高裁の判決の前段で河川管理について述べているところにつきましては、これは河川法の河川を指すというふうに理解いたしております。
  180. 沢田広

    沢田分科員 これは意見の食い違いがあるようでありますけれども、追ってまた法制局、最高裁その他の見解を聞きながらただしていきたいと思っております。  大臣、もし何だったらちょっと五分ぐらい結構ですから休憩してくださいよ。  続いて荒川の問題へいきますが、これは大臣ももう少し聞いておいてもらった方がいいんだけれども、いいです。吉宗の時代に荒川ができた。荒川というのは、荒れた川だから荒川と、こう歴史では名前がついたというふうに言われております。  我々県会議員をやっておる時分には、あの荒川の横堤が極めて目の上のたんこぶであったわけである。全部埼玉県で越水をするという状況で、東京を守るという仕組みで荒川ができておる。その点はどう解釈されておりますか。
  181. 井上章平

    井上(章)政府委員 先生が御指摘になりましたように、荒川は江戸時代に大きな改修をいたしまして治水の安全度を上げておるわけでございますが、その主要な工事の内容を見ますと、何といっても江戸を守るためということを第一目標に置いて、したがいまして、大きな遊水地等を築造したというような経過もあるわけでございます。そういう形で河川の歴史、改修の歴史があると私どもも思っておりますが、ただ、今日の荒川の改修につきましては、流域全般の水害を防止するためということで工事実施基本計画を策定し、ただいまこの計画に基づいて事業を進めておるということでございます。
  182. 沢田広

    沢田分科員 ですから、二十七本横堤があって、もしそれを全部取れば鉄砲水になって東京へ流れ込む。だから、まさかこれを取るわけには今さらいかなくなってきているんだろう。でも、思い切って取って、早く水を東京湾へ流す、これも一つの方法だと思うのでありますが、今どちらを選択されていますか。
  183. 井上章平

    井上(章)政府委員 明治以降の荒川の改修の歴史を見ますと、昔は隅田川が本川でございましたが、荒川放水路をつくりまして、これによって流下能力を著しく増大させてきたわけでございます。しかしながら、何といいましても荒川中流域における遊水効果、これはこの河川の主要な治水上の安全を確保する上に極めて大切な施設であると考えております。  私どもも、この工事実施基本計画では、この横堤を取るのではなく、むしろあの地域の遊水効果をより高めることによって地域全体の治水安全度を高めていきたい、このような考え方でただいま事業を実施いたしております。
  184. 沢田広

    沢田分科員 荒川の改修計画はその内容の是非は別として、何年度からどの程度をもってやっていく予定でありますか。
  185. 井上章平

    井上(章)政府委員 工事実施基本計画は昭和三十九年の新河川法の施行に伴いましてすべての河川について策定されることになりました。荒川も一番最初の一級河川指定が行われ、その時期からこの工事実施基本計画に基づいて事業を実施いたしておるわけでございます。これはいわば非常に壮大な改修計画でございまして、現在鋭意進めておりますが、いつまでにというような期限を定めた計画ではないわけでございます。
  186. 沢田広

    沢田分科員 では、現在はどの程度のテンポでこれを改修しようとしているわけですか。五カ年計画できておりますね。今三カ年ぐらいおくれておるというふうに聞いているのですが、その点はいかがですか。
  187. 井上章平

    井上(章)政府委員 私どもは、一つには、河川は、そのときどきの洪水の発生状況あるいは流域の開発の状況等、非常に河川を取り巻く事態が急変することが間々あるわけでございます。したがいまして、臨機応変な措置を講じて、全国各河川の全体としての治水安全度を段階的に高めていくというような考え方に立っておりますので、個々の河川についてどのくらい進捗したか、余りそういう目で見ていないのが実情でございます。
  188. 沢田広

    沢田分科員 台風十六号は、あなたは余り知らないようだから言うのでありますが、いわゆるAPと言っておりまして、この前荒川の水位が八メートル二十三センチでした。八メートル二十三センチになった場合、内陸面における高さはどのくらいになると思っておられますか。
  189. 井上章平

    井上(章)政府委員 今ちょっと調べさせていただきます。
  190. 沢田広

    沢田分科員 APで言えば大体それにプラス二メートル、東京湾水位からいけば約二メートル上乗せした高さ、海抜でいきますと東京湾中等水位よりはやや上回る。そうしますと、海抜でいくと十一メートルちょっとぐらいの高さまで内陸面は水につかってしまう。こういうことになるので、台風十八号の場合については、言うならば県南、埼玉県の中央半分、十六号国道沿いまでおおむね湛水地域に該当する、こういうことになる実情は理解できますか。おおむねでもいいですが理解できますか。
  191. 井上章平

    井上(章)政府委員 今私この荒川の改修計画の縦断図を見ておるわけでございますが、これで水位を見ますと、計画高水位にいたしましても昭和樋門のところで大体七メーター二、三十であろうかと思います。
  192. 沢田広

    沢田分科員 だから、一昨年の十八号台風は八メートル二十三センチになったわけなんであります。それはもしあれならば、大久保ポンプ場の水位計と横堤の前にありますから、昭和樋門のところの水位計の調査と違ってきた結果だと思いますが、八メートル二十三センチであります。それで、今言ったように海抜でいきますと相当内陸面に湛水現象が起きる、こういうことなんですね。それはわかりますね。いわゆる八メートル二十三センチになったときには海抜でいくと十一メートル余の地形に至るまでが荒川へは水が流れなくなる。逆流しちゃうのですから、全部樋門を閉じるわけですから、そういうことですね。そうすると内陸面にたまる内水面現象を起こしてくるのはまさに十六号国道近くまで、県南地区は水没してしまうという現象が起きる。こういう現象が起きることは理解できますか。
  193. 井上章平

    井上(章)政府委員 洪水の程度によりますが、理解できます。
  194. 沢田広

    沢田分科員 洪水の程度じゃない。一昨年の十八号台風を僕は言っているのです。それで、その現実の起きた事態について物を言っているわけですからね。仮定で言っているんじゃないですからね。これは間違わないでください。でも、それはいいです。  それでもう一つ、私の方はそれをさらに進めて言うと、だからダムの建設なり貯水池の建設というものは、荒川の水位が八メートル二十三になる前にその他の中小河川は全部流れ出なければはんらん現象が起きてくるということも理解できますね。
  195. 井上章平

    井上(章)政府委員 この荒川の流域でございますが、埼玉県東部地域に入りますと、非常に低平地に差しかかってまいります。この地帯は昔からこの荒川の洪水による水位が上がるために、内水の排除が困難な地域というふうに理解しておりまして、事実幾たびか洪水のたびごとに浸水した実績がございます。  そういうことで、これらの地域につきましては、もう一つは地盤沈下がこの辺で起きておりまして、一層その湛水現象に拍車をかけているという状況もございますので、さまざまな支川につきまして積極的に内水排除施設を設けてまいりましたし、今後も継続して努力してまいっておるところでございます。
  196. 沢田広

    沢田分科員 それで大体理解していただいたと思うのです。だから荒川の水を早く東京なり東京湾へ出し切らないと、東京もそうでありますけれども、内水面現象は岸部に三百ミリ以上の雨が降れば必ず関東平野全体は水没地帯になってくる、それには新河岸川から黒目川から鴨川からあらゆる中小河川が荒川に流れ出ないでとまってしまう、息が詰まってしまう、そういう現象によってその地帯に、しかもこれは建設省御自身でやられたことでありますが、低湿帯に非常に開発が行われた。それによって一層寝屋川、谷田川と同じような現象をつくってきているという事実は知っているかどうか、時間がだんだん迫りますから、ひとつそれだけ答えてください。
  197. 井上章平

    井上(章)政府委員 この地域は首都圏の重要な地域でございまして、日々都市化が進行いたしております。そのためにこれらの荒川に注ぎます支川の内水問題は極めて重要な地域の問題であるというふうに理解しておるところでございます。
  198. 沢田広

    沢田分科員 だから内水面現象が起きた場合の解決方法は、一つは早く出すという方法が一つ、あとはポンプで吐き出すという方法が一つ、あとはかまか何かで煮て蒸発させるという方法が一つ、言うならばですよ。まさかそんなことはできるはずはない。とすれば、あと残された方法というのは、荒川の水位が上昇する以前に早く流す方法を考えることが一つ、それからあとは樋門をつくり、ポンプをつくって、そのポンプの能力によって被害をなくしていくという方法、この二者しかないんじゃないのかと思うのですが、ただ一方は相当な後遺症を残す。ポンプはね。ポンプでやる方法では被害は免れない。相当な被害が起きることを覚悟しなければならぬ。だからできれば早く流すという方向に徹しなければならぬのではないかというふうに思いますが、いかがですか。
  199. 井上章平

    井上(章)政府委員 この内水対策の手法でございますが、先生おっしゃいますように、確かに荒川本川の水位が上がらないうちに早く支川の水を出すということは一つの方法でありましょう。しかしながら荒川は大河川でございまして、非常に長期間洪水が継続いたします。それで幾ら早く出しましても水は残るわけでございますので、やはりこういった水位の高い本川に注ぐ支川の改修のありようといたしましては、この地域においてはポンプ等の人為的な排水に頼るしか仕方がないのではないかというふうに考えております。
  200. 沢田広

    沢田分科員 この間特に荒川上流の関係の皆さん方とお話もいたしましたが、荒川改修計画で鴨川の樋門が、一応昭和樋門と言っておるわけでありますが、その昭和樋門の荒川本堤の改修が計画されていると思うのでありますが、その事実は御存じですか。
  201. 井上章平

    井上(章)政府委員 荒川の改修につきましては、下流から支川、入間川ほぼ全域にわたりまして堤防のかさ上げ、護岸等を実施いたしております。
  202. 沢田広

    沢田分科員 それは今いつごろの予定になっておりますか。
  203. 井上章平

    井上(章)政府委員 特に短期的な目標は掲げておりません。
  204. 沢田広

    沢田分科員 今五カ年計画が五十七年ぐらいで一応終わって、この前の予算書では七カ年計画がその次にできていたと思うのでありますが、それはどういうふうになっておりますか。
  205. 井上章平

    井上(章)政府委員 なかなか河川事業といいますのは長期的な見通し――計画は極めて長期的な目標を掲げて進めておりますが、事業の実施につきましては社会的な要因あるいは財政上の制約等がございますので、そういった考え方はなかなかとり得ない。むしろ洪水が発生いたしまして、いろいろな危険箇所に対応する事由等が優先するというような状況で進めておるわけでございます。
  206. 沢田広

    沢田分科員 荒川の改修は極めて重要な位置を持っている、意味を持っているということは、今までのあれでわかったと思うのですが、まだわかりませんか。どっちです。
  207. 井上章平

    井上(章)政府委員 これは最初に申し上げましたように、首都圏を流れる大河川でありまして、極めて重要という認識をいたしております。
  208. 沢田広

    沢田分科員 しかも被害が出た場合は、相当大きな範囲において多くの住民あるいは生命、財産、そういうものに被害を及ぼすという重要性を持っているという認識は間違いありませんか。
  209. 井上章平

    井上(章)政府委員 そのとおりでございます。
  210. 沢田広

    沢田分科員 ですから、現在行われている五カ年計画が三年ぐらいおくれておるようでありますけれども、その次の五カ年計画の中には取り入れられるという方向で検討する意思はありますか。
  211. 井上章平

    井上(章)政府委員 荒川の改修で今最も重点を置いて進めておりますのは、これは東京都内に入りまして、昔は荒川放水路と言っておりましたが、ただいまは本川でございますが、これの能力増大、これは中流域の水位を下げるためにもぜひ必要な工事でございまして、それに最重点を置いております。  これは御承知のように、いろいろ橋梁等の横断工作物が非常に多うございまして、これらを一つ一つ個別に片づけていくというような問題がございますので、したがって、それがやはり荒川の治水対策の当面の最重点事業でございます。  そのほか中流部におきましては、幾つかの遊水地計画があるわけでございますが、これの周囲堤を重点的に実施いたしております。
  212. 沢田広

    沢田分科員 時間が極めて短くなってきましたから。重要性について下流より上流に向けてやるというのですが、荒川の堤防で一番弱い場所と言われているのはどことどこだと、あなたにはわからぬでしょうけれども、担当者は知っているだろうと思うのでありますが、一番弱い部分はどことどこだというふうに認識しておりますか。
  213. 井上章平

    井上(章)政府委員 私どもが今洪水時に一番心配いたしておりますのは、下流の古い橋梁の周辺でございます。
  214. 沢田広

    沢田分科員 前のキャサリン台風がその前は一番大きかったのでありますが、その後の十号台風その他で危険水位に達し、一番堤防の危険な状態に達した場所はどことどこだというふうに記録に残っていますか。
  215. 井上章平

    井上(章)政府委員 キャサリン台風といいますと昭和二十二年でございますが、その時期の危険地域というのは残念ながら私、存じ上げません。
  216. 沢田広

    沢田分科員 桶川のところと大宮の羽根倉橋のところが堤防では一番弱い、これは古来から言われている状況です。これはもう少し勉強してください。そして、そういう状況であるがゆえに、今の改修計画にプラスして考えられることは、やはり上流にどうしてもダムの建設をして水の調整を図らなければ、もうこれは東京だけじゃなく関東平野全体が大変な被害を受ける状況に今日至ってきておる、その事実の認識が今のような認識では若干――ではもう一つ聞きましょう。二瀬ダムが、水位が上がっているときに放流したら何センチ上がると思いますか、答えてください。
  217. 井上章平

    井上(章)政府委員 荒川の治水対策の概要を申し上げますと…(沢田分科員「いや、二瀬ダムを放流したら幾ら上がるか知ってるかと聞いているんだよ」と呼ぶ)十センチほどだと思いますが、詳しいことは存じ上げません。
  218. 沢田広

    沢田分科員 河川を管理する最高の責任者に近い人が、それぞれのダムが台風時期に放流すると水位がどの程度上がるかは、全国のダムそれぞれ違いはあるでしょう、あるだろうけれども、おおむねの基準というものはあるのですよ。大体荒川で六十センチ上がるのですよ。それで船を流されたり、そのことによってそれはもうえらい被害を受けた例もある。その後、二瀬ダムの放流のときには事前にそれぞれの分野に連絡をするということになるようにしたんだけれども、黙って流したらそういう被害を起こすわけです。  もう時間がなくなったから、大臣、今度の期間は相当長い大臣生活をやるんだろうと思う、すぐことし解散ということでもないだろうと思うので。だからそのつもりになって、我々が今訴えていることに何十万、言うならば埼玉五百七十万、東京都を含めれば千何百万の人間の生命財産がそのことによって守られるかどうかなんだ。今の河川局長のような認識では、勉強程度では我々極めて安心して任せられない。  最後に、時間がありませんから、大東水害の判決から、そして今荒川の実情、こういうものを通じて、下流からやるから何年先になるんだかわからないなんて、そんなことで国民は安心して生きていけないですよ。もう少ししっかりした計画で、あなたのところはこれだけ、いつやりますから、それまではひとつ勘弁してくださいというくらいの能力持たないで何で河川局長なんかやっていられるんです。それはもう少し水を浴びて答えてもらえるようにしてもらわなければ困ると思う。  大臣、最後に、あと一分くらいですから簡単にお答えいただいて、やってもらえるか、そういう方向で努力してもらえるかどうか、お答えいただいて終わります。
  219. 水野清

    水野国務大臣 ただいまの河川局長答弁に十分でなかった、御不満があったようでございますが、河川局のメンバー全体をよく督励いたしまして、先生の御指摘のように、私も千葉県で利根川の方の問題では頭を悩ましておりますので、関東地域全体の、特に人口過密地帯の河川に対する問題をよく勉強いたさせて、明確な御答弁ができるようにさしておきます。
  220. 沢田広

    沢田分科員 以上で終わります。
  221. 山下徳夫

    ○山下(徳)主査代理 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。  次に、長田武士君。
  222. 長田武士

    長田分科員 まず初めに、建設大臣お尋ねをいたします。  欧米諸国との経済摩擦を避けるためには、内需を拡大していくことが何よりも重要であることは、総理大臣もよく答弁をいたしております。そこで私は、内需拡大の大きな目玉といたしまして、住宅建設が大きく取り上げられなければならないと考えます。GNP統計でこの住宅建設を見てまいりますと、昭和五十四年度から五十六年度までの三年間、実質マイナスが続いております。そして五十七年度にはわずかプラス一・七%、そうして五十八年度には再びマイナス五・一%と大幅に落ち込むことが見込まれておるわけであります。こうした住宅建設の不振はどういうところに原因があるのか、建設大臣の率直な御意見を賜りたいと思います。
  223. 水野清

    水野国務大臣 ただいまのお話、総括的な話でございますが、確かにこの二、三年住宅建設がやや落ち込んでおります。しかし、五十八年度、第三・四半期くらいからやや持ち直してきているという実情にございます。しかし、いずれにいたしましても、住宅建設がはかばかしく伸びないということの最大の理由は、今までは成長率の問題で個人のそれぞれの家庭の所得が、ベースアップがかなり伸びておりました、あるいは年末のボーナスその他も相当ございました、あるいは時間外の手当などもございました、そういったことで皆さん方、高成長ということを家計の中で夢見て住宅建設をしてきたわけでございますが、そういうことがまず難しくなってきた。さらに土地が非常に高くなって、地価が高騰したために住宅の一戸当たりの価格がかなり高くなってきた、こういうところに大きな原因があると私は思います。しかし、建設省としましては、無抽せんて住宅金融公庫に対する需要を満たして、努力をしている最中でございます。
  224. 長田武士

    長田分科員 ここ数年住宅建設が非常に不振な状況は今大臣がおっしゃったとおりです。この原因を私なりにいろいろ調べてみますと、大きく分けて三点に絞られるんではないかと思います。  第一は、住宅価格と勤労者の資金調達能力、この乖離が非常にあるということです。第一勧業銀行の調査によりますと、これは去年の十一月の調査でありますけれども、五十七年において、住宅価格は二千六百八十万円なのに、資金調達能力といたしましては、貯蓄が五百九十万円、民間ローンが五百五十万円、住宅公庫が五百六十万円、合計一千七百万円がやっとという状況であります。その乖離は約一千万円ございます。どうしても住宅を建てる場合には一千万円足らぬということであります。五十四年以降この傾向は非常に続いておりまして、五十四年が八百三十万、次は九百六十万、九百九十万、九百八十万というように四年間九百万円台であります。これでは住宅を建てようと思いましてもなかなか手がつかない。一千万円どこかから資金を借りてこないと住宅が建たないというのが実情であります。買いたくても手が出せないというのが大きな原因であろうと思います。  第二番目の原因といたしましては、これは住宅取得者の年齢が若年化いたしまして、低所得者に移っておるという現状でございます。これは大変結構なことでありまして、低所得者にもある程度住宅が求められるという、そういう動きが出てきたということであります。これは住宅金融公庫の調査によりますと、昭和四十九年度におきまして公庫資金を借りた人は、所得階層別に申しますと、第一分位と第二分位が二五・五%、第四分位と第五分位が四八二一%であったものが、昭和五十六年度になりますと、第一、第二分位が五三%、それから第四、第五分位が二四・五%となっておるわけであります。  そこで、私は、住宅建設を促進するためには次の点について大臣の決断を求めまして、ぜひ実行していただきたいということであります。  以上のことを踏んまえまして、第一番目には、公庫融資の限度額を思い切って引き上げたらどうかということであります。五十九年度におきましては、個人の大型住宅の限度額を六百八十万円から七百四十万円に引き上げる予定となっております。住宅価格との乖離が一千万円にもなっておりますから、もっとこの点は引き上げるべきであるということが第一点。  第二点は、返済期間の延長を図れということであります。住宅の耐用年数ともこれは関連いたしますけれども、もう少し延長して、最初の五年間ぐらいは据え置きもしくは利息だけの返済にするように処置を講ずるならば、住宅建設も一歩前進するのではないか、このように私は考えております。現在は返済期間は木造の場合は十八年から、今度五十六年でありますか、二十五年になりました。なお、鉄筋については三十五年であります。私は、木造についてはもう建材も非常によくなりまして耐用年数も伸びておりますから、大体三十年ぐらいはいけるのではないか、このように考えておるわけであります。  その第三は、住宅取得税制の思い切った処置が必要であろう、このように考えております。一応五十八年度からは住宅取得者に対する民間住宅ローン控除は十五万円まで引き上げられました。アメリカではレーガノミックスで大臣もよく御存じのとおり、ローンの返済、これについてはほとんど税金が控除される、このような状況でございます。さらに不動産税も控除されているという状況でございます。どうかひとつ、大臣の英断でもってアメリカ並みの税制改革というのは私は必要だと思います。  以上三点について、簡単にひとつ明瞭にお答えをいただきたいと思います。
  225. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 ただいま先生から御指摘のありました件でございますが、まず第一の、住宅金融公庫の融資限度額の引き上げの件でございますが、これにつきましては、今御指摘がございましたように、五十九年度の予算案におきまして、大型住宅、すなわち百二十五平米から百六十五平米までの大きな住宅につきまして、貸付限度額現行六百八十万円を七百四十万円に引き上げる、財政事情が非常に厳しい中ではございますが、そういう引き上げを実施したいと考えております。それからまた、割り増し貸付額の制度がございますが、この割り増し貸付額につきましても、二世帯住宅等につきまして、二世帯住宅現行六十万円を百三十万円、老人同居等につきましても、おのおの若干ずつの引き上げを行うよう考えております。  それから、第二の御指摘のございました期間の問題でございます。返済額につきましての償還期間の問題でございますが、これにつきましては、木造が御指摘のように二十五年間ということになっております。それで、これは公営住宅の場合には二十年ということでございますし、また所得税法上の固定資産の耐用年数につきましては木造は二十四年、木骨モルタル造の場合は二十二年ということで、現行の二十五年というのが現在のところ妥当ではないかと考えておりますし、これを余り償還期間を延長いたしますと、木造につきましてはやはり質の悪い住宅もございまして、そういうものは耐用年数よりも償還期間が長くなるというようなことがございます。そういう観点で、現行の償還期間で現在のところは妥当ではないかと考えております。  それから、御指摘がございました住宅取得控除制度につきまして、アメリカでやっているような民間金融機関からの住宅取得のための借入金にかかわります支払い利子を所得から控除する制度を導入したらいかがか、これにつきましてはいろいろな御意見がございまして、私どももいろいろ勉強はしておりますが、現在実施されております住宅取得控除制度を、昨年現行の制度を大きく改善をいたしまして、住宅ローンから三十万円を控除したものの一八%まで基礎控除を上げていく、それから控除限度額も十五万円に引き上げております。  なお、この住宅ローンに係る支払い利子を所得から控除するという仕組みが、日本とアメリカでは税制上の仕組みが相当に異なっておりまして、現行の税制ではこのアメリカの制度をそのまま適用することはなかなか難しかろう、むしろ現行の住宅取得控除制度を今後とも活用していきたいというように考えております。
  226. 水野清

    水野国務大臣 ただいま住宅局長から先生の御質問三点についてお答え申し上げました。  実は私どもも決して、住宅金融公庫を利用する、あるいは償還期限を延ばす、あるいは土地価格を抑えるということについて怠けているわけではないわけなんでありますし、あらゆる知恵を絞って何とか住宅建設の戸数を伸ばしたいという努力をしているわけであります。そして特に、今申し上げましたように、償還期限についてはこれ以上なかなかちょっと無理なんじゃないだろうかというようなことから、例えば二世帯住宅のようなもの、親子二代にわたってやるようなものを考え出してみたり、あるいはこれは税制の方でございますから大蔵委員会でお願いをするわけでございますけれども、相続税の先取りのような、いわゆる親御さんが子供さんに家を建ててやるときに五百万までならば贈与税が二十万しかかからぬというような特別な税制を編み出してみたり、いろんなことで、あれやこれやでございますが、やっていくつもりでございます。また、来年度もいろいろなことを考えていかなければいかぬ。そういう意味におきまして、先生にまたいい御提言があれば幾らでも、私どもは決して中だけで考えて仕事をしようと、こう思っているわけではございませんので、御提言があればひとつよろしくお話しいただければと思っている次第でございます。
  227. 長田武士

    長田分科員 私はこの問題を提起しましたのは、大臣、実際問題住宅が欲しくても住宅を求められないという現実、これはやはり私たち政治家たる者は直視しなくてはいけないということなんです。やはり何といいましても、貿易摩擦がこれだけ悪化しておりまして、何としても内需拡大、ようやく景気も上向きである。それに対して何らかの措置を講ずれば、総理大臣が言うように、民間の活力が大きく活用できるというふうに私は見ているのです。そういう点でこういう工夫が必要じゃないかという意味で提言をしたわけであります。  時間がございませんから次に進みます。  住宅都市整備公団にお尋ねをいたします。  現在、公団に寄せられる苦情の中で、いろんな問題があるようでありますけれども、そのトップは騒音問題であるようであります。騒音については実に多くの問題が挙げられております。例えば、流しの水がうるさいとか、あるいは子供さんの泣き声がうるさいとか、いろいろあるようであります。しかもこの中で、ピアノなど心の安らぎを与えるものも実はその中に入っております。その人にとっては、子供さんを教育するためにもピアノをどうしても買わなくちゃならないとか弾がなくてはならないという、そういう生活実態というのは避けて通れません。これが騒音に値するかどうかということは非常に難しい問題であろうと思いますけれども、団地など集合住宅地帯では、この問題は避けて通れない状況であります。中には、住宅公団で一部あるようですね、ピアノを持ち込んではいけないというようなところも現実問題として二、三出てきているようであります。私はまだ調査が進んでおりませんからこの問題は取り上げません。  そこで、公団といたしましては、この問題に対処して将来ピアノ等、部屋を一つ仕切って防音装置をきちっとやるとか、そういう方法の新しい住宅構造というものは考えておるのかどうか、この点をお尋ねします。
  228. 救仁郷斉

    ○救仁郷参考人 私どもが現在やっております隣への音の影響を遮断するという基準が、これは専門の用語で申しわけございませんが、大体四十五デシベルから五十デシベルというような基準でやっております。これはどれぐらいのあれかと申しますと、例えば隣で小さいお子さんがピアノの練習をされるというような場合には、隣で聞きますと大体弾いておられるなということがわかる程度でございます。ところが、例えば音楽学校に行っておられる方あるいは専門家の方がピアノをお弾きになりますと、これは相当な音になってまいりまして、隣にいますと相当うるさいという感じになる、そんなレベルでございます。  これを物理的に解決できないかというようなことてございますが、これにつきましては、ある程度の費用さえかければ不可能ではございませんが、ただこの音の問題は、先生もちょっとおっしゃいましたが、非常に心理的な影響というのが欠きゅうございまして、基本的には隣近所の近所づき合いの中である程度解決していかなければならない面もございます。そういうことで、私ども現在は普通の、例えば小学校に行っておられるお子さんがピアノの練習をされるという程度の構造には対応できると思いますが、それ以上の構造になりますと、もう少し本格的な、大仕掛けな工事が必要になるのじゃないかというようなことで考えますし、また一般的に私どもが公的供給主体としてそこまで、特殊例まで対応する必要があるのかどうかということは、今後検討させていただきたいというふうに考えております。
  229. 長田武士

    長田分科員 そうすると、今後新規に建てる場合は、住宅公団としましてはそういう対応を十分考えるのですか、考えないのですか。
  230. 救仁郷斉

    ○救仁郷参考人 ただいま申し上げましたように、一般的にお子さんがピアノをお弾きになるというようなことについては、これは考慮すべきだと思いますが、それ以上専門家的な方が大きな音でされるということは、一般的には私どもが貴重な財政資金を使って住宅を建てるというような場合に、そういうことを財政資金の中でやることがいいかどうかということは、これはまた検討させていただきたいというように考えております。
  231. 長田武士

    長田分科員 私は、既に建設が終わって入居しております住宅公団の住居でもやはり同じだろうと思います。中には自分のおうちで一部屋そういうふうに防音設備をやろうということでやっておるところも随分あるのですよ。聞いてみますと、大体百五十万から二百五十万ぐらいかかるようなんです。そういう自主的にやったところなんかは公団もある程度補助を出したらどうでしょうか。
  232. 救仁郷斉

    ○救仁郷参考人 私どもの公団は、政府から財政資金あるいは一般会計の利子補給金をいただいていろいろ賃貸住宅等経営しているわけでございますが、そこまでいろいろな補助的なものをやれるかどうか。これはむしろ政策当局からそういうような御指示があれば別でございますが、私どもは現在の苦しい財政事情の中でございますと、特殊と言ったらちょっと語弊がございますが、そこまで高級なあれを私どもがやるべきかどうかというようなことについては、ちょっと検討しなければならないのじゃないかというような感じがいたしております。
  233. 長田武士

    長田分科員 次に、西武池袋線の連続立体事業についてお尋ねをいたします。  この事業については、輸送力の増強と都心乗り入れの利便性を求める地元からの強い要望がありまして、私もこれまで何回となく早期実現に向けてこの問題を取り上げてまいりました。そこで立体事業の重要性を踏まえまして早期完成を強く望む立場から、特に緊急を要する問題について何点か建設大臣に伺っておきたいと思います。  まず初めに、富士見台-石神井公園間の事業認可区間に含まれていない補助百二十二号線及び富士街道にある二つの踏切、これを含む区間についてでありますが、この二つの踏切遮断による交通渋滞の激しさは目に余る状態でございます。この解消ということが、地域の問題といたしまして、緊急課題といたしまして今、大きな大きな問題になっております。そこでこの区間について早急に事業化の必要の手続をとり、その促進を私はぜひぜひ図っていただきたい、こういうふうに考えますが、建設大臣いかがでしょう。
  234. 水野清

    水野国務大臣 詳しくは都市局長からも申し上げますが、簡単に申し上げまして、現在事業認可区間をやっておりますのには、先生のおっしゃった百三十二号線が入っておりません。桜台駅-石神井公園駅間の約七キロの区間を高架化して踏切を解消しよう、これはもう御承知のとおりであります。そして市街地の一体的な発展を図ろう、こういうことで昭和四十六年の一月に都市計画決定をされております。現在そのうち最も緊急性の高い区間として環状八号と補助百三十四号線を交差する富士見台-石神井公園の両駅間約一・六キロを事業認可してやっている最中でございます。ところが、これも現在地元にかなりの反対運動があるそうでありますが、これをやっている最中でございまして、さらにこれが完成した上で先生の御指摘の補助百三十二号に着手をしたい、こういう計画で…(長田分科員「富士街道も入っていますよ」と呼ぶ)詳しくは都市局長から申し上げます。
  235. 松原青美

    ○松原政府委員 原則はただいま大臣が御説明申し上げたとおりでございますが、今先生が御指摘の富士街道というのは非常に細い道路で、道路が細いこと自体が非常に混雑の原因になっている道路かと思います。計画決定をいたしておりますのがこの石神井公園駅の少し外側まで計画決定してございます。富士街道のその踏切のところまで計画決定をしている、こういう現状だというふうに理解いたしております。
  236. 長田武士

    長田分科員 次に、西武八号線練馬-新桜台の事業促進についてでありますが、御承知のとおり西武八号線は新桜台-小竹向原間は昨年十月一日に開通をいたしております。しかし、これに接続する練馬-新桜台間についてはいまだ着工の見通しすらついていない状況でございます。これは都営地下鉄十二号線との関連もございますので、地元からも早期完成を強く望まれておるわけであります。そこで国は、東京都並びに西武鉄道に対しまして練馬-新桜台間の早期着工を要請すべきだと思いますが、この問題につきましてどのように考えていらっしゃるのか、建設省並びに運輸省ひとつ簡潔に答えてください。
  237. 松原青美

    ○松原政府委員 先ほども御答弁申し上げましたが、現在この西武池袋線の連続立体化の問題につきましては、桜台の駅の少し池袋寄りから、先ほど申し上げました石神井公園の少し外側というところまで計画決定されておりまして、そのうち特に緊急に事業を要します環状八号線、それから補助百三十四号線、これは御承知の環状八号線から谷原の交差点に向かう道路でございますが、この道路が最近開通したわけでございまして、この連続立体の部分が残ってございます。この特に事業の緊急性を要しますところをまず行いまして、これを一刻も早く完成させたい。その後に引き続いてこの都市計画決定区間の連続立体化を進めてまいりたい、こういう考えでございます。
  238. 福田安孝

    ○福田説明員 ただいま先生から御指摘がございました西武八号線の新桜台から練馬までの延伸の件、御指摘のとおり、現在工事が進んでおりませんが、一応、用地手当て等は一部を除きましては進捗させてございます。まだ、練馬の高架化の関係が、合意を取りつけてございませんので、着工というところには至っておりませんが、運輸省といたしましては、先ほど御指摘のように、東京都の地下鉄十二号線が入ってまいります。東京都の計画によりますと六十五年ということになっておりますので、それまでには工事を進捗するように西武鉄道を指導してまいりたい、こういうふうに存じております。
  239. 長田武士

    長田分科員 次に、八号線の新桜台駅の駅は既にできておるのですけれども、西武線の桜台駅、これの接続がまだできていないのですね。西武線の混雑緩和、二七三%から三〇〇%と言われておりますこの混雑状況を緩和しようということで、桜台の駅は接続しましょうという当初計画だったのです。私たちもそういう説明を受けたし、現実に私たち調査をいたしました。そういうようなことで、通勤の便あるいは通学の便を図ろうということだったのですよ。ところが、今のところ、どうもあれは接続されていないのですね。あれはどうなってしまったのですか。
  240. 福田安孝

    ○福田説明員 御指摘のとおり、新桜台駅と桜台駅の間の乗りかえの件についてでございますが、私どもといたしましては、西武池袋線の活用というものは、練馬で接続することが最も効果的であろうということから、あの路線が練馬で接続していくと考えております。したがいまして、新桜台と桜台の駅は、現状、駅間距離、それから構造面から考えましても、単独の連絡通路をつくるというようなことにつきましては非常に困難がありますので、今後とも、あれは独立した駅として考え、練馬への、八号線が早期に接続されることを促進していきたいと考えております。
  241. 長田武士

    長田分科員 そうしますと、地元の皆さんはあそこで、桜台でおりて、新桜台の方へ百メートル前後でも、いわゆる乗りかえが可能だということを信じておるのですよ、実際問題。それで、駅ができたらとんでもないところにできているのです。あれでは、とてもじゃないけれども、あそこまで行くのは、桜台の住民はちょっとできませんね。そういう意味で、そういう点はもう一度考え直した方がいいと私は思いますが、どうでしょうか。
  242. 福田安孝

    ○福田説明員 現在のところ、あの区間は八百メートルほど離れておるような状況でございまして、現状から考えますと、単独にそこをつないでいくということは構造上やはり非常に無理が生じるということ、それから、さらに延伸されてまいりましても、ちょうど練馬と新桜台の間は勾配になりますので、駅等つくって連絡をよくするという…(長田分科員「連絡はよくならないんだよ、八百メートルもあったんじゃ。もっと縮める方法はないかね」と呼ぶ)現状は、ですから、新桜台と練馬の間には駅というようなことも考えられるわけでございますけれども、これは勾配区間になりますので、やはりそういうような手当ては無理だと考えております。
  243. 長田武士

    長田分科員 それでは、時間がありませんから、その問題は後でまたやります。  次に、西武池袋線桜台-石神井公園間の既設線高架化区間については、富士見台-石神井公園の事業認可区間以外はほとんど事業進展が図られていない現状です。当初、土地買収はこの桜台地区は一番早く着手されまして、もう土地を手離した人もいるのですね。一体、どうなっているんだというような声も、桜台地区の皆さんはおっしゃっているのです。先日、私も踏切を全部視察をいたしたわけでありますけれども、朝の通勤ラッシュは遮断機が下がったまま、若い女性がくぐっていくんですよ、みんな。将来、これは人身事故になりますね。さらに、車の渋滞たるや、想像を絶するものがあります。そういう意味で、私はこういう――もちろん反対住民も部分的にはいらっしゃいます。だけれども、誠心誠意、環境問題とか、誠意をもって事に当たれば、解決できない問題ではない、私はこのように見ております。この点をまず第一点。  それから続いて、この問題の国からの補助金の問題であります。西武池袋線の立体化を進めるためには、連続立体化事業に対する国の補助金、この枠がちょっと弱いのじゃないかという感じがいたしております。その上に立って西武池袋線の予算措置も積極的にやられませんと、緊急かつ重大な路線でありますから、この点前向きに考えていただきたいということ。  第三番目には、将来、西武池袋線の連続立体事業は、西武線の保谷、大泉の先ですね、あそこまで立体化しなければ何にもならないと思っているのですよ。道路の渋滞を解消するためには、保谷まで延長するというような将来計画がありませんと、国の計画は目的を達成できない、このように思いますが、この三点についてお答えをいただきたいと思います。
  244. 松原青美

    ○松原政府委員 全国の連続立体事業は五十九年度約七百億の事業費を計画いたしてございます。その中で優先順位の高いもの、事業の実施が可能なものから優先的にやっていくわけでございます。  御指摘の、今話題になっております、この西武池袋線の問題につきましては、現在、御承知かと思いますが、四十六年に都市計画決定をいたしましてから、随分時間がたってございます。その間住民と、それから事業主体であります東京都がいろいろ話し合いを進めて、最近では事業ができるという状態になってきたというふうに聞いてございますが、やはり五十八年度の事業におきましても、私どもが配分しました事業費が十分に使い切れない、こういう状況にあるというふうに聞いております。五十九年度も引き続き私どもがこれについて対応してまいりたいとは考えておりますが、地元事情等から事業の実施がなかなか難しい状態にあると聞いておりますので、今後とも東京都の一段の御努力をお願いし、指導いたしたいと思っております。  それから、総事業費の枠の問題につきましては、まあそれで十分と思っておるわけではございませんが、昨今の苦しい財政事情の中で、都市計画街路事業の中からはかなりの部分を割いて、これに充てている現状でございまして、全体なかなかふやしにくい状況にございます。  なお、最後にお話のございました保谷までの延長の件でございますが、何分緊急性が高いということで、四十六年に都市計画決定をいたしました、ただいまお話に出ております桜台から石神井公園までがまだ現在のような状態でございまして、これから先の部分についてはまだ計画されていない現状でございます。
  245. 長田武士

    長田分科員 以上で終わります。
  246. 山下徳夫

    ○山下(徳)主査代理 これにて長田武士君の質疑は終了いたしました。  次に、土井たか子君。
  247. 土井たか子

    ○土井分科員 きょうは時間のかげんがありますから、大きく二つの問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  まず初めの問題は住宅関係の問題なんですが、大きく言うと住宅政策一般にかかわり合いのある問題と申し上げていいかもしれません。現在は、公団住宅、公営住宅、公営の中にも一種、二種ございまして、いろいろそういう公的な住宅の組み合わせの中でどういう住宅を選ぶのかというのが、それぞれのそこに入る人たちのいろいろな判断基準というのがおおむねあるわけでありますが、家族の構成条件が変わるとか、家族の条件が変わるとか、転勤になるとかというふうな事情に見合って、この移りかわりということが人生長い生活設計の中では必ず一度あるいは二度あるわけですね。多い場合は三度ぐらいあるかもしれません。そういうライフステージに合わせた公的住宅の移りかえということを考えてまいりますと、現状は、いろいろそういう経験を持った方々にお尋ねをしてみますと、必ず言われるのは、どうも公団の問題を聞きにいくと、それは公団オンリーであって、公営の方は一切関係なしで、どういうことになっているのかという情報を聞かしていただくことはできない。公営住宅の方でも御存じのとおり県と市とございますから、県の方に行っていろいろお尋ねをすると、県の方では現状こうだけれども市の方はどうなっているかわかりませんという答え方がそこでは出てくる。したがって、一つの場所に行って一遍にいろんな情報を聞かされるということには恵まれていないわけですね。率直に申し上げますとたらい回しみたいな格好で、一生懸命に探すだけでも大変だというふうな実情があるようですが、何とか窓口の一元化といいますか一本化、そういうことが考えていただけないかどうか、そういうことを地方議会などで取り上げて問題にされますと、それはそうですねということで、自治体の中では市のレベルで県と連絡をとり合いながらやるというシステムをとりつつある地域もあるようですけれども、なかなかそれも全体がそうなっておりませんから、大変な御苦労がおありになるようです。このことは、やはり建設省自身がどうお考えになるかということによって全体が変わるわけでございますから、大臣、ひとつこれについて何か取っておきと申しますか、大臣の知恵袋から考えていただける方策というのをぜひとも御在任中に考えていただければ、そしてできたら実現をさせていただければ非常に助かると思うのですが、いかがでございますか。
  248. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 御指摘の点は十分理解できますが、やはり公団住宅、公営住宅、公社住宅、おのおの事業の施策目的が異なりますし、また供給の地域も、例えば公団住宅については限定をされております。それから各事業主体別に募集の時期、管理戸数、団地、こういうものを異にしておるために、多くの公共団体におきましてはそれぞれの担当部門別に別個に対応しているものと思われます。  ただ、御指摘のように、この問題は住民対策、住宅政策上やはり重要な問題でございますので、公共団体が住民サービスの観点からできるだけ御指摘のような形で効率よく対応するように、地方公共団体を集めまして、十分、地域の実情等はあると思いますが、そういったものを聞いた上で指導できるところは指導をしてまいりたいと考えておりますし、また各地方ごとに住宅相談のセンターを現在私ども指導をしてつくってきております。例えば兵庫県で申し上げますと兵庫県住宅建築総合センター、大阪府で申し上げますと大阪住宅センター、これは公益法人でつくっていただいておりますが、そういったセンターで一元的に情報を収集いたしまして、そこに行けばできるだけのことはわかるというようなことで各地の統一的な窓口として機能するように指導していきたいと考えております。
  249. 水野清

    水野国務大臣 土井先生の御指摘の話はごもっともだと思います。確かに兵庫県でも私の千葉県でもそうでございますが、各種の公営住宅、公社住宅、公庫住宅それぞれが建築をしておる。家を探す人からいえば、それぞれのところに行かないと情勢がわからない、今すぐでなくともことしいつ建つかわからない、そういうことが一カ所に行ってわからないかということであります。これは今住宅局長も申しましたが、そういう組織もある程度あるわけでありますけれども、恐らくまだ十分に機能してないんじゃないかと思います。逆に言いますと、先生の御質問があるというので私はちょっと考えてみましたが、町で住宅のいわゆる情報誌として売っております。こんな厚い雑誌が毎月出ておる。ああいうものが売れるということは、そういう需要が非常にあるのだということ、公営、公社住宅だけでなくて一般の賃貸その他も含めてそういう情報誌というものが売れておるということは、そういう必要性があるというふうに私も考えたわけでありますが、そういう組織も既にある程度できておるということでありますから、関係機関を集めて積極的にやってみたいと思います。
  250. 土井たか子

    ○土井分科員 これは積極的にさらに窓口一本化、一元化というのを、できたら大抵住んでいらっしゃる一番身近なところ、というと県ではなくて市町村になるわけですから、町村になると大変細かくなり過ぎるかもしれませんが、市役所あたりに行けばそれがわかるようなシステム化というのも考えていくべきではないかということも思うのですね。これほど情報化時代でございますし、コンピューターはじいたらすぐわかるというような時代でもありますから、そこのところは、やはり大臣の御答弁でありますから、精力的に進めていただいて、ぜひとも公的な住宅についての情報は、住宅情報という民間の売っておる雑誌に頼るのではなく、もちろんそれもありますけれども、政府の方で責任を持っていただくということをもう少ししっかり果たしていただくことがこの節切望されておるということを申し上げたいと思います。  それから、先日、私は公営住宅への独身の女性とか男性の入居というのがどういう取り扱いになっておるかということをあらましお尋ねをしていろいろ教えていただいたのですが、公営住宅法での取り扱い、これは法律が変わらないと女性については五十歳以上、男性については六十歳以上ということを変えることは難しいようですから法の改正の問題になると思いますが、いま公庫の方はこれに対して年齢制限がないようでございますね。それで、同じように公営でありましても、取り扱いを五十歳ではなくて四十歳ということにしておる市もあるようであります。一律じゃないのです。だから、公庫の方からすると年齢制限なしになっておるわけですから、本来は五十歳以上とか六十歳以上という年齢制限というのはどういうわけで置かれたのか、それなりの理由があったのでしょうけれども、これはない方がいい、制限を外した方がいいというふうに考えられますが、いかがでございますか。
  251. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 ただいま御指摘の公営住宅の単身入居の点でございますが、昭和五十五年に公営住宅法を改正いたしまして、それまでは公営住宅につきましては単身入居の道を閉ざしていたわけでございますが、これを、女子五十歳以上につきましては、それから男子六十歳以上については、単身入居も認めるということにいたしました。男子と女子で年齢差をつけましたのは、実は女子の場合に、五十五年の改正時点で、五十歳から五十九歳までの割合が、昭和五十年の国勢調査によるものでございますが、全人口のうち約七%程度でございまして、四十五歳から四十九歳までの世帯率等に比べまして、この辺が若干だんごのような形で多い。これは、終戦時にちょうど適齢期をこれから過ごすという御婦人方が多くございまして、そういう関係でその辺に独身の方が多かったようでございます。そこで、いわば戦争の犠牲者でございますので、こういう方々を公営住宅にも入居させていこうではないかということから、特に女性につきましては六十歳以上というのを五十歳まで引き上げたということでございます。  しかしながら、その後、五十年から若干時間もたちました。かつまた、単身世帯が次第に大都市を中心にふえてきている。そこで、こういった問題につきまして、やはりこれは住宅政策一般の問題であるということで、昨年住宅宅地審議会に住宅政策は今後いかにあるべきかということで一般的に諮問をいたしておりますが、この審議会の中で各先生方から御意見をいただいて今後の政策に反映をさせていきたいと考えております。
  252. 土井たか子

    ○土井分科員 それはそうすると審議会の答申を待ってという形でしょうが、答申はいつごろ出るのでございますか。
  253. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 答申につきましては、途中中間報告をいただきますが、これは大体ごとしじゅうに居住水準等につきまして中間報告をいただく予定にしております。それから、全般の問題につきましては翌年以降でございます。
  254. 土井たか子

    ○土井分科員 少し長期レベルで考えなければならないような御答弁にもなってくるようですけれども、これはやはり現状からするとおっしゃるとおりなんです。大都市圏なんかでは五十歳以上ということではちょっと賄い切れない部分というのがどんどんふえていっているというのが現実でございますから、少しこの点の見直しというのをやっていただかなければならないなということが実情としてございます。  それと、心身障害者向けの公営住宅、これもあわせてそのときにお尋ねしたのですが、全国的に見ると、これは各府県レベルでずいぶんばらつきがございますね。戸数の上からいったら、だんだん精力的にふえていっている県もあれば、全然ゼロのままで今日まで至っている県もございまして、心身障害者向けの住宅に対しては大変なばらつきがあるというのが一覧表をいただいたのを拝見してみるとはっきりするわけですが、これはどうなんでしょう。単身者向けの住宅についても同じようなばらつきがある、これも常に言われておるようです。したがいまして、特に大都市圏を中心にこういうことに対しての要求というのはどんどん強まってきているし、これから一層強まるということは火を見るより明らかなので、その点の整備というのをひとつ申し上げたいと思いますが、大臣、これについて言いただいて、次の問題に移りたいと思います。
  255. 水野清

    水野国務大臣 実は今先生の御質問を聞いて感心しておったのですが、おっしゃるとおり、最近例えば離婚の数が非常にふえているとか、いろいろなことで母子家庭がふえている。父子家庭なんというのもありますから、いろいろ需要が多様化しております。ですから、例えば身体障害者向けの住宅なんということはかっては特別に考えなかった時代もあったわけですが、そういうこともあわせて、少し公庫あるいは住宅公団の方針を指導していきたいと思います。
  256. 土井たか子

    ○土井分科員 住宅政策となるとまだいっぱいありますけれども、これはまた別の機会に、建設委員会にでも時間をいただくことができれば、質問の機会を予定させていただきたいと思いますが、あと一つは、これはダムに関係のある問題でございます。  大臣も御存じのとおり、兵庫県に猪名川という川がございまして、この川の周辺で平均すると十年に一度ぐらいに大きな洪水が今までにございました。今まででは、昭和二十八年の台風十三号、昭和三十五年の台風十六号、その都度大きな被害が出たわけですが、昨年の被害もこれは非常に欠きゅうございまして、百七十戸ぐらいの浸水家屋が出たというのが昨年の被害の中身ですが、九月二十八日の台風十号の豪雨による被害なんでございます。一庫ダムはこの猪名川につくられたダムでございます。本来、こういうことも認識の上で、都市用水を確保するということと洪水を防止するといういわゆる多目的ダムであることは言うまでもございません。  ここで私は、あの昨年の洪水、浸水、大きな被害を見ておりまして、ほかにも理由があるでしょうが、これは大きく分けて二つ建設関係ではお考えをいただくそのポイントがありはしないかと思うのです。  その一つは、ダムと河川整備による治水対策、遊水、保水機能の確保ということを柱とした猪名川流域整備計画というのが既に市レベルでもちゃんとつくられているのですが、なかなかこの中身に対して予算がつかないと進めることができないという実情があるのは全国同じことでありますが、猪名川の上流の今回大変な被害を受けた地域が未整備地区だったのですね。なぜかといったら、この疎通能力というのが非常に低いのです。例えば、地点で申しますと、絹延橋という橋がありますが、その付近では推定毎秒約千トンぐらい、銀橋という橋がありますが、この付近では大体推定毎秒六百トンぐらいしか疎通能力がないということで、大変な被害があったということでもありますから、この辺の対策というのが急がれるというのは言うまでもない話なんです。この辺に対して建設省に、県からも市からも、力を入れて言ってみますという当時のお話であったのですが、その後建設省としてはどういうふうにこれに対応する対策を考えておられるでしょうか。その辺いかがですか。
  257. 井上章平

    井上(章)政府委員 猪名川につきましては、昨年の九月二十八日から二十九日にかけて大きな災害をこうむったわけでございます。この河川は、上流が近畿圏の非常に都市化の進行している、住宅開発の進んでおる地域でございますので、そういった河川につきましては、下流の河川改修を促進することもさることながら、上流の開発によっていたずらに洪水流量が増大してそのために下流の河川の治水安全度が低くならないように、流域全体として治水対策に取り組むべきであるということで、総合治水対策特定河川に指定いたしたわけでございます。それで、流域協議会を設置いたしまして整備計画をつくりまして、それに基づいてただいま鋭意進めておるわけでございますが、何といいましても、川西池田地区、それからその上流の多田地区の河川改修を急ぐ必要があるというふうに考えて、ただいま鋭意進めておるところでございます。
  258. 土井たか子

    ○土井分科員 確かにそうなんですね。ダムが洪水調節とか洪水防止ということのために建設されている目的を具体的に遂行しようとすると、河川改修が同時にダムと連結して行われていないとダムの機能というのは十分に果たし得ないということは言うまでもない話で、今その辺の認識というのははっきりお持ちになって進めていらっしゃるという御答弁ですが、具体的に言うとその河川改修はどういうことになりますか。一体いつごろどういうふうにしたいとお考えですか。
  259. 井上章平

    井上(章)政府委員 私どもといたしましては、総合治水対策特定河川につきましては、おおむね発足いたしまして十年間にある目標を、この場合は洪水流量を確率にいたしまして大体十分の一、確率十分の一の洪水に対して安全になるように十年間で整備しようという考え方で進めておるわけでございます。
  260. 土井たか子

    ○土井分科員 その整備の計画はいいのですけれども、この部分については、被害が起きて、それからこれに対する河川改修ということについて具体的に今年度はどうなるのか、それから今年度はどこまでどうなるのかということが大変な関心事になってきているわけですから、そこのところを今年度はどうなるかということを、大変しつこいようですけれども、詰めてちょっと聞いてみたいと思います。
  261. 井上章平

    井上(章)政府委員 川西池田地区でございますが、この地区につきましては、御承知のように住家連檐地域でございまして、しかも横断する構造物が非常に多いというような非常に難しいところでございます。特に、現在の川幅が七十メートル程度でございますので、これを-失礼いたしました。川幅を幾らにするかということはちょっとわからないわけでございますが、ただいま申し上げましたように、両岸の家屋を大幅に立ち退かせまして川幅を確保するというような工事を進めております。これにつきましては地元の御了解、御協力を得ませんとなかなか進まないという問題がございます。  それから多田地区につきましては、ようやく一部買い取り請求等につきましては応じておりますが、積極的な用地買収については五十九年度から入りたいと思っておる次第でございます。この地点は川幅が大体四十メートルから五十メートルでございますので、おおむね六十メートルぐらいに広げたいという考え方で進めております。
  262. 土井たか子

    ○土井分科員 それはわかりましたが、河川改修も確かに周辺の家屋との関係があって難しい問題もございますけれども、やはり洪水対策という点からすると非常に大事な問題でもありますから、さらにその点は鋭意ひとつ御努力をお願い申し上げたいと思うのです。  それで、もう一つはやはりダム自身の機能性の問題です。細かいことを言っているとそれだけで時間がたってしまうわけですが、被害があった昨年九月二十八日の午後二時半ごろから先ほど申し上げた銀橋付近で水が逆流してあふれ始めまして、五時ごろには流域の約五百戸が最高一・五メートルまで浸水したわけです。もちろんそこに通っております電鉄の電車もそれから車も通行不能になりました。一庫ダムからはこの間ふだんの二倍以上の毎秒最高二百八十五トンの放水がずっと続いたわけです。ダム管理所と市役所には、家が水浸しになる、放水をやめてくださいという悲鳴にも似たような電話がずっとかかり続けたと言われているのですが、しかし、後で公団側にもお尋ねを住民の側からしておられますし、管理所に対してもお尋ねをしておられるわけですが、その釈明を見ておりますと、「ダムの水位は、六月から十月まで、洪水に備えて低くしておかねばならず、一庫ダムの放流量は「流入量が毎秒二百トン未満の時はそのまま流し、それ以上は二百トンと超過分の四〇%を流す」と、河川法に基づく操作規則で決まっている。これを破ることは禁止されている。規則以上に貯水した後、さらに雨が強くなったら大量に放水するしかなく、より大きな災害を招く」、こう言われているということが新聞記事にも載っておりますし、当事住民の方々が集まられた説明会の場所に私自身も後ろの方で出席しておりましてそういう説明があったのをお伺いしているわけですが、こういうふうな説明がなされたということは事実でございましょうね。いかがでございますか。
  263. 井上章平

    井上(章)政府委員 事実のようでございます。
  264. 土井たか子

    ○土井分科員 それで、確かにこのダムに対する操作規程というのは、河川法の四十七条によると、「操作の方法について操作規程を定め、河川管理者の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」このように規定されていることに従ってのこれは規程だと思うわけですが、さて、これはどうなんでしょうね。私は見ておりまして、現在の法規、きょうも非常に建設省の方に御無理をお願いして、施設管理規程から操作規程から、そして当時のアメダスの一連のコンピューターにかけたこんなものでありますけれども、前日、当日、翌日と全部いただきました。それから、宇宙衛星から見たところの写真も大きなこれを持ってきていただいている。私は素人ですからいろいろきめ細かな操作上の技術はさっぱりわかりませんが、しかし、やはり住民の方々が思っていらっしゃる疑問は確かに私は一つの大変な疑問点だと思うのですね。それはどういうことかというと、どうも現在のこの規程によって考えてまいりますと、現在の法規ではダムの放流量というのは貯水位とそれから流入量だけから算出されるようになっているように私は思います。どうもその雨が降るときの降雨のタイプ、それは停滞前線によるとか雷雨の雨によるとか、雷雨だったら一時的なものです。それかる夏台風によるとか秋台風によるとかということで随分違ってくるのではないか。そういうことの区別というのがさっぱり問題になってないのですね。最近は気象データだって「ひまわり」を通じて随分きめ細かなものが即刻わかると同時に、この場合の一週間の天気予報というのを私も見てみますと、週間予報なんかを見ますと、二十八日から後四日に至るまでの週間予報の中では事前にどういう状況になるかということも予測できるということがはっきり手にとるようにわかるわけです。こういうことがどうもはっきりこの規程の中に定められてなくて、単に貯水位と流入量だけから算出して、放水していいか悪いか、どれだけの放水をするべきかという計算が、計算値としてこういうことを基準に考えなさいということがここに出てきているわけですが、これはちょっと現在のこういう規程のつくり方としたら不十分というよりも実情に即応した規定の仕方になっていないのではないかということを思うわけですが、いかがでございますか。
  265. 井上章平

    井上(章)政府委員 河川法上のダムの操作規則でございますが、河川管理施設につきましては河川法第十四条の規定に基づいてつくられるものでございます。ところで、ただいま先生からお話がございましたことでございますが、ダムの洪水調節はいわばこれから発生するであろうあらゆる降雨現象に対して下流の受益地域に最大の洪水調節効果を発揮せしめるように計画される必要があるわけでございます。問題は、個々の洪水の発生に際しそれがどういうタイプであるかということは、今日のところ降雨予測技術が十分開発されていない現状では、それをあらかじめ予測して洪水調節を随時に行うということは到底できない。むしろ、そういうことによりまして、後段さらに降雨が予想に反して継続したような場合には、ピーク時において洪水調節ができないというような不測の事態すら発生しかねないわけでございますので、私どもといたしましてはなかなかそういうふうな随時操作に踏み切れる状態にはならないというふうに考えておる次第でございます。
  266. 土井たか子

    ○土井分科員 時間ですからきめ細かいことは一切省きますけれども、どうも私どもがいろいろ見てまいりました経過によって申し上げますと、九月二十八日の午後五時ごろ銀橋での流量というのは千百トンで、銀橋での猪名川の容量六百トンを五百トン超えているという格好になるわけですね。ところが、その時刻の一庫ダムの放水量というのは二百八十五トンなんです。洪水量の約六〇%なんですね。一庫ダムは上の洪水前の同日正午に全水門を閉じて放流をとめても危険な状態にはならなかったというふうに思うのです、考えていきますと。なぜかというと、同日正午の貯水位は百二十三・八メートル、貯水量というのは十四・八万トンですね。十四・八万トンというのはおかしな言いようをしますが、ダムの余力というのがまだ十八・五万トンくらいあるのですね。同日正午から翌二十九日の九時までの全流入量というのを見ますと、十三・四万トンを貯水してもなお五・一万トンの余裕が残るという推定が成り立つのです、これを計算していきますと。だから、そのときには放水をしないであの二十八日の夜半から一部放水をすれば、もっと余裕があったし、でき得ることではなかっただろうかということを思うのですね。  いろいろ御説明の場所でも聞いておりますと、あの時点で放水をしなかったときにさらに大雨が降ったらもっと大きな災害が起こるのでという説明もされております。今の御答弁のとおりで、どうも雨のタイプとか雨の予測というのはしがたいのでというふうなこともあるかもしれませんが、秋台風の通過後はいわゆる台風一過の秋晴れというのが普通でして、当日の予報や気象衛星からの写真、アメダスのデータ等々を見てまいりましても、時間的変化から考えて、二十八日午後九時以後は、一、二日間は大雨があるとは考えられないのです。私もここに気象データというのをずっと収録してみましたけれども、考えられないのですね。  そういうことからいたしますと、次に管理事務所長の裁量の範囲というのがどうも明確じゃない。明確にそういう裁量の範囲というのが決められることによって臨機応変の措置というのが実際にはとられるということが初めてできるわけですが、裁量の範囲というのがどうも明確じゃない。この点がやはりこの規程ではちょっと今後考えていただかなきゃならないポイントじゃなかろうかなということをしきりに思うのです。いかがですか。
  267. 井上章平

    井上(章)政府委員 五十八年の九月の洪水の状況を見ますと、結果論的には先生がおっしゃるような形になりました。八〇%を超える空き容量を残したまま洪水が去ったというような状況でございます。したがって、そういった洪水のタイプあるいは降雨状況を判断して的確に前もって随時操作ができないかどうかということであろうかと思います。     〔山下(徳)主査代理退席、主査着席〕 しかしながら、やはり私どもといたしましては、このダムの操作規則を見ますと、いわゆる一定率、一定量カットをいたしております。つまり、ある流量を超えますと一定率でカットする、そしてピークに到達したら放流量を六百五十トンに抑えるというような形でダムの容量が決まっておるわけであります。ダムの容量は有限でございますので、これが操作を誤ったからといって後で回復する手段がないわけでございますので、やはり私どもは、すべての洪水に間違いなく効くようにという形になりますと、なかなかこの操作規則外の随時操作に踏み切れない状況でございます。  ただしかし、御指摘ございましたように、減水期に入りましては、明らかに例えば台風の場合その当該地点を去ったということでありますから、そういうことにつきましては随時判断いたしまして、減水期についてさらにカット量を増大する、つまり放流量を減少するということは行っております。今回の一庫ダムについても、そういう操作を行ったわけでございます。
  268. 土井たか子

    ○土井分科員 もう時間ですからやめますが、ただ機械的にこの水位がどうだ、それから流入量がどうだという計算からこれは放水すべきであるかどうかというのが算出されてやられたために今回のような被害が出たということがこれはしきりに地域でも言われますし、したがって、改めてこれを見てみたのですが、これはこの規程の中で、管理事務所長の裁量の範囲ということを明確にしておくというのは、どうしても今後の大きな課題になっていくであろうというふうに私自身は思っているのです。やはりこの辺は臨機応変の措置ということが望まれますからね。いろいろなデータを駆使してやっていかなければなりませんから、そのデータを駆使してやるのについては、一律に水位を決めたり流入量を決めたりしてそれでやれということで賄い切れるものじゃないと私は思いますよ。だから、この辺はひとつお考えいただきたい。再度規程については検討していただくということを申し上げたいと思うのです。  さて最後に、これは一点だけ、おかしいな、間違いじゃないかなと思う点に気がつきましたから、これは間違いなら間違いですということをおっしゃっていただきたいと思います。  一庫ダム施設管理規程の中の十五条にございますここの文章、「所長は、次の各号に定める方法により洪水調節を行わなければならない。ただし、水位が、洪水期間にあっては制限水位、非洪水期間にあっては常時満水位より著しく低い場合又は標高一四九・四メートル以上にある場合で、気象、水象その他の状況により特に必要があると認めるときは、この限りでない。」となっていて、これは放流することについての規定なんですね。洪水調節。これは百四十九・四メートル「以下」でなければならないんじゃないですか。「以上」というのは間違いなんじゃないですか。
  269. 井上章平

    井上(章)政府委員 これは「この限りでない。」という場合に該当する条件を言っておるわけでございまして、この「一四九・四メートル以上」といいますのは、ダムの洪水調節容量を相当使ってもう八割ぐらいになった、さらに規則操作をやりますと危険であるというような場合があるときは「この限りでない。」と言っておるわけでございますので、その限りにおいて過ちではないわけでございます。
  270. 土井たか子

    ○土井分科員 標高というのは水位の高さでしょう。だから、その水位の高さが百四十九・四メートル以下になったときにはそれ以上放流することは困るということが言えるかもしれませんが、これは「標高一四九・四メートル以上にある場合」と言っているのですよ。これはちょっとおかしいんじゃないかということを私思いましたから、もうそれは間違いか間違いでないかだけで結構です。
  271. 井上章平

    井上(章)政府委員 間違いではございません。
  272. 土井たか子

    ○土井分科員 おかしいな。どうも理屈に合わないですね。もう一度、しかし、そこのところ、ちょっときっちり読んでみてくださいませんか。ちょっと私はおかしいと思いますよ。  それで、規則に対してのやはりそういう意味での常時検討というのは非常に大事だと思われますから、大臣、やはりその辺建設大臣として御留意をひとつお願いしたいと思います。よろしゅうございますね。
  273. 村田敬次郎

    村田主査 これにて土井たか子君の質疑は終了いたしました。  次に、岡田正勝君。
  274. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 まず冒頭に大臣お答えをいただきたいと思うのでありますが、三原バイパスのことでございます。  御承知のとおり、山陽道におきましてこの三原というところは昔から海陸の要衝でございます。海陸の要衝でありますだけに、地形が非常に狭隘で、二号国道一本しか実は通っていない。しかもこれが二車線ですね。二車線といいましても上りと下りと一本ずつというような状態でございまして、三原までは上りも下りもうまく来るのでありますけれども、三原のところでのど首絞められたようになりまして、大変な渋滞なんでございます。これは、ひとり三原の発展を妨げておるのみならず、その二号国道を利用なさいますドライバーが全国的に迷惑をしていらっしゃるわけですね。それで一日も早くバイパスをというのが市民の願いでありまして、当局の方でもこのことを早くから察知されまして、昭和四十六年には早くも第一回のバイパスの建設案を建設省から御提示があったのであります。ところが、いろいろな支障がありましてお流れになっちゃって今日に及んでおるわけでありまして、昨年第二次案とでも申すべきうんと山寄りに入ったトンネルがたくさんできるようなバイパス案というのが提示されました。その提示がありまして以来三原の市民というものは、いつバイパスができるんだろうかというのでみんなが期待して首を長くしておるわけです。それでどうなっておるのかどうもよくわからないというところがございますので、この問題についてはひとつ大臣の方から及びます限りの御回答をいただければ非常にありがたいと思います。
  275. 水野清

    水野国務大臣 三原バイパスの現状と見通しについてという御質問であろうと思います。  一般国道二号三原バイパスは、三原市街地におきます現国道の交通混雑緩和と交通安全の確保を目的とした延長九・九キロのバイパスでございます。  さて、このバイパスは昭和四十六年度に事業に着手をいたしましたが、先ほど先生のお話しのとおりでございますが、沿道地域において環境問題に起因いたします反対運動が起こりまして、その後ルート及び環境対策について一部見直しを行い、昭和五十八年度、今年度から広島県及び三原市において都市計画決定のための手続を現在進めている最中でございます。この都市計画の決定を待ちまして事業の進展を図っていきたい、かように思っております。
  276. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 大変明快な御回答でありがとうございました。  ということになりますと、三原市並びに広島県の都市計画決定が行われ次第これは着工していきたい、住民の期待にこたえるよう速やかにやりたい、こういうように受け取ってよろしゅうございますか。
  277. 水野清

    水野国務大臣 そのとおりでございます。
  278. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 ありがとうございました。  それでは次の問題に移らしていただきますが、それに関連をいたしまして、実はこれは運輸省にもお願いをしておる新空港にも関連があるのでありますが、まず山陽自動車道のことについてお尋ねをしたいと思うのであります。  これは願いを込めてのお尋ねでありますが、今お聞きのとおり三原というところでなかなかバイパスの問題が進まないという一つの大きな問題点もありますが、広島県といたしましては昭和六十五年度にアジア・オリンピック大会を広島に招きたいというので今随分運動を激しくやっておるところでございます。閣議の方にも近々のうちにはかけていただくぐらいに進みたいと思って、県選出の二十一名の国会議員、与野党力を合わせて実は一生懸命頑張っておるところであります。  そこで、この新空港の問題に関連をするのは、今のアジア・オリンピックの問題とみんなセットで関連するのでありますけれども、何といっても交通が現在の二号国道だけという状態ではもうどうにもならない。それで中国縦貫道は幸いにいたしまして昨年されいに山口県まで貫通をして大変関係住民が喜んでおるのでありますが、この中国縦貫道まではまたはるかな距離があります、中国山脈の尾根でございますから。そこで山陽自動車道というものの貫通が一日も早かれということを広島県民は大変懇望しておるわけでありますが、これがどうなっておるのか、現在の状況、将来どういうふうになるんであろうかということを大変心配しておりますので、発表できる限り詳しい発表をお願いをいたしたいと思う次第であります。
  279. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 山陽自動車道の現状及び見通しについて御説明させていただきます。  山陽自動車道は、神戸市において中国縦貫自動車道から分岐し山口市で再び合流する全体延長約四百三十キロメートルの高速自動車国道であります。既に全線の基本計画が策定済みであり、また三木市から姫路市間二十三キロと廿日市町から大竹市間二十六キロを除く三百八十一キロメートルにつきましては整備計画が策定されており、このうち竜野西インターチェンジから備前インターチェンジ間二十五キロメートルが既に供用されております。残る区間につきましても、日本道路公団において工事用地買収及び一部区間において事業実施のための調査を鋭意推進しているところであります。  今後の見通しにつきましては、第九次道路整備五カ年計画期間内に既供用区間を含め百七十四キロメートル、これは全体の延長の四〇%に当たりますが、この区間の供用を予定いたしております。また、基本計画区間約五十キロにつきましても、現在整備計画策定のために必要な諸調査を進めておるところであります。
  280. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 そこで今度は具体的にお尋ねをいたしますが、広島県内の福山から広島までの間、これは三つか四つの区間に分けていただいても結構でありますが、これは現状は一体どういうふうになっておって、将来どうなるのであろうかということをお示しいただきたいと思います。
  281. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 山陽自動車道のまず福山市付近の現状とその整備見通し、それから続きまして広島市付近の現状及び見通しの両方を説明させていただくことによって先生の今の御質問お答えできるのではないかと思いますが、山陽自動車道の福山市付近につきましては、現在岡山インターチェンジから福山西インターチェンジ間七十二キロメートルについて用地買収及び工事を推進しているところであります。このうち倉敷ジャンクションから福山西インターチェンジ間五十八キロの、区間については、第九次道路整備五カ年計画期間内の供用を目途に地元の御協力を得ながら事業の推進を図っているところでございます。  また、広島付近についてでございますが、現在西条インターチェンジから廿日市インターチェンジ間五十三キロメートルについて用地買収及び工事を推進いたしております。また、河内インターチェンジから西条インターチェンジ間十一キロメートルについては、昭和五十八年十一月に路線発表を行い、現在地元に路線説明を行っております。このうち広島ジャンクションから廿日市インターチェンジ間三キロメートルについては、中国横断自動車道広島北インターチェンジから広島ジャンクション間十四キロとともに昭和六十年三月に供用する予定であります。これにより広島都市圏が高速自動車国道を利用して九州圏、近畿圏等に、中国横断自動車道、それから中国縦貫自動車道を通じましてですが、直接結ばれることとなります。  なお、第九次道路整備五カ年計画期間内に西条インターチェンジから廿日市インターチェンジ間五十三キロの供用を目途に地元の協力を得ながら事業を進めていきたいと考えております。
  282. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 そこで今の、後でお尋ねをいたします新空港、用倉ですね、内定をされております。倉空港、それの活用、いわゆる広島から四十五分、福山から四十五分、ちょうど真ん中に位置するようなところへ新空港の予定がされておるわけでありますが、この山陽自動車道は、これは用買の関係がありますから見通しというのは非常に難しいと思いますけれども、大体いつごろ開通できるようなお見込みでありましょうか。
  283. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 今お尋ねの広島から福山西間でございますが、広島-志和間が現在工事中であり、それから志和-西条間が路線発表して地元協議中であり、それから西条-河内が路線について地元と協議中、それから河内-福山西が路線調査中というようなことで、この区間全部が供用開始できるのは六十年代後半と考えております。
  284. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 よくわかりました。  そこで、これはちょっと無理かもわかりませんが、この広島県内の山陽自動車道が貫通するのに要する見込み額というのは大体わかりますか。
  285. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 ちょっと手元にその数字を持たないのですが、実は山陽道全体の六十年以降残事業は約一兆二千億でございます。
  286. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 残事業というのは何キロメーターですか。
  287. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 約四百キロでございます。
  288. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 その四百キロメートルほどの残事業に要する見込み額が一兆二千億円ということでよくわかりましたが、広島県内では残事業と称するのが何キロになるのでしょうか、この四百キロに相当する残事業というのは。
  289. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 百五十一キロでございます。
  290. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 よくわかりました。  それでは次の問題でありますが、中四国架橋、中でも私が御質問申し上げるのは尾道から今治までの分でございますが、因島大橋が、すばらしい、まさに東洋一の大つり橋が昨年総選挙の告示の日に開通になりまして、残念ながら選挙のためにどの方も開通式には御出席ができなかったというのでございますが、大変地元民は喜んでおります。また、なかんずくその因島大橋におきましては、立派な車道以外に、その下にあわせて歩道それから自転車道、こういうものが併設されまして、今やもう観光の名所となって大変な混雑ぶりで、もう道路の使用料の収入というのはウナギ登りに上っておるというので、地元の私どもも大変喜んでおるのでありますが、残念ながらこれは巨大な経費を要するものでありますから因島までしか今ついておりません。これが願望の今治まで貫通するのには一体どのくらいの日にちとどのくらいの見込み額がかかるものか、お教えいただきたいと思います。
  291. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 本四架橋の三ルートについては、長期的には三ルートとも完成させていきたいということでございまして、当面は、昨年の臨調の答申に基づきまして、手をつけております一ルート四橋の完成に鋭意努力していきたいというふうに考えております。  そこで、先生御指摘のこの尾道-今治ルートにつきましては、大三島橋と因島大橋が既に供用されておるところでございます。残っておりますのが生口橋、多々羅大橋、来島第一、第二、第三大橋、それから新たに尾道橋、ここは道路公団の一般有料道路の分として二車線のものが現在あるわけでございますが、将来はここにも必要であるというふうに考えておりますので、まだこれから手をつけなければ全線が開通しない橋が六橋あるわけでございます。この六橋については、地域開発橋としていろいろな調査を実施しておるところではございますが、今の段階でいつ手をつけるということはまだ申し上げられない状態でございます。
  292. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 一ルート四橋という方針は固まっておるわけですね。そこで、今の今治と尾道の関係で六橋ほどまだあとかけなければいかぬわけですが、見込みがなかなかたっていないということですが、例えば一つなら一つこの橋は来年から着工するとか、そしてそれはいつごろ完成するとかいう程度のことはおわかりになっておるんじゃありませんか。
  293. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 尾道-今治ルートについて、既に手をつけているものについては完成の目標を掲げて工事を進めておるわけでございます。それは伯方・大島大橋でございまして、六十二年度までに完成することを目途といたしております。  さて、残りの未着手橋梁六橋につきましては、自然条件調査や地盤地質調査等基本的な条件の把握に努めるべく調査を実施しております。特に生口橋につきましては、因島大橋及び尾道大橋を経て生口島を本土に直結し大きな地域開発効果が期待されるものでありますので、昭和五十九年度から橋梁形式の検討などを進めるとともに、計画設計に必要なボーリング調査なども進めてみたいと考えております。
  294. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 ありがとうございました。  生口大橋につきましては、昭和五十九年度というのですから今年度から形式の調査あるいはボーリング調査に取りかかってみたいというお考えであるというふうに承ったんですが、そのとおりですか。
  295. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 調査につきましては全ルートに実施しておるわけでございまして、生口については六橋の中でも重点的に進めていきたいというふうに考えております。
  296. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 よくわかりました。  これは予定外の質問になりまして甚だ恐縮でございますが、海運業者との取り決め等の問題もあってなかなか答弁のしにくいことかもわかりませんが、いまお話しになりました古くからついておる既設の尾道大橋でございます。この尾道大橋につきましては、道路公団が使用料を取る関係ではもうとうの昔にペイされている。もうきれいに償却が済んでおる。だけれども、海運業者との関係でその使用料を廃止するということがなかなか難しいというお話を聞いておるのでありますが、大体、減価償却が済んだらもう道路使用料は取らないというのが本当じゃないんでしょうか。
  297. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 尾道有料道路は、道路公団の一般有料道路でございますから、原則として建設費及び管理中の維持管理費等が償還されれば無料になるものでございます。ただ、道路整備特別措置法五条で、維持管理に大きな費用を要するものについては、その維持管理に要する費用を徴収することができるようにはなっております。現在その維持管理費を徴収しておるのは関門トンネルだけでございますが、今後はそういうものもふえてくるかと思います。ただ、この尾道有料道路についてはまだ償還いたしておりません。ただ、前後の取りつけ道路を改良することによって容量をある程度ふやせますので、取りつけ道路の一部改良をやっておるところでございます。
  298. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 突然の質問でありますから御迷惑ならば答弁を控えていただいても結構でありますが、今地元で専ら評判になっておりますのは、今せっかくのお答えでありましたが、あの尾道大橋というのは、向島と尾道との間の物すごい交通量がありまして、朝なんかラッシュなんです。橋の上はもう車両でいっぱいという状態でして、何が原因だろうかと思って調べてみたら、料金を払うためにどうしても上り下りがみんなゲートのところへ集中してしまって動けない状態なんです。特に正月の七日間くらいなんというのは本当に上は歩いた方が速いというくらいのラッシュでございまして、とうの昔に完全にペイしているはずなのになぜ続けて取るんだろうかといって地元民が不思議がっておったから、今ちょっとお尋ねしたのです、予定外の質問で、ございましたが。今のお答えは、いやまだペイしてないんですよというお答えだったので、ちょっとあれっと思ったのですが、そのペイしておらぬというのは本当ならば、いつごろペイする見込みなのか。今のようなすごい交通量でペイしておらぬというのは不思議だなと思うのですが、もう一遍お答えいただきたいのですが。
  299. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 非常に交通量が多くても非常に安い料金しか取っておりませんので、この料金はたしか百五十円だったかと思いますが、他のこれくらいの有料道路ですと七、八百円取っておるわけでございまして、そういう関係で交通量は多いのですが償還はまだいたしておりません。  なお、先生おっしゃいましたように料金徴収のところで混難いたしますので、ブースの拡幅をしたり前後の取りつけ道路を拡幅したりして全体として流れがいいように今いたしております。そういうための建設費もまた償還の対象になりますので、もう少し料金は徴収させていただきたいと考えております。
  300. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 はい、よくわかりました。誤解があったのが解けて大変結構だと思います。  次に、運輸省の方いらっしゃいますか。広島空港が滑走路が短いというので大変皆さんが苦労しておりました。付近住民との騒音のトラブルこれ等についても大変な御配慮をいただきまして、随分その点の手当ても進んだことを感謝しております。しかも、かてて加えて昭和六十五年のアジア・オリンピック大会に間に合わすといっても、ひょっとして間に合わなかったら大変だという地元の意向を受けて、現在の広島空港の滑空路を強化してやろうというので強化する作業が終わりまして、おかげさまで騒音の余り少ないジェット機、いわゆる定員の容量が倍近い飛行機が発着できるようになった。これも大変地元としては喜んでおるのでありますが、逆にまた、ということになると用倉新空港はどうなるのか、熱が冷めたのではないかなというような心配も実はあるわけです。用倉新空港の建設を進めていく手順としまして、現状は今どの辺までいっている、将来どうしたいと思うのだというところを御説明いただきたいと思うのであります。
  301. 井上春夫

    井上説明員 新広島空港の構想につきましては、一昨年の夏に県と国と市で調査をいたしました調査結果が発表になりまして以降、昨年の夏に候補地を用倉一本に絞ったわけでございますが、この時点までは大変順調に進んでまいったわけでございます。しかしその後、用倉の地元の方でいろいろ設置に反対する動きが出てまいりまして、先生御承知のとおり昨年の十二月には、最終的には町議会において否決はされはいたしましたが、新空港の設置の可否を住民投票で決めるべきだという内容の町条例を制定しろという直接請求も出されております。そういうことで今、地元の世論が二分されていろいろ混乱をしておる状況でございます。  それから一方、現地調査につきましては五十七年の夏から気象観測等の調査を始めたわけでございまして、それ以降現在まで約一年半ばかりたっておるわけでございますけれども、新空港の建設をする場合には、将来安定的な運用ができる、安全な空港ができるということを見きわめるために少なくとも三年の現地データの蓄積が必要でございます。これは世界の民間国際交通の機関で取り決めておるわけでございますけれども、そういうことでございまして、まだまだ現地の気象観測のデータ等の蓄積をやらないと最終的には空港の計画が煮詰まらない、こういう状況にございます。運輸省といたしましては、したがいまして引き続き現地におきまして県と協力をしながら所要の調査を続けてまいりたいと考えております。  そういった調査を続けながら、先ほど申し上げましたような本郷町の地元においていろいろな動きがございますので、そういった地元世論の動向も見きわめて、その上で県と相談しながら最終的な取り扱いを決めたい、かように考えておる次第でございます。
  302. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 ありがとうございました。  この新空港建設ということにつきましては、広島県内挙げて要望をしておることでありまして、肝心の広島の財界でさえも、新空港建設これはもう県の発展のためにはやむを得ないことだ。やはり今のように千八百メートルの滑走路では、いずれにしても限度が来ておりますので、言うならば空港の関係からいったら四国の松山よりもいわゆる後進県というようなことになるわけでありまして、これから「軽・薄・短・小」というような時代を迎えるに当たりまして、何といっても航空機の発着の利便、これが県の経済の動向にも大きな影響を与えるということで、大所高所からすべての財界の人も御賛成をいただいておるような次第でございますから、気象のデータが三年ほど積み重ねが要るということでございますけれども、大体もうすでに今まで一年半もっとかかっておったのじゃないですか。非常に安定しておる、発着は九七%可能というようなデータも一応は出ておるわけでありまして、何とかして早くこの新空港の実現を見たいというのが二百万県民の願望でありますので、ぜひともひとつ格別の御配慮をいただきまして、広島県はほかの県から比べて、まあ岡山も新空港をやっておりますし、一番おくれてしまう、後進県になってしまいますので、格別の御配慮をぜひお願いしたいと思うのであります。  そこで最後に大臣にお願い申し上げておきますが、新空港は別問題といたしまして、きょうお願いいたしました三原バイパスの問題、そして山陽  自車道の問題、中四国架橋、なかんずく尾道と今治の間の架橋の問題、これは今まで御説明申し上げましたように三原バイパスは二号国道一本しかない。ただ単に三原の市民が困るだけでなくて、利用なさる全国のドライバーが大変迷惑を受ける。ひいては日本の経済にも大変な悪影響を与えておるという問題があります。山陽自動車道は、やはり中国縦貫道だけではどうしようもありませんので、山陽自動車道の開通も最も急いでもらわなければならぬ仕事である。関連して、この新空港とこういうルートが結び合わされれば、広島県の経済も非常に大躍進ができる、みんなが期待を込めておるようなところでございます。そして今の中四国の架橋これにいたしましても他のルートよりは瀬戸内海に存在する最も大きな島、随分たくさんな住民が住んでおります、一つの島で一つの市ができるほどの住民が住んでおる。その島の開発にも直接結びつく経済効果甚大であるというルートであることをお認めいただいておると思うのでありますが、県民挙げての願望でございますので、ぜひともひとつ大臣のお力添えをお願いいたしたい。県民の期待にこたえる大臣の最後のお答えをいただいて、質問を終わりたいと思います。
  303. 水野清

    水野国務大臣 承ると広島は六年後ですか、アジア・オリンピックヘ向けて道路の整備その他公共事業の整備をやっていらっしゃる。あるいは空港の建設に向けて多大な努力をなさっていらっしゃるというお話を聞いております。建設省といたしましても、その目標に向かって十分な御尽力をいたしたい、道路、河川あるいはその他公共事業全般について御尽力をしたい、かように思っております。
  304. 岡田正勝

    岡田(正)分科員 関係二十一名の国会議員を代表いたしまして厚くお礼申し上げます。期待しておりますので、よろしくお願いします。
  305. 村田敬次郎

    村田主査 これにて岡田正勝君の質疑は終了いたしました。  次に、日笠勝之君。
  306. 日笠勝之

    日笠分科員 私は、建設大臣並びに関係当局の皆様に若干の質問をいたしますが、限られた時間でありますので、ひとつテンポの速い御答弁をお願いしたいと思います。  五十九年度の一般会計における公共事業費は、二十九年ぶりに前年度比マイナスという大変厳しいものとなっております。公共事業が景気の牽引力であり、景気を支えていることは御案内のとおりであります。需要創出効果という点では減税よりも効果があるとも言われております。これから申し上げますことは、既に建設委員会等で議論の出尽くした感もあるやと思いますが、確認のためにもお尋ねをする次第でございます。  まず建設大臣、財投においてそれなりの施策は講じてはおられるわけですけれども、本年度の一般会計における公共事業費についての率直な御感想をお聞きしたいと思います。
  307. 水野清

    水野国務大臣 先生の御指摘どおり昭和五十九年度の予算案におきまして、公共事業の国費が前年度を若干下回るような結果になってしまいました。国全体の財政緊縮の折でございますのでやむを得ないとは思っておりますが、公共事業を主として担当しております建設省としてはまことに残念でございます。厳しい財政の状況としてやむを得ないとは考えておりますが、しかし、このような状況において、これも御承知のとおりだと思いますが、建設省所管事業は、国費で足りないところは財政投融資あるいは民間資金、外債まで募集をいたしまして、ほぼ前年度並みの事業費の確保をいたした、こういう事情でございます。
  308. 日笠勝之

    日笠分科員 わが党は常々、景気回復のためには二兆円規模の公共事業費を追加すべきであると訴えてきておるところであります。大臣は今後の推移を見てと言われるでしょうが、公共事業をさらに増加させていくというお考えはございますか。また、ある大臣は大型補正を組まなければいけないというふうに雑誌等でも発表をされておられますけれども、その点はいかがでございましょうか。
  309. 水野清

    水野国務大臣 まず、補正予算を組むかどうか、こういうお話でございますが、現在本予算の御審議をいただいておる最中で、その中でほかの閣僚がどういうお話をなすったか知りませんが、私どもも期待をしないわけではありませんけれども、しかし今本予算をお願いしている最中に早速、補正予算を組みます、これはまことに不謹慎な発言でありまして、それでは本予算の成立もおぼつかなくなってしまう結果になってしまいますので、いずれ経済の推移を見て、内閣全体としても弾力的な行動をとるようなことになろうと思いますが、今のところは発言はひとつ慎重に差し控えたい、こう思っております。
  310. 日笠勝之

    日笠分科員 本日のある民間機関の分析によりますと、円高定着、低金利傾向を今後はたどるであろう。一ドル二百三十円、これが二百二十円というようになりますと、金利の方はアメリカとの関係でなかなか下げるわけにはいかない。すると四・一%の実質経済成長率を確保するためには、どうしても公共事業七千億円程度を追加しなければ実質経済成長率は達成できないのではないかというデータが発表になっておりますけれども、この点はどうでございますか。
  311. 水野清

    水野国務大臣 つい先だってまでは、日本経済の下期の予測はどうも輸出依存型になるのではないだろうか。そういう意味においては、アメリカの景気がよくなってきたから、まあそれはそうであってもというような楽観的な見通しをしておりました。しかし、確かにこの円高がもし定着をいたしますと、輸出依存型の日本経済の浮揚ということがやや鈍ってくるかもしれません。しかし、まだまだ円高も定着したかどうかわかりませんし、ともかく内需拡大ということには今後いろいろな面で努力をしなければいかぬと思いますが、今のところ、だからまた補正予算を組めというようなお話に相つなげていくことは、私どもとしてはまことに言いにくいことでありまして、御趣旨はよくわかっておりますが、今日のところは、その辺の話は御勘弁いただきたい、かように思っております。
  312. 日笠勝之

    日笠分科員 去る十日の分科会で河本長官は、五十九年度予算の公共事業は実施する場合大幅な前倒しする必要があると答弁し、五十六年、五十七年、五十八年度同様、前半の公共事業を積極的に推進し、景気上昇に弾みをつける意向を表明されております。大臣のお考えはいかがでございますか。
  313. 水野清

    水野国務大臣 これも同じような回答を申し上げてまことに申しわけないのでありますが、御承知のとおり、もし五十九年度予算が成立をさせていただきました上において、先ほど来の国際経済の情勢を含めて、いろいろな様子が出てくると思います。その中で極めて弾力的に私どもは対処をしていかなければならぬ。予算の執行について、過去においてここ二、三年どちらかといえば前倒しで景気をしのいできたわけでありますから、五十九年度において、それではいかにすべきかという問題は、予算成立後早速議論になるだろうと思います。その際に、私どもは極めて弾力的な姿勢でこれに臨んでいきたいという気持ちは持っておりますが、今ここで前倒しをいたしましてという言葉はなかなか出にくいわけでございまして、これもまた大変恐縮でございますが、御容赦をいただきたいと思います。
  314. 日笠勝之

    日笠分科員 経企庁長官も前倒しをする必要があるとも言われておりますし、大蔵大臣も円高定着、低金利になるだろう、こういうふうに既にこの審議を通して言っておられるわけでありますので、我々とすれば公共事業を追加するということは内需拡大にもなりますし、いわゆる社会資本の充実という意味でも大変重要な問題でありますので、ぜひ前向きに積極的にお考えいただきたいことをお願いする次第であります。  さて先日、公取の方から「公共工事にかかる建設業における事業者団体の諸活動に関する独禁法上の指針」というのを発表いたしました。これは昭和五十七年八月に公取委が示した「入札談合は独禁法上、最も違法性の強いカルテルの一種であり、いかなる談合も容認されない」との統一見解に比べまして、世論では大幅後退だ、業界寄りだ、こういうふうに大方の期待を裏切るものだという声が多うございますが、大臣いかがでありますか。
  315. 水野清

    水野国務大臣 このガイドラインについては詳しく申し上げることもないのでありますが、建設業における事業者団体の活動ということについては、現在の独禁法の枠内で適法と認められる範囲を示していただいた、こういうふうに思っております。公共工事に係る建設業の特殊な立場というものを考えてもらいまして、計画的な事業の実施、経営の合理化等のために必要な事業者団体の諸活動について、原則として独禁法違反とならないものを明示しておるわけでございまして、公正取引委員会が行っております事前相談制度というものと相まって、今後事業者団体の適正な活動に資するものと受けとめておりますが、建設省としましては、このガイドラインを悪用することなくひとつ業界としてやっていってもらいたい、こういう指導をしていっている次第でございます。
  316. 日笠勝之

    日笠分科員 さて、岡山県下の最重要課題であります道路整備について何点かお尋ねをいたします。  岡山県の道路整備状況は、五十七年四月現在、都道府県道は全国平均四四・五%、岡山県は二九・三%で低整備率でございます。そこで、まずお尋ねいたしますが、一般県道岡山賀陽線、別名吉備新線と申しますが、これは既に何回か当局の方へ陳情が出されていると思いますが、昭和六十五年を目標に今建設されている吉備高原都市と六十二年開港予定の新岡山空港との機能を十分に発揮させていくためには、県都岡山市とこれらを直結する吉備新線の整備が急務でございますが、この現状と今後の見通しについてお伺いをしたいと思います。
  317. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 先生今おっしゃられました一般県道岡山賀陽線、通称吉備新線は、岡山市内から岡山新空港を経て吉備高原都市に至る幹線道路として計画された延長約二十五キロメートルの新設道路であります。本道路のうち吉備高原都市から国道四百二十九号に至る延長六・四キロメートルの区間は、岡山県が昭和五十三年度に事業に着手し、昭和五十六年度に暫定供用をいたしております。それから一般国道四百二十九号から岡山新空港を経由して岡山市に至る延長十八・六キロメートルの区間につきましては、岡山県が昭和五十六年度から本格的な調査に着手しておりますが、国道四百二十九号から新空港までの区間については岡山県が昭和五十八年度から事業に着手し、このうち国道四百二十九号から主要地方道建部大井線に至る延長五・三キロメートルの区間は昭和五十八年度に国庫補助事業として採択しており、吉備高原都市と新空港を連絡する道路として整備を急いでいるところであります。  なお、新空港から岡山市に至る区間につきましては今後も調査を継続するとともに、新空港と吉備高原都市間の道路事業の進捗状況とそれから岡山市と新空港とを連絡する既存の道路、これは主要地方道や一般県道がございますが、これらの道路の交通状況を勘案の上、事業実施について検討していきたいと考えております。
  318. 日笠勝之

    日笠分科員 ひとつ早期完成に向けてのお力添えをお願いしたいと思います。  次いで橋梁整備でございます。第九次道路整備五カ年計画でも、昭和初期までに架設された橋梁で近年の重交通に対し耐荷力不足並びに幅員が狭小なため交通の隘路となっているものについてはかけかえを計画しているところでございます。岡山県の主要県道岡山美作線にかかりますところの吉井町周匠橋というのがあります。昭和九年に架設された長さ二百八十七メートル、幅五・五メートルという老朽化した橋で、幅員が狭小で大型自動車同士もかわすことができない。岡山市街から中国縦貫道路、また名所であります湯郷温泉へ行くのにどうしても通る橋であります。一日に六、七千台の車が行き来する橋でございます。この周匠橋の下手に現在国道三百七十四号線の備作大橋が六十一年完成を目指して架橋中でございます。この橋が完成すれば、また交通量の増大も予想されているところであります。私も地元の要請によりまして昨年の十一月十八日に建設省に当時の内海建設大臣を訪ね、陳情書を手渡しました。大臣からは、重要性はよくわかった、公共事業費は厳しい現状だが最優先で考えたい、こういう積極的に取り組む姿勢を明らかにされておられました。現在岡山県で鋭意立地調査中でございますが、県としても本年度じゅうにも国へ要望する予定でおる、こういうふうに聞いております。今後の取り組みにつきましてお聞かせを願えればと思います。
  319. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 先生御指摘の周匠橋は、主要地方道赤穂建部線の吉井川にかかる橋長二百八十二メートルの橋梁であります。本橋は昭和八年に架設されたものでありますが、車両の大型化等に伴い床版の損傷が著しいため、昭和五十七年度より国庫補助事業として昭和五十九年度の完成を目途に補強工事を進めております。しかしながら幅員等も狭隘でございますので、昭和五十九年度より岡山県において、この橋の今後の整備方針を検討するための調査に着手すると聞いておりますので、その調査結果等を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
  320. 日笠勝之

    日笠分科員 ひとつ特段の御配慮を今からお願い申し上げておきたいと思います。  さて、第六次治水事業五カ年計画が一昨年策定され、浸水対策についてその計画書には「都市河川については、人口急増地域及び人口密集地域に係る河川を重点的に整備する」とあります。岡山市の南部にあります倉安川でありますが、これは長さ七・二キロメートルの一級河川であります。県の所轄ではございますが、この地域は近年宅地化が急速に拡大をし、地盤が低く、レベルという悪条件が重なり、雨季には水があふれ、住宅、田畑に甚大な被害をもたらしている悪名高き川でございます。近年も昭和四十六年、四十七年、五十一年、五十四年、五十八年とたび重なる被害で、床上、床下浸水は八十戸から数百戸にわたり、主要県道岡山西大寺線もそのたびに道路冠水で交通ストップをする。また、近くにあります小学校は休校と大きな社会問題にもなって黙認できかねるものがございます。昭和四十四年度より河川局部改修に着工、護岸整備だとかポンプによる内水排除施設もできてはおりますけれども、抜本的な解決にはほど遠いものでございます。聞くところによりますと、この倉安川のような川は全国にも五本とないという大変まれに見る河川だそうでございます。早期の改修を願う地域住民の声は大変大きいものがございます。現状と見通しについてお伺いをしたいと思います。
  321. 井上章平

    井上(章)政府委員 倉安川につきましては、先生御指摘のように、この川はもともとは運河のようなものであったわけでありますが、昭和四十一年に一級河川に指定されまして、四十四年から改修を始めております。五十八年度末までに一億二千万円余を投入いたしまして特に狭いところの局部的な改良を行ってきたわけであります。しかしながら、この流域は三十年代ごろから都市化が非常に進行いたしまして、ただいま御指摘のあったような状況下にあるわけでございます。したがって、現在抜本的な改修方針を岡山県及び地元岡山市と共同して検討中でございまして、この結果を踏まえまして早急に治水対策を進めてまいりたいと思うわけでございますが、何分にも全体事業費は五十億円にも達するものでございますので、今後一層努力してまいりたいと思う次第でございます。
  322. 日笠勝之

    日笠分科員 県の方は都市小河川制度にのっとって改修を進めていきたい、岡山市の方は局部改修でいきたいという、それぞれの関係各所が意見が違うわけであります。どうでしょうか、この川につきまして調整に乗り出すというか、今まで県及び市に声をかけたことはございますか。
  323. 井上章平

    井上(章)政府委員 ただいま御説明いたしましたように、どうも局部改良事業では到底手に負えない河川でございますので、周辺の都市化等を考え合わせますと、早急に行うためには岡山市において都市小河川制度でおやりになるのが一番早く進むのではないかというふうに思うわけでございますが、これはしかし岡山県の御意向もございまして未調整の段階でございます。
  324. 日笠勝之

    日笠分科員 今まで県と市に声をかけたことはございますか。
  325. 井上章平

    井上(章)政府委員 正式にかけたということはございませんが、いろいろ意向を打診したということはございます。
  326. 日笠勝之

    日笠分科員 ひとつ、この川も全国に五本とないという悪名高き川でございますので、今後の御尽力をお願いする次第でございます。  さて、岡山市にある百間川、これは旭川の放流路でございますけれども、この改修事業は我が国の治水事業の中でも特筆すべき事業で、岡山市民の生命、財産を洪水から守るだけでなく、都市環境の向上に重要な役割を果たす事業でございます。そこで、この百間川の第二期計画また改修により整備される広大な面積の高水敷の有効利用について、現状と見通しをお聞かせ願えればと思います。
  327. 井上章平

    井上(章)政府委員 百間川放水路は、旭川の洪水から岡山市を守るために分派しようとする河川でございまして、これはもう古く江戸時代から河川としてはあったわけでございます。しかしながら、戦後でも九回この河川に分派されておりまして、早急にこの河川の整備が必要となったわけでございます。  それで、今日まで改修いたしました結果、第一期計画といたしまして、毎秒八百立方メートルの洪水を安全に流過させる河道につきましてはほぼ概成をいたしたわけでございます。今後、計画の目標であります千二百トン河道に向けまして、これから鋭意事業を促進してまいりたいと思っておるところでございます。  それから、この百間川の改修事業に関しまして、実は百二十ヘクタールほどの広大な高水敷が新たに生まれたわけでございます。これにつきましては、地元の岡山市、岡山県等ともいろいろ御協議申し上げまして、実は百間川河川敷環境整備基本計画というものを策定したわけでございます。この基本計画を尊重いたしまして、高水敷を今後占用していろいろな公園等をおつくりになる岡山市と十分協議しながら、できるだけ早期に私どもといたしましても百間川自身の環境整備事業をやってまいりたいというつもりでおります。
  328. 日笠勝之

    日笠分科員 これは国の直轄事業で、地元民にとっては大変期待をされているところでございますので、特段の御配慮をお願いをしたいと思います。  続きまして下水道のことでございますが、今、岡山県にとりましては児島湖流域下水道について大変関心が高まっております。下水道の普及率は、昭和五十七年度末におきまして全国平均三三%、岡山県は一五%と、道路の整備同様非常に低いものでございます。今後岡山市、玉野市、倉敷市そのほか灘崎町、早島町に関連する児島湖の流域下水道は、近年児島湖の汚染が急速に進行し、環境、衛生上早急な整備が望まれているところでございます。多大な事業費が要る事業でございますけれども、現状と今後の見通しにつきまして、誠意ある御回答をお願いしたいと思います。
  329. 松原青美

    ○松原政府委員 御指摘の児島湖流域下水道は五十三年に事業採択になりましたが、用地買収等がなかなか難航いたしまして、現実には五十五年から用地買収に入ったところでございます。現在では処理場用地につきまして大部分の買収が完了して、さらに残りの用地について鋭意交渉を進めているところと聞いております。管渠工事につきましても鋭意促進しているところでございますが、確かに御指摘のとおり、岡山県及び倉敷市は全国平均よりかなり低い普及率でございます。岡山市は全国平均より高うございますが、この児島湖の流域下水道ができなければ、今後、処理区域の拡大は望めないということでございますから、岡山県の下水道の普及率の向上のためには非常に重要な事業でございます。県からも再三この促進について要望をいただいて聞いております。今後とも用地買収の解決を図りながら、この整備促進を図るよう指導してまいりたいと思っております。
  330. 日笠勝之

    日笠分科員 先ほどお答えいただきましたように、百九十万岡山県民のうちに下水道の恩恵に浴しているのはわずか二十八万人でございます。県下の下水道整備に対する要望は極めて強いものがございますので、ひとつ事業の推進には積極的にお取り組みのほどをお願いを申し上げたいと思います。  最後に、この冬の未曾有の豪雪は、岡山県下におきましても多大な被害をもたらしたところでございます。特に除排雪費用、財政基盤の脆弱な町村財政にありましては極めて深刻なものがあります。除排雪費の大幅不足により困窮している現状でございます。岡山県下でも東粟倉村以下十九町村に対し、除排雪に対する特別交付税の増額配分とか、市町村道の除排雪に対する特別国庫補助措置をお願いをする陳情書が関係当局に出ておると思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
  331. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 このたびの豪雪により国県道はもちろん、市町村道の除雪に多額の費用が要ったことはよく承知いたしております。先週の金曜日の閣議で国土庁長官から、国県道に対する除雪費はもちろん、市町村道についても臨時特例の措置で的確な対応を講ずるようにという要請があり、それが了承されたと聞いておりまして、近く適切な措置が講ぜられるものと期待いたしております。
  332. 日笠勝之

    日笠分科員 最後に大臣に、先ほどから岡山県下の諸問題で大変恐縮しておりますけれども、いわゆる岡山県におきましては、吉備高原都市、瀬戸大橋、新岡山空港という大型プロジェクトがメジロ押してございますけれども、岡山県というところは、御存じのように山陽道また四国からの道、山陰からの道ということで、交通の要路ということで、小さな県ではありますけれども道路は非常に長うございます。しかし、それのいわゆる整備率というものが、先ほど申し上げましたように大変おくれておるわけでございます。やはり動脈ができましても、それに接続する道が整備されないと、これは県民の皆さんの生活向上という意味でも問題があると思いますので、ひとつその点につきまして特に格段の御配慮をと思いますが、最後に一言だけでも…。
  333. 水野清

    水野国務大臣 先ほども広島県のことでお話がございました。私も千葉県でございますが、それぞれの地域において都市間競争が行われ、県と県の間の一種の競争が行われ、ある意味においては私は大変いい意味の競争であろうと思います。  岡山県におかれましても公共事業費、道路にしましても河川にしましても下水にしましても、あるいは街路にしましても、すべての都市公共事業費がなかなか思うように伸びていかない。私ども公共事業費を主としてお預かりをしております建設省としても、各種の五カ年計画を抱えておりますが、進捗度がなかなか思うようにいかないということで非常に悩んでいる最中でございます。しかし、その中で岡山県の特殊性ということもよく理解をしておりますので、今後それぞれの各局と相談をいたしまして、必要なところには適宜対策を講じさせていただきたい、かように思っております。
  334. 日笠勝之

    日笠分科員 御尽力をお願いを申し上げて、質問を終わります。
  335. 村田敬次郎

    村田主査 これにて日笠勝之君の質疑は終了いたしました。  次に、小川国彦君。
  336. 小川国彦

    小川(国)分科員 私は埋立行政の問題について質問をいたしたいと存じます。  最初に、水野建設大臣の御就任おめでとうございます。同じ選挙区から建設大臣が出まして、建設行政に、国全体の行政に携わっていただくということは大変喜ばしいことでありまして、その御活躍を祈念いたしたいと存じます。きょうは国政の場を同じくする者の立場から、千葉県の埋め立ての問題から、国全体の埋め立ての問題をどう考えるかということについて問題の提起をさせていただき、建設大臣の所見を承りたいというふうに思います。  埋め立てというものが日本全国で行われているわけでございます。この埋め立てによって土地がつくられていく、その土地の管理に関することが公有水面埋立法という法律で行われているわけでございますが、その規定の中には残念ながら埋立地の利用とか計画、そういうことに対する考え方、理念が明示されていないというようなうらみを私ども感ずるわけです。したがって、これは行政の中で考えていかなければならないと思うわけでありますが、大臣として埋め立てというものをどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、まず、その御見解を承りたいと思います。
  337. 水野清

    水野国務大臣 公有水面の問題、それ自体非常に重要な問題でございますが、日本は非常に狭い島国であります。しかも、その狭い島国をいろいろな形で何とか利用していくという意味において、特に国土利用のできる土地というのは狭いわけでありまして、そのために最近各地で非常にいろいろな埋め立てが行われております。公有水面を埋め立てるということは一般的に言って大変必要なことで、そこに産業が生まれ、そこにいろいろな事業が発生していけば、これは国民経済上大変重要な役割を与えていく、かように思っております。  ただ、公有水面というものは一度埋め立てますと、その回復は、これはまた海に戻すということはできないわけであります。免許に当たりましては、国土利用上適正かつ合理的なものについて、自然環境の保全とか公害の防止であるとか埋立地利用の適正化というようなことを十分考えて行うべきであろう、かように考えております。
  338. 小川国彦

    小川(国)分科員 私も今の大臣の見解については賛意を表するわけでありまして、埋立地というものは自然環境保全の面からも、あるいはまた利用の適正化という面からも、狭い国土の中でせっかく埋め立ててつくった国土でありますから、その利用が適正に行われるということを考えていかなければならないと思うわけでございます。  大臣も御承知のように、浦安市の東京ディズニーランドを経営するオリエンタルランド株式会社が、昨年八月下旬に千葉県当局に対しまして、ホテル用地としてディズニーランドの周辺用地六万坪を売却したいという申し出をしたわけであります。これに対し千葉県当局は、昨年の十二月二十八日、年末押し詰まってから千葉県企業庁がこれを許可したわけであります。  私ども、一般的に埋立地の処分というものは最終需要者、いわゆるエンドユーザーでなければならない。それが次から次へと転売されていってはならない、埋立地の処分対象は常に最終の需要者である、こういう大原則があるという考え方で来ているわけです。事は地方自治体に関する問題でありますが、建設省として、こうした問題をどのように判断されるか承りたいと思います。
  339. 水野清

    水野国務大臣 オリエンタルランドがディズニーランドの附属用地としてホテル用地を売却することになった。昨年の暮れに千葉県が千葉県議会の了承を得てこれを決定したということについては承知をしております。  ホテル用地はこの埋立地の目的である遊園地用地の中に含まれると私どもは考えておりまして、分譲については埋立免許権者の許可が必要ではありますが、千葉県当局が必要な手続をとって、しかも議会の了承をとった上でおやりになったことであるので、問題ではないというふうに考えております。
  340. 小川国彦

    小川(国)分科員 私は、この千葉県当局の承認というものが非常に明確な形で議決としてなされていないという点を、これは自治体の問題でありますが、一点指摘をしておかなければならないのです。議決事項なのか了承事項なのか、その辺が千葉県当局で非常に不明確な中でこの問題が処理されている。しかし、いずれにしても千葉県議会の中でこれが提案され、そして了承の方向をたどったということは私も承知しているわけですが、問題は、坪一万七千円で国が埋め立てを許可した土地が、ホテル用地への転売ではおよそ坪八十万円、四百八十億円という膨大な金額で処分をされるであろうということが言われているわけでありますが、こういう事実については建設省の方は御承知でありますか。
  341. 井上章平

    井上(章)政府委員 坪一万六千円で購入したものであるということはわかりますが、八十万円でお売りになるかどうかは私どもは掌握いたしておりません。
  342. 小川国彦

    小川(国)分科員 これは国土法の承認を要することになっておりますが、そういう手続がなされたかどうか、そういう事実については御承知ないですか。
  343. 井上章平

    井上(章)政府委員 私どもは存じ上げておりません。
  344. 小川国彦

    小川(国)分科員 いずれにしましても、六万坪が坪八十万、四百八十億あるいは五百億ということは公然の事実として伝えられているということは、それ以前に同じくオリエンタルランド社が処分をしました約四万坪を超える商業用地の譲渡価格がやはり八十万を超えている、こういうことでございますから、近傍類似の評価からいけば当然八十万になる。したがって、この処分については一般に新聞も四百八十億あるいは五百億、こういうふうに伝えているわけでして、これは公然の事実になっているのですが、問題は、この遊園地用地というのは、埋め立ての昭和三十七年の原点に立ち戻って考えれば、果たしてホテル用地であったのかどうか、この点はどういうふうに解釈なさいますか。
  345. 井上章平

    井上(章)政府委員 当時あの地域の土地利用がなぜ遊園地用地になったかにつきましては、私どもといたしましてはよくわからないわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、遊園地用地ということで造成され、オリエンタルランド社の手に渡り、今日東京ディズニーランド及びその関連施設ができ上がったという事実に照らして考えますと、大体その目標としたのが今存在するような形のものを意図したのではないかというふうに私どもは考えております。
  346. 小川国彦

    小川(国)分科員 そういうようなことを当初から意図されておったというのは河川局長の非常な過ちじゃないかというふうに思うのですが、遊園地用地とホテル用地というのは違うと思うのです。遊園地とホテルと一緒でございますか。
  347. 井上章平

    井上(章)政府委員 当時お考え方がどうあったか私どもつまびらかでございませんが、今日の状態を考えますと、東京ディズニーランドの関連施設として十分機能するものであるというふうに私どもは考えております。
  348. 小川国彦

    小川(国)分科員 ちょっと参考に伺いたいのですが、昭和三十七年七月この埋め立ての一番当初に、浦安地区土地造成事業及び分譲に関する協定の第五条第二項というのによりますと、「遊園地建設計画及び住宅用地整備計画の概要書」というのがあるのです。埋め立てを認可なさった河川局として当然この資料はお持ちだと思うのですが、この中にホテル用地はございますか。
  349. 井上章平

    井上(章)政府委員 概要書については私ども存じ上げておりません。
  350. 小川国彦

    小川(国)分科員 皆さんは、この埋め立てを許可なさるときに、こういう概要書は受け取りになっていないのですか。
  351. 井上章平

    井上(章)政府委員 通常は入っておりません。
  352. 小川国彦

    小川(国)分科員 それじゃ、どういう書類に基づいて埋立認可をなすっているのですか。
  353. 井上章平

    井上(章)政府委員 その概要書といいますのは、千葉県の企業庁がオリエンタルランド社と分譲契約を結ぶ際につくられたものであろうかと思います。
  354. 小川国彦

    小川(国)分科員 皆さんが埋立許可をなさるときに、埋立地の建設計画なり住宅用地の整備計画なりの概要書も見ずに、その土地がどう利用されるかということも見ずに許可をなさるはずがないと思うのですが、認可のときの添付資料というのは、どういうものをおとりになっていらっしゃるのですか。
  355. 井上章平

    井上(章)政府委員 詳細な土地利用計画でございます。ただ私、十分説明し切れなかった面があると思いますが、当時遊園地用地として認可をするに際しての、そういった概要書はなかったということでございまして、現在、埋立免許に当たります認可申請に際しましては必要書類はすべてとっております。
  356. 小川国彦

    小川(国)分科員 跡地利用計画というものが当然その認可のときに提出されているということですね。
  357. 井上章平

    井上(章)政府委員 どういうことでございますか、申しわけございません。
  358. 小川国彦

    小川(国)分科員 埋立認可をなさるのに、その土地の建設計画とか事業計画というものは当然添付されているはずでございますね。
  359. 井上章平

    井上(章)政府委員 そのとおりでございます。
  360. 小川国彦

    小川(国)分科員 その中にはホテル用地は入っていたのでございますか。
  361. 井上章平

    井上(章)政府委員 当時の資料を見ますと、遊園地用地として、いろいろな娯楽施設ということで、詳細な図面、詳細な事業計画というものではなかったようでございます。
  362. 小川国彦

    小川(国)分科員 それは現在建設省はお持ちになっていらっしゃいますか。
  363. 井上章平

    井上(章)政府委員 当時の認可申請書はすべてございます。
  364. 小川国彦

    小川(国)分科員 そうすると、その中には遊園地建設計画と住宅用地整備計画の概要書も当然入っていたわけでございますね。
  365. 井上章平

    井上(章)政府委員 遊園地の事業計画書に類するようなものは入っていなかったようでございます。
  366. 小川国彦

    小川(国)分科員 もう一度尋ねますが、どういうものがその添付書類としてあったのですか。項目別にひとつ上げてくださいませんか。
  367. 井上章平

    井上(章)政府委員 工区別に、内訳といたしましては、この当時はいろいろ公共用地の護岸敷、道路敷、鉄道敷等の内訳、それから当時はすべてが遊園地用地ではございませんので、住宅用地、準工業用地、遊園地用地、総合運動場用地、娯楽施設等用地、駐車場用地というふうに面積で表示された一覧表でございます。
  368. 小川国彦

    小川(国)分科員 その中でホテル用地はどこに入るのでございますか。
  369. 井上章平

    井上(章)政府委員 娯楽施設等用地でございます。
  370. 小川国彦

    小川(国)分科員 これはその中にホテルという言葉も入っておりますか。
  371. 井上章平

    井上(章)政府委員 娯楽施設等用地とありまして、多目的ホール、インターナショナル・ファッション・スクエア、ホテルとあります。
  372. 小川国彦

    小川(国)分科員 それはオリエンタルランド自身が経営するという計画の計画書でございましょう。
  373. 井上章平

    井上(章)政府委員 これは免許権者たる千葉県知事が造成者たる千葉県企業庁から徴収した資料でございます。
  374. 小川国彦

    小川(国)分科員 ですから、それはオリエンタルランド自身がそういうものを全部行うという計画書でございましょう。
  375. 井上章平

    井上(章)政府委員 この命令書を見ますと、千葉県知事が千葉県に対してでございます。したがって、オリエンタルランド社に対しては、免許を得てから改めてオリエンタルランド社と千葉県企業庁が別途分譲協定を結んだということになります。
  376. 小川国彦

    小川(国)分科員 私が聞いているのは、皆さん方がこの認可を与えるに当たって受け取った書類の中で、項目別の内訳はわかったのですが、それはオリエンタルランド社自身がそれを行う、こういうことになっていたでしょう、第三者が行う事業ではないわけでしょう。
  377. 井上章平

    井上(章)政府委員 これは千葉県知事が千葉県に対して埋め立ての免許を行う際の命令書でございますので、オリエンタルランド社がさらにそれを分譲を受けてどう使うかということは、この命令書には含まれていないわけでございます。  補足いたしますが、さらにその千葉県企業庁がオリエンタルランド社に譲渡する場合には、それは改めて免許権者たる千葉県知事の許可を受ける、こういうことになるわけでございます。
  378. 小川国彦

    小川(国)分科員 局長の言っていることは質問の答えになっていないのです。私の言っているのは、皆さんが認可するに当たって受け取った書類では、オリエンタルランド自身がそれを行う、そういうことになっていたでしょう。そこに第三者がやるというふうには入っていないはずなんですよ。
  379. 井上章平

    井上(章)政府委員 これはおっしゃるとおり原則は自社で行うことでありましょうが、譲渡を否定したものではございませんので、免許権者たる千葉県知事の許可を受ければ譲渡されるわけでございます。
  380. 小川国彦

    小川(国)分科員 ですから、皆さんは埋め立ての許可のときには原則は自社が行う、こういう前提で許可されたわけでしょう。
  381. 井上章平

    井上(章)政府委員 今申し上げたとおりでございます。
  382. 小川国彦

    小川(国)分科員 そうすると、皆さんが行うときはオリエンタルランド自身が娯楽施設を行うことになっていて、娯楽施設の中にホテル用地というものもありましたけれども、これは自社が行うことになっていたわけですよ。自社が行うことになっていたのが、今日に至ってはそれができない。しかも、聞くところによれば六万坪を三社に分譲する、しかもその間に損害保険会社が入る、こういうことになっているわけですね。何か、これも聞くところによれば部屋が約三千室。そうすると二万坪ぐらいの土地で足りる。そこへ第三者の三社が入って、六万五千坪をどういうふうに売るかわかりませんが、そうすると皆さんが埋立認可をなすったときの、自社がホテル用地としてそれを利用するというのとは違って、その土地が損保会社に渡り、損保会社からまたホテル会社に、賃貸されるか売られるかわかりませんが、その土地が転がっていくのではないか。そうすると原則は自社が行う、こういう建前で許可されたものが転々としていって、五百億に達する坪八十万円という膨大な土地転がしのような形で売られることになっては、皆さんの認可したときの状況と異なるのではないかということを指摘しているわけなんですよ。
  383. 井上章平

    井上(章)政府委員 この件につきましては、千葉県から事情聴取をいたしましたところ、千葉県はオリエンタルランド自社でディズニーランドの関連施設を行うように指導したということでございます。しかしながら、ホテルというものの経営の問題等がありまして、どうしてもオリエンタルランドでは独自で建設できないという事情があるということで、やむを得ないというふうに千葉県知事が内諾した、こういうことのようでございます。
  384. 小川国彦

    小川(国)分科員 大臣、国としてはどうなんでしょうかね。国が許可したときには、自社でやらせる、それが結果的には土地転がしのように転がっていく、第三者からまた第三者へ移っていく、こういうことは好ましいことではない、こういうふうに判断するのですが。
  385. 水野清

    水野国務大臣 それはいろいろなケースがありまして、私はこの場合、今確かにお話しのように、埋め立てをしたとき発生した土地価格と、今転売をしたときの価格というものが、もし八十万とすればかなりの開きがありますが、これは二十年たっておりますからね。二十年という時間の経過の中で、しかも千葉県知事がしかるべく県の議会の承諾を得ておやりになったことである限り、私は建設省として、今日そこまでそれを制限するという権限はさほどないというふうに認定をしております。
  386. 小川国彦

    小川(国)分科員 建設省として…。
  387. 水野清

    水野国務大臣 建設省として、それをやってはいかぬというような権限はもはやないと思っております。
  388. 小川国彦

    小川(国)分科員 大臣、結局そういう考え方ですと、次々と問題が発展していく。この後にまた三十一万坪の土地が御承知のようにあるわけでございます。そうすると、これもまた千葉県当局が、経営が困難になったとき――きょう私も午前中オリエンタルランドのディズニーランドヘ行ってきたのですが、三月十二日現在で九百万人突破した。恐らく四月十五日でしたかね、満一周年を迎えると一千万人を超えるだろう。それでお客さんも七千円を超えた買い物をしてくださると言っているのですね。七百億ぐらいの売り上げになるのですね。ところが、このオリエンタルランド社自身は、何か当初六百億ぐらいの経費が今や千八百億の経費になって、そして何か、こんな一千万人入って一人当たり入場料と両方で七千五百円使ってもらって年商売り上げ七百五十億円、それだけの収入があるのに、会社自身はまた膨大な借金を抱えて、この土地を売って五百億、それでもまだめどが立たずに、次にまた三十一万坪の宅地化への転用ということを出してきているのですね。そうすると、首都圏の三千万の人間がひしめいているところで、建設省昭和三十七年に遊園地として認めたときは、緑の公共緑地に準ずるような、そういう首都圏民のオアシスとしての遊園地を考えたと思うのですよ。ところが、それが次々と転売されていく。百十万坪のうちの四十万坪が三井、京成で宅地になった。そして今度また六万坪がホテル用地になる。そしてまた、この次三十一万坪が宅地になっていったら、百十万坪のうち残るのはわずか二、三割の遊園地用地ではないのか。次々と全部転がされていったことになる。私は、この際、このディズニーランドの経営というものをしっかり国自身も、遊園地として許可しておいたものが宅地やホテル用地になっていくという現状は、これは当初皆さんが許可した趣旨に反すると思うのですよ。やはり私は大臣という、国全体を考え、国土の利用ということを適正化していくという見地からいけば、これはやはり公共緑地として遊園地が適正に使われていくという方向を指導していくべきじゃないのかと思うのですが、いかがですか。
  389. 水野清

    水野国務大臣 今六万坪のホテル用地の問題で御質問があったわけでございますが、これは私は今申し上げたとおりの見解を持っております。しかし、残りの三十一万坪が今、宅地用地に売られるかどうかということについては、私どもはまだそういうふうには聞いておりません。また以前に土地をどうしたというような話もございましたが、それについても千葉県とこのオリエンタルランド社との間で協定が結ばれて、しかるべく県では議会の了承を得てやったということでありますので、私は建設省の河川局として監督が不十分であったというふうには思っておりません。
  390. 小川国彦

    小川(国)分科員 私は一河川局の監督が十分であったかどうかということを言っているわけじゃないのです、大臣。やはり埋め立ては、大臣が一番最初に言ったように、狭い国土を広げる、そして国土の利用は国民のために供する。埋めた海も国民の海なんです。その海を埋め立てた当初の目的が遊園地であった、緑のオアシスだということであったのが、あの密集した住宅地に大きな企業の手によって変えられていく。そしてせっかくディズニーランドができて子供たちも大人も、私きょう感じましたが、喜々として楽しんでいる。それはそれでいい。しかし、この企業自体の経営がもう少しきちんと行われるならば、三十一万坪という約百ヘクタールの首都圏の、日本橋から十五分というところにある土地なんですよ。これが公共緑地なり遊園地なり公園的なものとして利用されるのに、それがわざわざ何というかずさんな経営から赤字を出して、そしてそれをまた転売して-その方がもうかるわけですから。遊園地の経営ではこれはもうからないと思いますよね。これは本当に国民のためにはなるけれども、もうからない。しかし、これを宅地や商業用地に転用していけば何百億という金になっていく。そういう利権的な行政が地方自治体の放漫な運営の中で行われていく。これを国として放置しておいていいのか。この辺に、かつて保利建設大臣のときには、それはもったいなさ過ぎる、そんな放漫経営で遊園地をつくらないなら、公共的住宅用地に二十三万坪をよこせと国が指定して、それをやったことがあるのですよ。何かその後二期の方にできたからいいということで撤回してしまったようですがね。私は、あれを抑えたい、国が行政指導でやろうとするならば、これはできるはずなんですよ。やはり建設省が少なくもそういう姿勢を持てないかということを伺っておるのです。
  391. 井上章平

    井上(章)政府委員 六万坪の扱いについては、ただいま大臣からお話があったとおりでございますが、残り三十一万坪についてどうかということでありますが、これについて千葉県から事情を聴取いたしましたところ、オリエンタルランドから遊園地としての利用計画案が出されているというふうに伺っております。
  392. 小川国彦

    小川(国)分科員 その遊園地案の資金計画とか完成のめどについては聞いておられますか。
  393. 井上章平

    井上(章)政府委員 資金計画あるいは採算の見通し等については一切伺っておりません。
  394. 小川国彦

    小川(国)分科員 そういうことでは今ここの一時の言いわけにすぎないわけですよ。計画を聞いているだけで、資金計画もめどもなければ、これじゃ達成されるかどうかという見通しは全くないわけですよ。だから私は、昭和三十七年の申請に基づいて建設省が認可を与えた原点に立ち戻って、何十年たとうが国が決めた方針どおり行われないということに対しては、法律はどうであれ、行政として、政治としてやはりこれを正していく、本来の申請目的に合わせたものに。それこそが国民のためになる役割を担うものなんですからね。そういう方向に正していく責任というのはおありになるんじゃないですか。
  395. 井上章平

    井上(章)政府委員 埋立地の利用目的を竣功後年月を経て変えてはならないというふうに私どもは理解いたしていないわけでございます。  しかしながら、今御指摘のように、この残り三十一万坪について変わるのかどうかということでございますが、それについては私どもが持ち合わせております情報は、オリエンタルランドから遊園地計画の、まあこれは構想でございますので、ただいま申し上げましたように確定したものではないようでございますが、そういう利用計画案なるものが出てきておる段階でございますから、先生がおっしゃいましたように、分譲するとかほかに転用するとかということは聞いてないわけでございますから、この利用計画の状況を見守りたいと思っておるわけでございます。
  396. 小川国彦

    小川(国)分科員 怠慢と言えば私は怠慢だと思うのですよ、河川局長も。計画があるのは聞いていると言うんだけれども、計画を聞いているだけで、資金計画もめども裏づけが何もないんじゃ皆さんは砂上の楼閣の話を聞いているだけなんで、そういう無責任さが、認可を与えてしまえば地方自治体土地転がしのやり放題ということを生んできたと思うのですよ。これに歯どめをかけるという考え方を国自体がしっかり持たないと、こういうずさんな埋立地の利用というのはこれからも続けられていくだろうと私は思うのですよ。この点ひとつ河川局長大臣からもう一度見解を承りたいと思います。
  397. 井上章平

    井上(章)政府委員 ただいまも申し上げましたように、埋め立てが免許されまして竣工いたしました後、時間の経過とともにこの埋め立て目的等が変わることは十分予想されるわけでございます。したがいまして、そのような目的変更の事態になりましたならば、それはまたそれなりに私どもも千葉県知事に対しての一般行政監督権限をもとにいたしまして指導でき得るわけでございますけれども、こういったことはすぐれてその地域の問題でありましょうから、千葉県知事のその地域の代表としての立場での御判断が尊重されるべきものであろうと私どもは考えておる次第でございます。  しかし、それはそれといたしましても、この三十一万坪の問題については、他に分譲するとかあるいはどうするというようお話はありませんで、ただいまのところ、むしろオリエンタルランド社から遊園地としての利用計画案が出されているということでございますから、私どもとしては、その推移を見守るしか方法がないわけでございます。
  398. 水野清

    水野国務大臣 三十一万坪の問題は、先ほど申し上げたとおりでありますが、先生が長い間雑誌その他で発表されたりいろいろマスコミが書いておることも含めて私の考えを申し上げますと、きょうごらんになったそうですが、ディズニーランドというものが、何か五千とか六千人の人が既にここに勤めているそうで、それから今お話があったように、開園以来まだ一年になっていないのに既に九百万という入場者がある。このディズニーランドというものは、小川委員がお認めになったように大変立派な社会的なステータスといいますか、存在価値というものができたと私は思います。確かに昨年まではこういう問題についても非常に不明確な点があったので、私は御指摘のとおりな面もあったろうと思いますが、今日ディズニーランドというものが非常に立派な社会的な立場というものを獲得して、御承知のように、東南アジアあたりからも来ているわけでありますし、またロイヤルティーをアメリカに払っておるということではある意味においては国際的な経済摩擦にも一面役に立っているわけでもありますし、私は立派なステータスができたと思います。  ただその問題は、これもまた先生の御質問にないことを私がお答えするのもおかしい話でありますが、経営の問題でありまして、土地を売って多くの借金を払うのかどうかという御疑問を持っておられる、それは確かに一つの御見識であります。しかしまた、オリエンタルランド社の株主は、御承知のとおり二つの大きな会社が独占をしているということから、その売った土地が、このオリエンタルランド社で使われるのではなくて、背後の二つの大株主の会社に利益が吸収されるということならば、確かに先生のお話のとおり幾つかの問題点がある。私これは道義的な問題で法律的な問題ではないと思いますが、私どもも確かにこれは注目しなければいかぬと思います。しかし、これだけ多くの入場者どこれだけの雇用をつくり出した企業というものが安定して経営していくために、もしいろいろな状態が生まれてくるならば、私は千葉県知事がどういう御決定をなさるか知りませんが、建設省としてそれをやってはいかぬというようなことも言えないのではないか、かように思っております。
  399. 村田敬次郎

    村田主査 小川君に申し上げます。質疑時間は終了いたしました。審議に御協力をお願いいたします。
  400. 小川国彦

    小川(国)分科員 私、最後に、大臣の今の見解は非常に局部しか物を見ていない。ディズニーランドという一企業の経営の観点にしか立っていない。あれが国民の土地であり国民の海であった、そして坪一万七千円でやったのは多くの国民の遊園地のためであったということを忘れてはならおいと思うのですよ。そしてその遊園地の土地が五十万円とか百万円で宅地や商業用地に売られるために建設省許可したのではないと思うのですよ。ですから、オリエンタルのディズニーランドは必ず大臣は見通しを誤ると思いますよ。私はこの会社は必ず倒産に至るであろうと思います。そのときに残った三十一万坪は必ず転売されるであろう、これも大臣にはっきり申し上げておきたい。あなたの見解が正しいか私の見解が正しいか歴史の中で証明されると思います。大臣も河川局長もきょうここで答弁したあなた方の見通しが必ず誤るであろう、この三十一万坪は今のままいけば必ず転売されるであろう、そういうことをはっきり申し上げて、大臣や河川局長が本当に国政を考える立場からもう一度これをしっかりと見直しをされるということを強く要望して、私の質問を終わりたいと思います。
  401. 村田敬次郎

    村田主査 これにて小川国彦君の質疑は終了いたしました。  次に、田中慶秋君。
  402. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 首都圏の交通問題という前提に立ちながら大臣質問をさせていただきたいと思います。  大臣も東京の首都圏交通対策には非常に積極的な姿勢を持たれているわけでありまして、そういう中で、先般も東京湾横断道路の問題については大臣みずから関心の深い、あるいはまたこれからの交通対策の中においてもあるいは流通の問題においても大変重要なことだということで、その促進のためには神奈川県あるいは川崎市との合意が不可欠である、必要ならば話し合いをみずから買って出て、そして促進のために努力したい、こういう趣旨の決意があるように承っております。  そこで、大臣にお伺いしたいのは、私も、いずれにしても首都圏対策の一環として、これが一日も早く促進をしなければいけないと、かねてからこの問題に関心と同時に積極的にその取り組みをしてまいりました。そういう中で大臣にお伺いしたいのは、具体的にこの話し合いをどのようにされていくのか、さらには御案内のように、横浜も川崎も神奈川県も三月末で議会が終わるわけでありまして、そういう中で国も予算もある程度見通しがつくと思います。そこで、具体的な日程その他、あるいはそれらについての大臣としての考え方があったらお伺いしたいと思います。
  403. 水野清

    水野国務大臣 時間がないのではしょって申し上げますが、先生が御指摘のとおり、私、就任以来東京湾の横断道路というものが千葉県としての悲願でもございます。また東京湾の総合開発という面でも、これが完成すれば大変役に立つ、大変大きな経済効果が発生すると私は思いましたので視察をいたしました。また御承知のとおり、道路公団では長年これに必要な調査をやっております。調査の内容につきましても、船舶の航行の問題であるとかあるいは東京湾の環境問題、特に東京湾北部の環境問題あるいは関連する道路網、これは湾岸道路だけでなくて、神奈川県側における内陸部に対する道路網というものとあわせていろいろな調査をやっている最中でございまして、御承知のとおり、第九次道路整備五カ年計画の中ででき得れば着手をしたいという気持ちで視察をしたわけでございます。  さてそこで、私も視察をしまして、あるいはまた道路公団から調査の内容を聞いたところでございますが、千葉県側で考えております以上に、千葉県側の方がむしろ、俗な話でありますが、恋愛で言えば片思いをしているわけであります。神奈川の方では、特に川崎市の方では、そういきなり申し込みばかりされても、神奈川の県側としてあるいは川崎市としてのいろんなお立場といいますか、行政上の問題がある。簡単にわかりやすく申し上げますと、横断道路ができますと、東京湾の自動車の走行は確かに十五分で木更津から川崎まで到着するわけであります。ところが、川崎市周辺でもし交通の渋滞がございましたら、一時間もあれば湾岸道路を通って行った方がかえって便利になる、こういうことになってしまうわけでございますので、その辺のことで、むしろ急がば回れということで、神奈川県あるいは川崎市とよく御協議申し上げなくちゃいけない。さっき申し上げましたように、単なる調査でなくて、現在建設省でやっております湾岸道路の建設をもっと早く進める手はないであろうか、あるいは川崎市に対する内陸部の交通を整備して差し上げる必要があるんではないだろうか、こういうことから、近いうちに私は神奈川県知事及び川崎市長に対していずれ、今、予算で審議をいただいておりまして、なかなか時間がないものですから、四月にでもなりましたらお目にかかって御相談を申し上げたい。そちら側の本当のお気持ちは必ずしも否定的ではないというふうにも承っておりますので、お気持ちをただしてみたい、打開すべき問題があれば打開をしていきたい、かように思っているわけでございます。
  404. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 大臣が今述べられたように、確かに湾岸道路との問題、さらにはまた内陸部との問題もあろうかと思います。しかし、神奈川は全体的に首都圏の工業地帯として今、発展をさしていただいているわけですし、そういう中では、湾岸道路、ベイブリッジあるいは横断道路というのがセットという形で私はかねてから主張しているわけです。そういう中で、神奈川県、川崎市の事情もそれは確かにあると思いますけれども、しかし、全体的な時代の流れと全体的なそれぞれの要望、ニーズというものは、知事なり市長たりともその方向を変えることはできないと思うのです。そういう中で神奈川県も、積極的にというまではいかなくても、これの調査に、そういう方向が出られたようであります。そこで大臣がみずからそういうことを買って出ることによって、より具体的に促進をできると思います。  そこで、今大臣は、四月ごろ、こんな話でありますが、やはりこういうものはできるだけ早くしていただいて、そしてぜひ促進をしていただきたい、こんなふうに思うわけです。三月の二十六日は神奈川県あるいは川崎市等においてももう既に予算審議はすべて終わるわけですから、できるだけ早い機会に、四月早々でも-この辺について大臣みずから産婆の役でもいいですし、そんなことを含めてぜひやっていただきたい、このように思いますけれども、もう一度この辺について見解をお伺いしたいと思います。
  405. 水野清

    水野国務大臣 御承知のとおり今、国会では予算の審議をしていただいております。でき得ればあしたの本会議で衆議院を通過さしていただきたいわけでありますが、直ちに参議院で予算委員会が始まる。私もけさ九時から今夜八時半までここへ座っていなければならないわけでございまして、どういたしましても、四月の予算成立後でないとなかなか体があかないのじゃないかと思いますので、四月にでもなりましたら、こう言っておりますが、先生の仰せのとおり、体があきましたら可及的速やかに知事なり川崎市長にお目にかかってお願いをしてみたい、かように思っております。
  406. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 ぜひその促進をお願いしたいと思います。  さらにまた、この計画は第九次五カ年計画ということでありますから、昭和五十八年から六十二年まで、こんなふうに承っております。そうしますと、順調に話が進むという仮定を置きますと、先般も大臣は、第九次という前提になりますと、昭和六十二年ごろまでに着工の運びになるんじゃないか、このことに期待をしているわけですけれども、そんな認識でよろしいでしょうか。
  407. 水野清

    水野国務大臣 先ほども申し上げましたが、着工のための条件の一つとしては、神奈川県と川崎市が賛意を表していただく、恐らくこれは議会その他で議決をしていただくということも含めてであろうと思います。事務側に聞いてみますと、そういうことが一つの条件になります、こういう話でございますので、そういうことが整えば、これは第九次道路五カ年計画に、ある意味では抽象的でございますが、書き込んであるわけでございますから、さようにしたい、私はかように思っております。
  408. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 いずれにしても、そのことが首都圏の流通問題にも大きな影響力があるわけでございますし、そういう点を含めて、私どももそれぞれ神奈川県なり川崎を含めて促進方を要請してまいりますので、大臣もぜひお願い申し上げたいと思います。
  409. 水野清

    水野国務大臣 よろしくどうぞお願い申し上げます。
  410. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 続きまして、国道三五七という形でもう既に国直轄事業の一部でありますけれども、長い間十六号線の交通混雑対策としてこの取り組みは行ってまいりました。横須賀方面を含めて新しく横浜のシーサイドライン、あるいはまた埋立地を含めて地域の発展をしているところでありますけれども、しかし、道路が十六号線一本で大変困っている、これが実態であります。そういう中で、この市境の問題、戦後約三十年にわたって横浜市と横須賀市がトラブルを起こしていたところでありますが、先般やっと解決がされたわけであります。そして解決と同時に、三五七の促進がそれぞれ火の手が上がってきているわけでありまして、国の直轄事業を含めてでございますので、この辺について大臣なり関係当局の見解をお伺いしたいと思います。
  411. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 横浜ベイブリッジ以南の国道三百五十七号につきましては、現在調査中でありますが、横浜市金沢沖埋立地内の区間は既に供用いたしております。金沢沖埋立地から横須賀市に至る国道三百五十七号のルートにつきましては、先生今お話のありました野島地先の埋立地の帰属の問題でもめていたのですが、これが最近解決したと聞いておりますので、具体的な調査を実施し、できるだけ早く都市計画決定していきたいと考えております。
  412. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 一つの道路というのは、局長も御案内のように長い歳月と歴史がかかっているわけでありまして、ここもその一つであります。やっと話し合いがついたわけでありますから、今、両自治体ともその促進を願っているところであります。そういう点では、一日も早く都市計画決定をされて事業決定の方向にしていただきたい、こんなふうに思います。都市計画決定も、横浜市もあるいは県の都市計画決定もあろうかと思いますが、それに準じながら、あるいはまた現在そういう方向に来ているということで、局長としての行政指導なりあるいは全体的な首都圏の交通対策の一環としての取り組みという形で、みずからその要請なり指導をしていただける考えがあるかどうか。
  413. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 東京湾岸道路は、首都圏の交通問題を解決する根幹的な道路でございますので、この三百五十七号の延伸についても前向きで取り組んでまいりたいと考えております。
  414. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 この三五七と、より効果的にこの道路交通対策の一環として横須賀横浜道路という高速道があるわけですけれども、三五七の支線、バイパスといいますか、結びつきについては、都市計画決定はされておりますけれども、現実には予算その他を含めて今地元に対しては非常にこの促進方が要請されているところでありまして、それが完成することによって新たな交通対策、こんな形にも考えられますので、これらについての支線の取り組みについて局長としての御見解をお伺いしたいと思います。
  415. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 東京湾岸道路の金沢地先埋立地から釜利谷町の横浜横須賀道路に至る区間は、昭和五十八年度に日本道路公団の一般有料道路事業横浜横須賀道路金沢支線として採択したところであります。昭和五十八年十月には都市計画決定がなされました。     〔主査退席、高鳥主査代理着席〕 現在、日本道路公団におきまして、この道路の事業許可申請の準備をいたしておると聞いております。したがって、この許可申請が上がってまいりましたら、早速審査して許可する方向で進めていきたいと考えております。
  416. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 いずれにしても、この支線というのは、横須賀横浜道路をより有効的にするためにも三五七との支線取りつけというものをぜひ積極的に、今その姿勢が見られましたので、これからも地元を含めて、都市計画決定されたものが、やはりすぐ事業決定、事業許可という形にロスタイムのないようにぜひお願いしたい、このように思いますし、そしてその取り組みというのが今ままでどちらかというと、都市計画決定しても長い間放置されているのが現実にたくさんあるわけであります。今、都市計画決定をされて許可されている道路というのは、神奈川あたりですと大体一五%程度でありますから、そういう点で、そのようにならないように局長のこれらに対する取り組みのほどをお伺いしたいと思うのです。
  417. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 この道路につきましては、既に昭和五十八年度に日本道路公団の一般有料道路事業横浜横須賀道路金沢支線として採択しておるものでございますので、この事業を進める一つのプロセスとして、都市計画決定をなさなければならなかったわけでございますから、この都市計画決定が十月になされており、それに基づいて現在日本道路公団が事業許可申請の準備をしておりますので、これからこの道路はこの手続を進めることによって事業化が促進されていくというふうに考えております。
  418. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 そうしますと、この道路の着工というのは、五十八年度都市計画決定をされておりますし、そして今事業認可の方向に来ているということですから、五十九年度、新年度予算で少なくとも工事に着手できるという、こんな認識をしてよろしいですか。
  419. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 事業化はいたしますが、用地買収あるいは取りつけ部等あるいは海上部等の権利を有する方々とのいろいろな折衝も必要でございますから、そういう折衝に入ることになろうかと思います。そういうものが全部解決した後で工事に入るわけでございますので、五十九年度は工事にまではいけないのではないかと思いますが、事業化して工事のための諸般の準備を進めることになろうかと思います。
  420. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 都市計画決定をされた時点、あるいはしたので、一部用地買収も始まっているのです。ですから、そういうことを含めて、やはり一日も早くこの事業に着手をできるようなことが、それぞれの用地の手当ての終わったところからぜひそれをやっていかないと、いつまでたっても、用地が完全に終わってからなんというようなことをやっていたら、五年たつか十年たつかわからないわけです。そういう点では、用地買収の促進のためにも、せいぜい用地買収の手当ての終わったところは、そういう許可を与えて工事に着手されたらいいと思うのです。その辺の見解をお伺いしたい。
  421. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 日本道路公団の一般有料道路として事業を実施するわけでございますので、道路公団としては、事業許可申請をした上で、その許可がないと具体的な事業に入れないわけでございます。近く許可申請があると思いますので、それを審査した上で許可すれば、道路公団は現地で具体的に事業化に入ることになると思います。
  422. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 それでは三五七を含めてぜひその促進方をこれから見守ってまいりたいと思います。  そこで、横浜新道の問題について若干触れてみたいと思います。  御案内のように、東海道一号線と横浜新道が並行しているわけですが、大体あそこの渋滞というのを大臣は認識されていますでしょうか。
  423. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 横浜新道は、横浜市保土ケ谷区常盤台から横浜市戸塚区上矢部町に至る日本道路公団の一般有料道路でありまして、昭和三十四年の供用以来、横浜市街地のバイパスとして重要な役割を果たしてきております。  その後、現在までに、本道路と接続する第三京浜道路が昭和四十年に、横浜高速一号線が昭和五十三年に、横浜横須賀道路が昭和五十六年に供用され、これに伴いまして横浜新道の交通量も増大し、現在では、起点の三ツ沢ジャンクションから新保土ケ谷インターチェンジの間では、一日当たりの交通量は約十二万台、また新保土ケ谷インターチェンジから終点の一般国道一号との接続部の間では約七万六千台となっております。この結果、四車線のこの道路は、交通容量を大幅に上回り、常時交通渋滞を来している状況であります。
  424. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 私はここを毎日のように利用さしていただくのですけれども、朝の六時半に行きますと、料金所を含めて終点といいますかスタートの時点から全然動かないのです。これが実態なんです。ましてそれが有料道路ですよ。こういう実態なんで、私は今、ジャンクションが五十九年度予算の中で最終年度というふうに承っておりますし、それが完成されることを期待しておりますが、しかし、それが終わったところで、今局長が言われたように一日十二万台、もうはるかに処理能力をオーバーしているのです。  だからそういう点では、せっかくある横須賀横浜道路とか幹線道路、その新たなインターチェンジのところに、今横浜市は、横浜新道として既に都市計画決定をされて建設省に上げていると思います。あるいはまた昔からこの用地買収を含めて二層立体の新しい横浜新道の道路づくりというものが検討されたりあるいは一部でささやかれたりしておりました。そういう点の問題について局長が認識をされているかどうかということが一つと、さらにこれらについての具体的な取り組みについて見解をお伺いしたいと思うのです。
  425. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 ただいま申し上げましたような交通状況でございますので、特に渋滞の著しい区間である三ツ沢ジャンクションから新保土ケ谷インターチェンジまでの間の三キロメートルにつきましては、これを六車線化するように昭和五十七年度に日本道路公団の一般有料道路事業として採択したところであります。現在、神奈川県におきまして、この三キロの区間の都市計画変更の手続を進めております。昨年の十二月十三日から二十七日まで都市計画案の公告、縦覧が終わったところであり、近く都市計画が決定されると考えております。それに引き続きまして日本道路公団から事業許可申請が出されることになると思いますが、それを審査の上速やかに許可し、この三キロの区間の六車線化の事業化を図っていきたいと考えております。
  426. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 局長さんの答弁は大変ありがたいのですけれども、どちらかというと何か交通対策について待ちの姿勢なんですね、許可が上がってきたらやりましょうかと。しかし、あなたが先ほど説明されているように三キロの間を十二万台も通っているのですよ。待ちどころか促進方をするために早く上げろよ、こういう姿勢があってもいいのじゃないですか。その辺御決意のほどを。
  427. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 決して待ちの姿勢ではございませんで、昭和五十七年度に日本道路公団の一般有料道路事業として採択するに当たりましては、道路局も全力を挙げて大蔵当局とも折衝したところでございます。ただ、道路整備特別措置法の手続が必要でございまして、道路公団が事業の許可申請をして、その許可を得て実施することになっておりますので、その許可手続をこれから始めようということでございます。
  428. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 今あなたは道路公団から上がってきたらということですけれども、逆にそれの促進方もぜひお願いしたい、こんなふうに思います。  そこで、実は先般大臣に河川法の空間利用の問題で予算委員会で御答弁いただいたわけですけれども、あのときの答弁は、時間もなかったせいだと思いますが、大変残念ながら何か非常にありきたりの答弁で、ほわっと終わったのです。私は非常に残念だと思っているのです。ということは、その辺について再度質問させていただきたいわけですけれども、実は河川法が昭和三十九年にでき、四十年一部改正されました。しかしその後、都市化に伴ってその法律のとおり河川法というのは運用されてないと思うのです。例えば河川用道路という堤防敷は、本来ならばやはり河川管理用道路ですから使ってはいけない。しかし、現実にはもう都市化の波で、その道路をコンクリート舗装されたりいろいろなことをして有効に使っておる。私はいいことだと思うのです。そして私がお願いして先般質問させていただいたのは、駅周辺の河川が流れているところ、その空間地対策として駐輪場とか駅前広場にぜひ前向きな姿勢で考えていただきたい。いや、それはしゅんせつのために邪魔になるとかあるいは水害のために、こういう御答弁で終わったのですが、私はうそだと思うのです。現実に横浜のあの繁華街の西口には帷子川の改修に伴ってちゃんとふたをして地元から大変喜ばれて、積極的なその河川課の姿勢というものはたたえられておりましたし評価をされております。そしてまた横浜と鎌倉の市境に砂押川というのがある。そこには今まで駐輪場計画があったのです。そしてそれは当初その河川の高さから二メーターも高いところだったのです。それじゃおかしいじゃないか、利用者を無視するということでいろいろな協議をされた結果、GL、グランドラインにちゃんと立派に駐輪場ができておるのです。私はそういう一つ一つの前向きな姿勢というものを高く評価をしたいと思うし、一日に例えば十七万の利用者があって四千台以上の自転車や単車が放置されている、そういうところの駐輪場対策という形の中で、何も何百メーターもふたをしろと言っているわけじゃない。そういう点ではその数十メーターとかという形の中でふたをしても、私はしゅんせつに全然問題はないと思う。あるいは台風のときに心配であるならば、底上げをし、オーバーフローできるようにしておけばいいわけです。そんなことを考えたら、技術的な問題で全部解決する。やろうという姿勢が現実にあるかどうか、私はそれだと思うのです。
  429. 水野清

    水野国務大臣 予算委員会で先生の御質問に対しての答弁、御不満であったろうと思います。現在の河川法上では、原則としては河川にふたをしてしまいますとしゅんせつができない、あるいは上流からごみが流れてきて詰まってしまって、そこがボトルネックになってはんらんをする、こういうことでできないようになっている。これは実は答弁としてはそうなってしまうわけであります。しかし、そうでないという例も先生が今おっしゃいました。これはやはり具体的な問題として、ここで今私が何ともお答えができない問題もございます。またひとつよろしく御指導いただきたいと思います。
  430. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 そこで河川局長にお伺いしたいわけですけれども、御案内のように、横浜の戸塚にある柏尾川、そして大船駅前を流れている柏尾川、激特で河川工事がおかげさまで終わったのです。そして望まれていることは、駅前のそういう広場や駐輪場、こういうことでぜひ建設省の前向きな姿勢を地方自治体も期待しておるのです。それについて局長としての見解をお伺いしたいと思うのです。
  431. 井上章平

    井上(章)政府委員 河川にとりましては、水害を防止することが最大の目的であります。しかしながら、河川空間の利用については、私どももいろいろ苦心をいたしております。特に都市部の河川におきましては、そういう御要望が強いわけでありますので、少なくとも河川敷については積極的に公園あるいは広場等として利用を図ってきておるところであります。  今、先生のおっしゃいました大船駅、戸塚駅の駅前でございますか、その柏尾川につきましては、激特事業でようやく治水対策も大分進んでまいりました。しかしながら、治水対策優先でありますだけに高水敷の部分がありません。ございませんために、そういった意味の利用を図ることは困難であります。したがって、もしここで利用されるとするならば、河川にふたをしてその上を利用するしかないわけでありますが、これにつきましては、ただいま大臣からお話がございましたように、私どもとしては、河川管理上非常に重大な支障になるということで、一般的にはなかなか認めがたいわけでございます。しかし、例があるではないかというお話でございますが、確かにいろいろな条件を考慮いたしまして、例えば現在の治水計画に対して十分過ぎるほどの川幅もある、あるいは能力もあるというような、数多くの河川の中にはそういう条件下にあるところもないわけではないということでございますので、したがいまして、そういうところにつきましては、そういった応用動作もあるいは可能かと思います。しかし、一般原則が非常に大事でございまして、この原則を崩しますと、あそこができておるのにどうしてここはできないというような形で全般的にふえんせざるを得ない。その結果、ただいま申し上げましたような、河川の最も要求される水害防止効果を減殺するということになっては大変でございますから、私どもも非常に慎重にならざるを得ないわけでございます。よろしく御理解のほどをお願いします。
  432. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 大変慎重論もわかります。しかし、時代は流れているのです。行政改革もやって臨調も進んでいるのです。そういうときに、確かに古い河川法をそのままにしておくことはないと思うのです、大臣。そういう点で見直しをして――特例を認めてほしいけれども、何も特例を認めなくとも、河川法を変えるとか、いろいろな形で見直しをして当たり前だと私は思うのです。私は、そういうことを含めて、五十ミリ対応、七十ミリ対応、もう既に終わりつつあるところでありますし、そういう空間地利用というのはこれから大いにできてくることだと思うし、構造上あるいは技術上可能なことだと思う。こういうところをやはり積極的に見直しをして、今本当に高いところの用地を手当てして、現実に駐輪場対策をやっているわけでしょう。しかし、それより空間地を利用したらもっともっとお金も安く、臨調の精神なりいろいろなことを含めて私はできると思うのです。  最後に、大変時間もなくなりましたので、大臣にその決意だけをひとつ述べていただきたい。
  433. 水野清

    水野国務大臣 先生も私もお互いに政治家として、御出身の地域の要望をなるべくかなえてやりたいというお気持ちもわかりますし、私も自分の県に帰りますと、駐輪場の問題たくさんございます。でございますから、ひとつこの問題はやはりケース・バイ・ケースとして考えさせていただきたい。河川法原則をここで改正いたしましたら全国そういうことになってしまいます。先般来この委員会でも都市河川の議論が大変たくさん出ておりますが、現在は五十ミリ洪水で対処しております。しかし、恐らく都市に人口がこれからもっともっと集中しできますと、将来は百ミリ洪水というような問題になってくるかもしれない。案外そのときになってしまって、ふたをしてしまったということになるかもしれません。これは先生のところの例ということじゃない、全般的な例としてそういう問題が出てくると私は思います。やはり遠い将来を見ながら、また現実の私どもの問題も考えながら、これは処理させていただきたい、こう思っておりますので、これは委員会でございますので、これ以上私は申し上げることはできません。どうぞひとつ御了承いただきたい。
  434. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 大変前向きな姿勢と政治的な発言を期待申し上げ、そしてまた私もこれに執念を燃やして、今日まで何回となくやってまいりましたので、その辺をこれからひとつよろしく地域の発展と、さらに新しい時代の流れに伴う行政のために、ぜひともお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
  435. 高鳥修

    ○高鳥主査代理 これにて田中慶秋君の質疑は終了いたしました。  次に、水谷弘君。
  436. 水谷弘

    水谷分科員 最初に、北関東横断道路の推進についてお伺いをいたします。  北関東横断道路は、御存じのとおり、北関東地域内の水戸、日立、そして宇都宮及び前橋、高崎等の各都市圏を相互に連絡し、そしてまた水戸射爆場跡地に計画されている東京圏流通機構の一部としての常陸那珂港と接続することにより北関東の総合開発を推進し、地域内外の物的流通の円滑化を図る交通動脈であります。既に第九次道路整備五カ年計画では、調査を進め、一部区間から事業に着手することとされております。五十八年十月に、茨城県常陸那珂港建設着工と、これに接続する国道二百四十五号から国道六号までの約十四・六キロメートルについては、既に都市計画決定をされ、この北関東横断道路の早期実現へ向けて一歩を踏み出したと私は受けとめております。  そこで、栃木県におけるルート及びインターチェンジの位置の早期確定及び緊急性の高い区間からの早期着工を私は強く望むものでありますが、その見通しをお尋ねいたします。
  437. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 北関東横断道路は、先生おっしゃられましたように、茨城、栃木、群馬の三県を相互に連絡し、水戸射爆場跡地に計画されている流通港湾と相まって、北関東地域の開発の基盤となる幹線道路の計画であります。  栃木県内における本道路の計画につきましては、現在、路線の比較検討などの調査を実施しておりますが、いまだルートなどを確定するに至っておりません。今後さらに調査の進捗を図り、関係機関と調整の上、ルートなどの確定に努めてまいりたいと考えております。
  438. 水谷弘

    水谷分科員 具体的にどのような調査をされておりますか。詳しくお伺いいたします。
  439. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 ルートを決めるためには、幾つかの比較線を考えるわけでございます。最初はペーパーロケーションと申しまして、地図の上で幾つかの比較線を考えまして、それぞれの路線について長所短所、概算建設費がどういうふうになるか、さらに最近では環境問題がどういうふうになるかなど概略の計画を進めるものでございまして、その後、その比較ルートの中で、その時点で一番好ましいと思われるものに本腰を入れて実測線調査をやるわけでございますが、現在、栃木県内においては、この計画線調査、比較線調査を実施している段階でございます。
  440. 水谷弘

    水谷分科員 地元の開発整備計画等がいろいろ進んでいるわけでございます。そういう計画とこの大規模な事業計画の整合性を考えても、でき得る限り早く調査をお済みになって、ルート、インターチェンジを決定していくべきだと考えております。早急な確定を最後にお願いしておきます。  次に、下水道整備についてお伺いをいたします。  本年の三月末現在の下水道普及率、これが全国平均で三二%、それに対して栃木県では現在の整備率は一二・九%で、全国の第三十位になっております。栃木県としては昭和六十年に四〇%の目標を掲げて今取り組んでいるわけであります。御存じのとおり、栃木県は、利根川流域の上流部に位置して、東京都を初め首都圏の水資源確保の上からも、水質保全に対する対応は急務であります。このような立場から、建設省でも積極的に栃木県の流域下水道及び公共下水道の整備に取り組んでいくべきであると考えますが、具体的な対応についてお伺いをいたします。
  441. 松原青美

    ○松原政府委員 御指摘のとおり、栃木県におきましては、下水道事業の整備、宇都宮ほか二十二都市で行っておりますが、確かに五十八年度末現在の普及率は、私どもの調査では約一四%ということで、全国の普及率に比較しまして低い水準にあるわけでございます。県としても、この下水道整備につきましてはかねてから熱心におやりになっておられます。私どもも、最近の財政状況の厳しい折から、計画どおりの事業実施が困難な状況にはありますが、最近のこの地方の水質汚濁、浸水被害の状況にかんがみまして、下水道整備の促進を図ってまいりたいと考えております。
  442. 水谷弘

    水谷分科員 具体的には、五十九年度の予算要望等で地元からも強く要望されておりますので、ひとつ十分な対応をお願いをしておきます。  関連しまして、都市計画事業の推進、これが今急激に行われております。そのために水田地帯がどんどん宅地化されてまいりますと、降雨時には溢水状態が各地で発生するわけであります。その被害も年々拡大されている現状であります。  そこで、小山市で行っております公共下水道事業、この中の横倉幹線下水道事業についてお伺いをいたします。この事業は、既成市街地から国鉄東部一帯の新市街地約千五百ヘクタールを対象にして、降雨時の浸水対策について、地域住民より早急な解決が迫られているわけであります。小山市としても、最重点事業と位置づけております。五十三年より事業実施中でありますが、ぜひ早急な事業完成を望むものでありますが、見通しをお伺いしたいと思います。
  443. 松原青美

    ○松原政府委員 御指摘の小山市の公共下水道の横倉幹線、これは既成市街地を出ましたところで、約五百メートルの区間にわたって未整備区間がございます。そのために整備が急がれているところでございまして、今後できるだけ早期に完成するよう栃木県あるいは小山市とも協力して指導してまいりたいと思っております。
  444. 水谷弘

    水谷分科員 どうかひとつ積極的な対応をお願いいたします。  次に、中小河川の整備でお伺いをいたしますが、思川の改修整備事業、これは昭和二十六年より着実に行われてきたわけでございますが、小山市の中心部観晃橋周辺の改修計画、ここは長年その改修計画の早期完成が望まれている場所でありますが、現在どのように進んでおりますか、お伺いをいたします。
  445. 井上章平

    井上(章)政府委員 思川の河川改修は、ただいま先生お話がございましたように、二十六年から中小河川改修事業を実施いたしておりまして、この観晃橋の周辺を除きますと、大体堤防は概成をいたしたわけでございます。  懸案の観晃橋地区につきましては、川幅が前後は三百メーターございますが、ここだけは二百メーター程度と非常に狭い。しかも人家が密集しているというような事情にあるわけでございまして、ただいま鋭意その引き堤工事を実施中でございます。五十八年までの進捗率は、事業費で見ますと大体五六%ぐらい進捗いたしておるわけでございます。内訳といたしましては、用地はほとんど八〇%ぐらい買収を終えております。築堤も総延長二千二百メーターでございますが、そのうち千四百メーターほどは暫定堤防ができておるわけでございます。この観晃橋のかけかえと関連いたしまして、私どもといたしましても、今後とも早期完成に向けて努力してまいりたいと思っております。
  446. 水谷弘

    水谷分科員 今の御答弁のように、非常に思川全体でもネックになっておるところでございます。どうか早期完成の対応をお願いをしておきます。  次に、その改修工事と一体的に進めていかれる事業でありますが、小山市の市街地整備の上から非常に中心的な位置づけをされております観晃橋、このかけかえ工事については県からも強い要望が建設省に出されていると思いますが、この工事の見通しについてお伺いをいたします。
  447. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 観晃橋のかけかえ工事は、ただいま河川局長からのお話がありました思川の河川改修事業に伴ってかけかえの必要が生じてきたものであります。昭和五十三年度から事業に着手して以来、取りつけ道路の用地買収を鋭意進めており、今後も河川改修事業との調整を図りつつ事業を促進してまいりたいと考えております。
  448. 水谷弘

    水谷分科員 次に、国道四号そして五十号の整備状況についてお伺いをいたします。  昭和六十年国際科学技術博覧会が筑波で開催されるわけでございますが、現状でも栃木県の中央部それから県南部ともにこの四号、五十号国道の異常な交通渋滞、これによって交通輸送面で大きな障害をもたらしているわけでございます。そこで、筑波博開催までにということで地元も期待をし、その整備を進めてこられたわけでありますが、ぜひその事業の一層の促進をお図りいただきたい、この見通しをお伺いいたします。
  449. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 先生お話しの国道五十号の岩舟小山バイパスは、岩舟町から小山市に至る区間の交通混雑の緩和及び交通安全の確保を図ることを目的に計画された延長十・三キロのバイパスであります。このバイパスは昭和四十九年度から事業に着手し、現在鋭意工事を進めており、昭和六十年三月における科学技術博覧会開催前の全線供用を目途に現在努力しておるところでございます。
  450. 水谷弘

    水谷分科員 五十号の御答弁をいただきましたが、四号の、現在県道小金井結城線のところでとまっておりますが、そこから五十号国道までの六・六キロ、実はこれが現在宇都宮までの間で一部供用を開始されておりますけれども、この区間が完成いたしませんと、せっかく事業を行ってこられても事業効果が非常に乏しい。ぜひこの六・六キロの区間の整備をお急ぎいただきたい、このように考えておりますが、見通しをお伺いいたします。
  451. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 今先生御指摘の、新四号国道のうち、一般国道五十号から一般県道小金井結城線までの間六・六キロメートルにつきましては、現在用地買収を完了し、橋梁などの構造物の工事を施行しているところでございます。この区間は軟弱地盤であるため、段階的に盛り土を行う必要があり、この盛り土の沈下を見ながら工事を進めるため、工事完成にはまだ期間を要しますが、六十年代の早い時期に供用できるよう全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
  452. 水谷弘

    水谷分科員 六十年代の早い時期といいますと、大変気の遠くなるような話でございますが、ぜひ強力に推進をお願いいたします。  さらに、同じ五十号の問題でありますが、佐野-足利間の暫定二車線区間、ここは四分の二供用開始になっております。用地買収も済んでおるところでありまして、工事にかかれるところでありますが、現状は大変な交通渋滞を来しております。この二車線区間の四車線化と、もう一つ旧四号国道から結城までの、これは二車線区間でありますけれども、歩道の設置と四車線化、この事業の推進方、進め方をお伺いいたします。
  453. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 最初の佐野-足利間の佐野バイパスと足利バイパスにつきましては、既に暫定二車線で供用済みであります。現在、交差点における交通渋滞緩和を目的として足利バイパス区間における県道、足利大泉線との交差点立体化の設計を進めております。全体の四車線化につきましては、当面、実施する予定のこの交差点立体工事が完了した時点で、交通の状況を勘案しつつ事業の進め方を検討したいと思っております。  それから、小山-結城間の六キロメートルにつきましては、五十八年度に四車拡幅のための用地測量に着手したところであり、今後沿道に計画されている区画整理事業の進捗も勘案しながら用地買収を進め、逐次四車線化を図っていきたいと考えております。
  454. 水谷弘

    水谷分科員 それでは、積極的に対応をお願いいたしまして、次の質問をいたします。  大臣がお見えになっておりませんが、ぜひ大臣にお伺いしたいことがありますのでよろしくお願いいたします。  国営公園の整備について御質問いたします。  現在、開園中の国営公園は五公園、昭和五十八年三月現在で六カ所が整備中であると言われております。今後のレクリエーション事業の増大傾向を考えて、国営公園をどう整備されるおつもりか、御質問いたします。
  455. 松原青美

    ○松原政府委員 国が設置いたします都市公園、これは国営公園と申しておりますが、現在、国営昭和記念公園を初め全国で十一公園を整備中でございまして、うち七公園が現在供用されております。五十九年度からは四国地方に国営讃岐丘陵公園、これは仮称でございますが、新規着手することといたしてございます。この十一公園のうち四公園が、国家的な記念事業あるいは国家的な文化的資産の保存、活用のためのものでございまして、七公園、今度四国を入れまして八公園になるわけでありますが、これが地域ブロックの広域的な利用を図るための公園ということになっております。現在、鋭意これらの整備を進めているところであります。
  456. 水谷弘

    水谷分科員 渡良瀬遊水池の国営公園化、このことについては前々から関係各省についても、地元から、また首都圏の各団体からその国営公園化が強く望まれているところでございます。これは大臣も御存じかと思いますが、この渡良瀬遊水池は、足尾鉱毒事件に端を発しまして、旧谷中村を強制移転するについては、現在記念館で行われております記念行事になっております田中正造先生がその先頭に立たれて、血のにじむような活躍をされたところでございます。渡良瀬川、思川、巴波川の三つの河川が合流しておりまして、非常にこの地域は立地条件にも恵まれ、そして現在は、首都圏への水資源供給基地として重要な役割を果たしております。この渡良瀬遊水池における水かめ構想の実現に向けては、地元の関係市町村、住民の皆さんの惜しみない努力がありましてこれが実現したわけであります。この辺のことを御理解をいただいて、ぜひこの渡良瀬遊水池公園の国営公園化の具体的な取り組みをお願いをしたい。大きな事業でございますが、大臣の御所見を一言お伺いしたいと思います。
  457. 松原青美

    ○松原政府委員 先生御承知かと思いますが、現在、都市公園法施行令と施行規則によりまして、広域の見地から設置する国営公園は、当分の間、全国を九つのブロックに分割しまして、そのブロックごとに一カ所を整備することとされております。  関東ブロックにおきましては、現在、茨城県で国営常陸海浜公園を整備中でございまして、そういうことを考えますと、渡良瀬遊水池の国営公園化につきまして、地元あるいは県から強い要望があることは承知いたしておりますが、現在のところ、当分の間、新たに関東ブロックにおきまして国営公園の整備に着手する計画はないわけでございます。
  458. 水野清

    水野国務大臣 ただいま局長から申し上げましたように、地元から大変強い要望が出ているということも承知をしております。せっかく先生のお話でございますので、検討したいというところでございますが、ともかく、現在の全国的な国営公園計画の中では、一ブロック一カ所ということで規定をされておりますので、次の期に入ってからこういうものをまた検討させていただく。現在の国営公園が各ブロックごとに一カ所ずつございまして、それぞれ予算化をされて進行しております。数年先になると思いますが、次の計画の中で先生の御要望を取り入れるように、まあそのときまで私が建設大臣をやっていることはないわけでございますが、よく事務当局に申し伝えるようにさせておきます。
  459. 水谷弘

    水谷分科員 随分積極的といいますか、懇切丁寧な御答弁でございまして、ぜひお願いをいたします。  最後に、公共事業費における建設資材の問題について質問をいたします。  特に私が御質問いたしますのは、砂利、砕石の公共事業費における積算価格と、実際に建設業者が購入される価格との間で大きな価格差があると言われておりますが、この実情について、現状についてどのように把握をされているか、お尋ねいたします。
  460. 台健

    台政府委員 最近の建設活動の低迷を反映いたしまして、建設資材の価格は、一部の資材を除きまして、横ばいないしは下降傾向となっております。特に、砂利、砕石等の一部の建設資材では、資材業界過当競争もありまして、価格の低落を招いているものがあるというふうに見ております。資材の価格の低落につきましては、建設省といたしましても、重要な関心を持って眺めております。
  461. 水谷弘

    水谷分科員 今、現状認識についておっしゃいましたが、私の方からもう少し具体的に申し上げます。  建設資材価格については、私は、生産費とノーマルな経営利益が保障されるものでなければならないと考えます。しかし現状では、公共事業費において決められる積算価格の算出そのものが、実勢価格に引きずられて非常に低いところで決められているという問題が一つあります。  ところが、その上にさらに、建設業界の経営悪化のために、勢い購入する資材価格を低く抑え込むという現状が出ているわけであります。このようなことから、実はそのしわ寄せは全部砕石生産販売業者やダンプ業者にしわ寄せがなされて、採算割れのために生活が成り立たない、そういうことから発生して、従来からのダンプの過積載という大きな問題が出ているわけです。  栃木県においては昨年十一月より、この過積載防止のため、ダンプ業者を初め業界関係者が、経営の悪化の一段と進む中で、実は涙ぐましい自主規制を行うなど、真剣な対応をしているわけであります。  生活が成り立たない、こういう状況の中で私がお願いをしたいのは、建設省立場というのは、適正な価格を指導する、そしてまた、いわゆる粗悪なものに対する品質の確保、これらについても指導的な立場におありになるわけで、今後どう対応されるか、一言答弁をお願いしたいと思います。大変重要な問題で、大変な問題を抱えておられる関係者のことを思いますと、大臣がこの問題に対して誠意ある取り組みをしていただきたい。御所見を最後に。
  462. 水野清

    水野国務大臣 今、先生がおっしゃいますように、実は御質問があるということで資料を取り寄せました。これは建設省の労働資材対策室の資料でございますが、これを見ましても、例えば特に先生のお話があった骨材にしましても、五十六年度は五十五年度に対してマイナス四・二%である、五十七年度はマイナス二%である、五十八年度は前年度に対してマイナス一・六%だ、かように年々と物価が上がる中で、骨材は五十八年度需要量は四億八千百万立米だ、こういう数字が出ております。  実は私もかねがね同じような感覚を持って見ておったわけでございますが、不況になると建設業者は下請の頭をよくたたいて安く仕事をおろす、下請はまた材料業者をいじめる、その悪循環の中で、言ってみるとダンプの運転手というのは非常に気の毒な立場でありまして、最後には過積載で警察に捕まって罰金を取られる。私もそれは現実に見ておって非常にかわいそうでならぬのであります。建設大臣になりましてから、私もこれはもう少しやってやらにゃいかぬと思っておったところでございます。  抽象的なことでございますが、建設事業の円滑な執行を図るためには、建設資材の適正な価格による安定的な供給と品質の確保を図られることが建設省では望ましいと思っている、こういう抽象的な言葉になりますが、同時に関係機関に対しまして、資材納入業者等の適当な請負業者が適正価格で取引をするように、これはひとつ強く指導をしたい、かように思っております。
  463. 水谷弘

    水谷分科員 大臣、即答はできないと思いますが、私は、これらの問題を根本的に解決するためには、建設資材の適正な最低価格というものを設けていかなければ、どのような指導をしても非常に難しい、このように考えますが、この点はいかがでございましょう。
  464. 水野清

    水野国務大臣 これは大変難しい問題でありまして、やはり自由価格で取引しているわけであります。確かに、強い者が弱い者をいじめてはいかぬという理屈は言えるわけでありますけれども、さて、最低価格というものはやはり需要と供給で年々できできますので、それでは一体だれがそれを裁定するか。年々それを適正に出していき切るか。いろいろな問題が私はあると思います。おっしゃることは一つの御見識であると思いますし、何とか方法を講じてこういう零細なダンプ業者みたいな人を助けてやりたいという気持ちは私はいっぱいでございますが、その方法につきましては、ちょっとここで明確なお答えはできないので、ひとつどうぞお許しをいただきたいと思います。
  465. 水谷弘

    水谷分科員 どうかひとつ今の心情を具体的な形で実現をしていただきたい、このことを最後に申し上げて、私の質問を終わります。
  466. 高鳥修

    ○高鳥主査代理 これにて水谷弘君の質疑は終了いたしました。  次に、浦井洋君。
  467. 浦井洋

    浦井分科員 高齢化社会と住宅問題というようなことで少し大臣にお聞きしたいと思うのです。  まず大臣に、これは大臣もよく御承知のように、高齢化社会が今急速に、幾らかひずんだ形で日本ではやってきておるわけですね。これは大臣も異議ないと思うのですが、老人問題、高齢者問題といいますと、医療、年金、雇用問題、で、よく忘れられるのが住宅問題である。しかし、この医療、年金、雇用問題と並んで高齢者の住宅問題というのは、これから政治の大きな課題になってくるのではないかというふうに私は思うわけです。恐らく大臣もこの点では異議ないと思うのですが、それでは現状認識でありますけれども、高齢者の方々が住宅に関してどういうような要求なり要望を現在持っておられるか、あるいはそういうお年寄りの方々が今の老人住宅対策の現状をどう認識しておられるか、ちょっと一般的ではありますけれども、大臣の御見解をまず聞いておきたいと思うのです。
  468. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 老人問題につきまして、住宅対策も非常に関係があるわけでございまして、これにつきましては私どももかねがね研究をしております。で、一般的に現在の老人の方々が住宅についてどういうような要望があるかということでございますが、現在の私どもが実施をいたしております老人向けの住宅対策の関連によって申し上げますと、一つは、老人の方が同居をしている家族構成の場合にはどうしてもその世帯人数が多くなりますので、やはりそういった方々に大きな住宅を供給すべきである。逆に言えば、老人同居世帯向けの大型の住宅を公的住宅として供給してもらいたいという御要望が強いと承っております。  それからもう一つは、高齢化社会の到来とともに、単身の老人世帯というものが次第にふえてきておりまして、したがいまして、公営住宅を中心として、単身用の老人向け公営住宅への入居の道を開いてもらいたいという御要望が多いと承っております。  もう一つ非常に難しい問題は、やはり老人になりますとどうしても病気その他障害が出てまいります。それに対して、公的住宅に入る場合に介護の問題についての御心配があろうかと思います。  その他、種々あると思いますが、以上のようなことを承っているわけでございます。
  469. 水野清

    水野国務大臣 ただいま住宅局長が申し上げましたように、非常に高齢化社会になってくる。今言ったように、一つのタイプは家族と一緒に暮らしたい、もう一つは、暮らしたいとか暮らしたくないということとは別に、老人が一人で暮らさなければならない、その際に一体介護の問題をどうしていくか、こういった問題だと思いますが、現在私どもでは第五期住宅建設五カ年計画を策定しております。その策定のために、住宅宅地審議会に対して今後のそういう高齢化社会というものも含めた住宅宅地政策のあり方についてただいま諮問をしているところでございます。今後その諮問の結果を待って、ただいまのような問題がどうせ出てくるだろうと思いますが、住宅公団その他に対して施策を行うように指導させてまいりたい、かように思っております。
  470. 浦井洋

    浦井分科員 住宅局長は大きな住宅が欲しいだろう、単身者向けの公営住宅に入居の道が必要であろう、そういう道が欲しい。それから介護つき、ケアですね、ケアつき住宅が欲しいということで莞爾として言われたわけですが、そうしたら、住宅政策に責任を持つ建設省として、そういうことをある程度実態として、あるいは数字としてつかむ必要があると思うのです。だから、そういうお年寄りを取り巻く住宅事情について調査されたことはありますか。あるいはまたこれから調査されますか。
  471. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 住宅調査につきましては、五年ごとに住宅統計調査を行いまして、既存の住宅の事情等につきまして調査を行っております。それからまた、住宅需要実態調査というのをやはり五年ごとにやっておりまして、五十八年に調査をやっております。この二つの調査の中で、老人住宅関係につきましても調査を行っているところでございまして、この集計の結果がことしの春以降、五月以降ぐらいに集計がまとまってくると考えられておりますので、その結果に基づいて種々の施策を検討していきたいと考えております。
  472. 浦井洋

    浦井分科員 ひっかかるようですけれども、六十一年度から第五期の五カ年でしょう。第四期の五カ年というのが現在執行中といいますか、そこでは老人高齢者向け住宅という話が余り出ておらぬわけですよね。今度は、今も大臣言われたように、住宅宅地審議会に諮問をして答申を得てやろうということで、そういうところからいけば、あなたは住宅統計調査であるとか、住宅需要実態調査であるとかいうようなことを言われておりますが、     〔高鳥主査代理退席、清水主査代理着席〕 必ずしも、ことしのいつですか、十一月か十二月ごろですか、結果が出ても、果たしてお年寄りの方の住宅に対する要望がまとまるのかどうか非常に疑わしいと思うのですよ。だから、やはりこれから冒頭の質問に返りますけれども、急速な高齢化社会を迎えて、やはりここでプロパーな調査が必要じゃないんですかね、私はそう思うのですが。
  473. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 先生の御指摘のように、高齢化社会の到来の速度というのが、欧米先進諸国に比べましても非常に速いスピードで到来しております。  住宅政策につきましても、種々の対策は講じてはおりますが、もちろんこれが完全に十分なものであるとは考えておりません。したがいまして、昨年の秋に、私、住宅局長の私的な研究機関といたしまして、高齢化社会の到来に対応して住宅政策というのはどうあったらいいだろうかという研究会を発足させております。そこでいろいろ勉強をいたしておりますが、なお必要な場合には、今後調査を行うということもやぶさかではないと考えております。
  474. 浦井洋

    浦井分科員 これはもうぜひ高齢者の住宅問題というのは重要ですから、やぶさかでなければやっていただきたいというふうに思いますが、これは住宅局長の私的諮問機関の話ですから、大臣はあれですけれども、今大臣聞かれたと思うのですが、ぜひ高齢者をめぐります住宅問題について、実情把握のためにプロパーな手を講じていただきたいと思うのですが、よろしいですね。
  475. 水野清

    水野国務大臣 おっしゃるとおり、調査をさしたいと思います。
  476. 浦井洋

    浦井分科員 そこで、これは住宅局長お尋ねしたいのですが、居住水準ですね。大体今で最低の居住水準それから平均居住水準を満たしているのはどれくらいあるのか、いつごろこれをゼロというか、一定の目標を立ててその解消のために努力をしておられるだろうと思うのですが、その二つについてちょっと局長からお聞きしておきたいと思うのです。
  477. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 最低居住水準は、通常の平均的世帯であります四人家族の場合に、住居専用面積で、規模について申し上げますと、五十平米であります。平均居住水準が同じような家族構成の場合に八十六平米ということになっております。  先ほど申し上げましたように、最低居住水準未満世帯が現在どの程度あるかということは、五年ごとの住宅統計調査で実施をしておるわけでございますが、現在わかっておりますのは、昭和五十三年の住宅統計調査の結果でありますが、これによりますと、規模要因で言いまして、全世帯の約一四・八%が最低居住水準未満の世帯であるということでございます。  なお、参考までに申し上げますと、昭和四十八年、すなわち五年前の調査では、全世帯の約三一・五%が最低居住水準未満でございましたので、五年の間に相当の改善が行われたというように考えております。
  478. 浦井洋

    浦井分科員 平均は。
  479. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 平均は、規模要因で申し上げまして約六〇%でございます。正確には規模要因で五八・三%でございます。
  480. 浦井洋

    浦井分科員 目標達成は。
  481. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 目標は、全世帯の半数以上が平均居住水準以上の水準の住宅に居住することを目標とし、最低居住水準未満の世帯をなくそう、昭和六十年を目途としてなくそう、こういうのが目標でございます。
  482. 浦井洋

    浦井分科員 そうすると局長、ちょっと何か答弁抜かされたようですけれども、最低居住水準未達成が一四・何ぼある、規模要因でね。
  483. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 一四・八%。
  484. 浦井洋

    浦井分科員 そうすると、それを六十年度にゼロにしたいという目標は立てておられるわけですか。
  485. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 最低居住水準未満世帯をなくそうという目標は立てております。
  486. 浦井洋

    浦井分科員 六十年度に…。
  487. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 六十年度までにです。
  488. 浦井洋

    浦井分科員 それをはっきり初めから言っていただくと、余り質問はごたごたせぬで済むわけで、大体きのう打ち合わせてあるはずですから、よう勉強しておってもらわなければいかぬです。  そこで、その話を聞かれて大臣、確かに建設省の目標としては、六十年度に最低居住水準を満たしておらない住宅をゼロにしたい。それはそれでよいと思うのですが、しかし、大臣も大都会が選挙区でないので御存じないかもわかりませんが、大都会の賃貸住宅、特に公営住宅などで、今でも余り古い、狭い公営住宅などで、そこへお年寄りが、しかも一人暮らしの独居老人が今住み、ずっとそこへ集積し、沈殿しつつある、これが実情であるわけなんですよね。これから六十年度になるほどゼロにしたい。しかし、私はなかなかゼロにならぬと思いますよ、このままの施策を続けていく限りは。だから、そこへやはり今までに足らなかったような老人住宅対策というようなものが、施策としても、あるいは具体的な公的援助としても必要になってくるのではないかというふうに私は思うわけです。  今大臣は、もう既に言われたのですが、第五期の住宅建設五カ年計画を諮問しておる、そこには、高齢化問題というのが一つの重点になっておるというふうに言われたわけでありますが、ひとつそこのところを考えて、中間でも結構ですから、住宅宅地審議会の委員の先生方によくここのところは、急速な高齢化社会を迎えて重点なんだから、しっかりとよい答申をいただきたいということをひとつ頑張って意見具申、意見具申といいますか、やっていただきたいと思うのですがね。ちょっとその点だけ。
  489. 水野清

    水野国務大臣 先生のお話は、公営住宅に家族や何かとともに住んでおって、それがだんだんに老人一人になってしまったとか老夫婦だけになってしまった、そういうのが、公営住宅、公団住宅なんかの古いのに確かにそういう方が住んでおられますね。そういうことを御指摘なんですか。
  490. 浦井洋

    浦井分科員 いやいや、私が一番恐れておるのは、今でもそうですけれども、特に比較的所得が低くて住める公営住宅ですよ、都営住宅、県営住宅、市営住宅、こういうところに今既にいろいろなルートで独居老人であるとか老人だけの御夫婦であるとか、そういう人たちが蝟集しつつある。これから最低居住水準をゼロにしたいと住宅局長は言っておられるけれども、実際には、最低居住水準を満たせないままで、狭くて古い公営住宅にますますわっとお年寄り夫婦あるいは独居老人が沈殿していく可能性があると私は思うので、その点についてもう一歩施策なり公的援助なりを進めてほしい、こういうことを言っているわけです、少し言い方が回りくどいかもしれませんが。
  491. 水野清

    水野国務大臣 私がちょっと取り違えておりましたが、確かに御指摘のような問題は都市には起こってくると思います。そういうものも含めて今度の五カ年計画の中で審議会に諮問をしたいと思います。
  492. 浦井洋

    浦井分科員 厚生省、今聞かれたように、やはり建設省というのは箱をつくればよいんだ、戸数が多ければよいんだ。事実そうですよ。それから厚生省の方は、福祉だということで逆に箱のことは全くなおざりにする。縦割り行政の典型が住宅、特に老人をめぐります住宅問題でもその矛盾が出てきておるわけなんですが、厚生省としても福祉住宅的な観点、それから建設省としても単に箱をつくるのでなしに、やはり福祉と住宅とをコンバインですか接続させたような、そういうやり方が私はあらまほしいと思うのです。これは別に質問にはならぬかもわかりませんが、厚生省のこれからの行き方について一言聞いておきたいと思います。
  493. 古瀬徹

    ○古瀬説明員 昭和四十五年に中央社会福祉審議会が老人対策のこれからの進め方について答申をしておりますけれども、その中に、既に、豊かで明るい老後生活を確保するためには、生活保障とともに住まいの確保が必要であるということで詳しく意見を述べております。  現在、全国の老人ホームにおきまして生活をしておりますお年寄りは、ざっと二十万人でございます。これはお年寄りの二%程度に相当いたします。  厚生省といたしましては、老人ホームの中のお年寄りの生活が、老人ホームといいますと部屋つきの集合住宅というふうに申し上げてよろしいかと思いますけれども、この中の例えば面積を広くしますとか、お年寄りですのでスロープを使うとかいうふうな改善を図ってきたところでございます。残りの一千万人のお年寄りにつきましては、これはやはり一般住宅で生活をされておるわけでございますので、従来から建設省さんの方で昭和四十七年あるいは昭和五十五年の改正等によりまして、高齢者の方が大変住みよい住宅政策をおとりいただいていると思っております。私どもといたしましては、建設省さんの方が住宅をいかに住みやすくするかということについては御専門でございますので、いろいろ御意見をお伺いいたしながら、先ほどちょっと申しましたように、お年寄り向きの住宅についての関心を持ってまいりたいというふうに思っております。  先生御指摘のように、箱ももちろん重要でございますけれども、その周りを取り巻きます地域の人々とどのような交流を保っていくかといったところにこれからの力点が移っていくのではないかというふうに考えております。
  494. 浦井洋

    浦井分科員 だから、建設省がハードな仕事を一生懸命、一生懸命がどうかわかりませんが、やってこられた。これからはやはりソフトな面ですね、こういう点を重視していかぬと施策がうまく遂行できないだろうというふうに私は申し上げておきたいと思うのです。  そこで、各論的に申し上げますと、今も住宅局長は高齢の単身者の方の公営住宅の入居の問題を言われたわけでありますが、これは確かに必要だと思うのです。お年寄りのおられる御家庭が家を建てるときには住宅金融公庫で融資をしてあげます。あるいは旧住宅公団、住宅都市整備公団の施策の中でも、お年寄りのおられる御家庭の入居の競争率を低くするとか、一階に入れてあげるとか、優先入居するとかいうようなことをやっておられるわけでありますが、やはり庶民にとって何とかしてほしいのは、先ほどから私が強調しております公営住宅、都営、県営、市営住宅の利用です。ところが、それなら局長お尋ねしますけれども、一人暮らし老人の公営住宅建設はどのくらいの進み方でやられておるのですか。私、神戸市を調べてみますと、昭和五十五年に八戸、人口百三十何万、百四十万足らず。そこで昭和五十五年が八戸、五十六年が九戸、五十七年が十戸、競争率は十倍ぐらいあるわけです。需要はあるんだけれども、これが進んでおらぬと言わざるを得ないわけです。全国的にかなり進んでいますか、公営住宅
  495. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 公営住宅のうち老人単身者向けの住宅建設戸数でありますが、五十五年が六百三十九戸で、以後ほぼ同じような戸数で推移しております。五十八年の計画もほぼ同様でございます。ただ、昭和五十五年の公営住宅法の改正によりまして、男性の場合、六十歳以上の単身者も公営住宅に入居できる道を開きました。それによって現在管理をしております住宅のうち、そういった単身者向け住宅として入居活用しておりますのは年間大体四千戸程度ございます。
  496. 浦井洋

    浦井分科員 ストックはかなりある。しかし、大臣、これはよく聞いておっていただきたいのですけれども、私なんか神戸市を見ておりましても、遠い、しかも古い市営住宅、需要がありそうなのでそれを老人住宅にした。ところが、お年寄りというのは、我々もこれから年をとっていったらそうでしょうけれども、自分の今まで住んでおったところから離れたくないわけですね。それを行政区画が一緒だからといって遠いところへ、しかも一人で住むというようなことはちょっと不可能、酷なんですよ。だから、私が申し上げたいのは、今まで住んでおられたようなところに、今はやりのワンルームマンションではありませんけれども、簡単でしかもお年寄りの住みやすいような設備が整った、できたらそういう住宅が新しく要ると思うのです。そういう意味で大臣にお願いしたいのですが、今あいているものを便宜的に使うだけでなしに、それも必要かもわかりませんが、新しく都心に近いようなところに積極的にお年寄り向けの公営住宅を建てていくというところにももっと力を入れないといけないのではないかと私は思うのですが、これはどうですか。
  497. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 先生のおっしゃるとおり、既成市街地にできるだけ公的賃貸住宅を供給していかなければならないと思います。ただ、大都市における既成市街地の用地価格の問題あるいは用地の取得の問題あるいは周辺住民との調整の問題、いろいろ難航いたしまして、大都市における公的住宅の供給がなかなか十分にいかないというのは御案内のとおりかと思います。そういった中で老人向け対策の公営住宅もできるだけシェアを大きくしていく必要があろうかと思います。ただ、いろいろ地方公共団体の事情はありますので、その点は地方公共団体とも十分相談をしながら、その対策を進めていきたいと考えております。
  498. 浦井洋

    浦井分科員 これは時間がないから後で質問しようと思っていたのですけれども、建設省で今度新規に公営住宅総合建替モデル事業ということをやられる。これなんかもちょっと内容の説明を聞きましても、木造の公営住宅を民間の力を活用して建てかえて高層の住宅にするというやり方を繰り返してきておるわけですね、今までの建設省住宅対策というのは。そうすると、いわゆる弱者はこういうところに入れないわけですね。だから、私が言いたいのは、福祉住宅というか老人福祉の観点に立った老人向け住宅の建設のために特別に力を割がなければならぬのではないか。そのためには、これはもう言いませんけれども、準公営住宅制度であるとか建設省が数年前からやっておられる木造賃貸住宅地区総合整備事業ですか、こういうようなものを、それこそお年寄りの立場に立った施策を促進していかぬと、大都会はどこでも駅前は高層の白亜のビルが建って、そこには銀行であるとか金融機関であるとか大企業が入れるけれども、今まで住んでおった住民は都心を離れて遠くへ行かなければいかぬ、その影響をもろに受けるのが弱者である、こういうことになるわけで、やはり今私が言ったような方向でやっていただきたいと思います。  最後にもう一つだけ。これも難しい言葉でありますが、バリアフリー設計にすべきである、バリケードがあるのではなしに、バリケードがないバリアフリー設計にすべきである。今障害者だけがこういう設計になっておるわけですね。スロープが緩やかであるとか、ふろなども入りやすい。お年寄り、特に後期の高齢者になるともう障害者と同じでありますから、障害者並みのバリアフリー設計なども積極的に取り入れていく。私は最後にお尋ねしますけれども、そういうお年寄りが住んで不自由でない公営の住宅を新築をしていくという点について、もっと積極的にやっていただきたいのですが、この点についてどうですか、これで終わります。
  499. 松谷蒼一郎

    ○松谷政府委員 老人対策向け住宅につきましては、特定目的住宅として特に家賃の減額を行うような住宅をもやっておりますが、なおそのほかに今先生御指摘のように、老人の方のいろいろな身体の状況に応じて、例えば公営住宅の中で水屋を特別に設ける、その老人がその中でお茶をつくったりということのできるような住宅であるとか、老人の身体的な状況によって手すりを設けたりというような住宅につきましても配慮をいたしておりますが、なお、先生御指摘のように、公営住宅の中でそういうようなものをいろいろと検討し、前向きに実施を進めていきたいと考えております。
  500. 浦井洋

    浦井分科員 大臣、何かありますか。
  501. 水野清

    水野国務大臣 浦井委員のお話を承っておりまして、高齢化社会を迎える住宅対策に対する御見識に大変敬意を表するわけでございます。おっしゃるとおり、次の計画に向けて今諮問中でありますので、その中で御指摘のようなことを十分勘案して、ひとつ委員の諸先生にもお願いをして、答申を受けてやっていきたいと思っております。
  502. 浦井洋

    浦井分科員 終わります。
  503. 清水勇

    清水主査代理 これにて浦井洋君の質疑は終了いたしました。  次に、富塚三夫君。
  504. 富塚三夫

    富塚分科員 私は、主として高速道路の問題について御質問申し上げます。私の選挙区も大変問題を抱えておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  今の東京周辺の高速道は大変渋滞が続いておって、高速自動車を走らせるという機能を果たしていないのではないかと思われるくらい連日渋滞が続いているわけです。そういうことについての解消策は、政府として一体持っておるのかどうかということについてまずお尋ねをいたしたい。
  505. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 東京周辺の交通混雑が著しいのは私たちもよく認識しておるところでございますが、こうなった大きな理由の一つは、まず放射線の整備が先行されたことが第一だと思います。  これは、全国各地がやはり東京と結びたいという強い要望がございましたために、高速道路でも常磐道、東北道、関越道、中央道、東名というように放射線の道路が整備されたわけでございます。したがって、これと調和のとれた形で環状道路をつくりませんと、東北から名古屋へ行く方でも、東北道を通って、都心に用がないのに都心まで入って、それから東名を通って名古屋に行くというように、都心の中に環状道路があれば、本来そちらを迂回するような車まで入ってきている。こういうことが一つの大きな原因だと考えておりまして、現在東京外郭環状道路、さらには首都圏中央連絡道路、さらには首都高速道路公団が工事をしております中央環状道路等、環状道路の整備、それから東京湾岸道路、さらには東京湾横断道路、こういうようなものの整備をこれからやっていくことが首都圏交通問題の最も根本策だと考えております。
  506. 富塚三夫

    富塚分科員 道路の補修あるいは清掃、雪など降ったときは別ですが、道路公団の対応が余りにも全体の自動車の流れを理解をしていない、無視すると言えばしかられますが、理解をしないでやっているような感じを非常に受けるわけですね。今や高速道路ではなくて低速道路なんて、みんなそんなことを言っていらいら乗っているような状況なんですが、例えば大型貨物車で長距離輸送されておりますけれども、東京を突き抜けるのも、今おっしゃいましたようにこれから環状線を、新しい道路の整備もあるようですけれども、車種別に規制するといいますか、流れをきちっと整理をしてやるようなことはできないのかどうか。今のように入ってくるものは全部入れる、何か高速道路は料金だけいただけばそれで満足だ、あとは皆さん御自由にといった感じですと、これは道路がないから仕方がなくて皆それを使う、これでは近代的な国家とかなにか言えないと思うのです。  なるほどヨーロッパの道路に比較して土地の問題もあり、さまざまな悪条件のあることは理解できますが、そういった意味の行政指導というものがあっていいのじゃないか。余りにも公団の側のエゴと言っては失礼かもしれませんが、自分たちだけの都合でどんどん車を入れているような感じが私はしてならないのです。そういった現状を踏まえながら、車種を規制するとか、そういうものができないのかどうかという点について、どうでしょうか。
  507. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 道路交通につきましては、道路管理者とまた交通警察とが一体となってその管理に当たっておるところでございます。道路管理者といたしましては、車両制限令で定められております車両の大きさ、例えば重量ですと二十トン、幅員ですと二・五メートルとか高さが幾らというふうに決められておりますが、それを満たしておるものであれば自由に通れるような構造でつくることといたしておりまして、道路公団、首都公団でも同じように車両制限令を満たしておる車は自由走行ができるような構造になっておるわけでございます。そういうことでありますので、特にこの車線には重量物は通っていけないとか、あるいは重車両だけ通るというようなことはいたしておりません。ただ、一般国道四十二号、これは神戸の方でございますが、環境問題との対応で夜間はトラック等の重車両を車線の中央側に通すような規制を道交法でやっているところもございますが、一般にはそういう車両制限令で規定されている以内の車は自由走行ができるように道路構造でつくられておりますので、それの特段の規制をすることは実際問題として難しいというふうに考えます。
  508. 富塚三夫

    富塚分科員 東京の環状道路というのはいつごろ完成する見通しなんですか。仮に八号を中心とするような、そういう点はどういう見通しに立っているのでしょうか。
  509. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 東京外郭環状道路につきましては、埼玉県側で現在鋭意事業をしておりまして、六十年代前半には埼玉県側は供用できる見通しになると思います。したがって、都心側では関越自動車道から埼玉県側の外郭環状道路までは一・四キロございますが、この区間についても現在東京都と都市計画変更決定することをいろいろ協議いたしておりますので、六十年代前半には関越自動車道、東北道、それから常磐道、さらに、これは千葉県の中に入りましても、現在松戸市とか市川市は反対しておりますが、五十年のころ、五十三年でございますか、松戸市の中でも外環であそこの橋を、江戸川橋でしたか、江戸川橋だけはかけてほしいという陳情がありまして江戸川橋をかけておりますので、一般国道六号までは六十年代前半に供用できる見込みでございます。それから、首都高速道路公団の中央環状道路も、荒川の中堤を使った道路がずっとでき上がってきておりますので、これも六十年代前半には供用できるというふうに考えております。その他首都圏中央連絡道路についても、一部区間については早急に事業化していきたいというふうに考えております。
  510. 富塚三夫

    富塚分科員 高速道路の入り口に表示がされるのは、八キロ渋滞である、ところが行ってみると三キロぐらいになっていたり、あるいは交通情報、今非常に親切にテレビやラジオなんかで、とりわけラジオを中心に放送をしてもらえるわけですが、ほとんどそういうふうになっていない。コンピューター時代なんですからもっと科学的に掌握をして正確に知らせることができないのかどうか、私はいつも乗っておってそう思うのです。非常に不正確である。不親切である。料金を取っているのですから、やはりもっと適切に知らせるという努力はできないのかどうか、そこらはもう私はよくわかりませんけれども、そういったことの工夫というものはなされないのかどうか、その点はいかがなものでしょう。
  511. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 確かにブースを通って高速道路の中に入ろうとしたとき渋滞何キロという表示が出ていて、実際入ってみるとそんなに渋滞がなかったり、その反対のことがしばしばあることは、私も当然経験いたしております。現在首都高速におけるああいう情報板の提供というのは、十五分前の情報を得まして、これは十五分か二十分がその辺の数分の差はちょっともしかして間違えておるかもしれませんが、十五分が基本だと思いますが、十五分前の情報を得て、そしてコンピューターで計算して判断してあの情報板に出すようになっております。しかしながら、交通というものは、わずかの時間で渋滞が解消されて流れていったり、また急に渋滞したりすることがありますので、その十五分なり二十分間の前の情報をもう少し詰めていくというようなことが必要ではないかというふうに思います。ただ、余り早くこれをくるくる変えても、またかえって、ある一定期間高速道路の中に入るわけでございますので、その辺も問題があり、非常にこの情報提供そのものが必ずしも適切でないということは十分実感しておりますので、そういう点もこれから大いに勉強していきたいと考えております。
  512. 富塚三夫

    富塚分科員 関係者が努力をすればかなり改善するという点もあると思うのですけれどもね。もうちょっと親切に高速道路の状況案内というものを指導していただくということがあっていいのではないか。これは、大臣、かなり高速代高いですからね。やはりそういうふうにぜひお願いをいたしたいと思います。  それから、どうなんでしょうか、ずっと東名を下りまして、今厚木のインターの問題で料金所を拡大したいという計画が進められている。厚木の市民の皆さんは、実は二百五十五号線を初めとして、二百四十六号線の立体交差などを含めて、大変混雑しているわけです。ですから、そのインターチェンジのおり口を枠を広げるということの問題も、これは大変困るという話をしているわけですね。  ところが、どうなんですかね、もっと住民の皆さん方なり自治体の皆さんなり関係者と話し合いをして、相手側の要望を聞くとか、つまり厚木全体の、あの地域全体の交通渋滞を解消する。法律的に見ますと、何か一般道路との関連をなんて大分よく書いてあるのですけれども、そういった話し合いをしていくという姿勢がちょっと足りないんじゃないか。何か高圧的と言うと怒られるかもしれませんが、どんどんと道路公団の側だけで進めていくような感じに受け取れるのですが、もうちょっとそういう点の配慮というものがあっていいんじゃないかと思うのですが、特に厚木インター問題などについてどういうふうにお考えになっておられるのでしょうか。
  513. 戸谷是公

    ○戸谷参考人 厚木インターチェンジの料金所の拡幅計画の計画概要を含めましてお答え申し上げます。  厚木インターチェンジは一日の出入り交通量が約五万四千台、利用交通が大変多うございます。特に朝の繁忙時間帯を中心といたしまして料金所の部分がネックとなりまして高速道路の本線オフランプ場まで渋滞が発生しており、この渋滞のわきを本線の走行車両が高速で走行することなどから交通安全上危惧されておるところでございます。  このような高速道路本線へ影響の及ぶ渋滞をなくすことなどを主な目的といたしまして、現在ネックとなっております料金所のゲート数を増加するというのが拡幅計画の概要でございます。  御指摘の点につきましてお答えいたしますと、厚木インターチェンジの料金所拡幅によりまして、高速道路側では交通安全上憂慮される本線上にまで及ぶこの渋滞が大幅に減少する、また取りつけ道路側では高速道路へのスムーズな乗り入れが図られるものと考えております。また、この計画はインター全体の構造変更を計画しているものではないので、取りつけ道路に悪影響を及ぼすことはほとんどないものと考えております。  実は、先般地元の商工会議所より周辺道路整備が整うまでこの計画実施の保留等を内容といたします要望書をいただきましたので、現地におきまして要望内容について話し合いをいたしたところでございます。今後とも必要に応じまして市等の関係機関も交えながら話し合いを続けてまいりたい所存でございます。
  514. 富塚三夫

    富塚分科員 それは話し合いによって十分解決していきたいということでいいんですね。
  515. 戸谷是公

    ○戸谷参考人 さようでございます。勝手にやりませんということでございます。
  516. 富塚三夫

    富塚分科員 それからもう一つ、松田周辺の拡大の状況はどんなふうになっているのでしょうか。
  517. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 東名高速道路は大変混難いたしておりまして、特に御殿場-大井松田間は、トンネル等があり、また線形等も悪いために自然渋滞のしやすい区間でございます。したがって、この区間につきましては、五十七年一月に整備計画を策定し、ルート発表を五十八年六月二十九日に実施いたしまして、現在中心ぐいの設置等をいたしておるところでございます。
  518. 富塚三夫

    富塚分科員 地元の話し合いを含めまして、見通しはどんなぐあいになるんでしょうか。
  519. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 この御殿場-大井松田間の供用予定は、第九次道路整備五カ年内を考えております。したがって、昭和六十二年度には供用したいというふうに考えております。
  520. 富塚三夫

    富塚分科員 それから、神奈川県の相模川以西についての交通、とりわけ道路の問題ですが、平塚を中心にして相模川、酒匂川の橋梁問題を大分地元は問題にしているわけですね。このことについてもっと国は積極的に対応してもらえないか。御案内のようにあそこも観光地を通り抜けるところにもあり非常に渋滞が続いているところでありますから、その点の計画について一体どうでしょうか、お尋ねいたします。
  521. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 新湘南道路は現在西側の一号線に直角に接続しておるわけでございます。それから西の方がこれは馬入橋との間が二車線でございますので、新湘南バイパスができた場合でもこの馬入橋間がかなり混雑すると思われます。そのために、計画としては、新湘南バイパスは一号線を横切りまして現在この湾岸を走っております一般国道百三十四号に並行して西の方の西湘バイパスに接続させる計画で調査をしておるわけでございますが、この新しい計画のところには干潟があるとかあるいは非常に風景のいい景勝地があるとかあるいは流末処理場をつくるとか、そういうものとの調整がございますので、そういうものとの調整を図りつつこれから都市計画を決定し、そして事業化を進めていきたいと考えております。
  522. 富塚三夫

    富塚分科員 新湘南国道の建設といいますか、これは六十年を目途にと伺っているのですが、うまくいくのですか。
  523. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 新湘南バイパスにつきましては六十年代前半の供用を図りたいということで事業を促進しておりますが、一部区間でまだ地元の理解を得られないところもございますので、これからそういう方々の理解を得つつ六十年代前半の供用を図るよう努めていきたいと考えております。
  524. 富塚三夫

    富塚分科員 相模川のこちらと向こうで大分交通事情もいろいろ違いますから、それで道路の建設、バイパス問題一生懸命努力されている、その事情と相まって、都市計画法に基づいて御案内のように市街化区域と調整区域との線引きがあるわけですけれども、神奈川の長洲知事も七百万の人口抑制という一つの方針でやっているのですが、今おっしゃいましたようにやはり東と西とのアンバランスがあるものですから、道路の建設においても大変な問題、障害が実は一面であるのじゃないかと思われるわけです。一般の土地を持っておられる方もそれぞれの線引きによって大変な違いが生ずる。そういう点でできるだけ検討をしていただきたいと思うのは、相模川から向こうの各都市の活性化の問題というものが今大きな問題になっており、そのことで橋をかけていただきたいということの問題も出ているわけですけれども、そういう点について建設省として積極的に対応してもらうように要請をしたいと思うのです。その点について、時間の関係もありますから協力をいたしまして、十分に一回地元と話し合いをするという点についてぜひ約束をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
  525. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 道路整備をするに当たっては皆さんから使いやすくまた最も効率的合目的な道路を整備することが必要でございますので、私もできる限り機会を得て多くの方々の御意向なり御意見を承らせていただいているところでございます。  そこで、先生、この相模川の両地域間の活性化をいろいろ進めるということでございますが、そういうためにも交通渋滞は大きなネックになるわけでございますから、できるだけそういうネック解消のための道路整備を進めていかなければならないと思っております。高速自動車国道等におきましても、地元自治体を初め、沿線住民、地権者等の広範囲な意見をできるだけ吸収して計画に反映するよう各公団等を指導しているところでございます。
  526. 富塚三夫

    富塚分科員 時間がおくれているようですから協力をいたしますが、最後に、ヨーロッパなどに大臣、皆さん行ってみてもわかるように、我が国は、高速道路は立派にできておっても、出口が詰まって渋滞で、そして先ほど言ったような状況ですね。お偉い方はサイレンを鳴らしてさあっと通る場合もありますけれども、とにかく根本的にこの問題を考えなければ、やはり近代国家とかあるいは経済大国などと言っても、それは笑われると思うのですね。そうすると、私も一朝一夕にできるとは思いませんけれども、もっと抜本的に住民の意見や自治体の意見や関係者の意見を聞いてひとつ改善をしていく、それは手っ取り早くできる問題からあるわけですから、そういう点についてひとつ大臣にはぜひそういう努力をしていただきたいと思うし、大臣自身が高速道路にお乗りになっているのかどうかよくわかりませんけれども、ちょっと所信を最後に聞かしていただきまして、時間に協力いたしまして、早目に終わらしていただきます。
  527. 水野清

    水野国務大臣 簡単に申し上げます。  私も先生のおっしゃっておられることは大体想像がつくのでありますが、東京の環状道路、首都高速の一番内側の環状道路があります。内環状道路という、あれが大体、自動車の台数の急増、需要と供給との関係を過去において大きく見誤ったなという感じが私はしております。あそこへ全部、東名も入るし中央道も入るし、私の千葉県の方の京葉も入るし、東北からも入れば、これは混雑するのは当たり前であります。そのために、先ほど道路局長が申し上げましたように、あの外側に、例えば今湾岸がありますけれども、湾岸の有明というのか、五十九年度から箱崎の付近を通らないで橋をかけて、ちょっと外側にもう一つ輪ができるわけであります。さらに、外側に幾つかの環状道路をつくって、あるいは東京湾の湾岸道路をつくって、なるべく東京都心に用のない人に入ってこないでいいようにしてもらう、そういうようなことを今一生懸命やっている最中であります。  先生御承知のとおり、横浜の方にもベイブリッジをつくったりしてやっているわけであります。あるいは東名にしましても、名神にしましても、当初の予測よりは自動車台数が非常にふえてきた。それに対して四車線では足りないから六車線化をかなり今各地で図っている最中であります。確かに御指摘のとおり自動車の台数の増加に対して追いつかないという面が相当出てまいりましたけれども、ともかく来年度の道路予算の中でも高速道路にはかなり重点を入れまして、これは財政投融資資金でやれますから、回収ができますから、そういう形でやっております。  ただ、今度は片方で環境問題が出てきまして、あるいは土地の買収について大変反対が多いとかいろんなことがあって、そういうものもまた逆に言うと足を引っ張っている。  なかなか狭い国土の中でございますから、建設省に私が来て二月半でありますが、道路公団、あるいは首都高速、阪神高速道路公団を含めて、この乏しい予算だがようやっとる、しかしなおかつ皆さん方に大変御迷惑をかけている、それについてはひとつなお一生懸命我々てやろう、こういう気構えておりますので、お許しをいただきたいと思います。
  528. 富塚三夫

    富塚分科員 ありがとうございました。
  529. 清水勇

    清水主査代理 これにて富塚三夫君の質疑は終了いたしました。  次に、福岡康夫君。
  530. 福岡康夫

    福岡分科員 中国地方の一体的な開発発展とか産業の振興と生活行動圏の拡大を図るためには、今や高速自動車交通網の整備が緊急課題だと考えておるわけでございまするが、道路局長の御見解をひとつお伺いしたいのでございます。いかがでございますか。
  531. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 山陽自動車道及び中国横断自動車道が最も広島の方にかかわり合いが強いので、その建設促進について御説明さしていただきたいと思います。  山陽自動車道は、神戸市において中国縦貫自動車道から分岐し山口市で再び合流する全体延長約四百三十キロメートルの高速自動車国道であります。既に全線の基本計画が策定済みであり、また三木市から姫路市間二十三キロ及び廿日市町から大竹市間二十六キロを除く三百八十一キロメートルについて整備計画が策定されており、このうち竜野西インターチェンジから備前インターチェンジ間二十五キロメートルが既に供用されております。残る区間につきましても、日本道路公団において工事、用地買収及び一部区間において事業実施のための調査を鋭意推進しているところであります。  今後の見通しにつきましては、第九次道路整備五カ年計画期間内に既供用区間を含め百七十四キロメートルの区間の供用を予定いたしております。また、基本計画区間約五十キロにつきましても、現在整備計画策定のために必要な諸調査を進めているところであります。  中国横断自動車道の広島浜田線は、広島市において山陽自動車道から分岐し一部中国縦貫自動車道と重用し浜田市に至る延長約七十キロメートルの高速自動車国道であります。このうち、山陽自動車道の五日市インターチェンジから広島ジャンクションまでの三キロを経て広島北インターチェンジに至る十四キロにつきましては、昭和六十年三月の供用を目途に鋭意工事を促進しているところであります。残る区間の中国縦貫自動車道と接続する千代田ジャンクションから旭インターチェンジ間三十九キロについては、地元への路線説明を、旭インターチェンジから浜田インターチェンジ間十八キロについては、用地買収及び一部工事用道路の工事に着手しているところであります。  山陽自動車道及び中国横断自動車道の重要性にかんがみ、今後とも事業の推進に努めていきたいと考えております。
  532. 福岡康夫

    福岡分科員 では具体的にお尋ねいたします。山陽自動車道の建設について、整備計画決定区間である広島-廿日市の区間の建設状況は今日現在でどうなっておるのかお聞きしたいのです。
  533. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 山陽自動車道の広島市付近については、現在西条インターチェンジから廿日市インターチェンジ間五十三キロメートルについて用地買収及び工事を推進いたしております。また、河内インターチェンジから西条インターチェンジ間十一キロについては、昭和五十八年十一月に路線発表を行い、現在地元に路線説明を行っております。このうち、広島ジャンクションから五日市インターチェンジ間三キロについては、ただいま御説明しましたように、中国横断自動車道広島北インターチェンジから広島ジャンクション間十四キロとともに昭和六十年三月に供用する予定であります。
  534. 福岡康夫

    福岡分科員 では、現在、国道二号線広島県廿日市から岩国市間の交通渋滞は言語に絶するものがあります。ついては、この交通渋滞を解消するために必要な山陽自動車道の廿日市-岩国間の整備計画は、いつごろ決定され、そしていつごろ建設工事に着手されるのかお示し願いたい。
  535. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 廿日市から岩国間につきましては、高速道路としては廿日市-大竹間はまだ基本計画だけでございますし、大竹-岩国間も高速道路としては実は余り進んでおりません。と申しますのは、実は廿日市から岩国間には道路公団の一般有料道路としての広岩道路というのがございまして、この道路の供用によって当分の間この間は高速道路の機能を代替するような形で使っていきたいというふうに考えております関係上、この間の山陽自動車道は他の区間に比べて整備がおくれておるわけでございます。
  536. 福岡康夫

    福岡分科員 冒頭、道路局長は中国地方の一体的な開発発展についてはこれは緊急課題であるということをおっしゃっておるわけでございますが、その点と今の具体的な事例とについては非常に矛盾があると思うのですが、この点についていかがでございますか。
  537. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 交通というのは、必ずしも同じ種類の道路だけでなくても、同じ機能を持っている道路が結ばれれば機能的には同じわけでございます。広岩道路、道路公団の一般有料道路もこれは自動車専用道路でございますので、これをその前後において山陽自動車道と連結することによって一般の車両は自動車専用道路を全体として通過できるようになりますので、その接続については細心の注意が必要でございますが、そういうことを十分配慮して事業を進めていきたいと考えております。
  538. 福岡康夫

    福岡分科員 確かに道路網からの乗り継ぎということは道路の整備促進についての一大観点だとは思いますが、しかしながら、その周辺の都市の発展という問題はお考えになる必要があるのかないのか、今の御説明にはその問題点には触れていませんが、広島市は四年前に政令都市となり、この広島市周辺の人口及びその他住宅の増加、これに伴う東京、大阪からの工場の誘致等でこの二、三年の発展は目覚ましいものがあるのでございます。人口におきましても爆発的にふえておるわけでございますが、この観点をお考えにならないで道路網の整備をお考えになっているのかどうか、その点いかがでございますか。
  539. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 道路計画に当たりましては地域の発展動向等は十分勘案しながら進めさしていただいておるわけでございまして、その地域の発展のためにはまず高速交通ネットワークと結びつけられていることが重要でありましょうし、また、この高速ネットワークに行くまでのいろいろな県道あるいは生活道の市町村道、そういうものが体系的に整備されていることも不可欠であるというふうに考えております。
  540. 福岡康夫

    福岡分科員 私も広島から岩国の間を再三往復するわけでございますが、普通の時間におきましては四十分ぐらいで行くわけでございます。ところが、朝、夕方の渋滞時間に入りますとこれは三倍も四倍もなるというような形で、この交通渋滞は本当に言語に絶するものがあると思います。一応道路局長として、この渋滞につきまして、ひとつこの山陽道との問題と結びつけて御視察になられて御検討される意思があるかどうか、いかがでございましょうか。
  541. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 ぜひそういうところは見たいということで、意思は十分あるのですが、なかなかもういろいろなところに引っ張り出されまして、現地を見る機会が大変少なく、残念に思っております。ただ、できるだけ皆さん方、地方から来られる方々からはそういう実情を聞いて、少しでも知識をふやし、認識を高めていきたいという努力はいたしております。
  542. 福岡康夫

    福岡分科員 近いうちにひとつ御視察する意思はありますか、どうですか。
  543. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 ここは、私も昔この広島岩国一般有料道路を大蔵省に採択していただくとき、ここは大変だと言って大蔵省を説得してうけさせていただいたところでもありまして、あれからもう随分たっておりますので、恐らく大変渋滞しているということは十分想像できるところでございます。ただ、なかなか特定のところには参れないのが現状でございまして、大変残念ですが、今すぐ行けるということをお約束はできないので、申しわけありません。
  544. 福岡康夫

    福岡分科員 これはぜひとも道路局長の目で見て、そしてドライバーの方たちの御意見を一度聞いていただきたい、かように考えておるわけです。やはり風聞ではだめです。見ていただけば、これは促進しなければいかぬというお考えになることは必至だと思いますので、ぜひとも近いうちには見ていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
  545. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 そういうところをぜひ見たいという気持ちはもういっぱいでございます。広島には中国地方建設局がありまして、この局長には先般まで道路局におりました方が行っておりますし、そういう方々からも十分お話を承っております。私はすぐ参れませんが、中国地建の局長や道路部長にすぐ現地を見てまだ報告してもらうようにはしたいというふうに考えております。
  546. 福岡康夫

    福岡分科員 どうもありがとうございます。ぜひそのようにお願いいたします。  次にお尋ねいたしますが、山陽と山陰を結ぶ中国横断自動車道広島-浜田間は既に整備計画が決定されておると聞いておりますが、その実施状況及び特に広島県千代田町から島根県浜田市までの区間について、いつごろ建設工事に着工し、そしていつごろ完成するのか、御予定で結構でございますが、お聞かせ願いたいと思います。
  547. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 中国横断自動車道広島浜田線は、広島市において山陽自動車道から分岐し一部中国縦貫自動車道と重用し浜田市に至る延長約七十キロメートルの高速自動車国道であります。  このうち、山陽自動車道の五日市インターチェンジから広島ジャンクションまでの三キロメートルを経て広島北インターチェンジに至る十四キロについては、昭和六十年三月の供用を目途に鋭意工事を促進しているところでございます。本格的な横断道路では最初にここが供用されることになろうかと思いますし、また、この供用を通じて広島周辺が中国縦貫道と高速道路で直結するようにもなる大変意味のある供用開始だというふうに考えておりますが、その残る区間の中国縦貫自動車道と接続する千代田ジャンクションから旭インターチェンジ間三十九キロメートルについては地元への路線説明を、旭インターチェンジから浜田インターチェンジ間十八キロについては用地買収及び一部工事用道路の工事に着手しているところであります。  山陽自動車道及び中国横断自動車道の重要性にかんがみまして、今後とも事業の推進に努めていきたいと考えておりますが、この広島浜田線全線の供用開始は昭和六十年代の後半になろうかと思います。
  548. 福岡康夫

    福岡分科員 次に、広島市内の問題に移りたいと思うわけでございますが、道路局長、ちょっとこちらを見ていただきたいのですが、(図面を示す)これが広島の中心部でございまして、広島の丸の内に当たる部分でございます。国道五十四号線は、広島市役所の前を起点といたしまして中国山脈を越えまして松江市に至る道路でございますが、この広島の丸の内に相当する広島市紙屋町、大手町の約六百メートルの道路があるわけでございますが、これは国道五十四号線で道路局の直轄道路でございます。この道路は、御承知のように昭和二十年八月六日に原爆が広島に投下された後、道路整備については舗装整備だけで現在に至っておるわけでございます。ところが、こちらに広島駅からずっと宇品港の方におりできます百メートル道路、この地点におきましては昨年日米市長会議が開催される形でこの道路のカラー舗装化及び街路樹、街路灯の整備はきれいにできたわけでございます。また、その前におきましては、この中心部、ちょうど紙屋町の交差点に当たるそごうデパートの前から広島城に至る国道五十四号線のこの区域も、いわゆる道路がカラー舗装化され、そして植林整備、それから街路樹等その他街灯、いろいろ整備されて立派なものになっております。この部分が終戦直後のまま、舗装整備はされておりますが、現在に至っておる。  御承知のように広島は今まで広島グランドホテルといってこれが世界のお客さんが来られた場合に泊まる地点でございました。ところが、昨年の十一月に広島に全日空ホテルというのができまして、この道路の横、この地点にいわゆる世界の公賓、国賓、また当然八月六日には総理等もおいでになるわけでございますが、みんなここにお泊まりになるわけでございます。今まではこちらでございました。この道路はメーンストリートであっても平和公園に行くのに迂回していきますので余りここを通ることがなかったわけでございますが、昨年の十一月全日空ホテルができてからほとんどの世界の賓客、日本の賓客は皆さんここへお泊まりになります。そうすれば、当然この道路を通っていくわけでございます。ところが、ここは非常にカラー化また美装化されております。こちらもカラー化、美装化されておる。この地点だけ、何も一番悪い部分だけを見せる必要はないと思います。日本も終戦後約三十九年間もたっております。いまだにそれを見せる必要性があるかどうか、この点について私は疑問を感ずるわけでございます。  そこで、私がぜひともお願いいたしたいのは、今までのこの二年間において広島市に世界のお客さんが来られた事例を調査いたしました。これは相当数に上っております。この資料を後で御提出させていただきたいと思います。それとまた、この地元の商店街もそういうことで世界の平和文化都市広島の名に恥じるということで、実は中国地方建設局の方に美装化の問題の陳情が行われておるわけでございます。五十八年の十月に中国地方建設局に出しております。これの写しもここにございますので、道路局長の方に一緒に御提出させていただきたいと思います。
  549. 清水勇

    清水主査代理 どうぞ。
  550. 福岡康夫

    福岡分科員 そのような状況で、この問題点というものが非常に広島のお客さんの耳目を今集めておるわけでございます。この点についてのカラー美装化の問題。  また、この国道五十四号線は広島から中国山脈を越えて松江に行きますが、広島県境と島根県境を越えての道路の整備とこれを取り巻く美装化、整備化の問題は格段の差がある。特に私も広島と松江の間を再三高速バスで横断するわけでございますが、このときに広島から赤名という峠を越えて島根県へ入ると非常に道路がよくなります。そしてまた、松江市に入りますと、これはカラー化、美装化の問題は非常に立派なものでございます。これはたしか二年前に、松江では、くにびき国体、これが行われた。この状況に合わせての問題点もあると思います。いろいろな問題点もあると思いますが、余りにも広島側と松江側でこの道路の整備状況が違うということは、この高速道路で私も再三感じるし、皆さん私の地元の選挙民から一体広島と島根県でどうしてこんなに違うのかというような嫌みを私も言われております。この問題について、まず最初に建設大臣の方でどう対処していただくのか。また、事務当局の方においてもこの詳細についての御見解があればひとつお示し願いたい、かように考えております。
  551. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 先生今二つのことについて私が答えなければいけないようなお話だったかと思いますが、第一点がカラー舗装の問題、第二点が島根県と広島県では道路の整備率が格段に違うのじゃないかというお話でございます。  私、その改良率や舗装率、整備率が島根県と広島県でそんなに違っているかどうかちょっと記憶がないのですが、まずそちらの方から申し上げますと、例えば広島は一般国道の整備率は五三%、島根が六七%、少し違っておりますが、これは道路事業費の配分は、その道路の整備状況、それから交通需要、その地域の面積、人口、そういうような要因を勘案して配分しておるのでございまして、そういうものを配分しながら道路整備状況が違うのはなぜかというお話ですが、私はそれは大きくは二つあると思っております。一つは地形によって非常に建設費が異なる点があること、それからその県内の道路の密度が非常に高い県とそれほどでない県がありますので、どうしても密度の低い県では整備率が進むというようなことが一般的にあるのではなかろうかというふうに思っております。もちろん、広島県と島根県はどうして違うのか、帰ってゆっくり私ももう少し勉強してみます。  それからカラー舗装の問題でございます。これは、一般にカラー舗装等による歩道の美装化については、市町村や地元からの要請と協力を得て、舗装修繕の時期との調整を図りつつ実施することといたしております。当該区間の歩道の路面の状態は比較的良好であり、まだ修繕時期には至っておりませんが、今後歩道路面の修繕が必要になった時点で、地元市からの要請と協力が得られれば、御要請の趣旨を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。
  552. 水野清

    水野国務大臣 どうも広島県と島根県の比較をなさったようでございます。それは別といたしまして、御質問があるということで調べてみましたが、この広島市中区の紙屋町交差点から百メートル道路までの国道五十四号の歩道の問題であります。おしかりを受けるかもしれませんが、歩道の路面の状態は比較的良好である、まだ修繕の時期にもなっていないというふうに今まで認識をしておりました。それと同時にまた、今まで、実は先生の御質問があるまで、広島県なり広島市からまだそういう陳情を私は受けておりませんでした。今事務局にそういう何か特別な御陳情があったかという話を聞いておりますが、余り聞いてない、こういうことでもございます。御要望の趣旨は、地元の市その他から御要請があれば、それを踏まえて検討したいと思います。
  553. 福岡康夫

    福岡分科員 どうもありがとうございました。  それでは、主査の方からお見せしろ、こういうことなんです。こういうような陳情が五十八年の十月に広島市を通じて中国地方建設局に出ております。
  554. 水野清

    水野国務大臣 わかりました。ですから、町内会連合会から確かにいただいておりますが、でき得れば市長なり知事から正式なそういったものをいただきたいと思う次第でございます。
  555. 福岡康夫

    福岡分科員 もう時間もございませんが、地元商店街と世界の平和の文化都市広島の表玄関でもございますので、この問題につきましては何分建設当局の御配慮をひとつお願いしたい。一昨年くにびき国体が行われた時点においても、松江市内においての市街地のカラー美装化と植木の問題、その他街路等の問題も、やはり国家的事業であったのである程度整備されたものと思います。そういう兼ね合いから考えましても、広島のこの国道五十四号線の起点地区に対してはひとつ建設事務当局としてもかわいがっていただきたい、かように考えておりますので、よろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
  556. 清水勇

    清水主査代理 これにて福岡康夫君の質疑は終了いたしました。  次に、新村勝雄君。
  557. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 私は、ローカルの問題でありますけれども、二、三の点についてお伺いをいたします。  一つは、一般国道二百九十八号線の工事の施行の問題でありますが、この道路は御承知のように大分いわくつきの工事でありまして、千葉県の部分については、地元に大変問題があるということで、地元の市議会も県議会も反対の議決をいたして建設省にこれの再検討をお願いいたしておるわけであります。五十年九月一日付の知事名をもって、この路線の道路構造についてさらに御検討くださるよう要望いたしますということで、当局にお願いをいたしておるわけであります。地元ではいわば当局の再検討をぜひお願いをしたいということで要望しておるわけでありまして、国の再検討を地元では待っておるというような状況であります。  ところが、一方、現場においては、こういう事情があるにもかかわらず用地買収が進められておる、こういうことでありまして、地元では大変驚き、あるいは怒っておるわけであります。この事情についてまずお伺いをいたします。
  558. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 東京外郭環状道路は、東京都市圏の都心方向に集中する交通を適切に分散導入するとともに、都心に起終点を持たない交通をバイパスさせるなど、東京都市圏の均衡ある道路網体系の確立にとって必要不可欠な幹線道路であると考えております。現在、埼玉県内において地元の協力を得ながら鋭意事業を進めているところでありますが、また、千葉県内においては、松戸市内の一般国道六号以北の区間について事業を進めております。  ところで、千葉県内の一般国道六号以南の松戸市、市川市を通過する区間につきましては、昭和五十三年に千葉県知事から関東地方建設局長あてに納得される結論が出るまでの間事業の実施を見合わせられたいとする文書を受けており、用地買収は原則として見合わせておりますが、松戸市内の都市計画決定された道路区域内において地権者から家屋の建てかえなどのやむを得ない事情により買い取り請求が出されているもののうち緊急の対応を要するものについてのみ用地買収を行っているところでございます。  市川市内におきましては、知事さんからの要請がある前に二件今申し上げたようなことで買ったのがありますが、その以後はございません。
  559. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 市川については、この要請以前にあったけれども以後はないということであります。これはそのようでありますけれども、松戸市内については、六号以南で百二十八件の申請があって、そのうち五十六件が買収されておる。面積にすると一三%程度の買収が済んでおります。これは確かに地主の事情等もあるでしょうけれども、その前に知事名をもって正式に要請をし、当局もこれを是としておるわけですね、これを受けておるわけですから。それですべての工事については凍結と、こういうことでありますから、事情はあるにしても、これは原則として買収はすべきでないと思うのですね、これはどうですか。     〔清水主査代理退席、高鳥主査代理着席〕
  560. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 東京外郭環状道路のうち国道六号以南につきましては、先ほど申しましたように、昭和五十三年千葉県知事よりさらに抜本的かつ徹底的な検討をされたいとする文書を受けておりまして、建設省としては引き続き検討しているところでありますが、まだ御説明できる段階には至っておりません。今後とも道路構造等について検討を進めるとともに、環境保全について十分考慮し、地元の理解と協力を得られるよう努力していきたいと考えております。
  561. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 これらの事情があるにせよ、事実上買収が行われておる。行われておるし、しかも一三%ですから、かなりの部分がもう買収されておるわけですね。これは地主の申し入れがあるというお話だったのですけれども、それならば、地主の申し出があれば、全国こういう予定地は全部買収を進めておるわけですか。
  562. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 都市計画決定された区間につきまして、買い取り請求の要請があれば、真にやむを得ない場合については買い取りをいたしております。
  563. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 この先買いの件数、金額等、参考までにお伺いしておきたいと思います。
  564. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 一般国道六号線から松戸市と市川市の境界までのもののデータがございますので申し上げますと、五十八年十二月三十一日までで買い取りました面積は、一万四千四百十八平米でございます。用地費は二十三億三千六百万となっております。
  565. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 こういった類の買収は、全国でどのくらいございますか。
  566. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 都市計画決定された区間で国道の場合、これから国道で整備することが決まっておるところについては、これと同様な措置が講じられております。
  567. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 繰り返すようですけれども、この場所は特殊な場所でありまして、こういった当局の措置に対して地元は大変疑問と怒りを持っておるわけであります。地元では、この工事は極めて困難であると同時に、ほとんど不可能に近い状況である。この予定地に約千三百八十七戸があるわけでありますが、その両側五百メートル以内のこの道路の施行によって、騒音等によりいろいろ環境の影響を受けるであろうと思われる地帯には二万四百九十八戸の住宅が密集をいたしております。そして前回の、前回というと昭和四十九年ですけれども、四十九年に比較をいたしますと、現在ではその地域内に二千三百三十七戸の増加を見ておるわけであります。この地域は人口の急増地帯でありまして、ますます人口、家屋がふえておる、こういう状況でありまして、そういう中をこの道路を通すということはだれが考えでもほとんど不可能に近い。また地元としても県としても、これは絶対反対であると同時に不可能だ、こういうことで反対をいたしておるわけであります。反対というよりは当局の再検討を切に要望しておるわけでありますけれども、その方の御返事は一向にないわけであります。その再検討についてはどういうふうにその後推移をいたしておりますか。
  568. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 この区間の環境面への対応を図るための道路構造上の諸問題を検討いたしておりますが、まだ県、市当局に御説明するような段階にまで至っておりません。
  569. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 そういたしますと、この用地買収については今後とも継続をされる、こういうことですか。
  570. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 従来のものにつきましても、買い取り請求が出されたもののうちでも緊急の対応を要するものに限定しておるわけでございます。市当局等もこういう方向でいろいろ行政指導等をしていただいておるわけでございまして、先ほど申しましたように出てきておりますものは、そういうものの対象になっておりますものは松戸市のみでございまして、市川市の方は十年ほど前に二件ほど買い取り請求があって買ったのがございますが、その後は一件も出てきていないことなどから見ましても、今後ともこういう行政指導を進めていけば、市川市からは買い取り請求はまず上がってこないのじゃないか。従来のような対応で処理していきたいというふうに考えております。
  571. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 繰り返しますが、この問題については五十年に知事名で要請をしておる。それから五十一年には土本部長名で首都国道事務所長に要請をいたしておる。同じく五十二年にも同趣旨のものを要請をいたしておるわけでありまして「前記一般国道六号以南の用地買収は差し控えてくださるよう重ねてお願い申し上げます。」こういうことで、六号以南については絶対に控えていただきたいというお願いをしておるわけであります。そして市川については買収をしない、松戸だけ買収する。市川、松戸ともに六号以南ということでは同じなわけです。なぜ市川は買収しないけれども松戸は買収する、こういうふうな区別をなさるんですか。
  572. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 特に区別をしておるわけではございませんが、松戸市の方からは買い取り請求があり、そのうち真にやむを得ないもの、緊急の対応を必要とするものだけの用地買収を行っているということで、市川市からはそういう件がここ十年間上がってきていないわけでございます。
  573. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 大臣にお願いするのですが、こういう経過があるわけです。大臣、大体の経過は御存じですね。買収についても六号以南についてはしてくださるなというふうに県もお願いしておるわけですから、ぜひこの買収についても結論が出るまでは控えていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  574. 水野清

    水野国務大臣 私の聞いておりますことは、千葉県知事から六号以南について土地の買収を差し控えてくれという要望の内容ではないというふうに聞いております。昭和五十三年の知事からの要望は「抜本的かつ徹底的な検討を」されたいという要請があったということでございまして、環境保全その他をどうするかということを踏まえて、道路構造などの検討を進めておりまして、地元の意向に十分配慮して、一応また知事と相談した上で着工する、私はそういうふうに聞いております。ただ、今申し上げましたのは土本部長からは五十一年の八月三日に、新規の用地買収をしないよう首都国道事務所長あて要望書が出ているということでございます。
  575. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 五十一年、五十三年の土本部長名の要請は、知事の意を受けて土本部長がやったわけであります。土本部長が独断でこういうことをやるはずもないわけですね。県の意向を受けて、知事の意向を受けてこれをやったわけです。ですから、土本部長名になっていますけれども知事名と同じだと思います。それで六号以南については用地買収を控えていただきたいということも、ここにはっきり書いてあるわけです。それにもかかわらず、現地では買収が着々と進んでおるわけですね。これで地元が大変不安に思っておるわけです。これをぜひやめていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
  576. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 そういう土本部長の申し入れ等をも尊重いたしまして、現在買い取り請求が出されているもの、そのもののうちからでも緊急の対応を要するものに限定して処置しているところでございます。
  577. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 そうすると今後とも買収をされるということですか。
  578. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 従来と同じように、買い取り請求が出されたものについても緊急の対応がどうしても必要かどうかを十分検討し、極力限定した形でのやむを得ない場合においてのみの買収に限っていきたいと考えております。
  579. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 そうすると県の意向は全く無視をされるという結果になりますね。現在でも既にこれだけ買収しておるのですから、これから何年かたてば全く全面買収という事態もあり得るわけですから、県の意向は全く無視をされるということですか。
  580. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 決して無視しておるわけではございません。十分尊重しておるからこそ、買い取り請求が出されたものについても、極力その必要性等を検討の上、限定した買収を行っておるのでございます。
  581. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 限定買収についても、ぜひ県の要望を最大限に尊重していただきたいと思います。  それから大臣にお伺いしますけれども、こういうようにして、こういう問題があるにもかかわらず買収が進められておるわけでありますけれども、少なくとも道路の工事については、地元との話し合いがつくまでは六号以南については絶対にやらないというお約束をいただけますか。
  582. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 知事さんから「抜本的かつ徹底的な検討を」されたいとの要請でございますので、現在、環境保全を図るための道路構造などの検討を進めておるところであり、この場合にも地元の意向にも十分配慮しながら行っておりまして、ある程度そういう成案を得た段階で県当局ともまた相談していきたいというふうに考えております。
  583. 水野清

    水野国務大臣 ただいま道路局長から申しましたように、一部用地の買収をしているそうであります。しかし、最終的に着工するかどうかという点につきましては、これは知事と相談を申し上げるということを私からも申し添えておきます。
  584. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 知事並びに地元ですね、地元というのは住民ですよ。住民の意向を知事は代表されると思いますけれども、その意思に反してはやらないというふうに解釈していいわけですね。
  585. 水野清

    水野国務大臣 地元の意向を十分参酌して、知事とも相談の上、着工するときにはそうさせたい、そういうふうに思っております。
  586. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 地元の意向に反してはやらないというふうに理解してよろしいですか、もう一回。
  587. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 地元の意向等を十分県当局を通じて得まして、その上で知事、県当局と総合的に判断し、相談しながらやらしていただきたいというふうに考えております。
  588. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 ですから地元の意向に反しない、反してはやらないということでいいわけですね。
  589. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 地元と申しますと、ここに限定しないで、道路事業を都市部でやりますと、賛成する方、反対する方と分かれるわけでございます。例えば都市計画案の公告縦覧等いたしますと、いろいろな意見が出てまいりますが、賛成、反対というふうな形でたくさんの意見が出ます。そういうものを、都市計画の手続の場合ですと都市計画の地方審議会等へかけまして、そういう状況を報告した上で総合的にこれを判断し、決めていくことになるわけでございますので、この地域についてもそういうふうな――この場合、都市計画決定は既に定められておりますので、実際構造面等を変更する際に、そういうものが変更になるかどうかは、これからの構造面等の検討にもよるわけでございますが、ともかく地元の意向を十分吸い上げて、県当局とも相談の上、納得のいく形で事業化していきたいと考えております。
  590. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 では最後に大臣もう一言、地元の意向に反してはやらないということを言ってください。
  591. 水野清

    水野国務大臣 先ほども申し上げましたように、知事あるいは地元の市長あるいは市議会、そういう方々の御意向は十分尊重して、それに逆らわないようにして、着工する場合にはさせたい、こう思っております。
  592. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 次の問題ですが、今東京湾横断道路が調査されていますね。この問題については、賛否を言う前に、まず十分な調査、特に環境に対する影響あるいは経済に対する影響、交通に対する影響、そういったものへの影響、効果を十分検討されてから結論を出すべきであると思いますが、そういう点での環境アセスを初めとする各般の調査、これはどういうふうに進められておりますか。
  593. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 東京湾横断道路につきましては、昭和五十一年度から日本道路公団において詳細な調査を実施しているところでございます。これまでの調査によりますと、東京湾横断道路の建設が、東京湾の水質や海洋生態に対して特に大きな影響を与えるものではないという中間的な結果が得られております。こういう水質とか海洋生態をどういうふうにして調査しているかということですが、国土開発センターにそれぞれの専門家から成る委員会をつくりまして、そこでいろいろ御検討願っておるところでございます。そのほか潮流についても、東京湾横断道路に必要な二つの人工島付近でやや乱れる傾向があるが、全体として大きな変化は認められず、したがって水質にも特に大きな影響はない。また海洋生態についても、海洋生物の種の組成や分布に特に変化は生じないなどとなっております。  それから、この道路が地域開発にどういう影響を及ぼすかなどについて詳細な調査検討をいたしておりますが、そういう成果を総合的に判断しながら事業化の方向を進めておるわけでございます。
  594. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 その調査の成果ですけれども、まだ全部は済んでいないのですか。
  595. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 中間報告は全般についていただいておりますが、その中間報告では、東京湾横断道路を架橋することによっていろいろ考えられる問題について、一応の対応はできるということになっております。しかしながら、そのほか船舶航行の安全の確保とか、さらに東京湾の水質に及ぼす影響をできるだけ少なくするための方策とか、そういういろいろなことを現在調査研究しておるところでございます。
  596. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 その調査の成果、結果については、これは要求があれはすべて公表されると考えていいのですか。
  597. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 まだ中間的なものでございますので、今の段階では出せませんが、成果がまとまれば、これは通常は本にして出すようにいたしております。
  598. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 それはいつごろになりますか。
  599. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 東京湾横断道路は、第九次道路整備五カ年計画期間内に事業化したいと考えておりますので、遅くともそれまでに成果はまとまるようになると思います。
  600. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 ですから、その時期をいつごろかというふうに伺っているわけです。
  601. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 調査というものは、これはここまでやればいいというものではございませんで、一応いろいろなものをやっていく上において差し支えがないという範囲が第一段階調査でございますし、さらに第二段階として、その影響をできるだけ少なくするための対策等をもまた調査していくわけでございますので、調査というものは建設事業が始まってもなお後にも続いていくものだというふうに思います。しかしながら、少なくとも事業化前には一応の成果の取りまとめはなされますので、五カ年計画期間内ですから、六十二年までにはそういう成果はまとめて出版するようになると考えております。
  602. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 着工するまでに一応の総合的な調査の成果というか、その内容がわからなければこれはおかしいと思うのです。ですから、そういう意味での事前調査の終わる時期が六十二年ということですか。
  603. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 広範な調査をいたしておるわけでございまして、それを事業化する前にまとめるようにしたいというふうに考えております。
  604. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 そうしたら、全部が完成するのを待たずに、できる限り情報を公開していただきたいと思いますね。これは関係住民がいろいろ心配をしている向きもありますから、その点を特にお願いをいたしておきます。  時間がありませんのでもう一つですけれども、最近公取が談合の問題に関して、いわゆるガイドラインを発表いたしております。この問題は数年前に世間を騒がせた問題でありまして、そのときに建設省は一定の対処をされたわけであります。その後また対処の仕方が、態度が緩んだというふうに一般には伝えられておるわけでありますけれども、この問題に対処した今までの経験なり、建設省の新しい対応によってどういう変化なり成果なりがあったか、それをまず伺いたいと思います。
  605. 台健

    台政府委員 昭和五十六年の九月の静岡事件を契機といたしまして、公共工事の入札をめぐるさまざまな問題に対処するために、建設省といたしましては建設業者団体に対しまして、刑法を初め関係法令を遵守し適正な活動を行うよう指導いたしますとともに、中央建設業審議会から五十七年の三月と五十八年の三月に出されました建議に基づきまして、積算基準や入札経緯、結果等の公表、それから指名業者数の適正化、指名審査の厳正化等の入札制度合理化対策を講じてまいりまして、地方公共団体等に対しましてこの建議の趣旨の周知徹底に努めたところでありまして、今後ともその推進に努めてまいる所存でございます。
  606. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 時間が参りましたので、一言だけお願いをいたしますが、公取の今回のガイドラインは従来の態度に比べてやや軟化したのではないかという印象を与えておるわけであります。この問題は公共事業の適正な執行と国民の税金の有効な使用という点からして極めて重要な問題でありますので、公取におきましても十分この従来の厳しい態度を堅持していただきたい。また、建設省御当局においても、この問題についてはいやしくも国民の疑惑を招くようなことのないように、公共事業の厳正な執行に努力をしていただきたいと思いますが、大臣、一言だけこの問題について。
  607. 水野清

    水野国務大臣 このたびの公取のガイドラインは、これは公取がなさったものでありまして、建設省としては今までも御質問のような指導をしてやってまいりました。しかし、なおかつ、このたびのガイドラインにのっとりまして独禁法違反とならないように、あるいは事業者団体の活動も適正であるように努めていきたい、かように思っております。
  608. 新村勝雄

    新村(勝)分科員 終わります。
  609. 高鳥修

    ○高鳥主査代理 これにて新村勝雄君の質疑は終了いたしました。  次に、神崎武法君。
  610. 神崎武法

    神崎分科員 初めに、公共投資問題についてお伺いをいたします。  公共事業はここ数年伸びがダウンして、本年もさらに厳しい予算案になっております。景気浮揚のため公共事業の拡大は待望されるところであります。野党四党による予算修正要求の中でも公共事業の追加が提案されているところでございます。公共投資問題につきましては、与野党の幹事長・書記長会談で自民党側から「「公共投資問題」については、景気動向、公債残高、災害の状況等を勘案して弾力的に対処する」との回答がなされていると承知しておりますけれども、公共事業を抱える所管官庁として、この野党四党の追加提案は望むべきことと思いますが、大臣の所見はいかがでありますか、お尋ねをいたしたいと思います。
  611. 水野清

    水野国務大臣 神崎委員の御質問お答えします。  野党四党の御提案は、今後の経済運営につきまして積極的な財政政策をとるべきであるということと理解をしております。公共事業費の相当部分を所管しております建設省といたしましては、現在御審議いただいております五十九年度予算案をまず早期に成立させていただきたい。そして、これに基づく公共事業の的確なる執行に努めることがまず必要である、これはわかり切ったことでございますが、さように考えております。しかし、今後内外の経済動向にいろいろな点が予想されますが、その経済動向にも十分配慮をしながら、引き続き公共事業につきまして、まさに弾力的に適時適切に措置を講ずるように対処をしていきたい。抽象的でございますが、以上お答え申し上げます。
  612. 神崎武法

    神崎分科員 大臣は、自民党の先ほど申し上げました回答につきまして、どのように評価されているのでしょうか。
  613. 水野清

    水野国務大臣 弾力的という表現がございますが、その中に万事いろいろなものを含めて申し上げている。ただ、今は五十九年度予算の御審議の最中でございますので、そういう抽象的な言葉にとどまったというふうに理解しております。
  614. 神崎武法

    神崎分科員 続きまして、福岡外環状線問題につきましてお伺いをいたします。  全国的に道路整備がおくれておりますことは論をまちませんけれども、道路だけというよりも総合的な交通網の未整備によりまして都市機能が麻痺寸前であります。それが特に顕著であるのが福岡都市ゾーンの道路網だと言えるのであります。都市機能の回復のために福岡市周辺での重要な道路整備が現在行われておりますけれども、その中でも特に福岡市姪浜から粕屋町に至る区間の福岡外環状線は福岡都市ゾーンの骨格ともなる幹線道路で、交通体系の確立、交通網再編成のかぎを握る緊急かつ重要な環状道路であると申せます。福岡外環状線の工事の進捗状況と完成見通しについて、まずお伺いいたします。
  615. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 一般国道二百二号福岡外環状道路は、福岡市博多区から西区に至るバイパスであります。現在までに福岡市城南区片江地区土地区画整理事業に関連する区間四百メートルを供用しており、さらに既供用区間から一般県道東油山唐人線までの八百メートル区間の用地買収を進めております。ここまで供用いたしますと、土地区画整理事業でここの地域をお使いになる方はこの東油山唐人線を使えるようになるわけでございます。この道路は延長十六・二キロメートルにも及ぶ大規模なバイパスであり、全線完成のめどはまだ立っておりません。本道路はオイルショック直前の昭和四十八年に事業化いたしましたが、その後の経済変動のため本格的に事業を進める段階に至らないまま、昭和五十五年度以降の厳しい財政のもとに対処しなければならないようになったわけでございます。福岡都市圏では、ほかにも三号の博多バイパスとか福岡南バイパスあるいは一般国道の二百一号の福岡東バイパスなど大きな事業を進めておりますので、こういう事業がある程度めどが立った段階で、この外環状道路にも対応していきたいというふうに考えておるところでございます。
  616. 神崎武法

    神崎分科員 私は福岡外環状線の工事現場を実際に視察いたしまして、余りに工事が進捗していないことに愕然とした次第でございます。今の状態では今後大体五十年から百年ぐらい工事完成に日時を要するのではないか、このように地元では言われているわけでございますけれども、工事が進捗しない理由は一体何なのか、それについてお答えいただきたいと思います。
  617. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 厳しい財政事情に置かれていること、それと、この福岡県におきまして大規模な国道事業が行われていることでございます。では、なぜそういうものを計画したかということでございますが、この計画は先ほど申しましたふうにオイルショック直前に計画したものでございまして、その後の厳しい財政事情のために他の道路の供用を先行しなければならない、その方がより合目的、効率的であるということで、そちらの方に重点投資をしているわけでございます。  しかし、この道路の中におきましても、他事業との関連のありました城南区の片江地区の土地区画整理事業については、関連する道路を四百メートルを供用しており、さらにそれを延ばして一般県道東油山唐人線までの八百メートルについても用地買収を進めて、一応この区間だけは整備して、土地区画整理事業で土地を得られた方々の利便に供したいというふうに考えておりますが、残りについては、他の大きなプロジェクトのめどが立った段階で、この外環状道路に重点的な投資をしていきたいというふうに考えております。
  618. 神崎武法

    神崎分科員 福岡市は現在急激に発展をいたしておりまして、特に西南部方面は速いテンポで発展を見ているわけでございます。その西南部と東南部をつなぐ大動脈として、この外環状線の早期完成が望まれるのであります。外環状線の予定区域の開発が速いテンポで進展しているだけに、工事の完成がおくれればおくれるだけ工事の施工は困難になっていくものと考えられます。このまま推移いたしますと、後日、当局の見通しの甘さを責められる事態が生ずることも懸念されるのであります。そういう意味におきましても、ぜひとも建設省におかれましては、この工事の早期完成のために御尽力をいただきたいと思います。  続きまして、福岡南バイパス問題についてお伺いをいたします。福岡市と鳥栖市を結ぶ福岡南バイパス工事の進捗状況と完成見通しについて、お伺いをいたしたいと思います。
  619. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 福岡南バイパスは、福岡市内の現国道三号の交通混雑の解消及び交通安全の確保を目的として計画された福岡市東区から筑紫野市に至る延長十九・三キロメートルの道路であります。  これまでに太宰府市内の二・二キロメートルと福岡空港西側の一・七キロメートルの区間を除く十五・四キロメートルについて、二車線または四車線で供用いたしております。未供用区間のうち、太宰府市通古賀から同市水城までの区間については、早期に供用すべく用地買収及び工事を進めております。福岡空港西側の区間については、用地買収はおおむね五〇%の進捗となっており、今後とも用地買収の促進に努め、六十年代前半には供用できるよう努めてまいりたいと考えております。未供用区間には用地買収が難航している部分があり、昭和五十六年以来鋭意用地交渉を続けてきておりますが、補償価格の面でまだ相当の開きがあり、解決のめどは得られておりません。今後とも用地交渉を続けることとしており、可能な限り任意買収によって用地を取得するよう努めたいと考えております。
  620. 神崎武法

    神崎分科員 今御答弁がありましたように、福岡南バイパスの工事が進捗しないのは、用地交渉が難航しているためと言われておるわけであります。建設省福岡国道工事事務所では、最悪の場合は土地収用法の適用もあり得ると考えているということも伺っているわけでありますけれども、この点につきまして建設省はどういう方針を立てているのか。また、どのくらい住民側と用地交渉を行ってきたのか、概略を簡単で結構ですからお願いいたします。
  621. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 現時点では、任意買収により用地を取得するよう、地元の協力を得られるよう説明を続けておるところでございます。
  622. 神崎武法

    神崎分科員 この南バイパスの工事の中で半道橋二丁目地区、この地区は既に舗装工事がなされておりますけれども、道路が両側の民家や工場よりも若干高く設置されておりまして、かつ排水溝はあるものの、水が流れるようには完備されていないために、一たん雨が降りますと、水が排水溝で増水状況になって冠水しているのであります。そのため両側の工場地帯では、雨が降ると冠水のため操業ができなくなっている、こういう状況でございますけれども、この事実関係を建設当局は承知されているのかどうか、また、どこまで把握しておられるのかどうか、お伺いいたしたいと思います。
  623. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 ただいま先生の御指摘のありました福岡市博多区半道橋二丁目地区は、福岡市の排水路が未整備であるため、従来から降雨時には湛水していた地区であります。この地区におけるバイパスに平行する福岡市管理の排水路のうち、道路建設により支障となる部分、約九十メートルでございますが、この九十メートルの部分については、機能補償として道路事業により移設整備し、在来の排水路に接続させておりまして、その後の湛水状態は従前に比して特段の変化はないと聞いております。
  624. 神崎武法

    神崎分科員 従前よりも冠水状況はひどくなって、ひざ下まで冠水をして操業ができない、そういう事実関係は御存じないのでしょうか。
  625. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 この地区はもともと排水路が未整備であるため、従来から降雨時には湛水していたということは聞いております。
  626. 神崎武法

    神崎分科員 このような事態の解決のためにも、福岡南バイパスの工事を促進していただき、一日も早く完成を望むものでありますけれども、道路が完成するまでの間、この半道橋二丁目地区の道路舗装に伴う排水処理ですね、これはどのようにお考えになっているのでしょうか。
  627. 沓掛哲男

    ○沓掛政府委員 この地区の排水処理につきましては、もともと未整備ながら排水路があったわけで、その排水路を今の場合約九十メートルつぶす、と申しますか、つぶすことになったので、その機能補償ということで道路の横に排水路をつけ、その前後を従来あった排水路に接続したわけでございます。ところが、その接続した排水路自体が未整備であるために、いわゆる通水機能が不足して湛水するというふうに聞いております。したがって、こういう問題を解決するためには、今後福岡市と十分協議し、早期にこの排水路の整備を図っていくことではないかというふうに考えております。
  628. 神崎武法

    神崎分科員 次に、渇水対策についてお伺いいたします。  福岡市は、昭和五十三年の異常渇水によりまして、約三百日に及ぶ制限給水を余儀なくされまして、水の総合需給計画を策定して、節水型の都市づくりを現在強力に推進しているところであります。しかしながら、同市の人口は急増を続けておりまして、同市の計算でも一日の水の標準需要量は、昭和六十年度に六十一万三千トン、七十年度には八十万九千トンに達すると推計され、長期的展望に立った水資源、渇水対策が急がれるのであります。  その意味におきまして、将来の抜本的な水資源対策であります広域利水について、筑後川上流ダム計画の早期実施を含めて、筑後川水系水資源開発基本計画の促進が特に望まれるのであります。  また、福岡市の昭和五十八年度の一日の給水能力は六十三万四千五百トンで、うち十一万一千五百トンは筑後川受水を予定しておるのでありますけれども、佐賀県側の事情で、福岡県には全体で十三万六千四百トン通水することになっているのに、実際には八万トンしか通水されていないため、福岡市に配分される水量は、一日五万九千トンしかないのであります。要するに、当てにしている水量の半分しか福岡市に対する筑後川受水がなされていないのが現状でございます。このままでは、福岡市は本年の夏には渇水になるおそれもありますので、関係地域の理解と協力を得られるよう、関係省庁及び水資源開発公団としても督促してもらいたいと考えるのであります。これらの点につきまして、関係当局はどのようにお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
  629. 井上章平

    井上(章)政府委員 福岡市におきます昭和五十三年の渇水は、今日なお記憶に新たなものがございます。その後、いろいろこの地域におきまして水資源開発の努力を進めてまいっておるわけでございますが、とりわけ筑後川水系の水資源開発が決め手になるということにつきましては、先生ただいま御指摘のとおりでございます。  この筑後川水系の水資源開発につきましては、昭和五十九年三月に改定されました筑後川水系水資源開発基本計画に基づきまして、鋭意事業の進捗を図っているところであります。そのうち建設省所管の開発施設といたしましては、ただいま建設中の筑後大堰、竜門ダム、そのほか、これは福岡県だけが受益地じゃございませんが、佐賀導水事業とか実施計画調査中の猪牟田ダム、城原川ダム、赤石川ダム等があるわけでございます。  その進捗の状況を御説明申し上げますと、これらのうち筑後大堰につきましては水資源開発公団が施工中でありまして、これは五十九年度に完成の予定でございます。竜門ダムにつきましてはただいま水没者の補償がほとんど完了し、本体工事にかかるべく準備中の段階でございます。赤石川ダムにつきましては、去る三月五日に筑後川水系の水資源開発基本計画に組み入れられたダムではございますが、今後開発公団によって鋭意調査の進捗を図るよう指導してまいりたいと思っておる次第でございます。
  630. 森下忠幸

    ○森下説明員 御説明申し上げます。  福岡地区の水道用の水を安定して確保するというための福岡導水事業でございますが、先生お話しのとおり主要の施設が既に完成しておりまして、試験通水を経まして昨年の十月から一部通水を行っておるわけでございます。  ただ残念なことに、ただいまの状況ではおっしゃるとおり八万トン日量でございまして、計画水量の十三万六千四百トンを取水するまでにはまだ至っておらないわけでございます。これにつきましてはできるだけ早期に全量取水が可能となりますよう、そしてことしの夏の水道の供給に支障を生じることがないよう、ただいま水資源開発公団に鋭意関係者との調整を行わせているところでございます。
  631. 岡本克己

    ○岡本参考人 私ども福岡導水路事業を担当いたしまして、現在全体といたしましては事業中ではございますが、地元の水の状況をよく承知しております。そういうことで昨年から一部通水を開始いたしまして、現在、先生先ほどおっしゃいました八万トンの水を送水しておるわけでございますが、ことしの渇水はまた非常に異常なものがございまして、これを何とか早く所定の十三万六千トンに円満に通水できるように今、最大限の努力を払っておるところでございます、今後とも努力を続けていきたいと思っております。
  632. 神崎武法

    神崎分科員 最後に、雑用水道につきましてお伺いいたします。  国土庁が公表いたしました「二十一世紀の水需要」によりますと、北部九州及び関東はこれからも水不足が続き、水資源供給では限界になると言われておるのであります。そこで、節水及び水の有効利用に積極的に取り組むとの観点から、福岡市では雑用水利用を積極的に推進しております。全国でも、あと東京都だけがこの雑用水利用に取り組んでいると聞いているわけでございます。この雑用水利用は単に水需要逼迫地域だけのローカルな問題としてとらえるのではなくて、国として新しい課題として取り組むべきであると考えます。したがいまして、福岡市と東京都の先駆的な試みを参考にいたしまして、国で制度化を積極的に推進すべきものと考えますが、この点についてどうでありましょうか。また、この推進に当たりましては、技術基準、財政措置等に関する法制度の整備を図る必要がありますけれども、この点もあわせて考え方をお伺いいたしたいと思います。
  633. 松原青美

    ○松原政府委員 先生御指摘のように、近年水需要が増大している中で水資源の開発がなかなか困難になってきておりまして、下水処理水の再利用の要請が増大してきております。このために、御指摘にございましたように五十四年度から福岡市においてモデル事業として実施いたしまして、五十六年六月から市庁舎等の業務用雑用水として一部通水を始めております。また五十六年度からは、お話しのとおり東京都の新宿副都心でモデル事業に着手いたしております。この下水処理水の再利用の現状を申し上げますと、全国四十三の下水処理場で洗浄用水とか修景用水等として年間六千万トンの下水処理水を処理場外で再利用するなど、雑用水としての利用の促進に努めておるところでございます。  お尋ねの今後どう対応していくのかという問題につきまして、建設省としては水需要の増大に対処する見地から、今後とも下水処理水の雑用水としての再利用を促進してまいりたいと考えておりますが、法制度につきましては、上水道、工業用水道、下水道という現在の体系の中で、この雑用水がどのような位置づけになるのかなとの問題につきまして、これから十分慎重に検討してまいりたいと考えておるわけでございます。御承知かと思いますが、この下水処理水のコストは非常に高こうございます、きれいな水をきれいにするというのと違いまして汚い水をきれいにするということ。かつ使う人の心理的な問題としては、もとは下水だという意識もございまして、コストは高い、利用される方は余り進んで利用してもらえないという問題がございます。こういう点も含めまして、幾ら技術的に飲んでも大丈夫だといいましても、心情としてはなかなかそこまで認めていただけないのが現状でございまして、現行の三水道の体系の中でどのように位置づけていくかというのは非常に困難な問題でございまして、これから慎重に検討いたしたいと思っております。
  634. 神崎武法

    神崎分科員 以上で終わります。
  635. 高鳥修

    ○高鳥主査代理 これにて神崎武法君の質疑は終了いたしました。  次に、渡辺嘉藏君。
  636. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 大変遅くなって申しわけありませんが、よろしくお願いをいたします。  木曽川右岸の流域下水道につきまして、現在岐阜県内ではこの問題が大変な物議を醸しておるわけです。要するに、これの設置につきましては、設置そのものに反対するのではなくて、この計画が余りにも巨大過ぎて、中にはずさんで非合理的なところがある。それがために、この非合理的な面を直し、巨大過ぎるのを見直しをする、そういうことが今の段階で必要だという意味での住民の強い反対運動が起きておるわけであります。そういう観点で建設大臣その他政府に御質問をいたしたいと思うわけです。  この木曽川右岸流域下水道は、当初は日量六十万トン、その後岐阜市の中部プラントを十万トン、カットいたしまして五十万トン、四市九町、一万三千九百ヘクタールという膨大な地域の流域下水道でございます。これは昭和四十六年と四十七年の二年間にわたって企画、設計されたものでございまして、その後、日本下水道協会の五十八年四月版ですが、ここにもありますように、工業用水あるいはまた生活用水等々の使用量が頭打ちをし、伸び悩みをしておる。これにつきまして、この協会は建設省の下水道部長も含めましてそれら関係者で構成されておるわけですが、「このような現象は、昭和四十年代には全く考えられなかったことであり、このため、当時作成された計画においては、生活排水に係る計画値と実績値が乖離する傾向がある。」それがため「社会経済情勢の変化に対応して、必要な場合には計画を変更することが適当である。」と述べていらっしゃるわけでありますが、まことに同感でございます。  そこで、先ほど申し上げましたように、この岐阜県の本計画は第一次オイルショック前の日本列島改造論当時のもので、それを基礎にして作成されたものでありますが、これが今日の社会経済の状況と大きく変化しておることは言をまちません。  一つの例を工場用水、生活用水にとってみますと、当初工場用水は十三万二千五百トンを計画しておりましたが、現在の予想では約六万トン、家庭用水においても三十六万七千五百トンが現在は十八万トンと半分以下に減少しておるというのが実情でございまするが、こういう計画について、下水道部長も参加していらっしゃる協会の資料にもあるように見直しの時期が来ておるのではないか、かように考えますが、どのようにお考えでございますか、これは大臣から。
  637. 松原青美

    ○松原政府委員 御指摘の木曽川右岸流域下水道は、考えられる種々の比較案について経済比較等の各種の検討を行いまして、最も合理的に計画されたものでございます。高度成長期と違って水利用の原単位が下がっているではないか、こういうことかと思いますが、当時策定されました下水道計画では、その将来の水の需要の原単位をかなり高く想定していたと思われるものがございます。したがって、現時点で考えますと、結果的に過大になっているものがあり得ますので、従来から、これらの計画について見直しが必要であるかどうか検討するよう各地方公共団体を指導しているところでございます。
  638. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 今お聞きいたしまして、そういう趣旨建設省としては見直しを指導していらっしゃるということですが、これはもう抜本的に見直しをしないといけないのではないか。全体計画の五十万トンのうちで今度十四万トンを第一次計画で進めていらっしゃるわけですが、この十四万トン自身も中を詳細に調べますと、岐阜市、羽島郡その他含めて約四〇%ぐらいの量については、処理場の各務原の地域とこれら下流部分とは二十三メーターから二十五メーターの落差があるのです。ですから岐阜市で例をとりますと、昔岐阜市に丸物という百貨店がありましたが、八階建ての高さが各務原の処理場の地点になるわけです。その二十三メーターをポンプでアップしないと処理場に持っていけない。だから数カ所でポンプアップをするわけなんです。こういうこと等から考え、現在羽島郡あるいはまた美濃加茂市、坂祝町、可児市その他ずっと足しましても、岐阜市の中部プラント十万トンをカットしておりますので、今度の計画そのものの中にも、どちらかと言えば田畑、山林、山地が多いのが実情なんですが、この際きちっと見直しをしないとこれは大変だと思うのです。早急にこの見直しを指示されませんと、工事だけ進む危険があるのですが、この点についてお聞かせいただきたい。
  639. 松原青美

    ○松原政府委員 この流域下水道、最初御指摘ありましたように低いところから高いところヘポンプで圧送して逆送する地域が入ってございます。この地域の地形は逆勾配とはいいながら高度差が比較的小さい。中継ポンプ場を設置して、この計画されております処理場へ送水する方が、別に新しく処理場を建設するより経済的で合理的であるという計画の検討の結果、現在のような計画になっておるわけでございます。私どもが見ましたところ、工事の着手について御指摘がありましたが、現在六十万トンで計画がされておりますが、この計画を見直してみたとしても、この処理区の区域から見まして現在の位置が恐らく最適であろうと考えておるわけでございます。
  640. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 それではお伺いしますが、本年度この計画のために国が予算化せられたのが十四億と承っております。ところが、それがために県はそれに県費を加えて十七億九千万の予算をいたしておるわけでございますが、この第一期の分だけでも工事費はこれから約七百億ぐらい要るのです。七百億に対して十七億九千万。二十億やそこら組んでおったのでは二十年先のことなのか二十五年先のことなのか、こう疑わざるを得ないのです。今日の財政下において、こういうことについて国は今のままで果たしてやっていけるのか。県のこの書類によりますと六十六年と書いてあるわけでありますが、この六十六年の供用開始までに、あと七百億の予算ができるのかどうかお聞かせいただきたいと思います。
  641. 松原青美

    ○松原政府委員 ただいま御指摘の数字は、五十八年度においてはそれほどの事業費が参っていないと思います。二十年後にこの予算措置ができるのかどうかということだろうと思いますが、一般に下水道計画は二十年後の人口なり水使用量の予測値に基づきまして計画されることになっております。この計画も同様でございます。財政事情等の面で、必ず二十年以内に完成させることができるということをただいまから確言することはできないわけでありますが、完成に至るまでの途中年次でもできるだけ効果を上げることもできます。私どもの気持ちとしましては、このくらいのものは、二十年後、新しく二十一世紀に入っているわけでありまして、そのころには、岐阜県が現在置かれている下水道の普及状況を考えましても、ぜひ実現させたいと考えているわけでございます。
  642. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 勘違いして聞かれたと思うのです。私の説明が悪かったかもしれませんが、私が申し上げたのは、県のこの計画書、収用委員会に出したものですが、これによると、六十五年までにこれだけの予算で事業を組みますよ、五十九年度は九十六億、六十年は百億と、こう組んであるのです。そうして六十六年の供用開始までには約七百七十億の事業費が要るのです、こう書いてあるのです。ですから、こんなことができますかという質問なんです。  私が申し上げるのは、二十億やそこら組んでおったのでは、この十四万トンの第一次工事でさえ二十年も三十年もかかるのじゃないですか。そんなことのために今収用委員会にかけたり、供用開始六十六年だと言いながら、実際にできるのはいつなんだということから判断すると、こういう計画は早急に見直しをさせないと、いたずらに紛議を起こし、そうして事業が延びるだけだ、予算も実際にそれだけつけられるかどうか、こういうことをお伺いしておるわけです。
  643. 松原青美

    ○松原政府委員 県が収用委員会に出した数字、私の方は存じませんが、県としてのその計画、その規模、見積もりというもので想定した数字かとも思います。先生も御承知と思いますが、岐阜県は下水道の普及は非常におくれてございます。岐阜市は戦前から下水道整備を行っている関係で非常に高うございますが、周辺の地域については下水道の整備はおくれております。そういう意味から見て、この木曽川右岸流域下水道というものは、現在の岐阜県にとって非常に重要な公共事業として位置づけられておるわけでございまして、私どもも再三岐阜県の方からこの整備の促進についての要望を受けております。私どもとしてはできる限りの協力をしてまいる所存でございます。  下水道処理場と申しますのは、御承知かと思いますが、将来の二十年後の計画を想定しまして全体計画を立てますが、その工事の進捗によって処理系列ごとに通水をしていく、供用開始をしていく、こういう段階的な施行を行っておるわけでございます。  最近ではこの幹線の管渠につきましても、いわゆる二条管方式というものも採用いたしまして、できるだけ早く供用開始を図っていくという事業手法も採用いたしてございます。そういうことで、できるだけ不経済にならないように指導しているところでございまして、この流域下水道もそういうことで事業に着手し、進んでいくことになろうかと思っております。  重ねて申し上げますが、岐阜県としては、これは非常に大事な事業ということを再三私どもは聞いておりますし、できるだけの協力をしてまいる所存でございます。
  644. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 大事な事業であることは、これはだれしも否定しません。私もそのとおりと思う。問題は、それなら現在八十七キロの管渠を布設するこの大事業が、どれだけの管渠が布設できておりますか。
  645. 松原青美

    ○松原政府委員 たしかまだ数キロだと理解いたしてございます。
  646. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 数キロではなくて二・六キロなんです。八十七キロに対して二・六キロなんです。こういうことで果たしていつ供用開始ができるとお考えでございますか。
  647. 松原青美

    ○松原政府委員 この流域下水道につきましては、計画を決定いたしまして、その後事業に着手しようとした段階で地元の反対運動がございました。そういうことで事業着手が非常におくれておるわけでございます。最近この関係市町村の要望も高まってまいりまして、この事業推進の機運というものが県内に高まっているというふうに聞いております。したがいまして、今までのペースで今後も推移するわけでは決してございません。いつまでということを、これからの予算がどうなっていくかということもございまして、明確に申し上げることはできないわけでございますが、何といいましてもそういう反対の中でやってき、少し芽を出してきたという時代とは違いまして、これから積極的に岐阜県も取り組むでありましょうし、私どももそれなりの配慮をしてまいる所存であります。
  648. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 反対していらっしゃるのは、先ほど冒頭に申し上げましたとおりの趣旨で反対していらっしゃるわけです。これは処理場をつくる用地の方々でございます。管渠を布設する用地の方はだれも反対はしておらないわけです。そうすれば、八十七キロの管渠が二・六キロということはどういうことです。これが一つ
  649. 松原青美

    ○松原政府委員 何といいましても、流域下水道は汚水を集め処理するものでございますから、処理場がまず先行的に整備されるべきものでございます。処理場の見通しが立たない、県としてもいつから実施するか決心のつかない段階で、管渠だけの工事が先行するわけではございません。
  650. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 それは当然でございまして、両方一緒にやらぬことにはうまくないわけです。これは当然でございます。しかし、処理場の工事よりも管渠を布設していく事業の方が長くかかる、こういうふうに承っておるわけですが、といたしますと、供用開始はいつで、そしてそれに対しての予算措置はこういうふうに国は用意いたしますよ、一年に五十億でも六十億でもつけますよ、こういうふうでないとこれはできないのです。六十六年の供用開始はできないのですが、そういうおつもりでよろしいのですか。
  651. 松原青美

    ○松原政府委員 先生がお示しの八十何キロという管渠の長さは全体計画でございます。御承知のように、これは広域の下水道でございまして、その管渠が全部できなければ供用開始ができないというものではございません。一つの汚水を集める市町村のある区域の単位に達し次第、処理場ができておれば汚水を集めて供用開始をするわけでございます。
  652. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 それでは承りますが、その処理場の施設をつくるその敷地は、御案内のとおり、木曽川の河川敷、遊水地帯でございますね。そこに堤防をつくりまして、そして堤防で囲って処理場をつくる、こういうことになっておるわけですが、この処理場にこれからいわゆる施設をおつくりになるわけですが、この施設をおつくりになるのに、堤防はまだできておらぬわけですね。堤防ができておらなくても、建設省としてはそういう施設をつくることを許可になる、こういうことですか。
  653. 井上章平

    井上(章)政府委員 先生御承知のように、木曽川は大河川でありますし、流路の変遷等歴史的な経緯から複雑な河川区域の設定がなされております。本件箇所もその一つでございまして、現在霞堤になっておるわけでございます。しかしながら、この周辺の河川の状況から見まして、これを直線状の締め切り堤にすることについては計画上何ら差し支えない箇所でありまして、河川計画上もそうなっておるところでございます。したがって、ここは直線的に締め切り堤をつくって、いずれ廃川処分されて、その土地が何かに利用される、こういう段取りになるわけでございますが、しかし流域下水道施設のように公共性が非常に強い、また地域にとって必要不可欠なもので緊急に設置する必要があるということから判断いたしますと、当該地区に立地することについては河川管理上特段の支障があるとは考えられないということから、本件の工作物の設置について一般的な河川敷の許可基準をもって判断するのは適当でないと思われるわけでございます。そういうことから築堤とこの下水処理施設の築造は並行して行われてよろしいかと思います。
  654. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 ちょっと大臣にお見せいたしますが、これが木曽川の本流です。これが遊水地帯を流れておる水です。  今お見せいたしました写真は、昭和三十六年の室戸台風のときの大洪水のときに流れた写真でございます。これは二メートルから四メートルの水深を持ってここをごうごうと流れたわけなんです。これが堤防ができておりもしないのにそういう処理場の施設をつくって、もしも洪水が来たら、どうするお考えか。
  655. 井上章平

    井上(章)政府委員 本件流域下水道計画に基づく各般の施設につきましては、あわせて築堤を行うことになっております。これはいずれは河川管理者の計画に基づいて河川管理者みずからが設置すべきものでございますが、こういう事情でございますので、一つの請願工事としてこの下水道の管理者に設置していただくように取り計らっておるところでございます。
  656. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 それでは承りますが、じゃこの新堤工事は下水道処理施設の附帯施設として下水道の方で補助をつけてやる事業ですか。
  657. 井上章平

    井上(章)政府委員 これは下水道施設管理者が実施する、実際の工事は私どもが受託を受けまして河川管理者が施行いたしますが、その資金の出場所ということから申し上げますと、これは下水道管理者でございます。
  658. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 そうすると、これは県がまるきり出す、こういうことですか。下水道の附帯施設として補助がつく、こういうものじゃないのですか。
  659. 松原青美

    ○松原政府委員 これにつきましては下水道事業の一環として私の方の補助対象になります。
  660. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 それでは承りますが、この堤防の敷地が千八百メートルの長さがあるわけですが、その中で百二十メートル、八十メートルと飛び飛びに二つだけ今土盛りをしたわけですね。そうすると、あとの八〇%くらいは用地がまだ未買収なんです。こういう未買収の用地で、いろいろな問題があるところをどうして六十六年までに買収できるのか、それで築堤ができるのか、これを一遍承りたい。
  661. 松原青美

    ○松原政府委員 この築堤につきましても、そういう意味で用地買収は下水道事業を行っております岐阜県の方で当たっておられます。岐阜県としてはそれはできるという見通しを持って工事に着手するというふうに聞いております。
  662. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 この部分が前回土地収用の裁決が出たわけなんですが、これは施設の敷地だけを土地収用にかけて、堤防敷は入れてなかったのです。ですから、これは全くの未買収になってしまったわけなんです。そうすると八〇%も未買収の用地が残っているわけなんですが、これはちょっと困難ではないか。それでは承りますが、先ほどから何回も言いますように、供用開始をいつというふうにめどを置いていらっしやいますか。
  663. 松原青美

    ○松原政府委員 これは、私どもより事業を行っております岐阜県の方にお尋ねいただいたらありがたいわけでございますが、岐阜県としての目標は、あるいは先生が先ほど来おっしゃっている年次かとも思います。私どもとしては、岐阜県の要望にできるだけこたえるべく努力をする立場にございます。
  664. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 今日の財政事情で、先ほど申し上げたようなそういう莫大な費用がこれから要るんですが、とてもじゃないが建設省、そういうことをおっしゃるなら県から出してきた要望どおり予算をつけていただけますか。
  665. 松原青美

    ○松原政府委員 五十九年度予算はただいま御審議いただいておる段階でございます。その段階で五十九年度について幾ら配賦するということを私どもの方から申し上げるわけにはまいりません。県から出ております数字、その実行可能性、それから全国とのバランスの問題、そういうものを考えて決定するわけでございますが、私ども先ほど来申し上げておりますように、今後の供用開始の県の希望の時期を見ながら、今後数年間にわたって努力してまいりたいと思っております。
  666. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 先ほど緊急だ、こうおっしゃった、だから遊水地帯、河川敷にでも構築物を許可することがある、こうおっしゃったのですが、いつなのかはっきりしないのにどうして緊急と言えますか。まして堤防ができておらないところに土台をつくらせたり建物をつくらせたり施設をつくらせて、もしも洪水のようなものが来て、災害みたいなものはいつ来るかわからんですよ、それがぱっと来たときに流れたらどうしますか。
  667. 松原青美

    ○松原政府委員 この計画ができましてから、先ほどもちょっと申し上げましたように、地元の反対がございまして大幅に事業がおくれてございます。一日も早い事業の完成、通水、供用開始ということを岐阜県としては非常に強く希望されております。  岐阜県の下水道普及率は約二三%でございます。全国平均が三二%という低い水準ではございますが、その中でも特に低いわけでございます。たしか岐阜市は六〇%を超える普及率でございます。したがいまして、岐阜県の二三%という普及率は、岐阜市であらかた稼いでいるといいますか、岐阜市が六一%だからその数字が出ているわけでございまして、逆に申せば岐阜市での現在の下水の処理区以外のものについては非常に整備がおくれている、こういう現状でございます。  こういうことから私どもは、ひとつ緊急に事業の実施が必要である、既に大幅におくれております、一日も早くこの通水を開始して地域の人たちに下水道の利便を享受してもらいたい、あるいは木曽川の水質保全に貢献したい、こういうふうに考えておるわけでございまして、これは着手がおくれればおくれるほど完成がおくれるわけでございますから、そういう意味で緊急に着手し、一日も早く通水する必要があると申し上げたわけであります。
  668. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 おくれることについて見直しを何回も申し上げておるわけですが、三分割ないし四分割、地域の実情に合わせて分割することによってこの反対運動はおさまるのです。そういう感触は私は持っておるのです。だから見直しを早急にすべきだということを県にも建設省にも申し上げておるわけですが、それがなされておらぬのですが、その点についてと、それから先ほど河川局長、堤防が未完成でも緊急上そういう構築物の許可をされるとおっしゃったのですが、堤防がいつできるかわからぬのに、それでも構築物の許可をされますか。
  669. 井上章平

    井上(章)政府委員 当該箇所は本川でございませんで、霞堤の間にある河川区域でございます。したがいまして、霞堤の締め切り完了前に構築物を築造する場合には、この構築物が下流に流出したり第三者に危害を与えないということが明らかである場合には、締め切り前でありましても工事実施については認める考えでございます。
  670. 松原青美

    ○松原政府委員 ただいま二ないし三に分割してはどうかという御指摘でございますが、下水道計画では、一般にその地域の地形なり人口密度の状況によりまして、最適な処理区域規模を決定することにいたしてございます。単に処理区域の面積の大小あるいは計画水量が多い少ないによって過大がどうかということが直ちに判断できないものでございまして、木曽川右岸流域下水道計画、この計画につきましては、この処理区の最適規模の検討を行って決定されたものでありまして、原計画が最も合理的なものであると私ども判断いたしております。
  671. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 あなた方の答弁はどうも何だかガードを引いたような答弁を承っているわけですが、そういうことではこれの進捗もできないし、かえって問題をこじらかすだけだと思うのです。むしろ早急に見直し、分割、この方向で指導されるのが実情に合っておると思うのです。  それから、先ほど緊急だから堤防ができておらなくても工事許可するということを申されましたが、私はそんなことは断じてあってはいけないと思うのです。では堤防がいつできる、だからそれからどうする、こういうことが明らかになるべきだ。昨年の九月二十八日の洪水のときもその霞堤を越えてやはりそういうふうに流れたんです。いいですか、霞堤を越えて流れたんです。とすれば、当然今度また水が出たときには構築物そのものに被害が出る、損害が出る、当たり前のことじゃないですか、税金が流れるのですよ、そんなことを認めていいかどうか。
  672. 松原青美

    ○松原政府委員 この処理場の建設事業と並行いたしまして、この新堤の構築もあわせて進めるよう私ども指導してまいるつもりでございます。
  673. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 まだもう一点申し上げますが、時間が余りありませんからこれ以上時間をかけませんが、いま局長がそれぞれおっしゃったようなことは、そんなにここの永田町や霞が関から見ておるような実情じゃないのですよ。ですから、実態に合わせて早急に見直しと、実情に合わせた工事の進捗を進められるのが的確だ、私はこう思っております。  そこで、先ほど触れました各務原のこの木曽川の本流の上流にいわゆる美濃加茂市があって、そしてその上に丸山ダムがあるわけです。その結果、昨年の九・二八災害が起きたわけです。この災害は、三月九日に参議院の我が党の村田秀三先生を団長として現地調査が行われたわけですね。そのときに、この丸山ダムの操作によってこの水害が起きたのではないか、あるいはまたその被害が増幅されたのではないか、こういう声がこの現地の調査団に対して地元から出たのですが、これは前から出ておるのですが、これについて建設省の御見解を承りたいと思います。
  674. 井上章平

    井上(章)政府委員 昨年の大出水に際しまして、丸山ダムの洪水調節効果が十分でなかったために下流に被害が起きたのではないかというお話でございますが、ただいま資料の持ち合わせがございませんので、感じだけで申し上げて失礼でございますが、私どもが理解しておりますのは、丸山ダムの貯水能力をはるかに超える洪水でございました。そのために、規則どおりの操作をしたわけでございますが、そしてなおかつ最初の山はそれによって洪水調節効果が下流に及んだわけであります。しかしながら、さらに第二波の降雨による洪水が押し寄せましたので、既に丸山ダムの能力は限界を超えたわけであります。したがって、それ以降は流入イコール流出という操作に移らざるを得なかったということでございまして、丸山ダムの操作によって下流の洪水が起きたのではなくて、大変異常な大洪水によって下流の災害に至ったというふうに私どもは考えております。
  675. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 大体今までもずっとそういう紋切り的な御答弁をいただいてきておったのです。ところが、この九月二十八日二十二時にゲートを今までと違って、今までは八ないし九であったものを十二まではっと引き上げられた。二十二時にばっとあけた。二十二時三十分には二十キロ下流の美濃加茂市はここらまで水がついたのです。大体二十キロですから、この水流等から考えまして三十分ないし四十分で到着することは想像できます、あの勾配ですから。そうすると、このばっとついた水が大体二時間ないし三時間でまたさっとうそのように引いていくのです。一時的にあけた水はばっとそのまま散っていくのです。これはもう自然現象です。  ここに一つのグラフがあるのですが、これは私も引いてみたのです。大臣、これを見てください。ゲートの開扉とこれは実にくしくも一致してくるのです。これは明らかにゲートの開扉そのものに操作上の誤りがあったのではないか、こういうふうに考えられるのですが、どうですか。
  676. 井上章平

    井上(章)政府委員 木曽川の下流における洪水とゲートの開扉とが一致するということは当然でございます。ダムはためるだけためたわけであります。しかし、二山洪水が来たためにその能力を超えたわけであります。それから後は流入イコール流出にせざるを得ないわけでありまして、それによって下流に被害が起きたわけであります。しかしながら、翻って考えてみますと、その前に大きな洪水が一山あったわけでありますが、それは洪水調節によって軽減されたわけであります。したがって、この丸山ダムがなかった場合に下流の状態がどうであったかということから丸山ダムの功罪を論ぜられるべきであろうかと思われます。
  677. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 そこにも差し上げました資料でもおわかりのように、その二時間前は閉められたんです。むしろ逆に閉めておられる。一時あけたものをまた二時間前には閉めた。そしてまたあふれた。泡食ってまたばっと広げた。その現象がここに出たんですよ。  そこで、このゲートの開扉についてどういうふうに開度をしておられたかということで、被害を受けた美濃加茂市は、今後のことも含めまして、二度とあってはいけないということで、これの開扉、いわゆる門扉の操作記録の資料の提供方を建設省に要求せられたんです。五十九年の二月三日付で、美濃加茂市長高橋三郎さんが建設省に、そのダムの門扉の操作記録資料提供方を依頼されたんですが、これについてどういう対応をされましたか。
  678. 井上章平

    井上(章)政府委員 準備しておりませんので、ちょっと今ここではわかりません。
  679. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 ここにそれの写しがあるわけですが、建設省は中部地建の名前で、二月十日、一週間後ですね、この資料の提供はお断りします、こういうふうに公文書でお断りになった。被害を受けた下流市町村が資料を見せてくれと言ったら、それを断る。それは建設省の意向ですか、中部地建の意向で突っ返されたんですか。
  680. 井上章平

    井上(章)政府委員 ちょっとその事情については私どももわかりませんが、開度状況、これはいずれ公開される情報であろうと思います。
  681. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 文書の回答によりますと、「二月三日付御依頼の操作記録は専らダム管理業務に使用することを目的として作成しているものでありますので、御依頼の件については、提供できません。」こういうふうに書いてあるのです。どういうことですか。
  682. 井上章平

    井上(章)政府委員 それは中部地方建設局のその時点での判断に基づく回答であろうかと推察されます。ちょっと私どもではその理由はわかりかねます。
  683. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 被害を受けた下流市町村が真剣にこういう資料を求めているのに、こんなものは何も秘密でも何でもないと思うのですが、拒否してしまった。党の調査団に対しましては、提供を求めましたところ出していただきました。いろいろ照合できます。僕は被害を受けた市町村に断るということはないと思うのです。どうかそういうことのないようにしていただきたい。  とともに、このゲートをあけたときに下流市町村に何も連絡しておらぬのです。少なくともゲートをあげれば水がばっと来る。先ほどおっしゃったとおりなんです。ゲートをあけたから水がふえました、洪水が出ました、おっしゃったとおりです。とするなら、下流の、浄水場ができる、下水場ができる美濃加茂市、坂祝町それから各務原市、ここには当然連絡してしかるべきだと思うのです。まして集中豪雨の最中にあけたのです。洪水のときにあけたのです。連絡がしていないそうですが、これはどうしてですか。
  684. 井上章平

    井上(章)政府委員 その辺の事情につきましても、きょう先生の質問予告がございませんでしたので、何の資料も持っておりませんので、ちょっとお答えいたしかねるわけでございます。
  685. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 この点につきましては、こんなものは当然僕は知っていらっしゃると思ったのですよ。ですから、この点につきましては、ひとつ、じゃあ早急に調査をしていただきまして、そうして後日で結構ですが、御回答をいただきたい。  とともに、先ほど申し上げました、この各務原の堤防ができないうちに工事を着工させるような暴挙がもし出るとすれば、これはまたそういう水害があって、去年あったのですから、またあって、そうして税金が流れるようなことがあったら断じてならぬわけですが、最後に、建設大臣はどのようにお考えでございますか。
  686. 水野清

    水野国務大臣 先ほど来両局長が御説明申し上げておりますが、なかなか御納得いただけないようであります。  建設省としましては、点検する必要があると思われるようなときには、その地方公共団体と連絡をして指導しております。この点検の結果、もし下水道事業計画を変更する必要があるかどうかということは、これはまたその自治体の首長の判断にまつという以外はございません。しかし、この木曽川右岸の流域下水道につきましては、現在のところ、処理場の位置の変更とかいろんなことについては、工事の中止を指導するという考えは、大変恐縮でございますが、持っておりませんので、御了承賜りたいと思います。
  687. 高鳥修

    ○高鳥主査代理 渡辺君に申し上げますが、質疑時間が既に終わっておりますので、御忠告を申し上げます。
  688. 渡辺嘉藏

    渡辺(嘉)分科員 時間を超過して甚だ恐縮ですが、以上で終わります。実情をお酌みいただいて善処せられることを望みたいと思います。
  689. 高鳥修

    ○高鳥主査代理 これにて渡辺嘉藏君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして建設省所管についての質疑は終了いたしました。  これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。  分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を終了することができました。ありがとうございました。  これにて散会いたします。     午後九時二分散会