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1984-03-10 第101回国会 衆議院 予算委員会第七分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会昭和五十九年三月五日(月曜日)委員 会において、設置することに決した。 三月九日  本分科員委員長指名で、次のとおり選任さ  れた。       中西 啓介君    原田  憲君       原田昇左右君    三塚  博君       上田  哲君    二見 伸明君 三月九日  原田昇左右君が委員長指名で、主査選任さ  れた。 ――――――――――――――――――――― 昭和五十九年三月十日(土曜日)     午前九時開議  出席分科員    主査 原田昇左右君       中西 啓介君    三塚  博君       上田  哲君    奥野 一雄君       村山 喜一君    神崎 武法君       小谷 輝二君    中村  巖君       二見 伸明君    森本 晃司君    兼務 稲葉 誠一君 兼務 上野 建一君    兼務 岡田 利春君 兼務 島田 琢郎君    兼務 清水  勇君 兼務 鈴木  強君    兼務 関  晴正君 兼務 松沢 俊昭君    兼務 渡部 行雄君 兼務 山田 英介君    兼務 塩田  晋君 兼務 田中 慶秋君    兼務 西村 章三君 兼務 柴田 睦夫君    兼務 瀨長亀次郎君 兼務 中島 武敏君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 細田 吉藏君  出席政府委員         経済企画庁総合         計画局審議官  星野 進保君         運輸大臣官房長 松井 和治君         運輸大臣官房総         務審議官    西村 康雄君         運輸大臣官房会         計課長     宮本 春樹君         運輸省港湾局長 小野寺駿一君         運輸省鉄道監督         局長      永光 洋一君         運輸省自動車局         長       角田 達郎君         運輸省航空局長 山本  長君  分科員外出席者         防衛庁防衛局運         用第二課長   上田 秀明君         防衛施設庁施設         部連絡調整官  田中  滋君         大蔵省主計局主         計官      日高 壮平君         運輸省自動車局         審議官     熊代  健君         運輸省航空局首         席安全監察官  石井 俊一君         日本国有鉄道総         裁       仁杉  巖君         日本国有鉄道常         務理事     竹内 哲夫君         日本国有鉄道常         務理事     岩瀬 虹兒君         日本国有鉄道常         務理事     岡田  宏君         日本国有鉄道常         務理事     須田  寛君         日本国有鉄道常         務理事     太田 知行君         日本国有鉄道常         務理事     岩崎 雄一君         参  考  人         (日本鉄道建設         公団総裁)   内田 隆滋君         参  考  人         (日本鉄道建設         公団理事)   松尾 昭吾君         参  考  人         (日本鉄道建設         公団理事)   吉村  恒君     ――――――――――――― 分科員の異動 三月十日  辞任         補欠選任   上田  哲君     井上 普方君   二見 伸明君     神崎 武法君 同日  辞任         補欠選任   井上 普方君     奥野 一雄君   神崎 武法君     小谷 輝二君 同日  辞任         補欠選任   奥野 一雄君     小川 国彦君   小谷 輝二君     遠藤 和良君 同日  辞任         補欠選任   小川 国彦君     村山 喜一君   遠藤 和良君     森本 晃司君 同日  辞任         補欠選任   村山 喜一君     上田  哲君   森本 晃司君     中村  巖君 同日  辞任         補欠選任   中村  巖君     古川 雅司君 同日  辞任         補欠選任   古川 雅司君     二見 伸明君 同日  第一分科員 塩田晋君、西村章三君、柴田睦夫  君、第二分科員稲葉誠一君、岡田利春君、関晴  正君、中島武敏君、第五分科員島田琢郎君、田  中慶秋君、第六分科員上野建一君、松沢俊昭  君、瀬長亀次郎君、第八分科員清水勇君、鈴木  強君、渡部行雄君及び山田英介君が本分科兼務  となった。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和五十九年度一般会計予算  昭和五十九年度特別会計予算  昭和五十九年度政府関係機関予算  (運輸省所管)      ――――◇―――――
  2. 原田昇左右

    原田主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。  私が本分科会主査を務めることになりました。よろしく御協力をお願いいたします。  本分科会は、運輸省及び郵政省所管について審査を行うことになっております。  なお、両省所管事項説明は、両省審査の冒頭に聴取いたします。  昭和五十九年度一般会計予算昭和五十九年度特別会計予算及び昭和五十九年度政府関係機関予算運輸省所管について政府から説明を聴取いたします。細田運輸大臣
  3. 細田吉藏

    細田国務大臣 昭和五十九年度の運輸省関係予算について御説明申し上げます。  まず一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は、二十七億二百七十万九千円であり、歳出予算総額は、他省所管計上分一千百八十九億七千二百十四万六千円を含め、一兆四千六百七十七億七千二百十四万五千円でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、比率で三・四%の減少になっております。  次に、特別会計について申し上げます。  自動車損害賠償責任保険特別会計につきましては、歳入歳出予算額一兆五千七百十四億八千五百万円余、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額三千四百七十四億八千三百万円余、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入歳出予算額四百六億九千七百万円余、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額二千五百七十七億八千百万円余をそれぞれ計上いたしております。  また、昭和五十九年度財政投融資計画中には、当省関係公社公団等分として一兆七千六百四十三億円が予定されております。  運輸省といたしましては、以上の予算によりまして、まず第一に、日本国有鉄道事業再建推進することといたしております。  国鉄事業再建につきましては、五十七年九月の閣議決定及び昨年八月の日本国有鉄道再建監理委員会緊急提言趣旨を踏まえ、引き続き、職場規律の確立、新規採用原則停止設備投資の抑制、貨物営業合理化地方交通線整理促進等緊急対策推進に努めているところであります。  五十九年度におきましては、予算人員二万八千九百人の縮減を初め、工事規模の大幅な圧縮等経費の節減に一層の努力を傾注するとともに、所要の運賃等の改定による増収額一千八百億円を見込み、あわせて総額六千四百八十八億円の助成を行うことといたしております。  第二に、交通基盤施設等整備を促進し、国民生活安定向上を図るため、港湾、海岸及び空港の各部門について、五カ年計画に基づいて、それぞれの事業計画的かつ着実な推進を図ることといたしております。  また、鉄道につきましては、東北新幹線の都心乗り入れ工事都市高速鉄道整備等推進することとし、整備新幹線の今後の進め方につきましては、従前からの方針に沿い、関係機関等と協議をしていくことといたしております。  第三に、外航海運対策といたしまして、貿易物資安定輸送確保するため、財政資金により外航船舶整備を促進することといたしております。  また、観光対策といたしまして、海外観光宣伝事業等推進するとともに、国民観光レクリエーション活動のための施設整備していくことといたしております。  第四に、経営改善に努力している地方バス中小民鉄離島航路等に対し、地方公共団体協力して助成を行い、国民日常生活に不可欠な公共交通サービス維持確保に努めてまいります。  第五に、造船対策といたしまして、造船業経営安定化のため、船舶輸出確保を図るほか、過剰施設の処理に関する助成を行うことといたしております。  また、船員対策といたしまして、船員雇用対策及び船員教育体制等整備を積極的に推進することといたしております。  第六に、北西太平洋海域等における船舶航行安全体制を確立するとともに、広大な海域における我が国の権益を確保する等のため、巡視船艇及び航空機の整備推進するとともに、海洋情報システム整備を進めるほか、海洋調査充実強化を図ることといたしております。  第七に、安全防災及び環境保全対策といたしましては、広域的な気象観測に重要な役割を果たす静止気象衛星三号の打ち上げ計画を引き続き推進するとともに、地震・火山対策交通安全対策交通被害者救済対策空港周辺対策等充実強化を図ることといたしております。  なお、運輸行政に課せられている多くの課題に適切に対処し、総合的かつ効率的な運輸政策推進体制強化を図るため、中央、地方を通じた大幅な機構改革を実施することとし、本省においては、運輸行政総合的運営確保を図り、国際運輸地域交通貨物流通等の各分野ごと政策を総合的かつ効率的に推進し得るよう、従来の縦割り組織体制を抜本的に再編するとともに、地方においては、海運局陸運局との統合により地方運輸局を設置し、地域の特性に適合した運輸行政の展開を図ることといたしております。  なお、運輸省関係予算部門別重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります「昭和五十九年度運輸省予算説明」及び「昭和五十九年度日本国有鉄道予算説明」によりまして御承知願いたいと存じます。  以上をもちまして、昭和五十九年度の運輸省関係予算についての説明を終わりますが、何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  4. 原田昇左右

    原田主査 以上をもちまして、運輸省所管についての説明は終わりました。     ―――――――――――――
  5. 原田昇左右

    原田主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲葉誠一君。
  6. 稲葉誠一

    稲葉(誠)分科員 分科会ですから、ちょっと専門的な質問になるかもわかりませんけれども、俗に強制賠償保険と言っております自動車強制保険ですね。正式の名前は長い名前ですけれども、それについていろいろお尋ねをするわけです。  これは常日ごろ私自身が疑問に思っている点を中心にお聞きするわけですが、まず最初に、現在どういうような収支と言うと語弊があるかもわかりませんが、どういう状況になっておるかということから御説明を願いたいと思います。
  7. 細田吉藏

    細田国務大臣 御承知のように、自賠責保険昭和三十一年に始まったものでございまして、増加をしてくる自動車、それに伴って交通事故がふえる、これに対応するためにこの制度を創設したものでありますが、それ以来二十数年非常に大きな効果を上げておるものと思っております。  昭和四十四年ごろをピークにいたしまして、交通事故減少をしてまいりました。大変結構なことだと思っておったわけでありますが、ここのところへ来まして、五十三年からまたカーブが上向きになってまいりまして、事故がふえてまいっております。交通安全の見地からこれはいろいろ対策を立てなければならぬのでございますが、自賠責としましては、事故が少なくなれば非常にゆとりができるわけでございますから、これは非常に結構なことだな。そして、この賠償の金額はどうしても絶えず増加の希望があるものなのでございます。御承知のように、現在は死亡事故の場合には二千万円、それからけがの場合は百二十万円というような限度があるわけでございますが、これをできるだけ上げるという要請があるわけでございますし、また、いろいろな角度から考えましてその必要性もあると思っておるのでございますが、遺憾ながら、今そういうことでまた事故がふえてまいりましたので、なかなか難しい状態になりました。しかしながら、これはどうしてもやらなくちゃいかぬ、やらなきゃならぬ時期が来ておると思っております。  それで、それに伴いまして保険料値上げしなければならぬのじゃないか、本当はやりたくないわけですけれども、どうしても値上げをしなければならぬのじゃないかということで、五十九年度一応検討したわけでありますけれども、一応これは見送りまして、金をようけ持っておるわけですから、一般会計にも一部出す、貸せるというようなことまでやっておるようなわけでございますので、運用を上手にやるとかいろいろなことで、なるべく値上げの方はしないようにということでございますが、そこらの問題は、五十九年度は一応両方とも見送りましたけれども、これから残されておる問題であろう、かように考えておる次第でございます。  なお、詳細な点についてお尋ねがあれば……。
  8. 稲葉誠一

    稲葉(誠)分科員 今のお話の中で、まず問題は、死亡事故の場合二千万円ですね。これは順次いろいろ上がってきたわけですけれども、これが上がってから、二千万円になってから何年ぐらいになるかということが一つですね、これはわかり切っていることですけれども。  それと、日本人の命というのは非常に安いのですよ。これは外国人と比べて物すごく安いわけですから、二千万円が妥当かどうかという点について、これはすぐそこへ掛金の引き上げということが結びつくわけではありません。一般会計への繰り入れが二千五百億あるのですか、いろいろありますけれども、そこら辺のところ問題があるのですが、それはそれとして、だから二千万円というのはなってから何年ぐらいたつかということと、アメリカの場合など制度が違いますから一概にすぐ比較するわけにはいきませんけれども、とにかく日本人の命というのは安いのですよ。だから、これが一体外国では普通の場合に幾らぐらいになっているか、こういうふうなことも比較してお聞かせを願いたいというふうに思います。
  9. 熊代健

    熊代説明員 まず第一点、二千万円に改定した時期ですが、五十三年の七月でございます。  それから、各国の保険金のこういう限度額でございますが、非常に高いところもございます。ただ、アメリカあたりですと州でやっておりますが、これは例えば一万ドルとか二万ドルとかかなり低いところもございます。そういうことで、先生おっしゃるように、二千万円の限度額を我々も、五年たつということもございまして、上げたいというふうに常々検討は進めておったわけでございます。ただ、先生、直接響くということではないとおっしゃいましたけれども、最近特に五十七年度、五十八年度以降非常に事故の件数、それから支払い額がふえてまいりまして、保険収支がこのところ、料率算定会で検証の作業をいつも毎年やるわけですけれども、非常に悪くなってきておるのです。今まで累積しているものを食いつぶしてなおかつ、例えば五十九年度なら五十九年度に契約するものについて将来の保険支払い収支を考えてみますと、今の趨勢のままいくとすると、もう三〇%以上の料率アップをしなければいかぬ。限度額を上げますとやはりかなり収支を悪化させる要因になりますので、料率との絡みで実は我々苦慮をしているという状況でございます。
  10. 稲葉誠一

    稲葉(誠)分科員 その中で私が疑問に思いますのは、まず一番大きな問題は幼児死亡の場合、例えば男の子四つ女の子四つの場合に、現実に支払われる保険金がまず非常に違うわけですね。どうして違うのかということが問題になってくるわけですよ。それからもう一つは、逸失利益から生活費を引くでしょう。独身者だと生活費は五割引くわけですね。ずっと最後まで五割引いてしまうわけでしょう。これが法律的には非常に疑問があるのです。  大臣、まず最初の、幼児で亡くなった場合、男女の場合の統計を出してごらんなさい。それはもう非常に違うのです。女の人の方が低いのです。これが問題なんです。婦人差別撤廃条約ができてそれに署名する。そして、いろいろな法律ができてくるという中で、この男の人と女の人との間が同一賃金ということが一つ原則になってくるわけですから、そういう中で現実に今、統計とり方によるわけですけれども、子供さんが亡くなった場合、男の子女の子で非常に差ができてくるのです。まずそこら辺のところ、今のやり方を説明してくれませんか。
  11. 熊代健

    熊代説明員 死亡等におきます逸失利益算定の場合に、おっしゃるように、基本的には本人収入額から本人生活費を控除するという考え方に立っておりますものですから、労働省の賃金センサスもとに基準的な月額を出し、新ホフマン方式でやる。おっしゃるように、男女の平等という点もあるわけですけれども、現実賃金センサスに基づきます男子月額女子月額に差異があるということで、結果的におっしゃるような差が出ておる。ただ、我々といたしましては、裁判例等におきましてもそれが基本的に持たれておるということ、それから現実の実態がそういうことでございますので、今直ちに先生のおっしゃるような点について理論的に一律平等にするということはなかなか困難な問題もあるのではないかというふうに思う次第でございます。
  12. 稲葉誠一

    稲葉(誠)分科員 それは、現実に働いていて収入を得ている場合はその計算でいいわけですよ。そうではなくて、幼児の場合は将来のあれでいくわけですから、そこで問題が出てくるのは――では、お聞きしますと、運輸大臣、例えば運輸省試験を受けて入るでしょう。例えば上級職試験を受けても、初級職でもいいですけれども、入る人は男の人と女の人で給料が違うのですか、どうなの。
  13. 熊代健

    熊代説明員 同じ資格で入る場合は同一賃金でございます。
  14. 稲葉誠一

    稲葉(誠)分科員 そうでしょう。だから、損害賠償の場合は、将来のことですから、現実に働いている人は別ですよ、働いて給料というか収入を得ている人は別だけれども、そうでない幼児のような場合は将来どういうふうになるかということですから、この場合、札幌たか判例などでも非常に優秀な人の場合は――ちょっとこの判例もあれだかもわかりませんけれども、優秀な人はこういうふうなことでこういうふうなあれを経て上級職になる可能性があるというふうな形で算定した、たしか札幌高裁だと思いましたが、判例も出ているわけですね。そういうことから考えまして、今おっしゃったとおり、運輸省自身に入る人は男女同一賃金なんですよ。だから、男女同一賃金であるということも当然考えられてくるわけですから、損害賠償というのはあれですから、転売利益の場合でもそうですけれども、普通、最高の場合を標準として民法でも計算をしているのが筋なわけなんですから。だから、私が言ったように、四つでも五つでもいいですよ、この子供さん、男の人と女の人とどういうふうに違うのか計算してごらんなさい。それを発表してくださいよ、男女でどう違うか。
  15. 熊代健

    熊代説明員 現在の計算でまいりまして、四歳程度の幼児につきましては、十八歳の男女平均給与年額でやっております。月収が、四歳の男子の場合十三万円、女子の場合が十一万六千百円ということでやっておりますので、逸失利益といたしまして、四歳の男の子の場合千三百七十九万円、女子の場合千二百三十五万円ということになっております。
  16. 稲葉誠一

    稲葉(誠)分科員 そうすると、今の統計とり方の問題なんですね。私くどいことを言うのですけれども、今言ったように、現実運輸省上級職に、初級職でもいいです、採って入れば同じ賃金なんですよ。同じ賃金であるということは、今後一つ可能性になってきているわけです。現実の問題になってきているわけですから、その賃金方式は、これは憲法上の問題が訴えられるということが出てくる可能性が強いですよ。私はそれはいつもそういうふうに思っておるのです。おかしいですよ。男女同一であるということがもうどんどんあらゆる面で、雇用の平等とか何から全部出てきている中で、そこで現実に働いておる人の賃金というものは違うからということ、それを固定的に考えて、それで四つなら四つ男女が将来そこへ、運輸省なら運輸省へ勤めれば同じ賃金になるということをネグレクトして考えていくということについては、将来問題になるところですよ。これは恐らく憲法との関係で問題が起きてまいりますし、婦人差別条約との関係や何かで問題が起きてくるということですね。大臣どう考えますか。
  17. 細田吉藏

    細田国務大臣 おっしゃる御趣旨は非常によくわかります。このごろ非常にやかましいのですが、現実男女賃金差別が行われておるということも事実だと思いますね。これはいろいろな面で問題が大きくなってきておるわけだと思います。  自賠責だけが一番先に行くということかどうかという問題もありますが、私はおっしゃる趣旨はもうよくわかりますし、男女平等、憲法の精神から言いましてもさようでございますから、これはいろいろな面であるいは判例の中にもあると思います。いろいろなものが現実がそうなっておるところにいろいろな矛盾が、矛盾というか男女同権に実際はなっていないというところはたくさんあるわけでございます。ですから、そこらの問題とあわせてやはり考えなければいかぬということだろう。自賠責だけが先に行けるかどうかという話は少し研究させていただかないと何とも言えないと思います。しかし、条約問題等もございますし、各方面の問題を総合的に判断して検討して直していくということじゃございませんでしょうか。  あなたのおっしゃる趣旨はよくわかります。ただ、自賠責だけが先に、ここで今お約束するというところまではいかない、ほかのものとあわせて総合的に判断してまいりたい、こういうふうに思います。
  18. 稲葉誠一

    稲葉(誠)分科員 これは国鉄総裁もおられたけれども、それなら、男の方が給料をたくさん取って女の人の方が給料が少ないのなら、運賃男女差別しなければいかぬですよ。差別という言葉は悪いんだけれども、そういう理屈になってくるのです。これは非常におかしいですよ。これは近い将来問題になってくるところですから、現実現実だけれども、固定しないで、現実を崩していくといいますかそれをやっていく方に、大臣そうでしょう、大臣は昔、今もそうでしょうけれども、世の中の変革ということを考えられてずっとやってこられたのでしょう、松江の高等学校時代から。それは別なことだけれども、いろいろな話もあります。しかし、しっかり頑張っていただきたい、こういうふうに思います。  そこで、今もう一つの問題が出てまいりましたね。生活費の五〇%というのは裁判例がそうなっているのです。これは間違いなんですよ。そこらを分析しなければいかぬ。だから、四つなら四つ子供たちが大きくなれば結婚するのですから、一結婚すれば生活費は変わってくるわけです。三割まで見るわけでしょう。五割のままずっといってしまうのです。だから、逸失利益が低くなってしまうのだ。慰謝料やなんか随分変わってきたのです。今一家の主柱なんか亡くなった場合は九百五、六十万になりましたか、どんどんふえてきました。もとは六百万円ぐらいだったのですけれども、どんどんふえてきたわけですし、制度も変わってまいりまして、例えば損害賠償を起こすときに、民事の場合は弁護士の費用というのは、ドイツの法律だけは最初から認めているのです。日本の法律は認めてなかったのを認めるようになって、それも最初は不法行為のときから認めなかった、実際に訴えを起こすときとか催告したときから認めるような形になったのですけれども、今は不法行為のときから弁護士の費用というものも最高裁の判例で認められるようになってまいりまして、どんどん変わってまいりますから、絶えず研究して進んでいただきたいと私は考えておるわけでございます。  それからもう一つは、問題は百二十万円の問題なんです。これを上げますと、率直な話、お医者さんのところにみんな行ってしまうわけです。被害者のところへは行かないわけなんだ。だから、あなたの方で渋っておられるのはわけがわかるのです。では、なぜその百二十万を上げないか、あるいは百二十万を上げた場合にそれがお医者さんのところへみんな行ってしまうか、みんな行ってしまうというわけじゃないでしょうけれども、行ってしまうということの原因はどこにあるのか、どういうふうにお考えでしょうか。
  19. 熊代健

    熊代説明員 先生前々からおっしゃっていますように、現在の自賠責で治療を受ける場合に、自動車事故で治療を受ける場合に原則自由診療ということになっておりまして、通常の健康保険等の単価よりも高い単価になっております。  我々としましては、従前からいろいろの御指摘もありまして、できるだけ県の医師会等を通じまして、高額医療の請求があった場合には、その単価とか過剰診療とかいったような問題がないかどうかということで、余りに高いものについてはそれを減額修正していただくというようなこともやっておりますけれども、基本的に、おっしゃるように自由診療という建前で行われていることが医療費を、自動車事故に伴う損害保険のうち医療機関に支払われる部分を多くしているというふうな要素が大きいんじゃないかというふうに思います。
  20. 稲葉誠一

    稲葉(誠)分科員 そのとおりなんですね。普通、まず自動車事故の場合に健康保険が適用になるということを知らない人がいるのです。医者に行くと健康保険を適用するのを嫌がる医者が最初からあって、だから被害者の方は健康保険が適用になるということを知らない人が相当あるのですよ。それは別として、健康保険が適用になるでしょう。そうすると、一点十円でいくわけでしょう。ところが、今おっしゃったように自由診療ですから、大体安いところで一点二十円なんですが、浜松その他もっと高いところもあると思うのですけれども、一点三十円ですよ。だからみんな、百二十万なら百二十万のお金が医師の方へ行ってしまうわけです。そうすると、損害保険の場合に、自賠責しか入ってない、任意保険に入ってないという人の場合には、被害者がえらい迷惑をこうむってしまう。だからその点を、これはあなたの方の管轄ではないといえばないのでして、これは厚生省の方の管轄ですけれども、そこら辺のところは医師会との関係や何かがありまして厚生省もなかなかやりにくいところではあるらしいのですけれども、それは将来問題として、私どもは厚生省関係、社労の方ですか、そういう中で十分な論議を続けていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  きょうは今言った自動車保険だけの問題に限っておりまして、いろいろ聞きたい問題はもちろんあるわけですけれども、それはほかの方がお聞きになることだと思いますので、私は省略させていただきます。  そこで、まだまだたくさんの問題があるのですが、そうすると、外国との比較の中で、今アメリカの例を言われましたが、アメリカは一般の保険制度が非常に発達しているところです。だからそれとの比較はまたなかなかむずかしいですよね。各国の制度は違いますけれども、もう一つの問題として日本でありますのは無保険制度ですね。無保険と言うと言葉は憩いのですけれども、今、自動車保険強制保険に入ってない人が、これはある場合に出てくるのですね。これは入るときは必ず入らなければいけないように今なっているでしょう。だけれども、切れちゃったときにそのままほったらかしておいて忘れたりなんかして、そして入ってない場合がある。それからひき逃げの場合ですね。こういうような場合なんかは無保険でいくわけでしょう。ところが、その場合の救済措置があるということを知らない人が相当いるのですよ。だから、保険に入りてなかった、強制保険に入ってなかったから保険は取れないんじゃないか、こういうふうに考えている人が相当いるものですから、これはどこの保険会社でもいいわけですね、だから、大体みんなどこか自分の契約している保険会社がありますから、そこへ話せばいいのですけれども、徹底していないのですね。これはそういう面の徹底を今後も図っていくことが必要だと思うのですが、その点についてと、この無保険の場合の支出というか、これはどのくらいで、どんな原因で起きておるわけですか。
  21. 熊代健

    熊代説明員 無保険の場合にも保障事業というのを国が直接やっておりまして、おっしゃるように、どこの保険会社を通じてでもいい。これのPR等につきましては、先生承知かと思いますが、我々としても無保険をなくするというキャンペーン等もやっておりますし、事故が起きた場合の事柄につきましては、例えば、日弁連の交通事故相談センター等に補助金を出してPR、そういった制度説明等もやっていただいている、こういう状態で、まだまだ御存じない向きについては今後ともそういうPRをやっていく必要があろうかと思っております。  それから、今保障事業で支払っております金額等でございますが、五十七年度で二千六百八十件ぐらいございます。金額といたしましては、総支払い額が三十四億円程度、中身といたしましては、ひき逃げと無保険と両方ございまして、ひき逃げが大体二千三百六十六件、それから無保険は、これはかなり減ってまいっておりまして三百十四件というような状況でございます。
  22. 稲葉誠一

    稲葉(誠)分科員 終わります。
  23. 原田昇左右

    原田主査 これにて稲葉誠一君の質疑は終了いたしました。  次に、神崎武法君。
  24. 神崎武法

    神崎分科員 初めに、国鉄運賃料金改定につきましてお尋ねをいたします。  国鉄は、本年、旅客運賃八・二%引き上げを中心といたします運賃料金改定を申請しておりますけれども、五十三年以降七年間に実に六回も運賃などの値上げが実施されることになるわけでございます。安易な値上げ国民国鉄離れをますます助長させるものと考えます。  また、今回運賃格差を導入いたしましたが、これも経営の基本的問題の抜本的解決策にはなり得ないのでありますし、特に地方ではローカル線の客離れをさらに促すことになりかねないと考えます。この点、運輸大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
  25. 細田吉藏

    細田国務大臣 国鉄運賃がずっと連続して毎年上がっておりました。昭和五十八年度は何とかしてとにかく運賃改定をしないでやれないかということで、これは上げなかったわけでございます。一年飛ばして今年、五十九年度でございますが、これも何とかできるならば値上げなしで予算が組めれば一番いい。ということは、何といいましても、運賃を上げれば実収は上がることは上がりますけれども、客がある程度離れるということでございますから、私どもとしましては、何とか避けることができないかということで、いろいろな角度から研究いたしたわけでございますが、何としましても、御案内のように、一般会計が非常に苦しい状態でございますために、予算上出てくる損失が大きくなってまいりまして、どうしてもこれはある程度の値上げをせざるを得ない、こういうことになって、やむを得ずこのようなことで今申請を受け付けておるところでございます。  そこで、今回初めて三段制の格差運賃ということで申請をしてまいっておりまして、ただいま運輸審議会で検討をしていただいておるところでございますが、これにつきましても非常に議論がこれまでもあるところでございます。国鉄運賃というものは全国単一というのが、百年とは言わなくても、明治四十年の国有以来の大原則でございます。それを初めて今度破るわけでございまして、これについては随分といろいろ議論が行われ、衆議院の委員会等でも行われたわけでございますが、昭和五十五年にできました国鉄再建の特別措置法に格差運賃というものがうたわれることになりまして、地方について格差運賃を設けるという道が開かれたわけでございます。  これを受けまして、実は第二次臨時行政調査会、そして昨年御審議をいただきましてできました国鉄再建監理委員会、この両方から、やはり格差運賃を設けるべきである、都会地の方は私鉄と比べて国鉄がところによっては倍近くも高い、だからこれについては上げないか、それとも上げるにしても僅少なものにして、そして、ローカルにおいては地方鉄道と比べて国鉄がまだ安い、こういうことから、ローカルについては上げるべきである、こういう非常にきちっとした勧告を監理委員会からいただいた。それから第二臨調の答申も非常にはっきりうたっておられるわけでございます。そういうことで決意をしたわけでございますが、今御心配になるような点がなるべく避けられるような方式で、なるべくそういうことで差別運賃の影響が大きくならないように考えたいというふうにただいまのところは思っておる次第でございます。ただ、これをやめて単一の運賃にするという考えは、ただいまのところございません。
  26. 神崎武法

    神崎分科員 次に、筑肥線跡地利用問題についてお伺いいたします。  国鉄は、現在、用地の活用、用地の処分などを積極的に行っておりますけれども、その中で、全国的に注目される跡地があるのであります。それは、昭和五十八年三月地下鉄一号線の全線開業と同時に廃止されました筑肥線の姪浜-博多間の廃止跡地の問題でございます。これは大都市福岡市を東西に貫いた跡地でありまして、市民にとりましても跡地利用は重大な関心事であります。特に福岡市内の道路事情がますます悪化してきていることから、市民が今一番望んでおりますことは、この跡地を交通渋滞緩和のために道路として利用することであります。筑肥線の廃止に伴い、暫定ルートに代替バスが運行されておりますけれども、暫定ルートは道路混雑により所要時間が長くかかっているのが実情であります。このため、筑肥線跡地を代替ルートとして早急に整備する必要があると思いますけれども、これについてどうお考えになるか伺いたいと思います。
  27. 岡田宏

    岡田説明員 国鉄といたしましても、今先生御指摘ございましたように、代替バス輸送ルートの主要な部分としてこの筑肥線の跡地を利用していただくということを最優先として考えております。
  28. 神崎武法

    神崎分科員 この跡地の利用計画についてでございますけれども、跡地は全線、道路として整備したいという市の要請につきまして、国鉄としては異存があるのかないのか、また、跡地につきまして国鉄自体としての利用計画があるのかどうか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
  29. 岡田宏

    岡田説明員 国鉄といたしまして利用計画を持っておりますのは駅構内の一部でございますが、筑前高宮駅の構内の一部には、小荷物のデポという業務用地並びに残り二千平米程度を関連事業用地として活用するということを考えておりますが、その他の駅構内用地あるいは路線用地につきましては、市の御計画と十分協議をさせていただきまして、市の申し出がございますればそれらを優先的に取り扱いたいというふうに考えております。
  30. 神崎武法

    神崎分科員 用地取得の協議についでありますけれども、昭和五十二年十一月十四日付の門司鉄道管理局長と福岡市長との間の覚書によりますと、「国鉄は廃止跡地のうち、市の道路等用地として市に譲渡する部分については、最優先かつ充分の配慮をする。」というふうになっておりますけれども、国鉄と福岡市との間の道路等用地の価格協議は現在どうなっているのか、協議の経過と見通しについてお尋ねいたしたいと思います。
  31. 岡田宏

    岡田説明員 廃止跡敷の処置につきましては、先生お話ございましたように、五十二年十一月十四日付で福岡市長と門鉄局長とが覚書を結んでおりますけれども、その中でも、跡地の処理については市に最優先の配慮をする、最優先で譲渡をするということを結んでおります。現在、有償譲渡ということで、有償譲渡の価格の問題につきましていろいろ鋭意御協議を進めているところでございます。
  32. 神崎武法

    神崎分科員 駅舎部分につきまして、鳥飼駅跡は区役所、高宮駅跡は雨水ポンプ場として整備したい、こういう市の要請があると聞いておりますけれども、この譲渡または貸与につきまして、国鉄として異存があるのかないのか、さらに、西新駅跡、小笹駅跡の処分を国鉄はどのように考えているのかお伺いいたしたいと思います。
  33. 岡田宏

    岡田説明員 今のポンプ場の計画につきましては、国鉄としては特段の異論はございません。また、小笹、西新の両駅構内用地についても福岡市から売却要請を受けておりまして、その方向に沿うべく検討を進めているところでございます。  したがいまして、国鉄といたしまして利用計画を持っておりますのは、旧筑前高宮駅構内用地全体約一万九千五百平米のうち、業務用として使う部分と、それから関連事業用地として活用したいという部分だとお考えいただければ結構でございます。
  34. 神崎武法

    神崎分科員 次に、跡地の管理についてお伺いいたしたいのでありますけれども、この大都市中央部を東西に走ります廃止跡地が長期間放置されておりますのは、都市の美観上も大変問題があるわけでありますけれども、沿線住民にとりまして、跡地の管理不十分から来る環境悪化は極めて深刻な問題になっているのであります。雑草の繁茂、ごみの不法投棄などのため衛生上も防災上も、また夏に向かって青少年の非行の巣になりかねない心配があるのであります。  この跡地の管理対策は早急かつ十分な対策を行ってもらいたいと考えますけれども、この点についてどのようにお考えになっているかお伺いいたしたいと思います。
  35. 岡田宏

    岡田説明員 廃止跡地の管理につきましては、五十八年三月二十二日に営業を廃止いたしました時点で、踏切あるいは橋梁部分に立入防止のための防護さくを設置したわけでございますけれども、線路並行区間等における在来既往の防護さく等一部破られた点、そういったものがございまして、その後も廃止跡地を巡回する際に不備を発見する都度補修等を行っております。今後につきましては、先ほどお話ございましたように、なるべく処分を促進するということが大前提でございますが、処分、その跡地利用の計画が定まるまでの間につきましては、体制を強化し同様な管理を続けたいというふうに考えております。なお、駅舎等の建物につきましては、防犯及び防火の見地から、五十八年七月にすべて撤去を完了いたしております。
  36. 神崎武法

    神崎分科員 次に、下水道敷設計画についてでありますけれども、跡地につきまして市としては下水道を敷設する計画があると聞いております。用地の価格協議とは切り離しまして、この下水道敷設工事について国鉄として認めることはできないのかどうか。跡地のうち特に平尾地区につきましては、ちょっとした雨でもしばしば浸水に悩まされているわけでございまして、市といたしましては、雨水管を埋設してこの問題について解決をしたいとして、昭和五十九年度から工事に着工したい意向であるようでございますけれども、この点の協議はどうなっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
  37. 岡田宏

    岡田説明員 今お話のございました平尾地区の下水道計画につきましては、五十八年九月の福岡県都市計画審議会で、具体的な計画につきまして国鉄と福岡市で協議しながら進めるといってとになっております。現在のところ、当該区間におきます道路計画が具体化していないために、下水道に関する協議は進展しておりませんが、私どもといたしましては、道路計画の中で下水道を敷設をしていただくことについては異論はございませんので、協議の進捗を図りたいというふうに考えております。
  38. 神崎武法

    神崎分科員 次に、鹿児島本線吉塚-箱崎地区連続立体交差化の問題についてお伺いいたします。  鹿児島本線吉塚-箱崎地区間には、大小合わせて十一カ所の踏切があります。中でも最も交通量の多い道路、箱崎-久原線の遮断回数は日に百六十一回、延べ五時間以上遮断機がおりっ放しという状況であります。福岡市と近隣町を結ぶ交通の要所が鹿児島本線のためにかねてより交通渋滞を来しているわけでありますけれども、福岡県庁の東公園移転に伴いまして交通量が増加し、その渋滞は一増激しくなってきているのが実情であります。実際、昭和五十五年三月八日には、三人の小学生が自転車で筥松地区内の無人踏切を横断中、貨物列車に接触して即死するという悲惨な事故も発生しているのであります。  交通渋滞解消のために、地域住民の歩行及び児童生徒の通学安全のために、さらに吉塚-箱崎地区の再開発のためにも、同地区における鹿児島本線の連続立体交差化の実現が早急に望まれるのであります。これまでに福岡県や鹿児島本線高架事業促進期成会等からこの連続立体交差化の要望があったと思いますけれども、その経緯はどうなっているのか、お伺いいたしたいと思います。
  39. 岡田宏

    岡田説明員 鉄道の連続立体交差化事業につきましては、都市計画事業として施行をするということが決められております。それの進め方といたしましては、まず都市側で事業調査費をつけていただいて、一年度もしくは二年度にまたがりまして事業調査を実施をしていただく、その後、都市計画決定、その段階で国鉄に御協議を賜ることになっておりますけれども、事業採択、都市計画決定、都市計画事業決定という手続を踏んでくるわけでございますが、当該区間の連続立体交差化の計画につきましては、福岡県等から国鉄に対して要望がなされておりますが、現在のところ事業費がついて事業調査を実施する段階には至っていないというふうにお伺いをいたしております。
  40. 神崎武法

    神崎分科員 国鉄門司鉄道管理局では昨年末に踏切の総点検を行ったと聞いておりますけれども、吉塚-箱崎地区での総点検結果はどうであったのか、お伺いいたしたいと思います。
  41. 岡田宏

    岡田説明員 門司鉄道管理局におきましては、有人踏切の取り扱い等の状況につきまして、昨年末、十二月十日から二十四日までの間でございますが、総点検を実施いたしました。点検いたしました項目は、踏切取り扱い係員の踏切取り扱い時の執務態度、列車前における態度、服装、備えつけ品の整備保管状況ということでございましたが、ほとんどの箇所におきまして良好な状態でございましたけれども、一部不適切な箇所も見受けられましたので、その点につきましては指導し、既に改善を完了いたしております。
  42. 神崎武法

    神崎分科員 鹿児島本線吉塚-箱崎地区の連続立体交差化は、先ほど御答弁がありましたように、都市計画事業として施行されることになっているのでありますけれども、なかなかこの事業費の負担等困難な問題もございまして、現在着工の準備が進んでいないことも事実でございます。しかしながら、この連続立体交差化につきましては、先ほども申し上げましたような悲惨な踏切事故もこの箇所で発生していることでもございますし、運輸当局も都市側の対応を待っていれば済む問題ではないと思うのであります。むしろ積極的に建設当局や都市側に働きかけてでもこれを早急に実現すべきものと考えますけれども、運輸当局はこの点どうお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
  43. 細田吉藏

    細田国務大臣 連続立体交差というのは非常に大切なことだと思っております。  実は、私自身のことを申し上げて恐縮でございますが、これを都市計画事業として実施するという方策を、私がその誕生に関係をいたして積極的に推進をいたしたものでございます。  踏切の撤去による安全ということのほかに都市改造という大きな意味を持っておるものでございまして、大きい予算は御案内のように建設省都市局についておるわけでございますが、これは年々増大してまいっておることは御承知のとおりでございます。私は、この連続立体交差については、具体的な場所については非常によくは存じませんが、大都市並びにその付近の都市化現象の非常に激しいところについてはもっともっと積極的にやらなければならないことである。国鉄の負担は、その改正をしましたときに最小限度の負担にいたしました。国鉄が貧乏しておるものですから、余り負担が大きいとなかなか連続立体が進みませんので、最小限度の負担にしてありますので、国鉄としては積極的に協力すべきであるというふうに考えております。現地の具体的な問題については、私は詳細には存じておりません。
  44. 神崎武法

    神崎分科員 終わります。
  45. 原田昇左右

    原田主査 これにて神崎武法君の質疑は終了いたしました。  次に、田中慶秋君。
  46. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 首都圏における交通輸送の問題について若干質問させていただきたいと存じます。  御案内のように、東京を中心とするベッドタウンという形で、その中においても神奈川は特に大変なわけでありますけれども、そういう中で、今地方自治体を中心として、県、横浜、川崎が中心とされた羽田アクセスという新しい交通体系の問題を含めて検討され、運輸審としてこれをぜひ取り上げてそれの促進方を願いたいという多くの取り組みをされておりますけれども、これらについて具体的に運輸審として取り上げていただけるかどうか、この辺についての御見解をお伺いしたいと思います。
  47. 西村康雄

    西村(康)政府委員 ただいま運輸政策審議会では首都圏におきます交通の問題につきまして検討しているわけでございますが、この審議会の検討が、主として通勤通学輸送という問題をどのように今後確保していくか検討しているわけで、これは御承知と思いますが、横浜地区につきましては昭和四十一年、東京地区につきましては昭和四十七年、当時の都市交通審議会から答申をいただきまして、それに基づきまして、今日の東京を中心とする通勤通学輸送というものの鉄道のネットワークを形成してまいったわけでございます。しかしながら、現実には、当時予想いたしました人口動態、人口の分布状況、あるいは各地域におきます従業人口の実情、これがかなり計画と乖離してまいりました。また、実際にいろいろな鉄道建設の困難性ということもございまして、必ずしも当初の計画のような鉄道整備は進んできていないわけでございます。ただ、実際には各地域で交通混雑が激化しておりますし、人口の発展の状況もまことに不均等な形で、いわゆるドーナツ化という現象も進んでおります。そういうことでございますので、私どももできるだけ早くこれから国の整備の方向というのを出してまいりたいというふうに考えているわけで、各都道府県あるいはその他の事業体からも各地元の要望あるいは建設の考え方を聞いております。  それで、今先生のお話しいただきました神奈川県等の問題につきましても、よく地元から意見を聞いておりまして、そのような問題点を前提にしまして、これからどのような交通のネットワークを形成していったらいいか、結論を出していきたいと考えている次第でございます。
  48. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 今それぞれ基本的な考え方をちょうだいしましたけれども、いずれにしても、この大きな事業をプロジェクトとしてやる場合、少なくとも十年、十五年計画になってくるわけでありますから、そういう点から、運輸審の方向というものを一日も早く方向づけられることが望まれるわけであります。総体的にということでありますけれども、もう既に神奈川は御案内のように七百三十万の人口を抱えているわけであります。そのような国鉄なり私鉄の現況だけでも、朝晩の通勤その他のことを考えても大変大きな問題を抱えているわけでありますから、こういう点について明確にしていただきたいと思いますし、先般予算委員会においては大臣がこれらについて積極的に取り組む姿勢を見せられましたけれども、今審議官のお話とはこの辺について少し誤差が出てきているわけですが、その辺について明確な答弁をお願いしたいと思います。
  49. 細田吉藏

    細田国務大臣 首都圏の東京を中心にしました交通の問題というのは、運輸行政が抱えておるたくさんの問題の中で一番大きいものの一つだと考えております。それで、今審議官が申しましたように、運輸政策審議会で結論を急いで出してもらうように言っておりますが、もうとにかく早く出してもらわぬと、実際にやるのは随分時間がかかります、金もかかります。せっぱ詰まった状態であるのがもう今日の状態でございますから、そういう意味で早急に結論を出していただく。と同時に、どうしたら実行できるかということを詰めて考えていかなきゃならぬというふうに思っておりまして、決意の点についてはもうどなたにも負けないほど重大な決意を持っておるつもりでございます。
  50. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 いずれにしても、大臣みずからの力強い決意ですから、これに期待をして今後皆さん方の積極的な推進を期待したいと思います。  次に、横浜が新交通システムとして国鉄新杉田から京浜急行の金沢八景までの事業認可をちょうだいして着工いたしました。これはやはりいろんな難問題もありますけれども、一つの新しい試みとして期待をされておりますから、これをより促進方ができるような形で、予算の裏づけを含めて皆さん方の御理解をいただきたいということが一つと、もう一つは金沢八景から将来その延伸方を望まれているわけですけれども、これらについての答弁をちょうだいしたいと思います。
  51. 永光洋一

    ○永光政府委員 いま先生が申されましたように、この金沢シーサイドラインは横浜市を主体としましたいわば第三セクターで、新杉田-金沢八景間を、実はいま運輸審議会の答申を二月にいただきまして、それで現在なお地元の都市計画審議会等の手続が残っておりますのですけれども、もうほほ特許の方法で進めておるわけでございます。地元で埋め立て地区の交通需要に適合するような形で、この新交通システムが発展することを我々も非常に期待しておりますので、全体的なこういう助成につきましては、それぞれの建設主体なり建設工法によりまして一つの型がございまして、この場合は新交通システムという一つの型の中での、建設省とあわせての助成になるわけでございますけれども、遺漏のないように取り計らっていきたい、かように思っております。  金沢八景以降の話は、公式的には私もまだ余り聞いておりませんけれども、今後その地方の輸送需要なり収支の見込み等を十分、またお話がありましたら検討いたしまして、我々としても対応したいと思っております。
  52. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 特に期待されておりますこの新交通システムについて、多少環境アセスその他の問題で、これから大きな工事に対する支障がなければと考えておりますけれども、やはり多くの期待を持っているこういうプロジェクトというのは、多少の問題があってもより促進をしていただきたいと思うのですけれども、その辺についての指導的役割というのはどういうふうにされるおつもりですか。
  53. 永光洋一

    ○永光政府委員 確かに今この問題は一応地方地域の環境等の御議論を経てクリアして正式な承認をしたい、こういうふうに考えておりますけれども、地元等々からお話がありますれば、我々としては当該路線につきまして、一応運輸審議会の答申も得ておりますので、その当該公共交通の性格等につきまして十分御説明は申し上げたい、こういうふうに思います。
  54. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 いずれにしても、経営主体を含めて新しい一つの方向として注目をされておりますので、これらについての積極的な取り組みをお願いしたいと思います。  続いて、御案内のように既存の免許のおりている、例えば横浜地下鉄の問題を含めて新しく二号、三号ですか、こういう問題についてそれぞれ運輸審の、期待をされているところはありますけれども、こういう地下鉄問題等についてこれからの運輸審としての方向づけなりあるいはまた皆さん運輸省としての行政指導的な立場というものをどういうふうにされていくのか、お考えを述べていただきたいと思います。
  55. 細田吉藏

    細田国務大臣 私は大臣になるまで日本地下鉄協会会長をいたしておるのでございまして、少なくとも百万以上の大都市、今はもっと小さいところ、仙台あたりも地下鉄が始まりましたが、地下鉄というのはいろいろな意味で都市交通の根幹的なものとして促進しなければならない、こういう考え方に基本的に立っております。これに対する政府の補助でございますが、これは御案内と思いますけれども、名目的に建設費の七割、実質は六割あるいはちょっと切れるかもしれませんが、それくらいを国と地方公共団体一般会計とで折半して補助をするというのが現行の仕組みになっております。そしてそれを十年間に分けて建設費を布なら市の企業体に出すということになっておるわけでございますが、私の考えではこのようなことでは足りないのではないか。もっと地下鉄については手厚い保護を加えるべきではないかというふうに実は存じております。いろいろ運動も私も党内でもいたしておったわけでございますけれども、何しろ御案内のようなゼロシーリングとか、マイナスシーリングの予算の中なものですから、ことしも若干後退をするという状況になっておるのでございまして大変残念に思っております。基本町には国の助成強化すべきであるというふうに存じておるものでございます。
  56. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 いずれにしてもそれぞれ地方自治体が今懸命に努力をされております市営地下鉄等の問題について、例えば新横浜からあざみ野線等については運輸審が足踏みをされておる、こういう問題もあるわけですし、ほかにもそういう例が幾つかあるわけです。そういう点では審議会として促進方、大臣が今積極的な姿勢を見せられておりますけれども、逆に審議会は足踏みされているようなことであってはいけないと思うのです。そういう点では審議会は早急に結論を出して、将来の方向をつける、あるいはまた逆に修正するところは修正をするというような方向に行っていただきたいと思うのですけれども、この辺についてのお考え方をお願いしたいと思います。
  57. 西村康雄

    西村(康)政府委員 ただいま運輸政策審議会は先ほど申し上げましたように、新しい首都圏の交通のネットワークをどのようにしたらいいか熱心に検討しておるわけで、できるだけ早くその結論を得たいというふうに考えておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、新しい鉄道をつくっていくということは非常に困難がございます。それは建設費の高騰ということもございますし、あるいはまた関係地元住民の協力ということもなければならない、そういう問題点を克服していかなければならない。しかし一方、先ほどから御指摘のように補助金をこのままふやすということにつきましては財政的な制約もあるのは御承知のとおりでございます。そこで、運輸政策審議会も整備はぜひ促進すべきだし、しかしいろいろな制約の条件がある。その中でどういうような仕組みを考えれば鉄道整備ができるか。特に地元の地方公共団体なり住民の御協力ということが最大に考慮されなければやっていけない。あるいはまた、もちろん関係事業者もいろいろな仕組みを考えて、ともかく鉄道現実に建設することが可能な方策というものを我々がみんなで協力して考えていかなければならない、こういう姿勢で現在検討しておるわけでございます。それぞれの各県なり各市に対しましてもそういう私どもの考え方をよく御説明して今後十分に協力していただくようお願いしておる最中でもございます。
  58. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 いまの答弁まさしくそれなりに理解はできますけれども、そうじゃないと思うのですよ。公共事業体なりそういう地方自治体から、促進をしてくださいという陳情が具体的に皆さんのところにあるわけですから、そういう点では逆に、地元なり公共事業体としては受け入れ態勢はできているわけです。そういうものに対して足踏み属されているということになると、事業執行その他将来の大きな計画について大変支障を来すわけですから、そういう点を促進をしていただきたい、こういうことですから、大臣、答弁してください。     〔主査退席、中西(啓)主査代理着席〕
  59. 細田吉藏

    細田国務大臣 私も長いことこの方にいろいろ関係をいたしておりますが、地元県知事とかあるいは市町村長、区長あるいは議会、こういうところは非常に積極的で協力をされる。また、地元でも促進協議会をつくったりいろいろして協力体制であるということは、それはこういうものができるところは皆そういう格好をしておるのです。反対をなさっておったり協力をなさらない方は、そのほかの方が実は地元にいらっしゃるということでなかなか計画が進行しない、こういうことなんでございまして、ですから、役所もほったらかしておいてはいかぬわけでございまして、我々とそうした積極的な推進派の皆さんとが一緒になって、反対をなさっている方やあるいは非協力的な方――それはどこでもございますよ、必ずあるのです、非協力的な方が。それの数が多いか少ないかでございますが、やはりそういうものを克服していかなければならない、こういうふうに存じておる次第でございます。     〔中西(啓)主査代理退席、主査着席〕
  60. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 いずれにしても、今行革、臨調を含め、少なくてもそういう一つの問題のとらえ方を、発想の転換をしていただきたいと思うのです。  例えば運輸審の答申が早ければ、用地の手当ても含めて安上がりにできることもあるわけです。三年も五年もすればそれだけ用地が上がるわけですから、そういう点を含めて、私はできるだけそういう方向というものを明確にしていくことをぜひお願いしたい、こういうふうに望んで、次の問題に移らしていただきたいと思います。     〔主査退席、中西(啓)主査代理着席〕  実は、相鉄いずみ野線というものがありまして、在来免許が認可がおりておるわけですし、あるいは大船駅からドリームモノレール、これも既に免許がおりているわけですけれども、それぞれ現在、例えばモノレール等については、それぞれ設計がおかしくてそのままとまっているという状態がございます。あるいはまたいずみ野線等については、財政的な問題でそれ以上の延伸ができない。こういうことになりますと、今民鉄だけで、あるいは民間だけでそういうものができる時代じゃないと思うのです。そういうことになりますと、私は、公共輸送ということを含めて、総体的な指導なりあるいはまた財源の措置なりというものが必要ではなかろうかと思うのですが、これらについて考え方をお述べいただきたいと思うのです。
  61. 永光洋一

    ○永光政府委員 私鉄関係のいわゆる大都市等におきますところの輸送力の増強について、どうやって我々としてもプッシュしていくかという問題は、先ほど来申し上げましたように、地元の問題もありましょうし、あるいは財政的な問題もあろうかと思います。  財政的な問題につきましては、先生が今おっしゃいますように、もう少し助成強化して推進したらどうかということでございますが、確かにそういう考え方は非常に強くあろうかと思いますけれども、やはりなかなか全体的な財政状況も厳しい折からでありますし……。  ただ、私鉄関係で我々がやっております補助の制度は、先生御存じと思いますけれども、地下鉄の補助を含めまして、あるいは鉄建公団の肩がわり工事とかあるいは開発銀行によるところの融資制度の活用とかいろいろな手を使ってやっておりまして、来年度の予算におきましても、非常に苦しい財政状況の中で、鉄建公団工事につきましては、五十八年度四百十億のものを四百八十億に増額ということで何とかやってもらうとか、あるいは開銀につきましても、六百億を六百五十五億というふうに、大きな枠を今の中で何とか手当てをするような形で予算をお願いしておるとか、現在の中ではぎりぎりの中で、先生と同じ考えで、やはり私鉄の都市の輸送力の増強を何とかやっていかなければいかぬということで、現在の助成制度などをフルに活用するということで一生懸命やっておるわけでございまして、ひとつ御理解を願いたいと思います。
  62. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 いずれにしても、既存の免許を与えているそういう問題について、少なくともその促進方を望んでいるのが、あるいはまた期待しているのがそこの沿線の人たちだろうと思います。そういうことを含めて、ぜひこれからの促進方、その指導についてお願い申し上げたいと思います。  次にお伺いしたいのは、先般、国鉄の貨物線廃止等の問題が明確になったわけでありますけれども、まず一つには、その廃止されたところにおける土地利用の問題、あるいはまた、国鉄が今これだけ赤字だということになっているわけですから、少なくとも駅を中心としたところに、今までの荷物扱いとかあるいはまたそれぞれの管理する土地がたくさんあるわけです。そういうことを含めて再度この辺で、先般総裁が積極的な姿勢を述べられておりますけれども、その辺についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  63. 仁杉巖

    ○仁杉説明員 貨物の合理化ということの後で、貨物用地がいろいろ出てくるという問題がございます。  先回も申し述べましたが、これらの土地をどういうふうに活用するかという問題につきましては、まだ実は国鉄内部におきましても十分作業は進んでおりませんけれども、例えば新鶴見のようなヤードにおきましては、車両がまだ相当留置してある、これが二年ぐらいかかるというような問題もございますが、いずれにしましても、ああいうところを開発するとすれば、相当道路その他の整備も必要であるということで、計画は早く進める必要があるというふうに考えておりますので、実は国鉄部内におきますこういう遊休地の開発計画計画推進につきましては特段に力を入れてまいりたい、そして、なるべく早く全貌を決めたいというふうに考えております。  と同時にこれらの用地は、先生も御承知のとおり、周りに本線、両側にも本線がある、真ん中にはいろいろな業務機関があるというようなことで、そのままでは使えない。また、これにつながる道路等の整備も非常に弱いというような問題もございまして、これらにつきましてもいろいろ自治体等の御協力もいただかなければならないということでございますので、例えば新鶴見のようなところでは、建設省、国土庁あるいは県、市等の方々にもおいで願いましていろいろ検討会をするというような形で進めてまいりたいというふうに考えております。
  64. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 いずれにしても、新鶴見だけではなく藤沢にもある、あるいはそれぞれの主要駅にあるわけですから、そういう点を含めて、地元ではそういうものを逆に駐輪場に欲しいとかいろいろな問題がたくさんあるわけで、その点を前向きに検討していただきたい。これは要望です。  それから、実は横浜がMM21というものを出しておりますけれども、これらについて、国鉄の延伸の問題、さらには、国鉄は直接関係ありませんけれども、港湾整備の問題、そしてまた湾岸道路という、こういうことを含めて、立体的、総合的なプロジェクトというものが望まれているわけです。その辺について積極的な取り組みと、そして道路でありますけれども、湾岸道路そのものと港湾整備というものは表裏一体だと思います。さらにはまた、MM21の促進のためには鉄道の延伸も求められておりますから、そういう点を含めて具体的なみなとみらい21というものが動き出しているわけですから、それについて積極的に皆さんの方も参画をして推進方をお願いしたい。その辺について、考え方だけお聞かせいただきたいと思います。
  65. 小野寺駿一

    ○小野寺政府委員 ただいま先生からお話がございましたMM21につきましては、横浜港の港湾管理者でございます横浜市が昭和五十七年の八月に策定いたしました横浜港の港湾計画の中に位置づけられておるわけでございます。それに関連いたしまして、横浜港の山ノ内埠頭からこのMM21を通過いたしまして山下埠頭を結ぶ四・二キロの臨港道路を港湾施設として整備するということで計画されておりまして、これの早期実現を横浜市が要望しておるということでございます。この臨港道路につきましては、港湾関連の大型車が現状におきましては横浜の市街地の中に多数乗り入れておるというような状況がございますので、港湾機能の円滑な運用及び都市の円滑な運用というふうな点から、この臨港道路の整備が急がれておるというふうに私どもは承知しておる次第でございます。したがいまして、私どもといたしましてもこの事業の実現に向けて努力してまいるというふうに考えておるところでございます。
  66. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 時間もありませんので最後になりますけれども、実は国鉄総裁、戸塚駅は今乗降約十九万ぐらいあるのですけれども、国道一号線の踏切が遮断されているわけですね。そういう点を含めてあれは早急に検討して、例えば土曜、日曜は横断する人たちが少ないわけです。そしてまた、正直ですから火事があってもあけないのです。台風が来てもあけないのです。そういう点はやはり臨機応変に検討するべきじゃないかと思うのです。そういう点を含めて、土曜、日曜とか祝祭日とか、そういう臨機応変な態勢というものが望まれるわけですけれども、その辺について取り組み方だけを要望して私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  67. 中西啓介

    中西(啓)主査代理 これにて田中慶秋君の質疑は終了いたしました。  次に、柴田睦夫君。
  68. 柴田睦夫

    柴田(睦)分科員 千葉県内の交通、通勤対策について質問させていただきます。  千葉県の都市部は、御承知のように、宅地開発が急速に進められたのに比べてみまして常に交通、通勤対策がおくれてきたというのが現状であります。そして、みんながこのおくれが取り戻されて安全な輸送を確保することが必要であるということを考えているわけですが、その点に関連して、まず国鉄京葉線の整備の問題から伺います。  既に千葉市の蘇我駅から船橋市の西船橋駅までの六十年度中の暫定開業が予定されておりますが、これは予定どおり確実に開業できるかどうか。今まで、この構想が打ち上げられまして、住民の皆さんは非常に待ち望んで、それが延ばされてきたといういきさつがありまして、再びおくれることが繰り返されては困る、そういうことがあってはならない、こういうように思っているわけです。そこで、六十年度中の暫定開業が確実にできるかどうか、この点についてまずお尋ねします。
  69. 永光洋一

    ○永光政府委員 この線の開業につきまして地元からの非常に強い要望があることは十分に存じておりまして、いろいろお話を伺っておるところでありました。船橋までは六十年度には、御要望なり我々今まで申しましたとおり、ぜひ開業いたしたい、こういうふうに考えております。
  70. 柴田睦夫

    柴田(睦)分科員 開業に当たりましてやはりみんなは安全で便利であるかどうか、その条件が満たされているかどうかということは非常に切実な問題であるわけです。そこで、開業時のダイヤの問題ですが、京葉線を利用する人たちのほとんどはこれまで国鉄の総武線を現在利用しているわけですけれども、朝のラッシュ時にはこの総武線並みの電車本数を出してほしい、こういう世論になっております。国鉄では、この点について、ダイヤの問題についてどのように考えていらっしゃるのか。あわせて混雑度の方はどのくらいを想定されているのかお伺いしたいと思います。
  71. 岡田宏

    岡田説明員 暫定開業時におきます列車ダイヤでございますとかあるいは電車の編成両数につきましては、現在鋭意検討中でございまして、まだ結論を見るには至っておりませんが、いずれにいたしましても、暫定開業という形の時点でお客様の需要に応じた列車の運行をいたしたいというふうに考えております。
  72. 柴田睦夫

    柴田(睦)分科員 乗り入れの認可があったときに試算をされまして、ダイヤあるいは混雑度、こうしたものの試算が出されているわけですけれども、ではそのときの中身と、それからその試算というものが大体実行されるのかどうかお伺いします。
  73. 岡田宏

    岡田説明員 今の先生のお話は東京都心に乗り入れが完了した時点のことをおっしゃっておられると思いますけれども、その時点で運輸大臣に認可の申請をいたしておりますが、その考え方を申しますと、列車本数につきましては一時間十二本程度ということを考えておりまして、乗車効率としては二百数%という考え方をいたしております。いずれにいたしましても、開業の時期が具体的に造りました段階で、車両の手当てその他もございますので詳細に検討をいたして決定をしたいというふうに考えております。
  74. 柴田睦夫

    柴田(睦)分科員 暫定開業で問題になりますのは、一つは西船橋駅での乗りかえという問題です。あそこは、現在でも武蔵野線が入ってから特にラッシュ時の混雑がひどくなうまして、非常に危険だと言われるような状況にあるわけです。この点も御存じのことと思いますけれども、今までの状況あるいは私たちが現場で聞いた話によりますと、階段だとかあるいはホームの拡幅はしておられるようですけれども、やはり見ておりまして新たな跨線橋をつくらないととても無理だというように思われます。この跨線橋をつくるかどうか、鉄建公団の方にお伺いしたいと思います。
  75. 松尾昭吾

    ○松尾参考人 現在国鉄とそういう点について協議中でございますが、総武線、営団の方へおりる跨線橋を千葉方の方へもう一つ増設することで合意いたしております。
  76. 柴田睦夫

    柴田(睦)分科員 京葉線の駅舎の問題ですけれども、現場などで聞いておりますと、国鉄当局では経済性を考えてコンパクトな駅にする、駅の人員を少なく配置する、そしてまた必要な都度改善していく、改造の問題もあると思いますけれども、そういう方針のように聞いておりますけれども、その場合に心配なのは駅の人員を少なくするという方針の中で、例えば窓口の営業時間が制限されるようなことになりますと利用者にとっては非常に困る問題が田でくるわけです。そういう窓口営業時間を制限するようなことがないかどうかということ。それからもう一つ、例えば千葉市の新稲毛駅利用者の中には、千葉市の療養センターと呼んでおります障害者福祉センターがありまして、身体障害者が多く利用することになることは必至であるわけです。この駅にはエレベーターあるいはスロープの設備が必要であると見ております。千葉市などもあるいは千葉県なども非常に心配しているわけです。こういう点で地方公共団体から申し入れがあれば、との身体障害者の施設、利用できるような施設、積極的に対応してもらいたいと思うのですが、この点についての考え方をお伺いします。
  77. 須田寛

    ○須田説明員 お答え申し上げます。  今の前段の方のお話でございますが、営業時間の問題でございます。京葉線の各駅が相当数の乗車人員を見込んでいる駅でございますので、いわゆる一般のローカル線的な扱いは考えておりませんで、都心の国電並みの考え方で臨みたいとは思っておりますけれども、何分にもこういった厳しい国鉄の経営事情でございますので、駅によりましては若干、早朝深夜の職員の配置について、制約した姿で対応していかざるを得ない場面も出てくると思います。ただ、まだ詳細につきましては目下検討中でございまして、成案は得ておりません。いずれにいたしましても、その場合には機械でカバーをいたします、あるいはいろいろな施設面でカバーをいたしまして、お客様の御不便を最小限度にするようには検討してまいりたいと思いますが、まだ詳細検討中でございます。  それから、後段の方のお話のお体の不自由な方に対する問題でございますが、これは今公団の方と駅の設計の細部の御相談を申し上げておりますので、その中でも十分検討してまいりたいと思っておりますけれども、やはり安全ということを中心に描いて検討していきたいと思っております。全体の工事も非箱に厳しい枠の中でお願いをしておりますので、その範囲内でできるだけの措置、例えば点字ブロックでございますとか、そういうふうな対応はいたしたいと思っておりますが、なおよく御相談申し上げてまいりたいと思います。
  78. 柴田睦夫

    柴田(睦)分科員 ちょっと聞きますが、今のお答えは、いろいろな枠があるわけでしょうけれども、地方公共団体などからの申し入れがあれば、積極的に公共団体とも協議して可能な限り実現を図っていく、こういう趣旨に伺ってよろしいですか。
  79. 須田寛

    ○須田説明員 できるだけ地元の皆様の御意見を吸収してやってまいりたいと思っております。
  80. 柴田睦夫

    柴田(睦)分科員 この京葉線で一番大きな問題というのは、六十三年春の東京駅の乗り入れということであるわけです。これを予定どおり進める上で何か問題はないだろうかということです。この新砂町-東京駅間のルートの三分の二は地下ルートということであります。ですから、用地買収などにそう困難はないように思われるわけです。予算の方は千八百億円必要と言われておりますが、これが順調に確保されなければこの工事が進まないということになるわけですが、ひとつ大臣、この予算問題を確保して、六十三年春に東京駅の乗り入れを確実に実現できるようにしていただきたいと思いますが、その見通しについてお伺いしたいと思います。
  81. 細田吉藏

    細田国務大臣 東京乗り入れにつきましては、六十二年度に完成をさせたいということで工事を進めることにいたしておるわけでございまして、何とかして六十三年春の開業に間に合わせたい、非常に重大な使命を持っておる線でございますのでおくらせたくないということで一生懸命やっておるところでございます。
  82. 柴田睦夫

    柴田(睦)分科員 これは千葉県の圧倒的な人たちの強い世論でございますので、ひとつ大臣に御奮闘をお願いしたいと思います。  二番目の問題は東葉高速鉄道の問題であります。  千葉県船橋市、八千代市などが第三セクターを今日つくっておりまして、地方自治体としての努力をし、また工事施行の認可申請書も既に提出してあるところであります。一刻も早く認可をしてやるべきだというように私は思っておりますが、そうできないのかどうか、お伺いしたいと思います。
  83. 永光洋一

    ○永光政府委員 東葉高速鉄道につきましては、今御案内のように、五十七年に西船橋-勝田台間の免許を得まして、現在工事施行認可申請を受け付けていろいろ審査をいたしておる段階であります。このプロジェクトは先生承知のように、千八百億を超える非常に大きな建設でございまして、現在鉄建公団工事としては一番大きい工事になると思いますけれども、そういう観点から申しまして、なおやはり開業後の鉄建公団に対する償還の問題やら資金調達あるいは利子補給の問題等を考えますと、何とかもう少し建設費自体、いわゆる会社が負担する建設費自体を圧縮できないか。しかも地元に対しても非常にいろいろな利益もあることでありますし、地元の方の御協力あるいは建設費も非常な技術的な改良を試みて、何とか当初の全体の額を圧縮できないかということで、やはりそのあたりのめどをつけて工事を進めた方が、今後の成業の見込みを得る上においてさらによかろうということで、そういう資金面、収支等の面を勘案しながら、少し地元等との話を進めさせてもらっておりますので、若干日時を要しておりますけれども、我々としても千葉の通勤通学の輸送力の緩和という観点からもできるだけ早く手続を進めたい、かように考えております。
  84. 柴田睦夫

    柴田(睦)分科員 私も自治体の長の方たちからお話を聞いておりますが、自治体との協議の問題、これは続けておられるわけですけれども、明るい方向に進んでいるわけでしょうか、それとも停滞しているのでしょうか。
  85. 永光洋一

    ○永光政府委員 今いろいろ関係者と協議しておるところでありますので、何か憶測を申しますとあれでございますけれども、地元は非常に協力的で、そういう会社との話等々にも乗っていただけるというふうに聞いております。
  86. 柴田睦夫

    柴田(睦)分科員 要するに、千葉県などの自治体は必要不可欠な努力はすると言っているわけす。しかしそういう中で、自治体に余り無理な負担がかかって、それができないと認可もできないというような形で進むというのは困るわけですが、大体の見通しが折衝の過程でついていった、こういうような場合においては、進んで認可をしていく、概略のところで見通しが立った、話がついたというようなことであれば、認可を延ばさないで認可する、こういうようにやってもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  87. 永光洋一

    ○永光政府委員 基本的な方向としては先生おっしゃるとおりだと思います。ただ、先ほど申しましたように、非常に巨額な建設費でありますので、その償還等の計画から見て、やはりある程度いけるというところでありませんと、ちょっと我々も考えさせられるわけでありますけれども、今お話がありましたように、地元としても何とが協力しようというお話であります。資金援助サイドの方において若干の危惧を持っておられるようでありますので、そのあたりは県もこういうことで協力するのだ、建設費もこういう形で何とか格安にやる、だからこの会社は何とかやっていけるということを資金援助の側の方にも納得をしていただいて、できるだけ早く処理をいたしたい、こういうふうに考えております。
  88. 柴田睦夫

    柴田(睦)分科員 予算の問題ですけれども、五十九年度の予算の見通し、これは認可されて、認可だけでは足らないかもしれませんけれども、認可後の工事のその後の状況、進展する段階があるわけですけれども、そうしたものを見通して、五十九年度の予算というのは今年度と変わってくるかどうか、ふえるかどうかということをお伺いしたいと思います。
  89. 永光洋一

    ○永光政府委員 鉄建公団の予算の中での配分の話でございまして、五十九年度の中で各線どうするかという問題だと思いますけれども、一応東葉鉄道の先行き、今お話ししましたように我々としてはできるだけ地元の協力を得、銀行団等とも話をして認可したいと思いますが、余り大幅な額というわけにはまいらないかと思いますけれども、当面滑り出すとしますればそれに支障がないような形で我々としても考えてみたい、こう思っております。
  90. 柴田睦夫

    柴田(睦)分科員 最後ですけれども、全般附に千葉県の場合、今までお聞きいたしました二つの路線以外にも常磐新線あるいは成田の新高速あるいはニュータウン鉄道、それから北総鉄道、こうした整備を急がなければならない鉄道がたくさんあるわけです。これらはすべて千葉県が宅地開発を急速に進めて、そして、ともかく全国でも有数の人口急増地帯になった。これに対して通勤対策というものがみんな後追いにされてきているように思います。そういう点で、この人口が急増する地域、要するに住宅開発が進む地域、いろいろな問題があるわけですけれども、そういう状況を踏まえて総合的に、またきめ細かい手を打たなければならないというように思うわけです。  そういう点につきまして、この交通体系のあり方といいましょうか、そういう場合のあり方についての大臣の所見を最後にお伺いしまして終わりたいと思います。
  91. 細田吉藏

    細田国務大臣 先ほども田中さんにお答えをいたしたのでございますが、大都市圏の交通、通勤通学交通、これは大変な問題でございます。運輸省が抱えておる最大の問題の一つであろうと思います。  千葉県につきましては、もう私が申し上げるまでもなく総武線の増強、東京乗り入れという大工事をやったわけでございまして、あの結果一つを見ましても、非常な大きな効果が上がっておることがわかると思うのでございますが、いろいろな点でまだ工事中であったりまた未決定であったりいろいろ問題を抱えております。  全体の問題としましては、先ほども他の方に答弁をいたしましたように、今運輸政策審議会で一体首都圏の、東京中心の交通、特に鉄道網をどうするかということについて見通しを立てていただくということでもう最終結論に近くなってきております。私、運輸行政の責任者として、この点については全力を挙げる必要があろうと思っております。と同時に、非常に大切なことは、先ほど御質問にもございましたが、一体財源をどうするか、助成のやり方がこれでいいのかどうかという問題、これを考えませんと絵にかいたもちになるわけでございますね。ですから、そういう点もあわせて一層努力をしてまいりたいと考えております。
  92. 柴田睦夫

    柴田(睦)分科員 質問を終わりますけれども、最後に、要するに今総武線のことを大臣お話しになりましたけれども、その総武線もラッシュ時の混雑度というのは全国有数の三〇〇%と言われるような状況になっているわけです。それだけやってもとても追いつかない状態でまだ大変な状況が続いておりますので、そうした現状を踏まえて、ひとつ大いに総合的な体系で通勤対策の緩和、こういう面で努力していただきたいことを申し上げまして終わらせていただきます。
  93. 中西啓介

    中西(啓)主査代理 これにて柴田睦夫君の質疑は終了いたしました。  次に、関晴正君。
  94. 関晴正

    ○関分科員 大臣に質問したいと思います。  新幹線のことで青森県の皆さんたちは、何とか盛岡から一刻も早く青森に新幹線を走らせてくれ。選挙のたびごとに、自民党の諸君が来れば、間違いなくやる、特に自民党の中から選挙で当選者が出れば余計にやる、間違っても他党の者を出すならば、要らぬという意思表示になるというようなひどいことまで言って、今にでも青森県に新幹線が自民党の国会議員が当選すればできるような話しぶりで来ております。今度自民党の田中派の諸君たちが二人も落ちてしまいました。さあ、田中派が落ちたんだから今度は来ないだろう、またこういう話も出てくるわけであります。     〔中西(啓)主査代理退席、主査着席〕 新幹線を政治の具に供して一歩も進もうとしないし、進めようとしていない。私は、今東京と青森をしょっちゅう往復するのですが、十時間近く汽車の中であります。三時間ですぐ隣の県、盛岡までは来ます。今選挙区の定数の是正というようなことで、格差が甚だしいじゃないか、これは憲法違反じゃないか、直そうじゃないかということが具体的な問題として取り上げられているわけなんですが、隣の岩手県の盛岡までは三時間で来て、青森までは十時間も汽車に乗らなければならないというこの現状、これでも青森県は我慢しておればいい、こう大臣は思っておられるかどうか。そして関西国際空港なんというものは来年度から七カ年計画で進めようじゃないか、一兆円の金をかけても、そのうちの国費は八百億円、無利子の貸付金が千二百億円、二千億も出して、とにかくそっちの方には足を踏み出そう、こういうわけであります。南の空の方の便は便利にしようといって幾らでも金をかけるが、北の雪国の方には一歩も走らせようとしない、こんなばかなことがあるものだろうかと私どもは思うわけであります。新幹線のことについては大臣の方の地域にだって要望があるでしょう。だが、この新幹線というものは、私はそもそも我が国の長い列島、日本列島、この日本列島を南北に置いて国民の利用に供することができるように速やかにとにかく打ち立てよう、少なくとも日本列島の背骨に当たる部分だけは何としても完成しよう、こういうことで取り組んできた、こう思うのです。ところが、背骨がまだできないうちに新潟の方にあばら骨の方ができていっているわけです。肋骨一本はできている。背骨ができない。今度は、まだ背骨ができないうちにもう一本肋骨をやろうか、ついでに背骨もやろうか、こんな話になっている。  私は、青函トンネルができて、言うなれば世紀の大工事が成功した、こういって喜ばなければならないのに、この青函トンネルの使用料を国鉄が持つのが大変だから使用計画をどうしようかといって思案投げ首のていでしょう。世紀の大事業も、世界に冠たるトンネル工事の技術も、誇るべきものが涙を流していなければならない。そしてここで働いている技術者の諸君たちは、あすはどうなるだろうかと、これまた心配しておる。私は、これらの諸君の技術を生かすためにも、また我が国の運輸行政の公正化を図る意味においても、これは一刻も早くやらなければならないのじゃないかと思う。これらの技術陣を八甲田の山にぶち込めばいい、長官。まず八甲田の山にぶち込むことを先にしろ、私はこう言いたい。何ら右顧左べんをすることがない。青森県民というのは人がいいものだから、選挙があるたびに自民党だ、自民党に入れれば入れてくれるものだろうと思っている、いつもだまされている。だから、関晴正もとうとう出るようになったわけですよ、大臣。  貨物の扱いの話にしたって、またそうですよ。リンゴの取り扱いにしたって、津軽の農民がせっせせっせとつくったリンゴを貨車輸送させてくれといって、どれほど願ったかわからない。何ぼ願っても、二月一日にはぶった切るんだと言って切ってしまったじゃないですか、あなた方は。冷酷無残もいいところですよ。雪空の中にあってリンゴが泣いていますよ。貨車の輸送もちゃんとやるなんて、何がちゃんとやるですか、国鉄というのはしゃべったとおりやったためしがない。  その上、青森県には青森と弘前の間を走っている奥羽本線という本線がありますよ。この本線は青森――弘前間、人口五十万ですよ。だが一向に複線化が進まない。何十年かけておやりになるつもりか知らぬけれども、五十万の人口のあるところで、国鉄で複線化でないところが日本国じゅうどこにありますか。  何でも悪いことにされているのが青森県なんですよ。一つぐらいはいいことをさせてくれませんか、大臣細田大臣は、今特別に新幹線を持っていかなければならない地域にいないから、公正に事を運ぶことができる。これでも中部から出ていると心が少し弱りますね、そっちだ、こっちだって。  私はかつて運輸委員会におったときに申し上げました。整備新幹線五本、狭い門を五本一緒に並んで、並列で通ろうとしても通れない、横隊で通れないときは縦隊で通るものだ、三列縦隊、二列縦隊、それでもだめな場合は一列縦隊で通りなさい、通させなさいよ、こう申し上げてきた。ところが二列縦隊で進むんだという方針でいながらちっとも進まない。二列進まないなら一列でもいいからやったらいいんじゃないですか。ちっとも考えてくれない。とにかく、そういう意味において、日本の運輸行政というものから見た場合に、青森県というところほど落ち込んでいる県はないのです。人は運ばない、荷物は運ばない、そうでなくとも鈍重なのにますます鈍重になるという態度でしょう。こんなことでどうします。  私ども日本社会党は、大型プロジェクトには反対だということで、せっせせっせと言って、そんなものに金をかけるよりはローカル線を大事にしろ、住民の足を大切にしろ、こう言ってきたばかりにとうとう新幹線から投げられたままにあることを思いますときに、本当に残念だなと言わざるを得ない。新幹線と言えば自民党のおはこだと思って任せてきたけれども、もう任せるわけにもいかない。公正な行政というものからいけば、これはまず第一に手をつけるべきものじゃないか、こう思うのです。  そういう意味においてまず総括的な語を申し上げましたから、大臣からしかとした覚悟と、汚い原子力船の「むつ」だとか、再処理工場だとか、あるいはまた備蓄タンクだとか、何の役にも立たないものばかり置いて迷惑をかけているなと少しでも思ったら、これはやる、これはやらざるを得まい、こうひとつ思ってお答えいただければ、こう思うのです。まず第一に御答弁いただきます。
  95. 細田吉藏

    細田国務大臣 いわゆる整備五新幹線のうちの東北、盛岡-青森間につきましては、北陸新幹線とあわせて、この二つを最優先に考えるという方向で今進めております。御案内のように本年も国費が十三億六千万と五十億の財投をつけておりまするし、また着工準備作業所も設けることにいたしました。  私は新幹線の促進論者でございます。そこで、今おっしゃったように背骨でございますからこれはどうしてもやらなければいかぬ。来年の春、上野まで開通する予定になっておりますが、上野まで開通すると盛岡まで二時間四十分で行ってしまうのです。それで後、青森までがそれよりも余計かかるかもしれない、そういう形になるわけです。  そういうことでございますので、これは何とかして完成をしなければ、途中でとめること自体がまずかったのではないかというような感じさえ持っておるわけでございまして、決しておろそかになどいたしておるようなことはございません。これはもう全力を挙げたいのですが、はっきり申し上げますと、五十九年度の予算がこうやって今申し上げたようについておりますけれども、六十年度の予算では工事費をちゃんとしたものをもうつけないと、言葉は悪いのですけれども、もたないです。いつやるのだかわからない、こういうことになるのです。  そこで、この財源をどうするか。これは予算が御承知のように窮屈な時代でございますから、高度経済成長時代ならいけたと思うわけですけれども、こういう中で一体どうしたら工事が本格的に始まるか。本格的に始めなければだめなんです。始める始めると言っても始まらないです。どうしても本格的に六十年度からは予算をつけて始めなければならぬところへ来ておると私は思っております。何しろ予算が窮屈ですから、それから第二臨調等は非常に消極的な考え方も示しておりますし、なかなか困難はあると思いますが、その困難を突破していかなければいかぬ。  それから、二列・一列というお話がございましたが、それもそのようなことでやれるところを考えて完成させるという方向で考えます、こういうことでございます。
  96. 関晴正

    ○関分科員 大臣は六十年からは本格的な予算を組まざるを得まい、こう言っておりますが、大臣、何とか六十年度も運輸大臣を続けてほしいと思うのです。大臣というのは大体一年ぐらいでかわりますからね、かわり方は新幹線以上に速いですよ。そこであなたが来年の予算のときにおらなければ、これまたしゃべった話はしゃべりっ放しですよ。  大体、金持ちの県を新幹線が走るのに全部ただですよ。今度は貧乏県の青森県に入る場合は自己負担をしろと言うのです。ひどいですね。自民党の案ですよ。私は反対しました。そのおかげで、新幹線に反対する社会党の関議員なんてぬれぎぬまで着せられてね。  今あなた方が何でおくれさせているかという口実の中に、地方自治体が持つ公的助成にかかわる部分が不明確だからだなんという話をしている。これはとんでもない話なんです。こんな話でおくれているのじゃない。それでも何とかごまかそうごまかそうというので――あなたひどい名前ですよ。新幹線着工準備作業所というものをつくったのです。着工事務所なら聞いたことがあるけれども、新幹線着工準備作業所だ、十億の金をちょっと出して。馬の鼻先にニンジンをぶら下げて、何か食いつける感じだけ与えている。選挙が近くなったからやったなと私は思っているだけです。  そこで大臣、これは五十八年度にやったことですよ、新幹線着工準備作業所というのは。五十九年度には何の予算をつけてどうするんだということは何もないわけです。さっきあなたは五十億の話をしたけれども、一兆円近い金がかかるのです。うんと切り詰めてやれば七千億ぐらいで済むかもしれないと言われていますけれどもね。それで、実際にこれにかかるとあなた今おっしゃったから、よし仕方がない、もう一年我慢して、じゃ六十年度からやってもらえるんだな、こう期待いたします。その場合、これに要する工事の期間と工事の見込み額はどれくらいに考えていますか。
  97. 永光洋一

    ○永光政府委員 工費でございますが、ちょっと古いのでございますが、盛岡-青森間の建設費は五十四年に運輸省で一応調査をいたしまして、六千百億と見積もりました。ただ、五十七年に環境影響評価の報告書案を知事あてに送りましたときに国鉄が試算しましたところ、大体七千億と見積もられております。大体七千億程度ではないかと思っております。  工期につきましては、全体の予算等との幅もあると思いますので、ちょっと推測しかねますが、一応工事費としましては七千億前後というふうに考えております。
  98. 関晴正

    ○関分科員 工期は何年と言いましたか。
  99. 永光洋一

    ○永光政府委員 我々としましては、全体的な、今後もしスタートした場合のこの七千億に対する予算のつき方等もありましょうし、工事のハードの話につきましては国鉄の方からひとつ答弁をお願いします。
  100. 岡田宏

    岡田説明員 具体的な工事計画を検討する段階まで至っておりませんが、技術的に検討いたしますとかなりの長大トンネルもございますので、六、七年の期間は要するかというふうに考えております。
  101. 関晴正

    ○関分科員 東北新幹線というのは、当初いつまでに完了する予定でありましたか。
  102. 原田昇左右

    原田主査 岡田務理事――関君、調べるのにしばらく時間がかかるようですから、質問を続けてください。
  103. 関晴正

    ○関分科員 これほど投げているという状態がよくわかるわけですね。大体二十一世紀にかかるんじゃないかなと私は思っているのですよ。二十世紀のうちに完了なんかできないだろうと思っておるのです。ですから、これは計算もしていないし、考えてもいないし、思ってもいないのです。きょうはそれでも最高の責任者である運輸大臣が、幾ら何でも、ことしはうまくやれなかったが六十年度の予算には何とかしなければならない。これは重い答弁ですよ、私どもにとっては。ですから、私は六十年度からかかってもらうし、そして早く完成してもらわなければならない。  今、そちらさんの方から六、七年ぐらいでやれるだろう、これもありがたい言葉です。しかし、これまでの計画の中にそんな短い期間でやれるようにはちっともなっていませんでしたからね。だけれども、今六、七年の計画だ、こう言っている。じゃ六、七年の計画で取りかかってやってもらえるとすれば、七千億かかるとすると少なくとも一千億ぐらいだ。そのくらいは投じてやらなければならない計算になるが、取り組めばそのくらいのつもりでやるんだ、こう理解してよろしゅうございますか、大臣
  104. 細田吉藏

    細田国務大臣 すぐ直ちに七千億割る七イコール千億ということでどうだと言われましても、これはちょっと御返事のしようがなかなか難しいのですけれども、私が先ほど申しましたのは、とにかく財投五十億というような金では、これは使いようがないですわね。ですから、とにかくどういう形においてか本格的な工事が着工できるという予算をどんな苦しい中でも、どういうふうにして出すかということはこれから相当工夫しなければなりませんが、それをつけて始めることが必要なんだ、こう言っておるのでございまして、いや千億つけなきゃだめだよ、千五百億つけなきゃだめだよという話になってくると、いやそれは今の予算の中でちょっと難しいぞという話になりますから、私はとにかく具体的にこのつち音が響くというところまで、それには最小限度どれぐらいのものでいくのかということぐらいは、これはどうしてもやらなければならぬのじゃないか、そういう意味で申し上げておるわけでございますから、これはもうこの程度で御勘弁を願いたいと思います。
  105. 関晴正

    ○関分科員 私は、大臣、さっきも申し上げたように、この新幹線の持つ使命、これは背骨だ、これは横道じゃないんだ、あばら骨の方まではまだいかないんだ、札幌まで通さなければならないんだ、こういうことで国民に約束したのが新幹線構想であったし、それに従ってきたのです。そして国民だれでも、少なくとも五時間ないし六時間で東京には着けるようにしようというのです。ところが、四時間でも東京に着けるところが新潟なんか半分にして、二時間もかからないようにしたでしょう。近いところはさらに近くする。そうして遠いところはさらに投げておく。私はこの姿勢はもうやめてくれと言いたい。北陸新幹線だってそうでしょう。何ぼかかりますか。かかってみたところで、長い方で四時間ぐらいでしょう。それを新幹線で二時間ぐらいにしようというんでしょう。それと抱き合わせに盛岡-青森の方も考えるという並列なんですよ、あなた方の考え方は。やれるなら、私はそれはやった方がいいと思いますよ。だけれども十時間もかかるところの地域の人を、四時間かかる人を二時間にするのと一緒にされなければならないということで取り組む姿勢というのもどうかなということなんです。並列で進むことが難しかったら、まず一列縦隊でもいいから先におやりなさいと言いたいのは、そこなんです。  私は、そういう意味において、これは同じく税金を払って、そうして貧乏な自治体において余計な負担までさせられて、特別いい列車が来るというならばいいけれども、御迷惑しましたというならいいけれども、金も出しなさい、そのことが決まらなければやってもあげませんよと言って投げておいて、これじゃ行政というものではないだろう。上越新幹線の利用率なんて、どうです。東北本線の新幹線の利用率の方がはるかに高いでしょう。盛岡から青森の方は余り利用率がないので赤字になるんじゃないだろうかということを心配して遅くさせているとするならば、私はそういう心配は適当ではないだろうと思う。遅れさせなければならない理由は何かと聞きたいのです。金がない、金がないと言う。金がないんじゃない、誠意がないんじゃないのかと私は言いたい。北国の国民を愛する情において不足過ぎる。北国の人たちは雪と闘わなければならない。毎朝毎朝玄関の前の雪片づけ、屋根の上の雪片づけ、屋根の上まではブルで雪片づけはできませんからね、そういう負担で生活上の苦労が多いのです。新幹線を待つというのも、そういうところから大きな期待があるわけなんです。  ですから、ひとつ余り責任もない運輸大臣がなったばかりに余計しかられているような格好でどうかと思うけれども、私もしかるのが本意ではない。幸いに細田運輸大臣はこの方のベテランですからね。ただのつけられた運輸大臣と違って、この道に精通されている方なんです。だから私も本気になってぶつかっているのです。ただ形ばかりの大臣じゃ私も相手にしませんよ。  ひとつそういう意味で、大臣、地元の方の公的負担がどうとかこうとか言わないで、それもやるならば途中でもいいからやって、あのトンネルを掘ったところの技術陣、世界に誇る技術陣――あなたもこの間トンネルを見てきたでしょう。私は、大臣就任早々トンネルまで出かけたというのは立派だと思いました。これはトンネルをどう利用するかという心配もあって行っただろうが、またこのことに当たった方々の激励も含めて行っただろうと思う。これらの諸君はあすどうなるかということで心配していますよ。ですから、ひとつ大臣、きょうの御答弁で、六十年度からは八甲田に穴をあけるんだ、そのために取り組むんだ、こういう御意思を表明されたものと理解してよろしゅうございますか。
  106. 細田吉藏

    細田国務大臣 盛岡-青森間の御要望については、もう私ども各地元の皆さん方からそれこそ耳にたこができるほど、運輸大臣就任前、党役員をしておりましたときにも随分と受けております。また、切実な今のお話、ごもっともだと思います。そこで、五十九年度の予算は決まっておるんだが、六十年度からは何とか始めるという段取りを――これは実は概算要求の段階からそういう問題が起こるわけですから、ですから大臣がかわるとかなんとかというお話がありましたけれども、私は現職で大臣で考えなければいかぬことですから、何か知恵を出してでもこれはできないかということで全力を挙げるということにいたしたいと考えておると申し上げておるのでございます。  それからなお、北陸の話もありますが、これはいろいろ申し上げたいことありますけれども、時間の関係もありますから、北陸と東北を延ばすのとはまた別な意味が一つあるわけでございますが、これは省略させていただきましょう。
  107. 関晴正

    ○関分科員 相当に本気の構えてお答えしているようでありますから、ぜひひとつ見せてください。リップサービスだけじゃもう我々は飽き飽きしていますからね。  その次、複線についてのお答えがないままになっておりますが、青森と弘前というのは、県庁所在地の青森市、大学所在地の弘前市、学部である弘前、ここに住んでおる人が五十万もあるのですよ。それでいて複線化というものはいまだかつてならない。ようやくトンネル工事が成功しそうなところまで来ておりますが、では複線化の活用になるのかというと不明確であります。一体、この複線の実現、複線化の利用に供せられる時点、それはいつまでにしなければならないと考えておられるのか。私は、今これほどの人口のあるところで複線化の行われていないところはここだけだろうと思う。全体の計画は約二百二十億だと聞いておる。ことしなんかも青森県は六十億くらいは何とか出してもらえぬかと願っておる。でも、実態が去年でもわずか八億ですから、遅々たる歩みというのはこれでしょう、微々たる金というのもこのことでしょう。私はこのことについても即刻取り組んでもらいたい、こう思うのですが、これについての考え方と計画の状態、これをひとつきちんとお答えしてくれませんか。
  108. 岡田宏

    岡田説明員 奥羽本線の弘前-青森間につきましては、全体三十七・四キロのうち弘前-川部間は複線化が完成いたしておりますが、川部-青森間三十一・一キロについてはまだ複線化が完成をしていないわけでございます。現在この区間につきましては、大釈迦-鶴ケ坂間の大釈迦トンネルの部分を施行中でございまして、五十九年度中には新トンネルに切りかえるべく工事を進めているところでございます。  先生御指摘の線路全体の完成時期につきましては、大変残念なことでございますけれども、現在の国鉄の非情に厳しい財政事情の中でその見通しは明確には立っておりません。  なお、御参考までに申し上げますと、この区間の輸送量につきましては、これはいろいろ議論があるところだとは承知いたしておりますけれども、五十年度の輸送量に対しまして五十七年度の輸送量におきましては七三%くらいということになっておりまして、そういったこともございまして複線化工事を今後進めていく明確な見通しが立っていない状況にございます。
  109. 関晴正

    ○関分科員 今お答えしたように、パーセントからいくと弱いから余計に手をつけないという考え方があるとすれば、ますますパーセントが下がってくる。青森-弘前間は三十五キロですよ。三十五キロを六十分で走っているんですよ。あなた、だれが汽車に乗りますか。それで七三%だと言ったって、利用できないような状態に置いているから利用率が下がるんでしょう。日本国じゅう調べてください。三十五キロのところを六十分もかかって走っている列車、どこにあるか。とまりとまりなんです。走るよりもとまりの時間が長いからこうおっておるのですよ。だからバスに乗る、あるいは自家用に乗る。今トンネルができる。できるけれども、このトンネルを利用して何とか格好をつけて複線化の実を上げるようにするのかと言うと、どうもと、こう言っておる。これは何たることです。こんなことないのです。  そこで、具体的にお答えいただきます。ことしの複線化の予算の金額は幾らです。そうしてそのキロ数は何ぼです。そうして配分の箇所は何カ所です。ここには何ぼよこすつもりです。お答えください。
  110. 岡田宏

    岡田説明員 五十九年度の予算の実行につきましては、まだ配分計画を完了いたしておりませんが、大枠で申し上げますと、五十九年度の予算案におきます在来線の線路増設費は通勤別線を含めまして約四百八十億でございます。このうち通勤別線を除きました残りにつきましては、大都市の通勤線区におきまして約六十億円、幹線線路区間におきまして約三十七億円程度と考えておりますが、現在まだ実行上の配分作業は完了いたしておりません。
  111. 関晴正

    ○関分科員 とにかく運輸大臣、何からかにまで投げられておるということにおいての認識を深めていただいて、なるほど都市と都市の間を結ぶのにも単線の状態で投げられているのかということにひとつ記憶を新たにしてぶつかっていただければ――幸い今、政務次官が我が県から出ておりますが、政務次官というのは自分のことは案外言えない役にあるんじゃないかとも思えますし、そういう点で任せておってもいけません、次官じゃ仕事になりませんから、大臣、よしきた、こういうことでやってください。  以上申し上げて、時間でありますから、またこの次に御質問申し上げたいと思います。終わります。
  112. 原田昇左右

    原田主査 これにて関晴正君の質疑は終了いたしました。  次に、島田琢郎君。     〔主査退席、中西(啓)主査代理着席〕
  113. 島田琢郎

    島田(琢)分科員 国鉄問題ばかり、今やっているわけでありますが、また三十分間だけ細田大臣と、今度は地方交通線問題を中心にしてもう少し質問をしたいと思います。  地方交通線問題ということになれば、特に北海道が一番大きく問題になっており、ねらわれてはいたのですから、ここでひとつ一次、二次、その扱いはやはり気になるところであります。特に、私も予算の総括で国鉄問題を取り上げた冒頭で、大臣は就任に当たって、北海道や四国を分割・民営化するというのは大体無理な話だ、どっちみち国が金を出さなければだれがやったってとても運営できるものじゃない、こういうことをおっしゃったわけでありまして、そのお考えは変わっておりませんかとただしました。変わっていない、こういう決意を披瀝されたわけであります。北海道は大臣のそうした御決意に一応ほっとはいたしております。  しかし、だからといって、全部が心配が解消されたかというと、決してそうではない。ただ、ほんのちょっぴり、今度の大臣は北海道の国鉄のことも考えてくれているなということでの安堵感があったという程度でございまして、後は追い打ちをかけるように五九・二の貨物廃止、それから今度は格差運賃の導入、それが国鉄から申請をされておる、心配の種が尽きないばかりか、刻々とタイムリミットも迫っておる、そういう危機感が北海道全体に広がっている。私はこれは重大な社会問題だ、こういう位置づけで、きょうはわずか三十分ですけれども、地元の北海道の国鉄の問題を中心に大臣の考え方を聞かしていただきたい、こう思っておるところでありますので、まず最初大臣のそうした御見解、御決意のほどをもう一遍聞かしていただきたいと思います。
  114. 細田吉藏

    細田国務大臣 北海道、四国の分割は無理じゃないかという、臨調答申の内容と違ったようなことを述べたが、それは今も変わりはないかというお話でございますが、私が申し上げておるのはこういうことを申し上げておるのでございます。  多少新聞の書き方によって誤解を招くような点があったかと思いますが、国鉄を七つ程度に分割すべきであるというのが第二臨調の答申でございます。それを受けまして再建監理委員会が発足をして、今どういうふうにしたらいわゆる分割・民営化をやれるかという検討をしておるということなのでございます。それで、島が四つありますから、七つとすれば島が三つと本州が四つということになる、臨調答申は七つ程度と言っておりますが。そこで私は北海道というものの分離が絶対にできないとかなんとか言ったものではないのでございまして、これは臨調の答申にもかように書いてありますから、これも考え方の一つでございますが、いわゆる民営鉄道として株式会社で北海道の鉄道を経営して成り立つということは、これはもうどうしても考えられない。もし分割して経営するとするならば、国なり公のものが大変な面倒を見なければやっていけない、北海道でもうかる線だけやるなどといったら、鉄道はそれこそ非常にわずかばかりのものになってしまうわけでございますから、そういう意味のことを申し上げたので、これはもうそのとおりて間違いはございません。今のところ北海道は二千数百億の赤字でございますから、赤字のものを切り離して民営にするといいましても、だれが社長さんになってやるのかわかりませんけれども、面倒を見ることにしなければこんなものを引き受ける人はいないのではないか、こういうことを申しておるので、この点については変わっておらないということなのでございます。  四国については省略させていただきます。
  115. 島田琢郎

    島田(琢)分科員 北海道の民営化は無理だ、そういう御見解でありますが、分割はまた話が違う、今の大臣のお話はそうなんでありますが、そうすると全体としてやはり北海道の場合は民営化を考えることは無理だ、こういうふうに大臣がおっしゃっているのを分析してみましても、今のお話だと、分割という問題は北海道だけに国鉄を残すことになっていくということになりますね。北海道にだけは国鉄を残しながら、民営化させてもこれは大体国が面倒見なければ成り立たないのだ、国が面倒見なければ成り立たないということは、民営化は無理だということをおっしゃっているのと同じでしょう。そうすると、そこにだけ、北海道にだけいわゆる分割された北海道の国鉄が残る、こういうことになるのですか、今のお話の筋からいいますと。
  116. 細田吉藏

    細田国務大臣 ちょっと誤解がありますので、私、もうちょっと詳しく御説明申し上げたいと思います。  民営という言葉と民営化という言葉とが出ております。私が申し上げておるのは、営利会社である株式会社で北海道の鉄道を運営するということはできない、だれも引受手がない、こう言っておるのであります。民営化というのを非常に広義に解釈いたしますと、特殊な会社でそうして国なう公の手厚い保護があるという、これは恐らく法律に基づく特殊法人というような形でのいわゆる民営化ということについてなら、関西新空港などは今度これから法案を出すわけでございますけれども、それは考えられるので、国鉄イットセルフが残るのだという考え方でない、そういうものならばこれはやっていけるだろうということなんです。  いずれにしても、国なりあるいは地方公共団体なりも含めてもいいのですが、手厚い保護をするものでなければ北海道の鉄道鉄道たるの使命を果たすことができない、そういうことなのでございます。したがって、北海道だけが国鉄で残るのだという意味に必ずしもとっていただくということではございませんので、その点ちょっとつけ加えて申し上げたいと思います。
  117. 島田琢郎

    島田(琢)分科員 今のお話は、想定されることは公団営みたいなものになるということですか。
  118. 細田吉藏

    細田国務大臣 これはどうも少し長くなって恐縮なんですけれども、結局こういうことなんです。日本国有鉄道の民営化をやれというのを臨調が唱えておられるのは、大きい点が二つあるのです。一つ国鉄の今の予算の立て方を変えるということです。もう一つ国鉄の労働関係、いわゆる公労法、これから外すということなんです。今度電電公社が御承知のように民営化になるわけでございますが、そういう考え方で民営化ということを唱えておられるのでありますので、それをやるという――北海道について言うならば、とにかく著しく公的な色彩の強い特殊の会社でもなければこれはやっていけないだろう、こういうふうに考えておるということなのであります。
  119. 島田琢郎

    島田(琢)分科員 そうすると、その場合の北海道の線路の残し方というのはどういうふうに想定されるのですか。
  120. 細田吉藏

    細田国務大臣 その問題は、結局本当の民営と、そうでない非常な公的な色彩を持ったものとの間に違いが起こってくるわけです。本当の民営であればもう成り立つ線路だけやるということになりますと、これは大変なことになってしまう。北海道の住民の皆さん、それで納得するわけもないし、北海道の開発のためにも発展のためにもなりません。そうすると、やはりある程度の赤字が出てもやらなければならぬものが残るということで考えていかなければならぬのじゃないが。そういう点から、もし国鉄でないとするならば特殊な会社でなければならぬのじゃないか、私はこう言っておるわけでございます。  その場合に、どの線ぐらいまではやってどの線ぐらいはもうなくしてもいいかどうかという問題は、これは現在でも進行しております第一次、第二次の地方交通線、これは一体どう考えていくのかということですね。つまり国鉄全体の機構の改正、経営形態の改正の問題を一方で進めておって、一方でローカル線の問題を別な法律で進めておるわけです。ですから、そこのところが、実際のことを言うと経営形態の問題が決まって、そうしてその中ではどの線を残しどの線はやめるということが出てくるということができれば一番いいわけなんですけれども、ローカル線の方は前の法律、五十五年の法律で進んできておるという格好をしておるわけでございまして、そこでこれが経営形態の問題と絡んでくるということになるわけです。ですから、どの線が残りどの線をやるのだということについては、これから今の第一次、第二次のローカル線を一体どうしていくのだということで十分現地でいろいろな御相談をいろいろな角度からお願いをしなければならぬということだと思っておる次第でございます。
  121. 島田琢郎

    島田(琢)分科員 大臣は経営形態の方を優先されるとお考えなのか。住民の、今もいみじくもおっしゃいました北海道の歴史的な開発のあれがありますね、そういうものの中から、国鉄というものが今日住民と一緒に発展し、そして地域の産業、経済、文化の発展に寄与してきた、こういう点について地元の皆さん方のお考えというのは大変根強く、国鉄に対する愛着を持ちながらここへ残せという主張がございます。どっちを優先しておとりになっていますか。
  122. 細田吉藏

    細田国務大臣 経営形態がどうなるかという問題と、今第一次、第二次のローカル線をどうするかという問題は関連はありますけれども、どっちが大事だというようなものではないと思うのです。これは利用される国民の側から見たら、線路の存廃は大問題であるに決まっております。しかし、政治として考え、行政として考えた場合に、どっちが重要かという話はこれは別な次元で、どっちも重要なんです。そういうことに申し上げる以外はございません。
  123. 島田琢郎

    島田(琢)分科員 そうすると、今一次線、二次線同時にあなたのところへ申請が上がっておるわけで、こういう中でも両方大事に考えるとおっしゃるのは、これは次元が違うけれども同じように大事に考えなければならない、こういうお話で、今北海道が大臣のところに強くこの国鉄を考え直してもらいたいという要請があるのは、この一次、二次の線のところ、これがどうなるのかという点について心配しながら要請が繰り返し行われているわけですね。それはタイムリミットを超えているものもあるでしょう、運輸省の立場で言えば。まだ皆さんのお考えを聞きながら、という段階で理解していいのですか。
  124. 細田吉藏

    細田国務大臣 五十五年にできました特別措置法という法律、これは国会でお決めになって法律として出ておるわけでございますから、この法律に書いてあることは、これは政令で定める範囲内の地方ローカル線について指定をする。指定という行為がある。これは国鉄から申請をして運輸大臣が承認をして指定をする、これは第一次と第二次とがあるわけです。これについて地方の皆さんと一緒に協議会をつくってよく相談をしていただく。相談をしていただいて、二年たったらこの相談がまとまらないときには、これはバスに代替するという法律に大体なっていると思うのでございます。そういう法律になっている。それで第一次が出て、第一次は随分北海道も協議会ができておると思います。白糠線のごときは、話がまとまってバス代替になったことも御承知のとおりでございますね。話がついたもの、つきかかっているものもございます。話がつかないということで、二年を迎えるというようなものも来ておるわけでございます。  そこで、これをどう扱うかということについては、法律の実施を我々は命ぜられておる。憲法によって命ぜられておるわけですから、ここで決心をしなければならぬということになるわけですね、法律の解釈だけでいきますと。それを一体どのように決心すべきかということについて、私自身いろいろ考えさせられている点もございます。望むらくは、とにかくこの二年という期間の中に何としても地元とのいろいろな話し合いをしていただいて、そしてこれはバスに転換する、あるいはこの線は何か別な経営形態のものにして残す、そのかわり徹底的な合理化をしてやっていけるようにして残すというどっちかしかないわけですから、その結論を、法律が望んでおるところは二年間で協議会でまとめてくれ、こうおっしゃっておるので、私の立場としてはこの二年の間にいずれの方向になさるかということを決めていただきたい、こういうことなんでございます。  第二次については、実はまだ協議会が始まっておりませんので、とにかく第一次の問題が焦眉の問題でございますから、第二次はこれから協議会をつくろうということで、第二次ができたところはまだ少ないというのが現実の状態でございます。     〔中西(啓)主査代理退席、主査着席〕
  125. 島田琢郎

    島田(琢)分科員 二次は確かにそうでございますが、しかし一次の結論のつけ方というのは二次に大変連動していくものですから、私は今基本的なところの考え方を聞いていたわけであります。  そうすると、二年のタイムリミットが来たものについでは見切り発車をするということでお考えになっておるということですか。
  126. 永光洋一

    ○永光政府委員 今大臣が申されましたように、二年間でできるだけ代替バスあるいは第三セクター等で詰めるものを詰めて、そして地元の皆さん方の足を確保したい、こういうことで、いま先生のお話しになっておられます北海道につきましては協議会の発足が全体的にも非常に遅く発足いたしまして、まだ期限に来ておるものはございません。それで、その間に既に白糠線については地元との話し合いがついてバスに転換いたしております。その他、一線につきましても合意がなされております。したがって、秋ごろが大体二年のところでございますし、その中で我々も努力しまして、何とか地元の皆さん方の合意を得て円滑に転換なりあるいは第三セクターへの移行を図りたい、こういうふうに考えております。  法律によりましても、「協議が調わないことが明らかであると認められる場合」ということでございますので、地元の方で、我々と相談がなくて、例えばその期日が来たから急に見切り発車をする、そういうようなつもりはございませんで、そういうお話し合いが一生懸命進んでおる段階におきましては、画一的にその期日が来たからどうのこうのといってとは我々考えておりませんで、もし仮にそういう期日が来ましても、全体的に協議が進んでおれば、我々としてはそういう形で対応いたしたいと考えております。
  127. 島田琢郎

    島田(琢)分科員 地元住民のコンセンサスが得られない限りは、やらぬ。たとえタイムリミットが来てもやらぬ、そういうことですね。
  128. 永光洋一

    ○永光政府委員 できるだけそういう形で努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
  129. 島田琢郎

    島田(琢)分科員 ところで、いろいろな営業施策を持っておられるようでありますが、つい二、三日前、仁杉総裁名前で私のところに「運賃改定のお願い」というパンフレットが入ってまいりました。これは国鉄から出たものですね。これを見ますと、六問ばかり、なぜ運賃改定をしなければいけないのかという問答方式で、パンフレットで解説をしております。これを見ていまして、私は確かにいろいろな点で知恵を働かし、それを広げていこうという努力はされていないとは言えない。一生懸命やっておるところもあると思いますが、ここまで来たなら、もう少し知恵を広げてもいいではないか。工夫をもっと凝らしてもいいではないか。  例えば、一列車二両編成にしていくという路線が多い。こんなところはお客さんの数によって一列車一両編成ということで、もう少し間隔を縮めて往復回数をふやしてお客さんを吸収していく。乗りやすいようにしていけばお客さんが寄ってくるわけでありますから。しかも、停留所なんかの問題だって、気動車の大きさだって――昔、レールバスというのが私のところ、湧網線に走っていたのですよ。あの程度ですと大分コストが安くつくのじゃないか。そのかわり、停留所、駅みたいなところばかり考えていたらお客さんはなかなか乗りませんから、乗りおりの簡便にできるそういう施設が必要になりますけれども、そうやってまだまだ工夫ができる余地がたくさんあるのでないか。それを運賃値上げして乗らないようにする、ダイヤ改正のたびに乗れないようにする、こんなことをやっていたのでは、それこそせっかくいろいろな工夫を凝らしてお客さんを国鉄に寄せ集めようと努力されている点が、これは全部帳消しになってしまいますよ、総裁。もう少し、そういう私の今申し上げました点でやり得ることがあるのではないか、こう思います。  それともう一つは、S切符という制度がありますが、これは北海道でやることはできないのですか。この点を含めてちょっとお話を聞かせてもらいたい、こう思います。
  130. 須田寛

    ○須田説明員 ただいまお話のございました前段の方の問題でございますが、今先生御指摘ございましたように、私どもも極力編成の適正化と申しますか長い編成を短くいたしまして、なるべくコストを下げてお客様に乗っていただく。場合によれば、札幌周辺にも例がございますけれども、列車の増発もお客様の可能性のあるところではやるわけでございまして、そういったことも考えております。  レールバスでございますが、今先生がおっしゃいましたように、昭和三十年代には北海道にも約三十両のレールバスが走っておりました。ところが、私どもの方の路線ではどうしてもラッシュに学生さんを中心としたお客様の山があるものでございますから、この対応がレールバスの場合は非常に難しい。一般の車とレールバスと両方置いておかなければいけないような線がかなり多かったということと、耐用年数がやはりバス並みでございまして、コスト的にもそれほどのメリットが当時ございませんでしたものですから、その後廃止をいたしまして、現在もレールバスはまだ使っておりません。そういうふうなこともございますので、レールバスの導入につきましてはちょっとまだちゅうちょいたしておりますけれども、編成を短くいたしまして極力便利なダイヤにしたいということだけは私ども志向していきたいというふうに思っております。  それから、どこでもとまるという問題につきましては、やはりゴムタイヤの軍でなしにレールの方では、勾配の途中でございますとかなかなか制約がございますので、そういったきめの細かいサービスということになりますと、どうしてもやはりバスの方がメリットが多いのじゃないかというふうにも考えておりますので、その辺はレールの生かせるサービスということを私どもは追っていかなければいけないのじゃないかと思っております。  それからS切符でございますが、実は北海道には今S切符を二カ所ばかりつくっておる区間がございます。それから、Q切符と申しましてS切符と同じように往復割引、これは自由席で対応するものでございますが、これは北海道で現在札幌中心で約七カ所ぐらい対応しております。先生のおっしゃいますのは恐らく本土からということだろうと思うのでございますが、これは北海道が飛行機のメリットが非常に高いところでございますので、やや効果に疑問がございますのでつくっておりません。ただし、片道飛行機、片道レールというふうな特殊な商品を青函の管理局でつくったこともございますし、北海道では飛行機とタイアップをいたしまして、道内の国鉄の乗車券と飛行機とを結んだような切符でございますとか、そういういろいろな商品は実は考えております。先生おっしゃいますように、やはりできるだけ多くのお客様に御利用いただかなければいけないということでございますので、いろいろ知恵は出してまいりたいと思っておりますが、S切符につきましても極力これからお客様の御利用の実態を見ながら検討していきたいと思っております。
  131. 島田琢郎

    島田(琢)分科員 時間がなくなってしまいましたからもう最後にしますけれども、私はこのパンフレットを見ていても、先ほどから大臣や皆さんお答えになっているお話を聞いていても、感じられますことは、何といったって国鉄はお客さんを大事にするという、そういうことでなくてはいけないと思うのです。私は何も線路を新たに敷いてそこにレールバスを走らせろなんて言っているのじゃありませんし、停留所をつくれなんて言っているのじゃありません。あるものを生かせ、そういうことをまずやってみて、それで努力をした上で地方の皆さん方に理解を求めるというならいいのですけれども、そうでないのですね。  例えば、これの六番目のところの問いを読んでみまして強くそういう感じを持つのですが、「地方交通線に何故特別運賃を導入するのか。」という設問をおつくりになっていらっしゃる。それの答えのどこにもお客さんのことが触れていないのです。いわゆる国民の皆さんの期待というものがあるいは要求というものが、入れるとも書いてなければ、そういう皆さんの立場に立ってという物の考え方もこのパンフレットからはにじみ出てもいないのですね。これは国鉄の姿勢の問題の点だと私は思うのです。ここには「再建監理委員会をはじめ各方面から強く指摘を受けて」と書いてある。国民の要求とは書いてないのですね。  ですから、監理委員会から言われているからだあるいは審議会から言われているからだ、こういうことで国鉄の問題をお考えになっているというこの姿勢に私は問題があると思う。これは予算委員会の総括、一般質問、そしてきょうの私の質問を通して私は国鉄当局に対して極めて強い不満を持ちながら、ぜひ反省をしてもらいたい、こういうのが私の基本的な要求の姿勢なんですよ。それが何もなかったら、北海道ばかりではなくて全国の国鉄は全部なくなってしまうということになると思うのですよ。  北海道は、今本当にお話を聞いただけでまだ納得できないところがたくさんあって、我々の大事な足である国鉄が北海道で今の計画されているような状態で進んでいったとしたら、これは大変なことになってしまう、こういう危機感をさらに一層強める結果にしかきょうもなりませんでした。私は、質問しながらまことに無念な思いがするのです。私どもが考えていることにこたえるような、そういう国鉄当局や運輸省大臣初め皆さんの姿勢がなぜ出てこないのかな、こう思っているところです。  時間が来ましたから、また時を改めましょう。しかし、私がこの百一国会で国鉄問題を取り上げてまいりましたその考え方というのは、庁りんぐらいはわかってもらえるのではないか、こう思うのですが、細田大臣、最後にひとつあなたの所見を伺って、このお話はきょうは終わりにしたいと思うのです。
  132. 細田吉藏

    細田国務大臣 ローカル線の廃止の問題というのは、その地域にとっては命がけの重大な問題でございます。北海道は第一次、第二次合わせますと大変な線路の数になるわけでございますから、私のところなども大変たくさんな投書もいただいておりますし、直接電話もいただいたりいろいろしております。非常に重大な問題で、これをどうするかということについては私どもも慎重に取り扱わなければいかぬ、こう考えております。御心配になっておるとおりのことだと思います。住民の立場も十分考えて、何とかそこにいい知恵がないかということを私は考えておる次第でございます。  なお、格差運賃の問題につきましては、これは実を申しますと、運賃というのは総合原価主義で一本というのが国鉄が明治四十年に国有になって以来の全然例外のない一貫したやり方でございますから、この点について、あなたが格差運賃についてはどうも承服できないとおっしゃいまするが、これはもう理論的には一つの御意見として立派に成り立つ御意見でございますし、こういう考え方も私どもの仲間の中にも随分とあるわけでございます。いろいろないきさつを経まして、今度初めて格差運賃に踏み切るかどうか、運審でもいろいろな地方の方々にも参考人に来てもらって参考人として御意見も十分聞かせていただいて最終的な決定をいたしたい、かように存じておる次第でございまして、そういう問題については敬意を表する次第でございます。
  133. 島田琢郎

    島田(琢)分科員 終わります。
  134. 原田昇左右

    原田主査 これにて島田琢郎君の質疑は終了いたしました。  午後零時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時四十九分休憩      ――――◇―――――     午後零時三十分開議
  135. 原田昇左右

    原田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  運輸省所管について質疑を続行いたします。小谷輝二君。
  136. 小谷輝二

    小谷分科員 関西新国際空港問題につきまして二、三御質問をいたします。  関西新国際空港は、空港整備法第三条によるところの「運輸大臣が設置し、及び管理する。」このように規定されております第一種空港であるのかどうか、この点について、ちょっとこの際確認しておきたいと思います。
  137. 山本長

    ○山本(長)政府委員 空港整備法上の第一種空港ということで位置づけられるべきものであるというふうに考えております。
  138. 小谷輝二

    小谷分科員 この空港は、かつて前例のない新たな考え方として、仮称でありますが関西国際空港株式会社が大臣にかわって空港を設置し、管理するという考え方のように我々は伺っておりますが、この点はどうなのか。もしそうであるとするならば、整備法との関係はどうなるのか、この点についてお尋ねします。
  139. 山本長

    ○山本(長)政府委員 空港整備法におきましては、先生御質問のように第一種空港は国みずからが、運輸大臣みずからが設置、管理するという建前になっておるわけでございますが、空港の建設あるいは管理の事業が大規模になる場合、その建設資金の調達の多様化を図るため、あるいはその事業の執行体制の確保を図るためという見地から、国とは別個の事業主体を設立いたしましてその事業を行わせるということが現実問題として必要になってまいります。その例は、いわゆる成田の空港公団でございまして、成田の公団につきましては、この成田の空港自身空港整備法で第一種空港というふうに位置づけられてはおりますけれども、その設置、管理は国みずからが行うという原則の例外的な措置として、空港整備法におきましても、公団が設置、管理するのだというふうな規定を置いておるわけでございます。  先ほど申し上げましたように関西国際空港も第一種空港として位置づけられるべきものでございます。また、そういうふうな手当てが必要だと思いますけれども、御存じのようにこの空港事業規模、建設規模が非常に大規模であり、緊急にやらなければいかぬというものでございますので、資金調達の多様化という面から見ましても、民間活力をこの建設、運営に反映させていきたいという点から見ましても、地域社会と調和のとれた空港にしていかなければならぬというふうな観点から見ましても、国、地方公共団体、民間が一体となった協力責任体制のもとに効率的な弾力的な運営を確保する。そういう観点から特殊会社たる株式会社でもって建設、運営することが適切であるというふうな考え方に基づき、今回そういうふうな方式をとるということにしたものでございます。  しかしながら、この事業が非常に公共性が高いという性格にかんがみまして、この特殊法人の株式の保有につきましては過半数、現実に三分の二程度を計画しておるわけでございますけれども、国が株式を持つというふうなこと、あるいは、この運営というものは基本的にはやはり運輸大臣が定める基本計画に従ってやっていただかなければならぬというふうなこととか、あるいは、あと所要の監督措置というものを講じまして、また一方、所要の財政上、税制上の特別措置も講じまして、公共事業でありますこの事業を適切かつ的確に運営していただこう、こういう構想でございます。
  140. 小谷輝二

    小谷分科員 それでは整備法の第三条、これの一部改正も行われるということになるわけですか。
  141. 山本長

    ○山本(長)政府委員 今後御審議願うわけでございますけれども、法律の中でそういう手当てをいたすことにいたしております。
  142. 小谷輝二

    小谷分科員 今、御説明をいただきました。これは本来なら政府が単独で行う公共事業空港建設ということになると思いますが、国と地方公共団体と民間出資によるところの新会社で建設、管理していくというものになったわけでございますが、この大きなメリットといいますか目指すもの、これは今、一部説明がありましたけれどもどういうことなのか、メリットはどうなのか。また、今まで本会議の答弁等で中曽根総理大臣は民間の活力を導入するモデルにしていきたい、こういうような御説明もございましたが、大臣のお考え方をお伺いしたいと思います。
  143. 細田吉藏

    細田国務大臣 もう既に御承知と存じますが概算要求の段階では、基礎部分、主要部分は公団でやりまして附属部分を第三セクターというふうなやり方で発足しかかったわけでございます。ところが民間活力を活用するということが、第二臨調ができまして以来非常に強く要望されるようになりまして、かたがた政府の財政再建ということも考える、政府からの金をできるだけ少なめることも考えるということとあわせまして、公団という組織ではいろいろ経営に制約が多くて機動性を持つことが比較的難しい。これを民間の株式会社にして自由闊達にと申しましょうか、おのずから限界はあるでございましょうが、相当附帯の仕事もやって、そして少しでも早く借金を返す、そして経営として成り立つというようにしよう、こういうことでございます。一つの大きな動機は、これは早くやらぬと日本の国際航空の状況というのは惨たんたる状態でございますので、早くやりますためにも、こういう形で地方公共団体なり民間の御協力を得ることがすなわち促進にもなるというようなこと、いろいろな点を勘案してこのような形にした、こういうわけでございます。
  144. 小谷輝二

    小谷分科員 今、大臣の御説明をいただきました点で、おおむね今度の新国際空港め建設に対して政府と自治体と民間の三者の出資によるところの会社で進めていくという考え方の大綱はわかりました。今回この会社に対する出資金の予算化されたことにつきましては大きな前進であると考えております。この新会社でいよいよ空港つくりが始まるわけでございますが、この異例な方式といいますか、このような空港建設では初めてとられた会社方式、これが成功するかどうか、これは非常に国民の関心の深いところでございまして、高いところでございます。したがって、法律、政令のこれからの定め方、あわせてその運用、これが大切ではないか、このように思います。  そこで昭和四十九年、答申の出た時点から、地元参画また地元の意向を反映、こういう基本的な精神が強調されました。三点セットの地元協議、これが進められてきたわけでございます。私も大阪府議会に十六年間在職をいたしまして、この地元協議の促進を図ってきたものでございますが、それだけにこの事業の成功のポイントは、いかに地元の意向を把握してこれにこたえるかというところにあると思われます。そのような観点から数点お尋ねをいたしたいと思うわけでございます。  まず第一点は、いま申し上げましたような観点から空港の地元協議も始まったわけでございますから、まずこの新会社は現地性を確保する、このような意味から地元の大阪に本社を置くべきではないか、このように思うわけでありますが、この点はいかがですか。
  145. 細田吉藏

    細田国務大臣 いまおっしゃったように、この会社がどうなるかというのは、地元の御意向がどういうふうに反映できるかということが非常に大きな要素であることは当然だと思っております。おっしゃるとおりだと思っております。本社については、まだどうこう言う段階ではございませんが、事柄の性質上、空港に近いところにできるということについては異論のないところではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
  146. 小谷輝二

    小谷分科員 ちょっと大臣、わかりにくかったのですけれども、決定する段階ではないけれども、意向として地元に置くのが適切ではないか、こういうことですか。
  147. 細田吉藏

    細田国務大臣 一府二県ございますので多少遠慮して物を申し上げたのですが、それと少し早いものですから。常識的には大阪地区に置くということが妥当ではなかろうかというふうに思っておりますが、その程度にさしていただきたいと思います。
  148. 小谷輝二

    小谷分科員 特に地元の創意工夫というのが生かされなければならない、このように思うわけでございますが、そういう面から特にトップの人事面につきましても、地元の実情に精通した人を選ぶべきではないか、このようにも考えるわけですが、この点については大臣のお考えはどうですか。
  149. 細田吉藏

    細田国務大臣 この点につきましても、先ほど申し上げましたように地元との関係が非常に大切でございますので、人事は適材適所でございますから絶対的なものということではないと思いますけれども、やはりよほど地元のことに御精通になった方が当たられるというようなことが望ましいのではなかろうか、こう思っております。
  150. 小谷輝二

    小谷分科員 地元の大阪府の岸知事は、地域の意向を反映するために新会社に管理運営委員会といいますか、管理委員会とでもいいますか、こういうものを設置すべきではないか、このように主張しておりますが、特に対外的な問題等、ルールに乗せて処理をしていくということが最も必要ではないか、こういうことを岸知事は主張しているわけでございますほれども、この点については大臣のお考えは。
  151. 細田吉藏

    細田国務大臣 そのような必要があろうかと思っております。名前その他は別としまして、何らかの形でそういう意見が吸収されるということが必要だろう、かように存じております。
  152. 小谷輝二

    小谷分科員 大阪は特に中小企業の町であり、長年にわたりまして景気の低迷によって非常に経営上危機に瀕しておる、このように私たちは認識しておるわけでございます。特に、この関西新国際室港の建設につきましては最も景気浮揚のチャンス、このように地元はとらえておりますし、また大きな期待を持っております。したがいまして、こういう地元の企業、また地元の中小企業、この方々の期待にこたえるためにも、建設から、また施設の運営等にわたって地元のこのような企業等が参画しやすいような方策を考えていただきたい、このように思うわけですが、この点についてはいかがですか。
  153. 山本長

    ○山本(長)政府委員 空港の建設段階さらには運営段階におきまして、地元の企業なかんずく先生おっしゃる中小企業の参画問題につきましては、究極的には新たに設立される会社というものがその参両方法について検討していくということになるわけでございますが、私たち運輸省といたしましては、その会社を、将来でございますが指導するという立場に立つわけでございます。こういう地元企業の、空港の建設、運営の参画問題につきましては公平に扱う、公正に扱う。また空港地域の調和がとれたような形になるように、この点について考えていく必要があろうかと思います。中小企業の参画につきましても技術面、いろいろ問題があろうかと思います。しかしながら中小企業を官公需については配慮していくという考え方もございますし、そういう考え方に沿って会社を指導していきたいというふうな考えでございます。
  154. 小谷輝二

    小谷分科員 次にアクセスの問題につきまして二、三お尋ねをしたいと思います。  今回の関西新国際空港、これは日本を代表する二十四時間使用可能な空港でございますし、また、これにふさわしいアクセスの整備が必要である、このように思われます。したがって、これには高速道路だけではなくして鉄軌道、鉄道の乗り入れ、また、これに伴う整備をしなければならぬ、このように思うわけでございますが、実際問題といたしまして、鉄軌道を空港まで乗り入れるということにつきましてはかなりの投資が必要でありますし、経営的採算が成り立つかどうかということも非常に問題であろうと思います。したがって、かなりの公共的な援助、これが必要ではなかろうか、このように思われるわけでございます。  そこで空港乗り入れを考えられる鉄道、これが現在隣接しております南海本線、それから国鉄阪和線、二線でありますが、どちらから、どのような形で乗り入れを考えておられるのか。それと同時に、この鉄道を建設する事業主体、これはどのような考え方でなされるのか、この点についてお尋ねをいたします。
  155. 山本長

    ○山本(長)政府委員 将来長きにわたって空港が円滑に運営されていくというためには、道路アクセスだけではなくて鉄軌道が連結しておることが望ましいことは言うまでもございません。先生おっしゃるように対岸には南海本線、それから国鉄阪和線が通っておるわけでございまして、空港の立場から見れば、これは究極的には双方が空港に乗り入れることが望ましいというふうに考えております。しかしながら、これは鉄道自身の経営状態あるいは投資の能力等々の諸般の事情がございます。こういった面につきましては今後会社と、それからさらに地元公共団体あるいは鉄道企業等々の間で十分調整をし、そして具体化に向けて努力をしていく必要があると思います。運輸省といたしましては当然のことでございますけれども、おっしゃるようなルートの問題、事業主体の問題も含めまして、これが具体化に向けて実現していくように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  156. 小谷輝二

    小谷分科員 今度新たにできる空港株式会社、仮称ですね、これが行うのか、それとも鉄軌道この分の新たな事業主体というのをおつくりになっていく考え方なのか。私たちが仄聞するところによれば、南海電車から乗り入れるとしましても、恐らくこれは一社で単独で乗り入れということは考えられないのではなかろうか恥何らかの事業主体というものをこしらえぬと、これは無理なのではなかろうか、このように想像されるわけですけれども、要するに私がお尋ねしたいのは、新たな空港を建設する会社がするのか、それとも別個な事業主体をつくって、そうして鉄道を引き込みされるのか、この考え方はどうですか。
  157. 山本長

    ○山本(長)政府委員 空港と既存鉄道との連絡の問題でございますが、空港と陸岸、対岸の部分までの連絡施設というものにつきましては、この新しい事業主体が建設をしていくという考え方でございます。そこから今度は既存の鉄道までの連絡の施設、これは道路についても同じことが言えるわけでございますけれども、その問題が一つございます。この問題については、先ほど申し上げましたように、どういう主体でつくるということを今ここで私がはっきり申し上げれば一番いいのかもしれませんけれども、この問題については今、関係の向きと協議をしている最中でございます。要するに、それが実現できるような方向で、一番いい方法を考えてまいりたいというふうに考えております。
  158. 小谷輝二

    小谷分科員 それでは、空港に関連をしまして今、南海本線が引き込み線としては一番近いところにあるわけですし、可能性としては一番強いものと考えられるわけです。そこで在来の南海本線の連続立体交差事業、これが都市周辺でございますので、かなり計画されて現在工事中でございますが、その現況について御説明をいただきたいと思います。
  159. 永光洋一

    ○永光政府委員 南海本線は今、先生が申されましたように三カ所におきまして連続立体の交差化事業を行っております。大阪市内と堺市内及び岸和田市内この三カ所になっておりまして、現在、大阪市内の箇所につきましては六十五年度、堺市内のものにつきましては六十一年度、岸和田市内のものにつきましては六十三年度ということで、一応それをめどにして鋭意工事を進めておる、こういうふうに聞いております。
  160. 小谷輝二

    小谷分科員 その中でも特に南海本線の天下茶屋、玉出-萩ノ茶屋間でございますが、この立体交差事業、これはちょうど大阪の市営の地下鉄六号線が南海本線天下茶屋駅で乗りかえといいますか乗り入れということで、同時建設が進められておるわけでございますけれども、当初予定よりもかなりずれ込んでおりますし、おくれております。今、御説明では六十五年完成の見込みの発表でございましたけれども、かなりおくれておりますので、空港建設の六十七年、この時点におきましても、もしこれが非常におくれるということになれば、現在ラッシュ時の難波駅ではほとんど飽和状態だし、いっぱいでございます。六号線でかなり乗客をおろすという考え方もあろうかと思いますけれども、この促進方を特に要望しておきたいと思います。特に、これは建設省との関係も深いと思いますけれども、ここで空港ができますと、その関係によって乗客がかなりふえていくということで、天下茶屋駅で南海本線からおりて大阪市内に乗りかえる、この人数は約二万一千七百、このように大阪市の方は想定しておるようでございますが、要するに空港関連の乗客の、天下茶屋駅にどれだけおろして在来の分よりもどれだけふえてという空港建設によるところの乗降客のふえ方、これについての数字的なものは一応計算ははじいておられるわけですか。
  161. 永光洋一

    ○永光政府委員 ちょっと今のところ手元に数字を持っておりませんが、今、先生、六十七年度までには関西空港が開港するというところで、南海本線のそういう工事が隘路になるのではないか、こういう御指摘でございます。我々としても開港までにはそういう乗降客をうまくさばけるように、本線につきましてもそういう工事については鋭意完成をいたしたい、こういうふうに考えております。
  162. 小谷輝二

    小谷分科員 さらに、これは空港とは直接関係はありませんが、将来は阪和線とも空港乗り入れというのが考えられると思いますけれども、それは別にしまして、国鉄阪和線の美章園から杉本町までの立体交差事業計画されて、今用地買収が一部は進められておると思いますけれども、これは特に立体事業の必要な地域でもございますし、この進捗度また計画、現況どこまで進んでおるのか、完成の見込み等について御説明をいただきたいと思う。
  163. 岡田宏

    岡田説明員 この阪和線の美章園-杉本町間の連続立体交差の計画につきましては、御承知のように昭和四十年代の初めから都市計画上並びに鉄道保安上必要であるということで計画を策定してきたところでございますけれども、これに三階建てと申しますか二階建てと申しますか、阪和線の高架化と高速道路泉北線とを立体化するという話が出てまいりまして、主として道路公害、自動車公害を心配される向きからいろいろな動きが商ったわけでございますけれども、幸い大方の御納得を得まして、五十六年には都市計画決定がなされ、五十八年三月には都市計画事業手続がなされるという段階になりましたので、現在工事協定の問題につきまして大阪市と阪神高速達路公団、国鉄の三者の間で鋭意協議を詰めておりまして、大詰めの段階に来ております。今後は、関係機関の御協力を得まして鋭意工事の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
  164. 小谷輝二

    小谷分科員 説明いただきましたのでよくわかりました。どうか連続立体事業の方も促進をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。
  165. 原田昇左右

    原田主査 これにて小谷輝二君の質疑は終了いたしました。  次に、西村章三君。
  166. 西村章三

    西村分科員 私は、関西新空港問題についてお尋ねをいたすのでありますが、その前に、大阪空港公害訴訟が昨日、政府のいわゆる和解案の受諾という決断によりまして、十四年ぶりに全面的に解決がなされました。これは今後の大阪空港の運営という面におきましてもまことに望ましいことでございまして、私ども大変に喜んでおるところでございます。問題は、なぜ十四年間も、この問題が社会的に大きくクローズアップされ、しかも我々にいろいろな教訓を与えたかという観点からいたしまして、今後の空港運営あるいは空港建設にいろいろな示唆を与えるだろうと思うのでありまして、これからの空港建設につきましては十二分にこれらの諸点をとめていただいて、御活用願いたいと要望をいたしておきたいと思います。  さて、新空港でございますが、来年度の予算措置によりまして、いわゆる空港建設のための事業主体、これが設立をされる運びになりまして、いよいよ計画段階から実施段階に入ってきたということでございます。  顧みますと、昭和四十九年に航空審議会から、泉州沖が最適だ、こういう答申をいただきましてからおよそ十年間であります。大変長い期間であったわけですが、その間、環境問題あるいは財政問題、幾多の難関を抱えながら、しかも地元のコンセンサスを十二分に得たいという、理解を求め協議を進めることに努められまして、ようやく計画がここまで進捗をしてきた。私どもも、このことにつきましては非常に敬意を表しておるわけでございます。長い間、歴代運輸大臣あるいは関係の皆さんの非常な御努力は高く評価をするものでございます。  ただ問題は、いよいよこれから実施段階に移るということでございまして、今国会に提出をされております関西国際空港株式会社、この法案が成立をいたしますと、一気に加速をつけて、これらの建設事業というものが急ピッチで展開をされるわけであります。問題はまさに正念場、これからだと申し上げておきたいと思います。  そこで、時間が限られておりますので具体的な問題に入るわけでございますが、まだ法案が十二分に審議をされておりませんので、どの程度お答えいただけるかわかりませんけれども、今想定をしておられます新会社の組織、構成あるいは新会社の規模としてどの程度のものを考えておられるのか、まずこの点について伺いたいと思います。
  167. 山本長

    ○山本(長)政府委員 新会社の組織をどういう組織にするか、その規模をどの程度にするかということにつきましては、今後、これは法案が通らなければ正式な準備作業には入れませんけれども、会社設立までに発起人事務を行う設立委員が任命される手当てになっております、そういう設立委員、それから関係省庁、関係地方公共団体等各方面と十分相談をいたしまして決定をしていくということになるわけでございます。しかし、運輸省といたしましては、この事業主体というものに弾力的、効率的な経営を期待しておるわけでございますので、硬直的な組織でないように、かつまた可能な限り必要最小限度の少数精鋭といった組織体となるように運輸省としても働きかけていきたいというふうに考えている次第でございます。
  168. 西村章三

    西村分科員 公共事業としては初めての民間活力の導入という、いわば行政改革の時代にふさわしい一つのあり方ではないか、こう思うのでありますが、それだけに効率的な運営が必要でございます。さらに泉州沖というのはいわゆる近畿圏、その中の大阪、そういうところでございますから、そういう現地性というものも考えますと、その本社は当然大阪に設置をされるべきであろうと思いますし、また会社のトップ人事、これは一部マスコミで先行されているようなことでございますが、これとて地元に精通した人材をぜひ確保して起用願いたい、我々は強い希望を持っておるのでございますが、この点については大臣からお願いしたいと思います。
  169. 細田吉藏

    細田国務大臣 この点に関しましては、実は大臣が今ここで決めるということで発言するわけにはまいりません。しかしながら、会社の性質上これは大阪地区に置かれることが望ましいんじゃなかろうか、かように思っておりますし、また人事面につきましても、現地の地方公共団体あるいは現地の民間の皆さん方との関係が円滑にいくということによって会社がうまくいくわけでございますから、そのような方向で考えられるべきである、そういうふうに運輸大臣としては期待をしておるというふうに申し上げさせていただきます。
  170. 西村章三

    西村分科員 地元の方の強い要望でもございますし、運輸大臣、期待という言葉をお使いになりましたが、ぜひそれを実現していただくように、また側面的にも御努力をお願いいたしたいと思うのでございます。  次に、申し上げるまでもないのでありますが、大阪は中小企業の町でございます。新空港を景気浮揚のチャンスとしてとらえまして、いわゆる新会社に出資してでも仕事を確保していこう、こういう機運も非常にございます。また、そういう企業者も多いわけでありますが、こういった地元の中小企業が空港の建設やあるいは運営に参画できるような道が、この法案の中では開かれておるのかどうか、あるいは今後開こうとするのかどうか、この辺についてお尋ねをいたします。
  171. 山本長

    ○山本(長)政府委員 空港の建設段階、それから運営段階に入りましても、地元の企業どこの新しい会社というものについてはいろいろな面で関係があるわけでございます。そこで、お尋ねの地元の企業、なかんずく中小企業の参画問題につきましては、具体的には新しく設立される会社が取り扱いを決めていくということになるわけでございます。  運輸省といたしましては、この会社を指導する、監督するという立場になるわけでございますけれども、この空港建設あるいは運営段階におきます地元企業の参画に際しましては、公正競争であり、かつ公平な取り扱いをすることがまず必要であろうかと思います。また、空港地域社会というものは共存共栄、調和のとれた形で進めていかなければならぬという観点から配慮していかなければならぬという考えでございます。さらに、いろいろな事業によりまして中小企業の単独ではいかがかというものについては共同的な体制をとるというふうなことも必要かと思いますが、会社でございますから、どういう取り扱いになりますか、官公需という扱いになるかどうかはともかくといたしまして、公共的な仕事をやる事業主体でございますから、中小企業について十分配慮するというふうな考え方が今までございますので、そういう考え方を踏まえまして会社に対して我々も対処してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  172. 西村章三

    西村分科員 どうか大阪という一つの特殊な面を持った中小企業の多い町でございますので、ぜひ、そういったことも配慮していただきますようにお願いをしておきたいと思います。  それから、空港本体の問題についてでございますが、新空港収支採算性につきましては、昨年来、運輸省と大蔵省の間で詰めが行われたと伺っております。当初、私ども五十六年の三点セットを示されました時点では、工事はおよそ一兆一千億円ぐらいの規模だったと思いますが、その後どんどんと縮小といいますか、小さくなってまいりまして、今度の計画案ではおよそ八千二百億円に圧縮されたのではないか。これはどの部分を予定の工事から削ったのか。一番心配をいたしますのは、やはり無理な削減をいたしますと安全性やあるいは環境にマイナスを及ぼさないか、こういう懸念があるわけでございます。その辺の点は一体どうなっておるのか。絶対に安全を確保することができるのか、さらには環境について責任を持つことができるのか、答えていただきたいと思います。
  173. 山本長

    ○山本(長)政府委員 この収支採算の面からもございますし、また資金調達の規模という点からの配慮もございますが、工事費の削減というものは安ければいいというものではないはずでございます。私たち、この空港の建設計画を考えましたときに、当然、航空審議会の答申がございます全体計画というものを踏まえて第一期の計画を策定しているわけでございますが、最初空港をオープンする規模というものは、もちろん空港の機能に欠陥があってはいけませんけれども、必要最小限度にして、かつ機能的に十分なもの、そういう範囲においてできるだけ早くオープンするという考え方で進めてきたわけでございます。  その結果、第一期計画と言っておりますけれども、その規模は面積にいたしまして約五百ヘクタールにいたしております。滑走路の長さは三千三百メートルというふうにいたしております。こういった点が工事費削減の一番大きな要素でございますが、しかし調査がどんどん進んでまいりまして土質の条件もはっきりしてまいりました。そういった点とか、あるいは護岸あるいは地盤改良工事の実験等もやっておりまして、そういった成果を踏まえまして、工事費を無理のない限度においてできるだけ合理化をしていった、こういう結果でございまして、決して無理なものではございません。さらにまた、これによって御心配のような環境の破壊がさらに大きくなるというふうなおそれはないというふうに考えてわる次第でございます。
  174. 西村章三

    西村分科員 昔から安物買いの銭失い、こういう言葉があるのでございますが、そうは申し上げませんけれども、ひとつ将来に安全性あるいは環境の面で阻害をされないように御配慮をお願いしたいと思います。  ただいま航空局長の方から滑走路につきましても三千三百メートル、当初の四千メートルから大きく後退をしたようなことになっておる、こういうことですが、国際空港としては四千メートルというのはいわば世界の常識でございます。当面この三千三百メートルで空港としての機能を十二分に果たすことができるのか、まずそれが第一点。そして将来、この延長は当然需要の増大に応じてやらなければならないことだと思うのですが、この第一期工事の中では、そういう面も考慮して工事をなさるのかどうか、明らかにしてください。
  175. 山本長

    ○山本(長)政府委員 三千三百メートルで十分機能を果たせるかというのが第一点の御質問であったと思いますが、四千メートルが望ましいことはもちろん言うまでもございません。先ほど申し上げましたような考え方で、最小規模のものをもって第一段階としてはオープンするという考え方で三千三百にしたものでございますけれども、現在、世界で飛んでおります航空機の中の一番大きな航空機がいわゆるジャンボと言われるB747航空機でございます。この航空機でもって、あの泉南の地域から飛び立った航空機が、特段の重量制限もなく三千三百メートルの滑走路でもって行けるというのは、アメリカの東海岸、例えばニューヨークと申しましょうか東海津地域を除きまして世界各地、具体的にはアメリカの西海岸あるいはヨーロッパに行く場合はモスクワ、アンカレジ、あるいは東南アジア等へ行くものについては全く支障がございません。四千メートルと三千三百メートルの差と申しますか、それはアメリカの東海岸にジャンボで直行ができないというところでございます。  しかしながら、この点につきましては、第二の御質問にございましたけれども将来への対応措置を講じておりまして、三千三百メートルでございますけれども、四千メートルに延長し得るように地盤改良工事をあらかじめやっておくという計画に実はしておるわけでございます。地盤改良工事は相当大きな、高いクレーンを使うものでございますから、それを後でやるということでは空港の運用に支障が生ずる。したがってそういう高い機械を持ってきて行うことが必要だという工事につきましては、あらかじめ手当てをしておきまして、将来に禍根を残さないようにという配慮をいたしておるのでございます。
  176. 西村章三

    西村分科員 次に、空港建設をするためには大量の土砂が必要であります。当面この第一期工事でどれくらいの土砂が必要になるのか。また、これは現在運輸省が調査をしておられます、いわゆる候補地五カ所を挙げておられますが、そのうちの一カ所で採取ができる量なのかどうなのか。これはどうですか。
  177. 山本長

    ○山本(長)政府委員 今回事業化に取りかかろうとしております第一期計画に必要な土砂の量は約一億五千万立米程度と見込んでおります。この土砂の採取場所につきましては、現在運輸省におきまして、泉南市及び岩出町というところがございますが、その以西の大阪府南部と和歌山の北部の丘陵地域を調査対象地域といたしまして、候補地の選定のための基礎資料を得るための調査をいたしておる段階でございまして、候補地を特定をいたしておるわけではございません。  また、この土砂につきましては、既存の土砂供給地からの土砂の供給というものも可能性としてはあるわけでございますので、その新しく取るところからの量というものが幾らになるかということを現段階で確定的に申し上げるわけにはまいりませんけれども、常識的な線といたしましては、やはり一ないし二カ所程度が常識的な線ではなかろうかというふうに考えておるのでございます。
  178. 西村章三

    西村分科員 既存のところというのは具体的に一体どこを指されるのか、この辺が聞きたいわけでありますし、この候補地、採取地を最終的にだれが、いつごろまでに決定をするのか、さらに土砂採取の事業主体といいますか、これは一体どこがやられるのか、この辺も明らかにしていただきたいと思います。
  179. 山本長

    ○山本(長)政府委員 既存の採取場所ということがどこかというお尋ねでございますが、大阪湾に面する地域において土砂が採取され搬出されておるところがございます。どこどこというのはここで省略させていただきますが、おわかりになると思います。  その新しい土砂採取地をだれが最終的に決めるのか、あるいは事業主体はどうするのかというお尋ねでございますけれども、現在、先ほど申し上げました諸般の調査をやっております。運輸省が直轄事業として行っておりますこの調査事業が、新しくできました会社に引き継がれていくということになると思います。したがって、その調査を会社が引き続き検討を行ってまいるわけでございますが、その調査の結果として得られるデータに基づきまして、防災面でございますとか経済性、環境への影響の度合いあるいは土砂跡地の利用計画等々を勘案いたしまして、特に地元と非常に関係の深い事業でございますので、地元の関係機関と調整の上、決定をするということになるものと考えております。  事業主体につきましては、第一義的には、土砂を必要とするのがこの新しい会社ということでございますので、この会社というふうに考えておりますが、運輸省といたしましては、必要となる土砂採取の経済性あるいは安定的な供給を得る、あるいは跡地が適切に行われるというふうな、そういった観点から最も適切にそれに対処し得るものが一番いいというふうに考えております。第一義的にはこの会社というふうに考えておりますが、そういった観点から会社が面接やるのがいいのか、もっといい方法があればそれを採用する方法がいいのか、その辺については現時点では最終的な結論を得るに至っておらないのでございます。いずれにいたしましても極めて地元と関係の深い仕事でございますので、関係機関と十分に協議、調整を行った上で決めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  180. 西村章三

    西村分科員 わかりました。円滑なこれからの空港建設を推進しようといたしますと、当然のことながら地元とは緊密に連絡をとりながら理解と協力を求めていくというのが筋でありますが、今回の新会社という事業主体におきまして例えば地元の意向をどのように入れていくのか。これは先ほどの中小企業の加入の問題とも関連をいたすわけでございますが、当初、公団と第三セクターのときには運営協議会ですか、こういうものを設置する意向だということを承っておったのですが、今後そういう仕組みをどういう形でやっていこうと思っておられるのか、運輸省の意向としてぜひ聞かしていただきたいと思います。
  181. 山本長

    ○山本(長)政府委員 この新しい会社は、地元の地方公共団体、民間が国とともに出資者として経営に参画していただくということでございますので、そういった出資者としての参画を通じまして地元の意見というものが空港の建設、運営に反映していくというふうに考えられます。しかしながら、こういった出資という形だけでなく、地域社会と調和を図るために、地域関係者と十分意思疎通を図りながら建設、運営を進めていくということは極めて重要なことでございます。そういった地域の声を反映させ得るような仕組みにつきまして、どういう方法が一番いいかということについては結論を得ておりませんけれども、今後検討をしてまいりたい、あるいは会社を指導してまいりたいというふうに考えております。
  182. 西村章三

    西村分科員 出資者が優先的になる、こういうお話でございますけれども、空港建設の地元中の地元というのはいわゆる泉州の八市五町でございますが、これらの建設の地元の地方公共団体としては、いろんな問題が派生してくることは火を見るよりも明らかでございます。したがって、新会社とそういう部面でのいろいろな協議をしなければならぬときに、そういう機関がなければ非常に困るということでございまして、苦情の処理も含めまして今からそれは設置をする方向でぜひ検討願いたいと私は思うのですが、いかがでしょうか。
  183. 細田吉藏

    細田国務大臣 おっしゃるように名前はともかくとしまして、そういう協議会といいましょうか管理委員会といいましょうか、そういうものをつくらなければならぬ、かように思います。
  184. 西村章三

    西村分科員 時間が乏しくなってまいりましたのではしょりますけれども、空港が機能するためにはやはりアクセス交通体系、これはいろいろと考えておられるようでありますが、今の時点では、この前の三点セットのときに示されましたいわゆる地域整備の中の交通アクセス、これが基本になろうと思うのであります。それで間違いございませんか。
  185. 山本長

    ○山本(長)政府委員 三点セットの中で運輸省としてのアクセスについての考え方というものを地元に示したわけでございます。今後この空港のアクセス問題を検討してまいりますときに、運輸省の所管の限界もございますから、運輸省の考え方というものだけではなく、関係機関と十分協議、調整をしながら、実現可能性があり、かつ期待できる案というものを詰めていく必要があると思います。今後は運輸省関係機関に働きかけて具体策を考えてまいりたいというように考えております。
  186. 西村章三

    西村分科員 アクセスの内容とともに建設の時期といいますか、これについても非常に重要だと思うのであります。成田の失敗を繰り返さないためにも、基幹的な鉄道と道路、この整備は当然のことながら急がなければなりません。  そこで具体的にお尋ねするのですが、近畿自動車道和歌山線というものが今急ピッチで建設に取り組んでおられます。その近畿自動車道和歌山線あるいは第二阪和国道から空港に至る空港連絡道路、これがなければ、せっかく基幹的な道路をつくりましても意味をなさないのでありますが、このルート決定がまだ何ら明確にされておらない、事業主体も決まっておらない。だれがどのような手順で、これからこれを進めていくのか。御承知だと思いますけれども、道路の場合、都市計画決定をいたしましてから完成までおおよそ十年かかるのが通常であります。六十七年開港に果たして間に合うのかどうか非常に心配をいたしているわけでありまして、この近畿自動車道から、あるいは第二阪和国道から空港に至る空港連絡道路、このことについて基本的な見解をお持ちなら聞かしていただきたいと思います。
  187. 山本長

    ○山本(長)政府委員 建設が進められております近畿自動車道和歌山線及び、より海側に走っております第二阪和国道と空港とを結ぶアクセス道路というものは、空港の円滑な運用上不可欠な道路であるというふうに考えております。空港から陸岸までに至ります連絡施設につきましては新しい事業主体でもって整備をしていくという考え方でございますが、その連絡橋から近畿道までの道路につきましては、道路法の体系の中で整備が行われるということを私たちは期待しておりまして……。
  188. 原田昇左右

    原田主査 時間ですから答弁を簡潔に願います。
  189. 山本長

    ○山本(長)政府委員 はい。建設省等関係者に対して協力をお願いしている次第でございます。
  190. 西村章三

    西村分科員 道路に限らず、南海本線からの乗り入れあるいは阪和線からの乗り入れも同様でございまして、至急にそのことの策定をしていただきたい。  最後に、空港問題は御案内のとおり新たな段階を迎えたわけでありますが、空港本体の建設にとどまらず、特に交通アクセスを中心とした地域整備につきましては、政府が一体となって取り組まれますことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
  191. 原田昇左右

    原田主査 これにて西村章三君の質疑は終了いたしました。  次に、瀨長亀次郎君。     〔主査退席、中西(啓)主査代理着席〕
  192. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 私は、ACMIについて質問いたしますが、その前に二つ確認したいことがあります。  一つは、共産党は、言うまでもないことだが、もちろん安保条約、軍事同盟には反対である。自民党・政府は賛成でその堅持、根本的に非常に違っております。しかし、政府は常に現在の安保条約に基づいて提供された区域、施設の整理縮小、これを整理縮小していくことは基本的な姿勢として総理はもちろん大臣もそういった考え方を持っておる。とりわけ全国の基地の五三%も占め、量質ともに強大な米軍基地のあるところについては、各大臣とも常にこの整理縮小の問題は言っておられる。そういう点で、細田運輸大臣は防衛庁長官もやられたことがあるので、その意味でこの点の整理縮小については、当然のことながら大臣もその方針であるというふうに見ていいわけですか、これから聞いておきたい。
  193. 細田吉藏

    細田国務大臣 米軍の訓練空域の問題につきましては、日米安保条約の円滑な運用を確保する範囲の最小限度のものであることが望ましい、私はこのように考えております。
  194. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 それから、直接ACMI、特にきょうは空域と水域について質問いたしますが、一昨年の五十七年二月二十七日第五分科会で私は小坂運輸大臣に質問して、米御提案のACMI空域は沖縄の航空路の要衝の点に当たっているので同意できない、こう答弁されました。さらに米側の配慮、再考を促すということで交渉を続けさせると答弁しております。次に、去年、五十八年三月四日の予算分科会でやはり私の同じような質問に、そのときの長谷川運輸大臣、これは小坂運輸大臣と同意見であるということを答弁されました。細田運輸大臣もそういった考え方は基本的に同じだと思いますが、いかがでしょう。
  195. 山本長

    ○山本(長)政府委員 この問題は相当長い時間の経過がございますが、ACMIの空域問題につきましてアメリカ側から提案があり、その提案につきまして民間航空の安全の立場からその提案は困るといってお断りをしたという経過がございます。その時点における御答弁を先生は今おっしゃったものと思います。時間の経過とともに米軍もその提案を改め、現在最終的な段階に差しかかっているというふうに理解をいたしております。
  196. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 私は大臣の意見を聞いておるのですよ。小坂さんも長谷川さんも、とりわけ空の安全、陸海空の基地をアメリカが握っておりますから、これを整理縮小して、そして日本国民が主権者となって空も海も陸も使えるような面積を広くした方がいいわけなんです。だから、私は二人の大臣に対して同じ質問をやったら、そのとおりだという説明をしておられたわけなんです。そういう意味で、いわゆる空の安全の確保のためには運輸大臣は一番最高の責任者ですから、その点を大臣に聞いておるのですよ。今の実務的な問題は、局長、後で聞きますから。
  197. 細田吉藏

    細田国務大臣 今おっしゃいました基本的な点につきましては、これは私も同感でございます。  先ほどから申しますように、日米安全保障条約を円滑に運用していくという範囲での最小限度であるべきであって、日本の空は日本人の手でなるべく広く守るというか確保するということが本筋だ、かように考えておる次第でございます。
  198. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 これからの質疑で参考になると思いますので、このACMIの水域、空域についての文書を政府委員委員に渡していいですか。
  199. 中西啓介

    中西(啓)主査代理 はい、許可します。配ってください。
  200. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 そこで、今度局長の番です。  今私が手に入れたのは、那覇防衛施設局長から沖縄県漁業協同組合組合長会会長あてに「航空機戦技訓練評価装置の設置に伴う漁船の操業制限水域の設定について」という依頼の通知が出ております。これも、もちろん施設局長ですから防衛施設庁はそれは承認されておる。また、ここに質問に立つ前に運輸省から聞いてもこれは認めておる。  そこで、問題になるのは、今配付しましたこの中に書かれている、これはわかりやすく表に書いたものなんですよ。これで最初に聞きますが、この新しく提供される空域、この表では緑の線になっていますね。これは(1)から(5)までで、ACMI空域(1)が北緯二十六度五十三分、東経百二十八度五十五分云々ということで(6)までありますね。これは普通ではその広さがわからないですよ。平方キロなら平方キロとして新しくアメリカに空域を与えると、これは大体幾らぐらいの面積になりますか、説明してください。これは普通ではわからぬですよ、どのぐらいになるか。大きい広さでしょう。
  201. 山本長

    ○山本(長)政府委員 約四千平方キロと計算されます。
  202. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 それで、四千平方キロの空域を新しくアメリカに提供したわけだ。これはホテル・ホテル空域、あれからはみ出しているのは、あんたの言う四千平方キロメーターなんです。縮小じゃなしに拡大だな。局長、どうなんです。縮小じゃないでしょう、拡大でしょう。
  203. 山本長

    ○山本(長)政府委員 おっしゃるとおりであります。
  204. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 大臣、いまの局長の言われるとおり、縮小ではなくて拡大だな。私が最初に、できるだけ空も海も陸も基地は縮小し拡大させない、縮小して、そして日本国民が主権者として使えるものが大きくなるということが、当然のことながら政府の、自民党の主張だったが、これでは拡大になっている。四千平方キロメーターというわけだ。それで、局長、これは北緯、東経何度何分なんです。ちょっと常識ではわからぬでしょう、我々には。大きい面積がアメリカだ。  次に、大臣ではなくて局長に伺いますが、これでいわゆる実弾射撃はできないから、ミサイルも使えないから、F15戦闘機がこの空域に飛んで戦闘するんですよ。実弾でやると当たったら落ちますから、実弾でやらないが戦争する。それを命中、それた、ということは、今のこの施設のところで、嘉手納基地でキャッチして信号する。これはまさに戦争状態なんです。それで暴風雨には普通の軍事常識でいかぬと思いますが、訓練時間もちゃんと書いてある。六時から二十時まで。それはそうでしょう、夜はやらぬでしょう。昼やる。常時やる。それで、何機ずつの訓練をF15はやるか、答えてください。
  205. 山本長

    ○山本(長)政府委員 このACMI問題に関して、私たち民間航空の安全を確保するという立場にある者といたしましては、こういった空域が設置されることによりまして、民間航空機の航行の安全というものに支障があってはならない、また交通の流れに大きな変化を与えてはならない、こういうことが一つの基本的な我々の考え方でございますし、さらに、先生がおっしゃるように、確かにこの空域だけについて見れば拡大ですけれども、沖縄地域における空域の現状から見まして、ACMI空域というものを日本として提供するということであれば、民間航空の安全の立場を所管している私たち運輸省の航空局といたしましては、既存の訓練空域をそれとイコールかあるいはそれ以上の程度まで縮減をしてもらいたい。もう一つは、沖縄地区において私たちVOR航空路というものの設定作業をやっておりますけれども、そのVOR航空路の設定に抵触するような空域であって訓練空域となっておるものについては、そこを削ってもらうというようなことによって航空路の設定を確保する。この以上三点が我々の基本的な態度でございます。これを最初に申し上げたいと思います。
  206. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 私の質問はそれじゃないですよ。私の質問は、空域に設定されましたね。今度はこの土俵を聞きましょう。新しく四千平方キロと言いましたね。土俵がありますね。相撲をとるのだから土俵がある。この訓練空域の範囲は幾らか、これを答えてください。それが何平方キロメートルか。いま聞いたのは、新しく提供されるのは四千平方キロと言ったが、向こうで戦争するのでしょう、実弾なしの。この空域は幾らくらいか、答えてください。
  207. 田中滋

    田中説明員 ACMIの訓練としましては、航空機対航空機の文字どおり戦技向上を安全かつ効率的に図るということが目的でございまして、ACMI空域に設定されます空域におきまして、実弾を一切使用せずに高々度で訓練を実施するというふうに承知しております。
  208. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 私が聞いておるのは、局長は四千平方キロと言ったでしょう。新しいものですよ。ところがそれだけではいかないでしょう、戦争の訓練をやるのだからね。だから、その土俵だ。幾らくらい使うのかということを聞いておる。
  209. 田中滋

    田中説明員 今回ACMI空域としまして米側要請にあります文字どおり空域は、これは従前からございますホテル・ホテル水域、空域に付加される、位置的にそのような関係にございますので、実際米側がACMI空域として運用するのは、既存のホテル・ホテル空域の一部も含んだ、あわせてその空域におきまして訓練を実施するというふうに私どもとしましては理解しております。
  210. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 大臣、おっしゃるとおり、ホテル・ホテル空域の一部も訓練空域になるのですよ。土俵が大きくなっていくわけだ、戦争隊形をとるのだから。  それでは、F15が嘉手納基地におるでしょう。嘉手納基地から、常時ですから、六時から二十時までと書いてあるでしょう。常駐ですから、毎日いわゆる何機編隊で行って、これはA班、B班になるかもしれませんが、撃ち合うのですよ。何機でどうやって訓練するのか。それを説明してください。
  211. 田中滋

    田中説明員 いまお尋ねがございましたようなACMIの実際の具体的な訓練内容につきましては、私どもとしましては承知しておりません。
  212. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 では、もう一つ。嘉手納基地から飛んでいきますね。飛んでいって、この前の委員会で八機と言っていました。四機ずつに分かれるか、そして撃ち合いをやる。これは何機やるかわからぬと言っていますが、わからぬところが危険なんですよ。  もう一つ聞きますよ。嘉手納から飛んでいきます。どこの線で分かれて今言った土俵、空域に入るか説明してください。局長でいいですよ。一カ所から出るわけだ。
  213. 石井俊一

    ○石井説明員 お答え申し上げます。  F15が常駐しております嘉手納の基地と訓練空域の間をどのように往復するかということにつきましては、一応私どもと米軍との間の話し合いにおきましては、とにかく民間航空交通の安全に支障のないようにということで、これは米軍も了承しております。したがいまして、これから正式の合意を見た上でまたいろいろ細かいことは話し合うわけでございますけれども、やはり経路、高度等をきちんと設定する、あるいはレーダー監視をきちんとするといったような措置をとりまして、民間航空交通の流れに支障なく、かつ十分な安全を保障したいというふうに私どもこれから十分話を詰めていく所存でございます。
  214. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 それは危険ですよね。一カ所から出るわけだ。F15、嘉手納におる。だから、これが飛んでいきますよ。八機飛んでいって、どこで分かれて土俵に入るかということがわからぬわけです。でしょう。ただ、民間航空機の安全のためにそれを確保するということはわかっているが、どう確保するか。これがどう飛ぶか。戦争ですから、向こうは戦争隊形をとるのですよ。あれは普通の常識では考えられぬですよ。陸では機関銃をもって、いろいろな戦車をもってやりますが、空中ですから、空中で戦闘するのですよ。実弾じゃだめだから、だからこのACMIができたわけです。これは朝鮮にもありますね。イタリーにもあるでしょう。日本では沖縄が初めてだ。そういうことをわからぬわけだ。わからぬから不安なんですよ。我々が、私もあなたも不安だけれども、大臣も不安だ。どういってこの八機なら八機――十二機になる可能性もあるというんだな。六機、六機やるのか。これがどういうふうに立って、立つところは一カ所ですよ。一カ所どういうふうに立ってどこで分かれて土俵に入るのか。土俵というのは今のACMIのあの土俵ですよ。これはわからぬ。  もう一つ聞きますが、航空自衛隊はこれを使うのでしょう、共同使用。
  215. 上田秀明

    上田説明員 航空自衛隊としても、一般的にACMIというような施設において訓練を行えば、練度の向上維持に有益であろうという考えは持っておりますが、ただいまの具体的な、沖縄でございますか、ACMI設置についていろいろお話し合いが行われているようでございますが、最終的に具体化しておりませんので、自衛隊の方としてはこれを具体的に使う使わないということについては検討を行っておりません。
  216. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 五六中業には使うと書いてありますね、一緒に共同訓練。見たのを覚えていますか。――覚えていない。五六中業に書かれているのですよ、大臣。  それはそれとして、そうなるとますます複雑で危険度が増すわけです。一方、F15は嘉手納基地から飛ぶ。今度は自衛隊基地から飛んでいく。これがどこでどういうふうになっていくかという問題になると、ますます危険度が大きくなっていく。  私は、この点でいわゆる精密にもっと聞きたいことがありますが、これを許可した場合に、局長が言った三つの条件、この条件などという条件は空の安全のためのチェックには絶対なり得ない、これなんですよ。基地は縮小じゃなしに拡張しておいて、それで、使う土俵は現在のいわゆるホテル・ホテル空域、これまで土俵になっていくのですよ。四千平方キロメーターじゃもちろん足らぬですよ、土俵は。それで、空域が今度はホテル・ホテル空域までもう戦闘状態に空がなっていく。その場合、私は、ここでの最後に、これは大臣に聞いた方がいいと思いますが、今度は嘉手納RAPCONの問題だ。  これは一九七二年、というのは沖縄が祖国復帰した年の五月十五日、これでこう書かれています。「嘉手納飛行場及び那覇飛行場の周辺における航空交通の安全運航上の必要性に鑑み、これら飛行場に対する進入管制業務は単一の施設が実施すべきであることについて相互に同意する。」こっちかもだ。「従って合衆国政府は、日本国政府がこれら飛行場に対するレーダー進入管制業務を行うことができるまでの暫定期間、これらの飛行場に対する進入管制業務を実施するものとする」。  暫定期間は一年でもいいし二年でもいい。復帰して十二年ですよ。復帰して十二年になるまで――私は運輸省がこのいわゆる進入管制業務をやり得る能力は十分あると見ているのですよ。局長が答えますか、大臣が答えますか。あるでしょう。これはあなた、十二年にもなるのですよ。暫定、暫定で一体何十年続くのです。これから答えてください。まだアメリカがいる。
  217. 山本長

    ○山本(長)政府委員 進入管制業務というものが米軍により行われております。その経緯は、先生がおっしゃったその取り決めが契機でございますが、実態的にあの地域におきましては、嘉手納、那覇等空港がたくさんございますから、要するに進入管制業務は一本で行わなければならぬという事情があることもまた背景としてあるわけでございます。この点につきましては、日本側におきましても、この沖縄地域だけの問題に限らず、米軍の空域等の日本への返還問題について全般的に我々としてその求める時期等について検討をいたしており、また、包括的に我々と米軍との間の折衝におきましても相談をしつつある段階でございます。
  218. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 大臣、暫定的でしょう。この暫定が長過ぎるということを言うのですよ。十二年ですよ。私は、大臣の管轄下にある運輸省はそれだけの能力があると思うのですよ。十分ある。いろいろ出先の航空管制官にも聞きますと、十分あると同じことを言っているのです。もう一つは、できないのは、能力はあるが、米軍が優先するというあの五・一五メモに言われているように、優先的に使うということがあるので、それに制約されてできぬのか。ここら辺だな。大臣、私はあると思うのですよ。これは一言でいいから、大臣の口から言ってください。
  219. 細田吉藏

    細田国務大臣 おっしゃることはよくわかります。また、特におっしゃる気持ちはよくわかります。しかし、安全保障条約に基づくいろいろな折衝については、なかなかこちらの言うことが通らないという場面もいろいろな場面にはあるわけでございます。この点については、今航空局長から申し上げましたように、我々としては、私は力は十分あると思います。(瀨長分科員「あるでしょう」と呼ぶ)ですから、できるだけの努力はしなければならぬと思いますが、何といいまして・も、大もとに日米安全保障条約というものを持っているわけでございますので、そこらにおのずから限界があることも御了承願わなければならぬ。瀨長先生のお立場では絶対にもともとは反対でございましょうから、そういうことはだめだ、許せないとおっしゃるに違いないのですけれども、我々の立場でございますと辛抱しなければならぬところもあるということも御了承賜りたいと思っております。
  220. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 時間がないので、大臣、少し要請しておきます。  独立国日本の政府運輸大臣でしょう。これを見たら、六百メートルぐらいまでこっちだな。それ以上、六千メートルですか、一番いいところをアメリカに握られている。人間で言えば骨と筋肉を握られて皮だけ残っている、この日本の政府のあれ。これは一日も早く進入管制権の問題を日本に取り返すように奮闘してください。お願いしますね。そうしないと、空も海も陸もやられて独立日本国と言えないですよ。  最後に、一分ぐらいしかかからぬから言いますが、那覇基地の救難訓練問題、これは救難訓練と言ってはいるが、航空自衛隊の防衛部長から自衛隊の訓練を向こうでやろうというわけだ。ところが、那覇空港は、今でも自民党も含めて民間専用にしてほしいというところなんです。このところで、しかも滑走路から七百六十メートル、補助滑走路から四百八十メートルの訓練場で、高度三百メートルから四百メートルでやろうというわけだ。これは運輸関係上、空の安全のために許してはいかぬ。この前我々が空港事務所長と会ったときに、総合的に考えてこんなのは困難だ、拒否するという返答をしております。これは当然だと思うのです。これは責任を持っていますかうね。運輸省が管理する那覇空港の飛行場管制圏内に入っている場所なんですよ。これを自衛隊が使うと要請しようが、運輸省としては拒否する。これは本当の空の安全――これは県議会でも、民間航空専用にしようという、自民党を含めて全会一致ですよ。そこで自衛隊が訓練をするということなので、この点ははっきり大臣断ってください。どうですか。これは最後の質問です。
  221. 山本長

    ○山本(長)政府委員 降下訓練をやることについてどうだろうかという非公式な話があったというふうに現地からの報告は聞いておりますが、具体的に先生おっしゃるような訓練計画があるかどうかについて、防衛庁にも問い合わせましたところ、現在具体的な計画はない、こういうことでございます。
  222. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 もう締めますが、大臣施設庁、もし万一あっても、これは那覇空港の責任者が言われておるように拒否してくださいね。どうですか。
  223. 細田吉藏

    細田国務大臣 民間航空路の安全の確保ということを第一義的に考えるということで、十分御注意を承りました。
  224. 瀬長亀次郎

    ○瀨長分科員 終わります。
  225. 中西啓介

    中西(啓)主査代理 これにて瀨長亀次郎君の質疑は終了いたしました。  次に、奥野一雄君。
  226. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 青函トンネルの問題と連絡船の問題についてお尋ねをしてまいりたいと思いますが、最初国鉄当局の方にちょっとお尋ねをしてまいりたいと思うのです。  青函トンネルが完成した場合に、国鉄はこれを使用することを決めておられるかどうか、これが第一です。そして、もし使用するというふうに決めておられるとするならば、年間約八百億円からの借損料というものを約三十年間にわたって払っていかなければならないわけでありますけれども、これについて払えるという見通しがあるかどうか、この点についてまずお尋ねをしたいと思います。
  227. 竹内哲夫

    ○竹内説明員 青函トンネルは現在鉄道建設公団の手で建設をされておりますので、現在も法律上のルールに基づきますと国鉄が運用をするということではないかというふうに思っております。  それから、借料の関係でございますけれども、これにつきましては大変巨額な借料が必要であるということで、現在の国鉄の財政状況ではこれを負担することは難しいということで、政府に対してもこれを何とかしてもらいたいということをお願い申し上げているところでございます。
  228. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 最初の方がよく聞き取れなかったのですが、建設公団で現在つくっていることは私もよく承知していますが、国鉄当局としては、そのトンネルが完成した暁にトンネルを使用するということについてお決めになっているかどうか。決めているとか決めてないということで、はっきりその点だけ答えてくれればいいと思います。
  229. 竹内哲夫

    ○竹内説明員 使用するということで考えております。
  230. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 使用するということで考えておられるということなんですが、そうすれば、当然、今後段の方で申し上げました借損料の問題については、支払わなければならないということになるわけなんですね。今のお答えでは、今の国鉄財政の中では払うのは大変だ、こういうことでいろいろ折衝しているということなんですが、その折衝ということについて実際の見通し、これはどういう状況になっているのですか。余り長い時間ではないと思うのですね。その辺のところがはっきりしないと、これからのトンネル利用という問題なんかについても明確な態度を打ち出すことができないのではないかと思うのですが、その辺はどうなんですか。
  231. 細田吉藏

    細田国務大臣 これは私からお答えした方がいいかと思いますから……。  トンネルがつながったときには鉄道をやるということには間違いがないわけでございます。ただ、その場合に膨大な借料がかかるということでございますので、国鉄の赤字をそれだけはっきりしょい込むことになるわけでございますから、第二臨調でも、国鉄の経営を圧迫しないというやり方を考えろ、こういうことになっておりますし、恐らく国鉄再建監理委員会でも、青函トンネルについてはどのような形態で鉄道を運営させたらいいだろうかということについてお考えいただいておることと思います。  私どもの運輸省といたしましても、青函トンネルができ上がった場合にどういうふうに利用するかということにつきまして、運輸大臣の私的諮問機関である青函トンネル問題懇談会というものをつくりましていろいろ御検討をいただいておる、かようなことでございまして、そのまま無条件で国鉄が運営することにはなかなかしにくいということになっておると思います。
  232. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 大臣の方にも後でその点についてお尋ねしたかったのですが、今お答えいただきましたので、それでは重ねてお尋ねをしておきたいと思うのです。  トンネルが完成をして国鉄に利用させる、こうなった場合には、国鉄の経営状態から見て、国鉄に対しては払わせないというのですか、ほかのところで払う、こうなると思うのですが、それはどういうようなところを考えておられるか。私ども心配しておりますのは、国鉄財政をもちろん大変な状況です。しかし、国の財政も将来の見通しからいってそんなに潤沢になるというふうな状況には思われない。年間約八百億ですから、三十年間、そういう大きな金額になった場合には、当然国の財政見通しとかあるいは予算関係とか、そういうものと関連してくるだろう、こう心配するわけなんですね。これは大臣がそういうふうに言うのですから心配ないだろう、こう思うのでありますけれども、どういうようなところでそれは面倒を見ていくというつもりなのか、あるいは国家財政や何かから見て心配ない、こういうことなのか、その点ひとつはっきりしたものを……。
  233. 細田吉藏

    細田国務大臣 それをどうするかということで非常に難しい問題でございますので、いろいろな角度から検討しておるということなんでございます。もともと八百億の借り金ということをさっきからおっしゃっておるわけですが、青函トンネルにかけました金はもう実際大部分かかってしまっているわけです。ですから、使わないでおきましても、これは償却なり借金の利息なりこういうものがかかるわけなんでございます。使わずにおいてもかかるんで、もともとこういうものをこういう形式で工事をしたということが問題ではないかとおっしゃるとすれば、これは確かに問題であろうと思うのですが、今日のような財政状態を予想しない、また今日のような国鉄の状態を予想しないという形であのトンネルが掘られることになった、こういうふうに思うのでございまして、確信があるわけではございませんが、ほっといてもこれは金がかかってしまう、借金も返さなければいかぬというものでございますので、使うことは使ったらよろしいのではないだろうか、活用すべきだ。特に北海道の道民の皆さんは非常にこれを待っておられますから、だからこれは使う。国鉄財政に圧迫をかけないようにどのような形がいいだろうかということを考えておるわけでございます。
  234. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 もう現につくってしまいつつあるわけですから、その分はもう支出済みになっておるわけですから、あとその分についてどうのこうのということがなければ、まあ端的に言えば、金を払わなくたって支出の方は支出でもう落ちているわけですからというふうなことになるのは、これは私はわかる気がいたしますね。そういう点について、私どもやはり一番心配したのは、これは国鉄が全部背負わされるなんということになったら、国鉄にとっては大変なことだ、そういう心配が一つあったわけで、その点特にお尋ねをしたわけでございます。  もう一つお尋ねをしておきたいのは、これは国鉄当局の方では、今まで青函トンネルの使用方法等につきましては組合側と協議をしてきたという経過があるわけですね。五十五年九月二十日の記録を私ちょっと見たわけでありますが、その中には、「青函トンネルにかかわる輸送のあり方については、関連する道、県および市町等の意向等を踏まえ、引き続き協議する。」こうなっているわけなんですが、現在トンネル利用については懇談会というのがあって、その中でいろいろ検討されておるわけなんですが、この関係する道、県とかあるいは市、町などの意向を反映させるということについてどういう措置がとられてきたのかということが余り明らかになっていない。それと同時に進行している状況にあるのでは狂いかと思うのですけれども、そういう問題について組合側などとは協議などをされておりますか。この点についてひとつお尋ねをしておきたいと思います。
  235. 太田知行

    ○太田説明員 実態論はまた別途お答え申し上げますが、私労務担当でございまして、その経緯だけ簡単に申し上げますと、おっしゃいますように、五十五年の十月に貨物の大きなダイヤ改正をやりました際に、青函トンネルの将来展望あるいは将来のあり方が労使の一つの論議の中心になりまして、いろいろやりとりをした結果を「交渉記録抜すい」という形で残しております。その中に触れておるわけでございますけれども、その記録、やりとりをずっと私なりにおさらいをしてみますと、この青函トンネルをどのような格好で使うか、在来線とのかかわり合いかどうかという枠組みがまだ決まっていないその時点において、労使の間で労働条件を協議する事態にはもちろん至っていないし、さりとて、そのもう一つ前の施策のあり方をどうするかもまだ決まっていないので、これは労使の間としては引き続き協議を、今後の課題としてお互いにテークノートしよう、こういう意味合いであったように聞いておるわけでございまして、その後ダイヤ改正を二度ぐらいやっておりますけれども、その時点においても枠組みが決まっておりませんので、留意事項という形で引き続きこれは残しておく。それで枠組みが決まりましたら、もちろん労働条件は団体交渉でやりますし、施策についても、いろいろな形で労使それぞれ社会的な責任や何かを考える立場で知恵を出し合って相談をしていくという意味合いでございます。
  236. 竹内哲夫

    ○竹内説明員 若干補足をさせていただきますが、この青函トンネルのプロジェクトに関しましては、これは前例のない大変大きなプロジェクトでございまして、したがいまして、国鉄だけでこの使用方を決めるというわけにはまいらないのではなかろうか、やはりナショナルプロジェクトといたしまして、国あるいは道、さまざまな国鉄以外の政府関係機関あるいは自治体等の関係があって、その中でどういう使い方が望ましいかということが出てくるのではなかろうか、こういう意味合いから、通常の工事ですと国鉄が考えて国鉄が決めたとおり実施していくということでありますが、非常に大きな問題でございますので、こういう表現が入ったというふうに思っております。
  237. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 これは運輸大臣の方にも当然関係してくるのだと思うのです。トンネル利用の懇談会というものは運輸大臣の私的諮問機関ですか。あの中で何か道の方では経済界の代表の方が一人入っているような話は聞いておったのですが、私ども北海道にいる者にすれば、やはりもっと密接な関連のある地元の大方なんかの意向というものをどんどん取り入れてほしいものだ、こういう気持ちがあるのですが、そういう面はその中ではどう扱われているのですか。
  238. 永光洋一

    ○永光政府委員 青函トンネル問題懇談会につきましては、昨年、トンネルの国家的な資産という観点から有効に活用するにはどうしたらいいかということで、各界のアイデアといいますか、いろいろなトンネルの利用方法について御議論を願おうということで、斎藤さんを座長にしまして懇談会をつくっておりますが、北海道の開発審議会の会長であります東条さんをお願いをいたしておるところであります。今お話しのように、もう少し地域の現場の話が聞けるような方というお話でありますが、またそういう必要がありますれば、懇談会のメンバーということでなくて、この懇談会の下に研究会というのがございますので、そのあたりぜひ地元の意向を聞こうということであれば、またそういう形でお話を聞くということになるかと思います。
  239. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 このトンネルというのは、始めるときにはもう国家的な大事業ということで始めていって、いつの間にかどうも国鉄の財政状況も思わしくなくなってくる。あるいは日本全体の景気もどうも余りぱっとしない、こういうような中で非常に扱いにくいものになってきているのですが、しかし、地元の大方にしてみますと、やはりそれなりの関心は持っているわけですね。関心を持っているんだけれども、さあ今言われましたように、懇談会がある、あるいはその下に研究会がある、こう言われてみても、余り地元とは密接な関係を持っていないわけなんですよ。だから、そういう点からいきますと、もっと英知を集めて、せっかくつくったものであれば、やはり有効に活用するということを総意の中で見つけていくということが一つの筋だろうと思うのです。  これはまた後でちょっと触れますけれども、ひとつ国鉄の方にお尋ねしておきたいのですが、この連絡船は大部分がもう十八年間という年限が切れて、延命工事をやったりあるいは貨物船を改造したり、そういうことで何とかつないできているわけですね。ことしの十月に十和田丸ですか、これが大体任期が切れる、それから二年間の延命工事を行いました八甲田丸も、六十一年の十月ですか、この辺で切れるということになるわけです。トンネルが完成するというのは六十一年あるいは六十二年、こう言われているわけですけれども、大体そのころにこれは切れていくということになるわけですが、そうなると、将来この連絡船についてはどういうふうに扱っていこうとしているのか、その辺のところの見解を示していただきたいと思います。
  240. 須田寛

    ○須田説明員 お答え申し上げます。  現在、青函航路におきましては、客貨船と貨物船と合わせまして十一隻在籍いたしておりますが、今御指摘のございました十八年を超えておりますものが現在四隻ございます。この十八年と申しますのは、固定資産といたしまして償却を負担させるための基準年限というふうに申すべきものでございまして、必ずしも船舶の物理的な寿命というものとは関連をいたさないものだというふうに受けとめておるわけでございますが、やはり安全を期する意味におきまして特別修繕工事というのを施行いたしまして、その十八年を経過いたしました船につきましては運航いたしているような状況でございます。  これからどうするかということでございますが、航路の輸送見通しが一体どうなるかということ、その辺からの関連もございまして、何隻の船をどうするかということとの関連もございますけれども、私どもといたしましては、やはり安全ということでこれからもいろいろな面で修繕工事を重ねてまいるということでやってまいった場合、あるいは今係留をいたしておりますような船の中にまだ耐用年数までかなりの時間のあるものもございますので、そういったものの改造で対応する等の道もございますので、またここ一両年でそういった意味で航行ができなくなるというふうなことにはならない、つまり、そういった工事なりあるいは改造等を実施いたしますれば、まだある程度の期間は十分運航し続けられるもの、こんなふうに考えております。
  241. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 一面においてはそのトンネルを使用するというようなことについてお決めになっているわけだから、それとの関連で連絡船というものについてはどう扱っていくのか、そういう面は方針として決まっていますか。
  242. 須田寛

    ○須田説明員 先ほどお話がございましたように、運輸省におかれて学識経験者の方かで御検討いただいております懇談会の御結論をちょうだいいたしまして考えるということでございますので、今まだ、将来連絡船をどうするか、あるいは何隻どのようになるかというふうな具体案につきましては、成案を得るに至っておりません。
  243. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 運輸大臣大臣が二月一日にトンネルの視察で函館においでになったときに、トンネルができれば当然この連絡船というものは全廃するんだ、そういうことは既定の方針だというようなことで、記者会見の際に発表があったわけです。この発表があって、地元では大変大騒ぎになったということは御承知だと思うのですけれども、これは、驚いたということのほかに、地元の大方は一種の怒りを感じているわけなんですね。今まで地元の皆さん方が政府首脳の方に要請に参ったときには、そういうふうなことについては一言も触れていないわけなんですよ。まあ大丈夫だ、こういうようなことまで言われているわけですね。それで、大変そういう面については希望を持っておった。ところが、大臣が来られまして、いやトンネルが通ったときにはもう全廃だよ、こういう発言をされて、しかも、既定の方針だ、こう言われているわけですけれども、今言ったように、地元の方ではそういうことについて政府首脳との折衝の中では一言も聞いていない。もし既定の方針だということでありますと、一体それはいつどこでどんなメンバーが集まってそういう既定の方針というものをつくられたのか、これはやはり明らかにしておかなければならないと思いますので、お答えをいただきたいと思います。    〔中西(啓)主査代理退席、主査着席〕
  244. 細田吉藏

    細田国務大臣 あのときの記者会見の模様と新聞の記事とは必ずしも一致しておらないと思います。こういうことなんであります。新聞社の諸君は、一日も早くトンネルを開通させるということ、これは地元の皆さんの要望で何とかして汽車を通せ、こういう話の方が重点が置かれておったわけです。突如としてじゃなくて、その話が後から出てきた。ちょっと出ただけなんですが、出たわけで、主としてトンネルの話をしておったわけでございます。そこで、突如として、もしトンネルが開通して輸送が始まったら連絡船はどうなるか、こういうお話でございましたので、私は、鉄道を通して国有鉄道がやることになれば、連絡船は国有鉄道はやめることになりましょう、こう言ったわけです。ところが、その通ればということに関しまして、私はこういう説明をしておるのです。もともと青函トンネルが決まります際に、御承知のように、たしか昭和二十九年かと思いますが、洞爺丸の事故がございまして、それで、北海道と本土の間に海があって連絡船では危ない、こういう事故もあるから、とにかくこれはトンネルを掘って鉄道鉄道と結ぶべきだ、こういう御主張があって、いろいろな経緯があってトンネルを掘ることになったわけです。先ほどのような話ですが、今になるとなかなか困っておるような点もあるわけです。  そこで、連絡船というのは、その名のごとく鉄道鉄道と結ぶものを連絡船というのでございますので、鉄道鉄道鉄道で結ぶというのが本筋のことなんでございます。でございますから、理の当然のこととして、私は、国有鉄道としては鉄道の方をやることになりましょうということを申し上げたわけなんです。ところが、後からいろいろ伺いますと、もちろん連絡船については、鉄道が果たし得ないような地域的な利害が伴っておるとかいろいろなことがあることは、私どもの方へも投書も来ておりますし、いろいろおっしゃっております。しかし、この点につきましては、線路がつながって国有鉄道が開始をしたら、連絡船そのものが残るかどうかは別として、国有鉄道が連絡船も続けて運営するということはもうやらせるべきではないというふうに少なくとも私は考えております。  で、決定云々ということについて、そのように私がやや断言的に申したものですからそういう言葉が使われておるのでございますが、書いたものでどうこうというのはないということでございますから、そういう点で誤解を招いたとすれば、私はお断りしなければなりませんが、しかし、鉄道鉄道が結ばれたら国有鉄道が連絡船もあわせてやるんだということは絶対とるべき道ではない、私はかように考えております。特に国鉄の赤字の状態から考えましても、トンネルで赤字をしょって連絡船でまた赤字をしょうということはやらせるべきではないということは、今でも確信を持っておるところでございます。
  245. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 トンネルの方は、先ほどの大臣のお答えの中では、トンネルを実際使ったって使わなくたって、金をかけてしまったものなんだからということになりますと、トンネルを例えば国鉄に利用させたって、そこから国鉄が赤字になるということは考えられないわけです。もう出してしまった金なんだから、しかもそれは国鉄財政に余り圧迫をかけないような措置をこれから考えるということですから。そうすれば、トンネルは国鉄にただで使わせてもいいわけです。いいわけでしょう、国鉄財政に負担をかけないということであれば。(細田国務大臣「いや違う、今の点違うのです」と呼ぶ)後でその点は申し上げます、ちょっと時間がないものですから。  本四はこれから橋が何本がかりますか。三本ですか、四本ですか。それから、関門は七つもルートがあるのですね。北海道と本州という非常に重要な区間をトンネル一本ということで、国の交通体系を扱っている運輸大臣として、たった一本のトンネルで本州と北海道の交通ルートは絶対大丈夫だという自信がおありですか。たとえトンネルが通って安全だということになっても、例えば、函館から木古内までの間とか青森から中小国の間、雪害とか天変地異があって列車不通になったらトンネルは通れないわけでしょう。これはどういうふうなことで国民のあれを守るということになるわけですか。
  246. 細田吉藏

    細田国務大臣 北海道と本土との間は船によることの方が主体なのでございます。ですから、御承知のように最近私のところで免許することにしておりますが、苫小牧、室蘭からのフェリーの問題などもございます。もうたくさんの船が通っておるわけなんでございます。私は、実は北海道と本土の間は船の交通が主体であるというふうに思っておるわけでございまして、そのことと国有鉄道が連絡船を運営することとは別だと思っておりまして、ルートは船で確保しなければならない面がたくさんある、これはもう北海道については間違いがない。関門トンネルのように非常に近接なところで何本も道が掘れるというようなところとは同じにはいかないというふうに思っております。  それから、貸しても貸さなくても同じことだということなんですけれども、例えば国鉄がトンネルが開通したときに輸送数量がどうなるかということは非常に大きな影響を持つわけですから、輸送数量がトンネルの中を余計通ってくれればとにかく貸し賃の一部でも出るということになりますので、これは人が乗っても乗らなくても、貨物が通っても通らなくても同じだ、それは借り賃に関する限りは同じ支出だということなんで、これは輸送量と非常に関係を持ってまいりますから、非常に重大な影響があると言わなければならないということでございます。
  247. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 国の交通体系というものからいって、本州と北海道を結ぶのに、いや苫小牧であろうが何であろうがフェリーがどんどん行っているじゃないかということで、国が全然責任を持たなくてもいいものなのかどうかということなのです。私は、やはりある程度基幹的な交通ルートというものについては当然国が責任を持って確保しなければならないものではないのか、こう思っておるのです。  昔から国鉄というのは人間の体に例えたら動脈でしょう、通信というのは神経です。これは、国家を経営する上において非常に重要な問題だというふうに私どもは考えてきたわけです。ところが、今国鉄というのはずたずたになってしまって、政府運輸省自体が国の交通体系ということについて、極端に言えば放置するという格好だと思うのですよ。いや民間の船が走っているからいいじゃないかということだけでは済まないものじゃないかと思うのです。民間というのは採算ベースでしょう。国鉄の一番いいところというのは、例えば採算がとれなくたって国民の足を守る、こういうことのためにやらなければならないということが出てくるのだと思うのです。だから何かあったときに、一たん緩急があったときにトンネルが通れないということになったら、民間フェリーにでも乗って歩けということになるのですか、これは国鉄の任務を放棄するということになるのじゃないですか。
  248. 細田吉藏

    細田国務大臣 御案内のように、明治四十年に時の軍部が主たる力になりまして鉄道国有法を出しまして鉄道が国有になりました。ですから、国が責任を持って一貫した輸送をやるべきだという考え方はそれなりに成り立つわけですし、それも一つの見識であり、私はやはりそういう考え方は十分あり得ると思うのです。  ただ現在の状況では、これはまたおしかりを受けるかもしれませんけれども、第二臨時行政調査会あたりの御答申を見ましても、国有鉄道を七つ程度に分割せよというような話になりましたり、地域別な運賃をつくれというようなことで、今のようなことで推し進めていけば地域運賃などもおかしいじゃないかというようなことになるわけですが、そういうような方向に今動いてきておる、この点についてはいろいろ意見があります。私も個人的には若干の意見も持っておりますけれども、今そういう方向に動いておるということでございます。
  249. 原田昇左右

    原田主査 奥野君、時間です。
  250. 奥野一雄

    奥野(一)分科員 時間になったので、ちょっと中途半端ですけれどもやめます。
  251. 原田昇左右

    原田主査 これにて奥野一雄君の質疑は終了いたしました。  次に、森本晃司君。
  252. 森本晃司

    森本分科員 初めに国鉄側の皆さんにお尋ね申し上げたいわけでございますが、国鉄経営改善計画また合理化計画の一環といたしまして、全国各地で数多くの貨物駅が廃止になりました。五十七年には八百四十八駅。そして本年二月には四百六十駅が廃止になりましたけれども、これによって相当膨大な跡地また未利用地が生ずると思われるわけでございます。その跡地の規模は全国で一体どれほどのものなのか。また国鉄事業計画に使用するもの、不用となり用地の払い下げをするようなもの等々、今後どのような計画にのっとってこの跡地利用をなされていくかということにつきまして御答弁をお願いしたいと思います。
  253. 岩瀬虹兒

    ○岩瀬説明員 五十九年二月のダイヤ改正に伴いまして発生した用地面積につきましては、現在調査中でございます。近々取りまとめる予定でございます。これらの用地の処理方につきましては、鉄道本来事業の用地として再利用いだすもの及び関連事業として有効活用するものを留保いたしまして、それ以外のもので不用地と判定したものを逐次売却していくことにしております。これはそれぞれどの程度になるかにつきましては先ほどの調査を待って行うことになりますので、現在の段階ではまだ御答弁申し上げるまでにはなっていない次第でございます。
  254. 森本晃司

    森本分科員 相当膨大な地域でございますし、またこれはどういう利用計画をするかということ、各都市等々がそれぞれの都市の開発計画に合わせて今考えておりますので、こういった問題は早急に国鉄の基本方針を立てて地元の要求にこたえていくように、今後も調査をよろしくお願いしたい、このように思う次第でございます。  次に、我が奈良県は御承知のように全国唯一の貨物駅がゼロという状況になりました。昨年四月には桜井駅、三輪駅、そして本年二月には奈良駅、王寺駅、高田駅、掖上駅と次々に、年間十トン以下の荷物の扱い量であるところはもう貨物駅にしないのだということで切り捨てられたわけでございます。県知事を初めとし、奈良県民が県の経済性の問題あるいは交通量の問題等々を考えまして、この問題について非常に強く嘆願し要望したわけでございますが、それが聞き入れられずにかき消されてしまったわけでございます。今奈良県内で県民がその次の段階として非常に大きな関心を持っていることは、貨物駅がゼロとなった以上、今度はどういう還元がなされるのかということに大変な関心を持っております。大きな経済的負担をこれから奈良県民が受けていくわけでございます。また、トラック輸送による道路交通も交通上非常に混乱を来するものでありまして、私にとってはその損害非常に大なるものがあり残念でならないと思っておる次第でございます。そういうことをよく御理解いただいた上で、そうした中でも、今県民は一生懸命地域経済を守るためにまた生活防衛のために何とかやっていかなければならないと死力を尽くして闘っている状況であるということをよく御承知おきいただきたいと思います。その上で経済性の面からまた地域社会の面から公共性を十分に考慮して、今後地域の発展のために奈良県の跡地利用の譲り受けをお願いしたいと思うわけでございますが、これから跡地利用払い下げの場合には地元の要望を十分に考慮に入れて、地元住民の声をよく聞いていただいて、そして払い下げ計画を諮っていただきたい、このように思うわけでございます。中でも国鉄さんがすぐに大変赤字だ赤字だということで、例えば橋上駅をつくるにいたしましても、地方公共団体が何億という金を投じて橋上駅をつくっております用地方公共団体も決して豊かではございませんで、大変厳しい中で、そういった国鉄への、ある意味では地域社会への貢献をして国鉄への貢献をしているわけでございます。払い下げのときに非常に駅前等々が多いものでございますから、公共の道路やあるいは駅前広場等々に使用する場合、地方公共団体並びにそこの地域住民の皆さん方は何とか廉価でその払い下げをお願いしたい、お互いがそれぞれ助け合いながらやっていかなければならないという声が非常に多いわけでございますが、その点の公共施設への払い下げの場合の国鉄の見解を伺いたいと思います。
  255. 岡田宏

    岡田説明員 跡地の払い下げに関しましては、公共的計画を地元の公共団体がお持ちになってこられる場合には、それを最優先をして考えさしていただくというのが国鉄の立場でございます。またお話のございました払い下げ価格の点についてでございますけれども、これはその払い下げ処分をいたします時期におきます正常など申しますか、通常の時価によることが義務づけられておりますので、その点につきまして御了承いただきたいというふうに考えております。
  256. 森本晃司

    森本分科員 地元民は非常にそのこともよく心得た上で、今国鉄のそれぞれの各管理局へお願いしておるわけでございます。これからも当然時価あるいはまたそういった鑑定士を入れての価格のいろんな認定があるようでございますけれども、十分これからも一つ一つ考慮しながらやっていただきたいと思います。  次に、具体的な問題に移らしていただきたいと思いますが、今度、これは私の出身地でございまして、私は小さいとき育ったところでございますし、非常にこの周辺の状況について、また今後の発展について苦慮しているところでございますが、国鉄高田駅周辺でございます。本年度国鉄高田駅の裏側にある五、六番線敷の約千三百平米の跡地を譲り渡すという、もうすでに天王寺鉄道管理局からの通知を高田市はいただいておるわけでございますが、この土地が先ほど申しました駅前広場、また道路に類するところでございます。ここの価格については十分御検討よろしくお願いしたいと思うのでございます。  もう一つは、正面の方の南側に約千九百平米それから北側に約千四百四十平米の国鉄の跡地が現在ございます。高田市の市長さん初め高田市の開発公社等々がこういった跡地について、非常にこれは駅のメインになりますし顔にもなりますので、ここを有効的に使用したい、こういうふうに要望しておるわけでございますが、特にこの北側は、その北側にまた近鉄線がございまして、近鉄線から連動した高田市の玄関にもなっていくところでございます。この北側、今日までの打ち合わせによりますと、正式な見解ではないようでございますが、どうやらこの北側の駅が和歌山線、桜井線の緊急資材置き場になるというふうな話が出ておるようでございます。緊急資材置き場というのは砂利を置いたりまくら木を置いたりするところでございますし、今市長さん初め皆さんが、こういうところへそういう砂利等を置かれたら、その周辺は幾ら開発しても町の発展の阻害にもなりますし、また同時に、この前の道路は非常に狭いので拡幅したいという要望がございまして、何とかこの土地を高田市にお譲りいただきたい、こういう見解を持っているわけであります。これは緊急資材置き場になるのかあるいは市民の要望が、また町の要望が聞き入れられて、そしてここはお譲りいただける、検討の余地があるものなのかどうか。その辺の見解をお伺いしたいと思います。
  257. 岡田宏

    岡田説明員 先生からお話のございました関西線の高田駅の線路の東側の細長い用地につきましては五十九年度に売却するということで市側とお話を進めております。それにつきましては、法令に基づきまして随意契約ができる性格でございますので、そのように取り運びたいと思っておりますし、またその価格等につきましても、いま先生からお話しございました不動産鑑定士等を入れまして正当な評価のもとで売却したいと考えておるところであります。  二番目の線路西側の北の方の用地につきましては、先生お話ございましたように国鉄事業駅の置き場ということで一応計画を立てておりますが、今先生お話ございました地元の御要望につきましては、地元の管理局まだ詳しく承知していないようでございますが、今後市から具体的なお申し出がございましたら、国鉄の利用計画との間でどのような調整が図れるか、地元の御意向を十分お伺いした上で適切な処置をとりたいというふうに考えております。
  258. 森本晃司

    森本分科員 確かに国鉄側の資材置き場が計画されているようでございますが、ここから二千メートルほど離れた線路沿いのところ栄和町というところに、今駐車場になっているところでございますが、ここはたしか国鉄の所有地だと思うのです。町の発展等々をよく考えたときには資材置き場をそういったところへ持っていけないかどうか、あるいは先ほど申し上げました千九百平米の西側の南側のところはまだ余裕がございまして、これは最悪の場合でございますが、最悪の場合に何とかそこへ持っていってもらえないだろうか。北側は、資材置き場等々で大事な表玄関を、極端に申し上げますと汚すようなことは避けていただきたい。こういうことは現地へ行って話し合っていただければすぐにその土地の重要性ということはわかるものでございましてここに空地があるから、跡地があるからここは砂利置き場にしょうということじゃなく、今後も十分御配慮いただきたいと思うのです。どうかこの点につきましては前向きに、ただ検討するというだけではなくて前向きに検討していただきたいと思うのですが、いかがでございましょう。
  259. 岡田宏

    岡田説明員 地元のお申し出をよくお伺いいたしまして前向きに検討させていただきます。
  260. 森本晃司

    森本分科員 次に、国鉄桜井駅に関する件でございます。  昨年の十月に桜井市長から天王寺鉄道管理局長の方に既に陳情書が出ておるわけでございます桜井駅の南側の駅前開発でございます。ここは従来桜井駅の表玄関として大変繁栄を見てまいりましたけれども、近年のモータリゼーションによりまして非常に対応のおくれが目立ちまして、町の発展も南側は今おくれておるわけでございます。そこで、今度桜井市の方では開発公社あるいは事業組合等々をつくっていよいよ町の発展に乗り出したわけでございます。ここに、南側出口の東側に三千四十平米の土地がございまして、今一部業者がこれを駐車場に利用しているようでございます。これが今度一応二月末をもって期限が到来することになっておりますけれども、期限が到来して、今後市への払い下げの検討の余地があるのか、このまま駐車場のままいくのかという問題。それから、西側に二千六百二十五平米の土地がございます。ここも桜井駅としてはこれからバスターミナル等々いろいろな多目的広場に使っていきたい、こういう要望が今ございます。この二つの空地に対する陳情並びに貨物駅で廃止になりました国鉄三輪駅、この三輪駅の前に国鉄官舎跡がございます。官舎が既にもう壊されてございませんが、この官舎跡、本年十月わかくさ国体が開催されまして、そこが競技者の乗降駅にもなるわけでございまして、桜井市の方としては何とか早急に市に払い下げをいただいて、そしてわかくさ国体、全国から来る人を迎えたいという要望がございますが、この辺の国鉄の見解をお尋ね申し上げたいと思います。
  261. 岡田宏

    岡田説明員 今お話のございました桜井駅とそれからその隣の駅でございます三輪駅、この両方の用地の売却の件につきましては桜井市と前向きに話を進めさせていただきたいというふうに考えております。
  262. 森本晃司

    森本分科員 次に、もう既に貨物駅がなくなってから数年になりますが、五条市に川端貨物駅というのがございます。これは去る三月六日に五条市から請願されておるわけでございまして、その貨物駅の駅舎敷地が一万三千平米、それから軌道敷地が二万平米という大きなものでございます。この跡地、まだ三月六日に要望が出されただけで今検討していただいていると思いますが、こういった地域につきましてもこれからよく住民の声を聞いてやっていただきたいと思います。  そのほかに国鉄奈良駅前、この奈良駅の西部開発、これは今後奈良市また奈良県の大きなメーンになってくる土地でございます。こういったところも、横にあかずの踏切がございまして、したがっていろいろと非常に難しい条件等々もございますが、県民の要望を聞いていただきたい。  また、王寺町にも今官舎跡が大きく王寺駅の周りにあるわけでございまして、これは災害対策ともあわせて今王寺町の方はこの官舎跡の払い下げをお願いしているようでございます。  今申し上げましたように、奈良県で貨物駅がすべてなくなったというところで、払い下げが今後どうなるかということについて県民が大変な関心を持ち、またその後奈良県の都市計画また経済復興にどうつながっていくのかというところに関心を持ち、またある意味での期待を示しておるところでございますので、こういった交渉に当たっていただきますとき、本当によく地元民の意見を聞きながらよくやっていただきたいと思いますし、むしろまた国鉄からも、先ほどの高田駅のように、ここは表玄関だからこういうところはほかに持っていきますよというぐらいの積極的な協力姿勢を今後もお願いしたい、このように思うわけでございます。時間がございませんので一つ一つ取り上げることはできませんが、跡地利用、どうかよろしくお願いしたいと思います。  最後に、国鉄交通安全対策上の面からの御質問をしたいわけでございます。  五十九年度の踏切対策等は積極的にやっていただいていると私は確信をしておるわけでございますが、国鉄郡山駅の南側、大和郡山市高田町というところに稗田踏切というのが、道路が両側にございましてそこにH状に踏切がかかっているという踏切がございます。ここを五十六年の八月に四十一歳の男性が乗用車で渡ろうとしたときに、幅が非常に狭いものですから、歩く人が立ちどまったために、よけている間に遮断機がおりてしまって事故に遭ったということもございます。また、昨年の二月には三十一歳の女性が軽四の乗用車を運転していまして、これも対向するのに対向し切れずにもたもたしている間に遮断機がおりて、この場合はその女性が亡くなったという事故がございました。私も現地へ行って調べてまいり、また写真も撮ってきたわけでございますが、上を北といたしますと、右側すなわち東側には六メートル三十の道があって、そして西側には約六メートルの道がございます。この間、踏切が斜めに渡っているわけでございまして、入口は確かに三メートル四十ほどあるわけでございますが、真ん中に行きますと二メートル七十ほどしか幅がございません。しかも、特に西側の方ではどんどん車が通っているわけでございまして、この踏切は、東側から来て西側に渡るときに、前に車があって一台がとまったらその後は完全に踏切の中で立ち往生し、逃げることができない、こういう事故が起きるわけです。幅が非常に狭いものですから、事故には至らなかったけれども、脱輪事故というのが非常に多くございます。国鉄の経済性の問題もございますが、やはり人の命というのは大事な問題でございまして、だれが考えても非常に危険な踏切でございます。こういった踏切、今国鉄郡山駅の南側の踏切を例にとりましたが、この踏切を初めとし、今後安全対策をどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
  263. 岡田宏

    岡田説明員 今お話のございました稗田踏切の件についてでございますけれども、先生御指摘のように、この踏切は交角百三十度、九十度がちょうど直角でございますから、かなり斜めについているわけでございます。見通し距離その他から申しましても構造的にかなり問題がある踏切だという意識を十分に持っております。したがいまして、この踏切については多少の場所の移設あるいは拡幅等が必要なのではないかというふうに考えておりますが、この踏切の移設、拡幅等については地元側との御協議に基づいて実施をするということになっておりますので、現在その拡幅あるいは移設の方法、費用負担、実施の時期等について具体的な計画を立てるべく地元と御協議をしているところでございます。  なお、全般的に安全問題につきましては、お客様あるいは踏切を御利用なさる一般の通行の方々、そういった方たちにいささかも危険を及ぼすことがあってはならないという立場で物事と取り組んでおります。
  264. 森本晃司

    森本分科員 この踏切は朝のラッシュ時相当な人が通ります。そばに機械工場等々がございまして、一日も早くこの踏切改修――私も地元の方と一緒によく努力してまいりますので、国鉄の方も、いろいろ経済性の問題等々もございますが、まず命を守るという立場で取り組んでもらいたい、こう思うわけでございます。  時間が来たようでございますので、あと一点だけお願いいたします。  同じ踏切の問題でございますが、五条市に市道川端線というところがございまして、そこに相谷第二踏切がございます。ここは現在警報器が設置されておりません。これもせんだって三月六日に天王寺管理局に陳情がなされておりますが、警報器のない踏切が市内にあるということは非常に危険でございます。この踏切も一日も早く警報器をつけていただくなり安全対策をお願いしたいと思うわけでございますが、その点はいかがでございましょう。
  265. 岡田宏

    岡田説明員 踏切の格上げあるいは警報器の設置というような問題につきましては、総理府の交通対策本部でいろいろ関係者が集まりましで議論をいたしまして、五カ年計画をつくるということで進めてきております。  現在は五十六年度から六十年度までの五カ年計画で、第三次踏切事故防止総合対策ということで総理府交通対策本部の決定を見ているわけでございます。この中には、警報器を設置する箇所として計画をいたしておりますのが一千カ所という計画になっておりまして、現在まで約三カ年で六五%程度を実施いたしておりますので、実施率はかなり高くなっております。  当該の踏切につきましては、まことに残念でございますが、この今の五十六年度からの五カ年計画に入っていない状況にございますので、今後、交通量、道路の整備計画、周辺踏切の整備状況等勘案しながら十分検討させていただきたいというふうに思っております。
  266. 森本晃司

    森本分科員 時間も参ったようでございますので、質問を終わります。
  267. 原田昇左右

    原田主査 これにて森本晃司君の質疑は終了いたしました。  次に、鈴木強君。
  268. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 若干質問をさせていただきます。  きょうの朝刊各紙を初めNHKなどすべてのマスコミが、大阪空港の騒音公害訴訟が十四年ぶりに全面解決したことを報道しております。原告側も、和解策に不満はあったようでございますが、やむなく受諾されたものと私は考えます。  そこで、運輸大臣、今後運輸省は、最大の争点となりました午後九時以降の飛行について、これは門限といいますが、十一の市の皆さんと協議することになっておりまして、この問題は何とも割り切れない気持ちの中で和解が成立しておると私は思いますので、十一の市協の方々とも十分話し合いをしていただいて、周辺住民の立場というのをよくごそんたくしていただき、運輸省としても今までのいろいろ話し合いの中で当面という条件をつけておりましたが、この当面というものがどこまでだかよくわかりませんけれども、いずれにしても不満として残っております問題は、地域住民にとっては非常に大事な問題でございますので、この点については十分な御配意をしていただいて、円満に運輸行政が執行できますように格段の配意をいただきたい、こう思いまして、大臣の御所見をお聞きしたいのです。
  269. 細田吉藏

    細田国務大臣 長いことかかっておりました訴訟が和解で解決をしましたことは御同慶に存じております。  九時以降の問題につきましては、ただいま鈴木先生がおっしゃったとおり十分慎重に取り扱うつもりでございます。
  270. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 それからもう一つ。過般、青函連絡船で火災が起きました。そのために爆発事故が起きまして、船員の方が二人とうとい命をなくされておるという報道を聞きました。  これは重大な問題でございますが、その原因は何か、御調査をなさってはっきりおわかりになっておるでございましょうか。もしわかっておるとすれば、再びこのようなことの起きないような対策を当然実施していただいておると思いますが、この点を伺いたいと思います。
  271. 須田寛

    ○須田説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生の御指摘にございましたように、摩周丸の火災事故によりまして職員の中で五名の死傷事故を生じまして大変残念に存じております。  原因につきましては、目下警察署並びに函館海上保安部の方でお調べいただいている状況でございまして、現在のところ、まだ御結論があったやに聞いておりませんので、ちょっとお答えいたしかねる状況でございます。
  272. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 こういう問題はもっと手際よくやっていただきたいのです。原因が何か、これを追及して、そして再び起こらない対策を立てるのには原因が何かをまず突きとめることが必要でございますので、いろいろ難しい問題ですから、私がここで簡単に言うようなわけにはいかないと思いますけれども、できるだけ乗客の安全を守る、また乗り組んでおる船員の皆さんの命を守っていくということでありますから、今後できるだけ早目に調査を済まして対策を立てていただきたい、こう要望しておきます。  以下、ちょっとローカルになりまして恐縮でございますが、お伺いいたします。  まず第一番に、大臣、今在来線に富士駅というのがありますが、東海道新幹線にはこの富士駅がないわけです。そこで、地元の皆さんが何とかこれを新設していただきたいということで渡辺市長以下全力を尽して今運輸省なり国鉄の方にお願いをしているわけでありますが、これについてできるだけ早く実現できますように御配意をいただきたい、こう願っておるわけですが、どんなものでございましょう。
  273. 細田吉藏

    細田国務大臣 新幹線に駅を設置するという問題は、東海道、山陽、それから東北、上越、新幹線として各地にある問題なんでございます。静岡県の関係で富十駅が問題になっておることはよく承知いたしております。  それで、もうすでに御承知と思いますが、最近東北で水沢と花巻に新駅の工事が始まることになりました。大体基本的な原則を決めておりまして、技術的に問題がないこと、国鉄の経営収支を悪化させないこと、それから新駅設置に関して、これが一番大事なんですが、地元の自治体の意思が統一され、そして必要な用地及び工事費を地元で全額負担をすること、こういう三つの条件で、この条件がそろえば相談に乗ろうということで具体的に御相談を申し上げておるわけでございまして、この相談に当たるのは国有鉄道の方がじかに当たっておるわけでございます。
  274. 岡田宏

    岡田説明員 いま大臣のおっしゃいました技術的な問題がないかという中をもう少しブレークダウンをいたしますと、一つは列車ダイヤに大きな影響を及ぼさないこと、新駅をつくりますことが列車ダイヤあるいは到達速度に大きな影響を及ぼさないこと、もう一つは線形、車両性能等技術的に可能な場所であること、それから必要な駅設備が設置可能な場所、駅前広場等を含めまして取れるという三つの問題があるわけでございます。  東海道の場合、今東京-新大阪間につきまして具体的に新駅設置の申し出がある箇所が五カ所ございますが、東海道につきましては、先ほど一番目に申し上げました列車回数が非常に多いということからダイヤ設定上なかなか問題があるという点が一番の問題でございまして、鋭意検討を進めいるところでございます。
  275. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 地元の受け入れ態勢は、市長も私のところに参りまして陳情された際にも、費用の負担等も地元としてはおっしゃるようにしたいということでございまして、私は選挙区が山梨でございますが、たまたま山梨の南の方に住んでおりまして、身延の近くでございまして、新幹線ができましたが身延線との連絡がないためにかなり不便をかこっておりますし、そのことが乗客の数を減らしていることにもつながっているような気がするのです。したがって、何とか山梨、静岡両県ともこの富士駅の新設については特段の配慮をお願いしたい、こういうふうに願っておりますので、大臣そこのところを心得て、条件にかなうようなことはもちろんこれは地元も考えておりますので、ひとつ最大の努力をしていただきたいと思いますが、もう一言。
  276. 細田吉藏

    細田国務大臣 私は大臣になる前は自民党の新幹線駅設置の議員連盟の会長をいたしておりまして、積極的にできるだけつくりたい、技術的な問題は別にしますればかなり大きなところについてはつくった方が国有鉄道の増収、増益につながるという確信を持っておりますので、前向きというか、積極的に取り組みたいと思っております。
  277. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 わかりました。ありがとうございました。  それでは次に、これも大変御苦労をいただきまして、甲府駅の近代化が着々と進行いたしておりまして、心からお礼を申し上げます。私も長い間この問題を取り上げてまいりました者の一人として、今完成間近にある国鉄の橋上駅を見るときに感慨無量のものがございます。六十一年国体が山梨にはございまして、特にそれに間に合うようにということで大変御無理なお願いをいたしました。そこで今工事は順調に進んでいると思いますが、おおよそ橋上駅の開業の時期というのは今の見通しではいつになるか。  もう一つ重大な問題は、駅ビルの建設の問題がございます。これにつきましてはどの程度まで話が進んでおるのか。それから同時に国鉄の甲府駅というのは非常に駅前が狭うございまして、駅前広場の有効的な利用ということについては、県当局、市当局におきましてもかなり勉強してまいっておるわけでございますが、この機会に有効にして適切、しかも県の玄関でございますから、その玄関にふさわしいような立派な駅前にしたいという考え方がございます。したがって、これらの問題についても国鉄の方では最大の配慮をしていただいていると思いますが、これに対する考え方を伺いたいと思います。
  278. 岡田宏

    岡田説明員 甲府駅の近代化につきましては、山梨県、甲府市、地元の皆様方から大変御協力をいただいたことを感謝いたしておりますが、駅舎の改築につきましては、五十八年の二月に工事に着手をいたしておりまして、六十年春に開業する予定で鋭意工事を進めているところでございます。  また、駅ビルにつきましては五十八年四月に会社が設立されまして、現在着工の準備を進めておりまして、六十年十月には開業をする予定で鋭意工事を進めておるところでございます。  また、駅前広場の計画につきましては、現在約八千五百平米ある駅前広場を千七百平米拡張したいという地元の御計画がございまして、これにつきましては五十八年十月に学識経験者、県、市、国鉄から成る検討委員会を設けて審議中でございまして、その結論を待ちまして国体開催までに整備をする方向で鋭意詰めていきたいというふうに思っております。  なお、費用負担等についても現在協議を進めさせていただいているところでございます。
  279. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 いろいろと御配慮いただいておりまして感謝いたしますが、ぜひひとつこの機会に皆さんの御協力をいただいて立派な甲府駅、そして駅ビル、さらに駅前広場、この完成をしたいと願っておりますので、今後ともよろしくお願いをいたします。  それから次に、身延線と小海線のことでちょっとお伺いをしたいのでございますが、身延線と小海線ともこの合理化計画というか国鉄再建計画の中に入っている路線だと思います。身延線の方は今日までいろいろ苦労をいたして、乗客の増加というふうなことを含めまして身延線を守る会というのができまして一生懸命沿線の住民一体になって、またその沿線の市町村、要するに自治体の方々も一緒になって、何とかして身延線を守っていきたいということで努力をしていることは御承知のとおりでございます。  そこで身延線の方は地方交通線ということに位置づけられておりますし、小海線の方は特定地方交通線に位置づけられておるわけでございますね。そこで地方交通線の場合は、今乗客の密度が一キロメーター当たり八千人以下、それから特定の場合には二千人以下というふうな基準になっているように伺っておりますが、この基準に照らしまして、特に小海線は、昭和六十年度まではこの基準は適用除外になっておりますけれども、その先が非常に心配になるわけでございます。  したがって地元におきましては、身延線あるいは小海線が一体どうなっていくのか大変心配をしておるわけでございますので、現状はどうなっておるのか、この行く先どうなるのか、大まかなところをひとつ最初に聞かしてください。
  280. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 地方交通線は、それぞれの線区の輸送量に応じまして、現在効率化施策を進めておるわけでございますが、そのうち、今先生からもお話がございましたが、輸送密度が二千人を上回り四千人未満という線区につきましては、現在一次、二次地交線を進めておりますが、それに引き続きまして、原則的にはバス輸送への転換を進めることを考えておるわけでございます。小海線の場合には輸送密度の上ではこの範疇に該当するわけでありますけれども、最終的な特定地交線としての選定は、輸送密度のほかに、政令にラッシュの一時間当たりの輸送量とかというような除外要件もございますので、そういうものに該当するかどうかということを調査する必要がございまして、今まだそういうことをやっておりませんので、現在時点では確定的なことは申し上げられない、そういうことでございます。  それから、申し落としましたが、この検討に取りかかるのは六十年度以降、こういうことになろうかと思います。  それから輸送密度が四千人を上回り八千人には至らない、こういう地方交通線につきましては、これはバスよりも鉄道として存続する方が効率的であるということで鉄道として存続をし、徹底的な合理化を図る、こういうことになっております。身延線はこの範疇に該当するわけでありますが、ただ昨年八月に国鉄監理委員会からも、地方交通線一般についてでございますが、私鉄への譲渡あるいは第三セクター化等民営化を積極的に推進せよというような緊急提言が出されておることもありますので、そういうことも踏まえまして、これから身延線を一体どうしたらいいのかということを検討いたしたい、このように考えております。
  281. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 廃止をしようといったって、これはなかなか廃止できるものじゃないですよ。国鉄というのは、そもそもどんな僻地に住んでおっても、日本国民である限りはその足を保障してやるというのが国鉄の存立の意義なんですよ。民鉄ではもうからないところはやりませんわな。これはもう基本的なことですから、ここで言っても時間がありませんから私はくどくどしいことは言いませんけれども、やはり独立採算制をかたくはめてそして来たことがこういう結果になったわけです。ですから、昔の日鉄法の形で、赤字はやはり国が見てやる、そのかわり簡素化や合理化というのはできるだけやっていく、もちろんそういう上に立ってですよ。そういうシステムでなければいけないのにかかわらず、それが逆になっちゃって、黒字が出たときは自分で使う、一般会計へやりませんよ、赤字のときは結構です、こういうふうになっちゃったからこういう結果になった。  国鉄はバス輸送をやっているところもございます、長野へ行きますと。いずれにしても、どんな僻地に住んでおってもその人の足を確保してやるというのが国鉄ですから、そういう意味において、今お話は承って、前からのことですから私も知っておりますけれども、地域住民が非常に不安な気持ちで今おられるわけです。おじいさん、おばあさん、いつでも自分の息子の車に乗ってどこかへ行くというわけにいかない。それから自動車だってまだ今日全部の世帯にあるかと言えばないですよ。ない人たちはどうするのですか。そこに公共性というものが強い国鉄の存立があるんじゃないですか。そういうことから考えて、いろいろ監理委員会あたりで無理なことを言っております。そんな損するようなところを民営にしてみたってだれが引き受けますか、第三セクターにしてだれがこれを引き受けますか。もうかるところはわあっと引き受ける人が出てくるかもしれません。できもしないようなことをいつまでやっておったってこれはだめなんですよ。ですからひとつ、当面は身延線、小海線についても心配ないというふうにきょうの話で確認しておいていいですね。
  282. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 お話がございましたように、今回のこの施策というのは地域の足を切り捨てるということではございませんで、鉄道のような大きな固定施設を持つ場合には輸送量が少ないということはいかにも不経済、国民経済的でもない、こういうことで効率的な足の確保を図る、こういう趣旨がというように考えておりますので、先生のおっしゃったような趣旨を体して地域の交通の確保にはさらに努力をしたい、このように思っております。
  283. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 ですから、身延線は少なくとも鉄道として存続をする、これははっきりしていますね。あと小海線の方は、あの基準に達しない場合はあるいは廃止ないしはバス路線というような形になるかそこらはわかりませんが、これからの将来に向かってはそういう不安はあるわけだ。この小海線というのは日本二局いところを通りまして、最近は大変若者があの辺にいらしているのですね。これからは県の開発計画も、富士山の近くは自衛隊の基地がありまして開発計画が進んでいかないのです。ですから、八ケ岳から茅ケ岳のあの辺が今後は開発計画の焦点になってきますので、何とかそういうことも考えながら、おっしゃるような国民の足を守るための国鉄をみんなでひとつ守っていこうということで努力をしているわけでございますから、ぜひ余り不安を与えないように、そして住民との話し合いもできるだけやっていただいて、本来の国鉄の使命というのを果たしつつ、できるだけの協力をしていただくというふうにお願いしたいと思います。  そこで、時間がありませんので次にちょっと進みますが、実は格差運賃というものを今回導入されるようでございますが、従来国から国鉄に対して補助金というか助成があったわけですが、五十九年度は幾らの額になっていますか。それから五十八年度は幾らですか。幾ら減らされましたか。それをちょっと教えてください。
  284. 永光洋一

    ○永光政府委員 五十九年度の予算におきましては、いわゆる構造的な問題を中心にしまして総額六千四百八十八億円の助成措置を講ずることにいたしております。前年度に比べますと五百四十二億円の減となっております。
  285. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 こういうところにも非常に問題がある。それは、財政再建の問題がありますから一般的に言ってそうかなというふうに感じますけれども、私はそうじゃない、むしろさっき申し上げたような考え方を持っておるものですから、できるだけ助成してやるべきだと思うのです。そこで、結局そういうことのしわ寄せが格差運賃の導入につながってきたのではないかとも思われるのです。  そこで、身延線なり小海線というのはみんな格差運賃が入ってくるわけでございまして、先般、国鉄の格差運賃導入の発表がありましたときに県民は非常に不満を持ったわけでありまして、身延線を守る会などでも口をそろえて、これだけ我々が一生懸命協力しておるにかかわらず追い打ち的に高い運賃を押しつけるとは何事か、こういうことになっているわけであります。  地元の山梨日日新聞社という一流新聞社がありますが、この報道記事を見ると、七日に山梨、静岡の両県知事それから身延線改善促進期成同盟、これは会長を甲府の市長がやっておりますが、この皆さんが運輸大臣国鉄総裁それから静鉄の局長にお願いをしておりますが、それは「地方交通線割増運賃制度の導入は地域の住民生活、地域経済の発展に重大な影響をもたらすもので、身延線の利用促進にも大きな障害となる。地域の実情を十分に配慮して特に慎重に対処してほしい」というような意見も皆さんのところへ行っていると思います。ここにも記事がございます。  そういうわけで、どうもこういうふうな格差を出すことが臨調の答申の中でちらほら見えたわけですけれども、こんなに早く導入されるとは我々も考えてなかった。非常に残念なことであります。助成金が五百四十二億円くらい減らされたんですが、大体五百四十億円くらいに見合うような増収を格差運賃によって図るというような計算になるんですか。
  286. 須田寛

    ○須田説明員 格差運賃で増収をちょうだいいたしますものと、今、財政援助が減額いたしましたものとは関連がございませんし、金額的には全然違ったオーダーのものでございます。つまり、格差運賃でちょうだいできますプラスの増収額というものは大体五十億程度を予定いたしております。私どもは、格差運賃と申しますものは、むしろ運賃体系の整合性と申しますか、地方でのいろんな他の交通機関の運賃とかあるいは幹線と地交線の収支に着眼してお願いを申し上げておりますので、今のような格好で五十億の増収の格差運賃をお願いすることにして申請を申し上げたわけであります。
  287. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 だから、この五百四十二億円のうち五十億分だけふやしてくれればそんなことしなくて済むんですよ。それをやらぬから結果的にこういうことになるその素地をつくってしまっているのです。合理化されて、私の生まれた部落なんかの駅も完全無人化です。荷物は扱ってくれない、夜、おばあさん、おじいさんが汽車からおりても、実際改札口へ来ても人がいない、今度は乗ろうとして行っても切符を売ってくれない。そういう合理化によって不便をかけている上に追い打ち的に、また田舎に住んでいる人たちが、地方ローカル線の沿線に住んでいる人たちが特別な割り増し金を取られるということについては耐えられない気持ちでおりますよ。確かに国鉄が苦しいことはみんな知っております。知っておりますけれども、その辺は大臣、もう少し工夫できなかったのですか。どうしてもことしから割り増し運賃を導入しなければならなかったという理由はどこにあるんですか。
  288. 細田吉藏

    細田国務大臣 御案内のように、明治四十年の鉄道国有法で鉄道運賃というのは一本なんです。決まっておるのです。これを持っておる意味というものも公共性の確保というような点で非常にあると思います。したがって、今おっしゃっておる御議論、地方の立場からは皆さん大変な御不平、御不満があることもよく承知しております。こういうことでございますが、御案内のように五十五年に国会を通った法律、国鉄再建の特別措置法で地方運賃に格差をつけることを認めるということを決めたわけでございます。それから、去年臨調からやはりそういう方向が出てまいりましたし、ことしの予算編成に当たりまして国鉄再建監理委員会から詳細に具体的に格差運賃をつけよという御勧告をいただいておる、こういうことでございまして、御議論のあるところであることは私も承知しております。これは運輸委員会等においてもいろいろな御議論が出ておったわけでございますし、御議論が十分あるところでございますが、何しろ今法律的には再建監理委員会の意見というものは、政府としては尊重いたさなければならぬという形になっておるわけでございまして、御辛抱をいただかなければならないということになっております。そういうわけでございます。
  289. 鈴木強

    鈴木(強)分科員 時間がないから終わりますが、大臣はその道の権威者であるし、私どもの大先輩として尊敬しておりますが、やはり国会というものが一つあるわけです。何か臨調が神様みたいに思われたり、監理委員会が神様みたいに思われてはかなわぬですよ。ですから、もう少し我々の意見というものを考えながら、タイミングをよく考えながらやってもらわぬと、同じやっても大変な不満を買うし、また結局乗客が離れていくわけですよ。その辺は、先輩に大変失礼なことを申し上げたこともありますけれども、お許しいただいて、みんなの国鉄ですから、みんながよくなるようにひとつ頑張っていただきたいということをお願いして終わります。  どうもありがとうございました。
  290. 原田昇左右

    原田主査 これにて鈴木強君の質疑は終了いたしました。  次に、塩田晋君。
  291. 塩田晋

    塩田分科員 私は、運輸省国鉄関係予算にかかわる兵庫県の北播、東播、明石地区の諸事業につきまして、大臣初め国鉄総裁関係の方から御答弁をいただきたいと思います。  まず第一点は、国鉄古川駅舎の改築問題でございます。相当老朽化した駅舎でございますが、これの改築の計画、見通しにつきましてお伺いいたします。
  292. 岡田宏

    岡田説明員 加古川の駅舎につきましては、現在都市側におかれまして加古川駅を中心といたします三線の区間につきまして高架化計画をお持ちでいらっしゃいまして、事業費がついて事業調査を既に終えておられるというふうに聞いております。駅舎の改築問題は、高架化事業の進展とにらみ合わせながら検討してまいりたいというふうに考えております。
  293. 塩田晋

    塩田分科員 加古川駅周辺につきまして、高架化の問題と非常に絡んだ問題でございますが、従来懸案でありました諸問題、例えば高砂線をどうするかといった問題、存廃の問題あるいは駅前の再開発、整備の問題につきまして、かなり解決をし進んできておる段階におきまして、改築と高架化の事業の具体的なスケジュール、見通し、今後の計画を具体的に御説明いただきたいと思います。
  294. 岡田宏

    岡田説明員 山陽本線の加古川付近の高架化の計画につきましては、事業主体でございます兵庫県から調査の委託を受けまして、鉄道の高架化、鉄道関係する部分の調査を国鉄側で受託施行いたしまして、五十八年の二月に成果物をお返しをしたところでございます。  なお、今後の予定といたしましては、都市計画としてお進めになるわけでございまして、事業採択あるいは都市計画決定ということに至るわけでございますけれども、何分にも相当の巨額を要する高架化事業でございますので、これら具体的に工事の実施という段階になりますと国鉄の全体の工事経費の枠の問題、いろいろ問題がございますけれども、私どもといたしましては事業主体でございます県とよく御相談をして進めてまいりたいというふうに考えてわります。
  295. 塩田晋

    塩田分科員 昨年も一昨年も同じ問題について質問をして御説明をいただいてきたわけでございます。もう少し具体的な話であったはずでございます。加古川の駅の西にかかっている跨線橋を高架化とともに落とす問題。それにはこの高砂線が出ておるので、その存廃がまだ決まってないからどう、ある場合には、この廃止の場合にはこれぐらい経費がかからない、存続されるとこうなるというような話も具体的にかなりあったわけでございます。ところが、今の御答弁ではかえって抽象的になってきておるわけでございますが、六十年度以降改築について具体的に着工を目指しての段取りができるかどうか、端的にお伺いいたします。
  296. 岡田宏

    岡田説明員 先生お話してございましたように、この加古川の高架化の問題につきましては幾つかの問題点がございまして、そのうちの一つに、今の高砂線が分岐をいたしておりますので、これらを同時に高架に持ち込むということにいたしますと相当工事費が高騰するという問題もその問題点の一つでございました。その問題につきましては、今の高砂線の廃止、バス転換ということを決めていただきましたので、大きな問題点はクリアをしたわけでございます。また、貨物設備等につきましても五十九年二月に廃止をさせていただきましたので、この点につきましても問題点がクリアをされてきているわけでございます。さらに気動車基地等、構内に大変いろいろな問題がございますので、この辺の設備計画につきましては十分検討いたしまして、いずれにしても国費を要する事業でございますのでスリムな形に、なるべく実施しやすい形に検討を進めていくということに全精力を注ぎたいというふうに考えております。
  297. 塩田晋

    塩田分科員 加古川駅の周辺は、非常に立て込んでおりました商店術等もすっかり整備されまして広くなって、かなり開発整備が進んだわけですね。今言われました高砂線の問題も結論が出ているという中で、ぽつんと明治時代か大正時代に建てられた木造の駅舎だけが浮かび上がっているというような状態なんです。これはいつまでほっておくか。駅前開発整備を言われた人たちは、これは高架になるのだ、駅舎ができるのだ、民衆駅になるのだという話で協力をして立ち退きまたは移転したわけです。もう少し具体的、前向きな話がないと、この住民の人たちは本当に怒るのじゃないかと思います。いかがですか。
  298. 岡田宏

    岡田説明員 先ほどもちょっとお話を申し上げましたけれども、具体的な工事着手の見通しということになりますと、国鉄の工事経費につきましては、今臨時行政調査会あるいは監理委員会の御意見もございまして非常に厳しい抑制が行われている状況下でございますので、それらの状況を踏まえながら今後検討させていただきたいというふうに考えております。
  299. 塩田晋

    塩田分科員 これは早期にひとつ、着工に向けて最大限の努力をしていただきたいと思います。  次に、山陽電車明石駅と国鉄明石駅との合体の問題でございます。すでに御承知のとおり、国鉄明石駅はその周辺が高架化されております。駅前の国鉄の用地と駐車場等を挟みましてちょうど真向かいに山陽電車の明石駅があるわけであります。これも合体ということで、付近の住民の御協力関係者の御努力でほとんど用地買収その他難しい問題は終わっておるはずでございます。ところが全然形がその後変わらない。いつ山陽電車の高架化の着工が行われるかということを聞かれるわけでございます。待ち望んでおるわけでございますが、いかがでございますか。
  300. 永光洋一

    ○永光政府委員 現在、地元で県、市、国鉄とそれから山陽電鉄で用地問題について納めを行っておるというふうに聞いておりまして、まだ確かに御指摘のとおり本格的な工事に着手いたしておりません。聞くところによりますと、相当現在いろいろ問題になっておりますところ、特に国鉄の川地等につきましても話が進んでおるというふうに聞いておりますが、そのあたり進み次第我々としても、本事業の促進が図られるようにいろんな面でその促進方について努力したい、かように考えております。
  301. 塩田晋

    塩田分科員 用地の買収に協力した住民の方々、今にもつくるからということで協力を迫られて協力をした。ところが、なかなかできない。この時間的ずれができますと、ますます疑念を持つわけですね。またいろんなトラブルも、買収の時間約差がありますと御承知のとおり起こってくるわけでございます。これもできるだけ速やかに着工にこぎつけていただきたい。計画はすっかりでき上がって調査も終わっているはずでございますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、国鉄の山陽本線西明石駅-網干間の通勤、通学の混雑の緩和のために、電車のダイヤ編成につきまして要望し、一部認めていただいて増発も行われてきたわけでございますが、これ以上ということになると、どうしても複々線化をしなければならないということを聞いておるわけでございますが、県からもかねて強い要望をしてきておるところでございますが、この問題についてお伺いいたします。同じような問題は神戸電鉄の三木、神戸の鈴蘭台との間の複線化の工事が進んでおりますが、三木までなかなか達してない、そういう問題もあるのでございますが、いずれにいたしましても、通学、通勤の混雑緩和のための複々線化あるいは複線化が望まれておるわけでございます。これについて、現在どのような状況で進んでおりますか。
  302. 岡田宏

    岡田説明員 国鉄の方から先にお答え申し上げます。  山陽本線の西明石-網干間につきましては、現在、朝のラッシュ時間帯の片道の列車本数が九本でございまして、まだ現状の複線の形でございましても増発の余力があるというふうに考えておりますので、国鉄といたしましては、当面この区間に複々線化をする必要性はないというふうに考えております。
  303. 塩田晋

    塩田分科員 増発の余地がまだあるから複々線化の必要性はないと考えておるということでございますが、それは増発の余地ありということを確認してよろしゅうございますね。
  304. 岡田宏

    岡田説明員 設備的には増発の余地はございます。結構でございます。
  305. 塩田晋

    塩田分科員 わかりました。  次に、国鉄特定地方交通線の問題でございます。私の兵庫三区という選挙区には廃止対象のいわゆるローカル線、これは三線ございまして、先ほど出ました高砂線は賛否種々ございましたけれども、私としても小さいときには海水浴にたびたび乗った懐かしい線でございますが、これが廃止が先ほど決まったところでございます。感無量でございますけれども、他の三木線、北条線につきまして廃止が決まり、また二線とも第三セクターで運営するということがほぼ決まったように承っております。これにつきましてお伺いしたいのでございますが、まず高砂線の廃止の決定があった後の今後のスケジュールといいますか、いつからどうするのだということ。それからバス転換というのはいつごろからどういう形で路線等が決まっていくのか、その点について御説明をお願いいたします。
  306. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 高砂線につきましては、去る二月十四日の六回目の会議でございますけれども、バス輸送に転換するということをお決めいただいております。これからはさらに協議会の中で具体的な輸送計画、運行会社、あるいは運行系統をどうするのか、停留所の位置をどうするかとか、あるいは地元からの御要望が出ておるようでございますが、高砂線の線路敷を代替バス輸送の道路の一部に使いたいという御要望もございますようでございますので、そういうことを検討いたしまして、その結論が出次第運輸大臣に廃止の許可申請をしたい、このように思っております。
  307. 塩田晋

    塩田分科員 大体のめどはいつごろですか。また二年先とか五年先とかいうことなのか。ここ数カ月をめどにして努力をするのか。その辺どうですか。
  308. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 五十七年の二月からでございますから、ちょうど二年、今まで協議をしておるわけでございますが、最終的には協議会自体がお決めになることでございますので、ここで私の方から確定的なことは申し上げられませんが、一年も二年もかかるというふうには考えておりません。
  309. 塩田晋

    塩田分科員 一年も二年もかからないという大体めどを持ってお取り組みのようでございますので、それを確認しておきたいと思います。こういった問題は関係者の合意を得てできるだけ早い方がいいと思いますので、御努力を願います。  次に、三木線と北条線の問題でございますが、これは両線とも無償供与でございますか、貸付でございますか。
  310. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 まだ最終決定でございませんが、十回の協議会でそれぞれ第三セクターの方向で存続させるということが決まるようでございます。その際、無償譲渡を受けるかあるいは無償貸し付けを受けるかというのはこれまた協議会でお決めになることで、まだその点については結論が出ていないわけでございます。
  311. 塩田晋

    塩田分科員 これを無償譲渡ということになった場合、なる可能性が多いのですが、どの範囲の施設までを無償譲渡されるか。これは法令上は、運輸について必要不可欠施設、そのような施設は無償譲渡する、これこれは有償ということになるわけですが、大体どのあたりまで考えておられるのですか。駅舎あるいは鉄軌道、その附属施設あるいは駅前広場、関連のヤードとかありますね。大体の基準はいかがでございますか。
  312. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 今先生からおっしゃいましたように、当該線区を運営するために必要な最小限の不可欠の施設、こういうことになるわけでございまして、具体的に申し上げますと、例えば駅舎は当然でございますが、駅舎を含む駅施設、それから路盤、線路あるいは信号設備、こういうものが当然無償譲渡の対象になります。ただ、貨物集約した後の跡地あるいは宿舎用地とかというようなものについては、有償で譲渡するということに考えております。それから、駅前広場につきましても、これは駅の附帯施設として必要不可欠な部分があるわけでございますが、駅によってそれぞれ態様が違いますので、個々にその実態を見て判断をしたい、こういうように考えております。
  313. 塩田晋

    塩田分科員 そういった問題につきましては、できるだけ地元の要望を十分に入れていただいて、ひとつこれが円滑に譲渡あるいは貸与されるようにお願いいたします。  それから、現状維持のままで譲渡あるいは貸し付けされるのか、ある程度の保守をして、もう古くなって間もなく改修しなければならぬようなものについては直してから差し上げるのか、全く現状に手をつけないでそのままでやられるのか、その辺の方針はいかがでございますか。
  314. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 第三セクターに移管をいたします前日まで国鉄としては列車の運行を継続するわけでございますから、通常の保守費等の投入は当然のことと考えておりますけれども、移管に当たりまして特別の施設の改修をするということは、申しわけないのですが考えていないということでございます。
  315. 塩田晋

    塩田分科員 考えていないというのはちょっと乱暴じゃないかと思うのですけれども、少なくとも安全上の問題のあるようなところはまずまず改修、保守をして移すべきじゃないか、このように考えます。その辺も御考慮を賜りたいと思います。  それから、第三セクターで運営する場合には、転換交付金だとか、あるいはバス車両購入費だとか、あるいは定期券の差額料金を持つとか、いろいろな援助を考えておられると思うのですが、それの方針を述べていただきたいと思います。
  316. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 御承知のように、キロ当たり三千万円の転換交付金が交付されます。これを定期の差額補償あるいは車両を買うとかの初期投資でございますね、あるいは関連事業、転換に関連する事業に交付する、このようなことを考えております。そのほか、開業から向こう五年間、運営上赤字を生じた場合にはその赤字の二分の一が補償される、そういうことでございます。
  317. 塩田晋

    塩田分科員 これは運輸大臣にも強く要望しておきたいと思いますが、そういった第三セクターに運営が移って手を離れたとしても、やはり温かく見守っていろいろな援助をしていただきたい、このことをお願い申し上げますとともに、固定資産税等の軽減等の措置についてできるだけの御配慮をお願いします。
  318. 細田吉藏

    細田国務大臣 北条線と三木線の第三セクターというのは、非常に先駆的な役割をするものと思っております。と申しますことは、今後のローカル線の解決の方法として、前向きで鉄道を続けながら最大限の合理化をやっていこう、そして、しかも安全も守っていこう、地域の住民のためにも役に立とう、こういう非常な理想に燃えてあれば進められておるのでございます。私は実際にあれをやろうという人たちを知っておるわけでございますが、そういう意味合いからこれを育てていかなければいかぬ。これがうまく育ては、私は、他の地域でも後へ続く者が出てくるものと考えますから、最初が大変大切でございますので、おっしゃるように、これは育てていく方向で考える、安全は特に重要に考えるということだと思います。
  319. 塩田晋

    塩田分科員 大臣から非常に前向きの温かい御配慮を込めた御答弁がございましたので、ぜひともそのようにお願い申し上げます。  なお、これに関連いたしまして、職員がどのように移っていくか、どのように本人の希望を入れて、とどまるかあるいは移っていくか、配置転換等どのように考えておられるか。  これに関連しまして、国鉄の大久保駅の南の改札口を、時間を朝と晩に限りまして一時間か二時間あけてもらっています。これを一時間ほど夜の分だけでもいいから延ばしてもらいたいということを前回も要望したのですけれども、人がいない、人員配置の増員がなければこれはできないんだというお話だったのですが、この機会に、今配置転換等を考えられるこの中で、そういったこともこの際処理していただきたいということを要望いたしたいと思います。
  320. 太田知行

    ○太田説明員 最初の要員の配置転換の問題でございますけれども、合理化やあるいは機械化などによりまして業務機関が廃止になる、例えば今度の貨物のダイヤ改正で操車場が廃止になるというケースと実態的に同様だと考えておりまして、労働組合との間に締結しておりますところの配置転換協定に基づいて、本人の希望、意向を十分に尊重しながら配転事務を進めてまいりたいというように考えております。
  321. 塩田晋

    塩田分科員 この線は同盟傘下の鉄労の職員の方が多いのです。よく話し合ってひとつ無理のないように、本人の希望をできるだけ尊重して、円滑に配置転換等も進めていただきたいと思います。  それから、最後に一つ御質問申し上げまして終わりたいと思います。  東播磨港の別府西地区の緑地事業、養浜事業につきましてお伺いいたします。  その前に、同じ東播磨港の高砂地区の向島におきまして、海浜事業を既に完成されまして供用されております。この落成式にも出ましたけれども、市民は非常に喜んでおります。皆様方の非常な御努力、熱意によりまして、海水浴あるいはヨット等で利用されております。これは感謝申し上げたいと思います。  別府西地区の緑地事業、これは十六万四千平米の海浜造成だそうでございますが、日比谷公園の約二倍ぐらいに当たる広さじゃないかと思いますが、非常に大きないい計画だと思います。つきましては、これを速やかに実施をしていただきたい。どのようなスケジュールで今後進められるか、見通しをお聞かせいただきたいわけでございます。もちろん、その周辺には廃棄物等の投入の問題もありますし、いろいろ問題はありますけれども、そういった問題を早期に関係の方面と解決されまして実施に移っていただきたい。着工はいつごろになるか。第六次の港湾整備五カ年計画の中にぜひとも入れて着工していただきたいということを要望いたしまして終わりたいと思いますが、関係局長さんの御答弁をお願いします。
  322. 原田昇左右

    原田主査 小野寺港湾局長、答弁は簡単にお願いします。時間が切れております。
  323. 小野寺駿一

    ○小野寺政府委員 御指摘のとおり、別府西地区に緑地計画がございまして、既に東播磨港の港湾計画の中に位置づけられております。しかしながら、これは先生のお話の中にもございましたように、廃棄物処分場との関連がございます。今の段階ではきちっとしたスケジュールができているわけではございませんが、港湾管理者である兵庫県の考え方としては、次の第七次港湾整備五カ年計画の中に位置づけて実施の段階に移していきたいというふうに考えていると伺っております。
  324. 塩田晋

    塩田分科員 ありがとうございました。
  325. 原田昇左右

    原田主査 これにて塩田晋君の質疑は終了しました。  次に、松沢俊昭君。
  326. 松沢俊昭

    松沢分科員 私は、大変に恐縮なのでありますけれども、地元の問題をひとつ御質問申し上げたいと思います。  新潟県に新津という町がございますが、この新津は大正三年から昭和二十五年まで新潟県の鉄道の要衝といたしましてずっと管理部が置かれておりました。それがその後新潟に移りまして、それとともに国鉄合理化と申しますかそういう計画に従って、いろいろな施設がたくさんありましたが、それが順次移っていくという状態になって、そして今日に至っているわけであります。しかも、去年新幹線の開業ということで、今まで特急「とき」など通っておりましたけれども、今はもう新幹線が通らないという状況になりまして、これまた閑散としてしまっている、こういう状態になっているわけです。私がここでひとつお伺いあしたいのは、そういうような状態になったものでありますから、国鉄の敷地というものが今もう有閑地になっている。私の調べたのによりましても、今まで市で払い下げを受けたのが四千五百平米、それから今あるもの、それが二万四千二百平米ぐらいの敷地がある、こういう状態であるわけです。それで、三十数年間、四十年近くも国鉄の町として生きてきたわけなんであります。したがって、それがこのような状態になりますと大変町が寂れてくる、こういうことでありまして、何とかして駅前あたり再開発をやって、そして活性化を図っていかなければならないというのがここの町の大きな課題に実はなっているわけでございます。  しかし、今まで払い下げになったところの価格等を見まするとほとんど時価、こういうことでありまして、鉄道施設地方公共団体が払い下げを受けるそういう場合時価でいいのかどうかといろ問題も一つありますが、しかしこの町は国鉄があって生きた町であり、またそのために国鉄にも協力をしてきたところの町でもあるわけでございますから、国鉄が去ることによって大変なデメリットがあるわけです。そういうもののアフターケアというものは当然考えてもらわなければならないのではないか、こう思うわけであります。払い下げの適正価格というのは、こういう町の場合はこういう町なりの適正価格がやはりあってしかるべきだと思いますが、この点は一体どうお考えになっているか、まずお伺いしたいと思います。
  327. 岡田宏

    岡田説明員 先生御指摘のように、新津は国鉄の町ということでございまして、新津市が果たしてこられた役割は大変なものだというふうに考えております。しかしながら、土地を売却するという場合に相手方が地方公共団体であり、かつそれが公共目的に使用されるということでございますと随意契約ができるわけでございますけれども、その契約のときの単価、土地の価額につきましては、第三者の不動産鑑定士等の公正な評価を経まして正常な取引価額による売却ということが建前になっておりますので、ひとつその点御了承をお願いしたいというふうに考えております。
  328. 松沢俊昭

    松沢分科員 これは、国鉄再建問題というのが非常に大きな課題になっておりますので、当然のことながら、売るのならなるべく高く売って財政の一助にしたいというところのお気持ちはわかりますけれども、しかしその国鉄が生きるために、そういう今まで陰に陽に国鉄協力をしてきたところの町が大変困っているということであるならば、これはこれなりにいろいろ考えてやってもいいのではないかと私は思いますが、どうでしょうか、運輸大臣。こういう場合は、ただでくれとは言わないのでありますが、そういう町に対するところの価格というものはこういうのが適切なんだという何かがあってしかるべきだと思うのですが、どうお考えになりますか。
  329. 細田吉藏

    細田国務大臣 お話はごもっともな点も多々あると思いますが、国有鉄道の財産の売却という問題は今国鉄の財政再建との関連で非常に大きい問題として取り上げられております。臨調でもさようでございますし、それから会計検査院も非常にやかましく言っておるわけでございます、国鉄が赤字なだけに。したがって、なかなか特別な値段でということは実際問題としてかなり困難。一方で会計検査院でひっかかってしまいます。  ですから、私が思いますのに、新津は私もよく知っております。昔、新津の管理部があったところでございますし、新潟の入り口でございます。鉄道の町でよく知っておりますが、やはりいろいろな点でもっと総合的に考えて鉄道として配慮すべきことが、できることがあればいろいろ配慮するということではないでしょうか。どうも国鉄も気持ちの上ではそういう気持ちがあるとしましても、とにかく非常にやかましく目をつけられておる土地の値段というものでございますので、これをどうこうということは正面切っては少なくとも言えない、かように思っております。
  330. 松沢俊昭

    松沢分科員 なかなかこの問題は、時世が時世だけあって大変難しい問題であると私も考えております。  大臣のお話もよくわかりました。総合的にやはりアフターケアを考えていかなきゃならぬじゃないか、こういうお話だと思いますので、大変いい御答弁をいただいたと思っているわけであります。  今そういうお話に関連して、二番目の質問を申し上げたいと思いますが、これはむしろ質問ということよりも、私のやはり提言ということになると思いますが、新潟と新津というのは、大臣も御承知のように、近いのでありまして、離れてもキロ数にして二十キロであります。でありますから、汽車に乗っていけば十分もあれば行ってしまう。そういう非常に近距離ということであるわけであります。    〔主査退席、三塚主査代理着席〕 今新幹線で新潟駅の南の方の開発をやらなきゃならぬというような状態になっておりますけれども、なかなか駐車場を一つつくるにいたしましても非常に土地の値段も高いわけでありますから大変だということで、南の方に乗降口はできましたけれども、余りこれは利用されていない。そこで、新幹線に乗る場合においては、燕三条駅という駅がございますね、これは非常に遠いわけなんです。遠いけれども、あそこはやはり駐車場が完備しているわけでありますから、結局新津を中心にいたしましたところの背後人口というのは大体二十万くらいあるわけでありますが、そういう二十万の人たちが新幹線に乗る場合、どういう傾向が出ているかと申し上げますと、遠いところの燕三条の方に走っていって、そしてそこへ駐車して汽車に乗り込む、こういう傾向が出てきているわけですね。  ですから、私は、やはり新津に今申し上げましたような相当広いスペースを国鉄は有閑地として持っておられるわけでございますから、要するに有閑地というものをモータープールといいますか、大きな駐車場施設をつくって、そして新幹線と新津-新潟間の汽車の連絡というものをうまく調節をとってやっていくということになれば、これは国鉄にとりましても非常にお客を汽車に乗せるという意味におきましては合理的だ。新潟まで新津からわずか二十キロくらいしかないわけでありますけれども、道路の交通混雑で今では約一時間かかる、こういう状態であります。汽車に乗れば十分そこそこで行けるというのに、自動車に乗っていけば一時間もかかるということになれば、新津に要するにそういう広場、駐車場、そういうものをちゃんと整備をしてやっていくということになれば、これはやはりせっかくのあいておる土地も生きてまいりますし、それから乗客もふえてくるのではないか、こう私は思っているわけなんでありますが、そういう構想というものは検討に値するかどうか、ひとつお伺いをしてみたいと思います。
  331. 岡田宏

    岡田説明員 現在、新津駅の周辺におきましては、国鉄は二カ所、合計いたしますと約千八百平米の範囲で駐車場を設置をいたしております。なお、それ以外に先ほど先生から御指摘のございました、今新津駅構内の用地、宿舎跡地六千六百平米の譲渡のお話が進んでいるところでございまして、当面それ以上の駐車場をこの周辺に設けるという余地は、見当たらないわけでございますが、ここの構内は、いずれにいたしましても非常に膨大な構内でございまして、機関区でございますとか材修場でございますとか、まだいろいろな施設がございます。そういったものを総合検討をしながら、先生の御指摘に沿えるような方向を検討してまいりたいというふうに考えております。
  332. 松沢俊昭

    松沢分科員 大変前向きな御答弁でありますが、これは検討をするということになると、いつごろまでに結論が出るということになるわけですか。
  333. 岡田宏

    岡田説明員 私も新潟の事情はよく存じ上げているつもりでございますけれども、当面で申しますと、今申し上げたようなことで、市に売却を予定をいたしております土地と、現在既に駐車場として使っておる駅周辺用地ということしかないわけでございますが、この車両基地を初めといたしまして、新潟の駅構内にございます車両基地等との関連、いろいろな問題がございますので、その辺について少し時間はかかると思います、多少の時間をいただきたいと思いますが、検討をさせていただきたいということでございます。
  334. 松沢俊昭

    松沢分科員 ぜひこの点につきましては前向きに検討してもらいまして、そしてさっき大臣の方からお話がございましたように、総合的に今までの国鉄施設というものがなくなったことについてのデメリット部分というのを補ってくれる、こういうふうにしてもらいたいと思います。  それから、今、お聞きをいたしますと、都区市内乗車券というものですね、切符でありますけれども、これが適用されているのが全国で十一とかいうふうに聞いておりますけれども、新潟を中心にいたしましたところの半径二十キロぐらいの範囲というのもこれに準じて、都区市内乗車券に準じたそういう切符の発売をやってもらいたい、こういう要望というものが、新津市を初めといたしまして周辺の新潟二十キロ範囲の駅を持っているところのそれぞれの自治体から今新潟鉄道管理局に対しまして出ているわけなんでありまするが、これは要望どおり実現ができるのかどうか、お伺いしたいと思います。
  335. 須田寛

    ○須田説明員 現在、先生御指摘のように、確かに十一の特定都区市内制度がございまして運用させていただいておりますが、この制度は随分歴史が古い制度でございます。大体同じ市内に相当な国鉄の駅がございまして、また人口も多く、しかも、その市内の主要な駅においでいただきます際の国鉄の御利用の非常に多いところを指定しておるわけでございまして、現状で申し上げますと、新潟付近と申しますのは、ちょっとそれに対してまだ一歩という感はいたします。  ただ、これに似た制度といたしまして、ミニ周遊券でございますとか、そういった地域を一括して一つの着駅にいたしましたいろいろな切符の制度が実は設けられておりますので、そういったものでも先生がおっしゃったようなものが十分やれるかと思っておりますので、貴重な御提言をちょうだいいたしましたので、そのような制度も含めましてどうしてまいるかということを検討してまいりたいと思います。
  336. 松沢俊昭

    松沢分科員 ぜひ前向きに検討を願いたいと思います。  何しろ、今、新津はそういう状態でありますので、もう国鉄の職員、OB、国鉄関連産業に働いておられる人たちというのは町の労働人口の大体四割ぐらい占めているのじゃないかと思うのですね。そういうのがみんな新潟の方にどんどん移されたものでありますから、ベッドタウンという状態に実はなっておりますね。  それからまた、新津を中心にして、羽越線、上越、信越線、それから磐越線、こういうぐあいにしていろいろな線があそこに集まっておりますので、国鉄だけでなしにこれまた通勤あるいは通学の要衝になっているわけであります。ところが、通勤、通学の列車の間引きというのが出てまいりまして、非常に不便になった、こういう声が出ておりまして、何とかして間引きはやめてもらって、そしてもっと便利な、新津を中心にしたところのダイヤにしてもらいたい、こういう強い要求があるわけでございます。  何かお話を聞きますと、五九・二のダイヤ改正で少しは手直ししたはずだ、こういうことが言われておりますけれども、地元といたしましては、いやまだまだそういう状態ではない、こうなっているわけなんでありますが、これらの点につきまして、国鉄の方の御答弁をいただきたいと思っております。
  337. 須田寛

    ○須田説明員 先生のお話のように五九・二では実は間引きはいたしておりませんで、列車の本数は従来どおりでございます。列車によりまして若干編成の見直しはいたしておりますけれども、間引きはいたしておりません。  今お話がございましたように、新潟への通勤のお客様、新津-新潟間というのが実は今一番込んでいるわけでございますが、このような状況で、お客様の数として最近かなりふえてまいっておりますので、これからもその辺のお客様の動きを十分見きわめまして、通勤のお客様に円滑に御乗車いただけるような手当てはしてまいりたい、こんなふうに考えております。現時点では、乗車効率一六〇ぐらいでございますので、何とかまだ御乗車いただけるような状態にあろうかと存じます。
  338. 松沢俊昭

    松沢分科員 先ほども大臣の方からお話しがございましたように、こういう町につきましては総合的に考えてやるべきだ、こういう御意見でございますので、それを踏まえて、ひとつ国鉄の当局の方もいろいろと総合的に便宜を図ってもらいたいということを強く要望申し上げまして、私の質問を終わります。
  339. 三塚博

    三塚主査代理 これにて松沢俊昭君の質疑は終了いたしました。  次に、中村巖君。
  340. 中村巖

    中村(巖)分科員 まず、新幹線の上野駅開業に伴う問題について国鉄当局にお伺いをしたいと思います。  東北新幹線、上越新幹線につきましては、現在大宮始発となっていて、近いうちに上野始発になるということでございます。やがては東京駅始発ということになろうかと思います。それで、現在は大宮-上野間の新幹線工事が進められておるわけでございます。それと同時に、これに並行して大宮から赤羽、さらに池袋方面への通勤別線を走らせるということになっておるわけでございます。今国鉄の方では、この両線は六十年春までに開業することを目標にやっておるというようなことでありますけれども、現在の工事の進捗状況を私どもが素人目に見ておりますと、かなりおくれているのではないかというふうに思うわけでありまして、現実には六十年春の開業は無理ではないか、こういうふうに思うわけであります。この二つの線は東京都の北区をかなりの距離通過をするのでありますけれども、通勤別線については北区の区民は早期の開業を望んでいるわけであります。  そこで、両線の現在の工事の進捗状況はどうなっているのか、六十年春開業の可能性はあるのか並びに新幹線と通勤別線は同時開業ができるのかということについてまずお伺いをいたしたいと思います。
  341. 岡田宏

    岡田説明員 現在、新幹線、通勤別線につきましては六十年春開業を目途として鋭意工事を進めているところでございます。また、通勤別線につきまして新幹線と同時開業ということで、二、三の問題点はございますけれども、その隘路区間の解消につきまして鋭意努力を続けているところでございます。
  342. 中村巖

    中村(巖)分科員 今そういう御回答がございましたけれども、大宮と上野の間、土地そのものが買収をされていない、そういう部分もまだまだあるように思われますし、あるいはまた買収をされておっても全然工事に着手をしておらない、来年の春までもう一年しかないわけでありますけれども、工事に着手をされていない部分も大変多く見受けられるようでございまして、実際に数値をもって、どのくらいのものがまだ未買収であるのか、工事未着手であるのか、こういうことをお答え願いたいと思います。
  343. 岡田宏

    岡田説明員 ちょっと今数値を探しておりますので、申しわけございません。――上野-大宮間につきまして用地の取得率で申しますと、五十九年一月現在で取得する必要のある用地のうち取得が終わっておりますのは九一%でございます。なお、工事につきましては、延長キロにおきまして九二%の着工をいたしております。これらを、例えば東北新幹線の大宮開業当時の時期と比較をいたしてみますと、六十年春の時点の開業は可能な段階であるというふうに考えております。
  344. 中村巖

    中村(巖)分科員 今可能だというお話でございましたけれども、目標ということではわかりますけれども、現実的に可能だということでその開業の準備をお進めになっておられるのかどうかということをお尋ねしたいと思います。
  345. 岡田宏

    岡田説明員 それを目標にして開業の準備を進めております。
  346. 中村巖

    中村(巖)分科員 通勤別線のことでございますけれども、通勤別線は大宮から赤羽、池袋方面ということでありますけれども、今、東京都内においても、この通勤別線を新宿の方へ、さらには渋谷の方にまで延長をしてほしいという要望がかなりあるようでございますが、現実の通勤別線の計画というのは最終的にどこまでやるかということ、まず現時点ではどこまでやる予定でいらっしゃるのか、お伺いをいたします。
  347. 岡田宏

    岡田説明員 通勤別線の都内側につきましては、今、計画が決定をいたして進めていますのは赤羽ということでございまして、赤羽から赤羽線を使いまして池袋へ乗り入れる、そこまでは計画を決定いたしております。
  348. 中村巖

    中村(巖)分科員 そうしますと通勤別線は赤羽までということで、それがそのまま池袋まで延長をされるということではなくて、したがって赤羽線は廃止をしない、乗り継ぎをするという形になるわけでございましょうか。
  349. 岡田宏

    岡田説明員 ちょっと誤解を招くような答弁を申し上げたかもしれませんが、通勤別線として計画をしておりますのは赤羽まででございまして、実際の列車の計画といたしましては、赤羽駅において赤羽線に直通乗り入れをいたしまして池袋まで行くという計画でございます。そこまでの計画は決まっているということでございます。
  350. 中村巖

    中村(巖)分科員 その後の新宿なり渋谷までの乗り入れということについては、現時点では構想はない、こういうことでございましょうか。
  351. 岡田宏

    岡田説明員 池袋-新宿間は山手線の中でも最混雑区間と申しますか、首都圏の国電区間の中においても最混雑区間の一つでございます。そういった意味で、現在、池袋と新宿さらに渋谷方面には貨物線が通っておりますので、その貨物線にいろいろ改良を加えながら新宿まで延伸をする、あるいは将来においてはもっと南の方へ下がってくるという構想について部内で勉強を進めております。
  352. 中村巖

    中村(巖)分科員 今度はちょっと違ったことでお尋ねをするわけでありますけれども、国鉄の方で新幹線を北区を通過させるということで、北区の方とお話し合いをなすって北区の承認を求められた際に、国鉄の方では赤羽駅付近あるいは十条駅の付近を連続立体交差にするという御意向を示されたようであるわけであります。  赤羽駅付近につきましては、赤羽駅を中心に南北に約二・五キロメートルにわたって、これを横断するすべての道路を連続的に立体交差にするんだというような御意向のようであったわけでありますが、現実にお見受けをするところによりますと、今日まだこの連続立体交差の工事は進んでいないようでございます。新幹線については高架で初めから進められておりますし、在来線のうち赤羽線は赤羽駅付近で高架化しているわけでありますけれども、在来線の中長距離列車さらには貨物線さらには盛り土の上に架設をされております京浜東北線等につきましては、そのままの状態であるというふうに見られるわけでございます。また、それについて具体的な工事の計画もお聞きできないような状態であるやに思いますが、赤羽付近の住民といたしましては、この立体交差ができないと町が東西に二分をされるわけでありまして、大変に不便を感じている。早く立体交差をしていただいて、町の東西交通を自由にできるようにしてほしいということを望んでいるわけでございます。     〔三塚主査代理退席、主査着席〕 あるいは地方公共団体等の財政負担の関係もあるかと思いますけれども、国鉄としては、この連続立体交差についてどのような計画を立てておられるのか、この事業をどういうふうにお進めになろうとしているのか、まず概括的にお伺いを申し上げたいと思います。
  353. 岡田宏

    岡田説明員 赤羽付近の連続立体交差については都市計画事業という形で施行されることとなりますので、五十二年度と五十三年度の両年度にわたって建設省の調査費がつきまして事業調査が行われたわけでございます。この際、国鉄としても鉄道施設に関する部分については調査の受託を受けまして東京都に報告書を提出をいたしているところでございます。その後、まことに申しわけないところでありますけれども、都市計画事業としての進展が見られておりませんので、まだ事業採択あるいは都市計画決定という段階には至っておりませんが、国鉄としては、これらの問題について推進を図るべく東京都あるいは北区、建設省という方たちと集まりながら協議の促進方を進めているところでございます。
  354. 中村巖

    中村(巖)分科員 そういたしますと、国鉄としては、これは都市計画事業であるということで建設省なり地方自治体がやる、それに対して国鉄協力をするという立場にある、こういうお考えでございましょうか。
  355. 岡田宏

    岡田説明員 そのとおりでございます。
  356. 中村巖

    中村(巖)分科員 国鉄の方としても国鉄施設というものを、赤羽駅付近の問題については高架化をするという方向で相当にいじらなくてはならないわけでございますけれども、その高架化の計画なりプランなりというものは策定をしておられるのでしょうか。
  357. 岡田宏

    岡田説明員 先ほどの答弁、言葉が少し足りなかったかもしれませんけれども、連続立体交差事業と申しますのは一般的に都市計画事業として施行されるということでございまして、これらの調査あるいは工事の実施等については当然国鉄も積極的に参加をしているところでございます。
  358. 中村巖

    中村(巖)分科員 いまのお答えに対して再度お聞きをいたすわけでありますけれども、国鉄としては在来線のどの範囲を、どういう高度で、例えばどういう勾配でというようなことで工事計画を調査をし、さらに計画設計というか、そういうようなものをやっておられるのでしょうか。
  359. 岡田宏

    岡田説明員 五十二年度、五十三年度の時点におきまして都市計画事業としての調査が行われました。その場合には、鉄道側の施設について、勾配の問題とかホームの幅の問題あるいは鉄道の線形とか、そういった問題については国鉄が受託調査をいたしまして、その報告書は都市側にお返しをしたところでございます。
  360. 中村巖

    中村(巖)分科員 私はそういうことについて十分に知識がないのでお伺いをするわけでありますけれども、この都市計画事業で実施をするということになりますと、その実施予算の分担関係というものは、それぞれどういうことになるのでございましょうか。
  361. 岡田宏

    岡田説明員 連続立体交差事業につきましては、運輸省と建設省の間に協定がございまして、それに基づきまして、この場合のような単純連続立体交差事業、と申しますのは国鉄が線路をふやしたり、そういうことをしないという意味で単純立体交差事業に該当いたしますが、その場合の費用負担につきましてはおおよそ十分の一が国鉄の負担であり、十分の九が都市側の負担、その十分の九の都市側の負担については国庫補助が出るというふうに聞いております。
  362. 中村巖

    中村(巖)分科員 そうすると、五十二年度、五十三年度において調査費がついたということでございますけれども、その後今日まで相当年数がたっておりますけれども、この事業に対する国鉄ないしは建設省側の予算というものは全然ついておらない、こういうことになりましょうか。
  363. 岡田宏

    岡田説明員 今日までのところは事業採択がなされておりませんので、都市側の予算はついていないということでございます。国鉄予算についてもついていないということでございます。
  364. 中村巖

    中村(巖)分科員 五十二年、五十三年で受託調査をした時点での国鉄計画といたしますれば、やはり在来線で今、地表を走っているものを全部高架化する、こういうことであろうかと思うわけでございますけれども、今、京浜東北線は一定の盛り土の上で走っているわけで、ある程度の高度があるわけでありますけれども、この部分についてはどうするということでございましょうか。
  365. 岡田宏

    岡田説明員 地元、都市側ともいろいろお話を申し上げておりますけれども、この部分について一部盛り土を残すという案についても検討をさせていただいております。何分にもこの赤羽付近の高架化計画は非常に膨大な事業費を必要としますので、何とか少しでも実施をしやすくする方法はないかということで、いろいろその調査を一遍いたしたわけでございますが、その後につきましてもさらに技術的検討を加えているところでございます。
  366. 中村巖

    中村(巖)分科員 私ども当初伺ったところによりますと、先ほど私が申し上げたように赤羽駅を中心といたしまして環状七号線から環状八号線の予定道路の間の約二・五キロを連続立体化をするのだ、こういうようなことでございましたけれども、二・五キロということになりますとその間に相当数の道路が線路を横断をしているわけでございまして、大変大きな事業になろうかと思いますけれども、現在の計画では、現在のところ国鉄としてはやはり二・五キロ間を高架化するというお考えであるかどうか、及びその事業規模であるとするならば総工費でどのくらいかかることが想定をされているか、この点についてお伺いをしたいと思います。
  367. 岡田宏

    岡田説明員 国鉄の線路もいわゆる京浜東北線とそれから東北の旅客線、貨物線という複数の線路があるわけでございますけれども、地平から新たに持ち上げる線路の範囲につきましては、今御指摘のような二キロ万百メートルというようなことで考え、既に盛り土に上がっております京浜東北線を新たに上げる区間についてはどうするかというようなことについて今、東京都あるいは地元の北区等ともお話をしているところでございます。
  368. 中村巖

    中村(巖)分科員 今、予算の総工費の想定のことをお尋ねをしておりますけれども、その点はいかがでしょうか。
  369. 岡田宏

    岡田説明員 今の時点で考えますと、当初考えておりました二キロ万百メートルの区間、京浜線につきまして一キロ八百の区間を全部高架化をするということにいたしましたときの概算工事費は四百五十億円というふうに考えられております。なお、それをいろいろな検討を加えますと、ある案では二百七十億円ということで、今もろもろの案について技術的検討を加えながら工事費についても精査をしているというところでございます。
  370. 中村巖

    中村(巖)分科員 今お答えの中に北区あるいは東京都ですか自治体あるいは建設省との間にいろいろ協議を進めているというようなお話がございましたけれども、何か常設の協議機関のようなものをつくっておられるのか。その協議機関につきましてはいつごろから協議を始めて、そして現在どういう段階に至っておるのか、お教えをいただきたいと思います。
  371. 岡田宏

    岡田説明員 例えば何とか委員会とかいう名称をつけた常設の機関があるわけではございませんが、東京都の都市計画局、東京都の建設局、北区、それから国鉄の当局が入りまして合同打合会議を五十八年時点から何回か開催をしているところでございます。
  372. 中村巖

    中村(巖)分科員 この連続立体交差の問題につきましては、あと一点、赤羽のほかに十条駅近辺の立体交差もやる予定のように伺っておるわけでありますけれども、この方については何らかの進展がございましょうか。
  373. 岡田宏

    岡田説明員 十条付近の連続立体交差、これは十条駅を地下化をするということで、この計画につきましても、先ほどの赤羽の周辺の高架化計画と同時期に調査費がつきまして調査を実施した経緯がございます。その後におきましても、やはりこの赤羽周辺の連続立体交差事業と同様に、地下化いたします範囲等についてさらにいろいろお話をいたしておりまして、大体赤羽の連続立体交差事業と並行して検討を進めているというふうにお考えをいただければ結構かと存じております。
  374. 中村巖

    中村(巖)分科員 この問題の最後にお尋ねをいたしますけれども、今状況を伺っておりますと大変になかなか困難な事業であるというようなこともうかがわれるわけでありますけれども、この立体交差の事業そのものを大体いつごろまでに着手をし、あるいは完成をさせたいという、国鉄サイドの目標というか希望というか、どういうことでお進めになっているのか、これをお伺いしたいと思います。
  375. 岡田宏

    岡田説明員 今申し上げましたように、何分にも工事費が非常に膨大であるということと、なかんずく都市側の負担が十分の九ということになりますので、都市側の負担におきましても非常に膨大なわけでございます。そういったことでこの問題、いつからいつまでの工期ぐらいを目途として仕事に手をつけていくかということは、国鉄だけでは判断しかねる要素もございます。国鉄の財政事情についても先生承知のような状況でございますので、本日の段階で具体的にいつからということは申し上げられないということでございますので、御了承いただきたいと思います。
  376. 中村巖

    中村(巖)分科員 どうもありがとうございました。  次に、運輸省にお伺いを申し上げたいと思いますけれども、帝都高速度交通営団が今、都内で営団地下鉄七号線、北区の岩淵町から目黒までということで企画しているはずでありますけれども、この七号線について営業免許の申請がいつ出されたのか。また最近、免許申請の内容が一都変更をされたやに聞いておりますけれども、いつ、どの点が変更をされたのか、この点をお教えを願いたいと思います。
  377. 永光洋一

    ○永光政府委員 七号線につきましては、御案内のように目黒-桐ヶ丘間の二十二・二キロ、非常に古い話で恐縮なんですが、昭和三十七年の十月に免許申請があったわけであります。その後四十七年でございますか、都交番の答申でも七号線は今後の都市交通線として必要なものとして線引きが行われております。ただ、先生承知と思いますけれども、その免許申請路線の中で、いわゆる車庫のところの岩淵町-桐ヶ丘のところで、いろいろ住民の方々との問題がございまして、そこで非常に手間を取ったわけでございます。関係者がいろいろ努力をいたしたのでございますが、なかなか解決を見ないということでいろいろ知恵を絞りまして、結局営団はこの岩淵町と目黒の二十一キロメートルということで、車庫の問題等については何らか他の方向に転換をして考えを画しまして、五十八年の三月にその内容を変えましたところの追加申請を行っておりまして、現段階で運輸省ではその変更内容をもとにしまして審査をいたしておるところでございます。
  378. 中村巖

    中村(巖)分科員 この免許の方の見通しの問題ですけれども、地下高速鉄道建設費補助金という関係もあって、大蔵省との折衝というか同意、こういうものを取りつけなければならぬという問題もあろうかと思うわけでありますけれども、運輸省としては、現在都内の都営ないし営団の地下鉄のうちで、この七号線の優先順位をどういうふうに考えておられるのかということと、近いうち免許になる見通しがあるのかどうかということについてお伺いをいたします。
  379. 永光洋一

    ○永光政府委員 この線は先ほども申しましたように都交審でも規定されておりまして、現在営団は、成増の方向その他につきまして工事をしておるものを鋭意進めておるというところでありますが、営団側としましては、この線を新規にやっていく線としては優先的に考えておると思います。我々としましても、そういう営団の考え方あるいは熱意といいますか、そういうものを酌みながら現在審査に当たっておるわけでございます。  先生おっしゃいましたように財政的な問題等もございますし、あるいは計画の中身も変わっておりますので、重要な諸種の問題もまた改めて見直しをいたしまして、今後の見通しはどうかということでございますが、今後財政的な問題もさることながら関係機関との調整もまた若干あると思いますので、そういうものを少しずつ解決していきながら、できるだけ早く結論を出したい、こういうふうに考えております。
  380. 中村巖

    中村(巖)分科員 最後に一点だけ今の関係でお伺いをいたしますが、この七号線が免許になれば、その後、運輸審議会等々の手続もあろうと思いますけれども、免許になってから工事着手の認可がされるまで、どのくらいの日数が想定をされるものか、あるいはまた工事の完成ということになればどのくらいが見込まれるものか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
  381. 原田昇左右

    原田主査 永光鉄道監督局長、答弁は簡潔にお願いします。時間が来ております。
  382. 永光洋一

    ○永光政府委員 それぞれの線の特殊性で今後工事施行認可をいたしますときに、また関係のところといろいろと相談をいたしますので、はっきりは申しかねますが半年なり一年はかかるのではないかと思います。工事を始めまして、お金がどの程度という問題もございますが、工事面からいきますと、やはり十年近い期間が全体ではかかるのではないかというふうに考えております。
  383. 中村巖

    中村(巖)分科員 終わります。
  384. 原田昇左右

    原田主査 これにて中村巖君の質疑は終了いたしました。  次に、渡部行雄君。
  385. 渡部行雄

    渡部(行)分科員 まず運輸大臣にお伺いいたしますが、今日の社会つまり近代社会におきましては、すべての面において速度が競われる時代になってまいりました。コンピューターの演算速度にいたしましても、また光通信その他ニューメディアの世界にいたしましてもそうでありますが、交通も御多分に漏れず、まさに分秒を争う時代になってきたわけであります。今や地域の発展は、他の都市といかに早く人の往来や物の流れを実現していくかにかかっていると言っても過言ではなかろうと思うのであります。その点で交通網の整備と交通の高速化は欠くことのできない絶対必要条件であります。  そこで、福島県においてもこの高速交通体系の中にぜひ参入させていただきたいと思うわけです。つまり福島県は工業製品の出荷額におきましても東北一の地位にありますし、また約三千人の従業員を擁する富士通を初め多くの先端技術産業が張りついておることは御承知のとおりであります。特に最近、関西、九州、北海道方面との交流も激しくなっておりますし、さらに福島県は岩手県に次ぐ広大な面積を持つ県でありまして、このような大きな県で空港のないのは福島県だけてあります。したがって現在福島県が進めておる福島空港建設を第五次空港整備五カ年計画の中にぜひとも入れていただきたいと思うわけですが、今までも事務レベルはもちろんのこと政治レベルでも県と運輸省その他のところで接してこられたのは御案内のとおりであります。こういう問題についてひとつ運輸大臣の率直なお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  386. 細田吉藏

    細田国務大臣 航空の発展というものは大変なものでございまして、ただいまお説にございましたように飛行場のないところには工場が来ないとさえ簡単に言えば言われておるほどになってまいっております。空港に対する御要望が非常に強いのでございまして、私も運輸大臣になりまして三カ月ばかりになりますが、余りにも強いのでびっくりするほどでございます。現に福島県の空港につきましても御承知のようなことで非常に御熱心に研究が進められており、先般は知事初め皆さん多数お見えになって御要望も承ったようなわけでございます。したがって空港につきましては必要である、私はかように考えております。  ただ、ここに問題が若干あることは、そのときに知事さんにも申し上げたのですけれども、福島県と東京との間は新幹線が結ばれているわけであります。何としても第一には大阪と結ぶ、あるいは九州、北海道と結ぶということだと思います。その中でも特に大阪と結ぶということが非常に大きな役割だと思うわけでございますが、大阪空港が、これから御承知のように関西新空港の法案をこの国会でお願いするというような状況でございまして、現在の伊丹空港ではいろいろ公害等の問題もございまして、もう満杯になっているわけでございます。ほかの地域から、現存の空港からの申し込みも大阪はお断りをいたしておるということでございますので、この点が一つ非常に問題であろうと思います。今いろいろ御調査になっておるような場所についての立地上の問題等、技術的な点も若干あるようでございますが、この問題については、とにかく空港というのは計画がなければ、いつまでたってもできないわけでございます。関西新空港は今始めて七年くらいかかるという予定でおるわけですけれども、とにかく福島空港についてやはり計画に何とか織り込むような方向でいろいろ御相談を願う、現地の調査やなんかもやっていただくということで考えていかなければならぬ。まず入学いたしませんと卒業いたしませんので、何とか入学だけはさせるような方向で、ひとついろいろ担当の方で地方とも相談して検討してもらうようにという気持ちでおります。運輸大臣としてはそういう気持ちでわります。
  387. 渡部行雄

    渡部(行)分科員 ただいま非常に希望の持てる御答弁をいただいて大変ありがとうございました。  そこで、今もおっしゃられた大阪空港と伊丹空港の問題がどうしてもひっかかってくると思うのですが、この伊丹空港については今後どのような一つ整備方針を持っておられるか、空路の増設等それらについて具体的に方針がありましたら、ひとつ御説明願いたいと思います。大阪空港の方はもう決まっておりますから、後は進めるだけだと思います。その辺もひとつ関連してお願いしたいと思います。
  388. 山本長

    ○山本(長)政府委員 新しい空港を関西に建設するということについては、大臣ただいまお答え申し上げたところでございます。現在あります伊丹空港につきましては、空港それ自身の拡張の余地というのは、現在のあの都市化された中にあるという環境から見ましてほとんど不可能に近いという状態であろうと思います。むしろ市街化された中に立地しておるものでございますから、空港の運用につきまして厳しい制限を設けておるわけでございます。これはもう十数年来のいろいろな係争事案がございまして、そういった地域との関係におきましても空港の運用を厳しく制限をしておるということでございます。大臣もちょっと御答弁で触れられましたけれども、一便も今はジェット機は入らない、こんな状態でございまして、その見通しについて明るい見通しがあるというふうなことを今申し上げられるような段階ではございません。非常に厳しい状態にあるということでございます。
  389. 渡部行雄

    渡部(行)分科員 ただいま伊丹の方は非常に厳しい情勢にあると言われましたが、これは伊丹が終わってから福島空港というような筋合いではなかろうと思うのです。したがって、今準備をしておる福島県のいろいろな調査や設計についてはどんどん進めていただいて、そして伊丹が今満杯になっているということは、それだけ発展してきたということの裏づけでございますから、これを今後さらに発展させるには、増便をさせるなり、あるいは空路を増設するなり、いろいろな方法がとちれなければならないと思うのです。そういうものを将来検討しながら、先ほど大臣が言われました、とにもかくにも第五次整備計画にはひとつ入学させてくださる、こういうことで御努力願いたいと思いますが、その点について一言お願いします。
  390. 山本長

    ○山本(長)政府委員 ただいまの御質問の中における先生の御意思というものに対しましては、先ほど大臣からお答え申し上げましたとおりでございます。
  391. 渡部行雄

    渡部(行)分科員 それでは一応この福島空港についてはこれで終わりますが、ひとつ何分にもよろしくお願いします。  では次に、鉄建公団総裁にお伺いします。  野岩線の問題でございますが、今、野岩線は相当進んでおりまして、あとちょっとというところで用地買収がひっかかっておるようでございます。用地買収率が約九五%と言われておりますが、そこで実は五十九年度に一応完成する予定の計画が六十年度にずれ込んだわけでございます。これは一体どういう理由によるものか、ただ単に用地買収だけの原因によるのかどうか、その辺についてお伺いいたします。
  392. 内田隆滋

    ○内田参考人 今先生から御指摘がございましたけれども、全く用地買収のおくれ、それが一年延ばさざるを得ない原因でございます。
  393. 渡部行雄

    渡部(行)分科員 それでは、この用地買収の一年を延ばせば、あとは確実に計画の実行ができる、こういうふうにお考えですか。
  394. 内田隆滋

    ○内田参考人 何分、相手さんのあることでございますので確答はできませんけれども、今までの経験から申しまして、できるだけ地元の公共団体その他の御援助も得まして、所定どおり工事を完成いたしたいと思っております。
  395. 渡部行雄

    渡部(行)分科員 そこで相手が承諾すればですが、承諾できない場合には説得と土地収用法と二本立てで、そういう方法を考えておられるわけですか、その辺はどうでしょうか。
  396. 内田隆滋

    ○内田参考人 できるだけ話し合いで解決いたしたいと思っております。ただ地元とも御相談いたしまして、どうしても見通しがつかない場合にはやむを得ず土地収用法によらざるを得ないという場合もあり得るということでございます。
  397. 渡部行雄

    渡部(行)分科員 そこで工事を見てまいりますと、この工事はいつでも電化できるように、トンネルの幅も十分とって、電線さえ入れればすぐに電化ができる、こういう電化対応の工事をされてきたようでございますが、第三セクターに譲り渡すときに電化をして譲り渡されるおつもりなのかどうか、お伺いいたします。
  398. 永光洋一

    ○永光政府委員 野岩線は先生御存じのように第三セクターとしては我が国第一号でスタートいたしました。工事凍結前には当然非電化ということで進めておりましたので、鉄建公団が第三セクターで建設する場合の計画としては非電化としているわけでございます。ただ地元としましては、当方との連絡という観点もありまして、非常に強く電化についての御要望がございます。ただ電化につきましては、やはり全体のAB線の予算の枠という問題もございますし、あるいは電化をした場合、やはり千人か二千人程度の輸送密度でございますので、採算性という問題でどちらがいいかという問題もございます。あるいは東武の乗り入れという問題がありまして、その場合に東武に対してどういう影響があるかというような問題もございまして、いろいろこういう問題を我々吟味しておるわけでございます。地元の御熱意と申しますか、これを我々も十分受けとめながら対応してまいりたいと考えておりますけれども、現在明確な見通しというものをまだ申し上げる段階ではないというふうに考えております。
  399. 渡部行雄

    渡部(行)分科員 地元の熱意を見ながら、あるいは東武との関係等を考慮しながら対応していきたい、こういうことは逆に言わせれば、地元が真剣にこの受け入れをやってくれるならば電化して差し上げてもいい、こういうふうに受け取れるわけですが、そういうふうに解釈していいのでしょうか。
  400. 永光洋一

    ○永光政府委員 そこまではちょっと。非常に地元でそういう従来からの御熱意でぜひ電化をしてくれというお話がありますので、当面はそれはちょっと無理ですよということで我々対応いたしておったのでありますけれども、今申しましたような予算の枠だとか、電化の枠だとか、あるいは東武との関係とか、こういうものをひとつ考えてみようということで、確かにそういう意味では、これはもう最初から非電化の話だからということではない態度で我々は臨んでおる、こういうことであります。
  401. 渡部行雄

    渡部(行)分科員 確かに野岩線だけを見ると、これは採算性の点では問題にならないと思うのです。問題は、電化を考えた場合に野岩線と会津線というものを見通しながら考えていかなくちゃならぬのじゃなかろうか。ところが今、国鉄では会津線を廃止する、こういう方針を出しておられますが、滝ノ原以北の会津線を廃止したならば、ちょうどこれは川にかけた橋を半分まで鉄筋コンクリートにしたが、あとの残りはとても採算が合わないから取り外す、こういうようなものに等しいわけで、そのような交通行政というのは私にはどうしても考えられない。しかし、国鉄さんの本当の腹の底は、これを第三セクターなり、あるいはその他の方法で譲り受けてくれるならば、まあ無償で差し上げよう。また国鉄としてのあらゆる誠意を尽くして、それに対応しようという腹があるから、そのような態度に出たと思うのです。国鉄がそういうお考えなしに会津線をばっさりと切るということは、私には考えられません。  そこで、総裁の本当の腹は、この線を一体これからどういうふうに考えているのですか。地域住民は非常に心配しておるわけですが、その辺をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  402. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 今お話がありましたように会津線は輸送量が非常に少ない。今出ておりました野岩鉄道の建設に伴います増加輸送量というものも加え合わせましても二千人に達しない。と同時に、政令に規定されております除外条件にも該当しないということで、五十七年十一月に第二次特定地交線として承認申請をしたものであります。このことについて今御指摘のようなお感じもあるかと思いますが、いずれ特定地交線として承認された後は協議会の会議が開かれるわけでございまして、その際には、野岩鉄道が建設をされ第三セクターがその運営を引き受けるという点を踏まえて、会津線の取り扱いについて協議が行われるに違いない、こういうように期待しております。
  403. 渡部行雄

    渡部(行)分科員 今福島県は、この会津線については非常な反対をしておるわけでございます。そういう際に、ただ話し合いのテーブルに着きなさい、こう言ってもなかなか着いてくれないと思うのですよ。そこを上手に、快く着かせるには、やはりある程度すっきりと見通しがきかなくとも、ぼやっと遠くが、その次が見えるというような手だてが私は必要だと思うのです。それは何か。それはつまり第三セクターなら第三セクターその他の方法で、国鉄はまるっきりこれを廃止するのでなくて、できるだけ次の経営者に衣がえをしたい。しかし、そういう際にはこの会津線も電化してあげましょう、そういうような何か本当に一国鉄がだめにしたものを引き受けるのですから、今まで国の費用でやってきて、それでなおかつできなかったものを今度は民間や第三セクターに渡すとすれば、それだけのことは見なくちゃならぬじゃないでしょうか。そういう手だてがなくして、今までの経過で将来もだめだと決めつけるならば、これはまさに官僚的であって、私は商売人の考えることじゃないと思うのです。だめなところを可能にする手だてをどうすればいいか、ここが重要であって、その辺についてひとつ、これは非常に大きな根本問題だから、総裁の腹の内を聞いておきたいと思います。
  404. 仁杉巖

    ○仁杉説明員 ただいま渡部先生からのお話がございましたが、先生のようなお考えも一つのお考えだと思うのでございますが、何せ国鉄というのは全国にいろいろな線を持っておりまして、会津線の状況だけですべてを判断するわけにいかないというような問題もございまして、(渡部(行)分科員「そんなこと言ってないよ」と呼ぶ)なかなか先生の御希望のようなわけにいかないのではないか。ただ、今までの第三セクターの成立の経過を見ておりますと、殊に現在線を第三セクターに変更する場合には三千万という転換交付金が出るというような問題、その辺のところをいろいろお考えになって、地元でも第三セクターというものがだんだんふえてきているというように私は思っておりますので、その辺のところで何かうまい知恵はないだろうかというふうに私は考えておる次第でございます。
  405. 渡部行雄

    渡部(行)分科員 これは総裁、あなたはもっと具体的に勉強しないとだめですよ。一キロ三千万の交付金なんというのは、これは廃止してバス路線にするところでしょう。ここは今、バス路線にするかしないかも決まってないじゃないですか。それは日中線なんかではそういうふうに出ていますよ、三千万。しかし、ここをあなた、バスにかえられたらとんでもないことになってしまう。そのくらいはひとつよく調べてもらいたいと思うのです。  この会津線の場合は、野岩線というものについて莫大な金を投資してきておるのですから、このせっかくの今までの投資がさらに生きて、そして所期の目的が達成できる、そのために国鉄が経営から手を引いても、次の経営者が希望を持ってやれるというにはどうすればいいか、この辺をきちっとしていただきたいと思うのです。それに対して一言。
  406. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 先ほど先生がおっしゃいましたように、国鉄の考え方については十分地元にも今後折衝を通じてお伝えをいたしたいというように考えております。  それから第三セクターを、これは協議会の中で御選択になるわけでありますが、そのようにお決めになれば、国鉄としてもそれに全面的に御協力を申し上げたい。先ほど総裁が申し上げましたキロ当たり三千万というのは、これはバスでも第三セクターでも同じでございますので、御理解をいただきたいと思います。  それから電化の話が出ておりますが、これも四角く言えば協議会の中で代替輸送のあり方の一環として協議されるべき問題ではないかと思いますが、一番の問題は、工事資金を現実にだれが負担するのかということだろうと思います。国鉄がそういう環境をつくって引き継いだらどうかというお話がございましたが、今の線区の実態から見て、国鉄には国鉄の負担で電化を進めるという力はとてもないということについて御理解をいただきたいと思います。
  407. 渡部行雄

    渡部(行)分科員 国鉄に力がないのに、これを第三セクターに譲って果たしてどうなるものか。これを仮に第三セクターが受けた場合は、まず郡山の方に出ていくには会津若松駅で乗りかえて滝ノ原で乗りかえて新藤原で乗りかえる。乗りかえばかりしなければならぬですよ、こんな交通路線ありますか。こんなことをやるから国鉄が赤字になるのですから、そういう今までの赤字の経験というものを今度とういうふうにすれば黒字にするかという考え方を持って対処しないと、私は大変な事態になると思うのです。  それからキロ当たり三千万というのは、仮に路線をそのまま譲り渡しても、その路線について三千万ずつ交付されるのかどうか、これが一つです。  それから最後に鉄建公団総裁に、この野岩線の総予算、五十九年度予算は幾らになっておりますか、その辺をお聞かせ願って私の質問を終わりたいと思います。
  408. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 先生のおっしゃったとおりでございまして、営業線を譲渡した場合にもキロ当たり三千万の交付金が交付されるわけでございます。そのほかの助成としましては、もし赤字が生じました場合には、赤字の二分の一について補償が行われるというようなことがございます。
  409. 原田昇左右

    原田主査 内田総裁、簡単に答弁してください。
  410. 内田隆滋

    ○内田参考人 建設線の予算は五十九年度御承知のように百四十億ついております。その配分につきましては、今後予算が決定次第、運輸省と御相談して決めていくということになります。
  411. 渡部行雄

    渡部(行)分科員 時間が参りましたので、これで終わります。
  412. 原田昇左右

    原田主査 これにて渡部行雄君の質疑は終了いたしました。  次に、清水勇君。
  413. 清水勇

    清水分科員 大臣、ちょっと唐突で恐縮ですが、東京から見て、現在全国の県庁所在の都市で時間的に一番遠い都市はどこだと思いますか。――わかりませんか。
  414. 細田吉藏

    細田国務大臣 もうちょっと考えればわかるわけだと思いますが、すぐ突発的に言われましてもちょっとわかりません。
  415. 清水勇

    清水分科員 これは大臣無理もないですよ。実は長野市なんですよ。首都圏と言われるほど東京から近いわけですけれども、実はこの長野市には新幹線もない、空港もない、高速自動車道路もない。高速交通時代と言われる今日の三種の神器の何一つも実はない。ですから、あんなに近いように見えながら一番遠い。したがって、政府が進めるテクノポリス構想からも疎外をされる。あるいは良質な環境条件を持っていながら、エレクトロニクスなどというような近代的な産業の新規参入というようなものが最近では行われない、こういう状況に今陥っているわけですけれども、これはどなたに聞いたらいいのかわかりませんが、そういう現実の姿というものを政府はどういうふうにごらんになっておりますか。
  416. 細田吉藏

    細田国務大臣 どうもおっしゃるように長野は航空の便がございませんし新幹線はございませんので時間がかかる。一番であるかどうかわからなかったものですが、長野は近いところにありながら時間距離的には相当遠いということはよく承知いたしております。また工場等もそういう不便なところへはなかなか来ない。先ほどどなたかにも御答弁を申し上げたのですが、飛行場のないところはもう工場が来ない。あるいは新幹線のないところは工場が来ないというような状況でもございますので、国土の均衡ある発展のために交通機関、特に高速交通機関の整備を図ることが喫緊の要務であると心得ております。
  417. 清水勇

    清水分科員 ここに「一九八〇年代経済社会の展望と指針」これは去年八月でしたか政府が出されている。これをずっと見ていきますと、今いみじくも大臣が言われるように、国土の均衡ある発展を図るということを念頭に置きながら、ゆとりある豊かな地域社会をつくるのだ、こういうことを強調しているわけですね。しかもこの中で、特に良質な交通ネットワークを形成する高速交通網を整備する。例えば、今日高速交通網が来ていないような、そういう立ちおくれている地域を取り残すことのないように配慮をしなければならないというようなことがずっとうたわれているわけです。そこで当然、今日、課題になっている整備新幹線というようなことも、この七カ年の新経済社会計画とも言っていいと思いますが、これに入っているわけです。これについてどういうふうに具体的にお進めになろうとしているのか、お聞かせをいただきたい。
  418. 細田吉藏

    細田国務大臣 整備五新幹線のうち北回りの新幹線、これは長野を経由するわけですが北回りの新幹線と東北の盛岡以遠の新幹線、この二つを五つの中では先行させるという方向で進めております。これに続いて九州新幹線、こういうことに一応順序は立っておるわけでございます。今年度の予算は御承知のように国費が十三億六千万円、それから財投が五十億ついております。そしてもうすでに環境アセスも終わりますし、路線についても調査がずっと進んでおりまして、駅の場所も大体決まってまいっておる。残されておるのはもう工事着工することだけになっておるわけでございます。すでに先生承知のように、着工準備の事務所の開設も今年度は実はいたしておるのであります。でございますから、これから後は肝心な金をつけて工事をやるということだけ残っておるわけでございます。私は、すでに御承知と思いますが、新幹線の促進、特にききに申し上げた二つの新幹線の促進については関心を持っておるものでございます。  北陸につきましては、長野しかりでございますし、また、北陸の各都市も、日本の脊梁山脈を越えて東京へ飛行機が来るというような条件もありますから、そういう意味で、鉄道の分野である、それから東海道の迂回ルートにもなるというような、いろいろな点から見て、相当高いプライオリティーを持っておるものだと考えておるものなんでございます。  したがって、具体的に申し上げますと、何とかしてとにかく工事を六十年度からもう少し目に見えるように始めたいという気持ちでいっぱいなんでございます。しかし、それには、何しろ予算がこういう状態でございますので、いろいろな工夫をしなければならぬと思っておりますが、これからひとつ皆さんとも相談しながら工夫をいたしてまいりたい。そうでなければ、毎年毎年同じことを言っておるだけで、着工のかけ声だけ聞こえてつち音が聞こえないということになるわけでございますので、何とか私の在任しておりますこの機会に前進をさせたい、それには知恵を出したいと考えておる次第でございます。
  419. 清水勇

    清水分科員 今大臣から述べられた見解なり所信なりというものは、私も全く同感なんです。大臣は、もともと国鉄出身者でもおられるから、国鉄等の事情についても非常に通暁されておる。また同時に、今のお話に示されているように、北陸新幹線の持つさまざまな機能についても非常に正しい認識を持っておられると私は感服をしているわけです。だから、その限りでは、総論では私と大臣とは全く一致しているわけです。ところが、遺憾ながら、各論という段取りになりますと、今大臣がいみじくも指を丸くしているけれども、先立つものがないということで、なかなかこれが進まない。しかし、今そういう財政事情の中にもかかわらず、自分の在任中に何とかかけ声だけじゃなくてつち音もひとつ聞かれるようにしよう、こういうことを決意として述べられて、これは大変結構なことだと私は静かに承って敬意を表しているわけなんであります。  そこで、大臣からは、今日、北陸新幹線の持つ機能等について非常に重要なものがあるのだということを言われているわけですから、重ねて申し上げることはいたしません。いたしませんが、ぜひさらに理解を深めていただきたいと思いますのは、例えば、中部内陸地帯から日本海側のいわゆる裏日本地域、こういうものをずっと見てまいりますと、大臣もよくよく御存じのとおり、太平洋ベルト地帯と比較をすると、産業面、経済面、文化面、あらゆる面で大変な格差がむしろ拡大をしているわけですね。ですから、このまま着工ができない、さらに先送りをされるということは、「展望と指針」の中でゆとりと豊かな地域を建設するのだ、そのために政府は全力を尽くすのだということを言っておられるわけだけれども、むしろ事態はますますギャップを拡大する、格差を深刻化する、そして新幹線の来ていない地域はいよいよひずみを増幅させる、こういうことにならざるを得ないものです。したがって、その点で、今言われるように、せっかく去年着工準備作業事務所、ばかに長い看板だけれども、真新しい看板も掲げて、前へ一歩、歩を進められているわけですから、さらに歩を進めて、具体的に着工へ、たとえ半歩でも進めていただく、このためにあらゆる調整が必要だというふうにおっしゃいますが、主としてこれは財政の問題だと思うのですね。その辺で、これは細田大臣、党三役を勤め上げられたような最有力の大臣の一人なんですから、何とかもうちょっと目鼻のつくような所信を、ひとつこの際お示しいただけないものか。願望を込めてちょっと申し上げているわけですが、どうぞひとつ……。
  420. 細田吉藏

    細田国務大臣 問題は、金の問題なわけでございます。この金を一体どこから出すかということ、これも出場所はもうそうたくさんはないわけです。その出場所によっては、一番いいことを言えば、それは一般会計から出資の形で出れば一番いいことなんですが、大きな金についてはなかなかそう簡単ではないのではなかろうか、これもやってみる必要もあるかもしれませんけれども。としますると、何かこれにかわるような便法を講ずることができないか、いい知恵が出せないかどうか、こういうことでございまして、それを全部、どんなことを考えているのだ、一つ一つみんな言えとおっしゃいますと、心の中で、ここで私自身がいろいろ考え方を必ずしもまとめておるわけではございませんので、何とかしたいということで、いろいろあれこれと考えておるということなんで、その辺で御辛抱いただきたいのです。もう本当に口先の話じゃなくて、本当に思っているのですよ。これはもう与党も皆さん一生懸命ですし、野党も一生懸命だし、皆さんやっておられますので、私も何かとにかく考えなければいかぬ、知恵を出したい。それから、今、党のお話もございましたが、いろいろな党の有力な方々も推進をなすっておりますので、ひとつ案をまとめて御推進を願う、野党も一緒になってやってもらうというような方向に何とかしたいものだ、こう思っております。
  421. 清水勇

    清水分科員 そういう決意を持って何とか現状を打開をして、展望をひとつ切り開いていただき、少しでも早く着工のめどをつけてもらう、こういうことを重ねて申し上げておきたいと思います。  そこで、実は、今も野党の方もというお話がございましたが、いわゆる地財法の制約はありますけれども、北陸新幹線なら北陸新幹線の建設に伴う地方公共団体の一定の負担、こういうことが一昨年出てきたわけですね。  例えば、長野県議会のことを紹介をいたしますと、社会党県議団、当時二十名おったわけでありますが、二十名というと、ちょうど三分の一の数ですけれども、いろいろ議論をいたしました結果、全会一致で、この際、多少の文句はあるけれども、陸の孤島などと言われるような現状を解消するためには、地元としても一歩足を踏み出さざるを得ないということで、現実に、例えば駅舎の費用等々が一つの例示として考えられるわけですけれども、そういうものをひとつ持っていこうじゃないか、したがって、県会も全会一致でそのことを議決をする。ところが、さっぱり政府の部内で話が煮詰まらない。しかし、去年、幸いに作業事務所が長野市、富山市等にもできたわけですから、この沿線住民といいましょうか、関係住民は、もう事務所もできたのだからいよいよ着工の時期来たる、こういうような期待感が非常に大きい、だがなかなか進まない、こういうことになっておりますので、私は理屈っぽいことは申し上げません、申し上げませんが、冒頭に大臣が国土の均衡ある発展、あるいは新幹線なら新幹線が通らないような地域の衰退というようなものをほうっておけない、こういうふうに言われておられるわけですから、ぜひひとつ、そういう点でさらに具体的に大臣在任中に話を進めていただきたい、こう思います。
  422. 細田吉藏

    細田国務大臣 地方の御協力をいただく態勢が、特に北陸新幹線については非常に各地とも進んでおることもよく承知しております。それももちろん知恵の中に入る。我々財源の一つとして考えなければならぬことだと思いますが、何といってもそれだけに頼るわけにはまいりませんので、肝心な政府の呼び水というか、もとのものがなくちゃ協力だけしてもらうというわけにまいりませんから、私はそういうふうに思っております。もともとのところを考えなきゃいかぬと思っております。
  423. 清水勇

    清水分科員 そこで、具体的なことをちょっと聞きたいのですけれども、新幹線の上野駅が来年三月に開業になる。上越新幹線も上野発ということになるわけですが、北陸新幹線を考えてみる場合、上野-高崎間というのは、この線を重用といいましょうか、重ねて使用することができるわけですね。ですから、あとは高崎から以西というか以北というか、西の方にかけて長野、富山、金沢というふうにレールが進んでいくということですけれども、まあ地元各自治体等の協力の度合い、住民の熱意、そしてまた地理状況などを見ますと、東北新幹線なり上越新幹線なりと違って、用地の取得というもの等がかなり条件に恵まれているんじゃないかという気がするのですね。  そこで、参考までに聞いておきたいのですけれども、高崎から長野、富山、金沢、そして大阪となるわけでありますが、仮に、いつ着工するかということは別として、着工ができた場合に、工期はどのくらいかかるか、それから総工費はどのくらいかかるか、そして一体採算性というものが償えるというような状況であるか、この辺のところをちょっと聞かしていただけませんか。
  424. 吉村恒

    ○吉村参考人 お答えをいたします。  工期につきましてでございますが、この種の建設工事、かつて東海道新幹線五百キロ余をやりました。六年でございます。大阪-岡山間百六十キロ、これも六年でございます。岡山-博多間四百キロ余、これも六年でございました。したがいまして、今後予算の制約がなければ、この種の工事の一つの区切りにつきましては六年程度というふうに考えております。(清水分科員一つの区切りというのはどこからどこまでですか」と呼ぶ)例えば金沢までとか、あるいは全線一遍とかということをお決めをいただきますと、いま申し上げました例えば東海道の五百キロの範囲内ぐらいに入りますと、六年ぐらいかと思っております。  総工費でございますけれども、高崎から大阪まで延長いたしまして約五百九十キロございます。現在想定いたしておりますのが総工費二兆二千五百億でございます。
  425. 清水勇

    清水分科員 それから、いわゆる想定をして、開業後の採算性といったようなものについて調査をされたというか、一定の試算があるやに聞いておるのですけれども、どんな状況でしょう。
  426. 吉村恒

    ○吉村参考人 かねてから国鉄とのお打ち合せをしながら各種のトライアルをやっておるところでございますが、余りにも各種の条件の想定あるいは今後の読み等複雑でございまして、まだ結論を得ていない段階でございます。
  427. 清水勇

    清水分科員 ちょっと古い、多分五十四、五年ごろの調査であるかと思いますが、例えば上野-長野間はおおむね採算黒、どこまではどうというのが出たやに仄聞をするのですが、それは現時点とはその後の情勢の変化がありますからね。それをストレートに今日に持ってきて果たして適用できるかどうかという事情の変化は理解いたしますが、当時の調査としてどんなでしょうか。
  428. 吉村恒

    ○吉村参考人 今までで一番ソリッドな調査といたしましては、昭和五十四年に運輸省の御指導を得てやりました調査がございます。その結果、その時点では、かなりの助成をいただいてもなお赤字でございまして、なかなか黒字に転換することが望めないというような結論でございました。つくらないで放置しておくよりはつくった方がいいというような、余り積極的でないようなその当時の結論でございます。その後、いろいろ情勢の変化もございますし、つくりますと、新幹線工事費等の節減策の研究等も進んでおりますし、それらも含めて今後どうなるかにつきましては、ただいま研究をいたしておるところであります。
  429. 清水勇

    清水分科員 東北新幹線の例、上越新幹線の例、例えば国鉄総裁もおいでになるけれども、来年度においては資本費として三千七百億ぐらいですか、払わなければならない。これは今ですらどうにもならない財政事情に置かれている国鉄とすれば、この上、北陸新幹線を考えろといっても容易ならざることだと思います。ただしかし、政治家細田大臣という立場に立ては、これは現実に新幹線の有無というものがその地域の消長に重大な条件になる、要素になるということを考えれば、例えば少々の赤が出ても、一般会計なら一般会計という立場で、こういう財政事情のもとだからいわく言いづらいのだけれども、カバーをしても何とか実現を図っていくということが、つまり国土の均衡ある発展というものを考え、かつまた、八〇年代の展望と指針というようなことを主張する場合に、どうしても欠くことのできない要素になるんじゃなかろうか、こう思わざるを得ないのですけれども、どういう御所信でしょうか。
  430. 細田吉藏

    細田国務大臣 いまいみじくもお話がございましたように、東北と上越の新幹線が開業になったために、三千六百億の帳簿上の赤字が、帳簿上のと言うと語弊があるかもしれませんが、赤字国鉄に余計にふえてきたわけでございます。この国鉄予算の中にはっきり出ておるのでございます。三千六百億国鉄が負担をするいわゆる新幹線、両新幹線の資本費の関係の負担をするということが、赤字国鉄にとってはたえられないから、それでは東北・上越新幹線は開業しないかというと、これはとんでもない話だ。東北・上越新幹線が開業することによって、国民なりあるいは地域の受ける利益というものははかり知り得べからざるものがある。これはもう計算できない。これも計算をいろいろ試みにやる人がおりますが、こんなもの計算できないですよ。それは大変な額になってしまうわけです。ですから、一皮めくってというか、本当に考え方によりますると、そういう大きな国家的な利益、国民の利益というものを考えますと、私は、これはやらなければならぬということなんですが、問題は、何しろ国有鉄道がこういう格好になって、臨調さんのお世話になったり、監理委員会さんのお世話になったりしておるものですから、今までの方式でやってはいかぬというような話になっておるものですから、とにかくそういう国家、国民の利益のためを考えればやはりやるべきだ、それにはどうしたらいいのか、国有鉄道が今までのような形でやるということは今は許されないわけですから、それにかわる方法というものを考えていかなければならぬ、こういうことでございます。
  431. 清水勇

    清水分科員 せっかく国鉄総裁もおいでですから、一言所信を承っておきたいのですが、今大臣がおっしゃられるとおり、国鉄の置かれている状況というものは私も百も承知をしております。だから、一面では、国家的な立場で見て、地域経済に与える影響、大きなメリットとか、これははかり知れないものがあるということは総裁も認識をせられるだろうと思います。ただしかし、現状ではなかなかしょっていけないというような事情だと思います。ですから、財政等の事情の条件整備等が並行的に、主としてこれは政府の責任になってまいりますが、行われるとするならば、例えば北陸新幹線等について、国鉄としてはどういうふうな気構えてこれに取り組んでいかれるのか、その辺の何かお考えがあったらお聞かせをいただきたいと思います。
  432. 仁杉巖

    ○仁杉説明員 実は、私、ついこの間まで鉄建公団の総裁をしておりまして、北陸新幹線を担当しておったわけでございますが、その間、何とかして実現する方法はないかとあれこれ考えたのでございますが、当時としては、やはり国鉄側がなかなか赤字の問題でそれを解消するうまい方法がないということで、実現がうまくいかなかったという事情はよく御承知のとおりです。  私、今も実は、大臣もあれだけ御熱心におっしゃることでございますし、私自身としても何とかしたいという気持ちでございまして、頭の中であれこれの案を考えておりますが、それらにつきましては、まだ国鉄の中でもコンセンサスを得ておりませんし、大臣にも御相談をしておりませんので、もう少し時間をいただきまして、また国鉄の中のコンセンサスを得、さらに大臣にもよく御指導を得まして、何とか実現に努力してまいりたいと考えております。
  433. 清水勇

    清水分科員 大臣に最後にお願いがございますが、仁杉総裁も並々ならない気持ちを披瀝をされている。鉄建公団の方は、やれと言われれば謹んでおやりになる立場だからこれは余り問題ない。そこで、僕は、やはり大臣のところで少し御心配を願って、国鉄側あるいは鉄建公団側とも何とかお互いに知恵を出し合い、そして、一刻も早く着工という方向へつち音を響かせるというふうに事態を進めていくように、一回その具体的な検討委員会といいましょうか、御研究をいただくといいましょうか、そんなようなことをお考え願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
  434. 細田吉藏

    細田国務大臣 そういう会合を開くまでもなく、仁杉総裁も今はああ言っておりますが、専門的に私どもが考えでいろいろな案ができたときに、これはやはり政治の力でないとできないと思います。ですから、そういうしかるべき方法をとらなければならぬ。  それから、今ちょっとお話がありましたが、技術者をどうするかという問題があるのです。それから、やはりこれだけの工事をやれば景気振興に役に立つ、これも大きいことなんですよ。それやこれや考えて、とにかく何とか進めたいものだなというふうに考えておるわけでございます。
  435. 清水勇

    清水分科員 ありがとうございました。ぜひひとつ頑張っていただくようにお願いいたします。
  436. 原田昇左右

    原田主査 これにて清水勇君の質疑は終了いたしました。  次に、中島武敏君。     〔主査退席、上田(哲)主査代理着席〕
  437. 中島武敏

    中島(武)分科員 私は、きょうは最初に、個人タクシーの車庫問題について質問をしたいと思うのです。  個人タクシー事業者が抱えている最大の悩みの一つが車庫問題であります。個人タクシーの車庫は、陸運局長公示によって、住居との距離、面積、有蓋、舗装、照明施設など、十項目にわたる厳しい規制を受けております。さらに、提出書類も大変煩雑なものとなっています。しかし、大都市、特に東京二十三区内では、地価の高騰、固定資産税の引き上げに伴い、駐車料金が年々値上がりし、また、こうした厳しい要件にかなった車庫を求めること自体が困難になっています。例えば、都心部の港区では、月三万円から四万円、しかも見つけるのが大変困難であります。周辺区の板橋、北区でも、二万から三万円と言われています。  問題は、駐車料金が高いというだけでなくて、いつ追い出されるかわからないという不安がつきまとっていることであります。最近も板橋区の向原で、地主がマンションを建設するため駐車場をつぶすという問題が起きて、ここに車を入れていた二十人ほどの個人タクシー業者から、行き場がない、どうしたらよいか、そういう相談を受けました。大きな団地の周辺は駐車場難であります。北区の桐ヶ丘団地の近くのある駐車場、ここには数十人の個人タクシーが入っていますが、この場合、料金が月二万三千五百円、二年ごとに更新料を五万円取られる。その上、盆暮れにはつけ届けを要求される。車庫問題では、個人タクシー業者は苦しみ抜いています。料金が高くて経費がかさむこと、厳しい要作、条件に適合する車庫がなかなか見つからないということであります。こうした実態を見ろと、車庫に対する規制が厳しいことが、今日タクシー業者の負担を重くしていることは明らかだと思うのです。  そこで、幾つかの質問をしたいのですが、現在の車庫規制の問題については、住居からの距離の問題とか、面積、有蓋などの問題とか、それから共同車庫の推進問題とか、提出書類の煩雑さの問題とか、いろいろな直面している問題点があります。  そこで、まず第一の点は、住居からの距離の問題です。東京二十三区などは二キロメートル以内というふうになっていますが、この二キロメートル以内に車庫を求めるということは非常に困難なんです。車庫に合わせて住居を移すことができないとしたら、二キロの制限を緩和する方法しかありません。仮に二キロを三キロにしても、それが安全やサービスの低下をもたらすものではないと思うのですけれども、規制の緩和を検討すべきではないかと思いますが、いかがですか。
  438. 角田達郎

    ○角田政府委員 個人タクシーの住居と車庫との距離の問題でございますが、これは、個人タクシーという営業をやりまして円滑な輸送サービスを確保するために、従前では五百メートル以内、大体簡単に歩いて往復のできる距離、これを原則として認めていたわけでございますけれども、先ほど先生のお話にもありましたような都心部での用地の確保の困難な実情を勘案しまして、特別区においては四十五年十一月に二キロに緩和したところでございます。  御指摘の、二キロの基準をさらに緩和するという問題でございますが、個人タクシーの事業の特性、それから車両の管理、お客に対する対応等の面で、これを今直ちに緩和するというのはなかなか困難ではなかろうかというふうに考えております。
  439. 中島武敏

    中島(武)分科員 十項目の規制と申し上げましたが、そのうち有蓋という、屋根がなければいけないという点については、高架下でもよろしいというふうになりました。それから、舗装をされていなければならないという点についても、砂利でもよいというふうに弾力的に運用するということになっていますが、この距離の問題でも弾力的に運用すべきではないかと思うのです。  それで、面積の問題についてお尋ねしたいのですが、面積の規制、特に幅二百五十センチという点が最大のネックになっているわけです。民間の場合でも東京都駐車場公社の場合でも二百三十センチ以下でつくられているのです。それで、東京都駐車場公社は二百三十で指導しているのです。このことは、幅二百五十センチの駐車場を求めるということがどんなに困難かということを示しているわけであります。現実に即してこれは緩和すべきではないかと思うのですが、いかがですか。
  440. 角田達郎

    ○角田政府委員 個人タクシーの事業者の車庫でございますが、幅二百五十センチ、それから奥行き五百センチという条件を確かに課しているわけでございますけれども、これはやはり車両の管理、安全点検、これが有効に実施できるようにということで、そういう規制をかけておるわけでございます。  それから、ただいま先生おっしゃいました、東京都の駐車場公社等ではそれより狭い二百三十センチというお話がございました。これは、やはり一台一台を区分して駐車させるというのではなくて、大量の車を駐車させるものですから、そこで、一台一台独立して保管する車庫と違った間隔でそういう幅になっているのではなかろうかと思います。ただ、私どもも、一台一台ではなくて何十人かあるいは共同で車庫を持つというような場合がございましたら、そういう場合には、具体的なケースに応じて、場合によってはその基準を緩和することを検討してまいる、そういうふうに思っております。
  441. 中島武敏

    中島(武)分科員 その問題は次にお尋ねしようと思ったのですが、距離の問題、それから面積の問題、これで実は個人タクシーの皆さんが大変苦労しているのです。大臣もよく聞いていただきたいと思うのですけれども、都営地下鉄の下に設けられている駐車場を借りようと思った。ところが、東京都交通局は法人格を持った団体にしか貸さない、そういう問題が起きてきた。それで、東個協に頼んだところが、東個協の方ではオーケーをして、よろしいでしょう、借りましょう、こういう話になったのです。しかし、二キロメートルという制限があるものですから、この二キロメートルの範囲で希望者を集めたところが、東個協の組合員だけで満杯にならないのです。それで、日個連の組合員も含めてやっと満杯にしたのです。ところが、東側協としては、他の団体の組合員が入っていては責任が持てないというふうに言われて、ほとほと困り抜いて、それでは車庫協同組合をつくったらどうかということで、陸運局に相談に行ったら、好ましくないと言われたわけです。  それで、私はこれは規制する理由がないと思うのですけれども、好ましくないと言われたもので、あきらめて東京都駐車場公社が経営する高速道路の高架下の駐車場を借りようとしたのです。そうしましたら、二百五十の規制にひっかかってしまったのです。それで、陸運局の方では便法を教えてくれたわけであります。十台で契約して九台を入れるというふうにすればよいではないか。なるほど、そうすると料金はその分高くなるということになるのですね。しかし、そういうことをやらなくても、総面積からいうと、車を置くスペース、二百五十掛ける五百ですね。これの三倍あるのです。だから、十分点検する場所もあるわけですね。安全管理、点検と言われましたけれども、そういう場所がある。私は、今既に局長から若干答弁がありましたけれども、こういう場合には共同車庫として、いわば法人に準じて扱えないだろうかどうだろうかということであります。  本年、料金の値上げを行ったときに、陸運局長の個人タクシー協会あての通達が出されております。「タクシーサービスの改善等について」という通達ですけれども、この中でも「共同事業の促進」ということがうたわれているのですけれども、この点、具体的にはどんなふうに検討されるか、それを重ねてお尋ねしたいわけなんですが、車庫の共同利用については現在は何も規定がないのですよね。ですから、これはぜひひとつ、こういう場合にはケース・バイ・ケースでございますかな、やれるというようにやってもらいたいと思うのです。
  442. 角田達郎

    ○角田政府委員 二つ問題があると思いますが、車庫の協同組合をおつくりになりたいという申し出があったときに、それは好ましくないというような指導を東京陸運用でされた、こういうお話でございますけれども、私その点はまだ十分東京陸運局から報告を聞いていないので、どういうような事情があってそういう指導をされたのかよくわかりませんけれども、その点については再度東個から報告を求めて善処していきたいと思います。  それから、もう一点の、組合をつくらないでも何人か集まって共同で車庫を確保する、この問題につきましては、東京陸運局の方に前向きで対応するように指導してまいりたい、かように考えております。
  443. 中島武敏

    中島(武)分科員 この問題の最後に、ちょっと大臣にぜひ申し上げたいのですが、大臣は個人タクシーのことについてはなかなか御理解があるという話を私は承っております。その上に立ってなんですけれども、きょうはこの車庫問題に端的に絞って申し上げたのですけれども、なかなか大変なんですね。それで、さっきも一部申し上げましたように、非常に苦労しているのです。ですから、ひとつ一度実情を調査して、今十項目の規制ということになっているのですけれども、こういう点についても再検討してみるというふうにすべきではないかと思うのだけれども、ひとつ大臣の見解を聞きたいと思います。
  444. 細田吉藏

    細田国務大臣 実は、昭和三十年に個人タクシーを始めたときに、私は官房長をしておりまして、個人タクシーやるべしということで、当時の大臣に申し上げた一員でございます。その後大変な個人タクシーの発展を見ておるわけでございます。  おっしゃるように、いろいろな点でやはり実情に合うようにいろいろな点を見直すべきところは見直さなきゃならぬ、そのかわり、また相当自粛してもらわないと、悪いのもないことはないわけでして、いろいろなことがあると思うのですよ。ですから、とにかく役所側ともっと緊密な連絡をとる、また、各陸運局と対本省、これも個人タクシーについて、十分いろいろ意思を疎通して連絡しながらやっていきたい。  それから、特にまだ質問がないのだけれども、書類の煩雑さなんかは、今度は運輸省も大機構改正をやろうと思っておりますし、なるべく簡単なことにしてやろうという方向で、とにかく行政簡素化という方向でいくということです。そのかわり、個人タクシーの方も変なことが起こらぬようにしてもらわぬと困りますので、そこらのことを皆心配するものだから役所はやかましくなるんだ、そういう感じを持っております。率直に申し上げます。
  445. 中島武敏

    中島(武)分科員 これから書類の簡素化の問題、煩雑さの問題についてお尋ねしようと思ったら、大臣の方から答弁がありましたから、これについてはここで時間の関係もありますので省略さしてもらって、次の国鉄に係る問題の方に移りたいと思うのです。  これは赤羽駅付近の連続立体交差化と赤羽駅の改善の問題についてです。  赤羽駅周辺の連続立体交差化は、国鉄が東北・上越新幹線を通すに当たっての北区との間の約束であります。そして、同時着工が約束されておりました。国鉄当局が赤羽線をかさ上げし、また、連続立体交差になったときを予想して、現在建設中の新幹線をそれに適合できる構造にしていることも私はよく承知しております。その上に立ってお尋ねしたい。  連続立交の都市計画決定に向けて、国鉄の側としてはどんな努力をしておられるか、これについてお尋ねします。
  446. 岡田宏

    岡田説明員 赤羽線の連続立体交差事業につきましては、都市計画事業として施行するということで、昭和五十二年度、五十三年度に事業調査費がついて調査を行っております。その時点におきまして、国鉄は、鉄道部門につきまして調査を実施をいたしておりまして、東京都にその報告書を提出をいたしております。
  447. 中島武敏

    中島(武)分科員 そういうことをいろいろやって、一体いつ連続立体交差に着手できるのか、都市計画決定の運びになるのは一体いつというふうに思っているのか、その点について。
  448. 岡田宏

    岡田説明員 都市計画決定に至ります前に都市計画上の事業採択という手続がございますのと、もう一つ、東京都の場合には、東京都条例に基づきます環境アセスメントを実施をする必要があるわけでございます。  現在、赤羽駅付近の連続立体交差については、それらの手続がまだ進んでおりませんが、ただいま東京都並びに北区、国鉄三者におきまして、鋭意それらの推進を図っているところでございます。
  449. 中島武敏

    中島(武)分科員 鋭意推進はわかりましたが、実際にはいつごろになると思っていらっしゃるのか、見通しについて。
  450. 岡田宏

    岡田説明員 現在の時点では、何分にも膨大な事業費を要する事業でございまして、都市側の負担におきましても、また国鉄側の負担におきましても、相当な巨額に達します。そういったこともございまして、具体的に着工のめどは立っておりません。
  451. 中島武敏

    中島(武)分科員 東京都の方を調べてみますと、これがまた大変なんですね。都の長期計画の中では「等」の中に入っているのですね、いろいろな計画の「等」と。「等」とは一体何なんだと聞きましたら、「等」の中に入っていると言うだけで、全く見通しがつかないという状況なんですね。ところが、それにもかかわらず、新幹線工事によって赤羽駅の構造は一変しちゃった。極めて率直に申しますが、利用しにくい駅になっています。  まず、階段が多いのです。駅の東口から赤羽線のホームまで幾つ階段があると思います。何しろ北通路で申しますと、百十七段であります。京浜東北線から赤羽線ホームまで幾らあるか、北通路で百四十八段、中央通路で百五十三段、もうこれでは車いすの方、障害者の方は、とてもじゃないけれども問題にならない。それだけじゃない。お年寄りの方はもう本当にどうしようもない。それから、大きな荷物を持っておればこれまたどうしようもない。丈夫な若い者でもこれだけ歩くということになったら大変なんですね。  私は、こんな階段の多い駅は、日本じゅうにどこにもないだろうと実は思っているのです。在来線で赤羽駅に続いて一番階段の多い駅は一体どこですか。それから、階段の数は一体どれくらいあるものか、答えていただきたいと思う。
  452. 須田寛

    ○須田説明員 今先生おっしゃいましたように、赤羽駅が百十七段、東口から赤羽線ホームまででございますが、一番実は階段の多い国鉄の駅は、上越線の土合というのがございますが、これが四百八十六段ございます。その次は北陸線の筒石という駅でございますが、二百九十。赤羽と同じくらいの駅といたしましては、島根県の三江線の宇都井という駅がございまして、これが百十六段ございます。東京都内で一番多うございますのは、秋葉原の総武線ホームのところでございまして九十一段、こんな感じになっております。
  453. 中島武敏

    中島(武)分科員 特殊なところの駅の名前を挙げて、それは階段が多いと言っても、これはだめなんです。これは比較にならないです。通勤に使っているところと全然違いましょう。こんなところを挙げて、いや多いのある。なるほど私の聞き方も、多いのはどこかとこう聞いているから、そう答えられたと思うけれども、答えられても無理はないのかもしれないけれども、これは普通の駅でないことははっきりしておるわけでして、赤羽駅が非常に階段が多くて、通勤通学あるいは乗りおり客が非常に難渋しているということは、社会問題にもなっているわけであります。  現在、赤羽線のホームにはエスカレーターが二号階段、四号階段についています。そして京浜東北線に一つ工事中であります。私は、昨年の七月二十七日に赤羽駅長と、八月三日に東京北管理局と交渉して、エスカレーターの増設を要求しました。遅きに失したと率直に言って思いますけれども、しかし、三月七日付で赤羽線ホームに三号、六号の階段につけることになりました。よかったと思うのです。しかし、何しろ地下通路から赤羽線のホームまでの高さというのは十四・一メートルあると国鉄から伺っています。公団や公営団地がありますね、あそこは六階以上はエレベーターがつくのです。ところが十四・一メートルという高さは、公団、公営団地で申しますと、六階のところまで階段を歩いて上がれというのとこれはちょうど同じなんです。大変な問題でありまして、それで幾つかちょっとお尋ねしたいのです。  赤羽線のホームの階段には、まだ残された一号階段、五号階段があります。これにもエスカレーターをつけていただきたいということが一つです。それから、現在ついているものもこれからつけるものも、旧赤羽線ホームと現在の赤羽線ホームとの閥だけでありまして、地下通路から旧赤羽線ホームに上がる、ここにはエスカレーターがつかないのです。これもひとつ研究をして、つかないものかどうか、つけられるように研究していただきたい。それから三つ目は、京浜東北線も一カ所だけではなくてもっと増設するということをやってもらいたい。さらにもう一つ言います。障害者の方が車いすで利用するというようなことになったら、これはもう本当に大変であります。そういう点では、障害者の方もこの駅を利用することができるように工夫をしてもらいたい。これについてお答えください。
  454. 岡田宏

    岡田説明員 設備の問題でございますので、私の方からお答え申し上げますけれども、今先生お話しございました、高架の赤羽ホームからの一号階段と五号階段の点につきましては、高架橋の構造から申しまして極めて困難でございます。その他、今の地下道から直接上がれるエスカレーターあるいはお体の不自由な方々に対する設備等の問題につきまして、さらに鋭意検討をいたしたいというふうに思っております。  京浜東北線のエスカレーターの問題につきましては、現状では京浜東北線のホームからおります階段が折れ曲がっておりまして、比較的段数も少ないということでもございますので、この辺につきましても、少し勉強をさせていただきたいというふうに思っております。
  455. 中島武敏

    中島(武)分科員 赤羽線から京浜東北線の乗りかえ客がたくさんいるのです。ですから、京浜東北だけの階段数を数えますと短いように見えますけれども、赤羽線と連結して考えると実に多い階段になってしまうわけなんです。そういう点を考えて、今の点は、みんなが安心して大いに利用できるようにぜひ検討を進めてやっていただきたいと思うのです。  それから、もう一つ最後にお尋ねしたいのですが、赤羽線の混雑度、これを調べますとラッシュ一時間で二九六%です。この時点ではこれは日本一の混雑度であります。国鉄からいただいた資料によりましてそうです。五十八年十月の十両化編成後は二三七%ということで幾分緩和されております。しかし、階段の多いことも日本一、それで、幾分緩和されたとはいっても、この間まではとにかく混雑度も日本一。それで、冷房化はどうかということを見ると、冷房化率は五三%にすぎないわけなんです。これは新幹線が通りましても、実は赤羽駅停車にはならぬわけでして、この赤羽駅の利用者というのは何とも冷遇されているという感じを持たざるを得ない。これは私が持つんじゃないですよ。みんながそう言っているから私が代弁して言っていることなんです。それで、少なくとも全車両冷房化を完成するというぐらいのことをやらなければいかぬのじゃないか。これは経緯はいろいろありました。ありましたけれども、やはりこういうサービスということについてしっかりやるということでなければ、この駅の利用者の人たちはなかなか腹に落ちないということになると思うのです。冷房化の具体の問題と、国鉄総裁の見解を伺いたいと思うのです。
  456. 須田寛

    ○須田説明員 冷房化は、先生御指摘のように昨年夏は五三%でございましたが、この夏は六二%まで約一〇%程度上げられることと存じます。なるべく一〇〇%を目指して努力をするということでこれからもやってまいりたいと思います。  それから混雑の方につきましても、とりあえず十両化で小康を得たわけでございますが、これからさらにお客さんも伸びてまいると思いますし、将来は通勤新線の乗り入れ等もございますので、その辺をにらみ合わせながら混雑緩和に極力努力いたしてまいりたいと思っております。
  457. 仁杉巖

    ○仁杉説明員 ただいま先生からお話がございましたが、私、就任時に、お客様を大切にということを申しておりますが、これは職場の規律その他接客態度を正しくするということも一つございますが、もう一つ、今御指摘がございましたように、駅の施設そのものが必ずしもお客様第一というふうでもないというような感じを前々から持っておりまして、就任直後に関係の者を呼びまして、今後お客様に使いやすいような駅にするということについて今研究をさせております。  そういう意味で、先生の御趣旨を生かしてまいりたいと思いますので、御理解を願いたいと思います。
  458. 中島武敏

    中島(武)分科員 時間ですから、終わります。
  459. 上田哲

    上田(哲)主査代理 これにて中島武敏君の質疑は終了いたしました。  次に、村山喜一君。
  460. 村山喜一

    村山(喜)分科員 大臣、御苦労さまです。  先ほど青森一区の関晴正君が私の部屋にやってまいりまして、東北新幹線、岩手から青森、細田運輸大臣、大変前向きな答弁をしていただいてうれしかったという話をしておりましたが、この問題については、六十年度から建設着工という話をされたわけでございましょうか。それとの関係の中で、整備五線の取り扱いの問題は、一定の方向を出してからというようなことで、予算には計上されても執行については当分棚上げというのがずっと続いているわけですね。それらの関係の問題をどういうふうにお考えになっているのか、ちょっとそこら辺を初めにお尋ねしておきたいと考えるわけでございます。
  461. 細田吉藏

    細田国務大臣 五十九年度の予算で、東北の盛岡-青森間、それから北陸について、十三億六千万円の国費と五十億の調査費がついておるわけでございます。それから、九州新幹線については調査費がついておるわけでございます。私が先ほど申しましたのは、今すぐ取りかかるという方法ができたということを申し上げたわけではございません。  問題は、準備作業所というようなものもつくったりいろいろしておりますけれども、いよいよこのままの状態でさらに続けていくことは、現地の皆さん方の強い要請その他から考えまして、もうほっておけないというような情勢になっておるように私は思うのでございます。そういった意味で、五十九年度はもう予算ができ上がって御審議を願っておるところでございますので、六十年度予算をつくるときには、とにかく着工に前進をさせるような方法で何かいい知恵を出したい。そうしないと同じことがずっと続くわけでございますね。実際はやるやるというかけ声だけで一向に進まないということになるわけでございますので、それではいかぬのじゃないか、何とかしたいということで、果たして方法が見つかるかどうかという問題、このごろ財政が窮屈でございますから簡単じゃないと思うのでございますけれども、幸いにして地方協力するという問題もございますし、それも地方だけは出しなさい、こっちはちっとも出しませんというわけにはいきませんでしょうし、いろいろな点を考える、そういう意味を背景にして御答弁を申し上げるというわけでございます。
  462. 村山喜一

    村山(喜)分科員 それはできれば結構なことでございますから、我々もそれに対してどうにもこうにもということじゃございませんで、東北も九州もということになろうと思うのでございますが、問題は、今破産に瀕している国鉄がこれに対応できる体力があるのかという問題に関係があるわけでございまして、今からその問題をいろいろただしてまいりたいと思うのです。  国鉄総裁もお見えでございますし、運輸省の幹部もお見えでございますから、国鉄経営改善計画昭和六十年度目標値というものを定めましてやってまいりましたが、これはまだ生きているわけですか。それともまた現状に合わせて改定をしようという考え方でございますか。
  463. 永光洋一

    ○永光政府委員 改善計画は五十五年の再建法に基づきまして国鉄の業務の重点化、合理化を含めて積極的に国鉄再建をするための計画としてつくったものでございまして、現在も計画が生きておりますし、六十年に幹線で国鉄が独力にできる特性の分野においては黒字を出そうということで鋭意努力をしております。ただ、その改善計画の中のいろいろな指標につきまして、あるいは収入等につきましてそごができておりますので、そのあたりの中身の吟味は現在やっておる段階でございます。
  464. 村山喜一

    村山(喜)分科員 そこで、幹線の方で百億もうけましょう、地方交通線では二千三百億の赤字が残ります、特定人件費は七千七百億円、昭和六十年度の収支試算は九千九百億円。ことし五十九年度は幾らになる予定ですか。
  465. 永光洋一

    ○永光政府委員 五十九年度の予算においては、総体の純損失は一兆七千百三十八億ということになっております。
  466. 村山喜一

    村山(喜)分科員 助成金は昨年よりも五百四十二億削られておりますね、六千四百八十八億。いろいろ内容を今まで論議されたのを整理してみますと、利子の支払い分が一兆一千百六十五億、特定人件費は六千百八十二億、それに東北・上越新幹線の資本負担分が入ってまいりまして、これが三千六百四十六億というような数字がございます。  そういうような状況の中で一体六十年度そういう数字を九千九百億円の赤字になすことができるのだろうか。私たちはどう考えましても計算ができないのでございます。それをやるためには人員整理をやって、計画では三十五万人体制ですが、もう既に三十四万五千人体制になっておる。さらに拍車をかけまして、昭和六十年度には三十二万人体制に持っていくという計画をお立てになっているんじゃないだろうか。そのためには五十八年度と五十九年度で合計五万一千五百人の削減を用意しているというふうにも聞くのですが、それが一つ。  それから、ローカル線の一次の四十線、二次の三十三線ですね。これはとにかく五十九年度で全部廃止を済ませるのだという計画でございましたね。二千九百キロを削って縮小をしていくんだ、こういうものが前提になされてああいう試算が出されていたんだと思うのですが、今、各国鉄の現場を回ってみますと、新聞にも取り上げられているように、初めの計画の中には貨物の合理化というものが入っていなかった。今度ヤードの廃止等を含むいわゆる拠点間輸送体系に変わっていく。そういう中で二万人ぐらいの人たちが、朝出てきて点呼をとって夕方帰る、点呼に返事をしなかったから処分をしたというようなのもこの前新聞に出ておりましたが、行ってみて聞いておると本当に深刻な状態です。  そういう状態の中で国鉄再建への方向が当初の試算どおりに一体できるのだろうかということを考えますと、これはちょっと待てよというような気がするわけでございます。これらの努力は努力としてされると同時に、今国鉄監理委員会が、企業形態の問題を含めて例の構造的な欠損の処理の問題等もそちらの方でお願いをするということになっているようでございますが、国鉄再建の今当然やらなければならない再建法に基づくやり方と、抜本的な、いわゆるそういうような構造的な欠損の処理等をめぐる問題とをどういうふうに整理をしながらこれから進めていこうとしていらっしゃるのか、その点の見通しの問題をお聞きをしたいと思います。
  467. 永光洋一

    ○永光政府委員 まず改善計画につきまして、今先生がおっしゃいました要員とか貨物の合理化とかというのは、先ほど申しましたように再建法に基づく改善計画では、幹線部門について国鉄自体の努力で何とか収支を償うようにしたいということで、要員についても三十五万を三十四万五千ということで切り込んでおりますけれども、あるいは要員もさらに合理化し、あるいは貨物についても計画以上の深度化を行いまして、そういう経営努力を含めて今現在、六十年何とか収入の落ち込み等をもカバーして幹線で黒字という体質に持っていこうと努力をし、その計画の中身についてさらに再検討をいたしております。  片や監理委員会においては、いわゆる現在の経営形態について効率的な形態がないかということで基本的な問題を検討しておられますし、それに合わせていろいろな累積赤字の問題等も前提として議論されております。しかしいずれにしましても、経営形態問題を論議するにしても現在の国鉄をできるだけ合理化し、スリムにしていくということは必要でございますし、そういう意味からいって、この再建法に基づくところの改善計画によって国鉄自体の合理化をさらに積極的に進める、こういうことではないかと思います。
  468. 村山喜一

    村山(喜)分科員 大臣は、国鉄再建には構造的な欠損の処理が必要だということをこの前も島田琢郎君の質問に答弁をされておったように記憶するわけです。そのとおりだろうと思うのです。これは閣議了承でもございますし、そこで構造的な欠損問題というのは一体今どういうふうに数字がなってきているのか。私の把握するところでは、累積赤字の問題、特定年金、退職金、それから地方線の欠損の問題、地方バス欠損、公共負担それから上越・東北新幹線の問題もございますし、それに青函トンネルの問題や将来本四架橋の問題等、利用するということになればそういうような問題も入ってくるのじゃなかろうかと思うのですが、そういうような構造的な欠損問題というのはどこまでが範囲で、これは監理委員会の方でやってもらいますよということになるのですか。
  469. 細田吉藏

    細田国務大臣 大体こういうふうに考えていただくのが一番簡単といいましょうか、いろいろ細かく複雑に申しますとややこしくなりますので、これは数字は後で御必要であれば鉄監局長からお答えさせますが、昭和五十九年度の国鉄予算を出しておりますが、この年度末における累積債務は二十二兆円ということになっておるわけです。二十二兆円の累積債務を持っておるわけです。利息の支払いが一兆二千億余でございまして、こういう格好をしておるわけでございます。  そこで、この累積債務というものが、利息の支払いが解決しなければちょうどサラ金になっているようなものでして、幾ら経営努力をしても、例えば今年度あたり経営努力は物件費、人件費合わせて八百億円の節約をしているのですよ。それはもう、そう言ってはなんですけれども、ほかの公社なんかには見られないようなそれこそ血のにじむような経営努力をしておると思うのですよ。しかし、八百億支出が減った、経費が減ったと言いながら、一方で去年と比べたらもう千百億ほど利息の方で去年よりもふえる。やったのがもう利息でパアになってしまっている。こういう格好になるのですね。  そこで今監理委員会にお願いをし、監理委員会が非常に頭を悩ましていただいておるのは、この二十二兆というものを、これは一体――これは分析しなければいけません。このうちこれは国有鉄道の責めに帰すべきといいましょうか、それは言葉が少し当たらないかもしれませんが、それこそいろいろ経営上の欠損で出たものと、それから借金していろいろな設備をした、代表的なのはさっきもお話ありましたが、上越、東北新幹線が開業になって三千六百億というものが資本費の関係で赤字が出て、これがもうやむを得ず計上されるわけですね。今のやり方ですと計上されるわけですが、要するにそういうものが重なって二十二兆というものになっているわけです。ですから、このうちどれだけのものが国の責任において――私どもに言わせれば国の責任において何らかの形でこれは解決をしていただかなければならぬというふうに思っておるのです。かつて五兆数千億の棚上げをいたしたことはあるのですけれども、それはもう大分前のことになりまして、こういう格好になっておるのです。  そこで、この問題をひとつ片づけてもらうということが、実を言いますと最大の問題なんです。この借金を背負い込んだままですと、経営形態の変更もできなければ、現在の国鉄の働く意欲をどんどん強くしろと言いましてもうんざりしてしまうわけですね。ですから、その問題は監理委員会が取り扱われてどうされるか、これについて今頭を悩ましていただいておるということなんです。もう一つは、監理委員会はこのことを考えると同時に、これを考えないで経営形態の問題には移れませんから、この問題を考えながらあわせて経営形態のいわゆる民営化、分割というような問題について考えていただいておる。一方では既定の法律で、経営改善計画でまあ進めておる、他方でより根本的なところを監理委員会がやっていただいておる、こういうことなんでございます。  しかし、申し上げておきますが、運輸省国鉄は、それではそういう問題について監理委員会任せだ、五人の監理委員さんに全部お任せしてどうぞよろしくと言っているかというと、それはそうじゃないのでございまして、我々の方ももちろんない知恵も出しまして、いろいろな意見を監理委員会に申し上げるということは絶対に必要だ、こう思って、いいものを出していただきたいと思っておるわけです。  ちょっと長くなりましたが、恐縮です。
  470. 村山喜一

    村山(喜)分科員 時間の関係局長の答弁は要りませんが、やはりこれは政治のツケを国鉄に今までずっと背負わせてきた。今でも、今度はそういうように東北新幹線、九州新幹線、また整備五線の問題が出てきている。もうとにかく体力がなくなってしまって首切りをしなければならない、運賃値上げをしなければならない、ローカル線は外さなければならないというような重病人に、まだ新幹線をつくれと、政治が余り押しつけて、もうどうにもこうにもならない、二十二兆も借金が出てしまって、それは監理委員会にしりをぬぐってくださいというような格好では、これは余りにもおかしな格好になると私は思うので、その点はやはり行政の責任というものは、これからも細田運輸大臣、厳しく考えながら対処していただきたいと思うのです。  時間の関係がございますので、次の質問をさせてもらいたいと思うのですが、地方交通線の問題ですが、今度運賃値上げをやりますね。平均で七・八%、幹線の普通旅客運賃は九・四%、ところが地方交通線はその上に六・五%を上げる。私ずっと自分のところで調べてみましたが、西鹿児島駅から宮崎まで百二十五・九キロメートルございます。そこをL特急に乗りまして行きますと、今普通運賃が千七百円、それに特急料金が千六百円、合わせて三千三百円です。これが一一・八%上がりますと、運賃が千九百円に上がります。これは時間は二時間十六分で宮崎に着くのですが、はまゆう号という高速自動車があります。民間です。これは高速道路を通りまして行きますが、これの運賃は二千七百円ですね。時間は九分しか違いません。バスの方が九分ぐらい遅い程度です。そこで、西鹿児島駅から宮崎まではS切符もありませんし、Q切符もございませんから、まけてもらうわけにはまいりません。そこで、今六百円の差があるものが、今度は八百円に差が開いていく。そうなりますと今でも大分、駅長あたりに会いますと、このはまゆう号が走るようになってからお客さんをとられて困っておりますということなんですが、そういうふうになってくると、これまた値上げをしたことによりましてお客さんが減ってくる、こういうような状態が出てくるんじゃないか。また鹿児島市内の西鹿児島駅から谷山駅、今百四十円で市電と一緒でございますが、これが一四・三%アップしまして百六十円、二十円違う。そうすると市電の方にお客さんは逃げるというようなことになりまして、五十一年、五十三年ですか、値上げをしたことによりまして翌年は一億人ぐらい減りましたね。国鉄離れが生まれました。こうして値上げをしながら、地方の、またそのほか幹線乗り継ぎの場合には実際の距離よりも一〇%ぐらい架空の数字を上乗せをして計算をする料金算定をやるような話も聞いております。こういうような形の中で、なるほど地方交通線は赤字でございますから上げたいということはわかるけれども、そういうふうにして国鉄離れの現象をつくりながら、そしてお客さんが乗るのを少なくしていきながら廃線に追い込んでいくのではなかろうかという見方が出てくるわけです。我々はそういうような意味においてこの問題は非常に重要な問題だと思いますので、交通政策全体を眺めながらお考えになるのがいいのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございますので、その点に対する見解をお聞かせいただきたい。  それから時間の関係でもうしゃべりまくるような格好になりますが、自動車整備業の問題でございます。これは五十七年度で六一・六%は欠損企業に転落している、構造的な不況業種だ。昨作の七月から車検が一年ずつ延びました。これが減車がどういうふうに今後影響していくのかという予測がまだ成り立っていないようでございます。そこへもってきてスーパーあたりがユーザーと組みまして特定の業者と提携をして、普通車であれば八万円、軽であれば五万円ということでやりましょう、そのかわりスーパーは手数料を特定業者の方からいただきますよ、こういう形のものが生まれているわけですね。それを協定をすると独禁法違反だとやられる。転業をしようと思ってもなかなかいいところがない。こういう状況の中で一体どういう方向を目指しながらこの企業の問題を指導なさっていくのか、ここら辺がどうもはっきりしませんので、はっきり行政指導をどう展開をされようとしておるのか、一言お答えをいただきたいのです。
  471. 細田吉藏

    細田国務大臣 国鉄運賃については明治四十年の国有以来単一運賃であるわけであります。今度初めて二段階に値上げ差別をするということにするわけでございますから大変な変更でございまして、これにつきましては専門家の間でも国会の中でも随分いろいろな議論があったところでございます。私どもも必ずしもこれが絶対にどうというものではないので、こういう考えが一つあるということなんです。ただ、五十五年に通りました再建特別措置法で運賃差別をつけるということを決めまして、去年の臨調、そしてことし、御案内の去年法律が通りました改善委員会の方から細かい勧告が出ているのでございます。それで、ローカル線については地方鉄道と比べて国鉄がまだ安い、しかし大都会のようなところ、幹線区においては大私鉄と比べると国鉄はべらぼうに高い、だからそういう意味で差別運賃を設けよという勧告なんでございます。そういう意味で今度国鉄が出してきたというわけで、今運営審議会にかかっておるわけでございます。なるほど特にローカル線の方々からごらんになると、一方では第一次、第二次の指定で痛めつけられておる、おまけに運賃の方まで痛めつけられておるというお感じがあることは本当にお気の毒というか大変なことだと思っておるわけでございますが、運賃にそういう差別をつけるということはそういうことなんでございまして、本来からいえば五十八年はやらなかったのですから五十九年もう一年やらないで済まないかということなんですが、どうしても大蔵省との予算の折衝その他のときに千八百億程度運賃から出してもらおう、こういう要望等も受けまして、一般会計予算が非常に苦しいですから、そういう関係でこういうことにしたというわけでございます。したがいまして、あなたのおっしゃっておる運賃単一であるべしということは、これは一つの考え方として一貫して今までとっておった考え方でございますから、十分傾聴に値することであることは間違いございませんが、今の空気はそういう空気になっております。
  472. 角田達郎

    ○角田政府委員 整備事業の問題についてお答えいたします。  整備事業の経営状況はこの前の車両法の改正、新車の自家用自動車の初回の車検期間を二年から三年に延ばすというような一連の車両法の改正の前から、自動車の技術の進歩等によりまして整備事業が減ってきておる、そういうような状況で、制度の改正以前からずっと悪化の傾向にございます。先ほど先生がおっしゃいましたような中小企業庁の調査によりましてもそういう状況を示しておるわけでございますが、この制度の改正後は、一番落ち込むのは六十年度ではないかと思いますが、相当な影響が出てくるわけでございます。私どもとしては自動車整備というものは車の安全それから公害にとって非常に重要な問題でございますので、これに対する対策をいろいろと手を打ってきておるわけでございます。一つは構造改善事業を中心にして近代化を推進してきましたし、それからもう一つは、これは五十八年度から発足した制度でございますけれども、日本自動車整備商工組合連合会、ここが近代化資金というものをつくりまして、五十八年度で二十億でございます。そのうち十億は国から助成しております。さらにこれを五十九年度では国が二十億、民間が二十億ということで、トータル六十億の資金の増勢を予定しておりまして、これによって運転資金なりあるいは近代化に必要な資金、また近代化の設備投資に対する利子補給といったようなことでこれを活用していただきながら近代化を図っていきたい。それからもう一つは、事業転換法に基づく業種指定、これを五十七年の十月にやっておりまして、この制度趣旨を引き続き周知徹底させて、今後とも最大の努力を払って整備事業の健全化のためにやってまいりたい、かように考えております。
  473. 村山喜一

    村山(喜)分科員 以上で終わります。
  474. 上田哲

    上田(哲)主査代理 これにて村山喜一君の質疑は終了いたしました。  次に、上野建一君。  大臣総裁、答弁側も遅くまで御苦労でありますが、あと三個までありますから頑張っていただきたいと思います。上野委員も頑張ってください。
  475. 上野建一

    上野分科員 私は時間がございませんから端的にお伺いします。  まず最初に京葉線の問題をお聞きいたしたいのですが、京葉線というのはいつから開業ができるのか、その点をまずお伺いしたいと思います。
  476. 永光洋一

    ○永光政府委員 京葉線のまず西船橋と蘇我の間につきましては六十年度完成を目途に工事を進めておりまして、工事が順調に進めば同年度中には開業の運びになると考えております。  さらに新砂-東京間のいわゆる都心乗り入れにつきましては本年度から六十二年度完成をめどに建設を行っております。これも今まだ建設が始まったばかりでございますので、今後の工事の進捗状況尊兄ながら判断するということかと思いますけれども、何とか六十三年度には開業の運びになるのではないか、こういうふうに考えております。
  477. 上野建一

    上野分科員 これは私どもが聞いておったのから見ると当初の計画から大分おくれてきていますけれども、おくれている原因はどこにあるのか、それからこれからもどうも少しおくれるような話もありますが、その心配はないかどうか。特に西船-蘇我間というのは六十年度開業間違いないかどうかお聞きしたいと思います。
  478. 永光洋一

    ○永光政府委員 そもそも京葉線は貨物としてつくっておったわけでございますので、それが地元の要望なりあるいは国鉄関係等から旅客に転換しようということでございまして、国鉄線との接続をどうするかというような技術的な問題等も含めまして、おっしゃいますように当初の目標からはおくれぎみであることは確かでございますが、今申しましたように六十年度には西船までは開業の運びに何とか取りつけたい、こういうふうに考えております。
  479. 上野建一

    上野分科員 そこで、この京葉線が開業されると、その開業からまた新たないろいろな問題が出てくる。特に住民はその点も多少心配をしているわけですけれども、そこら辺のところを少しお尋ねしたいのです。聞くところによると、この京葉線は業務の委託が大変多いというふうに聞いているのですけれども、そういうことがあるのか、あるとすればどこまで委託業務をやるのか、特に駅の業務なんかはどうするのか、それから保線とかその他の安全の面での問題はどうなるのか、それをまずお聞きします。  それから二つ目は、差別運賃といいますか、こういうものがこれから適用されるとも言われているのですけれども、この京葉線の運賃というのは一体どういうふうになるのか。一般に比べて距離的に同じ値段なのか、総武線と変わりないのかどうか、その点が二つ目であります。  それから三つ目は、あそこら辺は大変団地その他住居が近づいておりまして、騒音の問題が大分心配をされていますが、その騒音対策についてはどういうふうになっているのか。  それから四つ目は、これは何両編成でどこまで何分に一回とか、通勤通学の時間帯にもよりますけれども、何両編成でやるのか、それを明確にしていただきたいと思います。
  480. 須田寛

    ○須田説明員 それでは営業関係の方だけお答えを申し上げますが、まず駅を委託するのかどうかという第一の御質問でございます。  駅の体制につきましては、委託をいたしますとか直営とかという問題を含めましてまだその細部を決めておりませんで、今後検討いたしますので、まだどちらとも決定いたしておりません。ただ、どの駅をとりましても数千名くらいの乗降のある大変大きな駅ばかりでございますので、そういったお客様をお迎えするに足りる体制を極力効率的にとるという建前でこれから検討いたしたいと思っております。現在段階ではまだ業託か直営かは未定でございます。  それから運賃でございますが、仮に今の時点で京葉線が開通するといたしますれば、これは当然幹線系でございますから、総武線と同じ運賃をちょうだいすることになります。それから開業時点におきましてどういう運賃体系になるか、まだ開業の時期における運賃体系等も不確定要素がございますが、現時点であればそういうふうな位置づけになろうかというふうに存じます。  それから列車のダイヤにつきましても、これもまた成案を得ておりませんで未確定でございますが、一応西船橋まで暫定開業いたします時点におきましては、現在の武蔵野線の運行形態にかなり近いようなものになろうと思います。将来は、今の総武の快速線程度の十五両運転で、しかも五分あるいはそれ以下の運転時隔で運転できるような体制にはなるというふうに思っておりますが、とりあえずはそのような格好になろうかと思います。これにつきましても詳細は目下検討中という状況でございます。
  481. 岡田宏

    岡田説明員 線路その他の施設の保守の体制についてでございますけれども、これにつきましても国鉄線として運営をするわけでございますので、現在総武線でとっております保守体制と同一の保守体制で考えてまいりたいというふうに思っております。ただ設備的に見ますと、以上の点で大変いい設備になっておりますので、そういった意味で、例えばキロ当たりの要員の数がどうかとかあるいは保守費はどうかということになると差が出てくると思いますが、いずれにいたしましても、保守の体制といたしましては現在の総武線と同じようにとっていきたいというふうに考えてございます。  それから騒音対策の問題につきまして、まだ具体的に騒音測定などをいたしておりませんので、その結果、公団の方ともいろいろ御相談をして具体的な対策をつくっていくということでございますが、基本的には、この京葉線は道路と並行をしてつくられておりますし、それから埋立地通過地も多いということと、それから沿線の地域が京葉線の後から開発されてきたところも多くて、したがいまして、近接をしておりますマンション等につきましても窓の向き等についてもかなり慎重な騒音対策等をお考えになっておられるというふうに考えております。具体的に試運転等を始めました時点で騒音測定をいたしまして、公団と御相談の上、処置をとってまいりたいというふうに考えております。
  482. 松尾昭吾

    ○松尾参考人 施設につきましては今国鉄の方から話があったとおりでございますが、特に住居の区域につきましては、線路の保守の省力化を考えまして、最近、普通はスラブ軌道にしているわけですが、特にバラスト軌道にするとか、防音壁を設けるとか、それから鉄げたを使わないとかいうことでできるだけの改良をやってまいっております。
  483. 上野建一

    上野分科員 そこで、委託についてはまだはっきりしてないというのですが、実際現地では、委託だろう、委託が随分多いだろう、こう見られているし、国鉄なんか例えば車両なんかでも二年間はかかると聞いておりますから、もう車両なんか発注されていると聞いているし、そういうことからいうと当然この委託の問題は検討されていると思うのです。今の検討の段階で結構ですけれども、国鉄という性格上、それから通勤通学の人数が極めて多いということ、そういうことから考えて委託というのはやるべきじゃない。安全性も含めて考えますとやるべきじゃないし、どんなに国鉄が赤字があるからといっても、この線は将来黒字になる線だと私ども思っています。そういうことから考えましても、そういう委託というようなこそくなことを考えないで、それはある程度の合理化は進むでしょうけれども、しかしやはり国鉄らしいサービス体制もとってもらいたい、こう思います。その点もう一度お伺いをいたしたい、そう思います。  それから、あの京葉線ができますと、今まで代替といいますか代行しておったバスが要らなくなる、その部面が出てまいります。今までバスが大変大きな役割を果たして、事実上代替になっておったわけですけれども、それが要らなくなるということは大変なことで、運輸省としても現地のバスの会社とも協議しながら、廃止になったり縮小になったりしないようにその後の体制をとるべきだと思うけれども、その点はどうでしょうか。その点をまずお聞きしておきます。
  484. 須田寛

    ○須田説明員 前段の御質問のお答えでございますが、先ほど申し上げましたように、直営にいたしますといたしましても委託にするといたしましても、都市近郊のお客様の大変多い線区でございますから、お客様のサービスあるいは安全、こういったものには十分留意したものとすべきは当然でございますので、そういった方向で検討いたします。したがいまして、新しい都市近郊路線としてふさわしい、最も近代的かつ効率的な運営形態にするようにこれから勉強してまいる、こういうふうな気持ちでございます。
  485. 角田達郎

    ○角田政府委員 バスの問題についてお答えいたしますが、京葉線の開通がなされますと当然地域の交通事情が変わってくるわけでございまして、沿線を走っていたバスの路線の再編成というのは避けられないことかと思います。この再編成に当たりましては、当然地元のバス事業者の現状それから利用者の状況、それから影響を受けますバス会社の意見等も配慮しながら、行政側で、例えば免許の休廃止あるいは新免というような行政側で措置し得るものがあれば適切に対応してまいりたい、かように考えております。
  486. 上野建一

    上野分科員 実は都心までの開業が六十二年度とさらにずれるわけですね。西船が暫定的に今あそこに皆集中する。そうすると、今武蔵野線もあそこに集中しています。それから総武線、これがそう。それから今度京葉線が入ってくる。今ですら西船が混雑状態が大変な状態なんです。ホームの拡張とか、その地やっておるようですけれども、この西船を使う期間というのはなるべく短期間にしてやらなければならぬと思うのですが、この六十二年度都心までというのは、これはもうちょっと短くならぬのか、その点はどうなのか。六十二年度というと、もう二年間、混雑の中で大変危険性も出てくる、安全性からいっても少し問題があるのではないかと危惧されるわけですけれども、その点からその対策はどうか、こう思います。  それからこの京葉線は、国鉄の総武線の通勤通学には大変黒字になっておりますけれども、この収支関係、採算の関係はどうなるのか、これをちょっとお伺いしたいと思います。
  487. 松尾昭吾

    ○松尾参考人 前段の方の、都心乗り入れの工事でございますが、実は昨年の七月に大臣認可になりまして、現在設計それから調査工事だとか、いろいろ関係箇所が多うございまして、それらの関係機関と施工の細部につきまして打ち合わせする段階に入ったばかりでございます。  それからさらに、御承知のように新砂町から貯木場の上を高い橋で渡るところ、それから都心の、東京駅の近くになりまして、非常に軟弱な地層のところ、しかも道路の下を通りますので、これをシールドでやるというようなことで極力努力いたしまして、六十二年度までに完成したいと思っておりますが、それ以上縮めることはちょっと無理ではないかと思います。
  488. 永光洋一

    ○永光政府委員 収支お尋ねでございますが、償却後の損益をいろいろ見方があるかと思いますが、現段階におきましては開業当初は二百六十億ほどの赤字でございますが、だんだん好転いたしまして、黒字転換年度が十一年目ということになっておりまして、さらにキャッシュフローにおきましては十八年目ということになっております。
  489. 上野建一

    上野分科員 それじゃ時間の関係もありますので、要望だけ特に申し上げておきますが、一つは、さっき言った委託が余り拡大されて、安全性それから駅のサービス面で落ちないように特に要望しておきたいと思います。  それからサービスの面で、例えば窓口が八時半から五時ぐらいまでになるのじゃないか、例の定期の発売なんかですね。そうすると、普通の勤め人だとこれは買えない場合も出てきますので、そこら辺もひとつ、そういうことのないように特に念を押しておきたいというふうに思います。  それから、これは当初は貨物線で計画をされましたが、すぐ間もなく旅客になるという、あの地域の発展の問題もありますけれども、そうなっておりますから、これからの通勤通学の路線としてそういう立場からいろんな対処をしてもらいたい、こう思います。それから、さっきの騒音の問題については遺漏のないようにひとつ、対策をとっていただきたい、こう考えます。  次に、勝田台に西船から乗り入れる東西線の延伸の東葉高速鉄道についてお聞きをいたしたいと思います。この点については最終的には運輸大臣から答弁をいただきたい点もありますので、よろしくお願いしたいと思います。  まず、西船-勝田台間の民間ベースによる、地元でいわゆる第三セクターと言っておりますけれども、鉄道新線、これの現在までの進捗状況をお伺いしておきたいと思います。
  490. 永光洋一

    ○永光政府委員 東葉高速鉄道は、昭和五十七年三月に西船橋から勝田台までの免許をいたしました。現在工事施行認可を申請いたしておりまして、この審査を進めている段階でございます。
  491. 上野建一

    上野分科員 そうすると、その中で今、ある意味では、言い方にもよると思いますけれども、認可のためには多くのいろいろな問題がありますね。一つは財政的に行き詰まっている、こういうことなんですけれども、最初免許をおろす場合に大体どのくらいかかるか、あるいはどのくらいの体制がとれるかというのはある程度わかりそうに思うのですがね。そういうことは余りなくて、今この時点になって、しかもやるぞやるぞということが地元の住民には十年近く前から言われて、確かに免許がおりたのは五十七年ということですけれども、もう大分前からその話は出ている。そういう意味で、やるぞやるぞと言ってきて、ここまで来て、ところが金がないからできないという状態が今日の状態なんですけれども、そこら辺のことは皆さんはどうお考えでしょうか。
  492. 永光洋一

    ○永光政府委員 確かにこれは免許いたしまして鉄建公団工事ということで、総工事費が千八百億を超えるということで非常に大きなプロジェクトです。それで、免許をいたしますときからその採算なり償還の問題というのは大きな課題であったわけでありますが、地元でも地方公共団体等もぜひひとつこれを敷いてくれ、こういうお話があって、そのときは確かに余りはっきりした話じゃなかったということはあるかもしれませんけれども、地元も応分の協力をするというようなことも含んで一応スタートしたわけでございまして、その後、話を詰めている段階におきましていろいろ話が出て、したがって工事施行認可との絡みでもう少し詰めさしてもらう、こういうことになっておるわけでございますが、最近に至りまして相当具体的に地元の協力体制という問題も出てまいりました。  我々としても、千葉のこの方向における通勤通学事情が非常に逼迫しておるということは十分わかっておるわけでございますので、何とか先の見通しをもう少しはっきり立てて、あるいは例えば建設費も鉄建公団でやります場合にもう少し安くならないかというようなことも含めまして、この千八百億を何とか地元の協力あるいは建設費の低減というようなことで先行きをもう少しよく見通ししてということで今いろいろやっております。まあ現段階ではいけるのではないかなという感じもいたしておりまして、もう少し地元の協力等の確信を得られましたら、手続をさらに進めて、千葉の通勤通学のネットワークの大きな柱にしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  493. 細田吉藏

    細田国務大臣 私は、大都市圏の通勤交通というものはやはり大量交通機関でなければだめだと思っておるわけでございます。そういう意味で、いろいろ困難な問題がありますけれども、これはどうしても解決していかなければならぬのではないか。鉄道というものの性格が非常に変わってまいりまして、鉄道の特性のうちの一番大きなものが大都市付近の通勤通学交通ですね。人口が非常に密集し、しかもそれが広がっておりますから、そういうふうに積極的に考えてまいりたいと思っております。
  494. 上野建一

    上野分科員 大臣の積極的な姿勢は我々も大歓迎で、ぜひそれをお願いしたいと思います。しかし、ただ問題はこのお金の問題が地方自治体に必要以上に負担になってはこれまた大変困るわけで、地方自治体も国と同じように今赤字財政です。県もそうですし、その関連の市も余り金のある市じゃない。もう急激に都市化された場所ですから、入ってくる住民の税金よりも出ていく方が何倍にもなるという状態なので問題なのです。  そこで、それでは一体その千八百億、あるいは二千億とも言われておるのですけれども、最初にその内訳をお伺いしたい。土地の買収費に幾らくらい考えてこの数字になるのか、それから工事費はどうなるのか、その問題が一つあります。それから、この免許をおろす場合に、この会社の設立がしてあるわけですけれども、資本金がわずか十億なんです。二千億からの仕事だというのに資本金がわずか十億ぐらいにして免許をおろすというのもちょっと我々理解しがたい。それは会社ですから一億でもいいのかもしれませんが、しかしこれだけの大きな仕事をやるには大変なことですよという決意を示すことも含めて――わずか十億で、しかも千葉県、船橋、八千代市、それからこの会社関係、東武、京成、新京成、帝都高速営団、これらのところ、大体これだけの団体、会社が金を出していますけれども、十億というのは大変少ない、こう思います。そういう意味で、これについてはどういうことからこういうことになるのか。  それから、今までも話が出ていましたが、結局地元負担といいますか、県と市、それからこれらの関連会社で金を出す、保証をある程度までするという形にならなければならぬ。そこら辺は一体どういう形になっておるのか。今までの話し合いの中でどれだけ出せということを大体案として出されているのかお答え願います。
  495. 永光洋一

    ○永光政府委員 建設費はちょっと詳細な数字ではございませんが、用地費がほぼ三百億ぐらい入っておるということでございます。  それから、最初に発足したときに資本金が全体の工事費に比べて非情に少ないじゃないか、こういうお話でございますが、確かに全体それだけの工事をやるにつきまして、鉄建公団工事ということもありまして、当面はそれほどの自己資金というものが要らないということもありましょうし、最初に調査とかなんとかということで当面小さく生んでということもあったと思いますが、先ほど申しましたように全体の工事費が非常に大きいので、やはりできるだけ自己資金によって将来の負担なり償還を軽くしようということから、現在地方公共団体、株主さんにはひとつ大幅な増資によって自己の資本をふやそうということでどうだろうということで、先ほど申しました財政的に何とか方法を見つける中の大きな枠としてそういうことを考えておるわけでございます。具体的にはどこにどうだということまではちょっとまだ申し上げる段階でございませんけれども、地元も含めてあるいは京成、営団等も含めて増資方等について鋭意積極的にお願いをしておる、こういうことでございます。
  496. 上野建一

    上野分科員 大体どのくらい出しなさいということですか。
  497. 永光洋一

    ○永光政府委員 増資も含めあるいはその周辺における開発もございますので、開発利益の還元というものも含めまして、できれば三けたぐらいお願いしたいというような話で進めておるということであります。
  498. 上野建一

    上野分科員 そこで運輸大臣に最後にお伺いをしたいのですけれども、率直に言って、地元に大体二百億から三百億ぐらいの金を出しなさいという、どこで出したのか知りませんけれども、大体そういう話が出ているということであります。これは大変な額でとても出し切れないだろうと思うのです。しかし大臣が先ほど言われたように、これからの都山近郊、この地域鉄道でやるしかないわけです。またそうしなければならぬ状態がますますこれから出てまいります。それからもう一つは、この地域の十六キロの区間というのはもうやるぞやるぞと言ってきたものですから、それに伴って土地代が大変上がっているのです。中には買い占めしているのもあるらしいし、このままいりまでも放置しておくとだんだんできなくなる。だから早急にこれは結論を出して決着をしなければならぬ問題だと思うのです。そういう意味で、少し全体の首都圏の交通網ということを考えて、運輸省全体としても、鉄道網の整備のためにせっかく第三セクターでやるわけですから、その点で大臣としての積極的な考え方を打ち出してもらえないか、期待をしているところでありますが、その点をひとつ御答弁いただいて私の質問を終えたいと思います。
  499. 細田吉藏

    細田国務大臣 今、百億、三百億というようなお話がございましたが、この点についてはそういうふうにはっきり決めてお願いしているというわけではございませんので、開発利益もあるので、いろいろな点から考えてできるだけということにしておるということだそうでございます。  それから、大都市近郊の通勤につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。今御質問の中にもあったように、鉄道でやらなければいかぬ。私は非常に奇妙な感じがいたしますのは、私は運輸大臣になる前は全国地下鉄協会の会長も実はいたしておりました。地下鉄の助成制度は私が党におりますときにいろいろ頑張ってやったものなんでございますが、地下鉄は名目七割、実質六割補助金が出るのですよ。これは半分は国で半分は地方公共団体一般会計ですね。これは東京とか大阪とか大きい都市だものですから力もあるせいもありますが、いずれにいたしましても相当大きな補助金を出すわけですよ。ところが陸上の方の鉄道は同じ役割をするものなんです。そして何といったって地下鉄より安いのです。地下鉄の方がもっと高いのです。どんなに安くたって一キロ二百億以上しますからね。そこでつり合いがとれてないのじゃないか。わずかに鉄建公団のP線方式というものをやっておるわけですけれども、私はそこらにも矛盾があるのじゃないかというふうに実は考えておりまして努力しなければなりませんが、これらの点につきまして運輸政策審議会で大都市交通についての青写真を出してもらうことになっているのです。どうせこれは今の東葉線なども判然一環として入る、京葉線もいずれも入ることになると思うのですが、そういう点で経済の問題も財政の問題もやはりそういう中の一環として考えていきたい。恐らく答申もそのようなものをいただけるものではなかろうかというふうに期待しておるわけでございます。
  500. 上野建一

    上野分科員 大臣の今の答弁を足がかりにして、この問題は一日も早く工事に着手できるように期待をしておきたいと思います。どうもありがとうございました。
  501. 上田哲

    上田(哲)主査代理 これにて上野建一君の質疑は終了いたしました。  次に、山田英介君。
  502. 山田英介

    山田分科員 私は最初に、大臣それから総裁に、国鉄再建に関しましてお話をいただきたいと思っております。  特に、国鉄経営につきましてはここ数年、単年度の欠損額を見ましても一兆円を超えるような額がございますし、累積赤字が五十七年度末で九兆円、あるいはまた長期債務の残高が同じ年度末で十八兆円というような、またこれらの支払い利子が国鉄の経営を非常に圧迫をしておるという大変な状況にあるようでございます。また、国鉄のシェアを見てみましても、旅客で二四%とか貨物部門で七%というような形で激減をしてきている。     〔上田(哲)主査代理退席、主査着席〕 この国鉄の経営破綻と申しますか、それには長い歴史とそれなりの要因が重なって今日の姿があろうかと思っております。  そういう、ある意味では、再建という極めて困難な時代に大臣総裁にそれぞれ御就任なされたわけでございます。また、別の意味からすれば、そういう大変さ、困難さがあるからこそ、やりがいもまた大きいのだろうというふうにも私は拝察するわけでございます。大臣総裁におかれては、国民の共有財産ともいうべき重大な日本国有鉄道でございますので、ぜひひとつ、その再建のために、あるいは再建への確たる道筋を築いていかれるよう頑張っていただきたいと思うわけでございますが、国鉄再建にかける大臣総裁の御所感なり、御決意なり、簡単で結構でございますので、お伺いをしたいと存じます。
  503. 細田吉藏

    細田国務大臣 おっしゃるように国有鉄道は、病人にしますと瀕死の重病人、しかも病気も一種類じゃなくて、いろいろな種類の病気が重なっておるような重体の状況にあるというふうに思っております。さればこそ第二臨調としても行政改革の第一の目玉に取り上げられ、そして昨年は御案内のように再建監理委員会の法律が通りまして、六月から再建監理委員会が発足するというようなところまで来たわけでございます。  再建監理委員会で基本的な問題について御解決いただくという話なのですが、先ほど御質問の中にもございました長期債務の問題を一体どうするかという問題は、これはサラ金を借りているような格好をしておるわけでございまして、少々努力しても利子の支払いにどんどん持っていかれてしまう、そしてそれが雪だるまのように膨れ上がるという格好をしておりますので、この点については何とか目鼻をつけてやらないと、この重荷をしょったままでは国鉄再建はできないということなので、これは著しく政治的な問題だと思っております。政治がこれを救わなければどうにもならない、単純な経済問題では解決がつかないということでございます。私は、監理委員会の皆さん方がお骨折りをいただいておりますが、運輸大臣としましても当面の責任者の一人でございますので、委員会の皆さん方と御一緒になってこの問題と取り組んでまいりたい、かように思っておる次第でございます。  なお、国有鉄道の労使関係あるいはいろいろな問題について、いろいろなことが言われております。国有鉄道の経営の合理化というような点について、随分と変わってはまいりましたけれども、まだまだやらなければならないことがたくさんあると考えておるのでございまして、これらの点につきましては今の根本的な問題とあわせまして、ぜひとも思い切ったいろいろな措置をとるようにやってまいりたい、かように考えておる次第でございます。  言い足りないところが多いと思いますが、国有鉄道再建は、私の運輸大臣としての最大の仕事であるという気持ちで、この問題と取り組ませていただきたいと思っております。
  504. 仁杉巖

    ○仁杉説明員 今、大臣からお話がございましたように、国鉄の今の状態は、国鉄の自分だけの力で再建はできないことははっきりしているわけでございますが、国鉄自体としてやらなければならないことも、まだたくさんあることも事実でございます。例えば私鉄に比較しましての作業の効率が悪いというような問題あるいは職場に乱れがあるというような問題、もっと増収努力をすべきであるというような問題、いろいろな問題点を抱えておりますが、とりあえず私といたしましては、そういう点につきまして、前総裁の時代から今までかなり改善がなされているようでございますが、なおそれを深度化しまして、国民の皆様から国鉄を見ましたときに、なるほど国鉄はよくやっているというふうに持っていくことが、まず私としてやらなければならないことだと思っております。  また、再建に関しては、大臣も大変ベテランでいらっしゃいますので、私もいろいろ御相談いたしますが、なお監理委員会もいろいろな案を練っておられますが、実務者の長といたしまして、大臣と御相談するとともに、監理委員会にもいろいろ我々の立場あるいは意見をはっきり申し上げまして、反映していただきたいというふうに考えて、その両面から懸命な努力を重ねてまいりたいと決意をしている次第でございます。
  505. 山田英介

    山田分科員 先ほど大臣のお話を伺っておりましたが、鉄道の主たる役割と申しますか、それはいわゆる大都市圏における旅客輸送、特に通勤通学輸送というお話でございます。私もそのように認識をいたしております。そのことを踏まえまして、首都間の鉄道輸送力の整備充実という観点から、具体的に幾つかの鉄道路線を例として挙げまして、何点か御質問をさせていただきたいと思っております。  最初に、国鉄武蔵野線でございます。この武蔵野線につきましては、国鉄の高崎線とかあるいは東北本線とか、すべて南北に放射線状に東京からずっと延びているわけでございます。民鉄もほとんどそういう放射線状のあり方でございますが、そういう中にありまして環状に東西を結ぶという意味から、国鉄武蔵野線の首都圏における位置づけというものは極めて重大なものがあるのだというふうに私は理解をするわけでございます。  実は、いつも論議になるわけでございますが、あるいはお願いになるわけでございますけれども、この国鉄武蔵野線の輸送力が鉄道交通需要に対応し切れていないというようなことで、特に朝夕の通勤通学輸送時における混雑というものは、まさに大変な厳しいものがあるわけでございます。ちなみに、五十七年度の調査なんですけれども、武蔵野線では西浦和-南浦和間が混雑率が二四五%というような状況でございます。では、実際にラッシュ一時間で何本旅客列車が走っているのかと見てまいりますと五本、これは十二分に一本、こういう状況でございます。参考までに、東北本線の場合には一時間に九本ということですかる、ほぼ六分に一本。それから高崎線につきましては、ラッシュ一時間で十本列車が出ておりますので、これは六分に一本。それぞれ歴史が違いますので、一概に比較することは無理がございますけれども、いずれにしても旅客鉄道として武蔵野線が大きな役割を果たしつつあるこういう現状を踏まえまして、武蔵野線については抜本的な首都圏の鉄道輸送力整備という大きな観点からの位置づけを、運輸省あるいは国鉄といたしましてもぜひしっかりとやっていくべきなのではないだろうか。いつも混雑が大変だからダイヤ改正時に合わせて増発してください、増結してください、そういう形ではなくて、国鉄自身として、この武蔵野線をどう位置づけられ、将来どういう鉄道として発展をさせていかれるおつもりなのか。そういう整備の基本的な方針というものを策定をしていくことが必要なのじゃないか。もしそれがもうあるのであれば、ぜひ公表していただきたいと思いますし、運輸政策審議会で首都圏、大都市圏の鉄道輸送のあり方を審議をされているということは私も承知をいたしておりますが、むしろ運政審の審議といいますか答申のありがというのは、これは間違っておるかもしれませんけれども、いわゆる大都市圏、首都圏の全体の交通のあり方というような点に恐らく力点が置かれるのではないか。では東北本線とか高崎線だ、武蔵野線だ、個々の鉄道の要するにここを増発したり、こういうふうに運用したりというような細かなところまでは、あるいは出てこないかもしれないというような気持ちがあるものですから、運政審の大きな首都圏の鉄道輸送網の整備を踏まえて、その中で武蔵野線は将来こういうふうに発展をさせていくんだ、あるいは育てていくんだというような基本方針の策定というのは私は極めて大事なのではないか、こういうふうに考えておるわけでございますが、この点について簡単で結構ですが、お考えをちょっと伺いたいと思います。
  506. 須田寛

    ○須田説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘がございましたように、武蔵野線は最近沿線が非常に発展をいたしてまいりまして、お客様がどんどんふえてまいりました。ただ、もともと貨物のバイパス路線として計画したという経緯がございます上に、沿線にヤードとか貨物駅等がかなりございますので、今でも相当数の貨物列車を運転しております。どちらかといえば貨物主体の路線でこれまで運営した時期がございます。ただ、今申し上げましたように非常にお客様の数がふえてまいりましたし、首都圏の外周部の非常に重要な路線になってまいりましたので、私ども現在、先生御指摘ございましたように首都圏の外環状線として重要な首都圏交通の一環を担う路線であるというふうに位置づけまして、いろいろと輸送改善その他につきましても積極的に手を打っていく路線だ、このように考えております。
  507. 山田英介

    山田分科員 結構だと思うのですけれども、私はせっかくの機会でございますので、ひとつ御提案をといいますか、ぜひ今後の武蔵野線を発展をさせていく、整備をさせていく上において参考にしていただければ、こんな望外なことはありませんし、そういう意味で申し上げたいと思いますが、列車が何両編成で最小単位走れるのか、私が理解いたしておりますのはこれは恐らく四両ということだと思うのです、最小の車両編成長は。そうしますと御案内のように武蔵野線は現在六両編成ですべて運行されております。ホームの延長もこの六両に合わせた形で建設をなされる。しかしよく調べてみますと、四十七年開業区間の府中本町から新松戸ですか、この区間は六両編成用のホームの建設になっておりますけれども、ホームの延長のスペースとしては八両分の余裕を持たれておる、スペースがある。それから五十三年でございますが、第二次の開業区間である新松戸と西船橋間、これは八両用のホームの建設が現在供用されておって、十両分までスペースは確保されておるということのようでございます。であるならば、第一段階としては要するにホームの建設延長ということがまいります。それを図った上で、現在六両で走っているわけですから、これを通勤通学時間帯に八両にします。二両増結しまして八両にしていただいて、それで例えばラッシュ一時間あるいはラッシュ一時間半の通勤通学輸送で八両の役割りが大体済んだなという、それ以降の時間ですね、端的に言えば日中のというふうに考えてよろしいかと思いますが、昼間の時間帯が例えば四十分に一本とか五十分に一本というそういう時間帯があるわけです、武蔵野線の場合は。意外と余りお客さんが乗ってないじゃないか。したがって、これがなかなか日中の運転間隔を縮めることもできないんだ、そういうお立場もわかります。けれども、また運転間隔が長いので、間隔があき過ぎているのでお客さんが利用しにくいということも逆の立場があるわけでございます。これは何らかの形で今後調整しなければいけないじゃないか。  私が申し上げたいのは、通勤通学輸送時には六両から八両にしておいて、ラッシュアワーが過ぎましたら半分に分けてしまうわけです。四両編成、四両編成で分けて、それで日中の時間を、たとえば武蔵野線に客車を走らせた場合には、四十分に一本が単純に考えて二十分に一本とか、あるいは十五分に一本というような形で運転間隔が狭まってくる。しかも四両編成ですからお客さんも適当な数が御利用していただいておる。そして間隔も縮まってくるということになってまいりますと、非常に便利な武蔵野線あるいは親しみやすい武蔵野線としての将来の位置づけといいますか、姿というものが浮かび上がってくるのではないかという気がしてならないわけであります。そういうことでぜひこれは御提案を申し上げたいと思うわけでございます。  特に、後ほどちょっと触れたいと思っておるわけでございますが、貨物の輸送につきましては、お話に出ておりましたようにヤード輸送から拠点間直行輸送体制へと、ここで大胆な切りかえをなさって、それが五十九年、本年の二月一日のダイヤ改正時で反映されておるわけでありますけれども、これが徐々に効果をあらわしてくるということを考えますと、武蔵野線の貨物輸送という部分で余裕が出てくるのではないか。したがって、先ほど言いました通勤時間帯には八両編成、二両増結です。それで日中の時間は二つに切りまして四両、四両で運転間隔を縮める。この考え方は全く実現不可能だというようなことではないんじゃないか。国鉄の皆さんの立場で莫大な建設投資をなされて、そして徐々に貨物輸送の面においても、あるいは近年旅客輸送の面におきましても、国民の、あるいは沿線住民の大変信頼を得つつあるという現状にかんがみまして、私は英断をもってそういう方向を真剣に検討していただきたい。強く御要望申し上げるわけでございますが、どんなものでございましょうか。
  508. 須田寛

    ○須田説明員 大変貴重な御提案をちょうだいしてありがとうございました。  私どももやはりそういう編成の面とそれから運転回数の面で、いろいろ今、悩みながら勉強しておるわけでございます。八両編成のスペースは確かに持っておりますが、六両を八両にいたしますためには若干の工期が必要でございます。それから若干のと申しますか相当な工費が必要でございます。したがいまして、ラッシュの混雑の場合も緊急の問題が一部発生しておりますので、やはり今の六両のままで、もう少し増発できないかというようなことで、今いろいろ勉強しておりますので、その辺も詰めなければいけないと思います。  それからデータイムでございますが、データイムのお客さんが最近比較的ふえてまいりまして、浦和のところで平均乗車効率と申しますか、定員に対しますお客様の乗車割合、七六%ぐらいになっておるわけです。これは都市の国電としては実は高い率でございますので、四両にいたしました場合に通学のお帰りの時間帯がむしろ心配なんであります。先生おっしゃいましたように、これは本数と両数の兼ね合いでございますので、これから貨物の将来の本数等見きわめまして、武蔵野線自体にも京葉線が西船橋に入ってくるという新しい要素がございますので、その辺のお客様の動きを十分見きわめまして、編成両数とそれから今の本数の問題、兼ね合わせまして、少してもいい路線にするように努力いたしたいと思いますので、その際、先生の御提言を十分に吸収させていただきまして参考にして勉強させていただきたいと思います。御提案ありがとうございました。
  509. 山田英介

    山田分科員 国電区間並みまでなんということは到底考えられないわけでございますけれども、一つの目指すべき、目標にすべき姿は便利な武蔵野線、そういう姿を描いておるわけでございまして、御答弁ございましたように、ぜひ前向きに、そして余りいつまでかかってもなかなか成案が出てこないということでも国民の期待にこたえることはできないかと存じますので、鋭意御検討を、また煮詰めをお願いしたいと思っております。  せっかくの機会でございますので、もう一点だけお伺いをしておきたいと思いますけれども、ことしの二月一日のダイヤ改正で、東北本線の客車並びに高崎線の客車を一部、大宮-田端間にございます、京浜貨物線と私どもは言っておりますが、東北貨物線と言う場合もあるようでございますけれども、そこへ乗り入れを初めて実現をしていただいたということで、これは特に大宮以北の皆さんにとっては大変な朗報でございまして、大変喜んでおられるところでございます。私もかつて五十五年のこの分科会で具体的にお願いをした経緯を持つ一人でございまして、国鉄あるいは運輸省のそういう御決断に大変感謝をしている一人でございますけれども、せっかく京浜貨物線に高崎線あるいは東北本線の客車の乗り入れを実現をしていただいたわけでございますので、これを第一歩といたしまして、今後さらにこの貨物線への客車の乗り入れを拡充する方向でお願いしたいと思っておるわけでございます。従来は、東北本線、高崎線が大宮以南におきまして一線を共用しておりましたので、これが極めて大きなネックになっておったわけでございますが、貨物線を利用することによりまして、事実上複線化といいますか、それぞれが別の線路を東京へ向けて走っていけるという体制が、一部ではございますが見られるようになったわけでございます。これをさらに強化していただきたいということ。  それからもう一つは、この京浜貨物線が大宮操から赤羽、田端操、赤羽から池袋、それから、池袋から新宿へ貨物線路がつながっているわけでございます。ですから、通勤別線が宮原から池袋へと来年の三月ごろを目標といいますか、開業というふうに伺っておりますけれども、この通勤別線と同じような考え方と言えば語弊があるかもしれませんが、この京浜貨物線がせっかく池袋、それから新宿までつながっているということでありましたならば、そこの上に走らせる列車は、東北本線の列車とか高崎線の列車になるか、あるいはまた別の客車ということになるかわかりませんけれども、いずれは赤羽どまりということではなくて、せっかくつながっている貨物線でございますから、これはぜひ御利用を御検討いただいて、将来的には池袋方面、そしてまた新宿方面へと、大宮から真っすぐ乗りかえなしで行かれるような、そういう方法もぜひ御検討いただきたいと思うわけでございます。  私、いろいろ申し上げますけれども、こういうことなんです。大変厳しい経営状況もとにもありますし、あるいはまた国全体の財政も逼迫をしておるという状況がございますもので、首都圏の鉄道輸送力を整備していく場合に、新しい路線を設定してそれを建設していくということは、言うはやすく、現実にそれを実行し、実現をするということは、これはまあ大変な困難さというものがあるわけでございます。しかし、鉄道交通需要というものは、年々膨れ上がってきている大都市圏、首都圏でございますので、輸送力の増強整備という問題につきましては、旅客鉄道あるいは貨物鉄道の別はなく、そういう既設の線路、鉄道というものを上手に生かして、あるいは上手に組み合わせて、あるいは応用されたその若干の延伸というものは新規の建設みたいなものはそれに伴うわけでございますけれども、そういう形で整備をしていくということが大変重要な柱の一つになるのではないか、こういう考えがあるから申し上げているわけですけれども、ぜひこれは、せっかくでございますので大臣、最後に、そういう考え方を私は持っておりますが、間違いでしょうか。
  510. 細田吉藏

    細田国務大臣 私は、専門家で鉄道をやっていらっしゃったのじゃないかと思うくらい実は大変驚かされておるのですが、お説のとおりでございます。全くそのとおりでございまして、私などは、武蔵野線を貨物の迂回線として計画を立てて、これが様子が変わった方の側なんでございますが、おっしゃるとおり、特に貨物がこういうふうに変わりましたから、貨物がこうなったことによって副次的にいろいろなことができる、おもしろいことと言うと語弊がありますが、非常に国有鉄道のためになることができるようになった、いろいろな意味で貨物の大改革が生きてくるということが考えられると思いますので、大変結構だと思っております。そういう方向でやらせていただきます。
  511. 山田英介

    山田分科員 終わります。
  512. 原田昇左右

    原田主査 これにて山田英介君の質疑は終了いたしました。  次に、岡田利春君。
  513. 岡田利春

    岡田(利)分科員 もうお疲れで御苦労さんです。私は三点ぐらいに絞って、この質問が終われば、もう時間が来なくてもやめたいと思いますから、ひとつ簡明率直にお答え願いたいと思います。  初めに第一点は、東京と北海道の民間飛行路線の問題についてお伺いいたしたいと思います。御承知のように北の方の空域は、自衛隊の訓練空域として、北海道の北の方はA、日本海の方はC、太平洋側はB、そして常磐の近くはDと、いわば民間ジェット機の流れの中でABCDの四つの訓練空域で制限をされておる、こういう環境にあることは御承知のとおりであります。  そういう状況の中で最近、千歳-羽田の航空路は、私に言わせると恐らく世界最大の路線ではなかろうか、こう思うのであります。恐らく、こんなに過密な路線というのはないのではないかと思うのであります。もとは幹線だけがジェット機であって、それ以外のローカル線はYS11が就航しておったわけであります。しかしその後、釧路空港のジェット化が進み、そしてまた帯広空港のジェット化が進み、昨年は旭川の空港がジェット化されて、近くは女満別の飛行場がジェット化される。いわば北海道と東京を結ぶのは航空機の利用というのが年々ふえている状況にあるわけです。したがって、ますます過密ダイヤになって過密路線になっているということは、運輸省の方でももう篤と御承知かと思います。  そこで、私どもは多年希望として、この釧路あるいはまた帯広、女満別もそのうち対象になるのかどうかは別にして、この航空路を切りかえてほしい。言うなれば、宮古から真っすぐ最短距離で釧路空港や帯広空港に離発着ができる、そういう路線に変更してほしい。そのためには、一つにはB空域の上空を通らなければならないわけです。もう一つは、その中にはR129制限空域があるわけでありますから、この上空を通らなければ余りメリットがないという問題があるわけであります。この上空を飛んで真っすぐ参りますと、大体ジェット機で十五分ぐらいの航空時間が短縮をされる、こういうメリットが実は出てまいるのであります。北海道の周囲を囲む訓練空域が余りにも多過ぎるという面と、北海道そのものが、日本列島の二四%の面積を持っておるのでありますから大変広いわけであります。そういう意味で、これに対応する措置をぜひとってほしいということであります。  この点について、運輸省としても今まで努力をされておることは承知をいたしておりますし、その見通しは一体どうなっておるのか。特に今日、問題点は何なのか。あるいはまた防衛庁からも参っておりますので、防衛庁側として特に問題点があればそれは何なのか、この機会に承って、本問題の解決に決着をつけてほしいという意味を込めて御質問申し上げる次第です。
  514. 山本長

    ○山本(長)政府委員 従来の航空路は、先生御存じと思うのですが、NDBという施設でもって結ばれて、網ができておったわけでございます。この航空交通の方が非常にふくそう化してまいります。そういったふくそう緩和の意味からも、また、飛行経路をできるだけ短縮して編成するということからも、NDBにかわって新鋭の無線でございますVORというものを全国各地に配置いたしまして、それを結んで航空路を再編するという作業を実は五十二年ごろから手がけてきておるわけでございます。以来数年を経過しておるわけでございますが、関東から九州に至る地域につきましてはこの再編成がほほ終わっておりまして、現在残っておりますのが、関東から東北を経て北海道の空域、それから沖縄の空域というところが残っておるわけでございます。全体の計画から見れば今五割強といったところにあるわけでございます。  そこでお尋ねの、先生おっしゃる釧路、帯広といったところに東京から行くという経路一つだけをとらえて云々するわけにはまいりません。そのほかの航空路が東京から北海道に至っておりますので、それとの絡みで全体を再編成する必要があるわけでございますが、VORは整備されましても、通る道がふさがっておったのではどうにもならないということでございまして、その点に関して今までいろいろ折衝を重ねてまいってきて、一番支障と申しましょうか、なっておったのが先生御指摘の宮古沖の訓練空域の問題でございます。この宮古沖の訓練空域につきましては、ようやくその移設が本年の二月十六日に完了をいたしました。また、防衛庁との間におきましてもVORの航空路設定につきまして基本的な合意に達したところでございまして、現在最終的な詰めを行っておるところでございます。  その進捗状況と申しますか、めどというふうなお尋ねもございましたけれども、現時点で時期をはっきりと何月というところまでまいりません。と申しますのも、その詰めが終わること、それからこれを周知徹底する期間が要りますし、また管制官につきましても訓練をする必要があります。こういったことで、何月というところまではまいりませんけれども、この夏ごろまでには所定の手続を経まして航空路を設定するということにいたしたい、こういう目標で作業を進めておるのでございます。
  515. 岡田利春

    岡田(利)分科員 防衛庁の方ひとつ。
  516. 上田秀明

    上田説明員 ただいま航空局長の御答弁がございましたが、防衛庁といたしましても、このVORを主体としました航空路の再編成という計画に関しましては、我が国の狭い空域と申しますか、これを効率的に利用していくという観点から全面的に協力するという姿勢でございます。それで今、航空局長から御指摘ございましたように、これまで総合的に逐次そのエリア、エリアで調整が行われてきているわけでございますが、今お尋ねの北部の件につきましては、御指摘のとおり私どもの方のB訓練空域のエリアと重複いたしますために、これまで運輸省との間で技術的な調整を重ねてきたところでございまして、航空局長のお答えにございましたように基本的な合意に達しておりますので、目下最終的な詰めを行っているというところでございます。
  517. 岡田利春

    岡田(利)分科員 我が国の航空運賃の場合は、幹線を除くと東高西低型というのが定着しておるわけですね。それはなぜかというと、経営内容のいい企業が先発した航空路線は安いわけですよ。そして小さくて経営内容が余りよくなかった企業が先発した路線は高いわけですね。しかも、同時平均的に値上げをしてきて、先般初めて格差をつけて値上げをした。私もしばしばこの問題を取り上げてまいったわけであります。  私は、飛行機の競争というものは一体何だろうというような疑問も持つわけですね。例えば釧路で言うと四便が国内航空で一便が全日空だ。全国ネットワーク面では意味があるけれどもコストが高いのは当たり前でしょう。それが運賃が同じなわけですね。都合のいいときには総合路線と言うし、都合の悪いときには個別路線のコスト主義、こういった料金を出すわけなんですね。国鉄の今度のローカル線の場合には高くするという政策を出しているのですけれども、航空路線の場合には、むしろ幹線で有力な方がキロ当たり高くて、それよりも低位の状況にある路線の方がキロ当たりは安い、こういうのがたくさんあるわけです。これはうそじゃないですよ、私全部計算したのですから。今後確かに値上げのときだけなかなかできないでしょう。しかし、やはり航空会社についてもそういう心構えと準備がないとできないのだと思うのですね。ぎりぎりいっぱいの経営をしておって、運賃値上げをするというときに、なかなかそれを消化するだけの幅がない、こういうことが出てくるわけです。この問題はこれからの最大の課題だと私は思うのです。でないと、何か私どもに言わせると全日空と、それから日航にもローカル線をやってもらって、そして再編成して二社にして、内外もそうしてもらった方が一番いいのではないか。その方が、それぞれのへんぴな地方の方がむしろ均等である、有利である、こういう考えすら実は生まれるわけであります。この点ぜひ宿題として今後御検討願いたいということを申し上げておきたいと思います。  次には、第二次の地方線の廃止について都道府県知事の意見書をぜひ提出せよ、こう命じられておるわけでありますけれども、今のところ、いつごろ出そろうという見込みを持っておられるでしょうか。
  518. 永光洋一

    ○永光政府委員 第二次につきましては、一昨年十一月に国鉄から申請がございまして、それを受けまして関係の十七知事に意見をお願いをいたしたわけでございますが、いろいろな事情もあるかとも思いますけれども、現在六府県からの御回答をいただいたにとどまる状態でございまして、なお十県に余る県におきましてまだ御意見がいただけない、こういう状況でございます。再建法によりまして、運輸大臣が承認しようとする基準に合致しているということで、承認手続の場合には都道府県の御意見を伺うということになっておるわけです。我々としましても法律に基づきました処理をいたしたいということで再三地方の方にお願いをいたしております。できれば、もう一年有余を経過したわけでございますので御意見をいただいて、その御意見に基づきいろいろ調査をして承認事務を取り運びたいというふうに考えております。
  519. 岡田利春

    岡田(利)分科員 第二次指定線のうち今回二月一日から貨物の取り扱いを廃止された路線が多いわけであります。第二次路線の場合には、例えば十万トン以上の貨物があってもこれは廃止路線なるがゆえに廃止をする。しかし、七線については最終的にこれを外して貨物の取り扱いを認めるということに運輸省国鉄、自民党部会を含めて最終決定をされて、北海道の場合、幌内、歌志内の炭鉱のある石炭運搬のローカル線は貨物の取り扱いが認められたわけですね。そうしますと、従来の第二次ローカル線とは言うけれども、この認められた七線については、特に北海道で言えば二線については、従来に言う第二次地方線として廃止指定の地方線という意味とは意味が私は大分違ってくるのではないかと思うのでありますけれども、その点についてどういう見解をお持ちでしょうか。
  520. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 特定地方線に選定されますと、御承知のように協議会を開いて、どういうような代替輸送手段を講ずるかということを検討するわけでございますが、その際、第三セクターという決定が行われることもあり得るわけでございまして、そういうことも含めて一部の線区で貨物の廃止問題について若干の特例が出た、こういうことかと思いますが、そういう意味で、これから手続が進みました場合には、今先生がおっしゃいましたように、従来の二次とその余の二次路線と性格が違うのかというお尋ねでありますが、性格は特に異なるとは考えていないわけでございます。
  521. 岡田利春

    岡田(利)分科員 貨物の取り扱いについては認めたが、取り扱いは別のものと考えていないと言うけれども、第二次ローカル線の指定をするに当たっては貨物は全然対象にしなかったわけでしょう、旅客だけでしょう。今度は貨物の廃止の問題になって、もう国鉄は最後のぎりぎりまで既定方針を変えない、こう言ったけれども、ひとつ政治的な判断によって荷物を取り扱うということに決定されたわけです。しかもそれは十万トンの基準を超えて四十万トン程度の貨物がある路線でもあるわけですね。そうしますと、これが第三セクター等で運営できる可能性もあるとは言うけれども、相当慎重を期してやらなきゃならない路線であるということだけは間違いがないのであって、少なくともそういう点では他の指定路線と違った意味でこの取り扱いを考えていかなきゃならない問題ではないのかという程度については意見は一致しませんか。
  522. 永光洋一

    ○永光政府委員 五十六年に再建法ができましてローカル線対策推進した経緯から申しまして、まず二千人未満の路線について一斉に指定をしてその転換等を図ろうという考え方があったわけでございますけれども、これを政令によりまして段階的にやっていこう、こういう考え方で、まず第一次としてはどういう範囲にしようかということで、政令の四条で、まず当初やる特定地方交通線の中でまずやるものはこうだということで、その中で今、先生がおっしゃいますように一応のいろいろな各区分けをしておりまして、例えば先生御存じのように、ある程度の石炭を相当輸送しているものは第一回目ではないよということを言っておるわけでございます。それで第一次をやりまして、今度第二次ということで次の段階に入ったわけですので、国鉄はこの政令によりまして第一次では指定をしてこなかったわけでございますけれども、第二次に包含してきたということでございますので、石炭を輸送するものにつきましても特定地方交通線としては同じように見ておるわけで、ただ順番として、段階的にやる場合に後位に置いた、こういうことに御理解願いたいと思います。
  523. 岡田利春

    岡田(利)分科員 これはこの問題が発生して以来、問題になっておりますので、下手な扱いをすると炭鉱そのものが閉山せざるを得ない、あるいはまた、足尾線のごとき危険物の輸送について重大な問題が発生をするという路線でありますし、少なくとも、そういう政治的な判断で決断された問題であることだけは間違いがないのですから、そういう重みというものを十分ひとつ考慮に入れて対応してもらいたいということを申し上げておきたいと思います。  そこで運輸大臣、北海道の国鉄の問題なんです。いろいろありまして、第一次、第二次の廃止路線を決める場合に、例えば東北海道というと全国の面積の一〇%あるのです。関東七県くらいの面積があるのです。九州とほぼ匹敵する面積があるのですね。初めのときは、ここに根室本線と石勝線これしか残さない、あとは全部廃止をするんだということでありましたけれども、そのうち何とかかんとか釧網線だけは残すということになったわけですね。そしてあとは廃止をするということになっておるわけです。これが全国の面積の一〇%ある地域状況であります。  しかし、一方において今再建監理委員会の方では、新しい構想で北海道、九州、四国、本州それぞれ離島は切って分割民営化するんだ、こういうわけですね。今、北海道の国鉄を民営化する場合には、運賃を四・二倍くらいにして乗客数が減らないということを考えれば、何とかやっていけるという水準にあるのが私は北海道の実態だと思うのですね。ですから、こういうことをやっておったんでは、一次、二次のローカル線を廃止して、一方においては分割・民営化する。分割・民営化したら、またこれは出てくるわけでしょう。そういう経過があるわけですからね、しかも路線が非常に長いのでありますから。だから北海道についてもう少し考え方を、これは特例といいますか、別な視点で考えないと、北海道の国鉄はどうにもならぬのではないかと私は常識的に思うのであります。  しかも、本州とつながっているのは函館と青森なんですよ。函館から釧路まで特急でずっと行きますと今十二時間近くかかるのです。札幌から私の釧路まで石勝線ができて行っても七時間かかるのですから、もう大変なわけですね。東京から走ったら九州まで行ってまだ時間が余るというくらいの状況にあるわけです。そういう点で日本列島の配置の状況も、われわれは政治家として考えなければならぬのではないか、こう思うのです。特に北海道は十四支庁に分かれておるわけです。支庁と支庁を結ぶ路線が廃止をされる。例えば紋別というのがありますね。紋別と旭川を結ぶ線、これは名寄線でありますけれども、これも廃止する。名寄線のごときは百三十八キロあるわけです。池田と北見を結ぶという十勝と網走を結ぶ路線、これは池北線、百四十キロあるわけであります。こういう路線も廃止をされる。釧路から根室に行って、根室の内陸を通っている厚床-標津線、合計すると百十六・九キロあるわけですね。これも廃止をする。いわば支庁間を結ぶ路線が廃止をされていくわけですね。これならばむしろ北海道開拓時代の方がいいんではないかという話がよく出るのであります。しかも、政府は口を開けば、北海道防衛、北の脅威ということを言って、自衛隊だけはとにかくシフトをして今日北海道に配置しておるわけですね。そして鉄道は撤退しなきゃいかぬ。こんなことで北海道はなかなか産業が配置をされないわけですよ、こういう状況では。  だがしかし、北海道は将来の日本にとって可能性のある広大な面積を持つ地域であること間違いがないわけです。そしてまた、一次産業の基地であることも私は間違いがないと思うのですね。北海道そのものが一つの県のような扱い、県そのものと言いませんけれども知事ですから。昔は道、長官とこういって扱われたわけですね。これをもし県に分けたら、四つか五つの県になるわけですよ。県と県を結ぶ国鉄がないなんということになるわけですね。ですから北海道については、これは今なかなか客観的な状況が難しいと思いますけれども、監理委員会でもそうですが、やはり政治の立場から見ても、最終的に北海道をどうするかということは相当高度な政治判断を要するのではないのか。それ以外に北海道の国鉄の問題を幾ら論じても解決の道はないのではないのか、こう私は深刻に思わざるを得ないわけです。  特に、運輸大臣はその道の専門家でもありますし、線路をはがしてしまって将来悔いを千載に残さないようにしていただきたい。距離が遠いということは、もし油でも切符制になると、そんな遠いところに行く車の油なんというのは配給になるはずがないのでありますから、そういう意味で、ひとつこの大事な時期でありますので、専門家である運輸大臣に私は大きな期待を実は寄せておるわけですが、私の今の率直な意見に対して、また大臣の率直な御意見を伺わさせていただきたいと思います。
  524. 細田吉藏

    細田国務大臣 北海道の鉄道は、その他の日本の三つの島の鉄道とは非情に性格を異にしておると思います。出発点から開拓鉄道的な要素を非常に持っておったものでございます。むしろ鉄道をつけることによって北海道の人口が奥の方へ伸びていくし、産業も鉄道についていくという形で、日本の中では珍しいといいましょうか、ほかにない開拓鉄道的なものを持っておるということはもう間違いがない、歴史が示しておるところでございます。  さらにもう一つ地域が非常に広いということ。駅間距離も長いんです。ほかのところと比べて平均は私ちょっと覚えておりませんが、駅間距離が随分長いんです。それだけ広いということであります。  それから、このごろは道路の除雪がかなり技術的に進んでまいりましたけれども、背は雪があるということで冬季、道路が閉鎖をされる場合が多い。鉄道は除雪をして開通させる、こういうことで非常に特徴的なもののあったところであることは間違いがないことだと思っております。  したがって、今おっしゃるように北海道についてはいろいろな点から特別に考えていかなければならぬ面があると私は思っております。北海道開発庁というものもそのためにあるわけでございます。政策というものは一貫性もなければいけません。そういうことから考えて、私は十分に考えなければならぬ、こう思っておるわけでございますが、ここで第一次、第二次の特定地方交通線を指定していっておるわけでございますけれども、これは申し上げるまでもなく五十五年に通りました特別措置法で決まった。そしてそれの政令で決まった物差しで当ててこれを出すと、こういうものができるということで、特に北海道と九州が多いわけでございますが、出てきておるわけでございます。一つは石炭の状態が非常に変わったということも北海道と九州についてはあると思います。しかし、そういうことでございますから、一体これはしゃくし定規でいけるものかどうかということについては、私どもも、私個人も深刻に悩んでおる問題でございます。  ただ、国有鉄道の経営としては非常に問題があるところなんでございまして、したがって私どもの考えは、国有鉄道の経営ということから考えて何らかの形における鉄道輸送というものを残し得ないか。白糠線のようなところについては地元の方も御賛成になってバスになっておるわけでございます。短いもので盲腸線みたいな格好をしているものについては、これは内地も同じことですけれどもバスにかえることはいいと思うのです。特に長大なものにつきましては別の知恵を出すことが十分考えられるのじゃなかろうか。こういう点、今お話しになったような特殊事情を、私が申し上げたようなことも同じことなんですけれども、とにかく協議会というものを通じて十分強調していただく。協議会に出てき始めたら、それから二年たったら何が何でもおしまいだから協議会はやらないんだということではなくて、前向きの協議会にして、一体どうしたら国鉄の経営がやれるのか、どう合理化したらやっていけるのか、あるいは別な経営形態なら鉄道としてやっていけるのかどうか、いや、どうしてもだめなのかどうか、そういう点を十分御審議をしていただきたい。ところが、今のところ不信感が、私に率直に言わせますと一部あるんじゃないか。したがって府県知事が返事をくれない、出さないというようなところもあるわけでございますし、土俵ができないというようなところもあるわけでございます。ということは、私は相互に信頼して徹底的に話し合ってこれをどうするかを決めていく、ぜひこういうことにしていただきたい、そういうふうに思っておるのであります。最終の形をどうするかということは、単に国鉄の今の経営ということだけで、政令や省令に書いてある数字だけでいけるかどうかという問題は、これは政治的にはいろいろな判断を加えなければならぬだろう、かように思っておる次第でございます。気持ちはおわかりいただけると思っております。
  525. 岡田利春

    岡田(利)分科員 どうもありがとうございました。ですから実際に知事も、意見書を出せといっても出しようもないところもあるのですね。出すと周囲に反するような文書にならざるを得ない。問題は、最後の仕上がりの中で、一体特殊な条件のあるものはどうするかということにもなるのでしょうけれども、そういう政治的な十分な判断を心から期待を申し上げて終わります。
  526. 原田昇左右

    原田主査 これにて岡田利春君の質疑は終了いたしました。  次回は、来る十二日午前九時より開会し、運輸省所管及び郵政省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後八時二十五分散会