○関
分科員 大臣に質問したいと思います。
新幹線のことで青森県の皆さんたちは、何とか盛岡から一刻も早く青森に新幹線を走らせてくれ。選挙のたびごとに、自民党の諸君が来れば、間違いなくやる、特に自民党の中から選挙で当選者が出れば余計にやる、間違っても他党の者を出すならば、要らぬという意思表示になるというようなひどいことまで言って、今にでも青森県に新幹線が自民党の国会議員が当選すればできるような話しぶりで来ております。今度自民党の
田中派の諸君たちが二人も落ちてしまいました。さあ、
田中派が落ちたんだから今度は来ないだろう、またこういう話も出てくるわけであります。
〔
中西(啓)
主査代理退席、
主査着席〕
新幹線を政治の具に供して一歩も進もうとしないし、進めようとしていない。私は、今東京と青森をしょっちゅう往復するのですが、十時間近く汽車の中であります。三時間ですぐ隣の県、盛岡までは来ます。今選挙区の定数の是正というようなことで、格差が甚だしいじゃないか、これは
憲法違反じゃないか、直そうじゃないかということが具体的な問題として取り上げられているわけなんですが、隣の岩手県の盛岡までは三時間で来て、青森までは十時間も汽車に乗らなければならないというこの現状、これでも青森県は我慢しておればいい、こう
大臣は思っておられるかどうか。そして関西国際
空港なんというものは来年度から七カ年
計画で進めようじゃないか、一兆円の金をかけても、そのうちの国費は八百億円、無利子の貸付金が千二百億円、二千億も出して、とにかくそっちの方には足を踏み出そう、こういうわけであります。南の空の方の便は便利にしようといって幾らでも金をかけるが、北の雪国の方には一歩も走らせようとしない、こんなばかなことがあるものだろうかと私どもは思うわけであります。新幹線のことについては
大臣の方の
地域にだって要望があるでしょう。だが、この新幹線というものは、私はそもそも我が国の長い列島、日本列島、この日本列島を南北に置いて
国民の利用に供することができるように速やかにとにかく打ち立てよう、少なくとも日本列島の背骨に当たる部分だけは何としても完成しよう、こういうことで取り組んできた、こう思うのです。ところが、背骨がまだできないうちに新潟の方にあばら骨の方ができていっているわけです。肋骨一本はできている。背骨ができない。今度は、まだ背骨ができないうちにもう一本肋骨をやろうか、ついでに背骨もやろうか、こんな話になっている。
私は、青函トンネルができて、言うなれば世紀の大工事が成功した、こういって喜ばなければならないのに、この青函トンネルの使用料を
国鉄が持つのが大変だから使用
計画をどうしようかといって思案投げ首のていでしょう。世紀の大
事業も、世界に冠たるトンネル工事の技術も、誇るべきものが涙を流していなければならない。そしてここで働いている技術者の諸君たちは、あすはどうなるだろうかと、これまた心配しておる。私は、これらの諸君の技術を生かすためにも、また我が国の
運輸行政の公正化を図る意味においても、これは一刻も早くやらなければならないのじゃないかと思う。これらの技術陣を八甲田の山にぶち込めばいい、長官。まず八甲田の山にぶち込むことを先にしろ、私はこう言いたい。何ら右顧左べんをすることがない。青森県民というのは人がいいものだから、選挙があるたびに自民党だ、自民党に入れれば入れてくれるものだろうと思っている、いつもだまされている。だから、関
晴正もとうとう出るようになったわけですよ、
大臣。
貨物の扱いの話にしたって、またそうですよ。リンゴの取り扱いにしたって、津軽の農民がせっせせっせとつくったリンゴを貨車輸送させてくれといって、どれほど願ったかわからない。何ぼ願っても、二月一日にはぶった切るんだと言って切ってしまったじゃないですか、あなた方は。冷酷無残もいいところですよ。雪空の中にあってリンゴが泣いていますよ。貨車の輸送もちゃんとやるなんて、何がちゃんとやるですか、
国鉄というのはしゃべったとおりやったためしがない。
その上、青森県には青森と弘前の間を走っている奥羽本線という本線がありますよ。この本線は青森――弘前間、人口五十万ですよ。だが一向に複線化が進まない。何十年かけておやりになるつもりか知らぬけれども、五十万の人口のあるところで、
国鉄で複線化でないところが日本国じゅうどこにありますか。
何でも悪いことにされているのが青森県なんですよ。
一つぐらいはいいことをさせてくれませんか、
大臣。
細田大臣は、今特別に新幹線を持っていかなければならない
地域にいないから、公正に事を運ぶことができる。これでも中部から出ていると心が少し弱りますね、そっちだ、こっちだって。
私はかつて運輸
委員会におったときに申し上げました。
整備新幹線五本、狭い門を五本一緒に並んで、並列で通ろうとしても通れない、横隊で通れないときは縦隊で通るものだ、三列縦隊、二列縦隊、それでもだめな場合は一列縦隊で通りなさい、通させなさいよ、こう申し上げてきた。ところが二列縦隊で進むんだという方針でいながらちっとも進まない。二列進まないなら一列でもいいからやったらいいんじゃないですか。ちっとも考えてくれない。とにかく、そういう意味において、日本の
運輸行政というものから見た場合に、青森県というところほど落ち込んでいる県はないのです。人は運ばない、荷物は運ばない、そうでなくとも鈍重なのにますます鈍重になるという態度でしょう。こんなことでどうします。
私ども日本社会党は、大型プロジェクトには反対だということで、せっせせっせと言って、そんなものに金をかけるよりはローカル線を大事にしろ、住民の足を大切にしろ、こう言ってきたばかりにとうとう新幹線から投げられたままにあることを思いますときに、本当に残念だなと言わざるを得ない。新幹線と言えば自民党のおはこだと思って任せてきたけれども、もう任せるわけにもいかない。公正な行政というものからいけば、これはまず第一に手をつけるべきものじゃないか、こう思うのです。
そういう意味においてまず総括的な語を申し上げましたから、
大臣からしかとした覚悟と、汚い原子力船の「むつ」だとか、再処理工場だとか、あるいはまた備蓄タンクだとか、何の役にも立たないものばかり置いて迷惑をかけているなと少しでも思ったら、これはやる、これはやらざるを得まい、こうひとつ思ってお答えいただければ、こう思うのです。まず第一に御答弁いただきます。