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上田(哲)
委員 どんどん時間がたってしまうので、僕が問題点だけずっと指摘しますから、
大臣に聞いておいてもらって、これはぜひ
改善した方がいいに決まっているわけですから。
例えば母子健康手帳です。この母子健康手帳は妊娠したらもらえるわけですが、学校へ入るところでぽつんと切れるわけですよ。これをぜひ義務教育までは、例えばこれを二冊にしてもいいし、足してもいいわけだけれ
ども、これは
局長告示でできるわけですね。そういう問題を一本化するということが子供の将来のためにも、それから全体的な疫学
調査のためにも非常に有効になってくる、これはもう御異論はないと思うのですね。ぜひこの際踏み切っていただいて――例えばこれは研究班がありまして、愛育病院の高橋悦二郎先生がやっているわけですけれ
ども、
厚生省の母子衛生課と
文部省の学校保健課が今協力しているはずです。ここは一本ぐっとやればできるわけですから、これはぜひやっていただきたいということがあります。
それから、あわせてどんどん言いますけれ
ども、母子健康センターというものが今全国に六百六十三ある。市町村立の保健センターというのが四百六十七あります。この母子健康センターというのは助産施設であったものが、今はもうほとんど
意味を持たないわけです。これをひとつ地域の、双方合わせた健康増進のための拠点にするという行政指導がなされるべきではないかということがあります。
さらに、母子保健推進員というボランタリーがあります。このボランタリーも今六万六千人いるわけですね。これが制度上確立されていないから、ボランタリーに金を出せと言っているのじゃない、しかし、こういう人々を活用していくということを母子保健法の中ではっきり確認をしていくということが大変必要なときに来ているのじゃないか。
今、母親の問題も、これは時間がないから十分に申し上げられないので一方的に演説をしますけれ
ども、十五歳から六十四歳までの労働人口と六十五歳以上の老齢人口の比率というのが三十年前は十二対一だった。現在は七対一だ。三十年後は三対一になるわけですね。三人で一人ということになる。しかも、この中には子育てという面が抜けているわけですから、子育てのための丈夫な母親のことを
考えると、乳児保育を今以上にふやすよりも、育児休業制度をしっかりつくっていかなければならない。今は学校の先生とか看護婦さんなど一部の職種にしかないけれ
ども、これを全職種に拡大し、復職の保障と手当をつけて、こういう制度を期間一年というふうにしていかないと、母体を守る体制は崩れていくだろうと思うのです。
今いろいろ申し上げたけれ
ども、こういう問題を全部含めて、例えば産婦ホームをつくるとか――これは松戸なんかでつくろうとしたのだけれ
ども、医師会の反対でつぶれたりした事態もあります。母と子の健康というものをこういう面で
考えていくということになると、これまでのところ、
厚生省あるいは
関係省庁の間でもいろいろ御議論がなされて、これはぜひ進めた方がよかろうということになってきていたけれ
ども、問題は
厚生省自身の中で、あるいは
文部省も含めて、その
方向がいけないということはあるはずがない。あるはずがないが、この際もうはっきり区切りを切って進めてもらうというところに来ているのじゃないか。老人保健法もあそこまでいって、いろいろな問題もありましょうけれ
ども、それとの対比においてももっと前進的な
意味で、優生保護法との
関係なんということではなくて、母子保健法のこうした
意味での改正というものを、項目をいっぱい挙げると切りがないけれ
ども、三歳児健診だけが義務になっているものをぐっと広げるとか、あるいは市町村を単位とする要員の確保、特に保健婦、健診サービスの拠点の確保、あるいはボランタリーの活動の制度化というようなところを重点にしながら、先ほどの健康手帳等々全部含めて、私はずばりとお伺いしたいのだけれ
ども、
昭和六十年に向かって改正の努力をするということをひとつ御確認いただいたらどうかと思うのです。