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田中(美)
委員 では、結構であるなら勉強いたしまして、納得いたしましたらぜひ全産業にこれを広げていただきたいと思います。ちなみに、嫌味を言うつもりはございませんけれ
ども、
企業の交際費というのは一カ月九億円ですよ。一カ月一人の労働者に十円出させるということくらいは労働
大臣の腹一つでできることではないか、その点を強く要求をしておきます。
さて、次に参ります。
二月の二十九日、ついこの間、二、三日前、NHKの「ニュースワイド」を見ておりましたら、この男女雇用平等法についての世論調査が報道されました。大急ぎでメモをしたわけですが、これは、差別されていると思うかと婦人に聞いているわけです。そうすると、四九%されていると思う。されないというのが三〇%なんですね。これを見ますと、十七年前にやはりNHKがやっているんですけれ
ども、それよりか差別されているというのは非常にふえていますし、されていないというのが減っているんですね。こういうのを見ても、これは一つの世論調査ではありますけれ
ども、いかに婦人の意識が高まっているかということです。差別の実態がさらに悪くなっているかとかよくなっているかとかいうことよりも、今までは差別でないかもしれない、何となく思っていたことが、意識が向上することによって、ひどい、こういうふうに思っているということの結果が出ている、私は端的に出ていると思います。
それからその次に、差別があると答えている中で二十代が圧倒的に多いんですね。六二%の人が二十代。年とともに婦人の差別があるというのは減っているということを見ましても、いかに若い人ほど意識が高まっているかということは、私は言えると思います。特に募集採用、このときに挫折感が大変大きいというふうに思うんです。この募集採用のときに、先ほど時間がなくてあれしたんですけれ
ども、この募集採用のところですけれ
ども、ここを努力規定にするということをたたき台では言っているわけですけれ
ども、これを努力規定にするということは、
局長も来ていらっしゃるし、
大臣もいられるわけですが、募集採用のところで差別をされたら、入り口のところで差別されるということですから、こんなところを努力規定にしたら、今の差別を容認することですね。ボタンで言えば、
大臣のそのチョッキのボタン、一番最初のボタンをかけ違えたら最後までおかしいんですよ。そうでしょう。それと同じことです。この募集採用のところですね。ここでの挫折感がいかに多いかということが、このNHKの世論調査にも非常にはっきり出ているんじゃないか。六二%の若い女性が差別があると答えているんですね。
それからまた、非常に端的に出ているんですけれ
ども、一体差別の目立つところはどこか、差別の根源はどこかというこの調査に対して、八一%の婦人が職場に差別があると答えているのですね。ということは、いかにこれを取り除くための男女雇用平等法が必要かということが、この調査を見ても私は大変はっきりしているというふうに思うのです。そういう意味で、実効ある男女雇用平等法ができない限り、絵にかいたもちのようなものをつくったり、またボタンのかけ違いのようなこういう平等法をつくったのでは、この婦人の声にこたえることはできないというふうに思うのです。ですから、もう一度はっきり要求いたしますけれ
ども、罰則、制裁、これは必ずきっちりとつけていただきたいということです。
それから、女子
保護規定はすべて堅持していただきたい。それともう一つは、女子の
保護規定を男子にさえ拡大する必要があるのじゃないか。この三つの観点を十分に踏まえて私は男女平等
法案をつくっていただきたい、雇用平等法の名に値しないようなものは絶対につくっていただきたくないというふうに思います。
先ほどちょっと間違いましたので、訂正させていただきます。
企業の交際費九億円と言いましたけれ
ども、一日九億円です。一カ月二百七十億になるわけです。一日九億円使っているのですね。今私が要求しているのは、一カ月十円出してくれればとさっき育児休暇のところで言ったこと、これはちょっと数字を間違いましたので、訂正させていただきます。
雇用平等法の名に値しないもの、こういうものはつくらないで、本当に実効ある、婦人の声にこたえるものをつくっていただきたいと思います。
さて、この平等法の問題というのは、非常に私は特徴があると思うのですね、社会の反応に。婦人が非常に注目しているということだけではありません。
日本の婦人が注目しているだけではなく、世界の婦人も、
日本は働きバチの国、女性問題の後進国というようなことを言われているということで、今度
日本が雇用平等法をつくるそうだがどんなものができるのか、お手並みを拝見したいという形で見ているわけですから、世界の婦人運動に貢献するような、こういう男女雇用平等法をつくる必要があると思うのです。
もう一つ大きな特徴は、財界がこれほど表に出てきたことはないのです。普通の
法案でしたら、
大臣や
局長にかみつくのですよ。そうじゃないのですね、どっちかというと。
大臣、
局長もっとしっかりせい、それこそ首かけて頑張ってくれ、
日本の女性史に残るものなんだ、世界の歴史に、人類の歴史に残るほど大きな問題なんだ、こういうものがいま
日本でやられようとしているんだ、この認識は、
大臣よりも財界の方が私は敏感なのではないかとさえ思います。まさに、
日本の労働省、
日本の自民党
政府と婦人が対決しているのじゃないのですね、財界が表に出てきている。
さっきの育児休暇の問題一つにしても、昨年の九月、雇用平等法をつくるなどいう声明を出そうとした日経連、これは婦人の抗議に遭って声明を出すということはとめました。しかし、きのうの婦少審では、署名したことさえ間違っているなどというようなことを財界が言っている。これほど財界が表に出てきたことは、本当にほかのものはないと思うのです。そういう意味では、私は、
行政や立法府が財界に屈してはならないと思うのですよ。もっと世界に広く目を向けて、財界に絶対屈服することなく、私は労働
大臣、また担当の婦人少年
局長の御決意を聞きたいと思います。まず
局長から御決意をお願いします。