○稲葉(誠)
委員 だから、いろいろな分け方があるならいろいろな分け方を表にして出してください。それは大事なんですよ。なぜ大事かということは1私が何を質問しようとしているかということは竹下さんもわかっているわけだから、だからうれしそうに笑っておるわけじゃないけれども、とにかく笑っておられるわけだ。それはわかっているわけですよ、あなたの方は。私は、これは今国税庁の書いた文書の分け方も
一つの分け方だけれども、それ以外にあると言うのならひとつ出していただきたいと思う。
例えばこういう分け方もあるわけですね。一橋大学の石先生の本がありますね。あの人はEC型付加価値税の論者だけれども、それはあの人の場合でも前提があるわけですよ。前提抜きにして言ってしまっては、それは正確じゃないのですけれども、例えば消費税体系というものをこういうふうに分けるわけですね。一が直接税タイプ。支出税、N・カルドアの支出税というか、ミード報告にあるというものですね。それから二が間接税タイプのもの。Aが一般税型、これは一般売上税。その中で単段階課税方式のものがある。例えば小売売上税、これは
アメリカでやっているものですね。それから多段階課税方式。この中を二つに分けてある。累積型、これが取引高税。それから付加価値型が付加価値税。こういうわけですね。Bは個別税型ですから、これは別といたしまして
こういうふうに分けていきますと、私が問題にするのは、もうあなたはおわかりだと思いますけれども、一体この付加価値税というもの、特に国税庁のものは、ここに書いてあるように、付加価値税を特別扱いにして詳しく説明しているのですよ、特別扱いにして。そうでしょう、詳しく書いてありますけれども。これはインボイスの問題なんかありますけれども、ともかくこういう形で出ております。
私の開きたいところのものは、これはもう率直に申し上げますが、こういうことです。
日本でやろうとした、
昭和五十三年の十二月の一般消費税特別部会の審議経過報告などを私手元に持ってきておりますけれども、この当時言われた一般消費税というものが国会決議で否定された。それはインボイスというものを伴わないものだ、こういうふうにあなたは
答弁をされておられる。それはインボイスをなぜ伴わないかという
理由については、インボイスというものについては一付加価値税には二つあるという言い方を石さんはしているわけですね。前段階税額控除方式、これはECのやり方。それから仕入れ控除方式。こういうふうないろいろな方式があるというのですが、これは国会決議のものは仕入れ控除方式だというようなことを言っているのですね。インボイスを発行して税額を控除するという煩雑な仕事を回避できる、中小企業が圧倒的に多いためにこの方式を
日本ではとったんだ、こういうようなことを言われているわけで、ことし二月十八日の私の質問に対するあなたの答えの中でも、こういう
答弁をされておるのですね。「EC型付加価値税との違いは、いわゆるインボイスを必要としない仕入れ控除方式を採用するというふうな形のものは、あの時点においては国会決議において否定」をされた。インボイスを必要としない仕入れ控除方式を採用するというようなのはいけない、なぜかというと、インボイスというのはEC型では使われておるけれども、
日本の場合は、中小企業など非常に多くて煩雑であるからこれはやらない、こういうことになっておるのだというふうに、あなたの方ではあの国会決議を非常に狭く解釈をされておられるように私にはとれるのです。
そこで問題は、この付加価値税の問題の中で、一般消費税の中で今のインボイスというものが占める位置の問題だと私は思うのですよ。それはどういう位置を占めているかということが私は問題だと思うのです。私の見解では、このインボイスがあるというのは事務上の問題だけですよ。非常に煩雑になるかならないかの問題だけであって、付加価値税というものについての本質的な問題ではないと私は思っておるのですよ。それは、前の福田主税
局長がそういう意味のことを雑誌の中で、これは「税務弘報」ですか、石さんとの対談の中で言っているのですね。それは「税務弘報」のことしの二月号ですね。福田さんが「ECと同じ付加価値税をそのまま導入する。それにはインボイスが不可欠ですね。前のいわゆる一般消費税では、勘定で仕入と売上を計算して、インボイスを用いないようにしたのは、事務負担を軽くすることを考えたわけです。」これだけの話なのですね。こういうふうに言っておられるので、だから国会決議は、インボイスの有無に、かかわりなく、インボイスがあろうがなかろうが、全体を含めて国会決議は否定をしておるのだ、こういうふうに私は理解をしておるのです。それが正しい理解ではないかというのが私の理解の仕方です。これは
倉成委員長はその方面の専門家ですからね。
倉成さんの御
意見をここで聞くわけにはいかぬけれども、ここでまた
答弁や何か、質問をよくお聞きになっていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。