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有島委員 今のお話を延長いたしますと、私は
総理大臣には金輪際なるまい、こういうことになりかねない。しかし、そういった消極的な意味ではなしに、では、みんなそれじゃなるまいというのだったら、よほどみんなおかしいからということになってしまいますから、今のお話はお話として私は記憶いたしますけれども、前段、深刻な影響があるとお思いになる、これだけは、これは皆お互いに
考えなければいけないことだと思います。
ですから、今、
国会の中でいろいろな政治倫理の方の相談はしておこう、そういうこととは別に、子供
たちには影響を与えておる。あるいは僕はこう思うのですけれども、
総理の靖国参拝というような場合も、公の
立場と私の
立場ということはあると思うのですね。それで私なら私の
立場らしい行き方というのはあると思うのですね。公だか私だかよくわからぬようなことでやっておる。これは法制的に見てどうだという
議論とは別に、やはり
教育的な影響ということからも
考えるべきじゃないかなと私は感じております。
先に行きます。
新しい
機関の設置につきまして、これもいろいろあるわけでございますけれども、これはもう本当に必要なものかどうなんだろうかということなんですね。それで、これは矢野書記長からも
質問がございましたし、ほかにもいろいろありました。これも
教育改革に限らずいろいろな
改革の原理であろうと思うのですけれども、東洋哲学での守、破、離というのですか、現在の枠を守る、
一つの規範を守る、それから規範にのっとっていろいろと
運用してみる、それから第三番目にそれを外れて新しいものをつくっていくというようなことがあると思うのですね。ですから、現在の枠内でもって充実したり、かげんをしたりする、そして枠の
運用、そして新しい枠組みをつくる、こういった順序を踏んでいくのが一番堅実に思われる、この新しい
機関をつくっていかれる上に、
総理の方から見ればちゃんと順序を踏んでいらっしゃるおつもりでいらっしゃるに違いないと僕も推察はするのだけれども、我々の目から、あるいはいろいろ私
たちのところに
質問される――いろいろな方から
質問されますが、非常に何か唐突な感じも受けておられる方が多いわけです。
それで、今までございました中教審ですけれども、中教審は私は相当高く評価をしております。おりますけれども、批判を持っております。批判は、内容的な批判もございますけれども、
一つには中教審のあり方について二つほどある。
それは秘密性ですね。いろいろな、
社会各界の方、その代表的な方がおいでになっている。そこでいろいろな
議論が出ているのだから、その
立場でなければ出てこないような、いろいろな集積された知恵がそこに火花を散らしているのだろうと思うわけです。ですから、記録を全部公開しろとは申しません。申しませんけれども、いろいろな
議論の過程あるいは少数
意見の明記というようなことをしていただいた方がやはりよろしいのじゃないかと思うのです。これは中教審に限っても、いつも思っていたことでございます。それによって
国民の関心はやはり高まってくる。そしてある場合には、いろいろな
意見もこれは投書の形か参るいはいろいろな形でもって参加ということも起こってくる。
今のような形でございますと、何か秘密のうちに
一つの中間答申が出る。公聴会をやる、それでいろいろ
意見を言う、これは聞きおく程度。それによって変更されるということはほとんどない。それで今度はこれが本答申。そうすると、これはもう権威ある人
たちが集まった、公聴会も済ました、だからこれは文句を言わせぬ、こういうような感じになりやすい。ですから今までの、中教審を初め、
文部省関係でも十八の審議会がありますけれども、やはり秘密性という、これは今後直していくべきだ。新しい
機関の設置を待つまでもなく、こういったことは少し工夫をしていただきたい。
もう
一つは、事務局のあり方です。事務局のあり方によっては、これは台所で料理をしてしまうようなことでございますので、これはいろいろな審議会に
関係をなすった
委員の方々から私は直接聞くわけですね。私も何かの
委員をやったこともありますけれども、せっかくいい
議論をやった、ところが次の
委員会に行ってみると、もうそれは議題として削られておる、こういうことがあるわけですね。そうすると、結局はその事務局のペースでもって、初めから決まっていたことをわあわあいろいろ言うけれども、結局あれは何だったのだろうか、こういうことになりかねないわけであります。ですから、事務局のあり方についても、これはぜひともひとつ工夫をしていただきたい。
もちろん、
政府関係、行政
関係の方々がそれに参画しなければ、それはとてもとてもやっていかれないことはわかります。行政
関係はこれは専門
委員としての資格でやはり参画をなさるべきじゃないのか、こういうように思うわけであります。
これは今ここでもって
議論をする時間がないですから、もう
一つは、今度はこの答申を受けた
政府側の問題ですね。いわゆる四六答申といいます、四十六年の答申は立派なものができたのだけれども、
一つ機運が盛り上がらなかった、森さんが言っておられるように。それはそれなりにある。あれも、つくっていく段階でももう少し
国民的関心を寄せる工夫はあったと僕は思います。しかし、今度はそれを受けて相当熱心にいろいろ取り組まれた。今も細々とやっていらっしゃる面もある。かなり太いパイプが引かれた面もある。しかし、これも内閣としての受け方があろうかと思うのですね。
ですから、私から申し上げるのはおかしいかもしれないけれども、これは今後内閣が総力を挙げて取り組むということは、
文部省にとっては、
教育という
立場から各省のやっている仕事をずっとやはりいつも関心を持って、そしてそれと柔軟な連携をとれるようにするということが
一つでしょう。それからもう
一つは、各省が今度は
教育という
一つの視点を入れてその御管轄の仕事をしていただかなければならない、こういうことになるかと思うのですね。それを具体的に言いますと、定例の閣僚
会議というのがあるけれども、
教育のための――例は悪いかもしれないけれども、国防
会議というのがございますね。あるいは
経済閣僚
会議というのがございますね。あるいは消費者保護
基本法、これは私もタッチいたしましたけれども、この消費者保護
基本法の十八条、十九条、これは消費者保護
会議というのがあって、
内閣総理大臣を長としての
会議がございます。やはり
教育閣僚
会議、こういうのは当然設置なさる御用意がもうおありになるのじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。